JP2018013087A - 燃料タンク用通気制御弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】望ましい応答性を有する燃料タンク用通気制御弁を提供する。【解決手段】燃料タンクの内部と外部とを連通する通気通路に設けられる燃料タンク用通気制御弁3を提供する。燃料タンク用通気制御弁3は、燃料の液面に浮いて上下動するフロート21を備える。フロート21に連動して通気通路の通路断面積を、開放状態、および開放状態より通路断面積が規制された規制状態に切り替える弁機構7を備える。フロート21の上下動に連動して容積が大小に変化する容積室33と、容積室33の内部から外部への流体の流出を第1状態とし、外部から内部への流入を第1状態と異なる第2状態にする流量調整機構41を備える。【選択図】図3
Description
この明細書における開示は、燃料タンクの通気路を開閉する燃料タンク用通気制御弁に関する。
特許文献1および特許文献2は、燃料タンクの通気のための通路に設けられたフロート弁を開示する。フロート弁のひとつの用途である制御弁が開示されている。制御弁は、満タン(燃料タンクの上限まで給油された状態)を制御するための満タン制御弁とも呼ばれる。この装置は、給油装置の停止を促すように、燃料タンク内で発生する燃料蒸気の通気を制御する。この装置は、通気を制御するための2つの弁を備えている。この装置は、液体の燃料が到達すると、燃料に浮くことによって閉弁し通気を停止するフロート弁を有する。
フロート弁は、燃料の液面に応じて移動する。同時に、フロート弁は、気体および/または液体の流れに応じて移動することがある。例えば、サブフロート弁は、最初のオートカットを実現するために、燃料の液面に応じて燃料通路を閉じる。しかし、同時に、燃料蒸気の流れに応じて移動することがある。例えば、燃料蒸気処理装置の負圧が脈動的に変動すると、サブフロート弁が上下に振動的に移動することがある。フロート弁の移動は、フロート弁と他の部材とを衝突させることがある。このような衝突は、望ましくない騒音を生じることがあった。上述の観点において、または言及されていない他の観点において、燃料タンク用通気制御弁にはさらなる改良が求められている。
開示されるひとつの目的は、望ましい応答性を有する燃料タンク用通気制御弁を提供することである。
開示される他のひとつの目的は、閉じやすく、開きにくい応答性を有する燃料タンク用通気制御弁を提供することである。
開示は、燃料タンクの内部と外部とを連通する通気通路に設けられる燃料タンク用通気制御弁を提供する。燃料タンク用通気制御弁は、燃料の液面に浮いて上下動するフロート(21)を備え、フロートに連動して通気通路の通路断面積を、開放状態、および開放状態より通路断面積が規制された規制状態に切り替える弁機構(7)と、フロートの上下動に連動して容積が大小に変化する容積室(31、32、33)と、容積室の内部から外部への流体の流出を第1状態とし、外部から内部への流入を第1状態と異なる第2状態にする流量調整機構(41)を備える。
開示される燃料タンク用通気制御弁によると、通気通路には弁機構が設けられる。弁機構は、開弁動作と、閉弁動作とを行う。弁機構には、容積室と流量調整機構とが設けられている。フロートは、上下動によって、閉弁動作および開弁動作を提供する。容積室は、フロートの動きを規制するダンパとして機能する。よって、容積室は、フロートの閉弁動作および/または開弁動作を規制するダンパとして機能する。流量調整機構は、容積室の内部から外部への流体の流れ出しを第1状態とし、外部から内部への流れ込みを第1状態と異なる第2状態にする。例えば、流量調整機構は、閉弁動作および/または開弁動作を遅く調節する。閉弁動作が遅く調節されると、閉弁時のエネルギが抑制される。開弁動作が遅く調節されると、閉弁動作の応答性を損なうことなく、開弁のためのストローク量を抑制することができ、次の閉弁時のエネルギが抑制される。この結果、望ましくない打撃の発生を防止することができる。
この明細書における開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態の部分との対応関係を例示的に示すものであって、技術的範囲を限定することを意図するものではない。この明細書に開示される目的、特徴、および効果は、後続の詳細な説明、および添付の図面を参照することによってより明確になる。
