JP2020049672A - 筆記具 - Google Patents

筆記具 Download PDF

Info

Publication number
JP2020049672A
JP2020049672A JP2018178378A JP2018178378A JP2020049672A JP 2020049672 A JP2020049672 A JP 2020049672A JP 2018178378 A JP2018178378 A JP 2018178378A JP 2018178378 A JP2018178378 A JP 2018178378A JP 2020049672 A JP2020049672 A JP 2020049672A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
pen tip
cap
writing
transparent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018178378A
Other languages
English (en)
Inventor
尚利 早川
Naotoshi Hayakawa
尚利 早川
達也 飯島
Tatsuya Iijima
達也 飯島
岩田 久嗣
Hisatsugu Iwata
久嗣 岩田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pilot Corp
Original Assignee
Pilot Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pilot Corp filed Critical Pilot Corp
Priority to JP2018178378A priority Critical patent/JP2020049672A/ja
Publication of JP2020049672A publication Critical patent/JP2020049672A/ja
Priority to JP2023109238A priority patent/JP2023120452A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Pens And Brushes (AREA)

Abstract

【課題】透明性を有する材料により形成した部材を用いた筆記具でありながら、筆記具により形成される筆跡が初期から退色や褐変を生じて見栄えを損なうことがなく、ペン先形状や筆記具内のインキの色調や残量を視認できる筆記具を提供すること。【解決手段】インキと、インキを収容したインキ吸蔵体7と、内部にインキ吸蔵体7を収容した軸筒8と、インキが吐出可能なペン先3と、ペン先3を保持する保持体4と、軸筒8のペン先側に着脱自在に取り付けられ透明性を有する材料にて形成されたキャップ2と、を備える。キャップ2に紫外線吸収剤若しくは透明性紫外線遮蔽剤を含有、又はキャップ2表面に紫外線吸収剤若しくは透明性紫外線遮蔽剤を含む光安定層を設ける。【選択図】 図1

