JPH08170345A - 地下躯体の施工方法 - Google Patents

地下躯体の施工方法

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Publication number
JPH08170345A
JPH08170345A JP6313826A JP31382694A JPH08170345A JP H08170345 A JPH08170345 A JP H08170345A JP 6313826 A JP6313826 A JP 6313826A JP 31382694 A JP31382694 A JP 31382694A JP H08170345 A JPH08170345 A JP H08170345A
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JP
Japan
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concrete
floor
wall
pillar
formwork
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JP6313826A
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English (en)
Inventor
Takashi Nishimura
崇 西村
Masaki Nemoto
雅樹 根本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Publication date
Application filed by Shimizu Construction Co Ltd, Shimizu Corp filed Critical Shimizu Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 施工の容易化を図ることのできる地下躯体の
施工方法を提供することを目的とする。 【構成】 掘削工程とスラブ形成工程とを交互に繰り返
すことによって、地下躯体10の梁14,床15を上層
階から下層階に向けて順次形成していき、しかる後に、
柱・壁コンクリート打設工程を下層階から上層階に向け
て順次行っていくことによって、柱12,壁13を形成
する構成とした。そして、スラブ形成工程において、柱
12や壁13を形成すべき位置にはパイプ25を埋設し
ておき、柱・壁コンクリート打設工程で柱型枠30,壁
型枠31内に前記パイプ25を通してコンクリートCを
打設する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば鉄筋コンクリー
ト造あるいは鉄骨鉄筋コンクリート造で構成する地下躯
体の、特に柱や壁を施工するのに好適な地下躯体の施工
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、都心部等において、ビル等の建
築構造物を敷地いっぱいに構築する場合等に、このビル
の地下躯体を地盤中に構築するに際し、地盤を徐々に根
切りしつつ、地下躯体を上層階から下層階へ向けて構築
していく逆打ち工法が多用されている。
【0003】このような逆打ち工法では、まず、図8に
示すように、掘削した根切底面1上に、柱2,壁3を形
成するとともに、その上面に地上一階部4の梁5,床6
を形成する。次いで、根切底面1をさらに一定深さ掘削
し、上記と同様にして根切底面1’上に柱2’,壁3’
を形成し、その上面に地下一階部7の梁5’,床6’を
形成する。この状態で、床6’の上面と上方の柱2,壁
3との間にはコンクリートが打設されていない。そし
て、これを繰り返すことによって、各階の躯体を上層階
から下層階に向けて順次施工していく。この後、各階の
床6’上で型枠9を組み立て、ここにコンクリートCを
打設することによって、柱2”,壁3”を形成するよう
にしている。このとき、型枠9には、柱2”,壁3”の
上方には既に柱2,壁3が形成されているので、コンク
リートCを注入するための注入口9aが側方に張り出す
ように形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の地下躯体の施工方法には、以下のような
