JP3305907B2 - 液体遮断弁 - Google Patents

液体遮断弁

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JP3305907B2
JP3305907B2 JP1881395A JP1881395A JP3305907B2 JP 3305907 B2 JP3305907 B2 JP 3305907B2 JP 1881395 A JP1881395 A JP 1881395A JP 1881395 A JP1881395 A JP 1881395A JP 3305907 B2 JP3305907 B2 JP 3305907B2
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sub
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秀男 根本
浩一 吉原
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  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)
  • Self-Closing Valves And Venting Or Aerating Valves (AREA)
  • Float Valves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、自動車等の燃
料タンク等に用いられて、通常の状態では燃料タンク等
の内部に発生する圧力を外部に逃がし、自動車の走行等
による燃料タンク等の動揺、傾斜、あるいは転倒時には
閉弁して、貯蔵している液体の流出を遮断する液体遮断
弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のフロートを持つタイプの液体遮断
弁としては、たとえば図20に示すようなものがある。
この従来例は、フロートにより開閉するバルブ以外にリ
リーフバルブをもっているタイプである。
【0003】図中、102がバルブボディ、104がバ
ルブボディ102の下部に組み込まれたキャップ、10
6がバルブボディ102とキャップ104が作り出す内
部の空間に上下可動に保持されているフロートである。
108はスプリングで、フロート106の重量よりも弱
いばね力でフロート106に対して上向きに付勢してい
る。
【0004】バルブボディ102の内部上面中央にはバ
ルブシート118があり、通気管路120を介して、バ
ルブボディ102の内部を外部に連通させている。ま
た、フロート106の上面中央には突起状の弁部122
があって、前記のバルブシート118と共にバルブを構
成し、フロート106の上下動によってバルブを開閉す
る。
【0005】さらに、バルブボディ102の内部上面に
は、前記のバルブシート118の外周側に並んでリリー
フバルブ150がある。このリリーフバルブ150は、
バルブボディ102の内部に向かって開口するバルブシ
ート152と、弁部となるボール154と、ボール15
4を閉弁する方向に付勢しているスプリング156と、
蓋158から構成されている。そして、スプリング15
6のばね圧で定まる設定圧以上にバルブボディ102の
内部の圧力(液体タンク内の圧力)が上昇した場合に開
弁し、バルブボディ102の内部と通気管路120を連
通させる構造となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した
構造においては、転倒時等にタンク内の圧力が大きく上
昇した場合でも、リリーフバルブが開いて流体(例えば
燃料等)が流出することがないようにスプリング156
のばね圧を上げる設定がなされるが、逆にばね圧が高す
ぎてしまうと液体の流出はないが、フロート160によ
りバルブが閉じた後で液面が下がっても、燃料タンク内
外の圧力差により、フロート106の弁部122がバル
ブシート118に固着し、離れるまでに時間を要してし
まうことになる。そこで、スプリング156のばね圧は
