JP2594615Y2 - 塗布具および塗布具のチップとコアとの接合構造 - Google Patents

塗布具および塗布具のチップとコアとの接合構造

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JP2594615Y2 JP1993027854U JP2785493U JP2594615Y2 JP 2594615 Y2 JP2594615 Y2 JP 2594615Y2 JP 1993027854 U JP1993027854 U JP 1993027854U JP 2785493 U JP2785493 U JP 2785493U JP 2594615 Y2 JP2594615 Y2 JP 2594615Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、ペン先となるチップを
有する塗布具に関するものであり、特に断面形状が角状
あるいは偏平なチップを有する塗布具に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】旧来のフェルトペンに変わるものとし
て、近年樹脂製のチップをペン先とする塗布具が普及し
つつある。またこの種の塗布具において、比較的高粘度
のインキを使用する場合には、弁を内蔵する構成が採用
される場合が多い。
【0003】以下に、樹脂製のチップをペン先とし、弁
を内蔵した従来技術の塗布具について説明する。図10
は、従来技術の塗布具の要部の分解斜視図である。図1
0において、100はペン先となるチップである。チッ
プ100は樹脂で作られたものであり、細い円柱状をし
ている。即ち従来技術においては、この種の塗布具のチ
ップは専ら円柱状であってそれ以外の形状のものは提案
されていない。
【0004】そしてチップ100の後端部には、コア1
01が取り付けられている。ここでコア101は、イン
キ溜めからチップに円滑にインキを導く作用をする部材
であり、多孔質体や繊維束を素材として、円柱状に成形
されたものである。上記したチップ100とコア101
は、先金具と称される金具102で結合されている。従
来技術の先金具102は、内径の異なる2つの部分が連
続する筒状の部材である。即ち従来技術で採用される先
金具102は小径部103と大径部105を持つ。そし
て小径部103の内径はチップ100の外径に等しく、
大径部105の内径はコア101の外径に等しい。従来
技術で用いられていた先金具102は、切削加工によっ
て上記した小径部103と大径部105を有する形状に
予め成形されていた。そしてチップ100とコア101
は、それぞれ先金具102の小径部103と大径部10
5に挿入されることによって結合されていた。
【0005】このようにして一体化されたチップ100
とコア101は塗布具の先栓106の孔108内に摺動
可能に挿入される。ここで先栓106は図示しないイン
キ溜部の先端に取り付けられたものであり、先端の孔1
08は図示しないインキ溜部の内部と連通する。またイ
ンキ溜部内には図示しない弁が内蔵されている。
【0006】従来技術の塗布具を用いて字や絵を書く際
には、筆圧をもってチップ100を押しつける。すると
チップ100は先金具102が孔108内を摺動するこ
とによって、孔108内に沈む。その結果チップ100
の後端に取り付けられたコア101が、図示しない弁の
弁体を押し、弁を開いてインキ溜部の開口を開く。する
とインキ溜部からインキが流れ出し、コア101を通じ
てチップ100に導かれる。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】従来技術の塗布具に採
用されていたチップは、前記したように円柱形状であっ
た。そのため、従来技術の塗布具は文字や線図を描く場
合には申し分の無い機能を果たすものであった。しかし
ながら従来技術の塗布具は太い線を引いたり、一定の範
囲を塗りつぶす様な用途に使用する場合には、はなはだ
使い勝手の悪いものであった。そこで、本考案者らはチ
ップを有する塗布具を、太い線を描く用途に適する構成
への改良を試みた。具体的にはチップの形状を従来技術