図面を参照しながら、複数の実施形態を説明する。複数の実施形態において、機能的におよび/または構造的に対応する部分および/または関連付けられる部分には同一の参照符号、または百以上の位が異なる参照符号が付される場合がある。対応する部分および/または関連付けられる部分については、他の実施形態の説明を参照することができる。
第1実施形態
図1において、燃料貯蔵装置1は、燃料タンク2、制御弁3、および燃料蒸気処理装置4を備える。燃料貯蔵装置1は、車両に搭載されている。車両は、走行車両または船舶などである。燃料貯蔵装置1は、車両に搭載された内燃機関に燃料を供給する。内燃機関は、移動用の動力を供給する。燃料貯蔵装置1は、燃料ポンプ、燃料フィルタ、燃料噴射装置などの燃料供給装置を含むことができる。
図1において、燃料貯蔵装置1は、燃料タンク2、制御弁3、および燃料蒸気処理装置4を備える。燃料貯蔵装置1は、車両に搭載されている。車両は、走行車両または船舶などである。燃料貯蔵装置1は、車両に搭載された内燃機関に燃料を供給する。内燃機関は、移動用の動力を供給する。燃料貯蔵装置1は、燃料ポンプ、燃料フィルタ、燃料噴射装置などの燃料供給装置を含むことができる。
燃料タンク2は、大気へ開放されることなく給油される密閉型の燃料タンクである。制御弁3は、燃料タンク2に設けられている。制御弁3は、燃料タンク2内に空気室を形成する。制御弁3は、燃料タンク2に設けられた燃料供給装置、例えばポンプモジュールに設けられてもよい。制御弁3は、燃料タンク用フロート弁を提供する。制御弁3は、燃料タンク2と外部との間の通気を制御する。制御弁3は、燃料タンク用通気制御弁とも呼ばれる。制御弁3は、燃料タンク2と燃料蒸気処理装置4との間の通気のための通気通路に設けられている。通気通路は、燃料タンク2から燃料蒸気処理装置4への気体の排出に利用される。通気通路は、換気通路、または呼吸通路とも呼ばれる。制御弁3は、通気通路を開閉する。制御弁3は、燃料タンク2の上部の壁面に設けられている。
制御弁3は、燃料タンク2と燃料蒸気処理装置4との間の通気を許容することによって給油口からの給油を許容する。制御弁3は、燃料タンク2の中に空気室を残すための筒状のケースでもある。別の見方では、制御弁3は、空気室を形成するために、燃料タンク2の所定の位置から垂下されている。制御弁3は、燃料タンク2と燃料蒸気処理装置4との間の通気を遮断することによって給油口からの給油の停止を促す。制御弁3が通気を遮断することにより、給油口に向けて燃料液面が上昇する。この結果、給油装置5の自動停止機構(オートストップ機構とも呼ばれる)が反応し、給油装置5からの給油が自動的に停止される。制御弁3は、燃料タンク用給油制御弁、または満タン制御弁とも呼ばれる。
燃料蒸気処理装置4は、燃料タンク2から排出される気体に含まれる燃料蒸気(ベーパ)を捕捉するキャニスタを備える。燃料蒸気処理装置4は、パージ機構を含む。パージ機構は、所定の条件が成立するとキャニスタに捕捉された燃料蒸気を内燃機関に供給し燃焼させることによって、燃料蒸気を処理する。
図2において、制御弁3は、主弁(メインバルブ)6と副弁(サブバルブ)7とを有する。主弁6は、燃料の液位に応じて上下に移動する、すなわち上下動するメインフロートを備える。主弁6は、メインフロートによって開閉される弁機構を備える。弁機構は、固定の弁座と、可動弁とを有する。可動弁は、メインフロートでもある。さらに、主弁6は、メインフロートを浮かせる燃料を溜める燃料溜め61を有する。燃料溜め61は、燃料を一時的に溜め、メインフロートの頻繁な上下動を阻止する。主弁6により通気通路が閉じられると、給油が完全に停止される。
主弁6は、燃料溜め61の燃料を抜くために移動感知器62を有する。移動感知器62は、車両を移動させたことを感知すると、燃料溜め61から燃料を抜く。移動感知器62は、所定の重さをもち、しかも所定の大きさをもつボールである。ボールおよびその周辺形状は、ボールが燃料の中に沈むが、燃料を排出するために、ボールが燃料の中で動きやすいように設定されている。主弁6の技術的要素の説明は、特許文献1および特許文献2に記載されており、これらの記載内容は参照により導入されている。
副弁7は、燃料の液位に応じて上下に移動する、すなわち上下動するサブフロートを備える。副弁7は、サブフロートによって開閉される弁機構を備える。弁機構は、固定の弁座と、可動弁とを有する。可動弁は、サブフロートでもある。特に断らない場合、副弁7の構成部品は樹脂製である。