いろいろな条件を十分考慮の上設定される必要があっ
た。
【0007】また、このようなフロート106の固着を
防止するために、例えばフロートにより開閉するバルブ
を上下二重にすることにより、フロートがバルブシート
から離れなくなるのを防止するようにした液体遮断弁が
提案されている(特開平2−112658号)。
【0008】すなわち、図21に示すようにバルブボデ
ィ200内側上面に設けられた第1バルブシート201
と、バルブボディ200内に上下可動に設けられたフロ
ート202との間に、サブバルブ203を介在させたも
のである。
【0009】サブバルブ203には第1バルブシート2
01の第1バルブ穴204の開口面積より小さい開口面
積を有する第2バルブ穴205が設けられ、その上面に
は第1バルブシート201に当接する第1弁部206を
設け、下面にはフロート202に設けた第2弁部207
によって開閉される第2バルブシート208が設けられ
ていた。
【0010】このような構成にすれば、運搬移動などで
のタンクの動揺、傾斜、あるいは転倒時に、液面が急に
変動する場合、あるいは燃料タンクなどで給油する場合
の液面上昇時には、第1バルブシート201の開口面積
の大きい第1バルブ穴204を通じてタンク内のガスが
速やかに抜ける。
【0011】一方、閉弁した後に液面が下がった場合
は、フロート202の第2弁部207によってシールし
ている第2バルブ穴205のシール面積が小さいので、
フロート202が容易に落下して第2バルブ穴205が
開く。
【0012】ところが、このような従来の二重構造の液
体遮断弁の場合、フロート202によってサブバルブ2
03を保持していたために、フロート202を保持する
ための容積が大きくなり、フロート202が小さくなっ
て浮力が小さくなってしまう。浮力を十分とるために
は、フロート202自体を大きくしなければならず、装
置全体が大型化するという問題があった。
【0013】また、サブバルブ203をフロート202
に対して組み付けていたために、フロート202とサブ
バルブ203が付着してしまうおそれがある。
【0014】さらに、サブバルブ203はフロート20
2を介してバルブボディ200に対して位置決めされる
ことになり、組み付け誤差や取付時の偏心によって、サ
ブバルブ203の第1弁部206と第1バルブシート2
01間、また第2弁部207と第2バルブシート208
間のシール性が低下するという問題もあった。
【0015】本発明は、上記した従来技術の課題を解決
するためになされたもので、その目的とするところは、
フロートとサブバルブとが独立して運動でき、しかも第
1,第2弁部と第1,第2バルブシート間のシール性を
確実にし得る液体遮断弁を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明にあっては、液体を貯蔵するタンクの上部に
設けられ、内部中空のバルブボディと、前記バルブボデ
ィ内側上面に設けられた第1バルブ穴を備えた第1バル
ブシートと、該バルブボディ内に上下可動に設けられ、
前記第1バルブシートの第1バルブ穴の開口面積より小
さい開口面積を有する第2バルブ穴を有し、上面に第1
バルブシートに当接する第1弁を有し、下面に第2バ
ルブシートを有するサブバルブと、バルブボディ内部に
上下可動に設けられ、上面に第2バルブシートに当接す
る第2弁を有するフロートと、を備えた液体遮断弁に
おいて、前記サブバルブおよびフロートを、それぞれ独
立にバルブボディに保持し、前記サブバルブを第1バル
ブシートから離間させる方向に付勢する付勢手段が設け
られていることを特徴とする。
【0017】サブバルブは変形可能な腕部によってバル
ブボディに支持したことを特徴とする。
【0018】
【0019】
【作用】本発明によれば、開弁状態ではフロートおよび
サブバルブが共に下方にあり、第1,第2バルブ穴が共
に開いている。したがって、急激な液面上昇が生じた場
合でも、開口面積が大きい第1バルブシートの第1バル
ブ穴を通じて、タンク内部のガスが流出し、十分な面積
のガス流路を確保することができ、迅速にフロートおよ
