JP2020056399A - 燃料タンク通気弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】液体成分の流出を阻止できる燃料タンク通気弁を提供する。【解決手段】燃料タンク用通気弁2は、フロート弁21と、フロート制御機構61と、障壁部材71とを備える。フロート弁21は、フロート31と、フロート室32とを備える。フロート室32は、ケース22によって提供されている。フロート制御機構61は、フロート室32への燃料の流入速度より、フロート室32からの燃料の流出速度が遅くなるように、燃料開口の面積を制御する。障壁部材71は、通気通路のための開口26とフロート31との間に位置している。障壁部材71は、燃料の侵入を抑制する。【選択図】図1
Description
この明細書における開示は、燃料タンクの通気のための燃料タンク通気弁に関する。
特許文献1は、燃料タンク通気弁を開示する。燃料タンク通気弁は、燃料タンク内の液位が高い場合に通気通路を閉じることにより、液体成分の流出を抑制している。特許文献2は、燃料タンク通気弁を開示する。燃料タンク通気弁は、内部容器を有している。内部容器は、フロート弁を閉弁状態に維持することにより、液面が乱れた場合でも、液体成分の流出を抑制する。
先行技術文献の記載内容は、この明細書における技術的要素の説明として、参照により援用される。
先行技術文献の構成では、燃料タンクが揺れるのを待って、ボール弁が開き、内部容器の燃料を排出する。この結果、フロート弁が通気通路を開く。燃料タンクが揺れる場合、液面も乱れる。このため、液体成分の流出を抑制できない場合がある。
また、別の観点では、フロート弁が閉じた後、燃料タンクが揺れるまでに長期間を要する場合がある。この場合、通気通路が長期間にわたって閉じられ続ける場合がある。この場合、燃料タンクの内圧が過剰に高圧または過剰に低圧になる場合がある。
上述の観点において、または言及されていない他の観点において、燃料タンク通気弁にはさらなる改良が求められている。
開示されるひとつの目的は、液体成分の流出を抑制できる燃料タンク通気弁を提供することである。
開示される他のひとつの目的は、液体成分の流出を抑制しながら、長期間にわたる閉弁状態を回避することができる燃料タンク通気弁を提供することである。
開示されるさらに他のひとつの目的は、液位上昇に応答して閉弁する応答性と、液位下降に応答して開弁する応答性とに差を提供できる燃料タンク通気弁を提供することである。
ここに開示された燃料タンク通気弁は、燃料に浮くフロート(31)と、フロートを収容し、かつフロートを浮かせる燃料を貯めるフロート室(32)を区画するケース(22)と、フロートが浮いて上昇すると燃料タンクの内部と外部とを連通する通気通路を閉じ、フロートが下降すると通気通路を開く開閉弁(25、34)と、ケースに形成され、通気通路を提供する通気開口(26)と、通気開口より下においてケースに形成され、フロート室へ燃料が流入する流入面積(Ain)を、フロート室から燃料が流出する流出面積(Aout)より大きく(Ain>Aout)するフロート制御機構(61)とを備える。
開示される燃料タンク通気弁によると、燃料タンクの液位に応答して通気通路を開閉する燃料タンク通気弁が提供される。しかも、フロート室に対する流入面積と流出面積とは、流入面積を、流出面積より大きくしている。このため、液位が上昇するときには、閉じやすい特性が与えられる。その一方で、液位が下降するときには、開きにくい特性が与えられる。このため、燃料タンクの液位が変動しても、通気通路への燃料の流出を抑制することができる。
この明細書における開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態の部分との対応関係を例示的に示すものであって、技術的範囲を限定することを意図するものではない。この明細書に開示される目的、特徴、および効果は、後続の詳細な説明、および添付の図面を参照することによってより明確になる。
図面を参照しながら、複数の実施形態を説明する。複数の実施形態において、機能的におよび/または構造的に対応する部分および/または関連付けられる部分には同一の参照符号、または百以上の位が異なる参照符号が付される場合がある。対応する部分および/または関連付けられる部分については、他の実施形態の説明を参照することができる。
第1実施形態
燃料供給システム
図1は、燃料タンク通気弁2を示す。燃料タンク通気弁2は、通気弁2、または通気制御弁とも呼ばれる。図2は、通気弁2が適用される燃料供給システム1を示す。以下の説明において、上または下の語は、重力を基準として定められる方向を指す。燃料の語は、特に断らない限り、液体成分を指している。燃料の気体成分は、燃料蒸気と呼ばれる。燃料蒸気の語は、空気を含んでいる。通気通路は、燃料蒸気および空気のための通路である。
燃料供給システム
図1は、燃料タンク通気弁2を示す。燃料タンク通気弁2は、通気弁2、または通気制御弁とも呼ばれる。図2は、通気弁2が適用される燃料供給システム1を示す。以下の説明において、上または下の語は、重力を基準として定められる方向を指す。燃料の語は、特に断らない限り、液体成分を指している。燃料の気体成分は、燃料蒸気と呼ばれる。燃料蒸気の語は、空気を含んでいる。通気通路は、燃料蒸気および空気のための通路である。
図2において、燃料供給システム1は、内燃機関(EG)11に液体の燃料を供給する。内燃機関11は、動力源を提供する。動力源は、乗り物、発電装置、揚水装置、空調装置などに用いることができる。この明細書において、乗り物の語は、車両、航空機、船舶、シミュレーション装置、娯楽機などを含む語として、広義に解釈されるべきである。燃料供給システム1は、燃料を貯める燃料タンク12を備える。燃料供給システム1は、燃料タンク12内の燃料を内燃機関11に供給する燃料ポンプ13を備える。燃料ポンプ13は、低圧ポンプ、および/または高圧ポンプを含むことができる。燃料ポンプ13は、燃料噴射装置を提供する。
