JPH08159318A - 止め弁の構造 - Google Patents

止め弁の構造

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JPH08159318A
JPH08159318A JP6329403A JP32940394A JPH08159318A JP H08159318 A JPH08159318 A JP H08159318A JP 6329403 A JP6329403 A JP 6329403A JP 32940394 A JP32940394 A JP 32940394A JP H08159318 A JPH08159318 A JP H08159318A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シール性が向上し、弁体が弁口に対して張り
付くことがなく、更には燃料の飛沫がキャニスタ側に到
達しないようにした止め弁を提供する。 【構成】 ケース12内に上下動可能にフロート13を
設け、フロート13の上面に弾性変形可能な材料からな
る弁体14を設け、ケース12の上面に弁口18を開口
形成し、弁口18の下流にブリージング通路15を設
け、フロート13が浮上することにより弁体14が弁口
18を閉塞するようにした止め弁において、弁口18の
内側に、フロート13の浮上時に弁体14が当接する当
接部材19を設け、当接部材19が当接する弁体14の
位置に連通孔14Aを設けたこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は自動車用内燃機関の燃料
タンクのブリージング系統に設けられる止め弁に関し、
更に詳しくはフロート形式の前記止め弁の改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】自動車用内燃機関の燃料タンクには大気
側と連通するブリージング系統が設けられている。そし
て、蒸発ガスがそのまま大気中に放出されることがない
ように該ブリージング系統にはキャニスターを設けてい
る。ブリージング系統が常時大気に開放していると、自
動車(燃料タンク)が大きく傾斜したり、あるいは自動
車(燃料タンク)が転倒した場合に、燃料が外部へ漏れ
出して大事故になるおそれがある。そこで、燃料タンク
のブリージング系統には自動車が傾斜したり、あるいは
転倒したりした時に、該ブリージング系統を閉塞する止
め弁が設けられている。前記止め弁は、燃料に浮いて該
燃料の液面の高さによってブリージング系統を閉塞する
ようにしたフロート形式の弁が一般的である。
【0003】以下、図12及び図13によって従来公知
(特開平2ー112658号公報参照)の止め弁の一例
を説明する。図12は従来公知の止め弁を示す断面図で
あり、図13は図12に示すフロートの分解斜視図であ
る。
【0004】弁ケーシング1の内部にはフロート2が設
けられている。フロート2は隔壁3との間に設けられた
スプリング4によって弁口5側に付勢されている。弁ケ
ーシング1にはブリージングポート6が形成されてお
り、該ブリージングポート6の入り口部が弁口5となっ
ている。弁口5を閉塞する弁体7は取り付け部材8に取
り付けられ、該取り付け部材8はフロート2に取り付け
られている。弁体7の中心には連通孔9が設けられてお
り、該連通孔9をフロート2で閉塞するようになってい
る。
【0005】上記従来公知の止め弁は以下のように作用
する。ブリージングポート6は図示しないキャニスタを
介して大気中に連通されている。このため、ブリージン
グによる燃料ガスの流出時には燃料ガス自体は図示しな
いキャニスタに吸着され、大気に放出されることがな
い。今、燃料タンクが大きく傾斜すると、フロート2が
浮いて、弁体7が弁口5を閉塞すると同時にフロート2
が連通孔9を閉塞する。このため、燃料タンク1内の燃
料がブリージング系統を介して外側へ漏れ出すことがな
い。次に、燃料タンクの傾斜がなくなると、フロート2
の自重により該フロート2が下方へ移動する。仮に、燃
料タンク内の圧力が高くなっていたとしても、フロート
2と連通孔9部分との接合面積が小さいので、フロート
2による連通孔9の閉塞は簡単に解除され、その結果弁
体7に作用する圧力がバランスして弁体7による弁口5
の閉塞も解除される。
【0006】近年、ブリージング能力アップが要求され
るようになり、弁口5の径が大きくなってきている。こ
のように弁口5の面積が大きくなると、弁体7の径も大
きくなり、該弁口5に作用する閉塞方向の力も大きくな