びサブバルブが移動して第1,第2バルブ穴が閉塞され
る。
【0020】本発明では、フロートとサブバルブが共に
バルブボディに独立して保持されているので、それぞれ
独立して運動し、フロートとサブバルブが互いに付着す
るおそれはない。また、フロートとサブバルブが共にバ
ルブボディによって支持されるので、第1,第2弁
第1,第2バルブシート間が独立して位置合わせでき、
シール性が確実になる。
【0021】特に、サブバルブを変形可能な腕部を介し
てバルブボディに支持すれば、サブバルブの位置を確実
に位置決めできる。
【0022】そして、液面が下がると、フロートが下が
ろうとするが、この時、第2バルブ穴の開口面積が小さ
いので、サブバルブの第2バルブ穴が容易に開き、フロ
ートが下がる。
【0023】第2バルブ穴が開けば、タンク内圧力は下
がって、サブバルブ上下面のガス圧力差がなくなるか
ら、サブバルブは、自重、開弁方向に付勢するスプリン
グの力、あるいは、サブバルブ自身のばね性により下が
り、第1バルブ穴が開く。
【0024】
【実施例】以下に本発明を図示の実施例に基づいて説明
する。
【0025】図1,図2には、本発明の一実施例に係る
液体遮断弁を示している。
【0026】図において、2は内部中空のバルブボディ
であり、タンク上部に配置される。このバルブボディ2
は、下方に向かって開く凹部3が設けられ、この凹部3
の下端開口部にキャップ4が組み込まれ、凹部3とキャ
ップ4が作り出す内部の空間にフロート6が上下可動に
保持されている。
【0027】30は、バルブボディ2の上端壁とフロー
ト6の上面との間に介在されるサブバルブであって、図
2に示すように、中央にある本体部40と、本体部40
の外側に所定間隔だけ離間して同心的に設けられるリン
グ状の固定部44と、本体部40と固定部44とを結ぶ
複数のアーム42と、から構成されている。
【0028】サブバルブ30は、金属、合成樹脂、ゴム
等のいずれでも作ることが可能である。上記固定部44
はバルブボディ2内側にプレート31等を介して固定さ
れ、薄板状のアーム部42の所で上下にたわみ、所定範
囲で上下動可能となっている。
【0029】また、付勢手段としての第1スプリング3
2によって下向きに付勢されている。
【0030】一方、フロート6とキャップ4間には第2
スプリング8が介装されている。この第2スプリング8
は、フロート6の重量よりも弱いばね力で、フロート6
に対して上向きに付勢している。
【0031】バルブボディ2の外側上部には、固定用の
フランジ10が設けられ、フランジ10の上に被せられ
る固定用のカバー14によってタンク15に固定され
る。フランジ10とタンク15間にはパッキン16が介
装されている。バルブボディ2は、例えば、燃料タンク
等の上部に設けられた穴に、上から差し込んで組み込ま
れ、カバー14、フランジ10、パッキン16を共にタ
ンク15の上部にビス止めされ、内部の燃料等の液体が
漏れないように固定される。
【0032】バルブボディ2の内部上面中央には第1バ
ルブシート18が設けられ、バルブボディ2の上部にプ
ラグ60により塞がれてできた空間62と、通気管路2
0とを介して、バルブボディ2の内部を外部に連通させ
ている。
【0033】サブバルブ30は、中央に上下に貫通する
第2バルブ穴34を有しており、その第2バルブ穴34
の開口面積は、第1バルブシート18の第1バルブ穴2
8の開口断面積より小さい。この第1バルブ穴28と第
2バルブ穴34とは同一軸上に配置されている。
【0034】サブバルブ30の中央上面は、第1バルブ
シート18に当接する第1弁体としての第1弁部36と
なっており、その中央下面には第2バルブシート38を
有している。また、フロート6の上面中央には突起状の
第2弁体としての第2弁部22がある。
【0035】そして、浮力がなくフロート6が下がって
いる場合には、サブバルブ30も下がって、第1,第2
バルブ穴28,34が共に開き、浮力によりフロート6
が上昇する場合には、フロート6に押し上げられてサブ
バルブ30も上昇し、第1,第2バルブ穴28,34が
閉塞する構造となっている。
【0036】バルブボディ2の内側側面には、さらに、
