JP2011102098A - 燃料遮断弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】部品点数が少なく簡素な構成によって過給油及び燃料の外部流出を防止できる燃料遮断弁を提供する。
【解決手段】燃料タンクの天壁50に配設され、燃料Fの液位変動に応じて燃料タンク内とキャニスタとを連通遮断する燃料遮断弁1であって、ベーパポート14を天壁10aに備えるケーシング10と、ケーシング10内に昇降可能に配置され、ベーパポート14を閉弁可能な弁体21を上部に備えるフロート弁12と、燃料Fの流出入口となる貫通孔とを有する。貫通孔としては、大径孔17と小径孔18とが形成されている。大径孔17には燃料Fの流入のみを許容するバルブ16が設けられていることで、ケーシング10内へは大径孔17及び小径孔18を介して燃料Fが流入するが、ケーシング10の燃料Fは小径孔18のみを介して流出することを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、燃料タンク本体の上部に配設され、燃料の液位変動に応じて燃料タンク内とキャニスタとを連通遮断する燃料遮断弁に関する。
従来から、車両の燃料タンクには、当該燃料タンク内で発生した蒸発燃料(ガソリンベーパ)を吸着捕捉するキャニスタが設けられている。そして、燃料タンクに燃料を給油するとき、燃料タンクの許容液量を越えて給油すると、燃料が燃料タンクからキャニスタへ流出してしまい、キャニスタの性能を低下させることがある。そこで、燃料タンク本体の上部には、燃料の液位変動に応じて燃料タンク内とキャニスタとを連通遮断する燃料遮断弁が配設されることが一般的である。
この種の燃料遮断弁として、例えば下記特許文献1がある。特許文献1の燃料遮断弁は、満タン液位を越えたときに閉じる満タン規制弁と、満タン液位を越えて給油して過給油液位を越えたときに閉じる過給油防止弁とを備えている。詳しくは、燃料タンクの天壁に、その一部を突入するとともに第1弁室を有するケーシング本体と、燃料タンクの外部に配置された外部通路と、外部通路と第1弁室とを接続しかつ該外部通路に対し少なくとも1/3以上の流路面積で形成された第1接続通路と、第1弁室側でありかつ第1接続通路に臨んで配置された第1シート部とを備えたケーシングと、第1弁室内に昇降可能に配置された第1フロート本体と、第1フロート本体の上部に設けられ第1シート部に着離することで第1接続通路を開閉する第1弁部と、第1フロート本体の軸中心部に形成されかつ第1弁室に接続される収納室と、第1フロート本体の上部であり第1接続通路と収納室とを接続するとともに第1接続通路より流路面積の小さい第2接続通路とを有する第1フロート(満タン規制弁)と、収納室に昇降可能に配置された第2フロート本体と、第2フロート本体の上部に設けられ第2接続通路を開閉する第2弁部とを有する第2フロート(過給油防止弁)と、を備える。そして、給油時に燃料タンク内の燃料液面が第1液位(満タン液位)を超えると、第1フロート(満タン規制弁)が上昇して第1接続通路が閉弁され、給油ガンからの給油が停止する。この状態からさらに給油して、燃料液面が第2液位(過給油防止液面)を超えると、第2フロート(過給油防止弁)によって第2接続通路が閉弁され、過給油によって燃料が燃料タンク外へ流出することが防止される。第2フロートは、燃料消費等によって燃料液面が第2液位より低くかつ第1液位より低くなる前に下降することで、第1フロートの第1弁部が第1シート部に密着する力を低減するように第2接続通路を介して第2弁部を第1接続通路に連通する。
特開2002−617652号公報
特許文献1では、第1接続通路を閉弁する満タン規制弁と、第2接続通路を閉弁する過給油防止弁とを設けることで、過給油及び燃料の外部流出を確実に防止している。しかし、このように満タン規制弁と過給油防止弁の双方を設けた機構は部品点数が多く、且つ第1及び第2の接続通路を有する複雑な機構となり、コストが嵩む。
