JPH08170248A - 伸縮性織物 - Google Patents

伸縮性織物

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JPH08170248A
JPH08170248A JP6313041A JP31304194A JPH08170248A JP H08170248 A JPH08170248 A JP H08170248A JP 6313041 A JP6313041 A JP 6313041A JP 31304194 A JP31304194 A JP 31304194A JP H08170248 A JPH08170248 A JP H08170248A
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yarn
woven fabric
fiber
boiling water
shrinkage
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JP6313041A
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Nobuhiko Yokota
宣彦 横田
Kenichi Yoshioka
謙一 吉岡
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 天然繊維、スパン糸のごとく毛羽やル−プ、
たるみ等の構造を持つ糸条、撚風合を有する糸条で構成
されてなり、しかも同時に伸縮性をも有する織物を提供
する。 【構成】 沸水収縮率が10%以上の捲縮性能を有する
潜在捲縮性複合ポリエステル系繊維Aと、該繊維Aより
も沸水収縮率が5%以上低く、かつ沸水収縮率が7%以
下であるポリエステル繊維Bとが混繊されてなり、かつ
撚係数が10000〜25000T/Mの異収縮混繊糸
条を経糸および/または緯糸にしてなる織物であって、
経糸方向および/または緯糸方向の伸縮率が3%以上で
あることを特徴とする伸縮性織物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は優れた伸縮性を有すると
ともに、ソフトで膨らみのある織物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエステル繊維からなる織物の
伸縮性を付与する手段として、捲縮を有する繊維の利用
がある。捲縮を有する繊維として、具体的には、仮撚加
工糸や潜在捲縮性複合繊維を挙げることができる。これ
らの糸条は、はじけた捲縮の縮む力(嵩高に縮もうとす
る力)を利用したものであり、主として無撚状態で用い
られることが多い。このような繊維は、無撚状態では縮
む力を有効に利用できるが、撚を施すと撚じまりが生じ
捲縮が伸ばされた状態になり、伸縮性を喪失してしまう
のである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来技術では、単に捲
縮弾性力によってのみ織物に伸縮性を付与してきたが、
その効果はかならずしも十分とは言えない。実際の織物
には経糸、緯糸の交錯があって捲縮弾性が阻害されるか
らである。織物に十分な伸縮性を付与しようとすればす
る程、織物における経糸と緯糸との交錯を少なくして織
物密度を粗くし、繊維の捲縮のはじけを多く求めねばな
らないのである。このような織物は我々が日頃馴染んで
きた織物風合とはへだたった織物となってしまうのであ
る。本発明の目的は、天然繊維、スパン糸のごとく毛羽
やル−プ、たるみ等の構造を持つ糸条、撚風合を有する
糸条で構成されてなり、しかも同時に伸縮性をも有する
織物を提供することである。とくに強撚糸域において達
成しようとするものである。すなわち、日頃我々が馴染