複数の縦リブ24があって、フロート6の上下動をガイ
ドし、また、バルブボディ2の内側側面とフロート6の
側面との間に透き間を設けることにより、フロート6の
上部と下部の空間を連通させており、液体やガスが自由
に出入りする。
【0037】また、キャップ4には複数の穴26があっ
て、燃料タンク等の内部とバルブボディ2の内部とを連
通させている。
【0038】以上のように構成された本発明による液体
遮断弁の実施例では、次のように作動する。
【0039】まず、タンク15内の液面の下がった通常
状態においては、図1(a)に示す通り、フロート6も
サブバルブ30も、浮力が作用していないから下がって
おり、第1,第2バルブ穴28,34は共に開いてい
る。
【0040】この状態でタンクが運搬移動などで動揺し
たり、傾斜したり、あるいは180度転倒してタンク内
の液面が急激に上昇した場合、タンク内のガスは、開口
面積が大きい第1バルブシート18の第1バルブ穴28
を通じて外部に逃げる。
【0041】すなわち、液面上昇によりタンク内ガスの
容量は狭められてタンク内圧力が上昇し、タンク内のガ
スは、タンク内からキャップ4の穴26、フロート6と
バルブボディ2間の隙間、サブバルブ30の腕42間の
通孔43及び第2バルブ穴34、さらに第1バルブ穴2
8を通って、空間62及び通気管路20へ抜けていく。
【0042】このように、開口面積の大きい第1バルブ
穴28が開いているので、タンク内ガスの排出面積は十
分に確保され、フロート6とサブバルブ30は素早く動
き、第1,第2バルブ穴28,34が閉塞して液体の流
出が防止される(図1(b)参照)。すなわち、作動応
答性がよい。
【0043】一方、液面が下がって再開弁する際には、
まず、フロート6が下降して第2バルブ穴34が開く。
すなわち、フロート6によって閉塞している第2バルブ
穴34の開口面積が小さく、フロート6の上下面に作用
するガスの圧力差が小さいので、フロート6は第2バル
ブシート38に固着することなく確実に落下する(図1
(c)参照)。
【0044】その結果、ガス圧力は通気管路20へ抜け
て低下し、サブバルブ30の上下面に働くガスの圧力差
も低下する。これにより、サブバルブ30も第1スプリ
ング32の力と自分の重さにより下降し、第1バルブ穴
28が開いて通常状態に戻る。
【0045】本発明では、フロート6とサブバルブ30
が共にバルブボディ2に独立して保持されているので、
それぞれ独立して運動し、フロート6とサブバルブ30
が互いに付着するおそれはない。また、フロート6にサ
ブバルブ30の組み付けスペースを設ける必要もないの
で、フロート6の浮力を十分とることができる。さら
に、フロート6とサブバルブ30が共にバルブボディ2
によって支持されるので、第1,第2弁部36,22と
第1,第2バルブシート18,38間が独立して位置合
わせでき、シール性も確実になる。
【0046】また、本実施例の液体遮断弁を、燃料等の
液体が満タン時に、フロート6及びサブバルブ30によ
って、第1,第2バルブ穴28,34を閉塞するように
用いることもできる。
【0047】燃料等の液体補給による液体上昇につれ
て、タンク内のガスは、開口面積が大きい第1バルブシ
ート18の第1バルブ穴28を通じて外部に逃げて、液
体がスムーズに補給される。
【0048】満タン状態に近づくと、液体はタンク内か
ら液体遮断弁内に入り込み、フロート6は浮力によって
上昇し、サブバルブ30を押し上げて第1,第2バルブ
穴28,34を閉塞する(図1(b)参照)。
【0049】そして、燃料など液体の消費により、満タ
ン状態から液体が減少してくると、液面が下がり、上記
した再開弁動作と同様にして、まずフロート6が下降し
て開口面積が小さい第2バルブ穴34が開き、次いで、
サブバルブ30が下降して開口面積の大きい第1バルブ
穴28が開いて通常状態に戻る。
【0050】サブバルブ30のアーム部42の形状は、
サブバルブ30の上下面を連通させながら、上下動する
ように任意の形状に成形することができる。すなわち、
上記実施例ではアーム部42が放射状であるが、図2