燃料供給システム1は、燃料タンク12の内部圧力を調節するための調節装置を備える。さらに、燃料供給システム1は、燃料タンク12内の燃料蒸気の大気放出を抑制する蒸気処理システムを備える。蒸気処理システムは、燃料タンク12の蓋14と、通路管15と、蒸気処理装置16とを備える。通路管15は、換気通路を提供する。通路管15は、燃料タンク12と蒸気処理装置16とを連通している。蒸気処理装置16は、燃料蒸気を吸着するチャコールキャニスタを含む。蒸気処理装置16は、チャコールキャニスタから燃料蒸気を内燃機関11に向けて追い出すパージシステムを含む。蒸気処理装置16は、燃料蒸気を内燃機関11に供給する。蒸気処理装置16は、燃料蒸気を内燃機関11によって燃焼することにより、燃料蒸気の大気放出を抑制する。
通気弁2は、燃料タンク12と通路管15との間に設けられている。通気弁2は、燃料の液位が所定水準(カットオフポイント)を上回るとき、通気通路を閉じる。これにより、通気弁2は、通気通路への液体成分の漏れ出しを抑制する。通気弁2は、燃料の液位が所定水準を下回るときに通気通路を開く。これにより、通気弁2は、燃料タンク12の内圧調節を可能とする。所定水準は、燃料タンク12の満燃料水準である。
燃料タンク通気弁
図1に戻り、通気弁2は、フロート弁21と、フロート制御機構61とを備える。フロート弁21は、ケース22と、フロート31とを備える。ケース22は、フロート室32を区画し、提供する。フロート室32は、フロート31を浮かせるための燃料を貯める。フロート室32は、カップ状の容器である。フロート室32は、フロート31を収容する。フロート弁21は、フロート31の挙動によって、通気通路を開閉する。フロート31は、燃料に浮く。フロート31は、燃料タンク12の内部の液位が上昇し、燃料がフロート室32に侵入すると、燃料に浮く。フロート31は、液位が上昇し、所定の水準に到達すると、通気通路を閉じる。フロート31は、燃料タンク12内の液位が下降し、燃料がフロート室32から排出されると、燃料に浮きながら下降する。フロート31は、液位が下降し、所定の水準に到達すると、通気通路を開く。
図1に戻り、通気弁2は、フロート弁21と、フロート制御機構61とを備える。フロート弁21は、ケース22と、フロート31とを備える。ケース22は、フロート室32を区画し、提供する。フロート室32は、フロート31を浮かせるための燃料を貯める。フロート室32は、カップ状の容器である。フロート室32は、フロート31を収容する。フロート弁21は、フロート31の挙動によって、通気通路を開閉する。フロート31は、燃料に浮く。フロート31は、燃料タンク12の内部の液位が上昇し、燃料がフロート室32に侵入すると、燃料に浮く。フロート31は、液位が上昇し、所定の水準に到達すると、通気通路を閉じる。フロート31は、燃料タンク12内の液位が下降し、燃料がフロート室32から排出されると、燃料に浮きながら下降する。フロート31は、液位が下降し、所定の水準に到達すると、通気通路を開く。
通気弁2は、フロート31の挙動を制御するためのフロート制御機構61を備える。フロート制御機構61は、通気通路のための開口より下においてケース22に形成されている。この開口は、通気開口、またはベンチレーションポートとも呼ばれる。フロート制御機構61は、ケース22の下部に設けられている。フロート制御機構61は、フロート室32の下部に設けられている。フロート制御機構61は、フロート室32への燃料の流入、流出を制御する。フロート制御機構61は、フロート室32への燃料の流入速度より、フロート室32からの燃料の流出速度が遅くする。フロート制御機構61は、流入速度と流出速度とに差を与えるように、フロート室32の下部における燃料開口の面積を制御する。
フロート制御機構61は、液面が上昇する場合には、速い第1応答性をもって、フロート弁21をアシストし、通気通路を閉じる。フロート制御機構61は、液面が下降する場合には、第1応答性より遅い第2応答性をもって、通気通路を開く。しかも、フロート制御機構61は、燃料タンク12の揺れに実質的に応答しない。これにより、通気弁2が閉じた後に、燃料タンク12が揺れても、閉弁状態が維持される。しかも、通気弁2が閉じた後に、液面が低下した場合には、燃料タンク12が揺れなくても、第2応答性により通気弁2が開弁する。
ケース22は、樹脂製である。ケース22は、アッパケース23と、ロワケース28とを有する。ケース22は、フロート31を収容するためのフロート室32を提供している。フロート室32は、燃料が貯まる容器でもある。アッパケース23は、フロート室32の中間部、または胴部を提供する。ロワケース28は、フロート室32の底部を提供する。
アッパケース23は、筒状である。アッパケース23は、燃料タンク12の壁から、燃料タンク12の内部空洞に向けて突出している。アッパケース23は、燃料タンク12の壁から、燃料タンク12の内部に垂下されている。
ロワケース28は、アッパケース23の下端の開口部27に設けられている。ロワケース28は、開口部27を不完全に閉塞している。ロワケース28は、アッパケース23に接合されている。なお、接合の語は、複数の部材を連結する手法を指す。接合の語は、接着、ネジ、溶着、ロウ付けなどの接合手法を含む。接合の語は、分解可能な接合と、破壊なしでは分解不能な接合とを含む。ロワケース28は、弁ケースとも呼ばれる。
ケース22は、連結部24を有する。連結部24は、アッパケース23に設けられている。連結部24は、ケース22を蓋14に連結するための連結機構の一部でもある。連結部24は、ボルト、スナップフィットなどの連結機構によって蓋14に連結されている。なお、連結の語は、固定的な連結と、緩い連結とを包含する。緩い連結は、小さい隙間、または相対的な振動を許容する場合がある。
ケース22は、フロート弁21のための固定弁座25を提供する。固定弁座25は、アッパケース23に設けられている。固定弁座25は、通気通路に設けられている。固定弁座25は、通気通路を開閉するための弁座を提供する。