んできた、丸味をもちながらソフトである織物に伸縮性
を付与しようとするものであり、単に伸縮性のみを追求
してきた従来技術とは根本的に異なるものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、沸
水収縮率が10%以上の捲縮性能を有する潜在捲縮性複
合ポリエステル系繊維Aと、該繊維Aよりも沸水収縮率
が5%以上低く、かつ沸水収縮率が7%以下であるポリ
エステル繊維Bとが混繊されてなり、かつ撚係数が10
000〜25000T/Mの異収縮混繊糸条を経糸およ
び/または緯糸にしてなる織物であって、経糸方向およ
び/または緯糸方向の伸縮率が3%以上であることを特
徴とする伸縮性織物である。
【0005】本発明の伸縮性織物の特徴の1つは、該織
物を構成する糸条が撚係数10000〜25000T/
Mの中強撚糸条であること、2つは、織物の経糸方向お
よび/または緯糸方向の伸縮率が3%以上であること、
3つは織物を構成する糸条が糸長差を有していることで
ある。かかる特徴を織物に付与するためには、沸水収縮
率の大きい潜在捲縮性複合ポリエステル系繊維Aと、沸
水収縮率の小さいポリエステル繊維Bとからなる混繊糸
条を用いることが必要である。
【0006】従来技術と同様に、本発明においても潜在
捲縮性複合ポリエステル系繊維を一成分として用いる。
しかしながら、従来の織物の伸縮性が主として捲縮のは
じけによる縮む力を利用していたのに対し、本発明にお
ける織物の伸縮性は、織物中の経糸および緯糸の形状、
自由空間、その変形に起因する。すなわち、本発明の織
物においては、お互いに交錯する経糸、緯糸が互いに沿
ってよく折れ曲がって空間を形成しており、その空間を
持った織りウエ−ブが外力を受けて伸縮するのである。
詳細には、相手糸条に沿って曲がり具合が大きければ大
きい程(織りウエ−ブが立てば立つ程)よく伸縮し、ま
た、糸条間の隙間、織組織空間が大きければ大きい程、
伸縮量は大きく容易に伸縮し抵抗なく回復するのであ
る。ここに本発明の織物の大きな特徴の1つがあり、織
りウエ−ブがよく立っていること、織りウエ−ブ(糸
条)が動き易い大きな自由度(自由空間)を持っている
こと、糸条の動きを阻害するものができるだけ排除され
ていることが重要である。
【0007】このような形態の糸条として、織物中に含
まれる潜在捲縮性複合ポリエステル系繊維を含む混繊糸
条が、阻害因子の大きい捲縮がはじけた状態よりも、む
しろ収束、集団で織りウエ−ブにそってよく曲がること
が好ましい。すなわち、本発明においては、潜在捲縮性
複合ポリエステル系繊維を含む混繊糸条が弛緩熱処理の
施された、捲縮のばらけたものではなく、より収束され
た状態、具体的には撚が施された状態で用いられること
が重要である。該混繊糸条に撚を施すことにより潜在歪
みの捲縮への転換を抑制し、該糸条の収束性を高めるこ
とにより、該糸条の潜在歪みの織りウエ−ブへの転換を
促進しているのである。また、該糸条を収束させること
は糸条の伸縮性を強いものとするとともに、織組織中で
の伸縮作用の阻害因子を取り除き、伸縮作用の及ぶ自由
空間を広げることにもなる。
【0008】本発明において、該混繊糸条への撚係数と
しては中撚から強撚を示す、撚係数が10000〜25
000T/Mの範囲で撚をかけることが必要であり、か
かる撚をかけることにより、上記の特徴を有することに
なる。撚係数が10000未満の場合、混繊糸条に含ま
れる潜在捲縮性ポリエステル系繊維の捲縮がはじけて撚
風合を失い、加工糸的な織物しか得られない。また大き
な伸縮性を得ようとすれば、捲縮のはじける大きな空間
が必要となり、密度の高い織物は得られなくなる。さら
に、糸条同志が重なってゴワゴワした織物となりやす
い。
【0009】本発明に係わる混繊糸を構成する潜在捲縮
性複合ポリエステル系繊維Aとポリエステル繊維Bは以