ってしまう。燃料タンクの内圧が大きくなった時に、該
弁体7に作用する閉塞方向の力によってフロート2の落
下が阻害され、弁体7が弁口5に張り付いたままの状態
になるおそれが生じてしまう。
【0007】このような事態を防止するため、図12及
び図13に示す構造の止め弁では、弁体7の中心に連通
孔9を設け、該連通孔9をフロート2で閉塞すると同時
に弁体7の周縁で閉塞する、所謂2段閉塞としている。
即ち、前述のように、燃料タンクの内圧が高い場合で
も、フロート2による連通孔9の閉塞は簡単に解除され
るので、該連通孔9を介してブリージング側へ蒸発ガス
が漏れ、その結果弁体7も簡単に弁口5から離れるもの
となる。
【0008】一方、ブリージング系統のシール性を向上
させる必要から、弁体7をゴム等の弾性変形可能な材料
から構成しているのが通例である。その反面、弁体7を
ゴム等の弾性変形可能な材料で構成すると、弁体7が変
形して連通孔9の位置が不確定となってしまう。このた
め、連通孔9での閉塞が不十分になるおそれがあった。
【0009】このため、前記従来公知の止め弁では、弁
体7を取り付け部材8に一旦取り付け、該取り付け部材
8をフロート2に取り付けることにより、弁体7に形成
されている連通孔9の位置があまり変化しないようにサ
ポートしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来公
知のブリージング系統に設けられた止め弁には以下のよ
うな問題点があった。弁体7が取り付け部材8に取り付
けられているとしても、未だ十分に弁体7の変形が防止
されるものではなく、そのため弁体7の中央部分の変形
が生じて連通孔9でのシール性の低下が避けられない。
また、弁体7の変形を防止する取り付け部材8を設けた
分だけ部品点数が多くなり、製造コストが高コストとな
る上、組み付け工数も増加してしまう。
【0011】更に、弁口5の径が大きくなると、給油の
時等に燃料の飛沫が該弁口5からブリージングポート2
を介してキャニスタ側へ直接到達するおそれがあり、こ
れを防止するためにブリージング系統の長さを長く設計
しなければならなくなる。従って、燃料タンクのレイア
ウトに制約を与えるおそれがある。
【0012】そこで、本発明の目的は、前記従来公知の
止め弁の欠点を改善し、シール性が向上すると同時に、
燃料の飛沫がキャニスタ側に到達しないように工夫した
止め弁を提供するにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴とするとこ
ろは、ケースと、該ケース内に上下動可能に設けられた
フロートと、該フロートの上面に設けられた弾性変形可
能な材料からなる弁体と、前記ケースの上面に開口形成
された弁口と、該弁口の下流に設けられたブリージング
通路とからなり、浮力によってフロートが浮上すること
により前記弁体が前記弁口を閉塞するようにした止め弁
において、弁口の内側にフロートの浮上時に弁体が当接
する当接部材を設け、該当接部材が当接する弁体の位置
に連通孔を設けてなるところにある。
【0014】又、本発明の他の特徴とするところは、当
接部材の下面が凹んで形成されてなるところにあり、更
には当接部材の外周に複数の変形防止部材を周状に設け
てなるところにある。
【0015】更に、本発明の他の特徴とするところは、
ブリージング通路に燃料飛沫流出防止板が設けられてな
るところにある。
【0016】
【作用】本発明によると、燃料タンクの内圧が高くなっ
ていても、当接部材と弁体の中心部分に設けられた連通
孔との閉塞が簡単に解除されるので、弁体が弁口に張り
付いてしまうような状態が防止される。又、燃料飛沫流
出防止板が設けられているので、燃料の飛沫がキャニス
タ側へ到達することがなくなる。
【0017】
【実施例】以下、図によって本発明の一実施例を説明す
る。図1は本発明の一実施例になる止め弁の全体構造を
示す断面図であり、図2はそのAーA方向矢視正面図、
図3は図1のBーB断面図である。本発明の止め弁11
は、ケース12と、該ケース12内に上下動可能に設け
られたフロート13と、該フロート13の上面に設けら
れた弁体14とケース12の上面に設けられたブリージ
ング通路15とからなっている。
【0018】ケース12は筒状となっており、その内壁
には複数の補強リブ12Aが設けられている。また、ケ
ース12の内部へ燃料や蒸発ガスを流入させるため、該
ケース12の周面には複数個の貫通孔12Bが貫通して
形成されている。更に、ケース12の下端には底板16
が装着されている。底板16にも貫通孔(図示しない)