副弁7は、燃料タンク2内に空気室を形成するケース11を有する。ケース11は、上部12、および下部13を有する。上部12は筒状である。上部12は、主弁6のケースに連結されているか、または主弁6のケースと一体物である。下部13は、上部12の下端の開口端を部分的に覆う部材である。上部12と下部13とは、連結機構14によって連結されている。連結機構14は、スナップフィットによって提供される。ケース11は、開口部15を有する。開口部15は、上部12の下端の開口端でもある。ケース11は、燃料タンク2の内部と外部とを連通する通気通路を形成する。ケース11は、下部に燃料を導入するための開口部15を有する。ケース11は、燃料タンク2内に空気室を形成する筒状のケースである。
副弁7は、燃料の液面に応答して開弁と閉弁とを切換えるフロート弁である。副弁7は、フロート21を有する。フロート21は、内部に空気を溜めるキャップ状である。副弁7は、弁機構を備える。弁機構は、固定の弁座22と、可能の弁体23とで提供されている。弁体23は、フロート21に直に設けられている。弁体23は、ゴム製の板である。よって、フロート21は、可動の弁体でもある。この例では、フロート21に、空気室24が形成される。
副弁7は、燃料の液面に浮いて上下動するフロート21を備える。副弁7は、フロート21に連動して通気通路の通路断面積を、開放状態、および開放状態より通路断面積が規制された規制状態に切り替える弁機構を提供する。
副弁7は、ダンパ機構8を備える。ダンパ機構8は、フロート21の動きを規制する。ダンパ機構8は、フロート21の上方への移動を規制せず、フロート21の下方への移動を規制する。すなわち、ダンパ機構8は、フロート21の閉弁動作を規制せず、フロート21の開弁動作を規制する。ダンパ機構8は、フロート21が最も浮いている状態で、フロート21の移動を規制する。言い換えると、ダンパ機構8は、フロート21の閉弁位置の近傍でフロート21の移動を規制する。
図3において、燃料の液面FLが十分に低い場合が図示されている。ダンパ機構8は、ケース11とフロート21との間に設けられている。ダンパ機構8は、ケースに設けられたシリンダ31を有する。ダンパ機構8は、フロート21に設けられ、シリンダ31内を移動可能なピストン32を有する。シリンダ31とピストン32とは、筒状、望ましくは円筒状である。シリンダ31は、下部13から延び出しており、フロート21が最も上に移動した状態でも、ピストン32を所定の長さ受け入れるように形成されている。シリンダ31とピストン32とは、フロート21の全移動範囲にわたって、両者が内外に嵌め合い関係におかれるように形成されている。ピストン32は、その下端の先端が、シリンダ31内に位置するように形成されている。
シリンダ31とピストン32とは、フロート21の移動を案内する案内機構でもある。フロート21は、シリンダ31に沿って上下に移動する。なお、フロート21を案内する案内機構を別に備えていてもよい。例えば、ケース11とフロート21との間に案内機構を設けてもよい。
シリンダ31とピストン32とは、それらの間に容積室33を区画し形成する。よって、ダンパ機構8は、容積室33を有する。ダンパ機構8は、容積室33を区画するための部材31、32を有する。容積室33は、フロート21の上下動に連動して容積が大小に変化する。
容積室33は、下方において、貫通穴34を通して外部に開口している。貫通穴34は、容積室33とケース、すなわちケース11の最下部とを連通している。貫通穴34がケース11の最下部に開口することにより、貫通穴34には燃料が導入される。
シリンダ31とピストン32との間には、隙間35が設けられている。隙間35は、容積室33と外部空洞とを連通している。その一方で、シリンダ31の内径と、ピストン32の外径との差は、わずかである。そのため、隙間35は、小さい。フロート21が上下動するとき、シリンダ31とピストン32とは、シリンジのように作用する。フロート21が上下動すると、容積室33内の燃料および/または気体が減圧または加圧される。このため、内外の燃料および/または気体が、隙間35を通して流れようとする。
隙間35は、容積室33と外部空洞である空気室24との連通を妨げる程度に設定されている。隙間35は、容積室33と空気室24とを気体が流れるときに、その気体の流れ、すなわち気体の流れに伴う容積室33の容積変化が、フロート21の上下への動きに影響を与えるように設定されている。隙間35は、フロート21が上向きに動き、容積室33が大きくなるときには、気体の流れを妨げることによって、容積室33の拡大を妨げる。隙間35は、フロート21が下向きに動き、容積室33が小さくなるときには、気体の流れを妨げることによって、容積室33の縮小を妨げる。