そこで、本発明は上記課題を解決するものであって、部品点数が少なく簡素な構成によって過給油及び燃料の外部流出を防止できる燃料遮断弁を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る燃料遮断弁は次の手段を採る。すなわち、燃料タンク本体の上部に配設され、燃料の液位変動に応じて燃料タンク内とキャニスタとを連通遮断する燃料遮断弁であって、前記キャニスタと連通するベーパポートを天壁に備えるケーシングと、該ケーシング内に燃料の液位変動に応じて昇降可能に配置され、前記ベーパポートを閉弁可能な弁体を上部に備えるフロート弁と、前記燃料タンクの内部空間と前記ケーシングの内部空間とを連通し、燃料の流出入口となる貫通孔とを有する。そして、前記貫通孔として、相対的に大径の大径孔と、該大径孔より小径な小径孔とが形成されており、前記燃料タンクから前記ケーシング内へは、前記大径孔及び小径孔を介して燃料が流入するが、前記ケーシング内において前記フロート弁を浮上させている燃料液位は、前記小径孔を介して燃料が前記ケーシング外へ流出することで下降することを特徴とする。
ケーシング内においてフロート弁を浮上させている燃料液位としては、例えばケーシングの内部空間が複数の領域に区画されており、各領域における燃料液位に差が生じ得る場合は、フロート弁を主体的に浮上させている領域(空間)における燃料液位が相当する。ケーシングの内部空間が区画されておらず、ケーシング内の燃料液位に差が生じない場合は、当該ケーシング内の燃料液位そのものが相当する。
これによれば、給油に伴い燃料タンク内の燃料液位が上昇すると、貫通孔、すなわち大径孔及び小径孔を介して燃料タンク内の燃料がケーシング内へ流入する。なお、大径孔は小径孔よりも口径が大きいので、燃料は主として大径孔を介して迅速に流入する。したがって、ケーシング内へ燃料が流入するとき、ケーシング内の燃料液位は燃料タンク内の燃料液位にほぼ追従しながら上昇する。そして、ケーシング内における燃料液位の上昇に伴いフロート弁が浮上し、燃料タンク内が満タンとなったところで、ベーパポートがフロート弁によって閉弁される。これによる燃料タンクの内圧上昇を給油ガンによって検知されると、給油がストップする。しかし、給油時は一気に多量の燃料が給油されるので、燃料タンク及びケーシング内の燃料液面は波打ったり泡立ったりしている。したがって、給油がストップした直後の燃料液位は、燃料液面が静止した本来の燃料液位より高い位置にある。これにより、給油がストップすると、波打ったりしていた燃料液面が静止することで、燃料タンク内の燃料液位は下降する。これに伴い、ケーシング内の燃料がケーシング外へ流出することになるが、このとき、ケーシング内の燃料は小径孔のみを介して流出する。したがって、ケーシング外への燃料流出速度はケーシング内への燃料流入速度よりも遅く、ケーシング内の燃料液位の下降速度は燃料タンク内の燃料液位の下降速度よりも遅い。これにより、燃料タンク内の燃料液位がある程度下降しても、しばらくの間は、ケーシング内の燃料液位は燃料タンク内の燃料液位より高い位置にある。これにより、給油がストップしてからしばらくの間はベーパポートがフロート弁によって閉弁された状態が維持され、給油できない状態が続く。これにより、給油者はこれ以上の給油はできないと判断する。しかし、しばらくすれば、ケーシング内の燃料液位が後追い的に下降してベーパポートが開弁され、さらに過給油が可能となる。この状態になるまで待ってから給油者がさらに過給油すると、再度ケーシング内の燃料液位が上昇してベーパポートがフロート弁によって閉弁され、給油がストップする。この過給油による燃料液位は、燃料が消費されない限り経時的に下降することがないので、それ以上の過給油及び燃料の外部流出は確実に防止される。
ケーシング内においてフロート弁を浮上させている燃料液位が下降するとき、小径孔のみを介して燃料をケーシング外へ流出させる形態としては次の2つの形態が挙げられる。第1に、前記大径孔に、前記燃料タンクから前記ケーシング内への燃料流入のみを許容する弁部材を設けることができる。すなわち、燃料がケーシング外へ流出するとき、大径孔は弁部材によって閉弁されている。これにより、燃料は小径孔のみを介して徐々に流出すし、燃料液位はゆっくり下降する。この場合、ケーシングの内部空間は特に区画されていない。
