JP2019027352A - 燃料遮断弁 - Google Patents

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直樹 飯塚
Naoki Iizuka
直樹 飯塚
祐子 黒澤
Yuko Kurosawa
祐子 黒澤
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Abstract

【課題】望ましい特性をもつ燃料遮断弁を提供する。【解決手段】燃料遮断弁は、燃料タンク2の内部と外部とを仕切っている仕切板25を備えるハウジング21と、仕切板に設けられて燃料タンクの内部と外部とを連通している連通口8を形成する弁座と、燃料タンクの外部側から連通口を覆っている吹き返し部41と、仕切板の外縁よりも連通口の径方向の内側に位置して、連通口の周囲を連通口の周方向に90度以上の角度にわたって囲んでいる壁部140とを備えている。これによると、連通口から液体燃料が吹き出した場合であっても、壁部によって液体燃料を遮蔽する。このため、燃料を精度よく遮断することが可能である。したがって、燃料遮断弁としての望ましい特性を得ることができる。【選択図】図4

Description

この明細書における開示は、燃料タンクの通気通路に設けられる燃料遮断弁に関する。
特許文献1は、連通口の周囲に筒体を用いてバッファ室を形成した燃料遮断弁を開示する。燃料遮断弁は、燃料タンクの通気通路を開閉する。燃料遮断弁は、液体燃料が通気通路に漏れ出すことを防ぐことが求められる。バッファ室は、連通口を通過した液体燃料や気泡をトラップして排気ポートへの液体燃料等の侵入を防ぐ機能を有する。
特開2013−103561号公報
従来技術の構成では、連通口を通過した液体燃料や気泡をトラップしきれずに流出することがある。この場合、連通口から流出した液体燃料が燃料蒸気処理装置などに到達してしまう場合がある。上述の観点において、または言及されていない他の観点において、燃料遮断弁にはさらなる改良が求められている。
開示されるひとつの目的は、連通口から流出した液体燃料を精度よく遮断することが可能な燃料遮断弁を提供することである。
ここに開示された燃料遮断弁は、燃料タンク(2)の内部と外部とを仕切っている仕切板(25)を備えるハウジング(21)と、仕切板に設けられて燃料タンクの内部と外部とを連通している連通口(8)を形成する弁座(7)と、燃料タンクの外部側から連通口を覆っている吹き返し部(41)と、仕切板の外縁よりも連通口の径方向の内側に位置して、連通口の周囲を連通口の周方向に90度以上の角度にわたって囲んでいる壁部(140、240、340、440)とを備えている。
開示された燃料遮断弁によると、連通口から液体燃料が吹き出した場合であっても、壁部によって液体燃料が壁部よりも径方向の外側に向かうことを抑制する。これにより、液体燃料のキャニスタ方向への流出を精度よく遮断することが可能である。
この明細書における開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態の部分との対応関係を例示的に示すものであって、技術的範囲を限定することを意図するものではない。この明細書に開示される目的、特徴、および効果は、後続の詳細な説明、および添付の図面を参照することによってより明確になる。
燃料貯蔵装置のブロック図である。 燃料遮断弁の開状態を示す断面図である。 燃料遮断弁の閉状態を示す断面図である。 ハウジングを示す斜視図である。 ハウジングを示す頂面図である。 図5のVI−VI線における断面を示す断面図である。 第2実施形態のハウジングを示す頂面図である。 図7のVIII−VIII線における断面を示す断面図である。 第3実施形態のハウジングを示す頂面図である。 図9のX−X線における断面を示す断面図である。 第3実施形態の燃料遮断弁の開状態を示す断面図である。 第4実施形態のハウジングを示す断面図である。
図面を参照しながら、複数の実施形態を説明する。複数の実施形態において、機能的におよび/または構造的に対応する部分および/または関連付けられる部分には同一の参照符号、または百以上の位が異なる参照符号が付される場合がある。対応する部分および/または関連付けられる部分については、他の実施形態の説明を参照することができる。
第1実施形態
図1において、燃料貯蔵装置1は、燃料タンク2、制御弁3、および燃料蒸気処理装置(EV)4を備える。燃料貯蔵装置1は、乗り物に搭載されている。乗り物は、走行車両または船舶などである。燃料貯蔵装置1は、乗り物に搭載された内燃機関に燃料を供給する。内燃機関は、移動用の動力を供給する。燃料貯蔵装置1は、燃料ポンプ、燃料フィルタ、燃料噴射装置などの燃料供給装置を含むことができる。
制御弁3は、燃料タンク2に設けられている。制御弁3は、燃料タンク2の上部の壁面に設けられている。制御弁3は、燃料タンク2に設けられた燃料供給装置、例えばポンプモジュールに設けられてもよい。制御弁3は燃料タンク2に対して複数設けられてもよい。
制御弁3は、燃料遮断弁である。燃料タンク2と燃料蒸気処理装置4との間には通気のための通気通路6が設けられている。制御弁3は、通気通路6の燃料タンク2側の端部に設けられている。通気通路6は、燃料タンク2から燃料蒸気処理装置4への気体の排出に利用される。通気通路6は、換気通路、または呼吸通路とも呼ばれる。制御弁3は、燃料タンク2内部と外部との通気を制御する。制御弁3は、燃料タンク用通気制御弁とも呼ばれる。制御弁3は、通気通路6を開閉する。制御弁3は、燃料タンク2内に空気室を形成する。制御弁3は、満タン感知制御弁とも呼ばれる。制御弁3は、燃料タンク用の液面感知弁および傾斜感知弁の両方を提供する。