隙間35は、燃料の液面FLの変化に起因するフロート21の動きを妨げるほどに、小さい。さらに、隙間35は、燃料の液面FLの変化より速いフロート21の動きを妨げるほどに、小さい。例えば、燃料蒸気処理装置4に属する電磁制御弁の開閉に伴う脈動、または、内燃機関の吸気脈動は、フロート21に作用することがある。隙間35は、上記脈動に起因するフロート21の動きを妨げるほどに、小さい。
気体だけが隙間35に流れるとき、隙間35は気体の流れを妨げる。燃料だけが隙間35に流れるとき、隙間35は燃料の流れを妨げる。隙間35に、液体である燃料が供給されると、隙間35は気体の流れより狭い通路のように妨げる。このため、隙間35に液体の燃料が供給される場合には、気体の流れがより高度に妨げられることがある。
ダンパ機構8は、流量調整機構41を備える。流量調整機構41は、容積室33の内部から外部への流体の流出を第1状態とする。第1状態は、阻止状態である。流量調整機構41は、容積室33の外部から内部への流入を第1状態と異なる第2状態にする。第2状態は、許容状態である。許容状態は、隙間35より簡単に気体および液体が容積室33へ流入することを可能とする。
流量調整機構41は、容積室33の内部から外部への流体の流出と、外部から内部への流入との一方を阻止し他方を許容する逆止弁によって提供できる。逆止弁は、ボール42と、弁座43とを有するボール型によって提供できる。弁座43は、容積室33に連通する通路である貫通穴34に設けられている。ボール42は、容積室33から弁座43を閉じている。ボール42は、容積室33内に設けられている。ボール42は、容積室33内の液体または気体の中に沈んでいる。
ボール42は、気体の中にあるときよりも、液体の中にあるときに、大きい浮力を得る。このため、ボール型の逆止弁は、外部から内部への気体の流入より、外部から内部への燃料の流入のほうを許容しやすい。このため、流量調整機構41は、貫通穴34に液体の燃料が到達しているとき、すなわちフロート21が浮かぶときに外部から内部への流入を許容するように、開きやすい。すなわち、開くべきときに開きやすい特性を与えることができる。
図4において、燃料の液面FLが開口部15に到達した後の閉弁状態が図示されている。燃料の液面FLが開口部15に到達すると、燃料は、通気通路を形成するケース11の中を上昇する。フロート21は、ケース11内の燃料の液面に浮く。フロート21は、弁体23を弁座22に着座させる。これによって、副弁7の閉弁状態が提供される。
ケース11には、外部空洞に連通する連通口を設けることができる。燃料の液面は、連通口によって徐々に低下する。
図3の状態から、燃料の液面FLに応答することなく、フロート21が上昇することがある。この場合、ボール42は、座部34に着座している。よって、流量調整機構41は貫通穴34を閉じている。この場合、容積室33は、隙間35を介して気体を吸入しようとする。しかし、上述のように隙間35が、十分に小さく設定されている。このため、フロート21は、急激に上昇することがない。
図5は、フロート21が上昇する場合を示す。フロート21は、燃料の液面FLが閉弁状態の高さにあるときに上下動する場合がある。フロート21は、例えば、振動によって上下動する場合がある。また、フロート21は、通気通路の圧力脈動によって上下動する場合がある。
フロート21が上方向へ移動すると、容積室33も大きくなる。このとき、流量調整機構41が開弁状態となる。流量調整機構41は、貫通穴34を通して液体の燃料が容積室33へ流入することを許容する。容積室33には、隙間35を通して空気室24内の空気を導入するよりも、貫通穴34と流量調整機構41とを通して燃料が導入される。このとき、フロート21は比較的小さい抵抗を受ける。フロート21は、比較的小さい抵抗を受けながら、上方向へ移動する。言い換えると、流量調整機構41は、閉弁動作を可能な範囲で早く行うように、液体である燃料の流入を調節する。
図6は、フロート21が下降する場合を示す。フロート21が下方向へ移動すると、容積室33は小さくなる。容積室33の中の気体および/または液体である燃料は、隙間35を通して空気室24へ出てくる。このとき、流量調整機構41は閉弁状態である。隙間35を通して、気体または燃料が出ようとする。しかし、隙間35は小さい。このとき、フロート21は比較的大きい抵抗を受ける。フロート21は、比較的大きい抵抗を受けながら、下方向へ移動する。言い換えると、流量調整機構41は、開弁動作をゆっくりと行うように、気体または液体の排出を調節する。