第2に、前記ケーシング内に、前記フロート弁を燃料液位によって浮上させる液溜め部を区画形成したうえで、該液溜め部に前記小径孔を形成することができる。大径孔は、液溜め部外に形成されている。これにより、フロート弁を浮上させている燃料液位は、当該液溜め部内の燃料が小径孔のみから徐々に流出することで、ゆっくり下降することになる。一方、液溜め部外の領域(空間)にある燃料は大径孔から迅速に流出することになるが、当該液溜め部外の燃料液位はフロート弁の浮上へ主体的には関与しないので、フロート弁の下降速度には直接影響しない。
なお、前記ケーシング内には、前記フロート弁を浮動状に支持する支持部材を設けることが好ましい。これにより、フロート弁の昇降移動が安定すると共に、弁体をベーパポートへ的確に当接させることができる。
また、前記ケーシングの下面が開口しており、当該ケーシングの下面開口が蓋体によって塞がれている場合は、前記大径孔及び小径孔を前記蓋体に穿設することが好ましい。これにより、燃料がケーシング内外へ円滑に流出入できると共に、燃料タンク内の燃料液位にケーシング内の燃料液位を効率的に追従させることができる。
本発明の燃料遮断弁は、ケーシング内に1つのフロート弁を設け、貫通孔として大径孔と小径孔とを設けた構成であり、部品点数が少なく且つ簡素な構成となっている。これにより、コスト削減や小型化が可能となる。そのうえで、ケーシング内へは大径孔及び小径孔を介して燃料が迅速に流入するが、ケーシング外へは小径孔のみを介して燃料が徐々に流出することで、フロート弁を浮上させている燃料液位はゆっくり下降する構成となっている。これにより、給油がストップした後もしばらくの間はベーパポートがフロート弁によって閉弁された状態が維持されて給油できない状態を維持することができる。その後、さらに過給油しても、再度ベーパポートがフロート弁によって閉弁されるので、過給油及び燃料の外部流出は確実に防止される。
実施例1の燃料遮断弁の断面図である。 燃料流入時の状態を示す実施例1の燃料遮断弁の断面図である。 燃料流出時の状態を示す実施例1の燃料遮断弁の断面図である。 実施例2の燃料遮断弁の断面図である。 燃料流入の様子を示す実施例3の燃料遮断弁の断面図である。 フロート弁によってベーパポートが閉弁された状態を示す実施例3の燃料遮断弁の断面図である。 燃料流出時の状態を示す実施例3の燃料遮断弁の断面図である。
以下、本発明の代表的な実施例について説明するが、これらに限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。本発明の燃料遮断弁は、揮発性の高いガソリン等を燃料とする車両の燃料タンクに適用することができる。このような車両では、燃料タンク内で多量の蒸発燃料(ガソリンベーパ)が発生する。そこで、燃料タンクの内圧上昇による破損等を防止するため、燃料タンク内のガスを最終的には大気中へ放出できるようになっているが、蒸発燃料がそのまま大気中へ放出されると、環境問題が生じる。そこで、燃料タンクと大気放出口との間には、空気は通すが蒸発燃料を吸着捕捉する吸着材が内部に充填されたキャニスタが設けられている。燃料タンクとキャニスタとは、ベーパ通路を介して連通されている。これを前提として、燃料遮断弁の具体的な実施例について説明する。
(実施例1)
図1に示すように、燃料遮断弁1は、下面が開口する中空筒状のケーシング10と、ケーシング10の下面開口を塞ぐ蓋体11と、ケーシング10内に昇降可能に配されたフロート弁12と、フロート弁12を浮動状に支持する支持部材としてのコイルスプリング13とを有する。ケーシング10は樹脂製の一体成形品であって、天壁10aと、筒状の周壁10bとを有する。天壁10aは周壁10bより大径であり、天壁10aの周縁部は周壁10bより外方へ突出している。そして、燃料遮断弁1は、燃料タンクの天壁50に内外貫通状に穿設された装着孔50aにケーシング10の周壁10bを挿通し、天壁10aが燃料タンクの天壁50の上面に載置された状態で配設されている。なお、ケーシング10の天壁10aと燃料タンクの天壁50とは、溶着されている。
