JPH1044685A - 多芯筆記具 - Google Patents

多芯筆記具

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JPH1044685A
JPH1044685A JP8216761A JP21676196A JPH1044685A JP H1044685 A JPH1044685 A JP H1044685A JP 8216761 A JP8216761 A JP 8216761A JP 21676196 A JP21676196 A JP 21676196A JP H1044685 A JPH1044685 A JP H1044685A
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outer shaft
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Kazunari Takahashi
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  • Mechanical Pencils And Projecting And Retracting Systems Therefor, And Multi-System Writing Instruments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 筆記による荷重が係合部にかかり、チャック
が拡開して芯が没入するのを防ぐ。また、弾撥力が大き
いスプリングの使用により、芯を砕いてしまう危険性を
除去する。 【解決手段】 軸本体1内にシャ−プペンシル19を少
なくとも1つ含む複数の筆記体を備える。筆記体は弾撥
部材27により後方へ付勢されているが、筆記体の後端
に取り付けた押圧部材11,13を前進させることで、
軸本体から突出させる。シャ−プペンシルは、押圧部材
に連結した外部材31と、その内側に配置した鉛芯繰り
出し機構を有し、これを作動させるノック駒23を押圧
部材に配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸本体内にシャ−
プペンシルを少なくとも1つ含む複数の筆記体を有し、
該筆記体は弾撥部材により後方に付勢されているが、筆
記体の後端に取り付けられている押圧部材を前進せし
め、前記筆記体を軸本体から突出させるが如くなした多
芯筆記具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】筆記体の1つがシャ−プペンシルである
多芯筆記具として、実公昭56−35354号公報や、
実公昭56−16312号公報が知られている。そし
て、前者の実公昭56−35354号公報の実用新案登
録請求の範囲には、「軸筒1内に、シャ−プペンシル機
構4とボ−ルペン機構6とを摺動自在に対向配置したも
のであって、軸筒1は首部に縦長導溝2、3を対向開穿
すると共に、軸筒1の首部端には、2本の押脚801、
802が対向突設された押子8を摺動自在に嵌合し、シ
ャ−プペンシル機構4は芯ケ−ス405の先に設けたチ
ャック401、チャック401が嵌合或いは脱出する締
付環402、チャック401を弾発往復動せしめる弾機
404で押出式に構成して基端に指圧子5を取付け、ボ
−ルペン機構6はインキ管601の先端に転球602を
具備せしめて構成して基端に指圧子7を取付け、指圧子
5、7を押子8側において対向配置し、指圧子5、7の
対向面における押子8寄りには押脚801、802に係
合して上記両機構4、6を軸筒1から突出保持せしめる
突起501、701を突設すると共に、押子5、7の対
向面中程には突起501、701と押脚801、802
との係合を解除する掛外突起502、702を突設し、
指圧子5、7の対向面と反対側を縦長導溝2、3に臨ま
せ、軸筒1に設けた中具9に上記両機構4、6を貫通せ
しめると共に、中具9と指圧子5、7との間に弾機1
0、11を夫々介在せしめて、上記両機構4、6を常に
軸筒1内に引き込むように構成したことを特徴とする筆
記具。」と記載されており、また、前記シャ−プペンシ
ル機構4を作動させる説明として、詳細な説明には、
「軸筒1の後軸102における首部端には、シャ−プペ
ンシル機構4の筆記芯aの先口403からの突出長さを
調節するための押子8を摺動自在に嵌合するが、その押
