JP2000127679A5 - - Google Patents
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Description
【書類名】 明細書
【発明の名称】 サイドノック式ボールペン
【特許請求の範囲】
【請求項1】 先端に先具を備えた軸筒内に長手方向に摺動可能に設けられたレフィールと、このレフィールと上記先具との間に装着された前部弾性体と、上記レフィールを摺動せしめるサイドノック機構と、上記レフィールを出没位置に位置せしめるカム機構と、このカム機構の後端部と上記軸筒の後部または後方に設けられた後端部材との間に装着された後部弾性体とから構成されてなり、上記後部弾性体のばね力は前部弾性体のばね力より小さくされてなることを特徴とするサイドノック式ボールペン。
【請求項2】 上記サイドノック機構は、軸筒の窓孔に取り付けられたサイドノック部材とレフィールの後部が挿入される中空のスライダとからなり、かつ上記カム機構は、上記スライダの後端部に設けられた回転カムと、この回転カムに係合するカムバーと、軸筒内周に形成されて上記回転カムが係合する本体カムとからなる請求項1記載のサイドノック式ボールペン。
【請求項3】 上記後部弾性体が密着スプリングである請求項1記載のサイドノック式ボールペン。
【請求項4】 前記後端部材が軸筒の後部に設けられた後端キャップであり、この後端キャップの頭部裏側には横断面が同心円状の起立部が形成され、この起立部と頭部との間に前記後部弾性体の後部が装着されてなる請求項1記載のサイドノック式ボールペン。
【請求項5】 先端に先具を備えた軸筒内に摺動可能に設けられかつ前部側壁に一対の係止突部を備えたレフィールと、このレフィールの係止突部と上記先具との間に装着されたリターンスプリングと、レフィール後部を収納しかつ前部に傾斜案内部を備えた中空のスライダと、このスライダの後端部に当接して設けられた回転カムと、この回転カムに係合可能なカムバーと、上記回転カムが係合するために上記軸筒の内周に形成されたカム溝からなるカム本体と、カムバーの外側の軸筒部分に固設された後部筒体と、この後部筒体の後端に設けられた後端キャップと、この後端キャップとカムバーとの間に装着されたノックスプリングと、上記軸筒の側壁部に形成された窓孔に押圧可能に取り付けられて上記スライダの傾斜案内部に作用してスライダと共に上記レフィールを摺動せしめるサイドノック部材とから構成されてなり、かつ上記ノックスプリングのばね力はリターンスプリングのばね力より小さくされてなることを特徴とするサイドノック式ボールペン。
【請求項6】 前記後端キャップの頭部裏側には横断面が同心円状の起立部が形成され、この起立部と頭部との間に密着スプリングからなるノックスプリングの後端部が装着されてなる請求項5記載のサイドノック式ボールペン。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、軸筒の側壁に形成された窓孔に設けられたノックボタンを軸筒の内方に向かって押圧することによって操作するサイドノック式ボールペンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、サイドスライド式ないしサイドノック式を含むサイド操作式ボールペンとしては、種々提案されており、例えば実願平6−32394号公報に開示されたものがある。図7はこの公報に掲載された従来例であって、符号21はカム本体、22は回転カム、23はカムバーであり、これらは公知の回転カム機構を構成する。
【0003】
そして、カム本体21内には回転カム22とこれに噛合するカムバー23がこのカムバー23の後方部を突出するように収められている。回転カム22及びカムバー23の貫通孔24に先端チップ25aを有するボールペン用レフィール25が挿通されている。カム本体21には先具26が嵌着、螺着、係着その他適当な手段等により取付けられており、この先具26の段部7とボールペン用レフィール12の受部28との間に引っ込み用ばね29が挿設されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のボールペンでは、一般的にプラスチック製のレフィールを二次加工してスプリング係止突部が形成される。そこで、成形上係止突部のレフィール上の位置にばらつき(通常±1.0mm)があり、この半円形状の係止突部の前後端を利用してレフィールの摺動を行っていたので、正確にノック操作を行なえないという不都合があった。