の円柱形状から断面が偏平なものに変更した。しかしな
がら、チップの形状を断面が偏平な形状に変更すると、
従来技術には全く存在しなかった新たな問題に直面し
た。
【0008】即ち、弁を内蔵する塗布具では、弁を開放
するために、チップに相当の筆圧を加える必要がある。
ところが、断面形状が偏平のチップを採用すると、チッ
プに筆圧を加えたときに、チップに回転モーメントが発
生し、チップが回転してしまう。そのため、太い線を引
いている最中に、突然チップが回転し、線が細くなって
しまう問題があった。
【0009】そしてこの問題は、特に本塗布具をカリグ
ラフに利用する場合に致命的な問題となるものであっ
た。ここでカリグラフとは、人間の手を使って文字を
描くデザインの手法である。カリグラフの代表的な方
法は、先端が偏平な筆等を手に持ち、その筆をいろいろ
な向きに傾けたり、反転して線の太さに変化を持たせつ
つ文字を描く。
【0010】ところが、本出願人らが試みに、断面形状
が偏平のチップを備えた塗布具を用いてカリグラフ
行ったところ、線の太さに変化をつけるために塗布具を
傾けて文字を描いていると、予期しないところでチップ
が回転してしまい、意のままの太さの線を描くことがで
きなかった。そのため断面形状が偏平のチップを備えた
塗布具は、とてもカリグラフの使用に耐えるものでは
なかった。
【0011】本考案は、従来技術の上記した問題点に着
目し、チップの断面形状を偏平にすることによって太い
線を描くことが可能であり、かつ文字や絵を描いている
最中にチップが回転することがない塗布具を提供するこ
とを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】そして、上記した目的を
達成するための本考案の特徴は、断面が角状あるいは偏
平状のチップが取り付けられた先金具と、インキ溜部に
取り付けられ先端に孔が設けられた先栓を有し、前記先
金具が前記先栓の孔内に装着された塗布具であって、前
記先金具には係合部が設けられ、該係合部が先栓の孔の
一部と回転不能に係合している塗布具である。尚ここで
塗布具とは、先からインキやのり等の液体をにじみださ
せる道具の総称であり、少なくとも文字を書くもの、線
を書くもの、物品に色を塗るものを含む概念である。具
体的な物品群としてはペン、ペイントマーカー、修正
液、マニキュア、糊等を包含するものである。
【0013】また、上記した考案の効果を顕著に発揮さ
せる態様を示す考案は、上記した構成に加えて、先金具
は先栓の孔内に摺動可能に装着され、インキ溜部にはそ
の開口を常時閉鎖する弁が取り付けられており、該弁は
先金具の摺動と連動し、インキ溜部の開口を開放するこ
とを特徴とする塗布具である。
【0014】さらに、上記した考案に採用されるチップ
の取り付け部分を改良した態様の考案は、チップは先金
具の一部をかしめることによって先金具に取り付けられ
ており、先金具のかしめ部は他の部分から突出して先栓
の孔の一部と回転不能に係合していることを特徴とする
塗布具である。
【0015】また、上記の目的を達成するためのもう一
つの考案は、断面が角状あるいは偏平状のペン先チップ
と、インキ溜部からインキを導き出すコアとを接合する
構造であって、ペン先チップとコアとは円筒形の先金具
に挿入され、先金具のコア挿入部分がかしめられて成る
ことを特徴とする塗布具のチップとコアとの接合構造で
ある。
【0016】
【作用】請求項1記載の考案の塗布具は、断面形状が偏
平なチップを有し、このチップがペン先として機能す
る。従って使用者が本考案の塗布具のチップを紙等に押
し当てて塗布具を走らせると、紙等には最大でチップの
幅に相当する太さの線が描かれる。また請求項1記載の
考案の塗布具は先金具に係合部が設けられ、該係合部が
先栓の孔の一部と回転不能に係合しているので、筆記中
に塗布具を傾けたり、反転を加えてもチップが回転する
事はない。さらに本考案の塗布具は、先金具が先栓の孔
の一部と係合するものであるため、チップに係る回転力
は、先栓で負担される。そのためチップに無理な力がか
かることは無い。
【0017】また請求項2記載の塗布具では、インキ溜
部にその開口を常時閉鎖する弁が取り付けられているた