子破断面コ型に構成して2本の押脚801、802を突
設し、押子8をこまかに押すことにより、押脚801、
802の両方で指圧子5を介してシャ−プペンシル機構
4の弾機404、チャック401、締付環402等をこ
まかく往復摺動せしめて、周知のシャ−プペンシルと同
様に筆記芯aを先口403から突出せしめると共に、そ
の突出長さを調節する。」と記載されている(公報第3
欄第16行目〜26行目)。
【0003】また、後者の実公昭56−16312号公
報の実用新案登録請求の範囲には、先端開口部29を有
する下部軸ケ−ス1;軸方向に伸びる直径的に相対向す
る2つのガイド溝10、10’を有しておりかつ前記下
部軸ケ−ス1の後端開口に固着された案内スリ−ブ9;
前記下部軸ケ−ス1の先端開口部29に筆記先端を向け
て前記下部軸ケ−ス内に配置されかつ各々がその後端部
に、前記ガイド溝10、10’の対応する一つによって
案内されるスライダ−7、7’を有するノック式シャ−
プペンシル要素3とボ−ルペン要素3’;前記案内スリ
−ブ9の間割りに左右いずれへも全周回動可能でありか
つ案内スリ−ブ9に関して軸方向に一定区間推移可能に
該案内スリ−ブを包囲しており、180°回動毎に前記
両筆記要素3、3’を交互に筆記位置に前進せしめるか
もしくは収納位置に後退せしめるように前記スライダ−
7、7’とばね圧下に係合するスライド傾斜面13、切
欠係合部14および平坦部15を下端面に形成した彎曲
ケ−シング8;からなり、前記案内スリ−ブ9はその頂
部に軸頭16を具え、外軸頭周面にはカム18を、また
前記彎曲ケ−シング8の上端には前記カム18と係合す
る扇形ストッパ−12を有し、前記カム18と扇形スト
ッパ−12とは、前記ペンシル要素3が前記下部軸ケ−
ス1の先端開口部29から突出しているときは互いの係
合が外れて前記案内スリ−ブ9に対する前記彎曲ケ−シ
ング8の軸方向への往復推移が可能となり、この推移が
前記切欠係合部に係合する前記スライダ−7を介して筆
記位置にある前記ペンシル要素3に伝達されてノック動
作により鉛芯の繰り出しが行なわれ、他方前記ボ−ルペ
ン要素3’が前記下部軸ケ−ス1の先端開口部29から
突出しているときには、互いに係合して前記彎曲ケ−シ
ング8の軸方向への推移が係止されるように構成されて
いることを特徴とする筆記具。」と記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記何れの従
来技術も、シャ−プペンシルの芯を繰り出す機構を作動
させる部材(前者においては、指圧子5、後者において
は、スライダ−7)が、シャ−プペンシルを軸本体より
突出させた際の没入を防止する係合部材にもなってい
る。そのため、かような構成の筆記具では、筆記の際に
発生する、芯にかかる殆ど総ての荷重が、この係合部に
かかることになる。そして、筆記による荷重が係合部に
かかると、芯繰り出し機構を押圧作動させたときと同じ
状態となる。つまり、チャックが拡開し、芯が没入して
しまうのである。ここで、芯が没入しないように、チャ
ックの芯噛み部の形状を鋸歯状に形成し、芯に喰い付か
せるようにしたものもあるが、その効果は少なく、ま
た、喰い付く力が大きいと芯を砕いてしまうこともあっ
た。また、弾撥力が大きい(チャックを開閉し、芯を繰
り出すための)スプリングを使用し、芯繰り出し機構が
容易に作動しないようにすることもなされているが、芯
を繰り出すときの力も大きな力を必要とし、押圧動作が
困難となるばかりでなく、芯の把持力も大きくなるた
め、これもまた、芯を砕いてしまう危険性があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決するためになされたものであり、軸本体内にシャ−
プペンシルを少なくとも1つ含む複数の筆記体を有し、
該筆記体は弾撥部材により後方に付勢されているが、筆
記体の後端に取り付けられている押圧部材を前進せしめ
ることで、前記筆記体を軸本体から突出させるが如くな
した多芯筆記具において、前記シャ−プペンシルは、前
記押圧部材に連結した外部材と、その外部材の内側に配
置された鉛芯繰り出し機構を有し、また、前記鉛芯繰り
出し機構を作動させるノック部材を押圧部材に配置した
ことを要旨とする。
【0006】
【作用】シャ−プペンシルの外部材が軸本体に係合固定
し、鉛芯繰り出し機構は、前記外軸とは独立作動するノ
ック部材によって作動する。
【0007】