問題が存在する。すなわち、各階の柱2”,壁3”を形
成するために型枠9内にコンクリートCを打設するとき
には、柱2”,壁3”の上端部と上方の柱2,壁3の下
端部とを打ち継ぐために、柱2,壁3の下端以上のレベ
ルにまでコンクリートCを打設する必要がある。する
と、注入口9aの部分のコンクリートC’が側方に突出
して形成されることになる。このため、型枠9を解体し
た後に、このコンクリートC’を削除(いわゆるハツ
リ)しなければならず、このハツリ作業に、手間・コス
ト・工期がかかるという問題がある。本発明は、以上の
ような点を考慮してなされたもので、施工の容易化を図
ることのできる地下躯体の施工方法を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
地盤中に地下躯体を構築するに際して、地盤を一定深さ
掘削する掘削工程と、掘削した根切底面上に各階の躯体
を構成する鉄筋を組み立てるとともに、柱や壁を形成す
べき位置に筒状で一定長を有するコンクリート打設用パ
イプを上下方向に軸線を位置させて配置した後、型枠を
定められた形状に組み立て、コンクリートを前記型枠内
のスラブ上面レベルまで打設して前記地下躯体の各階の
スラブを形成するスラブ形成工程とを交互に繰り返すこ
とによって、前記地下躯体のスラブを上層階から下層階
に向けて順次形成していき、しかる後に、スラブの上面
と、直上階のスラブと一体に形成された柱や壁の下端部
との間に柱や壁を形成するための型枠を各階で組み立
て、コンクリート供給源から前記コンクリート打設用パ
イプを通して前記型枠内にコンクリートを打設する柱・
壁コンクリート打設工程を、下層階から上層階に向けて
順次行っていくことを特徴としている。
【0006】請求項2に係る発明は、請求項1記載の地
下躯体の施工方法において、前記柱・壁コンクリート打
設工程で、前記コンクリート打設用パイプ内にコンクリ
ート送給管を通し、該コンクリート送給管によってコン
クリート供給源から前記型枠内にコンクリートを打設す
ることを特徴としている。
【0007】
【作用】請求項1記載の発明では、掘削工程とスラブ形
成工程とを交互に繰り返すことによって、地下躯体のス
ラブを上層階から下層階に向けて順次形成していき、し
かる後に、柱・壁コンクリート打設工程を下層階から上
層階に向けて順次行っていく構成とした。これにより、
地盤中に地下躯体を構築することができる。そして、前
記スラブ形成工程において、柱や壁を形成すべき位置に
は筒状のコンクリート打設用パイプを埋設しておき、柱
・壁コンクリート打設工程においてコンクリート供給源
からコンクリート打設用パイプを通して柱・壁の型枠内
にコンクリートを打設する構成とした。これにより、従
来のように、柱・壁の型枠に、コンクリートを注入する
ための注入口を設ける必要がなくなり、余分な突出部の
ない平滑な外形形状を有した柱・壁を形成することが可
能となる。
【0008】請求項2記載の発明では、柱・壁コンクリ
ート打設工程で、コンクリート打設用パイプにコンクリ
ート送給管を通し、このコンクリート送給管によってコ
ンクリート供給源から型枠内にコンクリートを打設する
構成とした。これにより、コンクリート打設用パイプ内
に直接コンクリートを付着させることなくコンクリート
の打設作業を行うことが可能となる。
【0009】
【実施例】以下、本発明を図面に示す一実施例を参照し
て説明する。ここでは、例えば、梁が鉄筋コンクリート
造で、柱が鉄骨鉄筋コンクリート造とされた、多層階を
有する地下躯体を構築する場合の実施例を用いて説明す
る。図1は、本発明に係る地下躯体の施工方法を適用し
て構築する地下躯体の一例を示すものである。図1に示
すように、地下躯体10は、地盤G中に形成された基礎
(図示なし)上に構築されており、地上一階部11の下
方に例えば5層からなる地下階を有した構成となってい
る。
【0010】この地下躯体10は、柱12が例えば鉄骨
鉄筋コンクリート造(以下「SRC造」と称する)で、
壁13,各階の梁14および床(スラブ)15が鉄筋コ
ンクリート造(以下「RC造」と称する)からなる構成
とされている。図1および図2に示すように、所定間隔
で配置された各柱12は、基礎(図示なし)上に立設さ
れた柱鉄骨16と、四隅に配筋された柱鉄筋(鉄筋)1
7と、断面視矩形となるよう打設されたコンクリートC
とから形成されている。また、柱12,12,…間に、