制御弁3は、燃料タンク2と燃料蒸気処理装置4との間の通気を許容することによって給油口を経由して給油装置5からの給油を許容する。制御弁3は、燃料タンク2の中に空気室を残すための筒状のケースでもある。別の見方では、制御弁3は、空気室を形成するために、燃料タンク2の所定の位置から垂下されている。
燃料蒸気処理装置4は、燃料タンク2から排出される気体に含まれる燃料蒸気(ベーパ)を捕捉するキャニスタを備える。燃料蒸気処理装置4は、パージ機構を含む。パージ機構は、所定の条件が成立するとキャニスタに捕捉された燃料蒸気を内燃機関に供給し燃焼させることによって、燃料蒸気を処理する。
図2において、制御弁3は、ハウジング21を備えている。ハウジング21は、フロート51を軸方向(図の上下方向)に移動可能に案内する案内部材である。ハウジング21は、円筒状である。ハウジング21の内側壁面には複数のガイドリブ22が設けられている。ガイドリブ22は、フロート51の軸方向に沿って直線状に設けられている。フロート51とハウジング21の内側壁面との間には、ガイドリブ22により隙間が設けられている。
ハウジング21には、上部と下部とにそれぞれ上部開口24aと下部開口24bとを備えている。上部開口24aは、燃料タンク2の天井面と略同じ高さに設けられた円形の開口である。上部開口24aは、ハウジング21の側面上部において、複数の開口が円環状に並んで設けられている。下部開口24bは、フロート51の下端部と略同じ高さに設けられた円形の開口である。下部開口24bは、ハウジング21の側面下部において、複数の開口が円環状に並んで設けられている。下部開口24bは、上部開口24aよりも開口面積が大きい。
ハウジング21の下方には、制御弁3の底面を構成する円盤状の底板31が装着されている。底板31は、中心部分と外周縁が下方に膨出している。言い換えると、フロート51を載置する部分が上に向かって環状に膨出した形状である。底板31には、底板凸部32が設けられている。底板凸部32は、底板31の表面から上方に突出して設けられている。フロート51は、底板凸部32の上端と接触した状態で底板31に載置されている。底板31には、燃料タンク2内部と制御弁3の内部とを通気する底板開口33が形成されている。底板開口33は、円形の開口である。底板開口33は、円盤状の底板31の中央に設けられている。底板31は、ハウジング21に対して固定されている。
制御弁3は、燃料タンク2の上面と接続するフランジ部材10を備えている。フランジ部材10は金属製または樹脂製である。フランジ部材10は、燃料タンク2の上面と溶接またはボルト等を用いて固定されている。フランジ部材10は、ハウジング21を上方から覆っている。フランジ部材10は、ハウジング21と接続してハウジング21を所定の位置に保持している。フランジ部材10とハウジング21との間には、Oリング93が設けられている。Oリング93が設けられた部分において、フランジ部材10とハウジング21との間で燃料が漏れ出すことのない隔離された状態である。フランジ部材10は、接続管9を備えている。接続管9は、仕切板25で区切られた上方空間と通気通路6とを接続する管である。すなわち、接続管9は、制御弁3と燃料蒸気処理装置4とを接続する配管の一部をなしている。言い換えると、接続管9は、燃料蒸気処理装置4であるキャニスタにつながるキャニスタポートである。
フロート51は、円筒状かつキャップ状の樹脂製の容器である。フロート51に使用可能な樹脂としては、例えばポリアセタールがあげられる。フロート51は、制御弁3が正規の姿勢、すなわち図示される上下の状態において、開口側が下に位置している。フロート51は、ガイドリブ22によってハウジング21の内部を上下に移動可能に支持されている。
フロート51は、制御弁3が正規の姿勢において、その内部に取り込んだ空気などの気体による浮力の作用と、フロート自身の浮力の作用と、スプリング91による弾性力の作用とにより、燃料の液面に浮くことができる容器体である。フロート51は、制御弁3が正規の姿勢から第1の所定角度を越えて傾くと液面に浮くことができない。例えば、車体が上下方向に180度回転した反転姿勢では、フロート51は、内部に燃料を取り入れやすい形状である。フロート51は、反転姿勢などのフロート51内部に浮力を発生させる気体を取り込んでいない状態においては、フロート51の自重とスプリング91の弾性力とにより液体燃料中で重力方向に沈む部材である。
フロート51は、容器の中心部から下方に伸びる円柱状の柱54を備えている。柱54の内部には、空洞部55が形成されている。空洞部55は、柱54よりも外径の小さな円柱状の空洞である。すなわち、柱54は、内部に空洞部55が形成された筒状である。フロート51は、空洞部55に取り込んだ気体分の浮力とフロート51自身に作用する浮力によって、正規の姿勢において燃料の液面に対して浮くこととなる。
フロート51は、柱54を囲むように内側筒部56と外側筒部57とを備えている。内側筒部56は、柱54の外側に設けられている。外側筒部57は、内側筒部56よりも外側に設けられている。すなわち、フロート51は、中心軸に近い内側から順に柱54、内側筒部56、外側筒部57の順に設けられている。
外側筒部57は、フロート51の最も外側に位置している。すなわち、外側筒部57の外表面とガイドリブ22とが接触することとなる。外側筒部57は、上面に傾斜面88を備えている。傾斜面88は、径方向の外側に向かうほど下方に傾斜する形状である。