下の収縮特性を有している。すなわち、該混繊糸を構成
する潜在捲縮性複合ポリエステル系繊維A(以下、単に
捲縮繊維Aと略称する場合がある)は沸水収縮率が10
%以上、とくに12%以上であることが必要である。ま
たポリエステル繊維Bは沸水収縮率が7%以下、とくに
5%以下であって、捲縮繊維Aとポリエステル繊維Bと
の沸水収縮差は5%以上、とくに7%以上であることが
必要である。
【0010】このように、捲縮繊維Aの沸水収縮率が大
きく、ポリエステル繊維Bの沸水収縮率が小さいこと
は、織物仕上げ加工工程中に熱または熱水作用を受け
て、2つの繊維の収縮率の相違による該繊維間の糸長差
を生じさせるためである。該糸長差は糸表面に収縮率の
小さいポリエステル繊維Bを浮かすよう作用して糸条に
変形空間を形成せしめ、ソフトタッチ、円やかなタッチ
をかもし出させるのである。
【0011】実質的効果をもたらすのは、2種類の繊維
間の沸水収縮率差および各繊維の沸水収縮率である。2
種類の繊維間の沸水収縮率差は大きければ大きい程良い
ことには違いないが、この収縮率差がどの程度糸長差に
転換できるかは、各々の繊維の収縮率に起因する。たと
えば、2種類の繊維間の収縮率差が同じであっても、各
々の繊維の収縮率が共に小さい場合と、共に大きい場合
とでは前者が好ましい。織物は仕上げ加工工程中の熱ま
たは熱水作用により収縮するが、収縮率が大きい場合に
は収縮差が発生するまでにその収縮力が弱まっていて、
織物の拘束力により2種類の繊維間の収縮率差を容易に
糸長差に転換することができない。一方、収縮率が小さ
い場合にはその収縮応力が大きく、収縮差が容易に糸長
差に転換することができる。実質的に大きな糸長差を得
ようとする場合には、捲縮繊維Aの沸水収縮率は大き
く、ポリエステル繊維Bの沸水収縮率は小さい方がよ
い。とくにポリエステル繊維Bが自発伸長性の繊維であ
ることが好ましい。このような収縮特性から、本発明に
係わる混繊糸を構成する各繊維は上述のような収縮率を
有することが必要である。
【0012】次に本発明に係わる混繊糸を構成する各繊
維について説明する。潜在捲縮性複合ポリエステル系繊
維Aとしては、極限粘度の異なる同じ種類のポリエステ
ルの組み合わせ、あるいは共重合ポリエステルとホモポ
リエステルの組み合わせ等、物性差の大きい2種類のポ
リエステルがサイドバイサイド型、偏心芯鞘型に複合さ
れた繊維であることが好ましい。物性の1つとして、上
述の極限粘度が挙げられるが、かかる極限粘度差は0.
1以上であることが、織物に高い伸縮性を付与する上で
好ましい。とくに共重合ポリエステルとホモポリエステ
ルとの組み合わせにおいては、一般に収縮性能が高いと
言われている共重合ポリエステルの極限粘度が他方のホ
モポリエステルの極限粘度より高いほうが好ましい。
【0013】該共重合ポリエステルの共重合成分とし
て、たとえばイソフタル酸、ビスフェノ−ルAのエチレ
ンオキサイド付加物等の芳香族化合物、トリシクロデカ
ンジメタノ−ル、ノルボルナン−2,3−ジメタノ−
ル、シクロヘキサンジメタノ−ル、シクロヘキサンジカ
ルボン酸等の脂環式化合物などが挙げら、これらは1種
のみ、または2種以上を併用して用いることができる。
該共重合成分の共重合量にはとくに限定はなく、該捲縮
繊維の沸水収縮率が10%以上となるように適宜設定す
ることが好ましい。
【0014】ポリエステル繊維Bとしては、該繊維Bの
沸水収縮率が7%以下であるポリエスエル繊維であれ
ば、ホモポリエステル繊維であっても、共重合ポリエス
テル繊維であってもよい。好ましくは、繰り返し単位の
90モル%以上がエチレンテレフタレ−ト単位であるポ
リエステル繊維を使用するとよい。また単繊維であって
も分割型複合繊維であってもよい。該ポリエステル繊維
の極限粘度は、通常の繊維形成可能な極限粘度範囲、た
とえば0.45〜0.70の範囲内であることが好まし