平面視格子状となるよう配設された各壁13は、その厚
さ方向中心部に沿って配筋された壁鉄筋(鉄筋)18
と、その周囲に所定厚さに亘って打設されたコンクリー
トCとから形成されている。
【0011】次に、このような地下躯体10を構築する
施工方法について、図1ないし図6を参照して説明す
る。まず、図3に示すように、地盤Gの所定の位置(各
柱12を立設すべき位置)に各柱12の柱鉄骨16を、
その下端部が所定深さに到達するように打ち込む。
【0012】(掘削工程)次いで、地盤Gを一定深さ掘
削する。
【0013】(スラブ形成工程)そして、掘削した一次
根切面(根切底面)G1上に突出した各柱鉄骨16の周
辺と、壁13を形成すべき位置の周辺とに、一定厚さに
亘ってコンクリート(無筋)を打設し、捨てコンクリー
ト盤21,21,…を形成する。そして、それぞれの捨
てコンクリート盤21のコンクリートが硬化する前に、
捨てコンクリート盤21上の所定の位置(柱鉄筋17の
主筋17a,壁鉄筋18の縦筋18aを配筋すべき位
置)に、鉄筋接続具22,22,…を、その長さの半分
程度が捨てコンクリート盤21内に埋没するように配置
する。この鉄筋接続具22は、筒状で内周面に雌ネジ部
が形成されたものである。このとき、各鉄筋接続具22
の下端部には、内部にコンクリートが侵入するのを防ぐ
ため、例えば樹脂製のキャップ(図示なし)をかぶせて
おく。
【0014】次いで、柱鉄筋17の主筋17a,17
a,…の下端部を、捨てコンクリート盤21上の鉄筋接
続具22,22,…に挿入・接続する。この主筋17a
は、いわゆるネジ節鉄筋で、上下端部の外周面に雄ネジ
部が形成されたものである。続いて、柱鉄筋17のフー
プ筋(図示なし)等を配筋し、柱鉄筋17を所定の形状
に組み立てる。そして、柱鉄筋17のフープ筋(図示な
し)の内方の捨てコンクリート盤21上に、筒状のパイ
プ25を配置する。このパイプ25は、例えば100〜
200φ程度の管径を有し、かつその上端が形成すべき
床15の上方に露出あるいは突出するような長さを有し
たものである。このパイプ25には、いわゆるワインデ
ィングパイプ等、例えば金属製で周囲にコンクリートを
打設したときにその外圧に抗することのできる程度の強
度を有し、かつ安価なものが用いられている。次いで、
この柱鉄筋17の周囲の捨てコンクリート盤21上に、
柱型枠(型枠)26を組み立てる。この柱型枠26には
底型枠は不要で、柱12の側面のみを形成するように組
み立てればよい。
【0015】また、柱鉄筋17の組み立てと並行して、
壁鉄筋18,壁型枠(型枠)27の組み立て作業を以下
のようにして行う。まず、壁鉄筋18の縦筋18a,1
8a,…の下端部を、捨てコンクリート盤21上の鉄筋
接続具22,22,…に挿入・接続する。この縦筋18
aは、前記主筋17aと同様に、いわゆるネジ節鉄筋で
上下端部に雄ネジ部が形成されたものである。続いて、
壁鉄筋18の横筋(図示なし)を配筋し、壁鉄筋18を
所定の形状に組み立てる。そして、パイプ(コンクリー
ト打設用パイプ)25,25,…を、形成すべき壁13
に沿って一定間隔、例えば2000mm毎に、捨てコン
クリート盤21上に配置する。次いで、この壁鉄筋18
の周囲の捨てコンクリート盤21上に壁型枠27を組み
立てる。この壁型枠27についても、前記柱型枠26と
同様に底型枠は不要で、壁13の側面のみを形成するよ
うに組み立てればよい。
【0016】次いで、梁型枠(型枠)28,床型枠(図
示なし)を柱型枠26,壁型枠27上に組み立てた後、
梁14,床15の鉄筋(図示なし)を所定の形状に組み
立てる。
【0017】このようにして柱型枠26,壁型枠27,
梁型枠28,床型枠(図示なし)を組み立てた後、コン
クリートCを床型枠(図示なし)内の床15の上面レベ
ルまで打設する。このとき、各パイプ25内にはコンク
リートCを打設しないようにする。そして、打設したコ
ンクリートCが養生して所定の強度が発現した後に、柱
型枠26,壁型枠27,梁型枠28,床型枠(図示な
し)を解体する。このようにして、地上一階部11の梁
14,床15が形成され、その下面に、柱12および壁
13の上部が一体に形成されたことになる。
【0018】次に、以下のようにして地上一階部11の
下方に地下一階部B1を構築する。 (掘削工程)まず、一次根切面G1を一定深さ掘削す
る。このとき、前記スラブ形成工程で形成した捨てコン