Description

本発明は、筆記具に関する。更に詳細には収容されるインキの耐光性を向上させた筆記具に関する。
従来より、筆記具に収容されるインキ中に含まれる着色剤は、光により色調が退色又は変色してしまうものが多く存在している。そのため、ベンゾフェノン系、サリチル酸系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤をインキ中に添加することが開示されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
特開昭62−106971号公報 特開平9−279080号公報
特許文献1及び2に開示された技術では、前記紫外線吸収剤は、媒体に対する溶解性が非常に乏しく、特に水性インキに用いる場合には少量しか添加することができないために充分な耐光性向上効果が得られ難かった。
近年、キャップや軸筒やインキ収容管を、透明性を有する材料により形成して内部に収容したペン先形状やインキの色調や残量を視認できる筆記具が汎用されているが、前記筆記具においては収容されたインキ自体が光に晒される傾向にあり、比較的耐光性に乏しい染料、蛍光顔料、可逆熱変色性材料、フォトクロミック材料等の着色剤を使用した系において、インキ中で着色剤の退色や褐変を生じ、よって、筆記して得られる筆跡も同様に退色や褐変が見られ、商品価値を損ない易くなる。また、インキ中で着色剤の退色や褐変を生じさせないためには、キャップや軸筒やインキ収容管を、透明性を有する材料で形成することができず、よって、ペン先形状や筆記具内のインキの色調や残量を視認できない。
本発明は、以上のような知見に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、透明性を有する材料により形成した部材を用いた筆記具でありながら、前記筆記具により形成される筆跡が初期から退色や褐変を生じて見栄えを損なうことがなく、ペン先形状や筆記具内のインキの色調や残量を視認できる筆記具を提供することである。なお、本発明において、「前」とは、ペン先側を指し、「後」とは、その反対側を指す。
本発明は、(イ)電子供与性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記(イ)、(ロ)成分の呈色反応の生起温度を決める反応媒体からなる可逆熱変色性材料、フォトクロミック有機材料、染料、蛍光顔料から選ばれる着色剤を含むインキと、前記インキを収容したインキ吸蔵体と、内部に前記インキ吸蔵体を収容した軸筒と、前記インキが吐出可能なペン先と、前記ペン先を保持する保持体と、前記軸筒のペン先側に着脱自在に取り付けられ透明性を有する材料にて形成されたキャップと、を備えた筆記具であって、前記キャップに紫外線吸収剤若しくは透明性紫外線遮蔽剤を含有、又は前記キャップ表面に紫外線吸収剤若しくは透明性紫外線遮蔽剤を含む光安定層を設けてなる筆記具である。
本発明によれば、前記キャップに紫外線吸収剤若しくは透明性紫外線遮蔽剤を含有、又は前記キャップ表面に紫外線吸収剤若しくは透明性紫外線遮蔽剤を含む光安定層を設けることより、透明性を有する材料により形成した部材を用いた筆記具でありながら、前記筆記具により形成される筆跡が初期から退色や褐変を生じて見栄えを損なうことがなく、ペン先形状や筆記具内のインキの色調や残量を視認できる。
本発明は、透明性を有する材料により形成した部材を用いた筆記具でありながら、前記筆記具により形成される筆跡が初期から退色や褐変を生じて見栄えを損なうことのない優れた筆記具であると共に、ペン先形状や筆記具内のインキの色調や残量を視認することができるため、商品価値の高い筆記具を提供できる。
本発明の実施形態を示す縦断面図である。 図1の要部拡大図である。 図3(a)は、本発明の実施形態の保持体の縦断面図である。図3(b)は、図3(a)のA−A線断面図である。図3(c)は、図3(a)のB−B線断面図である。 図4(a)は、本発明の実施形態のペン先の正面図である。図4(b)は、ペン先の斜視図である。 図2の要部拡大縦断面図である。 図5の前軸と後軸の分解図である。(その他部品は省略) 加熱消色型マイクロカプセル顔料の変色挙動を示す説明図である。 色彩記憶保持型マイクロカプセル顔料の変色挙動を示す説明図である。 加熱発色型マイクロカプセル顔料の変色挙動を示す説明図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
筆記具1は、主に、キャップ2と、ペン先3、ペン先3を保持した保持体4と、インキ吸蔵体7と、インキ吸蔵体7を内部に収容した前軸5及び後軸6とからなる。そして、保持体4が、前軸5の保持体嵌合部58に圧入嵌合される。また、筆記具1は、内部にインキ吸蔵体7を収容した後軸6の開口部に、前軸5を着脱自在に設け、前軸5を後軸6の開口部から取り外してインキ吸蔵体7を交換、又はインキ吸蔵体7にインキを補充する筆記具である。
なお、筆記具1の構造としては、特に限定されるものではなく、例えば、前記ペン先を筆記先端部に装着し、軸筒内部に収容した繊維束からなるインキ吸蔵体にインキを含浸させ、筆記先端部にインキを供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材や繊維束からなるインキ流量調節部材を介在させる構造、軸筒内部に直接インキを収容して、弁機構により前記筆記先端部に所定量のインキを供給する構造のマーキングペンが挙げられる。
・ペン先
ペン先3は、その一端部が、筆記部31として保持体4の前方開口部の前端縁部44から前方に突出されるとともに、その他端部(後部35)が、インキ吸蔵体7の一端部と突き刺し状に接続される。なお、筆記部31は、チゼル形状に加工される。また、筆記部31は、チゼル形状に限らず、砲弾形状、四角柱形状、板状形状等の目的に応じた形状に加工してもよい。なお、本発明の筆記具1の形態は、図示例に限らず、インキ吸蔵体7の両端に相異なる形態のペン先を装着させた両頭式筆記具であってもよい。
ペン先3は、図2及び図4に示すように、先端に筆記部31を有する前部33と、保持体4と前軸5により外面を前後方向に挟持される円筒状の中央部34と、インキ吸蔵体7の一端部と突き刺し状に接続される円筒状の後部35と、を備える。ペン先3の前部33は、横断面略長方形状を有するとともに、筆記時にペン先3の前部33は、横断面略長方形状の長辺側に撓み変形可能な可撓性を有する。ペン先3は、横断面長方形状の長辺側に平面部を備える。これにより、従来であればインキ中で着色剤の退色や褐変を生じやすくなり、よって、筆記して得られる筆跡も同様に退色や褐変が見られ、商品価値を損ない易くなる。しかしながら、本発明により、後述するように保持体又はキャップに紫外線吸収剤若しくは透明性紫外線遮蔽剤を含有、又は前記保持体の表面に紫外線吸収剤若しくは透明性紫外線遮蔽剤を含む光安定層を設けることで、透明性を有する材料により形成した部材を用いた筆記具1でありながら、前記筆記具1により形成される筆跡が初期から退色や褐変を生じて見栄えを損なうことがなく、ペン先形状や筆記具1内のインキの色調や残量を視認できる。
ペン先3は、連続気泡を有する合成樹脂の多孔質体からなることが好ましい。これにより、ペン先形状の自由度が上がり、ユーザーの視覚に訴える先鋭的なデザインを備えることができる。透明性を有する材料により形成した部材(キャップ)を用いることで、キャップ外部からキャップ内部のペン先形状を視認できるようになり、ユーザーに視覚的特徴(先鋭的なデザイン)を主張することができるとともに、前記筆記具により形成される筆跡が初期から退色や褐変を生じて見栄えを損なうことがなく、ペン先形状や筆記具内のインキの色調や残量を視認できる。なお、ペン先3は、これ以外にもインキが流通可能なものであればよく、具体的には、繊維ペン先、フェルトペン先、毛筆ペン先、軸方向の毛細管通路を有するプラスチックペン先等が挙げられる。
また、ペン先は、図示した構造、形状に特に限定されるものではない。例えば、ペン先は、インキ誘導部と、該インキ誘導部からのインキを導出する筆記部とを備えると共に、該筆記部の軸方向直上に筆記方向を視認できる可視部を備える構成でもよい。
また、筆記部となるペン先と、該ペン先を保持し、筆記部にインキを供給するためのインキ誘導部を少なくとも1つ有する保持体とを備え、筆記具本体に含まれるインキを、上記保持体に設けたインキ誘導部に供給するための中継芯を有し、かつ、上記保持体が、筆記方向を視認できる視認部となる構成でもよい。
・インキ吸蔵体
インキ吸蔵体7は、インキを含浸可能な連続気孔を有する部材からなるものであればよく、例えば、繊維束の熱融着加工体、繊維束の樹脂加工体、フェルトの樹脂加工体、フェルトのニードルパンチ加工体、多孔質体(例えば、スポンジ等の合成樹脂の連続気泡体)等が挙げられる。また、インキ吸蔵体7は、その外周面に合成樹脂フィルム等よりなる外皮を備える構成でもよい。
前記インキ吸蔵体は、外周面に透明性を有する材料にて形成された外皮を備え、前記外皮に、後述する紫外線吸収剤若しくは透明性紫外線遮蔽剤を含有、又は前記外皮の表面に紫外線吸収剤若しくは透明性紫外線遮蔽剤を含む光安定層を設けることが好ましい。これにより、透明性を有する材料により形成した部材(インキ吸蔵体)を用いた筆記具1でありながら、前記筆記具1により形成される筆跡が初期から退色や褐変を生じて見栄えを損なうことがなく、筆記具1内のインキの色調や残量を視認できる。
前軸5を後軸6の開口部から取り外した際に、インキ吸蔵体7は、後軸6から取り外され、縦リブ57の後端から軸方向後方に延びる保持リブ59に保持され、前軸5の内部に収容保持される。これにより、インキ吸蔵体7を交換、又はインキ吸蔵体7にインキを補充する際の作業性が向上する。なお、保持リブ59は嵌合部51の内面まで延びても構わない。
・キャップ
非筆記時に前軸5を覆うキャップ2は、後端が開口され且つ前端が閉塞された、底壁と周壁とからなる円筒状の有底筒体であり、透明性を有する合成樹脂(例えば、ポリプロピレン等)の射出成形により得られる。前記キャップ2は、後述する紫外線吸収剤若しくは透明性紫外線遮蔽剤を含有、又は前記キャップ2表面に紫外線吸収剤若しくは透明性紫外線遮蔽剤を含む光安定層を設けられる。これにより、透明性を有する材料により形成した部材(キャップ2)を用いた筆記具1でありながら、前記筆記具1により形成される筆跡が初期から退色や褐変を生じて見栄えを損なうことがなく、ペン先形状や筆記具1内のインキの色調や残量を視認できる。
特に、前記保持体が、筆記方向を視認できる視認部となる構成のペン先は、ユーザーの視覚に訴える先鋭的なデザインを備えている。透明性を有する材料により形成した部材(キャップ)を用いることで、キャップ外部からキャップ内部のペン先を視認できるようになり、ユーザーに視覚的特徴(先鋭的なデザイン)を主張することができるとともに、前記筆記具により形成される筆跡が初期から退色や褐変を生じて見栄えを損なうことがなく、ペン先形状や筆記具内のインキの色調や残量を視認できる。
キャップ2は、後軸6と着脱自在に接続される。詳細には、キャップ2の開口部内面に設けられた後軸嵌合部22が、後軸6の開口部外面に設けられたキャップ嵌合部65に嵌合される。同時に、後軸嵌合部22の前方に設けられた環状シール部21が、キャップ嵌合部65の前方に設けられた気密部64に気密嵌合される。すなわち、非筆記時にキャップ2は前軸5を覆い、キャップ2の内面は後軸6の外面に嵌合され、キャップ2の内面(環状シール部21)が後軸6の外面(気密部64)に全周にわたって密接される。
また、キャップ2は、図示した構造、形状に特に限定されるものではない。例えば、キャップ2本体内面に、ペン先を密封する内キャップを嵌合固定した構成でもよい。この場合、ポリプロピレン樹脂からなり気密嵌合される前軸及び後軸と、透明性を有するポリプロピレン樹脂からなる内キャップと、透明性を有するポリカーボネート樹脂からなるキャップ2とを用いて組み立てる。前記内キャップは、後述する紫外線吸収剤若しくは透明性紫外線遮蔽剤を含有、又は前記内キャップ表面に紫外線吸収剤若しくは透明性紫外線遮蔽剤を含む光安定層を設けてなる。これにより、透明性を有する材料により形成した部材(キャップ2及び内キャップ)を用いた筆記具1でありながら、前記筆記具1により形成される筆跡が初期から退色や褐変を生じて見栄えを損なうことがなく、ペン先形状や筆記具1内のインキの色調や残量を視認できる。
・軸筒
軸筒8は、少なくとも前軸5又は後軸6のいずれか一方からなる。前軸5は、両端部が開口された、合成樹脂の射出成形により得られる筒状体である。図2に示すように、前軸5の前端部内面には、保持体4の後端部外面(第2のリブ43b)が圧入嵌合される保持体嵌合部58が形成される。また、前軸5の保持体嵌合部58の後方内周面には、軸方向に延びる複数本(ここでは8本)の縦リブ57が周方向に等間隔に一体に形成される。保持体4の第1の当接壁部42と、前記縦リブ57の前端の第2の当接壁部56aとにより、ペン先3の中央部34を前後方向に挟持する。これにより、保持体4からのペン先3の抜け落ち又は保持体4(前軸5)への埋没を防止できるとともに、ペン先3の保持体4からの突出量を正確に規制することができる。また、縦リブ57の後端の第3の当接壁部56bは、インキ吸蔵体7の前端部を前後方向に挟持する。
前軸5は、後部外面に嵌合部51を設け、前記嵌合部51は、後軸6の開口部内面に形成した被嵌合部61に着脱自在に係止される。嵌合部51は、円筒状の小径基部52と、小径基部52の外面に設けられる外向係止部53と、少なくとも外向係止部53に跨って径方向に貫設される軸方向に延びる少なくとも一つのスリット54と、を備える。これにより、前軸5と後軸6とを着脱自在に接続させるための適切な嵌合力の設定及びその維持が容易にできる。
嵌合部51は、好ましくは、外向係止部53である第1の外向係止部53aと、第1の外向係止部53aの後方に設けられる第2の外向係止部53bと、を備える。また、より好ましくは、前軸5は、後軸6の開口部が当接する段部55を備え、第1の外向係止部53a及び第2の外向係止部53bは環状突起531である。
また、前軸5は、外面にペン先3の向きを識別する軸方向に延びる突起よりなる方向識別部を備えてもよい。これにより、筆記する直前にペン先3の向きを目視により確認する必要がなく、ペン先3を露出させた後、即座に筆記使用することができる。
前軸5の後端部に連結される後軸6は、前端が開口され且つ後端が閉塞された、底壁と周壁とからなる円筒状の有底筒体であり、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン等)の射出成形により得られる。前記前軸5は、前記後軸6と着脱自在に接続される。
被嵌合部61は、小径基部52が挿入される円筒状の大径基部62と、大径基部62の内面に設けられる内向係止部63と、を備える。前軸5と後軸6を接続した際は、前軸と後軸とが径方向に圧接される。
被嵌合部61は、好ましくは、内向係止部63であり第1の外向係止部53aと係止される第1の内向係止部63aと、第1の内向係止部63aの後方に設けられ第2の外向係止部53bと係止される第2の内向係止部63bと、を備える。これにより、前軸5と後軸6の接続が安定するため、筆記時に軸筒と栓体とが軸方向及び径方向のがたつきがなく接続され、書き味が良くなるとともに安定した筆記が可能となる
また、好ましくは、前軸5と後軸6を接続した際は、嵌合部51外面と後軸6の先端内面とが径方向に非接触である。例えば、前軸5と後軸6を接続した際に、嵌合部51外面と後軸6の先端内面とが径方向に接触した場合は、接続後の後軸6の外径(すなわち気密部64の外径)が大きくなりすぎる可能性がある。これにより、キャップ2が後軸6外面に嵌合される場合、キャップ2と後軸6との嵌合力が高くなりすぎる恐れがある。