フロート51は、フロート51を移動方向である上下方向に貫通する貫通部59を備えている。言い換えると、貫通部59は、フロート51の上面と下面とをつなぐ孔である。貫通部59は、第1貫通部59aと第2貫通部59bとを備えている。第1貫通部59aは、柱54と内側筒部56との間に形成されている。第2貫通部59bは、内側筒部56と外側筒部57との間に形成されている。すなわち、第2貫通部59bは、第1貫通部59aよりも外側に設けられている。
フロート51は、頂面付近の側面に係合凸部81を備えている。係合凸部81は、柱54の頂面の外縁から下方に向かって広がるように傾斜して突出している。係合凸部81の下方は、柱54に対して直交する水平面である下面を有している。係合凸部81は、キャップ71と係合してキャップ71を所定の位置に保持している。
フロート51は、柱54の頂面に頂面凸部82を備えている。頂面凸部82は、柱54の頂面から半球状に突出した形状である。頂面凸部82の上端部がフロート51の中で最も上方に位置した部分である。頂面凸部82は、連通口8の下方投影領域の内側に位置している。
フロート51は、環状部85を備えている。環状部85は、フロート51の上面において、上方に突出して環状に設けられている。環状部85は、外側筒部57の上方に位置して設けられている。環状部85の外周端と外側筒部57の外周端とは、段差のない面一な状態である。環状部85は、接続部86によってフロート51と接続されている。環状部85とフロート51との間であって、接続部86で接続されていない部分には、側面開口87が設けられている。環状部85は、フロート51が底板31に載置された開弁状態において、上部開口24aと略同じ高さに設けられている。
スプリング91は、フロート51を閉弁方向である上方向へ付勢する付勢部材である。スプリング91は、柱54の下部領域に装着されている。スプリング91は、正規の姿勢において制御弁3を液面感知弁として機能させる。スプリング91は、正規の姿勢から第1の所定角度を越えて傾くと制御弁3を傾斜感知弁として機能させる。スプリング91は、制御弁3が横倒しになっている横姿勢においても、制御弁3に傾斜感知弁としての機能を発揮させる。スプリング91は、フロート51の内部であって底板31上に圧縮状態で配置されている。よって、スプリング91は、フロート51を下から上へ付勢している。
制御弁3は、シール部材61を備えている。シール部材61は、フロート51の頂面に装着されている。シール部材61は、円盤状の部材である。シール部材61としては、弾性や可撓性を有する材料が使用可能である。使用可能な材料の例としては、フッ素ゴムなどがあげられる。シール部材61は、金属製の保持板62に一体にはめ込まれている状態である。
保持板62は、中央に開口を備えた円盤状である。保持板62の外径は、シール部材61の外径よりも大きい。すなわち、保持板62にシール部材61がはめ込まれた状態では、保持板62の外縁がシール部材61の外縁よりも外側に突出した状態である。保持板62は、シール部材61によって内縁側が上下ともに覆われている。言い換えると、シール部材61は、上面と下面との間に保持板62を挟んで互いに一体となった状態である。
制御弁3は、キャップ71を備えている。キャップ71は、シール部材61を収納可能な円形の開口を備えている。キャップ71は、シール部材61および保持板62よりも外側からフロート51の上部に装着されている。フロート51にキャップ71が装着された状態において、シール部材61の上面は、キャップ71の開口を通して外部に露出している状態である。フロート51にキャップ71が装着された状態において、キャップ71と保持板62とは、接触している状態である。すなわち、キャップ71は、シール部材61と一体となった保持板62の外周部を上から押さえつけて所定の位置に保持している。キャップ71に押さえつけられた状態のシール部材61の下面は、頂面凸部82と接触した状態である。
キャップ71は、遮蔽部72を有している。遮蔽部72は、水平方向に延びる板状の部材である。言い換えると、遮蔽部72は、貫通部59の直上に張り出したひさし部である。遮蔽部72は、第1貫通部59aの上端と第2貫通部59bの上端との直上に位置している。すなわち、柱54の外周端から外側筒部57の内周端までの領域であって、第1貫通部59aと第2貫通部59bとの上方投影領域を覆うように設けられている。遮蔽部72の下面と貫通部59の上端とは、上下方向に離間している。すなわち、遮蔽部72の下面と貫通部59の上端との間には、気体が通過可能な隙間が形成されている。
ハウジング21の内側壁面には、ハウジング21内部に向かって延び出している仕切板25が設けられている。仕切板25は、制御弁3内を上下に仕切って区画している。ハウジング21内部において、仕切板25で仕切られた下方空間にはフロート51が収容されている。仕切板25は、中央の位置に弁座7を備えている。弁座7は、仕切板25から下方に向かって突出した円筒状である。言い換えると、弁座7は、仕切板25の内周端から下方に突出した円環状である。弁座7は、下端部に近づくほど外径が小さくなる先細りした形状である。弁座7は、内側に連通口8を形成している。連通口8は、燃料タンク2の内部と外部とを連通する開口である。弁座7は、連通口8を形成する部材を提供している。
仕切板25の上面中央部分において、上方に位置して吹き返し部41が設けられている。吹き返し部41は、連通口8の直上に位置している。吹き返し部41は、連通口8を通過して真上に吹き出した燃料をせき止めて、連通口8から下に戻す機能を有している。吹き返し部41は、後に詳述するリブ壁42によって仕切板25と接続されている。