【0005】
そこで、この発明は、上記従来の欠点を解消したものであって成形上ばらつきのあるレフィールの外壁に形成されたいわゆるスプリング止めである係止突部を利用しないで、レフィール後端を利用してノックスプリングを取り付けたノック操作が確実なサイドノック式ボールペンを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明に係るサイドノック式ボールペンは、先端に先具を備えた軸筒内に長手方向に摺動可能に設けられたレフィールと、このレフィールと上記先具との間に装着された前部弾性体と、上記レフィールを摺動せしめるサイドノック機構と、上記レフィールを出没位置に位置せしめるカム機構と、このカム機構の後端部と上記軸筒の後部または後方に設けられた後端部材との間に装着された後部弾性体とから構成されてなり、上記後部弾性体のばね力は前部弾性体のばね力より小さくされてなる。
【0007】
さらに、この発明に係るサイドノック式ボールペンは、先端に先具を備えた軸筒内に摺動可能に設けられかつ前部側壁に一対の係止突部を備えたレフィールと、このレフィールの係止突部と上記先具との間に装着されたリターンスプリングと、レフィール後部を収納しかつ前部に傾斜案内部を備えた中空のスライダと、このスライダの後端部に当接して設けられた回転カムと、この回転カムに係合可能なカムバーと、上記回転カムが係合するために上記軸筒の内周に形成されたカム溝からなるカム本体と、カムバーの外側の軸筒部分に固設された後部筒体と、この後部筒体の後端に設けられた後端キャップと、この後端キャップとカムバーとの間に装着されたノックスプリングと、上記軸筒の側壁部に形成された窓孔に押圧可能に取り付けられて上記スライダの傾斜案内部に作用してスライダと共に上記レフィールを摺動せしめるサイドノック部材とから構成されてなり、かつ上記ノックスプリングのばね力はリターンスプリングのばね力より小さくされてなる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を用いてこの発明の実施の形態によるサイドノック式ボールペンを詳細に説明する。図1はレフィール収納状態を示し、図2は筆記状態を示しており、図において軸筒1の先端には先具2が螺合構造により取り外し可能に設けられている。
【0009】
さらに、軸筒1内にはボールペンインクが充填されたレフィール3が摺動可能に設けられている。即ち、先端に先端チップ3aを有するレフィール3の側壁部には一対の係止突部3bが一体的に設けられており、この係止突部3bと先具2の内壁との間にリターンスプリング4(前部弾性体)が設けられてレフィール3を後方に付勢している。
【0010】
また、レフィール3の中間部の外周には図5に示すような中空のスライダ5が装着されている。即ち、このスライダ5は、中空のスライダ本体5aと、このスライダ本体5aの前端部の外側に形成されたガイド面5bbを有する大径の傾斜案内部5bと、後部の外周に形成されたフランジ5cとから構成されてなる。
【0011】
なお、図6から明らかなように、スライダ5の傾斜案内部5bの左右両側には長手方向にガイド溝5dが形成されてなり、このガイド溝5dは、スライダ5が軸筒1内にセットされると軸筒1内壁の長手方向に形成された一対のガイドリブ1cに係合して以後スライダ5は軸筒1に関して回り止めが施される。
【0012】
さらに、上記スライダ5のフランジ5cに当接してレフィール3の後端およびスライダ5の後端を包み込むように開口周囲に鍔部6aを有する回転カム6が設けられている。そしてこの回転カム6の鍔部6aは上記スライダ5のフランジ5cの後部に当接している。また、回転カム6の後方には開口部外周に係合凸部6bを備えたカムバー7が回転カム6と係合可能に設けられている。そしてこのカムバー7は軸筒1に圧入されたクリップ9付の後部筒体8内に収納されている。また上記回転カム6は、軸筒1の内周に形成されたカム溝であるカム本体1dと係合可能に設けられている。