図1に戻り、利用者が燃料を給油する場合の期待される作動を説明する。利用者は、給油装置5によって、燃料タンク2に燃料を注ぐ。燃料タンク2の中で燃料が徐々に上昇する。燃料は、燃料タンク2内を徐々に満たし、燃料タンク2から、制御弁3、および燃料蒸気処理装置4を経由して気体が排出される。気体は、空気と、燃料蒸気を含む。やがて、燃料の液面FLが、制御弁3に到達する。このとき、制御弁3は、燃料タンク2内に空気室を形成する。最初に、まず副弁7が閉じる。副弁7が閉じると、通気通路が閉じられる。一方で、給油装置5が燃料を感知し、自動的に停止する。これが最初のオートストップである。
しばらくの時間が経過すると、副弁7が開く。利用者は、給油装置5を使って、徐々に給油する。こうして燃料タンク2が燃料によって満たされる。このとき、主弁6が閉じる。主弁6が閉じると、通気通路が閉じられる。一方で、給油装置5が燃料を感知し、自動的に停止する。これが何回目かのオートストップである。
利用者は、給油装置5を使ってもすぐにオートストップが機能するから、給油装置5を使った給油を諦める。こうして、燃料タンク2への給油作業が終了する。車両を移動させると、主弁6を閉弁させていた燃料溜め61の底から、燃料が抜かれる。車両を移動させたことは、移動感知器62でもあるボールが感知する。移動感知器62が車両の移動を感知するとき、ボール42は車両の移動を感知していない。移動感知器62が車両の移動を感知して開弁状態にあるとき、ボール42は車両の移動を感知しておらず、流量調整機構41として求められる位置にある。ボール42は移動感知器62が動くときにも開かないような逆止弁を提供している。
以上に述べたように、この実施形態によると、ダンパ機構8と流量調整機構41とを設けたから、フロート21の動きに望ましい応答性を与えることができる。この結果、望ましくない打撃の発生を防止することができる。
流量調整機構41は、望ましい応答性を与えるように調節される。例えば、閉弁動作が遅く調節されると、閉弁時のエネルギが抑制される。例えば、燃料の液面によって弁機構を閉じるという基本的な動作を損なうことがない。具体的には、閉弁動作の応答性を損なうことなく、開弁のためのストローク量を抑制することができ、次の閉弁時のエネルギが抑制される。
この実施形態によると、閉じやすく、開きにくい応答性を与えることができる。例えば、閉弁動作の応答性を損なうことなく、開弁のためのストローク量を抑制することができ、次の閉弁時のエネルギが抑制される。
第2実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、ボール型の逆止弁によって流量調整機構41を提供している。これに代えて、種々の形式の逆止弁によって流量調整機構41は提供可能である。
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、ボール型の逆止弁によって流量調整機構41を提供している。これに代えて、種々の形式の逆止弁によって流量調整機構41は提供可能である。
図7は、この実施形態の流量調整機構41を示す。流量調整機構41はアンブレラバルブ242を有する。アンブレラバルブ242は、可動弁体である。アンブレラバルブ242は、静的な状態にあるときに貫通穴34を閉じる。アンブレラバルブ242は、容積室33の圧力が低下すると、貫通穴34から作用する圧力を受けて開く。この実施形態によると、アンブレラバルブ242を使用することにより、車両の移動の影響を受けにくいという効果が得られる。
第3実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。この実施形態では、逆止弁として可撓性のリードバルブが用いられる。
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。この実施形態では、逆止弁として可撓性のリードバルブが用いられる。
図8は、この実施形態の流量調整機構41を示す。流量調整機構41はリードバルブ342を有する。この実施形態によると、車両の移動の影響を受けにくいという効果が得られる。
第4実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、液体の燃料に浮くフロート21が用いられる。これに代えて、フロート21は種々の特性を備えることができる。この実施形態では、一時的に浮くフロートが用いられる。