クリート盤21を、掘削と同時に取り壊す。この捨てコ
ンクリート盤21は無筋コンクリートであるため、その
上面に形成した柱12,壁13を損傷することなく、容
易に取り壊すことが可能である。すると、柱12,壁1
3の下面と鉄筋接続具22の下半部とが露出することに
なる。また、キャップ(図示なし)も取り外しておく。
【0019】(スラブ形成工程)続いて、図4に示すよ
うに、前記スラブ形成工程と同様にして、掘削した二次
根切面(根切底面)G2上に地下一階部B1を構築す
る。すなわち、 柱12,壁13を形成すべき位置に捨てコンクリー
ト盤21を形成する。 コンクリート盤21上の所定位置に鉄筋接続具2
2,22,…を埋め込むように配置する。 鉄筋接続具22,22,…に、柱鉄筋17の主筋1
7a,壁鉄筋18の縦筋18aの下端部を挿入・接続す
る。このとき、主筋17a,縦筋18aの上端部17
b,18bを、前記スラブ形成工程で形成した上方の柱
12,壁13の下面に突出した鉄筋接続具22,22,
…に挿入・接続する。 捨てコンクリート盤21上に、柱鉄筋17,壁鉄筋
18を組み立てるとともに、パイプ25を配置する。そ
して、このパイプ25と、上方のパイプ25との間に、
パイプ(コンクリート打設用パイプ)29を接続する。
このパイプ29には、パイプ25と同様、例えばワイン
ディングパイプが用いられている。 柱型枠26,壁型枠27を組み立てる。 梁型枠28,床型枠(図示なし)を組み立てた後、
梁鉄筋,床鉄筋を組み立てる。 柱型枠26,壁型枠27,梁型枠28,床型枠(図
示なし)にコンクリートCを打設し、これが硬化した後
に各型枠を解体する。
【0020】このようにして、地下一階部B1の梁1
4,床15が形成され、その下面に、柱12および壁1
3の上部が形成される。このとき、地上一階部11の下
面に形成した柱12,壁13の下端部と地下一階部B1
の床15の上面との間は、柱12,壁13のコンクリー
トCは打設されておらず、柱鉄骨16,柱鉄筋17,壁
鉄筋18が露出した状態となっている。
【0021】この後、上記と全く同様にして、地盤Gを
一定深さ掘削する掘削工程と、地下躯体10の各階を構
築するスラブ形成工程とを繰り返し、図5に示すよう
に、地下躯体10を最下階である地下五階部B5まで構
築していく。なお、地下五階部B5の床15には、パイ
プ25を埋設しない。
【0022】(柱・壁コンクリート打設工程)次に、図
6に示すように、地下五階部B5の柱12,13の、柱
鉄骨16,柱鉄筋17,壁鉄筋18が露出した部分の周
囲に、柱型枠(型枠)30,壁型枠(型枠)31を組み
立てる。続いて、地上一階部11上から、柱12,壁1
3に配設された各パイプ25内に、図示しないミキサー
等のコンクリート供給源からコンクリートCを送給する
ためのコンクリート送給管32を通し、その先端を地下
五階部B5の柱型枠30,壁型枠31内に到達させる。
そして、コンクリート送給管32から柱型枠30,壁型
枠31内にコンクリートCを打設し、地下五階部B5の
柱12,壁13を形成する。
【0023】次いで、地下四階部B4のパイプ29を取
り外す。そして、上記と同様にして、地下四階部B4に
柱型枠30,壁型枠31を組み立て、ここにコンクリー
ト送給管32でコンクリートCを打設し、地下四階部B
4の柱12,壁13を形成する。このとき、この地下四
階部B4に埋設された各パイプ25内にもコンクリート
Cを打設して、パイプ25を柱12,壁13内に埋め殺
すようにする。
【0024】この後、上記の柱・壁コンクリート打設工
程を同様にして繰り返し、各階の柱12,壁13に、下
方から上方に向けてコンクリートCを打設していく。そ
して、各階の柱12,壁13のコンクリートCが養生し
て所定の強度が発現した後に、柱型枠30,壁型枠31
を順次解体していくことによって、図1に示した地下躯
体10の構築が完了する。
【0025】上述した地下躯体10の施工方法では、掘
削工程とスラブ形成工程とを交互に繰り返すことによっ
て、地下躯体10の梁14,床15を上層階から下層階
に向けて順次形成していき、しかる後に、柱・壁コンク
リート打設工程を下層階から上層階に向けて順次行って
いくことによって、柱12,壁13を形成する構成とし
た。これにより、地盤G中に地下躯体10を構築するこ
とができる。そして、スラブ形成工程において、柱12
や壁13を形成すべき位置にはパイプ25を埋設してお