【0013】
さらに、後部筒体8にはキャップ9が取り付けられており、上記カムバー7とキャップ8との間には密着スプリングからなるノックスプリング10(後部弾性体)が設けられてレフィール3およびスライダ5を前方に付勢している。なお、このノックスプリング10のばね力は前方のリターンスプリング4のばね力より小さいことが必須である。例えば、リターンスプリング4のばね力を40gとするとノックスプリング10のばね力を20gとしなければならない。
【0014】
即ち、ノックスプリング10の作用は、カム本体1dによって回転カム6、カムバー7を動作せしめることであり、またノックスプリング10はレフィール3の動きに従って作動し、カムの切換を生じる。この時、ノックスプリング10のばね力がリターンスプリング4のばね力より強いとカムの切換ができない。従って、ノックスプリング10は回転カム6およびカムバー7が作動する力のみを必要とする。一方、リターンスプリング4は、主動作をなす比較的強いばね力のスプリングで筆記時・収納時の作動をなす。この時作動させるものとしては、筆記時にはスライダ5、リターンスプリング4、レフィール3であり、収納時はスライダ5、リターンスプリング4、レフィール3、回転カム6、カムバー7、ノックスプリング4である。
【0015】
さらに、軸筒1の側壁には窓孔1aが形成されており、この窓孔1aの一端に枢着された二股のノックボタン12(サイドノック部材)が取り付けられている。そしてこのノックボタン12の他端内側の二股の肩部が夫々上記スライダ5の傾斜案内部5bに当接している。
【0016】
さらに、軸筒1の後部内側には段部1bが形成されており、この段部1bをストッパ部として上記したクリップ9付きの後部筒体8が圧入されており、この後部筒体8の後部の受け部8b内には後端キャップ11(後端部材)が圧入されている。なお、このキャップ11の頭部裏側には横断面が同心円状の起立部11aが形成されている。そして、この起立部11aとキャップ11の頭部外周壁との間には密着スプリングであるノックスプリング10の後部が確実に装着されている。
【0017】
次に、この発明に係るサイドノック式ボールペンの構成をより理解し易いようにその組立を説明する。まず、軸筒1の後方からスライダ5及びカム機構を構成する回転カム6、カムバー7等を軸筒内にセットすると共にクリップ9付きの後部筒体8を圧入し、更にノックスプリング10と共に後端キャップ11を後部筒体8に圧入・固定する。
【0018】
さらに、ノックボタン12の後部内側角部に形成された切り欠き12aを軸筒の窓孔1aに形成された取り付け部に枢着可能に取り付ける。最後に軸筒1の前方向からリターンスプリング4の後端をレフィール3の係止突部3bに至るまで押し込んでレフィール3に装着したものを挿入し、先具2を軸筒1に螺合して組み立てを完了する。
【0019】
上記のような実施の形態によるサイドノック式ボールペンにおいて、ノックボタン12を押圧して、その前端を径方向に回動・下降せしめるとスライダ5およびレフィール3がリターンスプリング4に抗して先具2の開口から先端チップ3aが突出される。
【0020】
この間、回転カム6が前方に移動しかつカムバー7はノックスプリング10に付勢されて前方に移動する。そしてカム溝であるカム本体1dに対して回転カム6がカムバー7により所定角度回転して回転カム6のカムとカムバー7とが係合した状態となる。そこで、図2に示されたように先端チップ3aが先具2より突出した状態に維持されるので筆記することが可能となる。
【0021】
次に、筆記を終了して先端チップ3aを収納する場合には、ノックボタン12を押圧する。すると、ノックスプリング10のばね力は前方のリターンスプリング4のそれより小さいのでスライダ5及びレフィール3がリターンスプリング4に抗して先具2より先端チップ3aが筆記状態より更に少し前進するとともに回転カム6がカムバー7により所定角度回転して回転カム6のカムとカムバー7との係合が解除され、カム本体1dに対して回転カム6とカムバー7がリターンスプリング4に付勢されて後方に移動する。そして、レフィール3の先端チップ3aが先具2内に収納されて図1の状態となる。