【実施例】図1〜図6に1例を示し説明する。シャ−プ
ペンシルと2本のボ−ルペンが摺動自在に配置されてい
る多芯筆記具である。1種類のシャ−プペンシルとボ−
ルペンとの組み合わせではなく、複数種の芯径のシャ−
プペンシルであっても良く、また、2種類以上のシャ−
プペンシルと色のボ−ルペンとの組み合わせであっても
良い。参照符号1は、軸本体であり、その軸本体1は、
前軸2と後軸3とより構成されている。また、本例にお
いて、前軸2は、先部材4と中軸5の螺合構造により構
成されているが、圧入や嵌合などの手段であっても良
く、また、一体的に形成されていても良い。
【0008】前記後軸3には、その長手方向に3個のス
リット6が形成されている。本例においては、3個のス
リット6が形成されているが、筆記体であるシャ−プペ
ンシルと2本のボ−ルペンとの3本であるためであり、
筆記体の本数によってスリットの形成する数も変わるも
のである。また、スリット6は、後軸3の一方の端部ま
で形成されていると共に、スリット6の長手方向の両側
には、摺動溝7が形成されている。しかし、この摺動溝
7は、スリット6の両側の全長に渡って形成されている
のではなく、中間部までしか形成されていない。前記後
軸3の前方には、脚部8が形成されている。この脚部8
は、スリット6が形成されることにより形成される。よ
って、筆記体の数によって脚部8の数も変わる。また、
この脚部8の長さは、同一ではなく異なっている。具体
的には、図3中下側の2つの脚8よりも、上方の脚の方
が短めに形成されている。これは、後述するが、後軸3
の中軸5への組み立ての容易性を図ったものである。参
照符号9は、後軸3の側面に形成されたクリップ部であ
る。
【0009】前記後軸3のスリット6には、指が当接す
る部分に凹凸部10が形成されたボ−ルペン出没用のス
ライダ−(押圧部材)11、12、並びに、シャ−プペ
ンシル出没用のスライダ−13が摺動自在に配置されて
いる。これらスライダ−11〜13の長手方向の両側に
は、摺動突起14が形成されており、前記スリット6に
形成された摺動溝7に摺動自在に係合している。これら
のスライダ−11〜13の背面には、間隔をおいて2つ
の解除突起15、16が各々に形成されており、スライ
ダ−11、12の前端部には、筆記体であるボ−ルペン
17を接続する球状の接続部18が形成されている。一
方、もう1つのスライダ−13の前端部には、シャ−プ
ペンシル19を接続する圧入部20が形成されている。
【0010】ここで、前記シャ−プペンシル出没用のス
ライダ−13の長手方向中心部には、ノック溝21が形
成されており、そのノック溝21には、L字状の連結棒
22が摺動自在に配置されている。また、その連結棒2
2の一端部には、その連結棒22に対して移動動作を与
えるノック駒(ノック部材)23が固定されている。符
号24は、前記連結棒22の中間部に固着された突起で
あり、その突起24が、前記スライダ−13の中間部に
形成されている凹部25を摺動することにより、連結棒
22並びにノック駒23の回転や軸本体1からの飛び出
しを防止している。また、連結棒22の先端に付されて
いる符号26は、後述する芯タンクの後端を押圧する押
圧部材であり、連結棒22の径よりも若干大径に形成さ
れている。さらに、符号27は、2本のボ−ルペン17
やシャ−プペンシル19、並びに、それらの筆記体に接
続するスライダ−11〜13を後方に付勢するコイルス
プリングなどの弾撥部材である。
【0011】前記前軸2の一部材である中軸5の中間部
には、規制部28が形成されており、その規制部28に
は、前記筆記体が遊挿する3つの貫通孔29が形成され
ている。この規制部28に弾撥部材27の一端を係止さ
せることにより、筆記体を後方に付勢しているものであ
る。また、中軸5の内側で、規制部28の後方には、長
手方向に3つの溝部30が形成されており、この溝部3
0に前記後軸3の脚部8が摺接され、組み立て時に脚部
8が案内されるようになっている。
【0012】前記前軸2の他の一部材である先部材4
は、前記中軸5に対して螺合により着脱自在に固定され
ている。この先部材4と中軸5とを一体的に形成しても
良いが、前記ボ−ルペン17やシャ−プペンシル19な
どの筆記体の交換や成形の容易性を考慮すると2部材と
し、着脱自在に固定した方が良い。また、先部材4の内
側は、湾曲形成されているが、その接線の傾き角度は、
筆記体の先端と筆記体の直径部分とを結んだ線の傾き角