が形成され、フロート13の下部に燃料が流入できるよ
うになっている。底板16の中央部には複数のバネ収容
突起16Aが円周状に複数個形成されており、また、底
板16の周囲には複数の係合脚16Bが形成されてい
る。係合脚16Bはその先端が鍵状となっており、該係
合脚16Bの鍵状の先端がケース12に形成された係合
孔12Cに嵌まり込むことにより、底板16がケース1
2に装着されるものとなっている。
【0019】フロート13は逆カップ状となっており、
その上面には弁体14が装着されている。弁体14はゴ
ム等の弾性変形可能な材料からなっており、その略中心
付近には上下に貫通する連通孔14Aが形成されてい
る。フロート13の上面の外周縁には上方の伸びる円弧
壁状の燃料飛沫流通防止壁13Aが形成されている。ま
た、フロート13の上面の内側には嵌合凹部13Bが形
成されており、前記底板16に形成されている係合脚1
6Bとフロート13の嵌合凹部13Bとの間にはコイル
スプリングからなる弾性体17が設けられている。弾性
体17は弁体14が後述する弁口18を閉塞する方向に
フロート13を付勢し、燃料によってフロート13が浮
上するのを助けるものであるから、その付勢力はフロー
ト12と弁体14の合計自重よりも小さいものとなって
いる。
【0020】弁口18はケース12の上面中央に開口形
成されており、該弁口18の中心にはブリージング通路
15の上壁から下方に向けて垂下する棒状の当接部材1
9が設けられている。弁口18はその周縁が僅かに突出
して形成されており、これによって全周に渡って確実に
弁体14が着座し、シールを確実とするようになってい
る。
【0021】また、当接部材19の下端面には凹み19
Aが形成され、弁体14が弁口18を閉塞した時に弁体
14の連通孔14Aが該凹み19Aに連通するものとな
っている。また、この凹み19Aは弁体14の中心部分
と当接部材19との離脱を容易とするものである。
【0022】ブリージング通路15内部の下半には、燃
料飛沫流出防止板20が設けられている。燃料の飛沫は
主としてブリージング通路15の下半を流通するので、
燃料飛沫流出防止板20の形状は半月状や三日月状であ
れば十分に燃料飛沫の流出防止効果を奏するものであ
る。上記のように構成された止め弁11は燃料タンク2
1に装着されている。
【0023】以上のように構成された本発明の止め弁の
作用を図4及び図5をも参照して説明する。まず定常状
態では、図1で示すように、フロート13は下方に位置
しており、弁体14は弁口18に着座していないので、
弁口18は開放されている。このため、燃料タンク21
内は弁口18、キャニスタ(図示しない)を介して外気
へ連通している。燃料タンク21が傾斜したりあるいは
自動車が転倒して燃料の液面が高くなると、図4に示す
ように、フロート13が浮いて弁体14が弁口18を閉
塞する。この場合、弁体14の外周縁が弁口18と当接
し、弁体14の中心部分は当接部材19に当接する。
【0024】今、図4に示す状態で燃料タンク内の圧力
が高くなり、かつ燃料タンクの傾斜が解除されて燃料の
レベルが低くなったとする。すると、弁体14はフロー
ト13の自重によって弁口18を開放する方向に付勢さ
れるが、弁体14の下面には燃料タンクの内圧が作用し
ているので、弁体14は弁口18に張り付いた状態とな
る。ところが、フロート13の荷重が弁体14の中心部
分に作用するので、図5に示すように、弁体14の中心
部分と当接部材19との接合が解除され、連通孔14A
を介して燃料ガスがブリージング通路15側に流れる。
このため圧力がバランスして弁体14が弁口18を離れ
るものとなる。このため、弁体14が弁口18に張り付
くことがない。
【0025】又、図1及び図2に戻って、給油時のよう
に燃料の飛沫が弁口14を介してブリージング通路15
へ飛散しても、燃料飛沫流出防止壁13A及び燃料飛沫
流出防止板20に燃料飛沫が当たって、それ以上外側に
燃料飛沫が流出することが低減される。
【0026】以上に説明したものは本発明の一実施例で
あって、本発明は上記実施例に限定されるものではな
い。図6は本発明の他の実施例になる止め弁を示す断面
図であり、図7は図6のCーC断面図である。
【0027】この実施例では、当接部材31が弁口18
の周壁から中心へ向けて伸びる複数のアーム32によっ
て保持された構造となっている。他の構造は図1に示す
ものと同一であるから、その説明を省略する。
【0028】また、図8は本発明の更に他の実施例にな
る止め弁を示す断面図であり、図9は図8のDーD断面