い。
【0015】本発明に係わる混繊糸を構成する捲縮繊維
Aとポリエステル繊維Bの各繊度、および混用率はとく
に限定されるものではないが、該混繊糸を用いてなる織
物により伸縮性を付与するためには捲縮繊維Aの繊度を
ポリエステル繊維Bより大きくすることが好ましい。と
くに捲縮繊維Aの繊度は2デニ−ル以上が好ましい。ま
た、織物にしなやかな反発風合を求める場合には、捲縮
繊維Aとして繊度の大きなもの、たとえば4〜6デニ−
ルのものを用い、またその混用率を多くして用いること
も好ましい。また、織物にソフトなタッチを求める場合
にはポリエステル繊維Bの繊度を1.5デニ−ル以下、
とくに1.0デニ−ル以下の細繊度のものを用いること
が好ましい。
【0016】本発明に係わる混繊糸は捲縮繊維Aおよび
ポリエステル繊維Bの収縮にともなって発生する糸長差
の他に、タスラン、インタ−レ−ス等の攪乱流体処理を
施して交絡、ル−プ、たるみ、ねじれ、あるいは物理的
な糸長差を付与することができる。かかる攪乱流体処理
は、収縮に伴う一様な空間ではなく、繊維が曲がった
り、ねじれたり、ル−プを形成したり多種多様な変形空
間を混繊糸、該混繊糸からなる織物に付与することがで
き、天然繊維からなる織物に酷似したふくよかさを付与
することができる。
【0017】本発明においては、詳述した混繊糸を経糸
および/または緯糸として織物を製織する。織組織とし
ては従来公知の任意の織組織を採用することができる
が、かかる混繊糸の糸特性が十分発揮できるような織組
織であることが好ましく、目的に応じて織組織、織密度
を設定することが好ましい。本発明の織物を構成する混
繊糸以外の糸条としては、通常のポリエステル繊維であ
ればよく、撚を施していてもいなくてもよい。
【0018】このようにして得られた織物にアルカリ減
量処理を施すことができる。アルカリ減量処理は、従来
公知の方法を適宜採用することができる。また、アルカ
リ減量処理の前に、リラックス精練や必要に応じてプレ
セットを行うことが好ましい。該アルカリ減量処理にお
いて、織物の減量率は通常20〜25%であることが好
ましい。アルカリ減量処理を施した後、染色仕上げ加工
を施す。染色仕上げ加工は従来公知の一般的条件で行う
ことができる
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳述するが、本
発明はこれら実施例により何等限定されるものではな
い。なお、実施例における各物性値は以下の方法により
測定または算出された値である。ポリマ−および各フィラメントの極限粘度〔η〕(dl
/g) フィラメントをフェノ−ル/テトラクロロエタン(等重
量比)に溶解させ、30℃で測定した。
【0020】各フィラメントの沸水収縮率(Wsr%) 試料に0.1g/デニ−ルの荷重をかけて原長(L0
を読み取った後、該試料をガ−ゼに包んで沸騰水中で3
0分間処理した。処理した後の試料に前記荷重をかけて
収縮後の長さ(L1 )を読み取って次式で計算し、5回
の平均値で収縮率を求めた。 沸水収縮率(%)=[(L0 −L1 )/L0 ]×100
【0021】混繊糸の撚係数 撚数をT(T/M)、繊度をDr(デニ−ル)とすると
き、次式で計算した。 撚係数(K)=T・Dr1/2 混繊糸の糸長差(%) 混繊糸に50cm間隔で印を付け、混繊糸を構成するフ
ィラメント群を分別した後、それぞれのフィラメント群
に50mg/デニ−ルの荷重をかけた状態でその間隔l
1 、l2 を測定し、その差で示した。
【0022】織物の伸縮率(%) 織物の経糸方向および緯糸方向において2.5cm幅の
試料を各々切り出す。該試料を構成する経糸、緯糸の総
繊度あたり0.2g/デニ−ルの荷重を付加し、伸びた
長さを求める。該長さを元の長さで除して百分率で求め
た。織物の伸縮回復率(%) 織物の経糸方向および緯糸方向において2.5cm幅の