度よりも小さく設定されている。これは、筆記体が移動
する際、筆記体の先端が先部材4の内壁面に接触しない
ようにしたものであり、最近、透明な軸が流行し、軸内
面の汚れを防止したものである。従来のような筆記具に
あっては、特に、筆記体がボ−ルペンの場合には、イン
キが軸内面に付着し、見栄えを悪くしてしまうものであ
った。
【0013】次に前記シャ−プペンシル19について説
明する(図6参照)。樹脂製や、好ましくは金属製のパ
イプなどからなる外軸(外部材)31の後方には、前記
スライダ−13の圧入部(接続部)20に連結してい
る。また、外軸31の先端には、中継ぎ部材32を介し
て先部材33が圧入などにより固定されている。そし
て、これら、外軸31並びに中継ぎ部材32、先部材3
3の内側には、鉛芯繰り出し機構34が摺動自在に配置
されている。その鉛芯繰り出し機構34は、ポリエチレ
ンやポリプロピレンなどの樹脂パイプからなる芯タンク
35とその芯タンク35の前方に連結部材36を介して
固定されたチャック体37並びに、そのチャック体37
の開閉を行なうチャックリング38と、前記チャック体
37を常に後方に付勢するチャックスプリング39など
から構成されている。符号40は、繰り出し時における
芯の後退を防止する芯戻り止め部材である。尚、本例に
おいては、中継ぎ部材32を外軸31の前端の内側に圧
入しているが、この部分から脱着し、芯の補充の容易性
などを考慮すると、図7に示すように、中継ぎ部材32
のチャックスプリング39より後方を長く延設し、外軸
31の前端の外側に圧入するようにしても良い。
【0014】次に動作について説明する。シャ−プペン
シル19に連結しているスライダ−13を前方(図中下
方)に押圧すると、スライダ−13は、スリット6並び
に摺動溝7に案内されながら、シャ−プペンシル19を
伴い前進し、シャ−プペンシル19の先部材33の先端
が軸本体1の先端より突出する。と、同時に、スライダ
−13が軸本体1の内側に押し込まれ、次いで、スライ
ダ−13の側面部に形成されている摺動突起14の後端
が、摺動溝7の前端の段部7aに係合し、シャ−プペン
シル19の後退作用を阻止する(図1、並びに、図4参
照)。つまり、この摺動溝7をスリット11の中間部ま
でしか形成しないことにより、スライダ−13の係合を
も兼ねるようになっている。
【0015】ここで、芯を繰り出すには、前記ノック駒
23を押圧(前進)せしめる。このノック駒23の前進
により、連結棒22の押圧部26が芯タンク35の後端
を押圧する。この押圧動作により、チャック体37がチ
ャックスプリング39の弾撥力に抗して前進する。そし
て、チャック体37の前進に伴い芯が前進せしめられ先
部材33から繰り出される。
【0016】次に、シャ−プペンシル19を軸本体1に
収納したい場合には、他のスライダ−11や12を押圧
する。他のスライダ−を押圧すると、他のスライダ−の
背面に形成されている解除突起16が、解除突起15に
衝突する。この衝突作用により、押圧されている状態に
あるスライダ−13が軸本体1の外側方向に押圧され
る。そして、この押圧作用により、前記スライダ−13
の摺動突起14と摺動溝7の段部7aとの係合が解除さ
れ、その解除作用により突出している状態にあるシャ−
プペンシル19が弾撥部材27の作用により後退し軸本
体1内に没入する。尚、本例においては、弾撥部材27
よりもチャックスプリング39の弾撥力の方が大きく設
定したが、逆の状態に設定しても良く、つまり、チャッ
クスプリング39よりも弾撥部材27の弾撥力の方が大
きく設定しても良いが、シャ−プペンシルを突出させる
際、チャックスプリングを押圧した状態で突出させるこ
ととなり、芯の繰り出しも同時に行えるものである。そ
して、この様な場合には、スライダ−13の外軸31へ
の圧入力が大きく設定される。具体的には、弾撥部材2
7の弾撥力によって、抜け落ちない程度に設定される。
【0017】次に、前記シャ−プペンシルの変形例を図
8、図9に示し説明する。ノック駒41を軸筒1に対し
て、径方向に押圧することにより芯を繰り出す、所謂、
サイドノック式のシャ−プペンシルである。前例と同様
な構成の説明は、省略する。前記軸筒1の後方に形成さ
れているスリット6は、本例においては、若干幅が広く
形成されており、そのスリット6には、断面がコ型をし
たノック駒41が径方向に前端部を中心とし押圧・回動