これに対して、前軸5と後軸6を接続した際に、嵌合部51外面と後軸6の先端内面とが径方向に非接触である場合は、嵌合部51は気密部64の外径寸法に影響を及ぼさない。これにより、小径基部52に高い寸法精度が必要なく、前軸5と後軸6とを着脱自在に接続させるための適切な嵌合力の設定及びその維持ができ、且つ部品(前軸5及び後軸6)の生産性が向上する。また、後軸6の外面形状及び外径が安定していることより、キャップ2と後軸6との嵌合において確実な気密性能及び嵌合力が得られる。
第1の内向係止部63aは、第1の外向係止部53aと係止可能な環状溝631であり、第2の内向係止部63bは、第2の外向係止部53bと接触可能な凹凸の無い圧接面632であり、前軸5と後軸6を接続した際は、後軸6の開口部と段部55が当接され、第1の外向係止部53aと環状溝631とが軸方向に係合され、第2の外向係止部53bと圧接面632とが径方向に圧接される。これにより、前軸5と後軸6が適切な係止位置に嵌合されるため、前軸5と後軸6とを着脱自在に接続させるための適切な嵌合力をより確実に得ることができる。また、使用者に前軸5と後軸6とが正常に接続できたことを認識させることができる。前記前軸5及び後軸6(すなわち軸筒8)は、透明性を有する材料にて形成される場合、後述する紫外線吸収剤若しくは透明性紫外線遮蔽剤を含有、又は前記前軸5及び後軸6(すなわち軸筒8)の表面に紫外線吸収剤若しくは透明性紫外線遮蔽剤を含む光安定層を設けることが好ましい。これにより、透明性を有する材料により形成した部材(軸筒8)を用いた筆記具1でありながら、前記筆記具1により形成される筆跡が初期から退色や褐変を生じて見栄えを損なうことがなく、筆記具1内のインキの色調や残量を視認できる。
また、筆記具1は摩擦体9を設けてもよい。摩擦体9は、内部に熱変色性インキを内蔵し且つ該熱変色性インキをペン先3より吐出可能な筆記具の一部に設ける構成が好ましい。前記摩擦体9を前記筆記具1の一部に設ける構成は、例えば、摩擦体9を筆記具本体の反ペン先側に設ける構成、または摩擦体9を筆記具本体のペン先側に着脱自在のキャップ2の頂部に設ける構成等が挙げられる。摩擦体は、内部に熱変色性インキを内蔵し且つ該熱変色性インキをペン先3より吐出可能な筆記具と組み合わせ、筆記具セットとすることもできる。また、前記摩擦体9は、摩擦時、その外周面を直接、把持する構成でもよいし、摩擦体を摩擦体ホルダー介して把持する構成でもよい。
前記摩擦体を筆記具1に装着する場合、別部材で成形したものを筆記具に嵌着したり、筆記具本体又は筆記具部材へ二色成形したりすることにより一体に成形することで装着できる。別部材として嵌着する場合、摩擦体をキャップ、軸筒、頭冠又は尾栓等の筆記具部材の形状とし、直接筆記具を構成することで部品点数を削減することもできる。また、前記摩擦体は、筆記具本体や筆記具部材とともに二色成形することで容易に摩擦体を設けることができる。
本実施の形態において、前記摩擦体9を構成する弾性材料は、弾性を有する合成樹脂(ゴム、エラストマー)が好ましく、例えば、シリコーン樹脂、SBS樹脂(スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体)、SEBS樹脂(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体)、フッ素系樹脂、クロロプレン樹脂、ニトリル樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)又は2種以上のゴム弾性材料の混合物、及び、ゴム弾性材料と合成樹脂との混合物等が挙げられる。前記摩擦体9を構成する弾性を有する合成樹脂は、高摩耗性の弾性材料(例えば、消しゴム等)ではなく、摩擦時に摩耗カス(消しカス)が殆ど生じない低摩耗性の弾性材料である。前記摩擦体は筆記具と別体の任意形状の部材である摩擦具とを組み合わせて筆記具セットを得ることもできるが、筆記具に摩擦体を設けることにより、携帯性に優れたものとなる。
摩擦体9は、ポリプロピレン樹脂及びスチレン系熱可塑性エラストマーの混合物、またはポリプロピレン樹脂及びポリプロピレン系熱可塑性エラストマーの混合物から形成されてもよい。前記混合物の配合比率がそれぞれ重量比で1:1〜1:4であり、研磨剤、可塑剤、充填剤を含有せず、JIS K6251に規定されたデュロメータ硬度Aが70°〜100°となる材質からなり、JIS S 6050−2002に規定する鉛筆描線の消し能力(消字率)が70%以下のものである可塑剤を含有しない低摩耗性の弾性材料から形成される。それによって摩擦体は、擦過時に消しカスが生じにくく、熱変色性も優れているので有効である。
・保持体
保持体4は、両端部が開口された筒状体であり、保持部41は平面部を備え、透明性を有する合成樹脂の射出成形により形成されることが好ましい。この場合、前記保持体に紫外線吸収剤若しくは透明性紫外線遮蔽剤を含有、又は前記保持体の表面に紫外線吸収剤若しくは透明性紫外線遮蔽剤を含む光安定層を設けることが好ましい。これにより、透明性を有する材料により形成した部材(保持体)を用いた筆記具1でありながら、前記筆記具1により形成される筆跡が初期から退色や褐変を生じて見栄えを損なうことがなく、ペン先形状や筆記具1内のインキの色調や残量を視認できる。
保持体4の後端部の横断面円形状の内面には、ペン先3の中央部34が圧入嵌合される軸方向に延びる複数本(ここでは4本)の第1のリブ43aが形成される。保持体4の後端部の横断面円形状の外面には、前軸5の保持体嵌合部58に圧入嵌合される軸方向に延びる複数本(ここでは6本)の第2のリブ43bが等間隔に形成される。なお、第2のリブ43bと前軸5の保持体嵌合部58によって形成される連通孔は、空気流通孔として機能し、ペン先3からの円滑なインキ吐出を可能とする。
図2又は図3に示すように、保持体4は、先端部にペン先3の前部33を包囲する横断面略長方形状の保持部41を備え、筆記部31が保持体4の前端縁部44から前方に突出する。保持部41は、横断面長方形状の長辺側に平面部を備える。これにより、従来であればインキ中で着色剤の退色や褐変を生じやすくなり、よって、筆記して得られる筆跡も同様に退色や褐変が見られ、商品価値を損ない易くなる。しかしながら、本発明により、保持体4又はキャップ2に紫外線吸収剤若しくは透明性紫外線遮蔽剤を含有、又は前記保持体の表面に紫外線吸収剤若しくは透明性紫外線遮蔽剤を含む光安定層を設けることで、透明性を有する材料により形成した部材を用いた筆記具1でありながら、前記筆記具1により形成される筆跡が初期から退色や褐変を生じて見栄えを損なうことがなく、ペン先形状や筆記具1内のインキの色調や残量を視認できる。
また、図2に示すように、ペン先3の頂部32は、保持体4の前端縁部44から前方に突出し、その突出量は、0.2mmより大きく6.0mmより小さいこと、好ましくは、1.0mmより大きく5.0mmより小さいことが有効である。好ましい範囲内で突出量が小さいほど剛性感のあるしっかりとした筆感が得られ、好ましい範囲内で突出量が大きいほど柔らかな筆感が得られる。
保持体4の前端縁部44には、面取り又はRが設けられる。特に少なくともペン先3が接触する可能性があるペン先3側の縁に、面取り又Rが設けられることが好ましい。これにより、ペン先3が過度に撓んだ場合は、保持体4の前端縁部44に接触する可能性があるが、その際でもペン先3の前部33に掛かる負荷を最小限に抑えることができ、ペン先3の折れや損傷をより確実に防ぐことができる。
図2又は3に示すように、保持体4の前端縁部44は略直線状に形成され、筆記部31の頂部32は略直線状に形成され、保持体4の前端縁部44の軸線に対する角度は、筆記部31の頂部32の軸線に対する角度と略同一である。これにより、ペン先3が過度に撓むことによる保持体4の前端縁部44のペン先3への負荷が、ペン先3の前部33に均一に掛かり、ペン先3の折れや損傷を確実に防ぐことができる。
保持体4の前端縁部44の軸線に対する角度とは、保持体4の前端縁部44と軸線とが成す角度のうち、90度以下を示す部分の角度を指し、前記筆記部31の頂部32の軸線に対する角度とは、頂部32と軸線とが成す角度のうち、90度以下を示す部分の角度を指す。また、これら両角度が略同一であることは、言い換えれば、保持体4の前端縁部44と頂部32とが略平行であることを表している。また、これら角度は30度以上90度以下で設定され、好ましくは45度以上90度以下で設定される。
図2に示すように、筆記部31が紙面に接触する短辺の延長線に沿う方向から筆記具全体を見たときに、保持体4から露出したペン先3の形状は、略平行四辺形若しくは長方形である。これにより、筆記部31の形状及びその方向が前端縁部44の形状で把握できるため、筆記する直前にペン先3の向きのみで方向を確認する必要がなく、ペン先3を露出させた後、即座に筆記使用することができる。
また、保持体4の色は、ペン先3の色(すなわちインキ色)と異なっていてもよい。これにより、前端縁部44の向きがより際立ち、筆記部31の形状及びその方向をより確認しやすくなる。なお、ペン先3自体を黒等の暗い色で着色し、保持体4をペン先3とは異なる明るい色で着色した場合は、より一層前端縁部44の向きが際立ち、筆記部31の形状及びその方向をより確認しやすくなる。
なお、本発明の前軸5と後軸6とを着脱自在に嵌合させる構造は、前記保持体4と前軸5との嵌合構造において適用してもよい。これにより、保持体4と前軸5が着脱自在に嵌合され、保持体4と前軸5とが適切な嵌合力で着脱自在に接続することが容易にでき、使用者に心地よい感覚を与えられるとともに、使用者に保持体4と軸筒5とが正常に接続できたことを認識させることができ、ペン先の交換を容易に行うことができる。
また、保持体は、図示した構造及び形状に特に限定されるものではない。例えば、保持体は、インキ誘導部及び筆記部を保持し、該保持体の少なくとも一部が筆記方向を視認できる可視部となる構成でもよい。また、保持体は、筆記部となるペン先を保持し、筆記部にインキを供給するためのインキ誘導部を少なくとも1つ備え、筆記方向を視認できる視認部となる構成でもよい。前記保持体について更に詳しく説明すると、保持体は筆記方向を視認できる透明な樹脂又はガラス等の部材、具体的には、平行光線透過率30%以上、好ましくは、平行光線透過率50%以上、更に好ましくは平行光線透過率70%以上の透明な樹脂又はガラス等の部材であり、前方に幅広の平滑面となる可視部と後方に軸部が形成されている。この平行光線透過率30%未満の樹脂又はガラス等の部材であると、筆記方向を鮮明に視認することができず、好ましくない。この物性を満足する樹脂等としては、例えば、スチレン−イソプレン樹脂、アイオノマー樹脂、SBR−PPのブレンド樹脂、アクリル樹脂、ナイロン樹脂、ポリメチルペンテンなどが挙げられる。
また、後述するインキは、チップ(ペン先)を筆記先端部に装着したボールペン等の筆記具に充填して実用に供されてもよい。
後述するインキをボールペンに充填する場合、ボールペン自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、例えば、軸筒内部に収容した繊維束からなるインキ吸蔵体にインキを含浸させ、筆記先端部にインキを供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材や繊維束からなるインキ流量調節部材を介在させる構造、軸筒内にインキを充填したインキ収容管を有し、該インキ収容管はボールを先端部に装着したチップに連通しており、さらにインキの端面には逆流防止用の液栓が密接している構造のボールペンを例示できる。
前記ボールペンチップについて更に詳しく説明すると、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、金属材料をドリル等による切削加工により形成したボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、金属若しくはプラスチック製チップ内部に樹脂製のボール受け座を設けたチップ、又は前記チップに抱持するボールをバネ体により前方に付勢させたもの等を適用できる。
又、前記ボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック、樹脂、ゴム等の0.2〜3mm径程度のものが適用できる。
なお、本発明のインキを充填する筆記具は、ボールと同様の転動作用により筆跡を形成させる、ローラー等の転動機構を筆記先端部に備えたものを含む。
インキを収容するインキ収容管は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等の熱可塑性樹脂からなる透明性成形体が用いられる。
前記インキ収容管の透明性とは着色透明、半透明、着色半透明を含み、インキ色やインキ残量等を確認できる。
前記インキ収容管にはチップを直接又は接続部材を介してチップを連結したレフィルとし、前記レフィルを透明性軸筒内に収容して筆記具を構成する。
また、先端部にチップを装着した透明性軸筒自体に直接インキを充填して筆記具を構成することもできる。
前記軸筒の透明性とは着色透明、半透明、着色半透明を含み、インキ色やインキ残量等を確認できる。
前記インキ収容管又は軸筒に収容したインキの後端にはインキ逆流防止体を充填することもできる。
前記インキ逆流防止体組成物は不揮発性液体又は難揮発性液体からなる。
具体的には、ワセリン、スピンドル油、ヒマシ油、オリーブ油、精製鉱油、流動パラフィン、ポリブテン、α−オレフィン、α−オレフィンのオリゴマーまたはコオリゴマー、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル等があげられ、一種又は二種以上を併用することもできる。
前記不揮発性液体及び/又は難揮発性液体には、ゲル化剤を添加して好適な粘度まで増粘させることが好ましく、表面を疎水処理したシリカ、表面をメチル化処理した微粒子シリカ、珪酸アルミニウム、膨潤性雲母、疎水処理を施したベントナイトやモンモリロナイトなどの粘土系増粘剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属石鹸、トリベンジリデンソルビトール、脂肪酸アマイド、アマイド変性ポリエチレンワックス、水添ひまし油、脂肪酸デキストリン等のデキストリン系化合物、セルロース系化合物を例示できる。
更に、前記液状のインキ逆流防止体組成物と、固体のインキ逆流防止体を併用することもできる。
なお、前記ボールペンの形態は前述したものに限らず、相異なる形態のペン先を装着させたり、相異なる色調のインキを導出させたりするペン先を装着させたツインタイプの筆記具であってもよい。
前記着色剤として用いられる可逆熱変色性材料は、従来より公知の(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、及び(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体の必須三成分を少なくとも含む可逆熱変色性組成物をマイクロカプセル中に内包させたものが有効であり、発色状態からの加熱により消色する加熱消色型のマイクロカプセル顔料としては特公昭51−44706号公報、特公昭51−44707号公報、特公平1−29398号公報等に記載のものが利用できる。