き、柱・壁コンクリート打設工程において、柱型枠3
0,壁型枠31内にパイプ25を通してコンクリートC
を打設する構成とした。このようにして、従来のように
型枠9(図8参照)に注入口9aを設けることなくコン
クリートCを柱型枠30,壁型枠31内に打設すること
ができる。これにより、余分な突出部のない平滑な外形
形状を有した柱12,壁13を形成することができるの
で、従来行っていたハツリ作業を廃することができ、こ
の結果、地下躯体10の施工に要する手間,コスト,工
期を大幅に少なくすることが可能となる。さらに、パイ
プ25,29に、安価なワインディングパイプを用いた
ので、加工や取り扱いも容易で、しかも上記の効果を低
コストで実現することができる。加えて、前記パイプ2
5は、コンクリート打設時のエア抜きや、コンクリート
打設後のバイブレータ挿入口としても利用することがで
きる。また、柱・壁コンクリート打設工程で、パイプ2
5,29内にコンクリート送給管32を通し、このコン
クリート送給管32によって柱型枠30,壁型枠31内
にコンクリートCを打設する構成とした。これにより、
コンクリート送給管32内に直接コンクリートCを付着
させることなくコンクリートCの打設作業を行うことが
可能となる。したがって、下層階から上層階に向けて順
次コンクリートCを打設していく途中で、パイプ25,
29内に付着したコンクリートCが硬化してパイプ2
5,29が詰まるのを防ぐことができ、円滑に地下躯体
10の施工作業を進行することが可能となる。
【0026】なお、上記実施例において、コンクリート
Cを打設するときに、コンクリート送給管32をパイプ
25,29内に通すようにしたが、もちろん、このコン
クリート送給管32を用いずに、パイプ25,29に直
接コンクリートCを流し込むようにしてもよい。また、
上下のパイプ25,25間に、パイプ29を配する構成
としたが、このパイプ29を用いない構成としてもよ
い。このような場合には、例えば、図7に示すように、
コンクリート送給管32’を各階のパイプ25の上端部
に接続し、これによってコンクリートCを打設するよう
にすればよい。このようにしても、上記と同様の効果を
奏することが可能である。また、上記実施例の地下躯体
10を構築するときに、予め本設の柱12の柱鉄骨16
を打ち込んでおき、この柱鉄骨16を支柱として地上一
階部11等、施工中の地下躯体10の荷重を支持する構
成としたが、もちろん、この柱鉄骨16に代えて仮設柱
を打ち込み、この仮設柱で施工中の地下躯体10の荷重
を支持するようにしてもよい。さらには、このように仮
設柱を用いて施工を行うのであれば、地下躯体10の柱
12がRC造の場合にも本発明を適用することが可能で
あり、このような場合においても上記と同様の効果を奏
することができる。上記以外にも、地下躯体10の構成
や施工の手順等、他の構成についても、本願の趣旨を逸
脱しない範囲であれば、これらをいかなる構成としても
上記と同様の効果を奏することができるのは言うまでも
ない。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る地
下躯体の施工方法によれば、掘削工程とスラブ形成工程
とを交互に繰り返して、地下躯体のスラブを上層階から
下層階に向けて順次形成した後、柱・壁コンクリート打
設工程を下層階から上層階に向けて順次行っていくこと
により、地盤中に地下躯体を構築することができる。そ
して、スラブ形成工程において、柱や壁を形成すべき位
置には、筒状のコンクリート打設用パイプを埋設してお
き、柱・壁コンクリート打設工程において、コンクリー
ト打設用パイプを通して柱・壁の型枠内にコンクリート
を打設する構成とした。これにより、従来のように柱・
壁の型枠にコンクリートを注入するための注入口を設け
ずに、コンクリートを柱・壁の型枠内に打設することが
できる。したがって、余分な突出部のない平滑な外形形
状を有した柱,壁を形成することができるので、従来行
っていたハツリ作業を廃することができ、この結果、地
下躯体の施工に要する手間,コスト,工期を大幅に少な
くすることが可能となる。しかも、コンクリート打設用
パイプに、安価なワインディングパイプ等を用いること
によって上記の効果を低コストで実現することができ
る。加えて、前記コンクリート打設用パイプは、コンク
リート打設時のエア抜きや、コンクリート打設後のバイ