自在に配置されている。そのノック駒41は、図8に示
されているように、前端部には、軸筒1への係合凸部4
2が形成されており、また、後方の側面部には、軸筒1
からの抜けを防止する係合爪43が形成されている。一
方、前記例のスライダ−13に相当する本例のスライダ
−44の中間部には、傾斜面45を有する摺動凹部46
が形成されている。また、前記例の連結棒22に相当す
る本例の連結棒47に一端部には、山形傾斜面を有する
テ−パ−部材48が固定されている。前記スライダ−4
4の前進によりこのテ−パ−部材48も前進せしめら
れ、そして、そのテ−パ−部材48が、前記ノック駒4
1によって押圧されることにより、連結棒47が前進
し、芯が繰り出されるのである。尚、本例の連結棒47
の中間部にも回転防止用の突起49が形成されている。
【0018】次に、シャ−プペンシル19のスライダ−
50を軸本体1内に埋設した例を図10〜図12に示し
説明する。本例においては、前例のスライダ−13に形
成されていた凹凸部10が形成されておらず、ノック駒
51に前記凹凸部10に対応する部分が形成されてい
る。具体的には、ノック駒51が、後方に向けて前例の
ノック駒23に比し長く形成されており、スライダ−5
0が隠れるようになっている。次に動作について説明す
る。図10に示す状態より、シャ−プペンシル19に連
動するノック駒51を前方(図中下方)に押圧すると、
連結棒22の押圧部26がシャ−プペンシル19の芯タ
ンク35の後端に接触し押圧する。この芯タンク35の
押圧動作により、前記外軸31も前進する。前記弾撥部
材27よりもチャックスプリング39の弾撥力の方が大
きく設定されているためである。そして、外軸31の前
進に伴い、その外軸31に連結しているスライダ−13
もスリット6並びに摺動溝7に案内されながら前方に移
動し、やがて、スライダ−13が軸筒本体1の内側に押
し込まれ、スライダ−13の側面部に形成されている摺
動突起14の後端が、摺動溝7の前端の段部7aに係合
し、シャ−プペンシル19の後退作用を阻止する(図1
2参照)。このとき、シャ−プペンシル19の先部材3
3は、先端が軸本体1の先端より突出している。また、
本例においては、前例における、ノック駒23や連結棒
22、突起24、押圧部26が一体成形により形成され
ている。かくして本例は、スライダ−を軸本体に埋設す
ることにより見栄えを良くすると共に、ノック駒の周辺
部品を一体的に成形することにより、部品の低価格化、
組立の容易性が図れるものである。尚、押圧操作時にお
いては、前例に比し、ノック駒51に全ての押圧力を掛
けなければならなくなるため、図13に示すようにノッ
ク駒51の凹凸部10を横方向に大きく形成することに
よって、押圧する指への抵抗力を拡散し和らげるように
しても良い。
【0019】次に、前記シャ−プペンシルの変形例を図
14、図15に示し説明する。ノック駒52を軸本体1
に対して、径方向に押圧することにより芯を繰り出す、
所謂、サイドノック式のシャ−プペンシルである。前記
軸本体1の後方に形成されているスリット6は、前例に
比し本例は、若干幅が広く形成されているが、同等の幅
であっても良く、そのスリット6には、断面がコ型をし
たノック駒52が径方向に後端部を中心とし押圧・回動
自在に配置されている。そのノック駒52は、後端部に
固定軸53が形成されており、また、前方の内側面に
は、後述するスライダ−54を押圧する押圧突起55が
形成されている。そして、その押圧突起55には、ノッ
ク駒52の軸本体1からの抜けを防止する係合爪55a
が形成されている。一方、前記例のスライダ−50に相
当する本例のスライダ−54の後端部には、前記ノック
駒52の固定軸53が回転自在に固定される支持孔56
が形成されているが、図16に示すようにノック駒52
の後端(凸部52a)とスライダ−54の後方部(凹部
54a)とを凹凸係合するなどしても良い。また、本例
においてもスライダ−54の中間部には、切欠き部25
が形成されている。また、前記例の連結棒22に相当す
る本例の連結棒57の一端部には、山形傾斜面を有する
テ−パ−部材58が形成されているが、別部材で構成し
互いを強固に固定しても良い。前記ノック駒52の前進
により連結棒57、並びに、シャ−プペンシル19が前
進する。このシャ−プペンシル19の前進に伴いスライ
ダ−54も前進する。そして、ノック駒52の径方向へ
の押圧動作によりテ−パ−部材58、並びに、連結棒5