【0022】
なお、上記実施の形態では、後端キャップ10は後部筒体8を介して軸筒1に固設されていたが、直接軸筒1に固設されても良く、後部筒体8と一体成形されても良い。
【0023】
【発明の効果】
レフィールに形成された成形上その位置形成にばらつきのある係止突部に代えてレフィールの摺動をレフィール後端部に設けられたノックスプリングを利用してノック操作を行なうことができるのでノック操作が簡単かつ確実である効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】
この発明の実施の形態によるサイドノック式ボールペンのレフィール収納時の状態を示す縦断面図である。
【図2】
図1のサイドノック式ボールペンの筆記可能な状態を示す縦断面図である。
【図3】
図2の状態を示すサイドノック式ボールペンの正面図である。
【図4】
図1の内部機構を示す説明図である。
【図5】
図1のサイドノック式ボールペンに用いられるスライダの正面図である。
【図6】
図1のサイドノック式ボールペンのA−A線に沿った断面図である。
【図7】
従来のサイド操作式ボールペンを示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 軸筒
1a 窓孔
1b 段部
1c ガイドリブ
1d カム本体
2 先具
3 レフィール
3a 先端チップ
3b 係止突部
4 リターンスプリング(前部弾性体)
5 スライダ
5a スライダ本体
5b 傾斜案内部
5c フランジ
5d ガイド溝
6 回転カム
6a 鍔部
7 カムバー
8 後部筒体
8a 段部
8b 受け部
9 クリップ
10 ノックスプリング(後部弾性体)
11 後端キャップ(後端部材)
11a 起立部
12 ノックボタン(サイドノック部材)
12a 切り欠き
【発明の名称】 サイドノック式ボールペン
【特許請求の範囲】
【請求項1】 先端に先具を備えた軸筒内に長手方向に摺動可能に設けられたレフィールと、このレフィールと上記先具との間に装着された前部弾性体と、上記レフィールを摺動せしめるサイドノック機構と、上記レフィールを出没位置に位置せしめるカム機構と、このカム機構の後端部と上記軸筒の後部または後方に設けられた後端部材との間に装着された後部弾性体とから構成されてなり、上記後部弾性体のばね力は前部弾性体のばね力より小さくされてなることを特徴とするサイドノック式ボールペン。
【請求項2】 上記サイドノック機構は、軸筒の窓孔に取り付けられたサイドノック部材とレフィールの後部が挿入される中空のスライダとからなり、かつ上記カム機構は、上記スライダの後端部に設けられた回転カムと、この回転カムに係合するカムバーと、軸筒内周に形成されて上記回転カムが係合する本体カムとからなる請求項1記載のサイドノック式ボールペン。
【請求項3】 上記後部弾性体が密着スプリングである請求項1記載のサイドノック式ボールペン。
【請求項4】 前記後端部材が軸筒の後部に設けられた後端キャップであり、この後端キャップの頭部裏側には横断面が同心円状の起立部が形成され、この起立部と頭部との間に前記後部弾性体の後部が装着されてなる請求項1記載のサイドノック式ボールペン。
【請求項5】 先端に先具を備えた軸筒内に摺動可能に設けられかつ前部側壁に一対の係止突部を備えたレフィールと、このレフィールの係止突部と上記先具との間に装着されたリターンスプリングと、レフィール後部を収納しかつ前部に傾斜案内部を備えた中空のスライダと、このスライダの後端部に当接して設けられた回転カムと、この回転カムに係合可能なカムバーと、上記回転カムが係合するために上記軸筒の内周に形成されたカム溝からなるカム本体と、カムバーの外側の軸筒部分に固設された後部筒体と、この後部筒体の後端に設けられた後端キャップと、この後端キャップとカムバーとの間に装着されたノックスプリングと、上記軸筒の側壁部に形成された窓孔に押圧可能に取り付けられて上記スライダの傾斜案内部に作用してスライダと共に上記レフィールを摺動せしめるサイドノック部材とから構成されてなり、かつ上記ノックスプリングのばね力はリターンスプリングのばね力より小さくされてなることを特徴とするサイドノック式ボールペン。