図である。この実施例では当接部材41の外側に弁体1
4の中心部分の変形を防止する複数の変形防止部材42
を周状に設けたものである。即ち、燃料タンク内の圧力
が高くなると、弁体14の中心部分が極端に変形して当
接部材41の回りにめり込んでしまう状態となるおそれ
がある。そこで、変形防止部材42は、弁体14の中心
部分が極端に変形するのを防止して当接部材41と弁体
14の中心部分との離脱を一層容易にするものである。
【0029】図10及び図11は、本発明の燃料飛沫流
出防止板20の他の実施例を示すものである。図10で
は、ブリージング通路15の上下方向に多数の仕切板2
0Aを隙間Hを設けて取り付けたものであり、図11で
は、ブリージング通路15にメッシュ体20Bを取り付
けたものである。
【0030】本発明は上記図示された実施例の構造に限
定されるものではなく、本発明の趣旨に違背することの
ない構造の全てを含むものである。
【0031】
【発明の効果】以上のように構成され、作用する本発明
によると、以下に述べるような効果を奏する。弁体の中
央部分の変形がなくなるので弁体が閉塞した時のシール
性の向上が得られるものとなる。また、弁体の中央部分
の変形がない分だけ該中央部分の離脱も容易となる。ま
た、弁体の変形を防止する他の部材を必要としないの
で、その分だけ部品点数が低減し、製造コストが低下す
ると同時に、組み付け工数も低減するものとなる。
【0032】更に、給油の時等に燃料の飛沫が該弁口か
らブリージング通路を介してキャニスタ側へ直接到達す
るおそれがなくなり、ブリージング系統の長さを短く設
計することが可能となり、、燃料タンクのレイアウトが
簡単となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施例を示す止め弁の断面
図である。
【図2】図2は、図1のAーA方向矢視正面図である。
【図3】図3は、図1のBーB断面図である。
【図4】図4は、本発明の止め弁の作用を説明する断面
図であり、弁体が弁口を閉塞している状態を示す図であ
る。
【図5】図5は、本発明の止め弁の作用を説明する断面
図であり、弁体による弁口の閉塞が解除され始めた状態
を示す図である。
【図6】図6は、本発明の他の実施例になる止め弁の構
造を示す断面図である。
【図7】図7は、図6のCーC断面図である。
【図8】図8は、本発明の更に他の実施例になる止め弁
の構造を示す断面図である。
【図9】図9は、図8のDーD断面図である。
【図10】図10は、燃料飛沫流出防止板の他の実施例
を示す正面図である。
【図11】図11は、燃料飛沫流出防止板の更に他の実
施例を示す正面図である。
【図12】図12は、従来公知の止め弁を示す断面図で
ある。
【図13】図13は、図12に示す止め弁のフロート部
分の分解斜視図である。
【符号の説明】
11 止め弁 12 ケース 12A リブ 12B 貫通孔 12C 係合孔 13 フロート 13A 燃料飛沫流出防止壁 13B 嵌合凹部 14 弁体 14A 連通孔 15 ブリージング通路 16 底板 16A バネ収容突起 16B 係合脚 17 弾性体 18 弁口 19 当接部材 19A 凹み 20、20A、20B 燃料飛沫流出防止板 21 燃料タンク

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケースと、該ケース内に上下動可能に設け
    られたフロートと、該フロートの上面に設けられた弾性
    変形可能な材料からなる弁体と、前記ケースの上面に開
    口形成された弁口と、該弁口の下流に設けられたブリー
    ジング通路とからなり、浮力によってフロートが浮上す
    ることにより前記弁体が前記弁口を閉塞するようにした
    止め弁において、 弁口の内側にフロートの浮上時に弁体が当接する当接部
    材を設け、該当接部材が当接する弁体の位置に連通孔を
    設けてなることを特徴とする止め弁の構造。
  2. 【請求項2】当接部材の下面が凹んで形成されてなるこ
    とを特徴とする請求項1記載の止め弁の構造。
  3. 【請求項3】当接部材の外周に複数の変形防止部材を周
    状に設けてなることを特徴とする請求項1又は請求項2
    記載の止め弁の構造。
  4. 【請求項4】ブリージング通路に燃料飛沫流出防止板が
    設けられてなることを特徴とする請求項1ないし請求項
    3記載の止め弁の構造。 【0001】
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