ブレータ挿入口としても利用することができる。
【0028】請求項2に係る地下躯体の施工方法によれ
ば、柱・壁コンクリート打設工程で、コンクリート打設
用パイプにコンクリート送給管を通し、このコンクリー
ト送給管によってコンクリート供給源から型枠内にコン
クリートを打設する構成とした。これにより、コンクリ
ート打設用パイプ内に直接コンクリートを付着させるこ
となくコンクリートの打設作業を行うことが可能とな
る。したがって、下層階から上層階に向けて順次コンク
リートを打設していく途中でコンクリート打設用パイプ
内でコンクリートが硬化することによってコンクリート
打設用パイプが詰まるのを防ぐことができ、円滑に地下
躯体の施工作業を進行することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る地下躯体の施工方法を適用して構
築する地下躯体の一例を示す正断面図である。
【図2】前記地下躯体の一部を示す平断面図である。
【図3】前記地下躯体の施工工程を示す図であって、地
上一階部を構築した状態を示す正断面図である。
【図4】前記地下躯体の施工工程を示す図であって、地
上一階部の下方に地下一階部を構築した状態を示す正断
面図である。
【図5】前記地下躯体の施工工程を示す図であって、地
下五階部まで構築した状態を示す正断面図である。
【図6】前記地下躯体の施工工程を示す図であって、柱
・壁にコンクリートを打設している状態を示す正断面図
である。
【図7】本発明に係る地下躯体の施工方法を適用して構
築する地下躯体の施工工程を示す図であって、柱・壁に
コンクリートを打設する他の方法を示す正断面図であ
る。
【図8】従来の地下躯体の施工方法の一例を示す正断面
図である。
【符号の説明】
10 地下躯体 12 柱 13 壁 15 床(スラブ) 17 柱鉄筋(鉄筋) 18 壁鉄筋(鉄筋) 25,29 パイプ(コンクリート打設用パイプ) 26,30 柱型枠(型枠) 27,31 壁型枠(型枠) 28 梁型枠(型枠) 32 コンクリート送給管 C コンクリート G 地盤 G1 一次根切面(根切底面) G2 二次根切面(根切底面)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地盤中に地下躯体を構築するに際して、
    地盤を一定深さ掘削する掘削工程と、掘削した根切底面
    上に各階の躯体を構成する鉄筋を組み立てるとともに、
    柱や壁を形成すべき位置に筒状で一定長を有するコンク
    リート打設用パイプを上下方向に軸線を位置させて配置
    した後、型枠を定められた形状に組み立て、コンクリー
    トを前記型枠内のスラブ上面レベルまで打設して前記地
    下躯体の各階のスラブを形成するスラブ形成工程とを交
    互に繰り返すことによって、前記地下躯体のスラブを上
    層階から下層階に向けて順次形成していき、 しかる後に、スラブの上面と、直上階のスラブと一体に
    形成された柱や壁の下端部との間に柱や壁を形成するた
    めの型枠を各階で組み立て、コンクリート供給源から前
    記コンクリート打設用パイプを通して前記型枠内にコン
    クリートを打設する柱・壁コンクリート打設工程を、下
    層階から上層階に向けて順次行っていくことを特徴とす
    る地下躯体の施工方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の地下躯体の施工方法にお
    いて、前記柱・壁コンクリート打設工程で、前記コンク
    リート打設用パイプ内にコンクリート送給管を通し、該
    コンクリート送給管によってコンクリート供給源から前
    記型枠内にコンクリートを打設することを特徴とする地
    下躯体の施工方法。
JP6313826A 1994-12-16 1994-12-16 地下躯体の施工方法 Pending JPH08170345A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108867846A (zh) * 2018-06-29 2018-11-23 河北晶通建筑科技股份有限公司 小型轻钢框架eps模块房屋快速施工方法

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