試料を各々切り出す。該試料を織物の伸縮率の80%ま
で荷重をかけて伸ばし、この状態で1分間放置する。
(元の長さとの差を△L80とする。)ついで除重し、3
分間放置して伸長する前の長さとの差(△L)を測定
し、下記式にて回復率を求めた。 回復率(%)=(△L/△L80)×100ふくらみ・ソフト感、反発感 官能評価で行い、結果を5段階で判定した。ふくらみま
たはソフト感が最もよい場合を5級とし、最も悪い場合
を1級として評価した。4級以上を合格とした。
【0023】実施例1 極限粘度〔η〕=0.49のポリエチレンテレフタレ−
ト(PET)と極限粘度〔η〕=0.95のPETを用
いて紡糸延伸し、沸水収縮率が15%のサイドバイサイ
ド型潜在捲縮性複合繊維A(80デニ−ル/16フィラ
メント)を得た。一方、極限粘度〔η〕=0.65のP
ETを用いて高速紡糸(紡糸速度5000m/分)し、
弛緩熱処理を施して沸水収縮率が1.5%のPET繊維
B(70デニ−ル/36フィラメント)を得た。次い
で、該2種の繊維を1600T/Mの撚で合撚し(撚係
数:19600T/M)、該強撚糸を経糸および緯糸に
用いて、図1に示す織組織の織物を、経糸密度101本
/インチ、緯糸密度65本/インチとなるように製織し
て、織物を得た。該織物をロ−タリ−ワッシャ−でキャ
リア0.5g/リットルを併用して100℃、30分間
の条件でリラックス処理を行い、精練、ヒ−トセット、
アルカリ減量処理(減量率22%)を施した。処理後の
織物の伸縮性、風合を調べた。結果を表1に示す。該織
物は伸縮性、伸縮回復率にも優れていて、ソフトでしな
やかな反発を有するものであった。
【0024】実施例2 極限粘度〔η〕=0.95のトリシクロデカンジメタノ
−ルを10モル%共重合したPETと極限粘度〔η〕=
0.51のPETを用いて紡糸延伸し、沸水収縮率が2
2%のサイドバイサイド型潜在捲縮性複合繊維A(80
デニ−ル/16フィラメント)を得た。一方、極限粘度
〔η〕=0.62のPETを用いて高速紡糸(紡糸速度
5000m/分)し、弛緩熱処理を施して沸水収縮率が
1.5%のPET繊維B(70デニ−ル/96フィラメ
ント)を得た。ついで、潜在捲縮性複合繊維Aを芯糸に
して、PET繊維Bを7%過剰供給してタスラン加工を
施し、続いて、1600T/Mの撚で合撚し(撚係数:
19920)、該強撚糸を経糸および緯糸に用いて、図
1に示す織組織の織物を、経糸密度90本/インチ、緯
糸密度57本/インチとなるように製織して、織物を得
た。該織物をロ−タリ−ワッシャ−でキャリア0.5g
/リットルを併用して100℃、30分間の条件でリラ
ックス処理を行い、精練、ヒ−トセット、アルカリ減量
処理(減量率21%)を施した。処理後の織物の伸縮
性、風合を調べた。結果を表1に示す。該織物は伸縮
性、伸縮回復率にも優れていて、ソフトでしなやかな反
発を有するものであった。
【0025】実施例3 極限粘度〔η〕=1.00のイソフタル酸を8モル%お
よびビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加物を5
モル%共重合したPETと、極限粘度〔η〕=0.50
のPETを用いて紡糸延伸し、沸水収縮率が20%のサ
イドバイサイド型潜在捲縮性複合繊維Aとして用いる以
外は実施例1と同様にして図1に示す織組織の織物を、
経糸密度93本/インチ、緯糸密度61本/インチとな
るように製織して織物を得た。ついで、リラックス処理
を行い、精練、ヒ−トセット、アルカリ減量処理(減量
率21%)を施した。処理後の織物の伸縮性、風合を調
べた。結果を表1に示す。該織物は伸縮性、伸縮回復率
にも優れていて、ソフトでしなやかな反発を有するもの
であった。
【0026】比較例1 極限粘度〔η〕=0.58のPETと極限粘度〔η〕=