【請求項6】 前記後端キャップの頭部裏側には横断面が同心円状の起立部が形成され、この起立部と頭部との間に密着スプリングからなるノックスプリングの後端部が装着されてなる請求項5記載のサイドノック式ボールペン。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、軸筒の側壁に形成された窓孔に設けられたノックボタンを軸筒の内方に向かって押圧することによって操作するサイドノック式ボールペンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、サイドスライド式ないしサイドノック式を含むサイド操作式ボールペンとしては、種々提案されており、例えば実願平6−32394号公報に開示されたものがある。図7はこの公報に掲載された従来例であって、符号21はカム本体、22は回転カム、23はカムバーであり、これらは公知の回転カム機構を構成する。
【0003】
そして、カム本体21内には回転カム22とこれに噛合するカムバー23がこのカムバー23の後方部を突出するように収められている。回転カム22及びカムバー23の貫通孔24に先端チップ25aを有するボールペン用レフィール25が挿通されている。カム本体21には先具26が嵌着、螺着、係着その他適当な手段等により取付けられており、この先具26の段部7とボールペン用レフィール12の受部28との間に引っ込み用ばね29が挿設されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のボールペンでは、一般的にプラスチック製のレフィールを二次加工してスプリング係止突部が形成される。そこで、成形上係止突部のレフィール上の位置にばらつき(通常±1.0mm)があり、この半円形状の係止突部の前後端を利用してレフィールの摺動を行っていたので、正確にノック操作を行なえないという不都合があった。
【0005】
そこで、この発明は、上記従来の欠点を解消したものであって成形上ばらつきのあるレフィールの外壁に形成されたいわゆるスプリング止めである係止突部を利用しないで、レフィール後端を利用してノックスプリングを取り付けたノック操作が確実なサイドノック式ボールペンを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明に係るサイドノック式ボールペンは、先端に先具を備えた軸筒内に長手方向に摺動可能に設けられたレフィールと、このレフィールと上記先具との間に装着された前部弾性体と、上記レフィールを摺動せしめるサイドノック機構と、上記レフィールを出没位置に位置せしめるカム機構と、このカム機構の後端部と上記軸筒の後部または後方に設けられた後端部材との間に装着された後部弾性体とから構成されてなり、上記後部弾性体のばね力は前部弾性体のばね力より小さくされてなる。
【0007】
さらに、この発明に係るサイドノック式ボールペンは、先端に先具を備えた軸筒内に摺動可能に設けられかつ前部側壁に一対の係止突部を備えたレフィールと、このレフィールの係止突部と上記先具との間に装着されたリターンスプリングと、レフィール後部を収納しかつ前部に傾斜案内部を備えた中空のスライダと、このスライダの後端部に当接して設けられた回転カムと、この回転カムに係合可能なカムバーと、上記回転カムが係合するために上記軸筒の内周に形成されたカム溝からなるカム本体と、カムバーの外側の軸筒部分に固設された後部筒体と、この後部筒体の後端に設けられた後端キャップと、この後端キャップとカムバーとの間に装着されたノックスプリングと、上記軸筒の側壁部に形成された窓孔に押圧可能に取り付けられて上記スライダの傾斜案内部に作用してスライダと共に上記レフィールを摺動せしめるサイドノック部材とから構成されてなり、かつ上記ノックスプリングのばね力はリターンスプリングのばね力より小さくされてなる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を用いてこの発明の実施の形態によるサイドノック式ボールペンを詳細に説明する。図1はレフィール収納状態を示し、図2は筆記状態を示しており、図において軸筒1の先端には先具2が螺合構造により取り外し可能に設けられている。