前記は所定の温度(変色点)を境としてその前後で変色し、完全消色温度以上の温度域で消色状態、完全発色温度以下の温度域で発色状態を呈し、前記両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在しない。即ち、もう一方の状態は、その状態が発現するのに要した熱又は冷熱が適用されている間は維持されるが、前記熱又は冷熱の適用がなくなれば常温域で呈する状態に戻る、ヒステリシス幅が比較的小さい特性(ΔHA =1〜7℃)を有する(図7参照)。
又、特公平4−17154号公報、特開平7−179777号公報、特開平7−33997号公報、特開平8−39936号公報等に記載されている大きなヒステリシス特性(ΔHB =8〜50℃)を示す、即ち、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色し、完全発色温度(t1 )以下の低温域での発色状態、又は完全消色温度(t4 )以上の高温域での消色状態が、特定温度域〔t2 〜t3 の間の温度域(実質的二相保持温度域)〕で色彩を記憶保持できる加熱消色型のマイクロカプセル顔料も適用できる(図8参照)。
なお、色彩を記憶保持できる加熱消色型のマイクロカプセル顔料としては、(ハ)成分として下記一般式(1)で示されるエステル化合物を用いたものが色濃度−温度曲線に関して広いヒステリシス幅(40〜70℃)を示して変色するため、好適である。
前記変色前後の両状態のうち常温域で特定の一方の状態のみ存在させるためには、ヒステリシス幅が40〜70℃、好ましくは50〜70℃、更に好ましくは60〜70℃であり、完全消色温度(t4 )が45℃以上、好ましくは50℃以上であり、且つ、発色開始温度(t2 )が0℃以下、好ましくは−5℃以下である。
Figure 2020049672
前記エステル化合物は、分子内に芳香環を2個有するアルコール化合物と、炭素数4以上の飽和又は不飽和脂肪酸とから構成されるエステル化合物である。
式中のRは炭素数4以上のアルキル基又はアルケニル基を示すが、好ましくは炭素数6〜20のアルキル基、更に好ましくは炭素数8〜18のアルキル基である。
前記化合物として具体的には、ブタン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ペンタン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ヘキサン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ヘプタン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、オクタン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ノナン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、デカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ウンデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ドデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、トリデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、テトラデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ペンタデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ヘキサデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ヘプタデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、オクタデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ノナデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、エイコサン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、トリコサン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、テトラコサン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ペンタコサン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ヘキサコサン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ヘプタコサン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、オクタコサン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ノナコサン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、トリアコンタン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ヘントリアコンタン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチルを例示できる。
更に、加熱発色型のマイクロカプセル顔料として、電子受容性化合物として炭素数3乃至18の直鎖又は側鎖アルキル基を有する特定のアルコキシフェノール化合物を適用した系(特開平11−129623号公報、特開平11−5973号公報)、特定のヒドロキシ安息香酸エステルを適用した系(特開2001−105732号公報)、没食子酸エステル等を適用した系(特公昭51−44706号公報、特開2003−253149号公報)等を適用することもできる(図9参照)。
ここで、前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料中又はインキ中に、非熱変色性の染料、顔料等の着色剤を配合して、有色(1)から有色(2)への互変的色変化を呈する構成となすこともできる。
前記マイクロカプセル顔料は、円形断面の形態であっても非円形断面の形態であってもよい。
マイクロカプセル顔料の平均粒子径は0.5〜5.0μm、好ましくは1〜4μm、更に好ましくは1〜3μmである。
平均粒子径が5.0μmを越えるとインキ流出性が低下したり、筆記面に対する固着性が低下したりし易くなる。一方、平均粒子径が0.5μm未満では高濃度の発色性を示し難くなる。
また、可逆熱変色性組成物の壁膜に対する比率が大きくなると、壁膜の厚みが肉薄となり過ぎ、圧力や熱に対する耐性の低下を起こし、逆に、壁膜の可逆熱変色性組成物に対する比率が大きくなると発色時の色濃度及び鮮明性の低下を免れず、よって、可逆熱変色性組成物/壁膜=6/1〜1/1(重量比)が好適である。
ここで、マイクロカプセル顔料の平均粒子径は、JIS Z 8827−1:2008に準じて、デジタルマイクロスコープによる観察画像を画像解析して計測されるそれぞれの粒子の最大粒径の算術平均値である。画像解析には、例えば、マウンテック社製の画像解析式粒度分布測定ソフトウェア「マックビュー(Mac−View)」を用いることができる。
平均粒径の測定は、マウンテック社製の画像解析式粒度分布測定ソフトウェア「マックビュー」を用いて粒子の領域を判定し、粒子の領域の面積から投影面積円相当径(Heywood径)を算出し、その値による等体積球相当の粒子の平均粒子径として測定した値である。また、全ての粒子又は大部分の粒子の粒子径が0.2μmを超える場合は、粒度分布測定装置(ベックマン・コールター株式会社製、製品名:Multisizer 4e)を用いてコールター法により等体積球相当の粒子の平均粒子径として測定することも可能である。
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料は、インキ全量に対し、2〜50重量%、好ましくは3〜40重量%、更に好ましくは4〜30重量%配合することができる。
2重量%未満では発色濃度が不充分であり、50重量%を越えるとインキ流出性が低下し、筆記性が阻害される。
前記可逆熱変色性組成物のマイクロカプセル化は、界面重合法、界面重縮合法、in Situ重合法、コアセルベート法等の公知の手段が適用できるが、本発明の前記した要件を満たす粒子径範囲の、非円形断面形状のマイクロカプセル顔料を得るためには、凝集、合一化が生じ難い界面重合法又は界面重縮合法の適用が効果的である。
前記フォトクロミック有機材料としては、6−メトキシ−2,2−ジフェニル−2H−1−ベンゾピラン等のベンゾピラン系化合物、3,3−ジフェニル−3H−ナフト〔2,1−b〕ピラン等のナフトピラン系化合物、1,3,3−トリメチル−インドリノ−6′−ニトロベンゾスピロピラン等のスピロピラン系化合物、1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−6′−(1−ピペリジニル)−スピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ナフト〔2,1−b〕〔1,4〕オキサジン〕、1,3−ジヒドロ−1,3,3,4,5−ペンタメチル−スピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ナフト〔2,1−b〕〔1,4〕オキサジン〕、1−(2,4−ジクロロベンジル)−3,3−ジメチル−5,6−ジクロロスピロ〔インドリン−2,3′−〔3H〕ナフト〔2,1−b〕〔1,4〕オキサジン〕等のスピロオキサジン系化合物、ジアリールエテン系化合物を例示できる。
前記フォトクロミック有機材料は、前述のマイクロカプセルに内包して用いることもできる。
前記染料として、油性インキに用いられる染料は、例えば、カラーインデックスにおいてソルベント染料として分類される有機溶剤可溶性染料が挙げられる。
水性インキに用いられる染料は、水性媒体に溶解可能な酸性染料、塩基性染料、直接染料が全て使用可能である。
顔料としては、各種蛍光染料を樹脂マトリックス中に固溶体化した合成樹脂微細粒子状の蛍光顔料が使用できる。
また、所望により、非蛍光性の顔料、パール顔料、金属粉顔料、蓄光性顔料、二酸化チタン、シリカ、炭酸カルシウム等の白色顔料、香料や香料を内包したカプセル顔料等を併用することもできる。
前記染料、蛍光顔料、又はフォトクロミック有機材料はインキ全量に対し1〜25重量%、好ましくは2〜15重量%の範囲で用いられる。
本発明に用いられるインキは、着色剤を溶剤中に溶解又は分散させたものが有効である。
前記インキとして具体的には、剪断減粘性付与剤を含む剪断減粘性インキや、水溶性高分子凝集剤により顔料や透明性金属光沢顔料を緩やかな凝集状態に懸濁させた凝集性インキ、粘度が数mPa・s程度の低粘度インキが挙げられる。
溶剤としては、油性系インキの場合は有機溶剤、水系インキの場合は水と必要により水溶性有機溶剤が用いられる。
油性系インキに用いられる有機溶剤としては、従来より汎用の溶剤を使用でき、インキ中40乃至80重量%の範囲で用いられる。
前記有機溶剤としては、ベンジルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ベンジルグリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノフェニルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノフェニルエーテル、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等を例示できる。
また、有機溶剤として揮発し易い20℃における蒸気圧が5.0〜50mmHgの溶剤を主溶剤として用いると、筆跡の乾燥性に優れる。
蒸気圧が5.0〜50mmHg(20℃)の有機溶剤としては、エチルアルコール(45)、n−プロピルアルコール(14.5)、イソプロピルアルコール(32.4)、n−ブチルアルコール(5.5)、イソブチルアルコール(8.9)、sec−ブチルアルコール(12.7)、tert−ブチルアルコール(30.6)、tert−アミルアルコール(13.0)等のアルコール系有機溶剤、
エチレングリコールモノメチルエーテル(8.5)、エチレングリコールジエチルエーテル(9.7)、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(6.0)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(7.6)等のグリコールエーテル系有機溶剤、
n−ヘプタン(35.0)、n−オクタン(11.0)、イソオクタン(41.0)、メチルシクロヘキサン(37.0)、エチルシクロヘキサン(10.0)、トルエン(24.0)、キシレン(5.0〜6.0)、エチルベンゼン(7.1)等の炭化水素系有機溶剤、
メチルイソブチルケトン(16.0)、メチルn−プロピルケトン(12.0)、メチルn−ブチルケトン(12.0)、ジ−n−プロピルケトン(5.2)等のケトン系有機溶剤、
蟻酸n−ブチル(22.0)、蟻酸イソブチル(33.0)、酢酸n−プロピル(25.0)、酢酸イソプロピル(48.0)、酢酸n−ブチル(8.4)、酢酸イソブチル(13.0)、プロピオン酸エチル(28.0)、プロピオン酸n−ブチル(45.0)、酪酸メチル(25.0)、酪酸エチル(11.0)等のエステル系有機溶剤を例示できる。
なお、括弧内の数字は20℃におけるそれぞれの有機溶剤の蒸気圧を示す。
溶剤として水を用いた水性系インキの場合は、水と相溶性のある水溶性有機溶剤を添加することもできる。
前記水溶性有機溶剤としては、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、スルフォラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
樹脂として、ケトン樹脂、ケトン−ホルムアルデヒド樹脂、アミド樹脂、アルキッド樹脂、ロジン変性樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルピロリドン、α−及びβ−ピネン・フェノール重縮合樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルローズ誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリン等を用いることもでき、紙面への固着性や粘性付与のために用いることができる。
更に、必要により剪断減粘性付与剤を添加することもできる。
前記剪断減粘性付与剤を添加することによって、着色剤の凝集、沈降を抑制することができると共に、筆跡の滲みを抑制することができる。
更に、前記インキを充填する筆記具がボールペン形態の場合、不使用時のボールとチップの間隙からのインキ漏れだしを防止したり、筆記先端部を上向き(正立状態)で放置した場合のインキの逆流を防止したりすることができる。
尚、前記剪断減粘性付与剤を添加したインキの粘度は、油性系インキの場合、20℃でのE型粘度計による3.84S-1の剪断速度におけるインキ粘度が100mPa・s以上であり、且つ、剪断減粘指数が0.3〜0.9であることが好ましく、水性系インキの場合、20℃でのE型回転粘度計による3.84S-1の剪断速度におけるインキ粘度が20〜300mPa・sを示し、且つ、剪断減粘指数が0.1〜0.9を示すことが好ましい。