め、チップに過度にインキが供給されたり、インキが乾
燥してしまうことは少ない。そして使用者が請求項2記
載の塗布具を利用して文字や線を描く時は、チップに筆
圧を加えてチップを押す。すると、チップを保持する先
金具は先栓の孔内に摺動可能に装着されているので、先
金具は先栓の孔内に沈む。そして先金具の摺動と連動し
て弁が開きインキ溜部の開口が開放されて、新たなイン
キがチップに供給される。
【0018】請求項3記載の塗布具では、チップは先金
具の一部をかしめることによって先金具に取り付けられ
る。またかしめの際にかしめ部が他の部分から突出する
様に配慮されている。そして請求項3記載の塗布具で
は、このかしめ部の突出した部分が先栓の孔の一部と係
合し、チップの回転を阻止する。
【0019】請求項4記載のチップとコアとの接合構造
では、ペン先チップとコア、および先金具は別々に成形
され、ペン先チップとコアとを先金具に挿入した後、先
金具をかしめることによってチップとコアとを接合する
ことができる。
【0020】
【実施例】以下更に本考案の具体的実施例について説明
する。図1は、本考案の具体的実施例における塗布具の
断面図である。図2は、図1の塗布具の要部の分解斜視
図である。図3は、図1の先端部分の拡大図である。図
4は、図3の側面断面図である。図5は、図4のA方向
矢視図である。図6乃至図8は、本考案の変形実施例の
図5に相当する矢視図である。図9は、本考案の変形実
施例の要部の分解斜視図である。
【0021】図1において、1は本考案の具体的実施例
の塗布具である。本実施例の塗布具1は、大きく分けて
インキ溜部2と先栓3およびペン先部5によって構成さ
れる。順次説明すると、インキ溜部2は従来技術のそれ
と大差なく、アルミニウム、ステンレススチール、合成
樹脂、ガラス等によって成形された容器であって、端部
が開口し、内部に弁6が内蔵されている。弁6は、樹脂
で作られたものであり、弁座8と弁枠9および弁本体1
0によって構成される。ここで弁座8はインキ溜部2の
内外を連通する弁孔13を有する部材である。弁枠9
は、インキ溜部2の開口部分に装着された枠状の部材で
あり、周囲に図示しない開口が設けられていて、弁枠9
内には自由にインキが出入りすることができる。また弁
枠9の底部にはガイド孔15が設けられている。
【0022】弁本体10は中央部が太く、先端に当接棒
17が設けられ、後端にガイド棒18が形成されてい
る。
【0023】弁6は、弁座8と弁枠9によって弁体挿入
空間が形成され、該空間内に弁本体10が配置されて成
る。また弁本体10の当接棒17は弁座8の弁孔13か
ら外部に突出し、一方ガイド棒18は弁枠9のガイド孔
15に挿入されている。また弁本体10はバネ12によ
って常時弁座8に向かって付勢されている。従って弁座
8の弁孔13は、常時は弁本体10によって塞がれてい
る。また一方弁本体10のガイド棒18をインキ溜部2
内に向かって押圧すると、弁本体10はばね12に抗し
て移動し、弁本体10が弁座8を離れて弁孔13が開放
される。
【0024】先栓3は弁本体10の蓋に相当する部材で
あり、先端に貫通孔19が設けられている。そして先栓
3の構成で特記しておくべき構成は、貫通孔19の内部
に突条20が設けられている点である。突条20は断面
が半円状であり、貫通孔19の軸方向の全域に渡って形
成されている。また突条20は同じ形のものが、貫通孔
19内面の円周方向に、等間隔に4個設けられている。
そして4個の突条20の先端の内接円は、後記するペン
先部5を構成する先金具23の大部分27の直径よりも
僅かに大きい。
【0025】ペン先部5は、本考案の最も特徴的な部分
であり詳細に説明する。本実施例の塗布具1ではペン先
部5は、ペン先チップ21とコア22および先金具23
から構成される。
【0026】ペン先チップ21は、ポリアセタール樹脂
等によって作られたものであり、断面が長方形の偏平な
形状をしている。ペン先チップ21は、軸方向に微小な
貫通孔或いは貫通溝を有するものであり、これらの微小
な貫通孔等によって後端と先端が連通し、先端からイン
キがにじみ出される。
【0027】コア22は多孔質の樹脂あるいは繊維束を
素材として棒状に成形されたものである。