【0009】
さらに、軸筒1内にはボールペンインクが充填されたレフィール3が摺動可能に設けられている。即ち、先端に先端チップ3aを有するレフィール3の側壁部には一対の係止突部3bが一体的に設けられており、この係止突部3bと先具2の内壁との間にリターンスプリング4(前部弾性体)が設けられてレフィール3を後方に付勢している。
【0010】
また、レフィール3の中間部の外周には図5に示すような中空のスライダ5が装着されている。即ち、このスライダ5は、中空のスライダ本体5aと、このスライダ本体5aの前端部の外側に形成されたガイド面5bbを有する大径の傾斜案内部5bと、後部の外周に形成されたフランジ5cとから構成されてなる。
【0011】
なお、図6から明らかなように、スライダ5の傾斜案内部5bの左右両側には長手方向にガイド溝5dが形成されてなり、このガイド溝5dは、スライダ5が軸筒1内にセットされると軸筒1内壁の長手方向に形成された一対のガイドリブ1cに係合して以後スライダ5は軸筒1に関して回り止めが施される。
【0012】
さらに、上記スライダ5のフランジ5cに当接してレフィール3の後端およびスライダ5の後端を包み込むように開口周囲に鍔部6aを有する回転カム6が設けられている。そしてこの回転カム6の鍔部6aは上記スライダ5のフランジ5cの後部に当接している。また、回転カム6の後方には開口部外周に係合凸部6bを備えたカムバー7が回転カム6と係合可能に設けられている。そしてこのカムバー7は軸筒1に圧入されたクリップ9付の後部筒体8内に収納されている。また上記回転カム6は、軸筒1の内周に形成されたカム溝であるカム本体1dと係合可能に設けられている。
【0013】
さらに、後部筒体8にはキャップ9が取り付けられており、上記カムバー7とキャップ8との間には密着スプリングからなるノックスプリング10(後部弾性体)が設けられてレフィール3およびスライダ5を前方に付勢している。なお、このノックスプリング10のばね力は前方のリターンスプリング4のばね力より小さいことが必須である。例えば、リターンスプリング4のばね力を40gとするとノックスプリング10のばね力を20gとしなければならない。
【0014】
即ち、ノックスプリング10の作用は、カム本体1dによって回転カム6、カムバー7を動作せしめることであり、またノックスプリング10はレフィール3の動きに従って作動し、カムの切換を生じる。この時、ノックスプリング10のばね力がリターンスプリング4のばね力より強いとカムの切換ができない。従って、ノックスプリング10は回転カム6およびカムバー7が作動する力のみを必要とする。一方、リターンスプリング4は、主動作をなす比較的強いばね力のスプリングで筆記時・収納時の作動をなす。この時作動させるものとしては、筆記時にはスライダ5、リターンスプリング4、レフィール3であり、収納時はスライダ5、リターンスプリング4、レフィール3、回転カム6、カムバー7、ノックスプリング4である。
【0015】
さらに、軸筒1の側壁には窓孔1aが形成されており、この窓孔1aの一端に枢着された二股のノックボタン12(サイドノック部材)が取り付けられている。そしてこのノックボタン12の他端内側の二股の肩部が夫々上記スライダ5の傾斜案内部5bに当接している。
【0016】
さらに、軸筒1の後部内側には段部1bが形成されており、この段部1bをストッパ部として上記したクリップ9付きの後部筒体8が圧入されており、この後部筒体8の後部の受け部8b内には後端キャップ11(後端部材)が圧入されている。なお、このキャップ11の頭部裏側には横断面が同心円状の起立部11aが形成されている。そして、この起立部11aとキャップ11の頭部外周壁との間には密着スプリングであるノックスプリング10の後部が確実に装着されている。