フロート31は、浮体33を備える。浮体33は、樹脂製である。浮体33の比重は、燃料に浮く。フロート31は、シール部材34と、ホルダ35とを備える。シール部材34は、ゴム製の板である。シール部材34は、ホルダ35によって浮体33に連結されている。シール部材34は、固定弁座25に着座することにより、通気通路を閉じる。シール部材34は、固定弁座25から離れることにより、通気通路を開く。固定弁座25とシール部材34(フロート31)とは、開閉弁を提供する。開閉弁は、フロート31が浮いて上昇すると燃料タンク12の内部と外部とを連通する通気通路を閉じる。開閉弁は、フロート31が下降すると通気通路を開く。
浮体33とホルダ35との間には、連結機構36が形成されている。連結機構36は、スナップフィットによって提供されている。フロート31は、ケース22と浮体33との間に配置されたスプリング37を有する。スプリング37は、やや圧縮された状態で配置されている。スプリング37は、フロート31の浮力を調節する。
ケース22は、通気通路のための開口26を提供する。開口26は、アッパケース23に設けられている。開口26は、通気通路に設けられている。開口26は、通気通路を提供する。開口26は、ケース22の比較的上部に設けられている。開口26は、高さ方向に関して固定弁座25の近傍に設けられている。開口26は、ケース22の中央より上に設けられている。開口26の開口上端VTは、燃料タンク12の上端面に近い。開口26の開口下端VBは、ケース22の下端よりも上にある。開口下端VBは、ケース22の中央よりも上にある。開口26は、燃料蒸気および空気が通過することを意図して設けられている。ただし、液面が乱れている場合、液体成分(大量の燃料または燃料の飛沫)が侵入する場合がある。
ケース22は、アッパケース23の外壁に周方向に沿って配置された複数の開口26を有する。開口26は、通気通路を提供する主要な開口である。開口26は、燃料タンク12の圧力調整のための大量の気体を流すことができる開口面積を有する。
ケース22は、通気通路の出口部分に、障壁ドーム29を有する。障壁ドーム29は、燃料の飛沫を捕捉する。障壁ドーム29は、燃料の飛沫を戻すように作用する。さらに、ケース22は、機能部品のための部品配置部30を有する。部品配置部30は、例えば、リリーフ弁を収容するために用いることができる。リリーフ弁は、燃料タンク12内の圧力が異常な高圧に達すると開弁する。リリーフ弁は、樹脂製の弁体、または鋼球製の弁体を備えることができる。
ロワケース28は、第1プレート部材41と、第2プレート部材42とを有する。第1プレート部材41は、開口部27に設けられている。第1プレート部材41は、アッパケース23の下端に接合されている。第1プレート部材41と、第2プレート部材42とは、互いに接合されている。第1プレート部材41と、第2プレート部材42とは、それらの間に、弁室43を形成している。弁室43は、フロート室とケース22の下端とを連通する通路に設けられている。第1プレート部材41と、第2プレート部材42とは、弁ケースでもある。
図3は、図1の矢印IIIにおけるロワケース28の平面図である。図1および図3において、第1プレート部材41は、ガイド部材44を有する。ガイド部材44は、棒状である。ガイド部材44は、フロート室32の中央に、底面から延び出している。ガイド部材44は、第1プレート部材41から垂直に突出する柱状部材である。ガイド部材44は、フロート31を案内する。
第1プレート部材41は、開口45を有する。開口45は、閉塞されることがない。開口45は、扇形である。第1プレート部材41は、複数の開口45を有する。開口45は、ガイド部材44の径方向外側に配置されている。開口45は、フロート室32と弁室43とを連通している。
第1プレート部材41は、フロートとの密着を回避するための複数の突部46を有する。複数の突部46は、それらの間に複数の溝を形成している。複数の突部46は、開口45の径方向外側に放射状に配置されている。複数の突部46は、フロートの下端面と接触することにより、燃料のための通路を提供している。
図1に戻り、第2プレート部材42は、燃料入口としての開口47を有する。開口47は、弁室43と通気弁2の下面との間に形成されている。弁室43と開口47との間には、方向弁51が形成されている。方向弁51は、燃料の流れ方向を制限する。方向弁は、フロート室32へ流入する燃料を許容し、フロート室32から流出する燃料を制限する。方向弁51は、逆止弁によって提供されている。逆止弁は、フロート室32へ流入する燃料を許容し、フロート室32から流出する燃料を阻止する。弁室43は、可動の弁体52を収容している。弁体52は、ボールによって提供されている。第2プレート部材42は、弁体52が着座する固定の弁座53を提供する。弁体52と弁座53とは、方向弁51を提供する。この方向弁51は、開口47からフロート室32への燃料の侵入を許容し、フロート室32から開口47への燃料の排出を制限する。方向弁51は、フロート制御機構61の一部を提供する。
第2プレート部材42は、制限リブ48を有する。第2プレート部材42は、弁体52の周囲に放射状に配置された複数の制限リブ48を有する。制限リブ48は、弁体52の可動方向を制限するための制限部材を提供する。複数の制限リブ48は、上下方向における弁体52の変位を許容し、横方向における弁体52の変位を制限する。上下方向は、弁体52と弁座53との着座方向および離座方向である。横方向は、燃料タンク12の揺れ方向である。言い換えると、複数の制限リブ48は、液位の上下動に起因する弁体52の移動を許容し、燃料タンク12の横揺れに起因する弁体52の移動を制限する。この結果、弁体52は、燃料タンク12の揺れに応答しない。弁体52は、専ら燃料の流れに応答する。
第2プレート部材42は、固定の開口面積を提供する固定開口49を有する。固定開口49は、弁室43と通気弁2の下面との間に形成されている。第2プレート部材42は、複数の固定開口49を提供している。固定開口49は、開閉されない。よって、固定開口49は、フロート室32への入口として、かつ、フロート室32からの出口として機能する。固定開口49は、フロート制御機構61の一部を提供する。