【0028】先金具23は黄銅製の筒であり、前記した
ペン先チップ21とコア22が両端から挿入され、両者
を一体に結合するものである。先金具23の内径は、前
記したコア22の外径にほぼ等しいものであり、コア2
2は先金具23に圧入することによって先金具23に結
合されている。これに対して、ペン先チップ21の先金
具23への固定手段はかしめ構造が採用されている。即
ち、本実施例で採用するペン先部5では、いずれの位置
の断面も等しい円形である先金具23を利用し、先金具
23にペン先チップ21を挿入し、先金具23をかしめ
ることによってペン先チップ21を固定する。
【0029】その結果、本実施例で採用するペン先チッ
プ21のかしめ部24に、係合部25が形成される。即
ち本実施例の塗布具1ではペン先チップ21と先金具2
3との結合は、先金具23の先端をかしめることによっ
て行われているので、先金具23の大部分27の断面は
円形であるが、ペン先チップ21との結合部分となるか
しめ部24だけは、偏平に潰された形をしている。より
具体的に説明すると、かしめ部24は、図5に示す様に
ペン先チップ21の厚さ方向には、ペン先チップ21に
密着しており、他の大部分27よりも偏平である。そし
てその反面かしめ部24は、ペン先チップ21の幅方向
には、ペン先チップ21の幅よりも相当に大きく、先金
具23の他の大部分27よりも突出した形状になってい
る。そして、この突出した部分が係合部25として機能
する。
【0030】本実施例の塗布具1の組み立て構造は、イ
ンキ溜部2の先端に先栓3が装着され、更に先栓3の貫
通孔19内にペン先部5が挿入されて、コア22が弁本
体10のガイド棒17に当接したものである。そして先
金具23の大部分27の外径は、先栓3の貫通孔19の
内面にある突条20の内接円よりも僅かに小さいので、
ペン先部5は先栓3の貫通孔19内を軸方向に摺動する
ことができる。
【0031】またここで重要な点は、先金具23のかし
め部24にある係合部25は、他の大部分27より外側
に突出しているため、該係合部25は、先栓3の突条2
0間に係合する。従って先金具23の回転は阻止され
る。その結果、ペン先部5は先栓3の貫通孔19内を摺
動可能であるが、回転することはない。
【0032】次に本実施例の塗布具1の作用について説
明する。本実施例の塗布具1を用いて例えばカリグラフ
を行う場合は、筆圧をもってペン先チップ21を紙等
に押し当てる。するとペン先部5は係合部25が突条2
0に係合し、回転する事なく真っ直ぐに先栓3の孔19
内に沈み、コア22が弁本体10のガイド棒17を押し
て、インキ溜部2の弁孔13を開放させる。そしてイン
キ溜部2内からインキが流れ出し、コア22に吸収され
る。尚コアの周囲にリング状の連続気泡体よりなるイン
キ吸蔵体設け、余分なインキを吸収させてもよい。コ
ア22にインキが吸収された結果、コア22を通じてペ
ン先チップ21にインキが供給されて紙に線が描かれ
る。尚インキ溜部2内からインキが流れ出す際、突条2
0の間の隙間28および、チップ21と先金具23との
間の隙間29は通気孔として作用するため、インキの流
出は円滑である。
【0033】そして使用者が塗布具を傾け、或いは反転
すると、ペン先チップ21に回転モーメントが発生す
る。しかしながら、本実施例の塗布具1では、先金具2
3のかしめ部24に係合部25が設けられており、この
係合部25が先栓3の孔19の突条20と係合している
ので、ペン先チップ21の回転モーメントは当該係合部
25で負担され、ペン先チップ21が回転することはな
い。そのため、ペン先チップ21は使用者の思うままに
傾き、或いは反転し、自由自在に線径を変化させること
ができる。
【0034】また、ペン先チップ21は、使用者の塗布
具操作に応じて反転するとともに先栓3の孔19を出入
りするが、本実施例の塗布具1ではこれらのペン先チッ
プ21の挙動によって、ペン先チップ21自身が傷付く
ことはない。即ち、本実施例の塗布具1では、ペン先部
5の軸方向の摺動面および、回転モーメントの負担部分
は、いずれも先金具23で行われる。そのためペン先チ
ップ21自身には強い力はかからず、ペン先チップ21
は保護される。