仕切板25の上面縁部において、上方に突出して外壁48を備えている。外壁48は、連続して環状に設けられている。外壁48は、液体燃料が外壁48よりも外側に流出しないように液体燃料を溜める液溜め領域149を形成している。
仕切板25の上面において、吹き返し部41と外壁48との間に後に詳述する壁部140を備えている。壁部140は、連通口8の周りを囲んでいる。壁部140は、リブ壁42と内壁45とを有している。
フランジ部材10は、仕切板25と対向する位置に天面リブ49を備えている。天面リブ49は、フランジ部材10から垂下して設けられた板状のリブである。天面リブ49は、連通口8と接続管9との間であって、内壁45と外壁48との間に位置して設けられている。天面リブ49の下端部の位置は、外壁48の上端部の位置よりも下に位置している。
図3において、シール部材61と弁座7とは密着した閉状態である。制御弁3の閉状態において、弁座7の下端部はシール部材61上面と当接して密着している。シール部材61は、弁座7の下端部に沿って沈み込んで変形することで、弁座7の下端部をなす形状に沿って密着している。
燃料の液面が底板開口33に到達し、さらに上昇すると、燃料はハウジング21の内部を上昇する。燃料がフロート51に浮力を生じさせると、フロート51は燃料から受けた浮力により持ち上げられる。フロート51は、浮力を受けながらガイドリブ22にガイドされて制御弁3内部を上に移動する。この時、ガイドリブ22は、フロート51が連通口8の開口からずれた位置で移動することを防止する。液面の上昇が続くとフロート51も上昇を続け、やがてシール部材61と弁座7とが隙間なく接触した状態となる。シール部材61と弁座7とが隙間なく接触した状態は、弁が閉塞された閉状態である。閉状態では通気通路6と燃料タンク2内部との間での気体や液体の行き来が不可能となる。シール部材61が沈み込んで弁座7と密着することにより、高い密閉性を維持して燃料タンク2の内部を密閉状態とする。このようにシール部材61は、弁座7に対する弁体として機能する。
液面が上昇してくると、フロート51とガイドリブ22の間の隙間だけでなく、貫通部59の内部にも燃料が流入することとなる。特に車両が振動するなどした場合には、燃料も揺動して液面が勢いよく上昇しやすい。この場合には、貫通部59の内部を燃料が駆け上がり、貫通部59の上端である開口端から勢いよく液体燃料が吹き出しやすい。この時、液体燃料は、貫通部59の形状に沿って真上に吹き出される。貫通部59から吹き出した液体燃料は、貫通部59の直上に位置している遮蔽部72の下面に衝突して下方に落下する。あるいは、衝突の衝撃で水平方向に飛散して、柱54や環状部85と接触してその表面をつたって落下する。すなわち、遮蔽部72は、貫通部59から真上に吹き出した液体燃料が遮蔽部72よりも上に向かうことを阻止する遮蔽機能を有している。
径方向外側で径方向外向きに傾斜して開放された空洞である第2貫通部59bは、吹き出した液体燃料を径方向に拡げる。すなわち、液体燃料は遮蔽部72だけでなく、環状部85の内側にも衝突しやすい。
遮蔽部72に衝突した液体燃料は、貫通部59をつたって下に移動する。あるいは、フロート51の上面に形成された傾斜面88をつたって、径方向外側に向かって移動し、側面開口87からフロート51の側面へと流れ出る。閉状態においては、側面開口87と上部開口24aとが略同じ高さであるため、側面開口87から流れ出た液体燃料が上部開口24aを通過して、ハウジング21の外部に流れ出やすい。
閉状態においては、燃料タンク2の内部と外部との間での気体のやり取りが行われない。すなわち、燃料タンク2の内部圧力が上昇しやすい。燃料タンク2の内部圧力が上昇した状態で、制御弁3が開状態になると、燃料タンク2の内部空間と外部空間との圧力差により、気体燃料などの気体が勢いよく吹き出しやすい。この時、勢いよく吹き出される気体とともに液体燃料も一緒に吹き出されやすい。特に、弁座7とシール部材61との接触面の近傍に液体燃料が存在すると、連通口8から勢いよく吹き出す気体とともに液体燃料が燃料タンク2の外部へと流れ出やすい。
図4において、ハウジング21は、仕切板25の上面側に吹き返し部41とリブ壁42と内壁45と外壁48とを備えている。
吹き返し部41は、仕切板25の中央に位置している。仕切板25は、連通口8の真上に位置している。吹き返し部41は、円盤状の部材である。吹き返し部41は、リブ壁42によって仕切板25と接続されている。リブ壁42の内側側面の上部と吹き返し部41の外周側面とが接続されている。リブ壁42の底面と仕切板25とが接続されている。リブ壁42は、横断面が長方形の角柱形状である。リブ壁42は、吹き返し部41を外側から囲むように4か所に設けられている。リブ壁42は、互いに90度ずつずれた位置に設けられている。言い換えると、リブ壁42同士が対向する位置関係で設けられている。
リブ壁42よりも径方向外側に位置して内壁45が設けられている。内壁45は、円弧状の壁である。内壁45は、連通口8を囲むように円環状に複数個並んで設けられている。内壁45は、内壁45同士の間に仕切板25と交差する方向に延びるスリット46を介して4つ設けられている。言い換えると、内壁45は、円環状の壁に対して上下方向に延びるスリット46を4か所に設けて間欠的に円環状をなすように設けられている。スリット46の周方向の幅は、リブ壁42の周方向の幅と等しい大きさである。スリット46は、リブ壁42が設けられている位置に対応してその径方向外側に設けられている。言い換えると、連通口8の外周において、リブ壁42が設けられていない部分の径方向外側に対応して内壁45が設けられている。
