JPH068824Y2 - 化 粧 用 筆 具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は化粧用筆具に関し、更に具体的には筆先支持体
を差替え可能とするためのこの種筆具に関する。

［従来の技術］ 例えばアイシャドウの如くパウダー即ち顔料の色が種々
存在する場合に用いられる化粧用筆具においては、各色
の顔料が互いに混ざり合わないようにするため、ある程
度の色彩の類似範囲毎に専用の筆具を準備しておくこと
が一般的である。

従来この種の化粧用筆具としては、実公昭第61-38499号
公報記載の化粧用筆具が知られている。

この従来の筆具は、柄に対して筆先支持体を差替え可能
とし、筆先支持体のみを色の種類分だけ準備すればよい
ような構造となっている。このような構造の筆具によれ
ば、スペースの無駄を省き、一番消耗の激しい筆先支持
体のみを交換すればよいことから、付帯材料の無駄も省
くことができるようにしている。

［考案が解決しようとする課題］ 従来の筆先支持体の差替え式の筆具構造にあっては、例
えば上記公報に示されるように、棒状あるいは可撓性二
股構造の雄対偶を筒形状の雌対偶に挿入することによ
り、筆先支持体と柄とを連結するようにしているため、
雌雄対偶の寸法精度に厳密さが要求されるという問題が
あった。従って同じ寸法である筈でありながら、後で買
い足した筆先支持体が柄に合わないというような事態が
生ずる。また一つの種類の筆先支持体は専用の柄にしか
用いることができないという欠点もあった。また長期の
使用により係合部分が摩耗してくると、筆先支持体が柄
から外れ易くなるという問題もあった。

本考案は上記従来技術の欠点に基づいてなされたもので
あり、製造時における寸法公差は厳密さを要求されない
ので加工が容易にできると共に、長期の使用によっても
連結部分から外れ易くならない筆先支持体の差替え可能
な化粧用筆具を提供しようとするものである。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するため本考案にあっては、把持部の一
端に嵌着する円筒管を、嵌着基部近傍となる円筒管最奥
部のみにテーパー部を形成すると共に、この円筒管の挿
入口先端の縁部を内側に折返して挿入口外周に肉厚部を
設けた。一方、差替え用筆先支持体の基部をこの肉厚部
の内径より僅かに広い幅を有し、筆先と反対側に円弧状
端部を形成した板状とした。このような筆先支持体基部
の前記幅を画定する平行側部を、前記円筒管の挿入口肉
厚縁部の内径に摺接させながら挿入圧下したとき、前記
筆先支持体基部の円弧状端部が前記円筒管最奥部のテー
パー部内壁と係合するようにして差替え用筆先を装着固
定できるようにした。

［作用］ 上記構成により本考案に係る筆具にあっては、筆先支持
体の基部の幅を画定する平行側部は、円筒管挿入口の内
径より所定の許容差内で僅かに大きく形成されているの
で、筆先支持体基部と円筒管挿入口内径との嵌合は締り
嵌めとなり、肉厚に設けた挿入口縁部は所要の強度に保
たれると共に、適当な弾性で変形して筆先支持体基部の
幅方向を先ず円筒管挿入口において適当な力で緊締して
支持することができる。またこの緊締作用は両方向の移
動をも抑制する。

この円筒管挿入口の適当な弾性変形により、所定の許容
差の範囲は厳密さが緩和され、また摩耗により生じる幅
方向の寸法変化もよく吸収することができる。

またこの締り嵌め嵌合に抗して、筆先支持体の基部の平
行側部を円筒管挿入口の内径側面と摺接させながら、さ
らに強制的に挿入圧下することにより、円弧状に形成し
た筆先支持体基部の縁端の一部は、円筒管奥部のみに設
けられたテーパー部に圧接係合し、円筒管テーパー部内
壁に生ずる反力の作用で筆先支持体の幅方向と面方向を
拘着することができる。

このテーパー部も幅方向及び長さ方向の寸法差をよく吸
収するので加工組立て上の厳密な寸法管理は必要でなく
なる。

このようにして、筆先支持体は幅方向が円筒管挿入口内
壁で支持され、さらに幅方向と面方向が円筒管テーパー
部内壁で支持されるので、差替え用筆先は安定に固定す
ることができる。

［実施例］ 第１Ａ図は本考案に係る化粧用筆具10を示す一部縦断側
面図、第１Ｂ図は円筒管30の挿入口20を示す正面図、第
２図はアイシャドウ用の筆先支持体40の平面図、第３図
は同縦断側面図である。