【0035】以上述べた実施例では、かしめ部の詳細な
構成は、図5に示すように、先金具23がペン先チップ
21に対して幅方向には密着し、横方向には隙間29を
有して張り出した構成を開示したが、勿論本考案はこの
構成にこだわるものではない。即ち、かしめ部でのペン
先チップ21と先金具23との関係は、主としてペン先
チップ21の形状と、先金具23の内径によって決まる
ものであり、例えば図6の様に先金具34が横方向はペ
ン先チップ33と隙間無く当接し、幅方向に余裕があっ
てその中央部35だけがペン先チップ33と当接する構
成も可能である。また図7のようにいずれの面も、先金
具36がペン先チップ37とほぼ密着する構成も可能で
ある。これを言い換えると、本実施例の塗布具1の構成
は、ただ一つの種類の先金具をもって、多数の種類のペ
ン先チップをコアと結合することができる効果がある。
【0036】尚、本実施例の構成に係わらず、先金具の
先端をペン先チップ21の形状に合わせて予備変形して
おき、先金具にペン先チップ21を挿入した後、これを
かしめる方策が適する場合もある。また先金具は、単一
断面のものに限らず従来技術のところで述べたように、
大小2つの直径部分を有するものであってもよい。
【0037】以上述べた実施例では、ペン先チップ21
と先金具23との結合をかしめ構造を採用したものを例
にとって説明し、かしめ部分を係合部として作用させる
構成を例示した。この構成は、前記したように、一種類
の先金具をもって多種類のペン先チップ21の取り付け
が可能であり、最も推奨される構成である。しかしなが
ら、このようなかしめ構成以外でも、本考案の実現は可
能である。例えば鍛造等によって、先金具の開口を偏平
であって他の部分から突出した形状に予め造っておき、
この開口にペン先チップ21を挿入することによってペ
ン先チップ21を先金具に固定すると共に、先金具の偏
平な部分を係合部として機能させることもできる。
【0038】また、先金具の先端は、他の大部分から突
出しない形状とし、先端以外の部分に別途係合部を設け
る構成も可能である。先金具の先端以外の部分に係合部
を設ける実施例としては、例えば図9のように先金具3
0の後端をかしめることによってコア22を先金具30
に固定し、先金具30の後端部分に係合部31を形成さ
せる構成が考えられる。また別途に設ける係合部の構成
には、先金具の中央部分に突起や突条等の突出した部分
を設ける構成も考えられる。また逆に先金具に長手方向
に延びる溝を形成し、先栓の孔にこれらの溝等に合致す
る突起を設けても同様の効果が期待できる。さらに、図
8のように先金具40の断面を全面に渡って4角や6角
形状としたり、一部だけに平面部を設け、先栓41の孔
43を先金具40の形状に一部或いは全部が合致するも
のとする構成も可能である。
【0039】尚、上記したように、先金具の形状に応じ
て、先栓の孔の断面形状を随時変更することが可能では
あるが、先栓の孔の断面形状は、本実施例で説明した4
つの突条が設けられた構成が最も推奨される。この理由
は、4つの突条20が設けられた構成は、4つの突条2
0の先端によって先金具の円柱状の部分が保持されるた
め、係合部が存在しない従来技術の先金具でも軸方向に
動可能に挿入することができる。そのため本実施例で
採用する先栓3は、従来技術のところで説明した断面が
円状のチップを有する塗布具と互換性を持たせることが
できる効果がある。
【0040】本実施例では、本考案の効果が最も顕著で
あるものとして断面が偏平なチップを有する塗布具を例
示した。しかし正方形や6角形あるいは8角形等の角形
のチップについてもチップが回転することによって線径
が変化するので、本考案の適応の余地があることは言う
までもない。
【0041】
【考案の効果】本考案の塗布具は断面形状が角状あるい
は偏平状のチップを有し、このチップからインキをにじ
み出させるものであるため、太い線を描くことができる
効果があり、広い範囲を塗りつぶす場合の作業性が良い
効果がある。
【0042】また本考案の塗布具は先金具に係合部が設
けられ、該係合部が先栓の孔の一部と回転不能に係合し
ているので、筆記中に塗布具を傾けたり反転しても、チ
ップが回転する事はない。そのため本考案の塗布具は全