前記した粘度範囲及び剪断減粘指数を示すことによって、更にインキ漏れだし、インキの逆流を防止することができる。
なお、剪断減粘指数(n)は、剪断応力値(T)及び剪断速度値(j)の如き粘度計による流動学測定から得られる実験式T=Kjn (Kは非ニュートン粘性係数)にあてはめることによって計算される値である。
溶剤として有機溶剤を用いた油性系インキの場合は、架橋型アクリル樹脂、架橋型アクリル樹脂のエマルションタイプ、非架橋型アクリル樹脂、架橋型N−ビニルカルボン酸アミド重合体又は共重合体、非架橋型N−ビニルカルボン酸アミド重合体又は共重合体、水添ヒマシ油、脂肪酸アマイドワックス、酸化ポリエチレンワックス等のワックス類、ステアリン酸、パルミチン酸、オクチル酸、ラウリン酸のアルミニウム塩等の脂肪酸金属塩、ジベンジリデンソルビトール、N−アシルアミノ酸系化合物、スメクタイト系無機化合物、モンモリロナイト系無機化合物、ベントナイト系無機化合物、ヘクトライト系無機化合物、シリカ等を例示できる。
溶剤として水を用いた水性系インキの場合は、キサンタンガム、ウェランガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100乃至800万)、アルカシーガム、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の重合体、グルコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する増粘多糖類、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれらの誘導体、架橋性アクリル酸重合体、無機質微粒子、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリン・ラノリンアルコール・ミツロウ誘導体、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アミド等のHLB値が8〜12のノニオン系界面活性剤、ジアルキル又はジアルケニルスルホコハク酸の塩類。N−アルキル−2−ピロリドンとアニオン系界面活性剤の混合物、ポリビニルアルコールとアクリル系樹脂の混合物を例示できる。
なお、前記剪断減粘性付与剤は併用することもできるし、ポリマーについては樹脂として用いることもできる。
本発明のインキをボールペンに充填して用いる場合は、オレイン酸等の高級脂肪酸、長鎖アルキル基を有するノニオン性界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーンオイル、チオ亜燐酸トリ(アルコキシカルボニルメチルエステル)やチオ亜燐酸トリ(アルコキシカルボニルエチルエステル)等のチオ亜燐酸トリエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸ジエステル、又はそれらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、アルカノールアミン塩等の潤滑剤を添加してボール受け座の摩耗防止効果を付与することが好ましい。
その他、水系インキの場合は必要に応じて炭酸ナトリウム、燐酸ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物等のpH調整剤、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、サポニン等の防錆剤、石炭酸、1、2−ベンズチアゾリン3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等の防腐剤又は防黴剤、尿素、ノニオン系界面活性剤、還元又は非還元デンプン加水分解物、トレハロース等のオリゴ糖類、ショ糖、サイクロデキストリン、ぶどう糖、デキストリン、ソルビット、マンニット、ピロリン酸ナトリム等の湿潤剤、消泡剤、分散剤、インキの浸透性を向上させるフッ素系界面活性剤やノニオン系の界面活性剤を使用してもよい。
本発明において、前記インキ収容管及び/又は軸筒には、紫外線吸収剤若しくは透明性紫外線遮蔽剤を含有、又は紫外線吸収剤若しくは透明性紫外線遮蔽剤を含む光安定層を設けてなる。
具体的には、透明性インキ収容管にインキを収容したレフィルを透明性軸筒内に収容してなり、前記軸筒に紫外線吸収剤若しくは透明性紫外線遮蔽剤を含有又は紫外線吸収剤若しくは透明性紫外線遮蔽剤を含む光安定層を設けた構成、又は、透明性インキ収容管にインキを収容したレフィルを透明性軸筒内に収容してなり、前記インキ収容管に紫外線吸収剤若しくは透明性紫外線遮蔽剤を含有又はインキを収容した軸筒表面に紫外線吸収剤若しくは透明性紫外線遮蔽剤を含む光安定層を設けた構成である。
なお、透明性インキ収容管と透明性軸筒を併用する場合、インキ収容管と軸筒の両方に紫外線吸収剤若しくは透明性紫外線遮蔽剤を含有、又は紫外線吸収剤若しくは透明性紫外線遮蔽剤を含む光安定層を設けた構成であってもよい。
前述した筆記具の構成において、筆記先端部を覆う透明性キャップを設ける場合、前記キャップに紫外線吸収剤若しくは透明性紫外線遮蔽剤を含有、又はキャップ表面に紫外線吸収剤若しくは透明性紫外線遮蔽剤を含む光安定層を設けることが好ましい。
前記紫外線吸収剤としては、
2,4−ヒドロキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、
2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、
2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、
ビス−(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)−メタン2−〔2’−ヒドロキシ−3’−5’−ジ−t−アミルフェニル〕−ベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシ−ベンゾフェノン〔商品名:シーソーブ103、シプロ化成(株)製〕、
2−ヒドロキシ−4−オクタデシルオキシベンゾフェノン、
2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、
2−〔2’−ヒドロキシ−3’−5’−ジ−t−アミルフェニル〕−ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤。
サリチル酸フェニル、
サリチル酸パラ−t−ブチルフェニル、
サリチル酸パラオクチルフェニル、
2−4−ジ−t−ブチルフェニル−4−ヒドロキシベンゾエート、
1−ヒドロキシベンゾエート、
1−ヒドロキシ−3−t−ブチル−ベンゾエート、
1−ヒドロキシ−3−t−オクチルベンゾエート、
レゾルシノールモノベンゾエート等のサリチル酸系紫外線吸収剤。
エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、
2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、
2−エチルヘキシル−2−シアノ−3−フェニルシンナート等のシアノアクリレート系紫外線吸収剤。
2−〔5−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル〕−ベンゾトリアゾール〔商品名:チヌビン−PS、チバガイギー社製〕、
2−〔5−メチル−2−ヒドロキシフェニル〕−ベンゾトリアゾール、
2−〔2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2Hベンゾトリアゾール、
2−〔3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル〕−ベンゾトリアゾール、
2−〔3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル〕−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−〔3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル〕−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−〔3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル〕−ベンゾトリアゾール〔商品名:チヌビン328、チバガイギー社製〕、
メチル−3−〔3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネート−ポリエチレングリコール分子量300〔商品名:チヌビン1130、チバガイギー社製〕、
2−〔3−ドデシル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、
メチル−3−〔3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネート−ポリエチレングリコール分子量300、
2−〔3−t−ブチル−5−プロピルオクチレート−2−ヒドロキシフェニル〕−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−〔2−ヒドロキシフェニル−3,5−ジ−(1,1’−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、
2−〔2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、
2−〔3−t−ブチル−5−オクチルオキシカルボニルエチル−2−ヒドロキシフェニル〕−ベンゾトリアゾール〔商品名:チヌビン384、チバガイギー社製〕、
2−〔2−ヒドロキシ−5−テトラオクチルフェニル〕−ベンゾトリアゾール、
2−〔2−ヒドロキシ−4−オクトオキシ−フェニル〕−ベンゾトリアゾール、
2−〔2’−ヒドロキシ−3’−(3”4”5”6”−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル〕−ベンゾトリアゾール、
2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)−ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤。
エタンジアミド−N−(2−エトキシフェニル)−N’−(4−イソドデシルフェニル)、
2,2,4,4−テトラメチル−20−(β−ラウリル−オキシカルボニル)−エチル−7−オキサ−3,20−ジアゾジスピロ(5,1,11,2)ヘンエイコ酸−21−オン等の蓚酸アニリド系紫外線吸収剤等を例示できる。
前記透明性光遮蔽剤としては、天然雲母、合成雲母、ガラス、アルミナから選ばれる芯物質の表面を金属酸化物で被覆した透明性金属光沢顔料を例示できる。
前記透明性金属光沢顔料は、光吸収(又は光反射)機能と光透過機能の両面性を兼ね備えており、紫外線を吸収又は反射し、更に可視光線も視覚を妨げない程度の適量を透過させることができ、内部に収容したインキの色調や残量を視認させることができる。
更に、前記紫外線吸収剤又は透明性光遮蔽剤と共に光安定剤を併用することもできる。 前記光安定剤としては、酸化防止剤、老化防止剤、一重項酸素消光剤、スーパーオキシドアニオン消光剤、オゾン消光剤、可視光線吸収剤、赤外線吸収剤等を例示できる。
そのうち、ヒンダードアミン系光安剤が好適に用いられ、例えば、ポリ〔〔6−(N−モルホリノ)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕〔商品名:スミソルブ500、住友化学工業(株)製〕、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)(アデカアーガス社製)、ポリ〔〔6−1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2、4-ジイル〕(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕(商品名:チヌビン944−LD、チバガイギー社製)、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物(商品名:チヌビン622LD、チバガイギー社製)、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタチル−4−ピペリジル)(商品名:チヌビン144、チバガイギー社製)、N、N, −ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス〔N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ〕−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート〔商品名:サノールLS770、三共(株)製〕、ビス(N −メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート〔商品名:サノールLS292、三共(株)製〕、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン〔商品名:サノールLS−744、三共(株)製〕、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4.5〕デカン−2,4−ジオン〔商品名:サノールLS−440、三共(株)製〕、1−〔2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル〕−4−〔3−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン〔三共(株)製〕、2,2,4,4−テトラメチル−20−(βーラウリル−オキシカルボニル)−エチル−7−オキサ−3,20−ディアザデイスピオ(5,1,11,2)ヘンエイコサン−21−オン(商品名:Sanduvor305、サンド社製)、〔N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−β−アラニン〕ドデシルエステル、ミリスチルエステル混合物(商品名:Sanduvor3052、サンド社製)、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシリックアシドビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)エステル、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシリックアシドビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)エステル等が挙げられる。
以下に実施例を記す。なお、実施例中の部は質量部を示す。
実施例1
ボールペン用水性インキ組成物の調製
赤色酸性染料〔保土谷化学(株)製、商品名:エオシン〕4.0部、グリセリン10.0部、エチレングリコール20.0部、キサンタンガム(三晶(株)製、商品名:ケルザンST、剪断減粘性付与剤)0.3部、フェノール0.3部、水65.4部を混合、攪拌してボールペン用水性インキ組成物を得た。
筆記具の作製