図4は、図1の矢印IVにおけるロワケース28の平面図である。図1および図4において、開口47は、第2プレート部材42の中央に配置されている。複数の開口49は、開口47の径方向外側に環状に配置されている。
図1に戻り、複数の開口49は、固定の連通面積A49を提供する。方向弁51は、閉弁状態において、弁体52が弁座53に着座している。方向弁51は、閉弁状態において制限面積A51rを提供する。制限面積A51rは、ゼロ(0)または微小な面積である。方向弁51は、開弁状態において、環状の可変面積A51vを提供する。可変面積A51vは、最小可変面積A51minと最大面積A51maxとの間で可変である。よって、最小可変面積A51minは、制限面積A51rに等しい(A51r=A51min)。最大可変面積A51maxは、制限面積A51rより大きい(A51max>A51r)。最大可変面積A51maxは、連通面積A49より大きい(A51max>A49)。この実施形態では、制限面積A51rは、ゼロ(0)である(A51r=A51min=0)。
燃料タンク12内の液位が上昇するとき、フロート室32に燃料が流入する。このとき、方向弁51と固定開口49とは、流入面積Ainを提供する。流入面積Ainは、可変面積A51vと連通面積A49との和である(Ain=A51v+A49)。燃料タンク12内の液位が下降するとき、フロート室32から燃料が排出される。このとき、方向弁51と固定開口49とは、流出面積Aoutを提供する。流出面積Aoutは、制限面積A51rと連通面積A49との和である(Aout=A51r+A49=A49)。流入面積Ainは、流出面積Aoutより大きい(Ain>Aout)。
この結果、フロート室32の液位は、急速に上昇するが、ゆっくりと下降する。フロート室32の液位の上昇は、燃料タンク12の液位の上昇とほぼ同じである。この“ほぼ同じ”は、方向弁51および固定開口49の流通抵抗によって不可避に生じる微小な遅れ時間を含む。フロート室32の液位の下降は、燃料タンク12の液位の下降より所定の遅れ時間だけ遅れる。この“所定の遅れ時間”は、数秒以上の有意な時間である。流入面積Ainと流出面積Aoutとの面積差が、数秒の遅れを生み出す。遅れ時間は、燃料タンク12の液位が、開口26へ燃料が侵入しにくい水準まで低下する低下時間を考慮して設定される。例えば、遅れ時間は、低下時間より長く設定される。フロート制御機構61は、弁体52と弁座53とが提供する方向弁51と、固定開口49とにより提供されている。
図1において、通気弁2は、障壁部材71を備える。障壁部材71は、樹脂製である。障壁部材71は、ケース22の一部として配置されている。障壁部材71は、筒状である。障壁部材71は、下から、上に向けて、徐々に段階的に縮径する先細の筒状である。
障壁部材71は、ケース22の内面に沿って配置されている。障壁部材71は、フロート31の外面に沿って配置されている。障壁部材71は、径方向に関して開口26とフロート31との間に設けられている。障壁部材71は、開口26の下においてケース22から延び出している。障壁部材71は、フロート31に沿って延び出している。障壁部材71は、開口26の径方向内側においてフロート室32を形成している。障壁部材71は、障壁上端CTを有する。障壁部材71が形成するフロート室32は、開口上端VTより上にまで広がっている。よって、フロート室32の燃料は、開口上端VTより上にまで貯まることがある。障壁上端CTは、開口上端VTより上に位置する(CT>VT)。言い換えると、障壁上端CTは、開口上端VTより高い。障壁上端CTは、フロート31の上端より低い。障壁上端CTは、固定弁座25の弁座位置VFより低い(CT<VF)。障壁部材71は、カップとも呼ばれる。
障壁部材71は、開口26より上に延び出している。障壁部材71は、開口26とフロート31との間に位置し、かつ、開口26より上に延び出している。フロート31は、障壁部材71の障壁上端CTより上に延び出している。
障壁部材71は、開口26を比較的高い位置に設けることを可能とする。障壁部材71は、開口26を、フロート弁21の固定弁座25の近傍に設けることを可能とする。障壁部材71は、開口上端VTを、弁座位置VFの近傍に設けることを可能とする。この“近傍”の語は、高さ方向に関する開口26と弁座位置VFとの間の距離を指す。“近傍”は、通気通路において比較的大流量を許容する。
障壁部材71は、開口26からフロート室32に侵入する燃料の飛沫を捕捉する。障壁部材71の外面は、燃料を開口26へ戻すように作用する。障壁部材71の外面は、上から下へ向けて、外径が拡大するように傾斜している。この傾斜は、下から上へ向かう燃料の流れを妨げる。傾斜は、上から下へ向かう燃料の流れを助長する。
さらに、障壁部材71は、ケース22の内面と、フロート31との間に位置している。障壁部材71は、ケース22の内面と、フロート31との間において、高さ方向に沿って延在している。このため、障壁部材71は、燃料蒸気(燃料の気体成分と空気とを含む)の流れによる、フロート31への流体力学的な作用を抑制する。燃料蒸気は、開口26から固定弁座25へ向けて流れる。この流れは、フロート31の挙動に流体力学的な影響を与える。例えば、流れは、フロート31に揚力を与える場合がある。
図5は、障壁部材71を示す。障壁部材71は、段付きの筒状である。障壁部材71は、下部72を有する。下部72は、外径DLを有する。障壁部材71は、開口26と対向して位置づけられる中間部74を有する。中間部74は、外径DMを有する。外径DMは、外径DLより小さい。下部72と中間部74との間には、段差部73によって連続している。障壁部材71は、中間部74より上に延び出す傾斜部75を有する。傾斜部75は、中間部74から上に向けて外径が徐々に小さくなるように傾斜している。障壁部材71は、傾斜部75の先端に先端縁76を有する。先端縁76は、内径DTの開口を提供している。この先端縁76が、障壁部材71の障壁上端CTを規定している。
傾斜部75は、フロート31に沿って障壁部材71を長く配置することを可能とする。また、傾斜部75は、燃料タンク12が傾斜して液面が傾斜した場合に、障壁部材71の先端縁76からの燃料の侵入を抑制する。