【0017】
次に、この発明に係るサイドノック式ボールペンの構成をより理解し易いようにその組立を説明する。まず、軸筒1の後方からスライダ5及びカム機構を構成する回転カム6、カムバー7等を軸筒内にセットすると共にクリップ9付きの後部筒体8を圧入し、更にノックスプリング10と共に後端キャップ11を後部筒体8に圧入・固定する。
【0018】
さらに、ノックボタン12の後部内側角部に形成された切り欠き12aを軸筒の窓孔1aに形成された取り付け部に枢着可能に取り付ける。最後に軸筒1の前方向からリターンスプリング4の後端をレフィール3の係止突部3bに至るまで押し込んでレフィール3に装着したものを挿入し、先具2を軸筒1に螺合して組み立てを完了する。
【0019】
上記のような実施の形態によるサイドノック式ボールペンにおいて、ノックボタン12を押圧して、その前端を径方向に回動・下降せしめるとスライダ5およびレフィール3がリターンスプリング4に抗して先具2の開口から先端チップ3aが突出される。
【0020】
この間、回転カム6が前方に移動しかつカムバー7はノックスプリング10に付勢されて前方に移動する。そしてカム溝であるカム本体1dに対して回転カム6がカムバー7により所定角度回転して回転カム6のカムとカムバー7とが係合した状態となる。そこで、図2に示されたように先端チップ3aが先具2より突出した状態に維持されるので筆記することが可能となる。
【0021】
次に、筆記を終了して先端チップ3aを収納する場合には、ノックボタン12を押圧する。すると、ノックスプリング10のばね力は前方のリターンスプリング4のそれより小さいのでスライダ5及びレフィール3がリターンスプリング4に抗して先具2より先端チップ3aが筆記状態より更に少し前進するとともに回転カム6がカムバー7により所定角度回転して回転カム6のカムとカムバー7との係合が解除され、カム本体1dに対して回転カム6とカムバー7がリターンスプリング4に付勢されて後方に移動する。そして、レフィール3の先端チップ3aが先具2内に収納されて図1の状態となる。
【0022】
なお、上記実施の形態では、後端キャップ10は後部筒体8を介して軸筒1に固設されていたが、直接軸筒1に固設されても良く、後部筒体8と一体成形されても良い。
【0023】
【発明の効果】
レフィールに形成された成形上その位置形成にばらつきのある係止突部に代えてレフィールの摺動をレフィール後端部に設けられたノックスプリングを利用してノック操作を行なうことができるのでノック操作が簡単かつ確実である効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】
この発明の実施の形態によるサイドノック式ボールペンのレフィール収納時の状態を示す縦断面図である。
【図2】
図1のサイドノック式ボールペンの筆記可能な状態を示す縦断面図である。
【図3】
図2の状態を示すサイドノック式ボールペンの正面図である。
【図4】
図1の内部機構を示す説明図である。
【図5】
図1のサイドノック式ボールペンに用いられるスライダの正面図である。
【図6】
図1のサイドノック式ボールペンのA−A線に沿った断面図である。
【図7】
従来のサイド操作式ボールペンを示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 軸筒
1a 窓孔
1b 段部
1c ガイドリブ
1d カム本体
2 先具
3 レフィール
3a 先端チップ
3b 係止突部
4 リターンスプリング(前部弾性体)
5 スライダ
5a スライダ本体
5b 傾斜案内部
5c フランジ
5d ガイド溝
6 回転カム
6a 鍔部
7 カムバー
8 後部筒体
8a 段部
8b 受け部
9 クリップ
10 ノックスプリング(後部弾性体)
11 後端キャップ(後端部材)
11a 起立部
12 ノックボタン(サイドノック部材)
12a 切り欠き
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