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェノール(BASFジャパン(株)製、商品名:チヌビン328、紫外線吸収剤)0.25部及びビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート〔BASFジャパン(株)製、商品名:チヌビン770、光安定剤〕0.25部を混合した内径4.4mmのポリプロピレン製パイプに、前記インキを0.95g充填し、樹脂製ホルダーを介してボールペンチップと連結させてボールペンレフィルを得た。
なお、前記ボールペンチップは、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたチップの先端部に直径0.5mmのステンレス鋼ボールを抱持させてなる。
次いで、前記ポリプロピレン製パイプの後部より、ポリブテンを主成分とする粘弾性を有するインキ逆流防止体(液栓)を充填した後、軸筒、口金、尾栓、内部にゴムシールを配置したキャップを組み付けてボールペンを得た。
実施例2
マーキングペン用水性インキ組成物の調製
桃色蛍光顔料分散体〔日本蛍光化学(株)製、商品名:ルミコールNKW−3907.E40、顔料分33.5%〕40.0部、グリセリン10.0部、トリエタノールアミン0.5部、フェノール0.3部、防腐剤〔北興化学(株)製、商品名:ホクサイドR−150〕0.5部、水48.7部を混合、攪拌してマーキングペン用水性インキ組成物を得た。
筆記具の作製
ポリエステルスライバーを合成樹脂フィルムで被覆したインキ吸蔵体内に前記インキを含浸させ、前記インキ吸蔵体は不透明のポリプロピレン樹脂からなる軸筒内に収容される。
前軸先端部に装着されるペン体は、筆記部となるペン先と、該ペン先を保持し、筆記部にインキを供給するためのインキ誘導部を少なくとも1つ有する保持体とを備え、筆記具本体に含まれるインキを、上記保持体に設けたインキ誘導部に供給するための中継芯を有し、かつ、上記保持体が、筆記方向を視認できる視認部となる。
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェノール(BASFジャパン(株)製、商品名:チヌビン328、紫外線吸収剤)0.25部及びビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート〔BASFジャパン(株)製、商品名:チヌビン770、光安定剤〕0.25部を混合したポリプロピレン樹脂からなるキャップを組み付けてマーキングペンを得た。
実施例3
マーキングペン用水性インキ組成物の調製
黄色蛍光顔料分散体〔日本蛍光化学(株)製、商品名:ルミコールNKW−3905.E、顔料分33.5%〕40.0部、グリセリン10.0部、トリエタノールアミン0.5部、フェノール0.3部、防腐剤〔北興化学(株)製、商品名:ホクサイドR−150〕0.5部、水48.7部を混合、攪拌してマーキングペン用水性インキ組成物を得た。
筆記具の作製
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェノール(BASFジャパン(株)製、商品名:チヌビン328、紫外線吸収剤)0.25部及びビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート〔BASFジャパン(株)製、商品名:チヌビン770、光安定剤〕0.25部を混合したポリプロピレン樹脂からなる軸筒及び内キャップと、ポリカーボネート樹脂からなるキャップとを用いて組み立てる。軸筒内に前記インキを直液状態で収容し、軸筒先端部にポリエステル繊維の樹脂加工ペン先を設け、内部に内キャップを配置したキャップを筆記具本体に組み付けてマーキングペンを得た。
なお、前記軸筒内のペン先後部には、櫛溝状のインキ流量調節部材を設けてなる。
実施例4
可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の調製
(イ)成分として2−(2−クロロアニリノ)−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン4.5部、(ロ)成分として1,1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)n−デカン3.0部、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン5.0部、(ハ)成分としてステアリン酸n−ブチル40.0部、パルミチン酸n−ブチル10.0部からなる可逆熱変色性組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族多価イソシアネートプレポリマー30.0部、助溶剤40.0部を混合した溶液を8%ポリビニルアルコール水溶液中で微小滴になるように乳化分散し、65℃で約1時間攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、90℃で5時間攪拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。
前記懸濁液から遠心分離法により可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を単離した。
前記マイクロカプセル顔料は約23℃以上で黒色から無色へと変色し、15℃以下に冷却すると再び黒色に変色した。
可逆熱変色性インキ組成物の調製
前記マイクロカプセル顔料25.0部、サクシノグリカン(剪断減粘性付与剤)0.2部、トリエタノールアミン0.5部、尿素5.5部、グリセリン7.5部、リン酸エステル系界面活性剤(潤滑剤)0.5部、消泡剤0.2部、1,2−ベンズチアゾリン−3−オン〔アビシア(株)製、商品名:プロキセルXL−2、防腐剤〕0.1部、水60.5部を混合、攪拌して可逆熱変色性インキを調製した。
筆記具の作製
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェノール(BASFジャパン(株)製、商品名:チヌビン328、紫外線吸収剤)0.25部及びビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート〔BASFジャパン(株)製、商品名:チヌビン770、光安定剤)0.25部を混合した内径4.4mmのポリプロピレン製パイプに前記インキを0.95g充填し、樹脂製ホルダーを介してボールペンチップと連結させた。
なお、前記ボールペンチップは、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたチップの先端部に直径0.7mmのステンレス鋼ボールを抱持させてなり、且つ、前記ボールはバネ体により前方に付勢させたものを用いた。
次いで、前記ポリプロピレン製パイプの後部より、ポリブテンを主成分とする粘弾性を有するインキ逆流防止体(液栓)を充填し、更に尾栓をパイプの後部に嵌合させ、ポリカーボネート樹脂からなる先軸筒、後軸筒を組み付け、遠心処理により脱気処理を行った後、キャップを嵌めてボールペンを得た。
実施例5
筆記具の作製
実施例4で得た可逆熱変色性インキ組成物を内径4.4mmのポリプロピレン製パイプに0.95g充填し、樹脂製ホルダーを介してボールペンチップと連結させた。 なお、前記ボールペンチップは、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたチップの先端部に直径0.7mmのステンレス鋼ボールを抱持させてなり、且つ、前記ボールはバネ体により前方に付勢させたものを用いた。
次いで、前記ポリプロピレン製パイプの後部より、ポリブテンを主成分とする粘弾性を有するインキ逆流防止体(液栓)を充填し、更に尾栓をパイプの後部に嵌合させ、2−〔2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール(BASFジャパン(株)製、商品名:チヌビン234、紫外線吸収剤)0.5部を混合したポリカーボネート樹脂からなる先軸筒、後軸筒を用いて組み立てる。先軸筒、後軸筒を組み付け、遠心処理により脱気処理を行った後、キャップを嵌めてボールペンを得た。
実施例6
筆記具の作製
実施例4で得た可逆熱変色性インキ組成物を2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェノール〔BASFジャパン(株)製、商品名:チヌビン328、紫外線吸収剤〕0.25部及びビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート〔BASFジャパン(株)製、商品名:チヌビン770、光安定剤)0.25部が混合された内径4.4mmのポリプロピレン製パイプに0.95g充填し、樹脂製ホルダーを介してボールペンチップと連結させた。 なお、前記ボールペンチップは、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたチップの先端部に直径0.7mmのステンレス鋼ボールを抱持させてなり、且つ、前記ボールはバネ体により前方に付勢させたものを用いた。
次いで、前記ポリプロピレン製パイプの後部より、ポリブテンを主成分とする粘弾性を有するインキ逆流防止体(液栓)を充填し、更に尾栓をパイプの後部に嵌合させた。
更に、ポリカーボネート樹脂からなる先軸筒及び後軸筒に、アクリルポリオール樹脂50部(固形分50%)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェノール(チヌビン328、BASFジャパン製、紫外線吸収剤)1.0部、キシレン60部、ヘキサメチレンジイソシアネート系硬化剤10部からなるインキをスプレーコーティングして、70℃30分熱処理を施した後、前記パイプとともに組み付け、遠心処理により脱気処理を行った後、キャップを嵌めてボールペンを得た。
実施例7
光変色性マイクロカプセル顔料の調整
有機フォトクロミック化合物〔スピロナフトオキサジン系化合物〔記録素材総合研究所製、商品名:Sunny Color Pink〕2.0部、スチレン−α−メチルスチレン系共重合体〔理化ハーキュレス(株)製、商品名:ピコラスティクA5、重量平均分子量317〕45.0部からなる光変色性材料を均一に加温溶解し、膜材として芳香族多価イソシアネートプレポリマー20.0部、助溶剤20.0部を混合した溶液を6%ポリビニルアルコール水溶液中で微小滴になるように乳化分散し、70℃で1時間反応を行った。次いで、液温を90℃に保って3時間攪拌を続け、光変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。
前記懸濁液から遠心分離法により光変色性マイクロカプセル顔料を単離した。
前記マイクロカプセル顔料は太陽光に曝露する前は白色であったが、太陽光に晒したところ、ピンク色に変化した。その後、室内で暫く放置したところ、ピンク色は消えて元の白色となった。この色変化は繰返し行うことができた。
光変色性インキ組成物の調製
前記マイクロカプセル顔料25.0部、λ−カラジーナン0.2部、トリエタノールアミン0.5部、ジエチレングリコール15.0部、リン酸エステル系界面活性剤(潤滑剤)0.5部、消泡剤0.2部、1,2−ベンズチアゾリン−3−オン〔アビシア(株)製、商品名:プロキセルXL−2、防腐剤〕0.1部、水58.5部を混合、攪拌して光変色性インキ組成物を調製した。
筆記具の作製
前記光変色性インキを内径4.4mmのポリプロピレン製パイプに0.95g充填し、樹脂製ホルダーを介してボールペンチップと連結させた。なお、前記ボールペンチップは、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたチップの先端部に直径1.0mmのステンレス鋼ボールを抱持させてなり、且つ、前記ボールはバネ体により前方に付勢させたものを用いた。
次いで、前記ポリプロピレン製パイプの後部より、ポリブテンを主成分とする粘弾性を有するインキ逆流防止体(液栓)を充填し、更に尾栓をパイプの後部に嵌合させ、2−〔2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール(BASFジャパン(株)製、商品名:チヌビン234、紫外線吸収剤)を0.5部混合したポリカーボネート樹脂からなる先軸筒、後軸筒を組み付け、遠心処理により脱気処理を行なった後、キャップを嵌めてボールペンを得た。
比較例1
実施例1の筆記具の作製において、ポリプロピレン製パイプに紫外線吸収剤を混合しなかった以外は実施例1と同様の方法でボールペンを得た。
比較例2
実施例2の筆記具の作製において、ポリプロピレン樹脂からなるキャップに紫外線吸収剤を混合しなかった以外は実施例2と同様の方法でマーキングペンを得た。
比較例3
実施例3の筆記具の作製において、ポリプロピレン樹脂からなる軸筒及び内キャップに紫外線吸収剤を混合しなかった以外は実施例3と同様の方法でマーキングペンを得た。
比較例4
実施例4の筆記具の作製において、ポリプロピレン製パイプに紫外線吸収剤及び光安定剤を混合しなかった以外は実施例4と同様の方法でボールペンを得た。
比較例5
実施例7の筆記具の作製において、ポリカーボネート樹脂からなる先軸筒、後軸筒に紫外線吸収剤を混合しなかった以外は実施例7と同様の方法でボールペンを得た。
耐光性試験
実施例1乃至7及び比較例1乃至5のボールペン及びマーキングペンを用いて以下の耐光性試験を行った。
各ボールペン及びマーキングペンをフェードメーター〔スガ試験機、ロングライフカーボンアーク適用〕により100時間光照射した後、キャップを取り外して紙面に筆記して初期の筆跡と比較した。
熱変色性インキ及び光変色性インキからなる筆跡は変色前後両状態を総合的に評価した。
以下の表に、耐光性試験結果を示す。
Figure 2020049672
なお、表中の試験結果の記号に関する評価は以下の通りである。
◎:初期と比較して何ら変化のない筆跡が得られた。
○:初期と比較して僅かに退色がみられるものの、実用上問題のない筆跡が得られた。
△:初期と比較して褐変がみられ、変色性インキについては消色状態においても褐変による筆跡が視認される。
×:初期と比較して著しい耐色と褐変がみられ、変色性インキについては消色状態においても褐変による筆跡が視認される。
1 筆記具
2 キャップ
21 環状シール部
22 後軸嵌合部
3 ペン先
31 筆記部
32 頂部
33 前部
34 中央部
35 後部
4 保持体
41 保持部
42 第1の当接壁部
43a 第1のリブ
43b 第2のリブ
44 前端縁部
5 前軸
51 嵌合部
52 小径基部
53 外向係止部
53a 第1の外向係止部
53b 第2の外向係止部
531 環状突起
532 圧接面
54 スリット
55 段部
56a 第2の当接壁部
56b 第3の当接壁部
57 縦リブ
58 保持体嵌合部
59 保持リブ
6 後軸
61 被嵌合部
62 大径基部
63 内向係止部
63a 第1の内向係止部
63b 第2の内向係止部
631 環状溝
632 圧接面
633 環状突起
64 気密部
65 キャップ嵌合部
7 インキ吸蔵体
8 軸筒
9 摩擦体
t1 加熱消色型マイクロカプセル顔料及び色彩記憶保持型マイクロカプセル顔料の完全発色温度
t2 加熱消色型マイクロカプセル顔料及び色彩記憶保持型マイクロカプセル顔料の発色開始温度
t3 加熱消色型マイクロカプセル顔料及び色彩記憶保持型マイクロカプセル顔料の消色開始温度
t4 加熱消色型マイクロカプセル顔料及び色彩記憶保持型マイクロカプセル顔料の完全消色温度
T1 加熱発色型マイクロカプセル顔料の完全消色温度
T2 加熱発色型マイクロカプセル顔料の消色開始温度
T3 加熱発色型マイクロカプセル顔料の発色開始温度
T4 加熱発色型マイクロカプセル顔料の完全発色温度