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、液体の燃料に浮くフロート21が用いられる。これに代えて、フロート21は種々の特性を備えることができる。この実施形態では、一時的に浮くフロートが用いられる。
図9は、この実施形態の断面図を示す。フロート21は、空気室24を形成するための部分フロート427と、空気室425を形成するための部分フロート428とを有している。空気室24と空気室425とは、フロート21を浮かせることができる。ただし、空気室425は、一時的な空気室である。部分フロート427は、貫通穴426を有する。貫通穴426は、空気室425と上部とを連通している。貫通穴426は、徐々にフロート21の浮力を奪うように小さい断面積を提供するように設定されている。
燃料の液面FLが開口部15に到達すると、ケース11の中を燃料が上昇する。やがて、フロート21が浮き、弁座22に弁体23が着座する。燃料は、フロート21の下部から空気室425内へ進入する。空気は、貫通穴426から排出される。やがて、フロート21が浮力を失うと、フロート21が沈む。弁体23は弁座22から離れる。
この実施形態でも、フロート21が上方向へ移動するときには、流量調整機構41は、燃料を導入し、フロート21が上方向へ比較的小さい抵抗を受けながら移動することを可能とする。一方、フロート21が下方向へ移動するときには、流量調整機構41は、フロート21が下方向へ比較的大きい抵抗を受けながら移動することを可能とする。
この実施形態では、隙間35は空気室425に開口している。すなわち、隙間35は燃料で満たされることがある空気室425に開口している。よって、隙間35には液体の燃料が供給されている。この実施形態によると、先行する実施形態と同様の作用効果が得られる。
他の実施形態
この明細書における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、請求の範囲の記載によって示され、さらに請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
この明細書における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、請求の範囲の記載によって示され、さらに請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
上記実施形態では、逆止弁として、ボール型、傘型、リード型が例示されている。これに代えて、種々の逆止弁を用いることができる。例えば、ボールに初期開弁圧を設定するスプリング等の付勢手段を設けてもよい。付勢手段は、逆止弁の初期開弁圧を追加的に付与するから、ダンパ機構は、望ましい応答性を実現できる。また、逆止弁は、いわゆるダックビル型などによって提供されてもよい。
上記実施形態では、いわゆる満タン制御弁の副弁にダンパ機構を設けている。これに代えて、主弁にダンパ機構を設けてもよい。また、唯一のフロート弁が設けられている場合には、その唯一のフロート弁にダンパ機構を設けてもよい。
上記実施形態では、移動感知器62としてボールを利用している。これに代えて、円錐体、貫通するニードル体など多様な移動感知器を用いることができる。例えば、振り子作用によって弁体を移動させてもよい。
上記実施形態では、フロートの挙動と、弁機構の開閉とが一定の関係にある。すなわち、フロートの動きの上端と下端は、弁機構の閉弁と開弁に対応し、両者は直接的に動作を伝える関係にある。これに対して、フロートと弁機構との間にリンク機構を設けてもよい。フロートの上下は、弁機構の開閉に対応させてもよい。また、シリンダとピストンは、逆に設けられても良い。また、容積室は、内筒と外筒とをもつ多重シリンダと、内筒と外筒との間の筒型ピストンとで形成してもよい。また、上記実施形態では、円筒状のピストンが用いられている。これに対して、ピストンは円柱状でもよい。
上記実施形態では、シリンダ31とピストン32との間には、隙間35が設けられている。これに代えて、シリンダ31とピストン32との間にシール機構が設けられてもよい。例えば、気体および液体の流出を阻止するゴム製のOリングが設けられていてもよい。
1 燃料貯蔵装置、2 燃料タンク、3 制御弁、
4 燃料蒸気処理装置、5 給油装置、6 主弁、7 副弁、
11 ケース、12 上部、13 下部、 14 連結機構、15 開口部、
21 フロート、22 弁座、23 弁体、24 空気室、
31 シリンダ、32 ピストン、33 容積室、34 貫通穴、35 隙間、