(c)に示すように固定部44の周方向に複数等配の端
部から本体部40に向って渦巻状に結んだ複数のアーム
部42に成形してもよい。ただし、この構造では、アー
ム部42の剛性が強く、流量を確保するため、第1スプ
リング32のスプリング力を強くする必要があり、これ
によりフロート6によるサブバルブ30を押す力が不足
し、フロート6を大型にしなければならない。
【0051】そこで、図3に示すようにサブバルブ30
のアーム部42の形状を、固定部44の周方向一端から
本体部40に向って渦巻状に結んだ一つのアーム部42
とする。これにより、本体部40の軸方向の変位を容易
とし、第1スプリング32のセット荷重を落とすことに
より、フロート6の小型化、及びフロート6とサブバル
ブ30がより素早く動くことができることから応答性の
向上が見込まれる。
【0052】図4には、本発明の第2実施例が示されて
いる。本実施例は、上記第1実施例において、上記した
サブバルブ30を一つのアーム部42を渦巻状とし、そ
のサブバルブ30の第1弁部36を断面略半円状とし、
その第1バルブシート18に接するシール面36Aを球
面状としたものである。また、第1バルブシート18を
テーパ面としている。これにより、上記した一つのアー
ム部42を渦巻状としたサブバルブ30による効果に加
えて、第1弁部36と第1バルブシート18間のシール
性の向上を図ることができる。
【0053】尚、本実施例において、その他の構成及び
作用については第1実施例と同一なので、同一の構成部
分については図中同一の符号を付して、その説明は省略
する。
【0054】また、サブバルブ30自身にばね性があ
り、フロートの押し上げがなくても開弁することができ
るなら、第1スプリング32はなくてもよい。
【0055】さらに、平板状のサブバルブ30の場合
は、その外周部がバルブボディ2内側に固定されて支持
されるので、上下動に対する耐久性を有する。
【0056】また、サブバルブ30は平板状でなく、例
えば、サブバルブをバルブボディの天井からスプリング
で吊り下げるような構造であってもよい。この場合、ス
プリングのみとなるので、サブバルブを上下可動とする
ためのばね圧の設定が容易となり、サブバルブの上下動
が精度良く行われる。
【0057】以下にサブバルブをバルブボディの天井か
らスプリングで吊り下げる構造の実施例について説明す
る。
【0058】図5乃至図7には、本発明の第3実施例に
係る液体遮断弁を示している。尚、上記各実施例と同一
の構成部分については、同一の符号を付して説明する。
【0059】バルブボディ2においては、上記各実施例
でいうプラグ60がバルブボディ2と一体となってお
り、通気管路20を介してバルブボディ2の内部を外部
に連通させている。
【0060】そして、本実施例におけるサブバルブ30
Aは、上記各実施例のようにアーム部42を有さず、本
体部40のみの構成となっており、バルブボディ2の天
井から付勢手段としての第1スプリング32によって吊
り下げる構造となっている。
【0061】すなわち、本体部40には径方向外向きの
フランジ40Aを有しており、このフランジ40Aとバ
ルブボディ2の第1バルブシート18の外周側の上端壁
面との間に介装される第1スプリング32によってサブ
バルブ30Aが下向きに付勢されて吊り下げられてい
る。
【0062】サブバルブ30Aは、中央に上下に貫通す
る第2バルブ穴34を有しており、その第2バルブ穴3
4の開口面積は、第1バルブ穴28の開口面積より小さ
い。この第1バルブ穴28と第2バルブ穴34とは同一
軸上に配置されている。
【0063】サブバルブ30Aの中央上面は、第1バル
ブシート18に当接する第1弁部36となっており、そ
の中央下面には第2バルブシート38を有している。こ
の第2バルブシート38は、第2バルブ穴34に向って
縮径となるテーパ面を有しており、このテーパ面にフロ
ート6の上面中央に設けられている突起状の第2弁部2
2が接することにより第2バルブ穴34が閉塞するよう
になっている。
【0064】このように構成された液体遮断弁にあって
は、通常状態は、図5に示すように第1スプリング32