内壁45よりも外側には、外壁48が設けられている。外壁48は、仕切板25の外縁に設けられている。外壁48は、円環状の壁である。外壁48と仕切板25とにより、ハウジング21の上部は、有底円筒状をなしている。外壁48と仕切板25とで形成される領域が液溜め領域149である。
図5において、連通口8の上端を形成する仕切板25には、円形状に傾斜部43が設けられている。すなわち、連通口8をなす仕切板25の上面内側において、リブ壁42が設けられていない部分は、径方向内側に向かうほど下方に傾斜する傾斜部43が設けられている。傾斜部43は、仕切板25の上面側の開口端を面取り加工することによって形成された面取り部分である。
吹き返し部41は、連通口8の上方投影領域を覆うように設けられている。吹き返し部41よりも傾斜部43の方が径方向外側に位置している。言い換えると、径方向における傾斜部43の内周端は、吹き返し部41の外周端と同じ、あるいは吹き返し部41の外周端よりも内側に位置している。一方、径方向における傾斜部43の外周端は、吹き返し部41の外周端よりも外側に位置している。
内壁45は、円形状の連通口8の外側に同心円状に設けられている。外壁48は、円形状の連通口8の外側に同心円状に設けられている。すなわち、仕切板25の上面において、内側から連通口8、内壁45、外壁48の順に同心円状に設けられている。
連通口8から径方向の外側に位置する外壁48に向かう直線上において、必ずリブ壁42または内壁45が存在している。すなわち、連通口8から外壁48に向かって径方向外側に放射状に液体燃料が飛散した場合には、リブ壁42か内壁45のどちらかと接触することとなる。言い換えると、連通口8の周囲は、全周である周方向の360度にわたって壁部140によって囲まれている。
連通口8の中心から内壁45までの距離Liは、連通口8の中心から外壁48までの距離Loの半分よりも小さい。すなわち、内壁45は、連通口8と外壁48との間であって、外壁48よりも連通口8に近い位置に設けられている。
図6において、吹き返し部41は、連通口8と対向する面である下面が円錐型に凹んだ形状である。一方、吹き返し部41の上面は、中央部分が上方に突出した球面形状である。
リブ壁42の高さと内壁45の高さと外壁48の高さとは全て等しい高さである。すなわち、リブ壁42の上端と内壁45の上端と外壁48の上端とは上下方向の同じ高さに位置している。吹き返し部41の高さはリブ壁42および内壁45および外壁48の高さよりも高い。
弁座7は、その内周端がフロート51の移動方向と平行な方向に延びた筒状である。すなわち、弁座7の内周によって形成される開口である連通口8は、傾斜することなく上下方向に真っすぐ延びている。
連通口8から液体燃料が吹き出した場合の制御弁3の機能について以下に説明を行う。連通口8は、フロート51の移動方向と平行な方向である上下方向に延びている。このため、液体燃料が吹き出す場合には、弁座7の内側にガイドされて、連通口8の真上に吹き出すこととなる。
真上に吹き出した液体燃料は、吹き返し部41の下面に衝突する。衝突した衝撃で液体燃料は放射状に飛散する。ただし、真上に吹き出した液体燃料は、吹き返し部41の衝突により吹き出した方向とは反対の方向である下方向に飛散しやすい。ここで、吹き返し部41の下面は、円錐状に凹んでいるため、飛散した液体燃料は、径方向の外側に飛び出すのではなく、径方向の内側に向かって集まりやすい。すなわち、吹き返し部41と衝突した液体燃料は、径方向内側に向かう斜め下方向に落下しやすい。したがって、連通口8から吹き出した液体燃料の多くは、再び連通口8を通って仕切板25よりも下方の領域である燃料タンク2の内部に戻りやすい。
図5において、連通口8を囲むようにリブ壁42が設けられている。このため、吹き返し部41の下面と衝突して径方向外側に飛散した液体燃料の一部は、リブ壁42の内側側面と接触してリブ壁42に付着する。リブ壁42の内側側面に付着した液体燃料は、重力に引かれて弁座7の内側をつたって下方向に移動する。その後、連通口8を通過して再び燃料タンク2の内部に戻る。
連通口8の外周において、リブ壁42が設けられていない部分の径方向外側に対応して内壁45が設けられている。このため、吹き返し部41の下面と衝突して径方向外側に飛散した液体燃料のうち、リブ壁42と接触しなかった液体燃料は、内壁45の内側側面と接触して内壁45に付着する。内壁45の内側側面に付着した液体燃料は、仕切板25の上面であって内壁45で囲まれる領域内に留まる。その後、重力や走行時の振動などの影響により、液体燃料が移動して連通口8付近の傾斜部43と接触することで、傾斜部43をつたって連通口8を通過して再び燃料タンク2の内部に戻る。この時、傾斜部43は、径方向内側に向かうほど下方に傾斜するすり鉢状の傾斜であるため、液体燃料はスムーズに連通口8に導かれる。
内壁45の内側に留まりきらない量の液体燃料が連通口8を通過して仕切板25の上面に漏れ出した場合、液体燃料は、仕切板25と外壁48とで囲まれる液溜め領域149に溜められる。すなわち、液体燃料は、液溜め領域149で溜められることで、接続管9を通って簡単に燃料蒸気処理装置4へと流れ出てしまうことが防止されている。
内壁45よりも径方向の外側の液溜め領域149に溜められた液体燃料は、スリット46を通過して内壁45よりも径方向の内側に戻ることができる。内壁45よりも内側に位置した液体燃料は、連通口8を通って燃料タンク2の内部に戻ることができる。