0.75のPETを用いて紡糸延伸し、沸水収縮率が7
%のサイドバイサイド型潜在捲縮性複合繊維A(75デ
ニ−ル/24フィラメント)を得た。一方、極限粘度
〔η〕=0.65のPETを用いて紡糸・延伸し、沸水
収縮率が7%のPET繊維B(75デニ−ル/24フィ
ラメント)を得た。次いで、該2種の繊維を100T/
Mの撚で合撚し(撚係数:1224)、該撚糸を経糸お
よび緯糸に用いて、図1に示す織組織の織物を、経糸密
度114本/インチ、緯糸密度74本/インチとなるよ
うに製織して、織物を得た。該織物をロ−タリ−ワッシ
ャ−でキャリア0.5g/リットルを併用して100
℃、30分間の条件でリラックス処理を行い、精練、ヒ
−トセット、アルカリ減量処理(減量率22%)を施し
た。処理後の織物の伸縮性、風合を調べた。結果を表1
に示す。該織物は織り組織の拘束またはPET繊維Bの
拘束にあって、織物に伸縮性を付与することができず、
伸長回復性も悪いものであった。また、加工糸織物のご
とき手触りで撚風合を有していなかった。
【0027】比較例2 比較例1において、捲縮繊維Aとして、極限粘度〔η〕
=0.95のPETと極限粘度〔η〕=0.49のPE
Tを用いて紡糸延伸し、沸水収縮率が10%のサイドバ
イサイド型潜在捲縮性複合繊維A(75デニ−ル/24
フィラメント)を用い、1600T/Mの撚で合撚し
(撚係数:19600)、該撚糸を経糸および緯糸に用
いて、図1に示す織組織の織物を、経糸密度112本/
インチ、緯糸密度73本/インチとなるように製織し
て、織物を得た。該織物をリラックス処理を行い、精
練、ヒ−トセット、アルカリ減量処理(減量率22%)
を施した。処理後の織物の伸縮性、風合を調べた。結果
を表1に示す。該織物を構成する糸条の糸長差が小さ
く、風合がなく撚りじまって皮膚をさすようなジャリジ
ャリ感が強かった。
【0028】比較例3 実施例1において、捲縮繊維AとPET繊維Bの2種の
繊維を100T/Mの撚で合撚し(撚係数:1220T
/M)、該糸を経糸および緯糸に用いて、図1に示す織
組織の織物を、経糸密度101本/インチ、緯糸密度6
5本/インチとなるように製織して、織物を得た。該織
物をリラックス処理を行い、精練、ヒ−トセット、アル
カリ減量処理(減量率22%)を施した。処理後の織物
の伸縮性、風合を調べた。結果を表1に示す。該織物を
構成する糸条の糸長差は大きくソフト感はあるが、撚風
合に欠けてしなやかな反発感に欠けたものであった。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明の織物は、従来の伸縮性織物と異
なり、潜在捲縮性複合繊維を含む混繊糸に撚をかけて織
物内での収束性を高めたうえ、該混繊糸の有する収縮率
差を伸縮性に転換したものであり、伸縮回復率も高く、
ソフトでしなやかな反発性を有する織物である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の織物の一組織図を示す。黒塗り部分は
経糸が緯糸の上に浮いている箇所を示し、白塗り部分は
経糸が緯糸の下に沈んでいる箇所を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】沸水収縮率が10%以上の捲縮性能を有す
    る潜在捲縮性複合ポリエステル系繊維Aと、該繊維Aよ
    りも沸水収縮率が5%以上低く、かつ沸水収縮率が7%
    以下であるポリエステル繊維Bとが混繊されてなり、か
    つ撚係数が10000〜25000T/Mの異収縮混繊
    糸条を経糸および/または緯糸にしてなる織物であっ
    て、経糸方向および/または緯糸方向の伸縮率が3%以
    上であることを特徴とする伸縮性織物。
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