図1において、下部72は、アッパケース23の内面に沿って延びている。下部72は、障壁部材71を支持するための支持部として機能する。これに対して、段差部73、中間部74、傾斜部75、および先端縁76は、開口26から固定弁座25に向かう流れに対して障壁を提供している。
図6は、図1の矢印VIにおける開口26の平面図である。図は、開口26と障壁部材71との位置関係を示している。中間部74は、開口26の径方向内側に位置している。言い換えると、開口26は、中間部74の径方向外側に位置している。障壁部材71は、ケース22から離れて位置づけられている。開口上端VTは、中間部74と傾斜部75との境界に位置している。開口下端VBは、中間部74の下端に位置している。開口下端VBは、障壁部材71に沿って流れる燃料をケース22の外に排出するように位置づけられている。下端VBは、高さ方向に関して段差部73とほぼ同じ高さにある。この“ほぼ同じ高さ”の語は、燃料の排出を意図して規定されている。“ほぼ同じ高さ”は、ケース22と障壁部材71との間に大量の燃料が貯まらないように規定されている。これにより、障壁部材71の外面に沿って流れ下る燃料は、開口26から排出される。
開口26は、主開口26aと、主開口26aより下に位置する副開口26bとを有する。主開口26aは、正方形または長方形である。副開口26bは、スリット形、または溝形である。主開口26aと副開口26bとは、T字型に配置されている。副開口26bは、高さ方向に沿って延在している。副開口26bは、主開口26aと連続して形成されている。主開口26aと副開口26bとの開口面積は、空気および燃料蒸気の主通路として設定されている。副開口26bは、下端VBを提供することにより、燃料の排出を可能とする。さらに、主開口26aは、副開口26bより上に位置している。これにより、開口26からの燃料の飛沫の侵入が抑制される。
作動
図1を参照しながら、通気弁2の作動が説明される。燃料の液位が通気弁2より低い低液位FLLにあるとき、フロート31および弁体52は、図示される位置に着座している。シール部材34は、固定弁座25から離れている。このとき、通気弁2は、通気通路を開き、図示される矢印の経路を通して、燃料タンク12の内部と外部とを連通している。
図1を参照しながら、通気弁2の作動が説明される。燃料の液位が通気弁2より低い低液位FLLにあるとき、フロート31および弁体52は、図示される位置に着座している。シール部材34は、固定弁座25から離れている。このとき、通気弁2は、通気通路を開き、図示される矢印の経路を通して、燃料タンク12の内部と外部とを連通している。
燃料の液位が上昇すると、通気弁2は燃料に浸かる場合がある。この場合、燃料はフロート室32に侵入する。このとき、燃料は、複数の固定開口49と、方向弁51とを通る。燃料がフロート室32に侵入すると、フロート31は燃料に浮く。この結果、フロート31の高さ方向の位置は、液位に応じて変動する。複数の固定開口49と方向弁51とが提供する比較的大きい開口面積は、燃料タンク12の液位の変動と、フロート室32の液位の変動との時間遅れを生じない。液位が所定の高さ(カットオフポイント)に到達すると、フロート31は、シール部材34を固定弁座25に押し付ける。この結果、フロート弁21は、通気通路を閉じる。
フロート弁21が通気通路を閉じる前に、液面が乱れると、燃料の飛沫が開口26を通って侵入する場合がある。この場合、障壁部材71は、燃料の飛沫の流れを妨げる。さらに、障壁部材71は、燃料の排出を促進する。また、開口26の下端VBは、段差部73にほぼ等しい高さに位置している。よって、燃料の排出が促進される。障壁上端CTは、開口上端VTより高い。この配置も、燃料の飛沫の捕捉と、燃料の排出とを促進する。さらに、先細の障壁部材71は、上下方向に長い外面を提供する。よって、先細の形状が、燃料の飛沫の捕捉と、燃料の排出とを促進する。
燃料の液位がさらに上昇し、高液位FLHに到達することがある。この場合、液位は、開口26に到達している。ただし、燃料が高液位FLHに到達する前に、フロート弁21は、通気通路をすでに閉じている。よって、燃料は、通気通路に漏洩しない。
燃料は、高液位FLH、またはカットオフポイントから下降する場合がある。言い換えると、シール部材34が固定弁座25に着座した後に、液位が下降する場合がある。この場合、フロート室32内の燃料は、複数の固定開口49から流出する。このとき、方向弁51は開かない。
燃料タンク12の液位がゆっくりと下降する場合、フロート室32内の液位は、燃料タンク12内の液位とともに下降する。燃料タンク12の液位が速く下降する場合、フロート室32内の液位は、燃料タンク12内の液位よりもゆっくりと下降する。複数の固定開口49が、絞りとして機能するからである。このとき、方向弁51は開かない。しかも、方向弁51は、制限リブ48を有するから、燃料タンク12の揺れに応答しない。この結果、燃料タンク12が揺れても、方向弁51は、開かない。これにより、燃料タンク12が揺れても、フロート室32の液位は、燃料タンク12の液位より遅れて、ゆっくりと下降する。
複数の固定開口49が提供する絞り作用により、フロート室32内の液位低下は、燃料タンク12内の液位低下から遅延される。この結果、燃料タンク12内の液位の下降を追うようにして、フロート室32の液位が下降する。言い換えると、燃料タンク12の液位は、フロート室32の液位より先に下降する。
フロート室32の液位が、所定水準より低く下降すると、フロート31は、シール部材34を固定弁座25から引き離す。この結果、フロート弁21は、通気通路を開く。フロート室32の液位が所定水準に下降したときには、燃料タンク12の液位は、所定水準より低く先に低下している。このため、燃料タンク12内の燃料は、開口26に到達しにくい。この結果、燃料タンク12の燃料の漏洩が抑制される。
なお、フロート室32内の燃料は、フロート31および障壁部材71に接するから、液面が乱れにくい。しかも、障壁部材71は、先細に形成されている。よって、液面の乱れが抑制される。この結果、フロート室32の燃料は、固定弁座25に到達しにくい。