上述した実施形態によると、壁部140は、連通口8の周囲を90度以上である360度にわたって覆っている。このため、液体燃料が壁部140よりも外側に飛ぶことを抑制できる。したがって、燃料蒸気処理装置4などに液体燃料が流れ込むことを抑制して、液体燃料を遮断する機能を精度よく発揮することができる。
壁部140は、リブ壁42と内壁45とを備えている。このため、連通口8の外周において、リブ壁42で覆っていない範囲を内壁45で覆うことができる。したがって、リブ壁42のみで連通口8の外周を覆う場合に比べて、広範囲を覆うことが出きる。さらに、リブ壁42は、連通口8の外周の一部しか覆っていないため、リブ壁42が連通口8の外周の大部分を覆う場合に比べて、気体の流通経路を広く確保できる。すなわち、燃料タンク2の内部と外部とで気体の自由な流通によって燃料タンク2の内部圧力が調整されやすい。
リブ壁42は、スリット46と径方向に重なる位置に設けられている。言い換えると、内壁45が存在しない範囲をリブ壁42で覆っている。このため、リブ壁42と内壁45とが径方向における同じ方向を重複して覆うことが無い。したがって、リブ壁42や内壁45を必要以上に広い範囲に設置せずに済むため、リブ壁42や内壁45によって気体の流通を阻害することを低減できる。
内壁45同士の間には、スリット46が設けられている。このため、液体燃料が内壁45よりも外側に位置した場合であっても、スリット46を通過して連通口8に到達することができる。すなわち、液体燃料が燃料タンク2の内部に戻る場合に、内壁45を高さ方向に越える必要がないため、液体燃料を燃料タンク2の内部に戻しやすい。
内壁45は、外壁48よりも連通口8に近い位置に設けられている。このため、内壁45を連通口8よりも外壁48に近い位置に設けた場合に比べて、同じ角度の領域を覆うために必要な内壁45の設置面積を小さくできる。
内壁45は、連通口8と同心円状に設けた円弧状の壁である。このため、内壁45を直線状の壁で設けた場合に比べて、円形の吹き返し部41から放射状に飛散した液体燃料を連通口8に戻る方向に反射させやすい。
仕切板25は、連通口8をなす内縁に、径方向内側に向かうほど下向きに傾斜する傾斜部43を備えている。このため、仕切板25の上面に溜まった液体燃料を連通口8に導いてスムーズに燃料タンク2の内部に戻すことができる。特に、リブ壁42同士の隙間が小さい場合や、吹き返し部41までの高さが低い場合には、液体燃料の表面張力が強く作用するため、連通口8に液体燃料が導かれにくい。したがって、傾斜部43によって連通口8にスムーズに導く機構は、リブ壁42同士の隙間が小さい場合に特に有用である。
傾斜部43を設ける代わりに、連通口8を形成する弁座7の内側に液体燃料をガイドするガイド溝を設けるなどしてもよい。これによると、傾斜部43を設けた場合と同様、液体燃料をスムーズに燃料タンク2の内部に戻すことができる。
吹き返し部41の下面は、円錐型に凹んだ形状である。このため、衝突した液体燃料を径方向内側に向かう斜め下方向に落下させやすい。すなわち、連通口8から再び燃料タンク2の内部へと戻しやすい。吹き返し部41の下面の形状は、円錐型に限られない。例えば、球面状に凹んだ形状でもよい。この場合、円錐状の場合に比べて、吹き返し部41の下面にガイドされて移動した液体燃料が径方向の成分を持ちにくい。すなわち、吹き返し部41の端部から落下する際に真下に落ちやすい。例えば、凹凸のない平面形状でもよい。この場合、衝突した液体燃料を真下に落下させやすい。
内壁45の上端から仕切板25までの高さは、天面リブ49の下端から仕切板25までの高さよりも高い。すなわち、天面リブ49の下端は、内壁45の上端よりもハウジング21に近い位置に設けられている。言い換えると、天面リブ49と内壁45とは上下方向に一部分重なっている。このため、内壁45を上側から越える角度に飛んだ液体燃料を天面リブ49で遮断して、天面リブ49よりも外側に向かうことを抑制できる。
スリット46の周方向の幅は、リブ壁42の周方向の幅と等しい大きさではなく、スリット46の周方向の幅をリブ壁42の周方向の幅よりも小さくしてもよい。あるいは、スリット46の数をリブ壁42の数よりも減らすなどして、リブ壁42の外側投影領域に必ずしもスリット46が存在しないようにしてもよい。特に、接続管9が位置する方向にはスリット46を設けないようにすることで、液体燃料が接続管9に向かうことを効果的に防止することができる。
燃料タンク2にリリーフ弁を設けて、燃料タンク2の内部圧力が異常に上昇した場合に、強制的に気体を燃料タンク2の外部へ流すようにしてもよい。リリーフ弁を設けることで、燃料タンク2の内部が異常な高圧になることを防止できる。このため、連通口8から気体とともに液体燃料が勢いよく吹き出すことを低減できる。
第2実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。この実施形態では、リブ壁242が連通口8の周囲の半分を覆っている。
図7において、ハウジング21は、仕切板25の上面側に吹き返し部41とリブ壁242とを備えている。リブ壁242は、連通口8の周囲を囲む壁部240である。リブ壁242は、横断面が円弧状である。リブ壁242の内径と連通口8の外径とは、同じ大きさである。リブ壁242は、連通口8の周囲の半分の領域を覆っている。言い換えると、連通口8の中心からリブ壁242の2つの端部までの角度である開放角度TH2は、180度である。
リブ壁242は、連続する1つのリブである。すなわち、リブ壁242を複数設けていないため、リブ壁242の一方の端部から他方の端部までの間は液体や気体が通過できないように遮断された状態である。リブ壁242の厚みは、場所によらず一定である。