の付勢力によってサブバルブ30Aの第1弁部36は第
1バルブシート18から離間し、第2バルブシート38
のテーパ面がフロート6の第1弁部22に接することに
なる。これにより、第2バルブ穴34が閉塞され、第1
バルブ穴28が開口される。
【0065】この状態で、タンクが運搬移動などで動揺
したり、傾斜したり、あるいは180度転倒してタンク
内の液面が急激に上昇した場合、タンク内の流体(ガ
ス)は、第1バルブシート18の第1バルブ穴28を通
じ、通気管路20を介して外部に逃げる。
【0066】このように、開口面積の大きい第1バルブ
穴28が開いているので、タンク内のガスの排出面積は
十分に確保され、フロート6とサブバルブ30Aは素早
く動き、第1,第2バルブ穴28,34が閉塞して液体
の流出が防止される(図6参照)。
【0067】一方、液面が下がって再開弁する際には、
まず、フロート6が下降して第2バルブ穴34が開く。
すなわち、フロート6の第2弁部22によって閉塞して
いる第2バルブ穴34の開口面積が小さく、フロート6
の上下面に作用するガスの圧力差の小さいので、フロー
ト6の第2弁部22はテーパ面の第2バルブシート38
に固着することなく確実に落下する(図7参照)。
【0068】その結果、ガス圧力は通気管路20へ抜け
て低下し、サブバルブ30Aの上下面に働くガスの圧力
差も低下する。これにより、サブバルブ30Aも第1ス
プリング32の付勢力により下降し、第2バルブ穴34
が閉じ第1バルブ穴28が開いて通常状態に戻るように
なっている。
【0069】本実施例においては、サブバルブ30A
を、本体部40のみとして、第1スプリング32によっ
て吊り下げる構造としたので、上記アーム部42を有す
るサブバルブ30と比べて装置構成を簡略化でき、かつ
第1バルブ穴28への流路を十分確保できる。
【0070】尚、本実施例において、その他の構成及び
作用については上記各実施例と同一なので、同一の構成
部分については図中同一の符号を付して、その説明は省
略する。
【0071】図9乃至図14,図16乃至図18には、
本発明の第4乃至第6実施例に係る液体遮断弁を示して
いる。これら実施例は、上記したサブバルブ30Aが吊
り下げタイプの場合、サブバルブ30Aの上下動に対
し、多少不安定であると思われるため、その点を解消す
べくサブバルブの上下動に対するガイドを設けた構成と
している。
【0072】図9乃至図11に示す第4実施例は、サブ
バルブの上下動に対し、フロート6側にガイドを設けた
ものである。すなわち、サブバルブ30Bに、径方向外
向きのフランジ40Aの外周下面にもフロート6側に突
出する環状凸部のサブバルブガイド40Bを設け、その
サブバルブガイド40Bの外周面が摺接する、フロート
6の上面よりバルブボディ2の上端壁面側に突出するガ
イド部61を設けたものである。
【0073】本実施例において、その他の構成及び作用
については上記第3実施例と同一なので、同一の構成部
分については図中同一の符号を付して、その説明は省略
する。
【0074】尚、図9は通常状態、図10は液体の流出
を防止している状態、図11は再開弁状態を示してい
る。
【0075】図12乃至図14に示す第5実施例は、サ
ブバルブのガイド部をバルブボディ2の上端壁面側に設
けたものである。すなわち、サブバルブ30Cの本体部
40のフランジ40Aの外周上面にバルブボディ2の上
端壁面側に突出する、一部スリット部40Cを有する環
状凸部のサブバルブガイド40Dを設け、そのサブバル
ブガイド40Dの外周面が摺接するバルブボディ2の上
端壁面よりフロート6の上面側に突出するガイド部21
を設けたものである。サブバルブ30Cに設けられてい
るスリット部40Cは、タンク内のガスを第1バルブ穴
28に通りやすくするためのものである。
【0076】本実施例において、その他の構成及び作用
については上記第3,第4実施例と同一なので、同一の
構成部分については図中同一の符号を付して、その説明
は省略する。
【0077】尚、図12は通常状態、図13は液体の流
出を防止している状態、図14は再開弁状態を示してい
る。