以上に述べた実施形態によると、フロート制御機構61は、フロート室32の燃料を流入しやすく、流出しにくく制御する。これにより、燃料が漏れにくいフロート弁21が提供される。しかも、方向弁51は、燃料タンク12の揺れに応答しないように形成されている。この結果、燃料タンク12が揺れる場合でも、燃料タンク12の液位に応じてフロート弁21を制御することができる。
以上に述べた実施形態によると、通気通路を提供する開口26の径方向内側に、障壁部材71が設けられている。この結果、開口26を固定弁座25の近傍に設けても、開口26からの燃料の流入が抑制される。しかも、障壁部材71は、先細の筒状に形成されている。この結果、燃料の捕捉、捕捉された燃料の戻しが促進される。
第2実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。この実施形態は、部品点数の低減、樹脂材料量の低減、および、重量の低減の少なくともひとつに貢献する。さらに、この実施形態は、コストの低減に貢献する。この実施形態では、簡単化された燃料タンク通気弁2が提供されている。なお、固定弁座25とシール部材34とは閉弁状態を示している。
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。この実施形態は、部品点数の低減、樹脂材料量の低減、および、重量の低減の少なくともひとつに貢献する。さらに、この実施形態は、コストの低減に貢献する。この実施形態では、簡単化された燃料タンク通気弁2が提供されている。なお、固定弁座25とシール部材34とは閉弁状態を示している。
図7において、左半部は、弁体52が弁座53に着座している状態を示している。図7において、右半部は、弁体52が弁座53から最大にリフトしている状態を示している。この実施形態の燃料タンク通気弁2は、障壁部材71を備えない。浮体33は、肩部に斜面238を有する。斜面238は、浮体33の最も径方向外側から延びている。斜面238は、円錐台状の環状外面を提供する。斜面238は、連結機構36のための段部まで連続している。斜面238は、空気および燃料の流れを固定弁座25に向けて導いている。斜面238は、固定弁座25の周辺に到達した燃料が、滑らかに流れ降ることを可能とする。また、斜面238は、液面の位置を、中心軸上に位置する固定弁座25から、径方向外側に遠ざけている。この実施形態でも、開口26を固定弁座25の近傍に設けても、開口26からの燃料の流入が抑制される。
先行する実施形態では、第1プレート部材41に立設されたガイド部材44によってフロート31の径方向位置が規定されている。先行する実施形態の構造は、フロート31の支持に関して、センタ支持とも呼ばれる。これに代えて、フロート31の径方向位置は、ケース22の内面に設けられたガイド部材244によって規定されてもよい。ケース22は、内面に複数のガイド部材244を有する。ガイド部材244は、ケース22の内面から、径方向内側に向けて突出するように形成されている。ガイド部材244は、ケース22の内面のうち、フロート31に対向する範囲に形成されている。ガイド部材244は、ケース22の内面に沿って上下方向に延びている。ガイド部材244は、ケース22の内面に等間隔、または、不等間隔に位置づけられている。ガイド部材244は、浮体33の外面に接触可能である。ガイド部材244は、浮体33の外面に接触することにより、フロート31を上下方向へ移動可能に、しかも、ケース22内の中心軸上に保持している。
先行する実施形態では、弁室43は、第1プレート部材41と第2プレート部材42との間に形成されている。これに代えて、この実施形態では、弁室243は、専ら第1プレート部材241によって形成されている。燃料タンク通気弁2は、第2プレート部材42を備えない。第1プレート部材241は、アッパケース23の下端を、開口47および開口49を除いて閉塞している。第1プレート部材241は、下端の蓋を提供している。
弁体52は、第1プレート部材241によって下方向および横方向に関して移動を規制されている。制限リブ48は、横方向の移動を制限する。特に、制限リブ48は、燃料タンク通気弁2に想定される通常の横揺れだけでは、弁体52が弁座53から離れないように、弁体52の横方向の移動を制限している。制限リブ48の高さは、フロート31が最も上に移動した状態においても、弁体52を弁室243内に保持するように設定されている。ストッパ部材254は、浮体33の一部である。ストッパ部材254は、フロート31の中心軸上に位置する棒状部材である。ストッパ部材254の下面は、弁体52と対向するように位置づけられている。弁体52は、ストッパ部材254によって上方向に関して移動を規制されている。
ホルダ35は、シール部材34を浮体33に連結している。ホルダ35は、シール部材34の上面から、シール部材34の周辺部位に被せられている。この結果、ホルダ35は、浮体33に固定されている。シール部材34は、浮体33とホルダ35との間の隙間に保持されている。ホルダ35は、上面の一部に切欠部235aを有する。切欠部235aは、シール部材34を囲む環状の部材の一部に位置している。切欠部235aは、径方向に延在している。切欠部235aは、ホルダ35の上面から下方向へ延びている。切欠部235aは、径方向内側および径方向外側の両端に開口を有する。切欠部235aは、上方向に開口を有する溝状である。切欠部235aの底面は、シール部材34の上面と同等の高さ位置、あるいは、シール部材34の上面より低い高さ位置に位置している。言い換えると、切欠部235aの底面は、シール部材34の上面以下に位置している。切欠部235aは、ホルダ35に環状部を残すように形成されている。環状部は切欠部235aより下に位置している。ホルダ35の環状部は、ホルダ35に、望ましい機械的な強度を付与するために貢献する。切欠部235aは、シール部材34の上から液体の燃料が流れ落ちるための排出路を提供する。ホルダ35は、シール部材34の上において、実質的にC字状の堤を提供する。なお、ホルダ35は、複数の切欠部235aを備えることができる。