41 流量調整機構、42 ボール、43 弁座、
61 燃料溜め、62 移動感知器、FL 燃料の液面、
242 アンブレラバルブ、341 リードバルブ、
425 空気室、426 貫通穴、427、428 部分フロート。
4 燃料蒸気処理装置、5 給油装置、6 主弁、7 副弁、
11 ケース、12 上部、13 下部、 14 連結機構、15 開口部、
21 フロート、22 弁座、23 弁体、24 空気室、
31 シリンダ、32 ピストン、33 容積室、34 貫通穴、35 隙間、
41 流量調整機構、42 ボール、43 弁座、
61 燃料溜め、62 移動感知器、FL 燃料の液面、
242 アンブレラバルブ、341 リードバルブ、
425 空気室、426 貫通穴、427、428 部分フロート。
Claims (10)
- 燃料タンクの内部と外部とを連通する通気通路に設けられる燃料タンク用通気制御弁において、
燃料の液面に浮いて上下動するフロート(21)を備え、前記フロートに連動して前記通気通路の通路断面積を、開放状態、および前記開放状態より通路断面積が規制された規制状態に切り替える弁機構(7)と、
前記フロートの前記上下動に連動して容積が大小に変化する容積室(31、32、33)と、
前記容積室の内部から外部への流体の流出を第1状態とし、前記外部から前記内部への流入を前記第1状態と異なる第2状態にする流量調整機構(41)を備える燃料タンク用通気制御弁。 - さらに、前記燃料タンクの内部と外部とを連通する通気通路を形成するとともに、下部に前記燃料を導入するための開口部(15)を有し、前記燃料タンク内に空気室を形成する筒状のケース(11)を備え、
前記フロートは、前記ケースの内部の前記燃料の液面に応答する請求項1に記載の燃料タンク用通気制御弁。 - 前記容積室は、
前記ケースに設けられたシリンダ(31)と、
前記フロートに設けられ、前記シリンダ内を移動可能なピストン(32)とを備える請求項2に記載の燃料タンク用通気制御弁。 - 前記流量調整機構は、前記シリンダと前記ピストンとの間に設けられた隙間(35)を有する請求項3に記載の燃料タンク用通気制御弁。
- 前記フロートが上下動するとき、前記容積室内の前記燃料および/または気体が前記隙間を通して流れる請求項4に記載の燃料タンク用通気制御弁。
- 前記流量調整機構は、前記容積室の内部から外部への流体の流出と、前記外部から前記内部への流入との一方を阻止し他方を許容する逆止弁(41)を備える請求項1から請求項5のいずれかに記載の燃料タンク用通気制御弁。
- 前記第1状態は阻止状態であり、前記第2状態は許容状態である請求項6に記載の燃料タンク用通気制御弁。
- 前記逆止弁は、前記外部から前記内部への気体の流入より、前記外部から前記内部への前記燃料の流入のほうを許容しやすい請求項6または請求項7に記載の燃料タンク用通気制御弁。
- 前記逆止弁は、前記容積室に連通する通路に設けられた弁座(43)と、前記容積室から前記弁座を閉じるボール(42)とを備える請求項8に記載の燃料タンク用通気制御弁。
- 前記燃料タンクは、車両に設けられており、
さらに、前記車両の移動を感知して動く移動感知器(62)を備え、
前記逆止弁は、前記移動感知器が動くときにも開かない請求項6から請求項9のいずれかに記載の燃料タンク用通気制御弁。
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JP2016143303A JP2018013087A (ja) | 2016-07-21 | 2016-07-21 | 燃料タンク用通気制御弁 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO2022158489A1 (ja) * | 2021-01-25 | 2022-07-28 | 株式会社パイオラックス | 弁装置 |
US11511620B2 (en) | 2018-01-19 | 2022-11-29 | Kyosan Denki Co., Ltd. | Ventilation control valve for fuel tank |
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2016
- 2016-07-21 JP JP2016143303A patent/JP2018013087A/ja active Pending
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