【0078】図16乃至図18に示す第6実施例は、サ
ブバルブ30Dを、上記第5実施例におけるサブバルブ
30Cにおいてサブバルブガイド40Dの上面より径方
向外向きの第2フランジ40Eを設けたものとし、その
第2フランジ40Eの外周面が摺接する、バルブボディ
2の上端壁面よりフロート6の上面側に突出するガイド
部21Aを設けたものである。そして、そのガイド部2
1Aのフロート6上面側端部に第2フランジ40Eが係
合する径方向内向きの爪23を設けている。
【0079】このように、サブバルブ30Dの第2フラ
ンジ40Eが係合する爪23を有していることから、ガ
イド部21Aにサブバルブ30Dと第1スプリング32
をサブアセンブリすることができるため、組立性の向上
を図ることができる。
【0080】本実施例において、その他の構成及び作用
については上記第3,第4,第5実施例と同一なので、
同一の構成部分については図中同一の符号を付して、そ
の説明は省略する。
【0081】尚、図16は通常状態、図17は液体の流
出を防止している状態、図18は再開弁状態を示してい
る。
【0082】また、第3,5,6実施例においては、通
常時は図5,12,16に示すように、第1スプリング
32の付勢力によってサブバルブ30A,30C,30
Dの第2バルブシート38とフロート6の第2弁部22
がシールされ、第2バルブ穴34が閉塞されるため、そ
の時の通気は第1バルブ穴28からであるが、流体の流
れによってサブバルブ30A,30C,30Dが上昇
し、第2バルブシート38が第2弁部22から離間する
ため、タンク内,外の通気穴が第2バルブ穴34とな
り、タンク内圧が高くなってしまうという場合がある。
これに対しては各々のフロート6の外周部に上面より突
出する壁63を設けることにより(図8,図15,図1
9参照)、サブバルブ30A,30C,30Dの上昇を
防ぐことができる。上記第4実施例にあっては、フロー
ト6に設けられているガイド部61が上記壁63の役割
も兼ねている。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
バルブボディ内部上面とフロート上面との間に、サブバ
ルブを介在させてバルブ構造を二重構造とし、しかもバ
ルブ穴を大小異なるものとしたから、フロートがバルブ
シートから離れなくなるのを防ぐことができ、しかもガ
スを抜くための流路を十分確保することができて機能の
安定を図ることができる。
【0084】そして、フロートとサブバルブを共にバル
ブボディに保持し、それぞれ独立して運動する構成とし
たので、フロートとサブバルブが互いに付着するおそれ
はない。また、従来のようにフロートにサブバルブ組み
付け用のスペースが不要となるので、フロートの浮力を
十分とれる。
【0085】また、フロートとサブバルブが共にバルブ
ボディによって支持されるので、第1,第2弁と第
1,第2バルブシート間が独立して位置合わせでき、シ
ール性が確実になる。
【0086】特に、サブバルブを変形可能な腕部を介し
てバルブボディに支持すれば、サブバルブの位置を確実
に位置決めできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明の一実施例に係る液体遮断
弁の正面断面図、同図(b),(c)は動作説明図であ
る。
【図2】図2は、図1の液体遮断弁のサブバルブを示す
もので、同図(a)は平面図、同図(b)は縦断面図、
同図(c)はサブバルブの他の態様を示す図である。
【図3】図3はサブバルブの他の態様を示し、一つのア
ーム部でうず巻状としたもので、同図(a)は平面図、
同図(b)は縦断面図である。
【図4】図4(a)は本発明の第2実施例に係る液体遮
断弁の正面断面図、同図(b)は同図(a)の液体遮断
弁のサブバルブの平面図、同図(c)は同図(b)の縦
断面図である。
【図5】図5は本発明の第3実施例に係る液体遮断弁の
通常状態を示す正面断面図である。
【図6】図6は本発明の第3実施例に係る液体遮断弁の
液体の流出を防止している状態を示す正面断面図であ
る。
【図7】図7は本発明の第3実施例に係る液体遮断弁の