図8において、吹き返し部41の上面は、外壁48の上端よりも上に位置している。吹き返し部41の下面は、外壁48の上端よりも下に位置している。
連通口8から吹き出した液体燃料は、リブ壁242が設けられていない側に吹き出されることとなる。すなわち、液体燃料は、仕切板25の上面のリブ壁242が設けられていない領域に集中して吹き出される。一方、仕切板25の上面のリブ壁242よりも径方向の外側に位置する領域には液体燃料が吹き出されず、液体燃料が外壁48まで到達しにくい。
上述した実施形態によると、壁部240であるリブ壁242は、連通口8の周囲の半分の領域を連続する1つのリブで覆っている。このため、リブ壁242によって、液体燃料の吹き出し方向を制御しやすい。すなわち、接続管9が配置されている方向など、特定の方向に液体燃料が到達することを精度よく抑制できる。
吹き返し部41の下面は、外壁48の上端よりも下に位置している。このため、外壁48を越える高さに液体燃料が吹き出しにくい。したがって、液体燃料が仕切板25よりも上側に吹き出した場合であっても、液溜め領域149の内部に液体燃料を溜めやすい。言い換えると、液体燃料が外壁48よりも径方向の外側に流出しにくい。
第3実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。この実施形態では、ハウジング21は、リブ壁342の端部および吹き返し部41の端部から径方向の外側に向かって延びる筒状部347を有している。
図9において、ハウジング21は、仕切板25の上面側に吹き返し部41とリブ壁342と筒状部347とを備えている。リブ壁342と筒状部347とは、連通口8の周囲を囲む壁部340である。筒状部347は、リブ壁342および吹き返し部41の端部を径方向の外側に延ばして設けられている。言い換えると、吹き返し部41とリブ壁342と筒状部347とは、ハウジング21に連続して一体に設けられている。
外壁48は、筒状部347が設けられている方向に、切り欠きを有している形状である。すなわち、仕切板25の上面外縁において、筒状部347で囲まれている領域を径方向の外側に向かって延ばした領域には外壁48が形成されていない。
リブ壁342と筒状部347は、連通口8の周囲の半分以上の領域を覆っている。言い換えると、連通口8の中心から筒状部347の2つの端部までの角度である開放角度Th3は、90度よりも小さな角度である。開放角度Th3は、筒状部347の長さが長くなるほど小さな角度となる。一方、開放角度Th3は、筒状部347の長さが短くなるほど大きな角度となる。
図10において、筒状部347の上面は、吹き返し部41の上面と同じ高さに設けられている。言い換えると、連通口8から筒状部347の開口端に至るまで、筒状部347によって気体の流通経路がトンネル状に設けられている。連通口8の開口面積と、筒状部347の開口端の開口面積とは等しい大きさである。すなわち、筒状部347と仕切板25とで形成される気体の流通経路において、入口から出口までの開口面積がほぼ一定である。
筒状部347の開口端は、連通口8よりも外壁48に近い位置に設けられている。すなわち、筒状部347の開口端は、仕切板25の上面において、内縁と外縁との中間点よりも径方向の外側に位置している。
図11において、連通口8の周囲のうち、接続管9が位置している方向に対応する部分は、リブ壁342で覆われている。すなわち、接続管9が設けられている方向と同じ方向に、リブ壁342が設けられている。筒状部347は、接続管9から離れる方向に延びている。すなわち、液体燃料が吹き出す方向は、接続管9とは反対の方向である。さらに、筒状部347から液体燃料が吹き出した場合であっても、接続管9から離れた位置で吹き出すこととなる。
連通口8を通過した液体燃料は、筒状部347を越えるまで移動方向が制限された状態である。すなわち、筒状部347が延びる方向と直交する方向への液体燃料の移動は、筒状部347と衝突することによって制限される。一方、筒状部347が延びる方向と平行な方向には移動を制限する部材がなく、液体燃料は自由に移動できる。
上述した実施形態によると、壁部340をなすリブ壁342と筒状部347とは、連通口8の周囲の半分以上の領域を覆っている。このため、リブ壁342と筒状部347とによって、液体燃料の吹き出し方向を制御しやすい。
筒状部347の開口端は、接続管9とは反対方向に向いて設けられている。このため、液体燃料の吹き出し方向を、接続管9とは反対の方向にできる。言い換えると、連通口8から吹き出した液体燃料が接続管9に直接向かうことが無い。したがって、液体燃料が接続管9よりも下流に位置している燃料蒸気処理装置4に到達することを精度よく抑制できる。
筒状部347は、接続管9から離れる方向に延びて設けられている。このため、液体燃料が筒状部347の開口端から吹き出した場合であっても、接続管9から離れた位置で吹き出すこととなる。したがって、液体燃料が接続管9に向かうことを精度よく抑制できる。
第4実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。この実施形態では、ハウジング21は、径の小さな第1内壁445aと径の大きな第2内壁445bの2つの内壁445を有している。
図12において、ハウジング21は、仕切板25の上面側に吹き返し部41とリブ壁442と第1内壁445aと第2内壁445bとを備えている。リブ壁442と第1内壁445aと第2内壁445bとは、連通口8の周りを囲む壁部440をなしている。リブ壁442は、連通口8の周りにおいて、2か所に設けられている。リブ壁442は、連通口8の中心軸を挟んで互いに対向した位置に設けられている。