7が押圧前進し、芯が繰り出されるのである。
【0020】次に、前記外軸31の変形例を挙げ説明す
る。外軸31を湾曲し易くすることによって、軸本体1
からスム−ズに突出させるようにしたものである。以
下、種々の変形例を説明する。尚、外軸31をポリプロ
ピレンやポリスチレン、ポリブチレンテレフタレ−トな
どの樹脂製の可撓性部材から構成しても良いが、筆記に
よる外軸の撓み、収縮などを考慮すると、金属製にする
のが好ましい。図17はその第1変形例を示す図であ
り、金属製の外軸59の中間部後方に切り込み60を形
成したものであるが、図18に示すように外軸31を中
間部より2分割し、切り込み60が形成されたパイプ6
1で連結しても良い。前記切り込み60は、対向した位
置に約150度の範囲で、更に、90度位相をずらして
上下に形成されている。シャ−プペンシル19が回転し
てしまった場合のことを考慮し、どの方向から力がかか
っても湾曲できるようにしたのである。また、前記切り
込み60は、先部材33の前端を起点とし、使用する芯
の長さよりも後方に形成されている。外軸59(31)
の切り込み60部分における湾曲作用による、芯タンク
35内の芯の折損を防止するためである。
【0021】図19、図20は、第2変形例を示した図
であり、外軸62にスパイラル状の切り込み63を形成
したものである。図19は、外軸62の中間部の1部に
形成した例であり、図20は、外軸62の長手方向全体
に形成した例である。切り込み63をスパイラル状に形
成することにより、外軸62に弾性作用が発生し、シャ
−プペンシル前進時に湾曲するのである。図21は、第
3変形例を示した図であり、外部材(前例に相当する外
軸)をコイルスプリング64としたものである。前記第
2変形例に比し、長手方向の全体が湾曲しやすいもので
あり、また、市販のコイルスプリングを使用することに
より加工の手間が省け、安価に製作できるものである。
【0022】図22は、第4変形例を示した図であり、
外軸65の側壁に長手方向の切欠き部66を形成した例
である。そして、芯タンク35は、ポリエチレンやポリ
プロピレンなどの透明な材質で形成されており、芯の残
量が確認できるようになっている。前記切欠き部66
は、筒状の外軸65に形成したが、外軸となる平板状の
板部材に、予め、切欠き部を形成しておき、後に、その
板部材を丸め筒状となし外軸としても良い。図23は、
この第4変形例のシャ−プペンシル19を軸本体1に装
着した図であり、シャ−プペンシル19が湾曲する方向
に切欠き部66が位置するように取り付けられている。
湾曲のし易さを考慮してのことであるが、切欠き部66
を前記位置とは逆側になるように取り付けても良い。芯
タンク内の芯の確認が更に容易に行えるようになる。
尚、前記シャ−プペンシル19(外軸65)の向きは、
スライダ−50と外軸31との嵌合位置関係によって位
置決めするようにしても良い。
【0023】図24は、第5変形例を示した図であり、
外軸67を2分割するとともに、その2分割した外軸6
7をかしめ加工により連結した例である。このかしめ部
68は、若干クリアランス(ガタ)を設けてかしめられ
ており、このかしめ部68で屈曲するようになってい
る。図25は、前記第5変形例と類似しているが、外軸
67を2分割するとともに、その2分割した外軸67を
熱収縮性の樹脂チュ−ブ69で連結した例である。この
熱収縮性の樹脂チュ−ブ69の内面には、接着剤が塗布
されており、熱収縮と同時に接着剤が溶け、外軸67と
接着されるのである。
【0024】次に、外軸のスライダ−に対する回転防止
機構を挙げ説明する。特に、前記第4変形例のように、
外軸の湾曲作用に対して方向性があるような外軸を使用
した場合に有効な機構である。外軸がスライダ−に対し
て回転することなく、常に、湾曲しやすい方向で固定し
ておくことができるのである。第1例を図26〜図29
に示し説明する。外軸65の後方には、前記スライダ−
50の嵌入部70の凹部71に係合し、互いの回転を防
止する係合突起72が形成されている。本例においてそ
の係合突起72は、外軸65の側面をコ型に切欠き、内
側に折り曲げることによって形成されているが、図3
0、図31に示すように一辺のみを切欠き、プレスなど
により四角形状に内側に折り曲げても良い。また、前記
係合突起72を対向する2箇所に設けたが、外軸65と
スライダ−50との係合(連結)を確実にするためであ