シール部材34の上に燃料が到達する場合、燃料は、シール部材34の上から切欠部235aを通して流れ落ちる。切欠部235aによって、シール部材34の上への燃料の溜まりが抑制される。これにより、シール部材34の上におけるガム質物質の生成、および、異物の滞留が抑制される。また、シール部材34の上に溜まった燃料が、固定弁座25を越えて通路管15へ流出する事態が抑制される。
この実施形態でも、フロート制御機構61は、通気開口としての開口26より下においてケース22に形成されている。フロート制御機構61は、フロート室32へ燃料が流入する流入面積Ainを、フロート室32から燃料が流出する流出面積Aoutより大きくしている(Ain>Aout)。フロート制御機構61は、フロート室32の下端からの燃料の流入と流出とに応答する方向弁51を備える。フロート制御機構61は、方向弁51によって開閉される開口47を有する。フロート制御機構61は、フロート室32の下端において、フロート室32と外部とを常時連通している開口49を有する。この実施形態でも、先行する実施形態と同様の作用効果が得られる。
第3実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、切欠部235aはホルダ35の上面から下方向へ延びている。これに代えて、この実施形態は、ホルダ35の下面から上方向へ延びる切欠部335aが形成されている。
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、切欠部235aはホルダ35の上面から下方向へ延びている。これに代えて、この実施形態は、ホルダ35の下面から上方向へ延びる切欠部335aが形成されている。
図8において、ホルダ35は、下面の一部に切欠部335aを有する。切欠部335aはホルダ35の下面から上方向に延びるように形成されている。切欠部335aの天井面は、シール部材34の上面と同等の高さ位置、あるいは、シール部材34の上面より高い高さ位置に位置している。言い換えると、切欠部335aの天井面は、シール部材34の上面以上に位置している。切欠部235aは、下方向に開口を有する溝状である。切欠部335aは、ホルダ35に環状部を残すように形成されている。環状部は切欠部235aより上に位置している。この実施形態でも、切欠部335aは、シール部材34の上面における燃料の溜まりを抑制する。
他の実施形態
この明細書および図面等における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、請求の範囲の記載によって示され、さらに請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
この明細書および図面等における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、請求の範囲の記載によって示され、さらに請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
明細書および図面等における開示は、請求の範囲の記載によって限定されない。明細書および図面等における開示は、請求の範囲に記載された技術的思想を包含し、さらに請求の範囲に記載された技術的思想より多様で広範な技術的思想に及んでいる。よって、請求の範囲の記載に拘束されることなく、明細書および図面等の開示から、多様な技術的思想を抽出することができる。
上記実施形態では、フロート31は、ゴム製のシール部材34を備える。これに代えて、シール部材34は、エラストマ等の樹脂製でもよい。また、フロート31は、浮体33の一部が固定弁座25に直接的に接触してもよい。
上記実施形態では、ケース22およびフロート31の多くの部分に樹脂が用いられている。樹脂は、耐燃料性、および耐熱性をもつ多様な樹脂から選択することができる。例えば、樹脂として、POM等のエンジニアリングプラスチックと呼ばれる樹脂を利用することができる。
上記実施形態では、方向弁51は、鋼球製のボールを弁体52として用いている。これに代えて、方向弁51は、樹脂製のボールを用いてもよい。さらに、金属製または樹脂製のプランジャを弁体52として用いてもよい。さらに、方向弁51は、閉弁方向へ予荷重を与えるスプリング等の付勢部材を備えていてもよい。さらに、方向弁51は、フラップ式の樹脂板、フラップ式のゴム板、ダックビルによって提供されてもよい。
上記実施形態では、フロート制御機構61は、方向弁51と、複数の固定開口49とによって提供されている。これに代えて、フロート制御機構61は、方向弁51とそのブリードポートとによって提供されてもよい。ブリードポートは、弁体52に形成された貫通穴、または弁座53に形成された溝によって提供することができる。ブリードポートは、ゼロ(0)ではない制限面積A51rを提供する。この場合、制限面積A51rは、連通面積A49を提供する。この場合、フロート制御機構61は、方向弁51だけで提供することができる。また、複数の固定開口49に代えて、ひとつの固定開口49を設けてもよい。
上記実施形態では、通気弁2は、蓋14に連結されている。これに代えて、通気弁2は、ポンプを支持するポンプモジュールのフランジに連結されていてもよい。さらに、通気弁2は、燃料タンク12に溶着されたキャップ、または燃料タンク12に固定されたブラケットに連結されていてもよい。
上記実施形態では、開口26は、T字型である。これに代えて、主開口26aと副開口26bとを独立させてもよい。例えば、副開口26bは、開口下端VBを提供する独立した開口によって提供できる。また、主開口26aおよび副開口26bは、四角形、四辺形、円形、長円形、楕円形など多様な形状によって提供することができる。
上記実施形態では、障壁部材71は、傾斜部75を備える。これに代えて、多段階の階段部を設けてもよい。この場合も、先細の障壁部材71をケース22とフロート31との間に設けることができる。また、障壁部材71は、下から、上に向けて、段階的に縮径している。これに代えて、障壁部材71は、連続的に縮径していてもよい。