Claims (5)

  1. (イ)電子供与性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記(イ)、(ロ)成分の呈色反応の生起温度を決める反応媒体からなる可逆熱変色性材料、フォトクロミック有機材料、染料、蛍光顔料から選ばれる着色剤を含むインキと、前記インキを収容したインキ吸蔵体と、内部に前記インキ吸蔵体を収容した軸筒と、前記インキが吐出可能なペン先と、前記ペン先を保持する保持体と、前記軸筒のペン先側に着脱自在に取り付けられ透明性を有する材料にて形成されたキャップと、を備えた筆記具であって、前記キャップに紫外線吸収剤若しくは透明性紫外線遮蔽剤を含有、又は前記キャップ表面に紫外線吸収剤若しくは透明性紫外線遮蔽剤を含む光安定層を設けてなる筆記具。
  2. 前記キャップに光安定剤を含有又は前記光安定層中に光安定剤を含有してなる請求項1に記載の筆記具。
  3. 前記保持体は透明性を有する材料にて形成された請求項1又は2に記載の筆記具。
  4. 前記保持体に紫外線吸収剤若しくは透明性紫外線遮蔽剤を含有、又は前記保持体の表面に紫外線吸収剤若しくは透明性紫外線遮蔽剤を含む光安定層を設けてなる請求項3に記載の筆記具。
  5. 前記保持体に光安定剤を含有又は前記光安定層中に光安定剤を含有してなる請求項4に記載の筆記具。
JP2018178378A 2018-09-25 2018-09-25 筆記具 Pending JP2020049672A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018178378A JP2020049672A (ja) 2018-09-25 2018-09-25 筆記具
JP2023109238A JP2023120452A (ja) 2018-09-25 2023-07-03 筆記具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018178378A JP2020049672A (ja) 2018-09-25 2018-09-25 筆記具