り、1箇所であっても良い。尚、前記凹部と係合突起の
係合は、その係合部を支点とし外軸とスライダ−とが屈
曲可能な係合状態となっている。また、シャ−プペンシ
ル19の軸本体1からの出没の容易性を高めるために、
外軸65の中間部には、外軸65が湾曲しやすいように
窓部66が形成されている。この切欠き66は、前記係
合部(凹部71と係合突起72との係合)での屈曲を考
慮して、前記係合突起72とは90度相違する側の面に
形成されている。つまり、前述もしたように切欠き66
による湾曲と、係合部での屈曲によりシャ−プペンシル
の軸筒からの出没の良好性を高めている。また、係合部
で屈曲せしめることにより、外軸における湾曲が少なく
なり、芯が良好に繰り出せるという効果が奏する。尚、
本例における外軸65は、あらかじめ、係合突起や窓部
が形成された板状の金属板を丸めることにより筒状に形
成したが、筒状の金属パイプとなっているものに係合突
起や窓部を切削加工などで形成しても良い。
【0025】図32は第2例を示す図であり、係合受部
となる凹部を回りが囲繞された凹部(四角い孔)73と
したものである。そして、この凹部73の幅を前記外軸
65の係合突起72の幅と同一にすることにより、外軸
65とスライダ−50とが屈曲しにくくなるものの、よ
り確実に外軸65とスライダ−50とを固定することが
でき、操作による外軸65とスライダ−50との不慮の
回転が、より一層防止される。図33は、第3例を示し
た図であり、前記第2例の凹部73の一辺を開放した例
である。具体的には、溝21の方向の辺が開放されてい
る。前記第2例に比し、外軸65とスライダ−50との
屈曲性を向上させると共に、スライダ−50を成形する
金型の簡略化を図ったものである。
【0026】図34は、第4例を示した図であり、前記
外軸65に形成されている係合突起72を外軸65の表
面と平行になるように形成し、その平行な係合突起74
を前記凹部73に面接触させた例である。外軸65とス
ライダ−50との固定を確実としたものである。尚、図
27に示されるようなテ−パ−状の係合突起72であっ
ても、凹部73をテ−パ−状に形成することにより面接
触させ、固定の確実性を高めることができる。図35、
図36は、第5例を示した図であり、前記凹部に変え、
矢型状の突起75をスライダ−50に形成すると共に、
前記外軸65にはその突起75と係合する係合孔76を
形成した例である。係合受部(係合孔76)の加工の容
易性を図ったものである。
【0027】
【発明の効果】本発明は、軸本体内にシャ−プペンシル
を少なくとも1つ含む複数の筆記体を有し、該筆記体は
弾撥部材により後方に付勢されているが、筆記体の後端
に取り付けられている押圧部材を前進せしめることで、
前記筆記体を軸本体から突出させるが如くなした多芯筆
記具において、前記シャ−プペンシルは、前記押圧部材
に連結した外部材と、その外部材の内側に配置された鉛
芯繰り出し機構を有し、また、前記鉛芯繰り出し機構を
作動させるノック部材を押圧部材に配置したので、筆記
の際に芯が没入せず、また、芯繰り出し機構のスプリン
グの弾撥力を高めることもないので、良好に作動させる
ことができると共に、芯の保持力により芯が砕けてしま
うこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す縦断面図。
【図2】スライダ−13を後退させたときの図1のA−
A線断面図。
【図3】スライダ−13を後退させたときの図1のB−
B線断面図。
【図4】図1のC部拡大図。
【図5】本発明のスライダ−周辺部の部品を示す斜視
図。
【図6】シャ−プペンシルを示す要部縦断面図。
【図7】シャ−プペンシルの変形例を示す要部縦断面
図。
【図8】本発明の変形例を示す縦断面図。
【図9】変形例のスライダ−周辺部の部品を示す斜視
図。
【図10】本発明の変形例を示す縦断面図。
【図11】図10のスライダ−周辺部の部品を示す斜視
図。
【図12】図10の要部拡大縦断面図。
【図13】スライダ−の変形例を示す斜視図。
【図14】本発明の変形例を示す要部拡大縦断面図。
【図15】図14のスライダ−周辺部の部品を示す斜視
図。
【図16】図14の変形例を示す斜視図。
【図17】外軸の第1変形例を示す外観図。
【図18】図16の変形例を示す外観図。
【図19】外軸の第2変形例を示す外観図。
【図20】図18の変形例を示す外観図。
【図21】外軸の第3変形例を示す外観図。