第2実施形態および第3実施形態では、切欠部235aまたは切欠部335aが採用されている。切欠部235aまたは切欠部335aは、ホルダ35に溝状の排出路を形成する。これに代えて、ホルダ35は、貫通穴状の排出路を形成する切欠部を備えることができる。この場合、切欠部は、径方向の両端にだけに開口を有する。
1 燃料供給システム、 2 燃料タンク通気弁(通気弁)、
11 内燃機関、 12 燃料タンク、 13 燃料ポンプ、
14 蓋、 15 通路管、 16 蒸気処理装置、
21 フロート弁、 22 ケース、 23 アッパケース、
24 連結部、 25 固定弁座、 26 開口(通気開口)、
26a 主開口、 26b 副開口、 27 開口部、
28 ロワケース、 29 障壁ドーム、 30 部品配置部、
31 フロート、 32 フロート室、 33 浮体、
34 シール部材、 35 ホルダ、 36 連結機構、
37 スプリング、 41 第1プレート部材、
42 第2プレート部材、 43 弁室、 44 ガイド部材、
45 開口、 46 突部、 47 開口、 48 制限リブ、
49 固定開口、51 方向弁、52 弁体、53 弁座、
61 フロート制御機構、 71 障壁部材、
72 下部、73 段差部、74 中間部、75 傾斜部、
76 先端縁、 CT 障壁上端、 VT 開口上端、
VB 開口下端、 VF 弁座位置、 DL、DM 外径、
DT 内径、 FLL 低液位、 FLH 高液位、
A49 連通面積、A51r 制限面積、A51v 可変面積、
A51min 最小可変面積、A51max 最大可変面積、
238 斜面、 241 第1プレート部材、 243 弁室、
244 ガイド部材、 254 ストッパ部材、 235a 切欠部、
335a 切欠部。
11 内燃機関、 12 燃料タンク、 13 燃料ポンプ、
14 蓋、 15 通路管、 16 蒸気処理装置、
21 フロート弁、 22 ケース、 23 アッパケース、
24 連結部、 25 固定弁座、 26 開口(通気開口)、
26a 主開口、 26b 副開口、 27 開口部、
28 ロワケース、 29 障壁ドーム、 30 部品配置部、
31 フロート、 32 フロート室、 33 浮体、
34 シール部材、 35 ホルダ、 36 連結機構、
37 スプリング、 41 第1プレート部材、
42 第2プレート部材、 43 弁室、 44 ガイド部材、
45 開口、 46 突部、 47 開口、 48 制限リブ、
49 固定開口、51 方向弁、52 弁体、53 弁座、
61 フロート制御機構、 71 障壁部材、
72 下部、73 段差部、74 中間部、75 傾斜部、
76 先端縁、 CT 障壁上端、 VT 開口上端、
VB 開口下端、 VF 弁座位置、 DL、DM 外径、
DT 内径、 FLL 低液位、 FLH 高液位、
A49 連通面積、A51r 制限面積、A51v 可変面積、
A51min 最小可変面積、A51max 最大可変面積、
238 斜面、 241 第1プレート部材、 243 弁室、
244 ガイド部材、 254 ストッパ部材、 235a 切欠部、
335a 切欠部。
Claims (10)
- 燃料に浮くフロート(31)と、
前記フロートを収容し、かつ前記フロートを浮かせる燃料を貯めるフロート室(32)を区画するケース(22)と、
前記フロートが浮いて上昇すると燃料タンクの内部と外部とを連通する通気通路を閉じ、前記フロートが下降すると前記通気通路を開く開閉弁(25、34)と、
前記ケースに形成され、前記通気通路を提供する通気開口(26)と、
前記通気開口より下において前記ケースに形成され、前記フロート室へ前記燃料が流入する流入面積(Ain)を、前記フロート室から燃料が流出する流出面積(Aout)より大きく(Ain>Aout)するフロート制御機構(61)とを備える燃料タンク通気弁。 - 前記フロート制御機構は、前記フロート室へ流入する前記燃料を許容し、前記フロート室から流出する燃料を制限する方向弁(51)を含む請求項1に記載の燃料タンク通気弁。
- 前記方向弁は、弁体(52)と弁座(53)とを有し、
上下方向における前記弁体の変位を許容し、横方向における前記弁体の変位を制限する制限部材(48)を備える請求項2に記載の燃料タンク通気弁。 - 前記制限部材は、前記弁体の周囲に放射状に配置された複数の制限リブによって提供されている請求項3に記載の燃料タンク通気弁。
- 前記方向弁は、前記フロート室へ流入する前記燃料を許容し、前記フロート室から流出する燃料を阻止する逆止弁である請求項2から請求項4のいずれかに記載の燃料タンク通気弁。
- 前記フロート制御機構は、前記通気開口より下において、固定の連通面積(A49)を提供する固定開口(49)を有する請求項1から請求項5のいずれかに記載の燃料タンク通気弁。
- 前記フロート制御機構は、前記方向弁と、前記通気開口より下において前記ケースに形成され、固定の連通面積(A49)を提供する固定開口(49)とによって提供されている請求項2から請求項5のいずれかに記載の燃料タンク通気弁。
- 前記フロート制御機構は、前記フロート室への燃料の流入速度より、前記フロート室からの燃料の流出速度を遅くする請求項1から請求項7のいずれかに記載の燃料タンク通気弁。
- 前記フロート制御機構は、液面が上昇する場合には、第1応答性をもって、通気通路を閉じ、液面が下降する場合には、第1応答性より遅い第2応答性をもって、通気通路を開く請求項1から請求項8のいずれかに記載の燃料タンク通気弁。
- さらに、前記通気開口と前記フロートとの間に設けられた障壁部材(71)を備える請求項1から請求項9のいずれかに記載の燃料タンク通気弁。
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2019
- 2019-08-23 JP JP2019153139A patent/JP2020056399A/ja active Pending
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