体を傾けたり、反転することによって自由自在に線径を
変化させることができる効果がある。そのため、本考案
の塗布具はカリグラフの新たな画材として採用するこ
とができる効果がある。さらに本考案の塗布具はチップ
に係る回転力が、先栓で負担されるのでチップに無理な
力がかかることは無く、いつまでも滑らかな書き味を維
持することができる効果がある。
【0043】請求項2記載の塗布具では、インキ溜部に
その開口を常時閉鎖する弁が取り付けられているため、
チップに過度にインキが供給されたり、インキが乾燥し
てしまうことが少ない効果がある。
【0044】請求項3記載の塗布具は、かしめ部が係合
部として作用するため、チップの回転が阻止され、自由
自在に線径を変化させることができる効果がある。また
請求項3記載の塗布具は、先金具をかしめてチップを取
り付けるという極簡単な手段によって係合部を形成する
ことができるため、塗布具の製造工程が少なく、大量生
産に適する効果がある。さらに請求項3記載の塗布具
は、先金具の互換性が高い効果がある。
【0045】請求項4記載の塗布具のチップとコアとの
接合構造は、少ない種類の先金具で多数の種類のチップ
を取り付けることができるため、部品の互換性の向上を
図ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の具体的実施例における塗布具の断面図
である。
【図2】図1の塗布具の要部の分解斜視図である。
【図3】図1の先端部分の拡大図である。
【図4】図3の側面断面図である。
【図5】図4のA方向矢視図である。
【図6】本考案の変形実施例の図5に相当する矢視図で
ある。
【図7】本考案の他の変形実施例の図5に相当する矢視
図である。
【図8】本考案の他の変形実施例の図5に相当する矢視
図である。
【図9】本考案の他の変形実施例の要部の分解斜視図で
ある。
【図10】従来技術の塗布具の要部の分解斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 塗布具 2 インキ溜部 3 先栓 5 ペン先部 19 貫通孔 20 突条 21,33,37 ペン先チップ 22 コア 23,34,36 先金具 24 かしめ部 25 係合部 30 先金具 31 係合部
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B43M 11/00 B43M 11/00 A B43K 8/02 B

Claims (4)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面が角状あるいは偏平状のチップが取
    り付けられた先金具と、インキ溜部に取り付けられ先端
    に孔が設けられた先栓を有し、前記先金具が前記先栓の
    孔内に装着された塗布具であって、前記先金具には係合
    部が設けられ、該係合部が先栓の孔の一部と回転不能に
    係合していることを特徴とする塗布具。
  2. 【請求項2】 先金具は先栓の孔内に摺動可能に装着さ
    れ、インキ溜部にはその開口を常時閉鎖する弁が取り付
    けられており、該弁は先金具の摺動と連動し、インキ溜
    部の開口を開放することを特徴とする請求項1記載の塗
    布具。
  3. 【請求項3】 チップは先金具の一部をかしめることに
    よって先金具に取り付けられており、先金具のかしめ部
    は他の部分から突出して先栓の孔の一部と回転不能に係
    合していることを特徴とする請求項1あるいは2のいず
    か1項に記載の塗布具。
  4. 【請求項4】 断面が角状あるいは偏平状のペン先チッ
    プと、インキ溜部からインキを導き出すコアとを接合す
    る構造であって、ペン先チップとコアとは円筒形の先金
    具に挿入され、先金具のコア挿入部分がかしめられ、ペ
    ン先チップは先金具の一部をかしめることによって先金
    具に取り付けられていることを特徴とする塗布具のチッ
    プとコアとの接合構造。
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