ケーシング10の天壁10aの径方向中央部には、ベーパポート14が形成されており、当該ベーパポート14の先端部に図外のキャニスタへ繋がるベーパ通路が連結される。周壁10bの上部であって、燃料タンクの天壁50の下面近傍には、燃料タンクの内部空間とケーシング10の内部空間とを連通し、燃料の流入口となる複数の連通孔15が内外貫通状に穿設されている。なお、連通孔15は1箇所のみに設けてもよいが、燃料タンク内のガスを迅速に排出するためには、少なくとも2箇所以上設けることが好ましい。また、連通孔15を複数箇所に設ける場合は、各連通孔15は周壁10bの周方向に等間隔で設けることが好ましい。
蓋体11も樹脂製の一体成形品であって、周縁部が薄肉となった板状を呈し、ケーシング10の下面開口に嵌合したうえで溶着されている。蓋体11には、燃料タンクの内部空間とケーシング10の内部空間とを連通し、燃料の流出入口となる貫通孔17・18が厚み方向に貫通して穿設されている。貫通孔としては、相対的に大径の大径孔17と、当該大径孔17より小径な小径孔18とがある。詳しくは、蓋体11の径方向中央には、アンブレラバルブ16が蓋体11に対して昇降自在に挿通されており、蓋体11の径方向中央部であって、アンブレラバルブ16の周囲には、当該アンブレラバルブ16を取り囲むように複数の大径孔17が穿設されている。一方、蓋体11の周縁部に、複数の小径孔18が穿設されている。
アンブレラバルブ16の傘部(バルブ部)16aは、各大径孔17の上面開口を塞ぐことができる大きさ(直径)を有する。アンブレラバルブ16の軸部16bの下端には、アンブレラバルブ16の抜け外れを防止するストッパ片19が溶着されている。また、アンブレラバルブ16の軸部16bの長さ寸法は、蓋体11の厚み寸法より大きい。そして、蓋体11とストッパ片19との間には、軸部16b回りに圧縮バネ20が介装されている。当該圧縮バネ20によって、アンブレラバルブ16は常時下方(各大径孔17を閉弁する方向)へ付勢されている。また、蓋体11の上面には、アンブレラバルブ16を囲むように、円筒形のボア壁11aが一体形成されている。
大径孔17及び小径孔18の数は、1つのみでも可能であるが、燃料の流出入を円滑に行うためには複数個とすることが好ましい。詳しくは後述するが、大径孔17は主として迅速に燃料をケーシング10内へ流入させるためのものであり、小径孔18は主として燃料をケーシング10外へゆっくり流出させるものなので、特に大径孔17を複数個設けることが好ましい。両者を複数個設ける場合は、少なくとも各小径孔18の総面積(合計開口面積)を、各大径孔17の総面積(合計開口面積)より小さくする。両孔17・18の総面積の差はできるだけ差が大きい方が好ましい。つまり、各大径孔17の総面積はできるだけ大きい方が好ましく、各小径孔18の総面積はできるだけ小さい方が好ましい。各大径孔17の総面積が大きいほど燃料をケーシング10内へ迅速に流入させることができ、燃料タンク内の燃料液位にケーシング10内の燃料液位を的確に追従させることができる。一方、各小径孔18の総面積が小さいほどケーシング10内の燃料はゆっくり流出するので、後述のように過給油防止状態を長時間維持できる。
大径孔17の総面積と小径孔18の総面積の差は特に限定されないが、小径孔18の総面積は大径孔17の総面積の1/2〜1/4程度とすることが好ましい。これを踏まえて、両孔17・18の個数(1〜8個程度)やその直径(開口径)を適宜設計すればよい。例えば、両孔17・18の個数を同じにしても、その直径の大小によって両孔17・18の総面積の差を設計することができる。両孔17・18の直径と個数の双方を異ならせて総面積を設計することが好ましい。また、大径孔17や小径孔18を複数設ける場合は、各孔17・18は蓋体11の周方向に等間隔で設けることが好ましい。
フロート弁12も樹脂製の一体成形品であって、径方向中央部の柱状のフロート部12aと、フロート部12aの周囲を囲む筒状の筒部12bとを有し、フロート部12aの上端に、ベーパポート14を閉弁可能な円板形の弁体21が溶着接合されている。フロート部12aの長さ寸法は、筒部12bの長さ寸法より小さい。コイルスプリング13は、蓋体11のボア壁11a回りに嵌合された状態で、蓋体11の上面に載置固定されている。そのうえで、フロート弁12の筒部12bをコイルスプリング13に覆い被せるように、コイルスプリング13上にフロート弁12が離接可能に載置されている。これにより、フロート弁12は、ケーシング10内において燃料液位の変動に応じて昇降可能に配置されている。なお、コイルスプリング13とフロート弁12とは接合されておらず、コイルスプリング13はフロート弁12を付勢するものでもない。ケーシング10の周壁10bとフロート弁12の筒部12bの外形形状は同じであり、周壁10bと筒部12bとの間には、全周に亘って一定のクリアランスを有する。