柄10は合成樹脂製の断面が円形で、先端に向ってテーパ
ーをなした先細の形状の成型品で、把持部12と他端に形
成された円筒状の突子14からなる。

金属製円筒管30は一端に挿入口20を有し、挿入口端面で
縁部が内側に折り曲げられており、筆先支持体40の基部
42の断面形状に沿う開口形状をなしている。また他端は
テーパー部16を経て円筒部18が形成され、把持部12の先
端に形成された円筒状の突子14の外径より幾分大きな内
径を有し突子14に嵌着されている。

筆先支持体40は合成樹脂製の部材で、厚肉の基部42と薄
肉の取付部44とからなる。取付部44にはウレタン製の筆
先46が固着され、これが顔料を塗布するための刷毛の役
割を果す。基部42は全体的に一様な厚さと幅を有してい
るが、金属製円筒管30の挿入口20の開口形状に対しては
幅方向にはきつ目、厚さ方向には幾分ゆる目の形状寸法
になっており、側部43aと43bとは平行である。

以上により、筆先支持体40の基部42を挿入口20に向けて
挿入すると、基部42の平行側部43a，43bは挿入口の入口
縁部の内側面短辺側に摺接しながら挿入され、金属製円
筒管30は第１Ｂ図の上下方向に伸び、左右方向に縮径す
る方向に変形するので、基部42に対して適度な拘束力が
作用する。更に圧下していくとその尾部はテーパー部16
の内壁に係合しテーパーによる反力が作用して基部42の
全長まで挿入したところで拘着し固定される。

上記の筆具にあっては、使用時には先ず第４図に示すよ
うに顔料の色に応じた所望の筆先支持体40を選択し柄10
に対して差替え装着する。筆先支持体40の基部42を金属
製円筒管30の挿入口20に向けて挿入し続けて圧下してい
くと基部42は挿入口20の入口縁部の内側面で摺接しつ
つ、さらにテーパー部16の内壁に係合した後、生じた反
力によって基部42が拘着されることになる。従って筆先
支持体40は柄10に対にしっかりと固定することができ
る。また専用の筆先支持体40でなくとも他の種類の任意
の筆先支持体を柄10の先に差替え装着することができ
る。

［考案の効果］ 本考案に係る化粧用筆具によれば、筆先支持体40の基部
42の両平行側面は金属製円筒管30の挿入口20の入口縁部
の内側面に摺接しさらにテーパー部16の内壁に係合した
後、生じた反力によって筆先支持体40の基部42を強固に
拘着するため、使用中その筆先支持体40が抜け落ちるよ
うなことはなく、一方筆先支持体の差替えにも操作が容
易である。またかかる筆具にあっては、その構成上全体
的に細くすることができるので使用の際は軽快である。
さらに本考案に係る化粧用筆具は構造が簡単でしかも製
造上面倒な寸法公差に煩わされることもないので、加工
が容易で充分な互換性のあるものが得られる。

【図面の簡単な説明】

第１Ａ図は本考案に係る化粧用筆具を示す一部縦断側面
図、第１Ｂ図は正面図、第２図はアイシャドウ用の筆先
支持体を示す平面図、第３図は同縦断側面図、第４図は
柄に筆支持体を装着した状態で示す側面図である。 10…柄、12…把持部、14…円筒状突子、16…テーパー
部、18…円筒部、20…挿入口、30…円筒管、40…筆先支
持体、42…基部、43a，43b…側部、44…取付部、46…筆
先

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】把持部と、この把持部の一端に嵌着される
   円筒管と、この円筒管に挿入される差替え用筆先支持体
   とからなる化粧用筆具であって、前記円筒管は挿入口と
   なる開口側先端の縁部が内側に折返されて挿入口外周に
   肉厚部を備えると共に、この反対端で最奥部となる嵌着
   基部近傍のみがテーパー状に絞られて前記把持部に嵌着
   されており、一方前記差替え用筆先支持体は、前記肉厚
   部の内径より所定の許容差内で僅かに広い幅を有し、筆
   先と反対側に円弧状端部を形成した板状基部を備え、前
   記板状基部の幅を画定する平行側部を、前記円筒管の挿
   入口肉厚部の内径に摺接させながら挿入圧下したとき前
   記円弧状端部が前記円筒管最奥部のテーパー部内壁と係
   合するようにしたことを特徴とする化粧用筆具。