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023109238A Division JP2023120452A (ja) 2018-09-25 2023-07-03 筆記具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020049672A true JP2020049672A (ja) 2020-04-02

Family

ID=69995566

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018178378A Pending JP2020049672A (ja) 2018-09-25 2018-09-25 筆記具
JP2023109238A Pending JP2023120452A (ja) 2018-09-25 2023-07-03 筆記具

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023109238A Pending JP2023120452A (ja) 2018-09-25 2023-07-03 筆記具

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JP2020049672A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023112955A1 (ja) 2021-12-17 2023-06-22 三菱鉛筆株式会社 筆記具
JP2023104219A (ja) * 2022-01-17 2023-07-28 三菱鉛筆株式会社 筆記具製品

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08173887A (ja) * 1994-12-21 1996-07-09 Sakura Color Prod Corp 塗布具および塗布具のチップとコアとの接合構造
JPH1024691A (ja) * 1997-03-03 1998-01-27 Ikuo Osawa 定規ガイド付きペン
JP2006103212A (ja) * 2004-10-07 2006-04-20 Pilot Ink Co Ltd 筆記具
JP2006117805A (ja) * 2004-10-21 2006-05-11 Pilot Ink Co Ltd 可逆熱変色性水性インキ組成物及びそれを用いた筆記具
JP2015003452A (ja) * 2013-06-21 2015-01-08 株式会社パイロットコーポレーション 熱変色性筆記具用レフィル及びその製造方法
WO2016027664A1 (ja) * 2014-08-18 2016-02-25 パイロットインキ株式会社 感温変色性色彩記憶性組成物及びそれを内包した感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08173887A (ja) * 1994-12-21 1996-07-09 Sakura Color Prod Corp 塗布具および塗布具のチップとコアとの接合構造
JPH1024691A (ja) * 1997-03-03 1998-01-27 Ikuo Osawa 定規ガイド付きペン
JP2006103212A (ja) * 2004-10-07 2006-04-20 Pilot Ink Co Ltd 筆記具
JP2006117805A (ja) * 2004-10-21 2006-05-11 Pilot Ink Co Ltd 可逆熱変色性水性インキ組成物及びそれを用いた筆記具
JP2015003452A (ja) * 2013-06-21 2015-01-08 株式会社パイロットコーポレーション 熱変色性筆記具用レフィル及びその製造方法
WO2016027664A1 (ja) * 2014-08-18 2016-02-25 パイロットインキ株式会社 感温変色性色彩記憶性組成物及びそれを内包した感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023112955A1 (ja) 2021-12-17 2023-06-22 三菱鉛筆株式会社 筆記具
JP2023104219A (ja) * 2022-01-17 2023-07-28 三菱鉛筆株式会社 筆記具製品

Also Published As

Publication number Publication date
JP2023120452A (ja) 2023-08-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5415671B2 (ja) 摩擦体及びそれを備えた筆記具、筆記具セット
JP5659200B2 (ja) ボールペン
EP2772523A1 (en) Reversibly thermochromic composition
JP2023120452A (ja) 筆記具
JP2008120059A (ja) 筆記具、筆記具セット
JP7107652B2 (ja) 筆記具
JP2006335848A (ja) 可逆熱変色性筆記具用水性インキ組成物及びそれを収容した筆記具
JP5329850B2 (ja) 複合式筆記具
KR20210148170A (ko) 가역 열변색성 조성물, 그것을 내포하여 이루어지는 가역 열변색성 마이크로캡슐 안료, 및 그것을 사용한 필기구
JP2010275419A (ja) 感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料及びそれを用いた感温変色性色彩記憶性液状組成物
JP5254712B2 (ja) 可逆熱変色性インキ組成物及びそれを用いた筆記具
JP6763746B2 (ja) 熱変色性筆記具インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具
JP2006103212A (ja) 筆記具
JP4294534B2 (ja) 筆記具
JP6117051B2 (ja) 熱消色性筆記具インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具
JP5936877B2 (ja) インキカートリッジ、直液式筆記具
JP2012183706A (ja) ボールペンレフィル及びそれを収容したボールペン
JP7420905B2 (ja) 筆記具
JP2020045437A (ja) 筆記具用熱変色性インキ組成物及びそれを用いた筆記具
JP2020100710A (ja) 可逆熱変色性組成物及びそれを内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料
JP7220560B2 (ja) 筆記具用水性インキ組成物およびそれを内蔵した筆記具
JP7241661B2 (ja) 筆記具用水性インキ組成物およびそれを用いた筆記具
JP2013010250A (ja) 筆記具用インキカートリッジ
JP2006257378A (ja) 筆記具
JP2021107519A (ja) 筆記具用水性インキ組成物及びそれを収容した筆記具

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210707

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220420

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220506

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20220628

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220901

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221025

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20221219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230221

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230418

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20230614

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20230614