次に、図2〜図3を参照しながら、燃料遮断弁1の作用について説明する。燃料タンク内へ燃料Fを給油し、燃料タンク内の燃料液位が上昇すると、燃料タンクの内圧は急激に上昇し得る。しかし、燃料タンク内の蒸発燃料を含むガスは、給油に伴い各連通孔15を介してケーシング10内へ流入し、ベーパポート14から図外のキャニスタへ導入される。これにより、燃料Fがほぼ満タンまで給油されるまでは、燃料タンクの内圧が急激に上昇することはなく、給油し続けることができる。
さらに燃料Fを給油し続けて、図2に示すように、燃料タンク内の燃料液位が燃料遮断弁1の下面より高い位置に達すると、各大径孔17及び各小径孔18を介して燃料タンク内の燃料Fがケーシング10内へ流入する。このとき、燃料Fの流入圧を受けて、アンブレラバルブ16は圧縮バネ20の付勢力に抗して上昇し、各大径孔17が開弁されている。これにより、燃料Fは主として大径孔17を介して迅速に流入可能なので、ケーシング10内の燃料液位は、燃料タンク内の燃料液位とほぼ同じ速度で上昇する。一方、フロート弁12は、ケーシング10内における燃料液位がフロート部12aの下面より高い位置まで上昇したところで浮上するよう浮力が設計されている。そして、燃料タンク内がほぼ満タンとなったところで、弁体21がベーパポート14に当接し、ベーパポート14がフロート弁12によって閉弁される。すると、蒸発燃料を含むガスの逃げ口が遮断されることで、燃料タンクの内圧が上昇する。この燃料タンクの内圧上昇を給油ガンによって検知されると、給油がストップする(給油できなくなる)。給油がストップしてケーシング10内への燃料Fの流入も停止すると、アンブレラバルブ16は圧縮バネ20の付勢力によって下降し、各大径孔17は閉弁される。
しかし、給油時は一気に多量の燃料が給油されるので、燃料タンク及びケーシング内の燃料液面は波打ったり泡立ったりしている。したがって、給油がストップした直後の燃料液位は、燃料液面が静止した本来の燃料液位より高い位置にある。これにより、給油がストップすると、図3に示すように、波打ったりしていた燃料液面が静止することで、燃料タンク内の燃料液位は下降する。これに伴い、ケーシング10内の燃料Fがケーシング10外へ流出する。このとき、各大径孔17はアンブレラバルブ16によって閉弁されているので、ケーシング10内の燃料Fは、各小径孔18のみを介して流出する。したがって、ケーシング10外への燃料流出速度はケーシング10内への燃料流入速度よりも遅く、ケーシング10内の燃料液位の下降速度は燃料タンク内の燃料液位の下降速度よりも遅い。これにより、燃料タンク内の燃料液位がある程度下降しても、しばらくの間は、ケーシング10内の燃料液位は燃料タンク内の燃料液位より高い位置にある。これにより、給油がストップしてからしばらくの間は、ベーパポート14がフロート弁12によって閉弁された状態が維持され、給油できない状態が続く。これにより、給油者はこれ以上の給油はできないと判断する。
しかし、その後しばらくすれば、ケーシング10内の燃料液位も後追い的に下降して、燃料タンク内の燃料液位と同じ高さとなる。これにより、フロート弁12も下降してベーパポート14が開弁され、さらに過給油が可能となり得る。この状態になるまで待てば、給油者はさらに過給油できる。この場合、燃料タンク内の燃料液位がさらに上昇することに伴い、ケーシング10内へも再度燃料Fが流入する。すると、ケーシング10内の燃料液位の上昇に伴いフロート弁12が浮上し、ベーパポート14がフロート弁12によって再度閉弁されるので、給油がストップする。この過給油による燃料液位は、燃料が消費されない限り経時的に下降することがないので、それ以上の過給油及び燃料の外部流出は確実に防止される。
(実施例2)