【図22】外軸の第4変形例を示す外観図。
【図23】外軸の第4変形例を軸本体に組み込んだ状態
を示す要部縦断面図。
【図24】外軸の第5変形例を示す外観図。
【図25】外軸の第6変形例を示す外観図。
【図26】回転防止機構の第1例を示す外軸の正面要部
縦断面図。
【図27】図26の側面図。
【図28】第1例のスライダ−を示す斜視図。
【図29】第1例の軸本体とスライダ−とを組み立てた
状態を示す要部縦断面図。
【図30】図26の変形例を示す要部正面図。
【図31】図30のD−D線断面図。
【図32】回転防止機構の第2例を示すスライダ−の斜
視図。
【図33】回転防止機構の第3例を示すスライダ−の斜
視図。
【図34】回転防止機構の第4例を示す、外軸とスライ
ダ−とを組み立てた要部縦断面図。
【図35】回転防止機構の第5例を示すスライダ−の斜
視図。
【図36】第5例の外軸とスライダ−とを組み立てた状
態を示す要部縦断面図。
【符号の説明】
1 軸本体 2 前軸 3 後軸 4 先部材 5 中軸 6 スリット 7 摺動溝 7a 前端の段部 8 脚部 9 クリップ部 10 凹凸部 11 スライダ−(押圧部材) 12 スライダ−(押圧部材) 13 スライダ−(押圧部材) 14 摺動突起 15 解除突起 16 解除突起 17 ボ−ルペン(筆記体) 18 接続部 19 シャ−プペンシル(筆記体) 20 圧入部 21 ノック溝 22 連結棒 23 ノック駒 24 突起 25 凹部 26 押圧部 27 弾撥部材 28 規制部 29 貫通孔 30 溝部 31 外軸(外部材) 32 中継ぎ部材 33 先部材 34 芯繰り出し機構 35 芯タンク 36 連結部材 37 チャック体 38 チャックリング 39 チャックスプリング 40 戻り止め部材 41 ノック駒 42 係合凸部 43 係合爪 44 スライダ− 45 傾斜面 46 凹部 47 連結棒 48 テ−パ−部材 49 突起 50 スライダ− 51 ノック駒 52 ノック駒 53 固定軸 54 スライダ− 55 押圧突起 56 支持孔 57 連結棒 58 テ−パ−部材 59 外軸 60 切り込み 61 パイプ 62 外軸 63 切り込み 64 コイルスプリング 65 外軸 66 切欠き 67 外軸 68 かしめ部 69 樹脂チュ−ブ 70 嵌入部 71 凹部 72 係合突起 73 凹部 74 係合突起 75 突起 76 係合孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平8−158879 (32)優先日 平8(1996)5月30日 (33)優先権主張国 日本(JP)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸本体内にシャ−プペンシルを少なくと
    も1つ含む複数の筆記体を有し、該筆記体は弾撥部材に
    より後方に付勢されているが、筆記体の後端に取り付け
    られている押圧部材を前進せしめることで、前記筆記体
    を軸本体から突出させるが如くなした多芯筆記具におい
    て、前記シャ−プペンシルは、前記押圧部材に連結した
    外部材と、その外部材の内側に配置された鉛芯繰り出し
    機構を有し、また、前記鉛芯繰り出し機構を作動させる
    ノック部材を押圧部材に配置したことを特徴とする多芯
    筆記具。
  2. 【請求項2】 前記押圧部材を軸本体内に埋設したこと
    を特徴とする請求項1に記載の多芯筆記具。
  3. 【請求項3】 前記外部材を可撓性部材となしたことを
    特徴とする請求項1に記載の多芯筆記具。
  4. 【請求項4】 軸本体内にシャ−プペンシルを少なくと
    も1つ含む複数の筆記体を有し、該筆記体は弾撥部材に
    より後方に付勢されているが、筆記体の後端に取り付け
    られている押圧部材を前進せしめることで、前記筆記体
    を軸本体から突出させるが如くなした多芯筆記具におい
    て、前記シャ−プペンシルは、前記押圧部材に回転不能
    に連結した外部材と、その外部材の内側に配置された鉛
    芯繰り出し機構を有し、また、その鉛芯繰り出し機構を
    作動させるノック部材を押圧部材に配置せしめると共
    に、前記外部材を可撓性部材となしたことを特徴とする
    多芯筆記具。
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