再開弁状態を示す正面断面図である。
【図8】図8は本発明の第3実施例に係る液体遮断弁に
おいてフロートに壁を設けた正面断面図である。
【図9】図9は本発明の第4実施例に係る液体遮断弁の
通常状態を示す正面断面図である。
【図10】図10は本発明の第4実施例に係る液体遮断
弁の液体の流出を防止している状態を示す正面断面図で
ある。
【図11】図11は本発明の第4実施例に係る液体遮断
弁の再開弁状態を示す正面断面図である。
【図12】図12は本発明の第5実施例に係る液体遮断
弁の通常状態を示す正面断面図である。
【図13】図13は本発明の第5実施例に係る液体遮断
弁の液体の流出を防止している状態を示す正面断面図で
ある。
【図14】図14は本発明の第5実施例に係る液体遮断
弁の再開弁状態を示す正面断面図である。
【図15】図15は本発明の第5実施例に係る液体遮断
弁においてフロートに壁を設けた正面断面図である。
【図16】図16(a)は本発明の第6実施例に係る液
体遮断弁の通常状態を示す正面断面図であり、同図
(b)は同図(a)のX部拡大図である。
【図17】図17は本発明の第6実施例に係る液体遮断
弁の液体の流出を防止している状態を示す正面断面図で
ある。
【図18】図18は本発明の第6実施例に係る液体遮断
弁の再開弁状態を示す正面断面図である。
【図19】図19は本発明の第6実施例に係る液体遮断
弁においてフロートに壁を設けた正面断面図である。
【図20】図20は従来例の液体遮断弁の正面断面図で
ある。
【図21】図21は他の従来例の液体遮断弁の正面断面
図である。
【符号の説明】
2 バルブボディ 3 凹部 4 キャップ 6 フロート 8 第2スプリング 10 フランジ 14 カバー 15 タンク 16 パッキン 18 第1バルブシート 20 通気管路 21,21A ガイド部 22 第2弁部 23 爪 24 縦リブ 26 穴 28 第1バルブ穴 30,30A,30B,30C,30D サブバルブ 31 プレート 32 第1スプリング 34 第2バルブ穴 36 第1弁部 36A シール面 38 第2バルブシート 40 本体部 40A フランジ 40B,40D サブバルブガイド 40C スリット部 40E 第2フランジ 42 アーム部 43 通孔 44 固定部 60 プラグ 61 ガイド部 62 空間 63 壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−1882(JP,A) 特開 平6−137226(JP,A) 特開 平4−201719(JP,A) 特開 平2−112658(JP,A) 特開 昭55−54781(JP,A) 実開 平3−378(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16K 31/18 F16K 17/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を貯蔵するタンクの上部に設けら
    れ、内部中空のバルブボディと、 前記バルブボディ内側上面に設けられた第1バルブ穴を
    備えた第1バルブシートと、 該バルブボディ内に上下可動に設けられ、前記第1バル
    ブシートの第1バルブ穴の開口面積より小さい開口面積
    を有する第2バルブ穴を有し、上面に第1バルブシート
    に当接する第1弁を有し、下面に第2バルブシートを
    有するサブバルブと、 バルブボディ内部に上下可動に設けられ、上面に第2バ
    ルブシートに当接する第2弁を有するフロートと、を
    備えた液体遮断弁において、 前記サブバルブおよびフロートを、それぞれ独立にバル
    ブボディに保持し 前記サブバルブを第1バルブシートから離間させる方向
    に付勢する付勢手段が設けられている ことを特徴とする
    液体遮断弁。
  2. 【請求項2】 サブバルブは変形可能な腕部によってバ
    ルブボディに支持したことを特徴とする請求項1に記載
    の液体遮断弁。
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