図4に、実施例2に係る燃料遮断弁2の断面図を示す。実施例2は実施例1の変形例であって、各大径孔17を閉弁する弁部材が異なる。具体的には、蓋体11の径方向中央に軸ピン24を圧入固定し、当該軸ピン24に円板状のバルブ体25が昇降可能に挿通されている。また、軸ピン24の上端には、該軸ピン24よりも径方向外方に突出するフランジ部24aを有し、フランジ部24aとバルブ体25との間に、バルブ体25を常時下方(各大径孔17を閉弁する方向)に付勢する圧縮バネ20が介装されている。その他は実施例1と同様なので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
(実施例3)
図5〜図7に、実施例3の燃料遮断弁3の断面図を示す。実施例3は実施例1や実施例2とは異なる形態であり、ケーシング10の内部空間が隔壁11bによって内外に区画されている。詳しくは、蓋体11の径方向中央部には、上面が開口する筒状の隔壁11bが一体的に立設されている。隔壁11bは実施例1のボア壁11aが上方へ延びたようなものであり、ケーシング10の高さ方向ほぼ中央部にまで延びている。詳細は後述するが、隔壁11bの内部空間がフロート弁32を燃料液位によって浮上させる液溜め部10fとなる。コイルスプリング13は、隔壁11bの外周に配されている。コイルスプリング13の高さ寸法は、隔壁11bの高さ寸法よりも大きい。
フロート弁32のフロート部32aは実施例1のフロート部12aより長く、ケーシング10の下部にまで延びている。一方、フロート弁32の筒部32bは実施例1の筒部12bより短い。これにより、フロート部32aの下端は筒部32bの他端よりも下方にある。そのうえで、蓋体11の径方向中央、すなわち液溜め部10f内に、1つの小径孔18が穿設されている。一方、蓋体11の周縁部には、隔壁11bを囲むように複数の大径孔17が穿設されている。
燃料タンク内へ燃料Fを給油すると、図5に示すように、ケーシング10内へは各大径孔17及び小径孔18を介して燃料Fが流入する。このとき、燃料Fは各大径孔17から迅速に流入するので、隔壁11b外における燃料液位が燃料タンク内の燃料液位とほぼ同じ速度で迅速に上昇するが、小径孔18からは燃料Fが徐々に流入するので、隔壁11b内の液溜め部10fの燃料液位はゆっくりと上昇する。そして、燃料タンク内の燃料液位が隔壁11bの上端を越える高さとなると、隔壁11b外の燃料Fは隔壁11bを超えて液溜め部10f内へ流れ込む。このとき、フロート弁32は浮上していない。また、隔壁11b外の燃料Fは、コイルスプリング13の隙間を通して液溜め部10f内へ流動できる。フロート弁32は、液溜め部10f内の燃料液位の上昇によって浮上するよう浮力が設計されている。そして、図6に示すように、燃料タンク内がほぼ満タンとなって、液溜め部10f内の燃料液位が隔壁11bを超えたところで、弁体21がベーパポート14に当接し、ベーパポート14がフロート弁12によって閉弁される。
これによる燃料タンクの内圧上昇を給油ガンによって検知されると、給油がストップする(給油できなくなる)。そして、給油がストップした直後に波打ったりしていた燃料液面が静止して燃料タンク内の燃料液位が下降することで、図7に示すように、ケーシング10内の燃料Fがケーシング10外へ流出する。このとき、隔壁11b外の燃料Fは各大径孔17を介して迅速に流出するが、液溜め部10f内の燃料Fは小径孔18のみを介して徐々に流出するので、液溜め部10f内の燃料液位はゆっくり下降する。これにより、しばらくの間は、フロート弁32を浮上させている液溜め部10f内の燃料液位は、燃料タンク内や隔壁11b外の燃料液位より高い位置にある。これにより、給油がストップしてからしばらくの間は、ベーパポート14がフロート弁32によって閉弁された状態が維持され、給油できない状態が続く。その他は実施例1と同様なので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
(その他の変形例)
各大径孔17を閉弁する弁部材(アンブレラバルブ16やバルブ体25)を有する実施例1や実施例2の構成では、各小径孔18は、ケーシング10の周壁10bの下部に設けることもできる。一方、隔壁11bを有する場合は、実施例3とは逆に、隔壁11bの内側に大径孔17を設け、隔壁11bの外側に小径孔18を設けて、隔壁11bの外側を液溜め部10fとすることもできる。この場合、隔壁11bの内側に迅速に流入した燃料Fが隔壁11bの外側(液溜め部10f)に乗り越えることになるので、フロート弁32は、フロート部32aを筒部32bよりも短寸にして、主として筒部32bの浮力によって浮上する形状とする。また、隔壁11bの外側を液溜め部10fとする場合は、ケーシング10の周壁10bの下部に大径孔17を設けることもできる。
フロート弁12を浮動状に支持する支持部材としては、コイルスプリング13に代えて、蓋体11から上方に立設された複数本(好ましくは3本以上)の柱とすることもできる。この場合、各柱は蓋体11の周方向に等間隔で立設し、各柱同士は燃料Fが円滑に流動できるだけの充分な隙間を形成しておく。
1・2・3 燃料遮断弁
10 ケーシング
10b ケーシングの周壁
10f 液溜め部
11 蓋体
11b 隔壁
12・32 フロート弁
12a フロート部
12b 筒部
13 コイルスプリング
14 ベーパポート
15 連通孔
16 アンブレラバルブ
17 大径孔
18 小径孔
20 圧縮バネ
21 弁体
24 軸ピン
25 バルブ体
50 燃料タンクの天壁
F 燃料


Claims (5)

  1. 燃料タンク本体の上部に配設され、燃料の液位変動に応じて燃料タンク内とキャニスタとを連通遮断する燃料遮断弁であって、
    前記キャニスタと連通するベーパポートを天壁に備えるケーシングと、該ケーシング内に燃料の液位変動に応じて昇降可能に配置され、前記ベーパポートを閉弁可能な弁体を上部に備えるフロート弁と、前記燃料タンクの内部空間と前記ケーシングの内部空間とを連通し、燃料の流出入口となる貫通孔とを有し、
    前記貫通孔として、相対的に大径の大径孔と、該大径孔より小径な小径孔とが形成されており、
    前記燃料タンクから前記ケーシング内へは、前記大径孔及び小径孔を介して燃料が流入するが、前記ケーシング内において前記フロート弁を浮上させている燃料液位は、前記小径孔を介して燃料が前記ケーシング外へ流出することで下降することを特徴とする、燃料遮断弁。
  2. 請求項1に記載の燃料遮断弁であって、
    前記大径孔には、前記燃料タンクから前記ケーシング内への燃料流入のみを許容する弁部材が設けられていることを特徴とする、燃料遮断弁。
  3. 請求項1に記載の燃料遮断弁であって、
    前記ケーシング内には、前記フロート弁を燃料液位によって浮上させる液溜め部が区画形成されており、
    該液溜め部に前記小径孔が形成されており、前記大径孔は前記液溜め部外に形成されていることを特徴とする、燃料遮断弁。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の燃料遮断弁であって、
    前記ケーシング内には、前記フロート弁を浮動状に支持する支持部材が設けられていることを特徴とする、燃料遮断弁。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の燃料遮断弁であって、
    前記ケーシングの下面は開口しており、該ケーシングの下面開口は蓋体によって塞がれており、
    前記大径孔及び小径孔は前記蓋体に穿設されていることを特徴とする、燃料遮断弁。


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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011201490A (ja) * 2010-03-26 2011-10-13 Toyota Motor Corp 過給油防止装置
WO2012077310A1 (ja) 2010-12-10 2012-06-14 パナソニック株式会社 プリコーディング方法、送信装置
JP2020056399A (ja) * 2018-09-27 2020-04-09 京三電機株式会社 燃料タンク通気弁
KR102327951B1 (ko) * 2020-05-13 2021-11-17 주식회사 니프코코리아 자동차 연료장치용 롤오버밸브

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