第1内壁445aと第2内壁445bとは、連通口8と外壁48との間に設けられている。第1内壁445aと第2内壁445bとは、円弧形状の壁である。第1内壁445aと第2内壁445bとは、連通口8の外側に同心円状に設けられている。第1内壁445aは、第2内壁445bに比べて径が小さい。言い換えると、第2内壁445bは、第1内壁445aよりも径方向の外側に位置している。
第1内壁445aと第2内壁445bとは、径方向に一部分重なっている。すなわち、第1内壁445aの端部の径方向外側には、第2内壁445bが設けられている。さらに、第2内壁445bの端部の径方向内側には、第1内壁445aが設けられている。第1内壁445aと第2内壁445bとが重なる領域は、リブ壁442の径方向外側への投影領域に位置している。言い換えると、リブ壁442と第1内壁445aの端部と第2内壁445bの端部とは、略一直線上に並んで配置されている。
連通口8から吹き出した液体燃料は、吹き返し部41に衝突し、下向きに跳ね返って、燃料タンク2の内部に戻るとともに、一部の液体燃料が吹き返し部41から放射状に飛散する。放射状に飛散した液体燃料は、壁部440をなすリブ壁442と第1内壁445aと第2内壁445bとのいずれかの内側壁面と衝突する。壁面と衝突した後、液体燃料は壁面から跳ね返されて、あるいは壁面に付着して第1内壁445aと第2内壁445bとの間に留まる。その後、重力や走行時の振動などの影響により、液体燃料が移動して連通口8の周りの傾斜部43と接触することで、傾斜部43をつたって連通口8を通過して再び燃料タンク2の内部に戻る。
上述した実施形態によると、第1内壁445aと第2内壁445bとは、径方向に重なる部分を有している。このため、第1内壁445aと第2内壁445bとの隙間を通って、
液体燃料が外壁48に到達することを抑制できる。径方向に重なる部分を広くとることで、液体燃料が外壁48に到達することをより精度よく抑制できる。
第1内壁445aと第2内壁445bとが重なる領域は、リブ壁442の径方向の外側への投影領域に位置している。このため、第1内壁445aと第2内壁445bとの間に向かう液体燃料を、リブ壁442であらかじめ遮断できる。言い換えると、第1内壁445aと第2内壁445bとの間に向かって飛んだ液体燃料を、第1内壁445aに到達する前の段階で遮断できる。したがって、第1内壁445aおよび第2内壁445bよりも径方向の外側に液体燃料が飛散することを効果的に抑制できる。
他の実施形態
この明細書における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、請求の範囲の記載によって示され、さらに請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
1 燃料貯蔵装置、 2 燃料タンク、 3 制御弁、 7 弁座、 8 連通口、 9 接続管、 10 フランジ部、 21 ハウジング、 25 仕切板、 41 吹き返し部、 42 リブ壁、 43 傾斜部、 45 内壁、 46 スリット、 48 外壁、 49 天面リブ、 51 フロート、 140 壁部、 240 壁部、 242 リブ壁、 340 壁部、 342 リブ壁、 347 筒状部、 440 壁部、 445 内壁、 445a 第1内壁、 445b 第2内壁。

Claims (10)

  1. 燃料タンク(2)の内部と外部とを仕切っている仕切板(25)を備えるハウジング(21)と、
    前記仕切板に設けられて前記燃料タンクの内部と外部とを連通している連通口(8)を形成する弁座(7)と、
    前記燃料タンクの外部側から前記連通口を覆っている吹き返し部(41)と、
    前記仕切板の外縁よりも前記連通口の径方向の内側に位置して、前記連通口の周囲を前記連通口の周方向に90度以上の角度にわたって囲んでいる壁部(140、240、340、440)とを備える燃料遮断弁。
  2. 前記壁部は、前記吹き返し部と前記仕切板とを接続しているリブ壁(42)と、
    前記リブ壁よりも前記径方向の外側に設けられた内壁(45)とを備える請求項1に記載の燃料遮断弁。
  3. 前記内壁は、前記仕切板と交差する方向に延びて設けられているスリット(46)を備え、
    前記リブ壁は、前記スリットと前記径方向に重なる位置に設けられている請求項2に記載の燃料遮断弁。
  4. 前記ハウジングは、前記仕切板の外縁から突出した外壁(48)を備え、
    前記内壁は、前記外壁よりも前記連通口に近い位置に設けられている請求項2または請求項3に記載の燃料遮断弁。
  5. 前記内壁は、第1内壁(445a)と、前記第1内壁よりも前記径方向の外側に設けられた第2内壁(445b)とを備え、
    前記第1内壁と前記第2内壁とは、前記径方向に重なる部分を有している請求項2から請求項4のいずれかに記載の燃料遮断弁。
  6. 前記内壁の上端から前記仕切板までの高さは、前記ハウジングの上方を覆うフランジ部(10)から前記ハウジングに向かって突出する天面リブ(49)の下端から前記仕切板までの高さよりも高い請求項2から5のいずれかに記載の燃料遮断弁。
  7. 前記仕切板は、前記連通口をなす内縁に、前記径方向の内側に向かうほど下向きに傾斜する傾斜部(43)を備える請求項1から請求項6のいずれかに記載の燃料遮断弁。
  8. 前記壁部は、前記吹き返し部と前記仕切板とを接続しているリブ壁であって、前記リブ壁は、前記連通口の周囲を前記連通口の周方向に90度以上の角度にわたって連続して囲んでいる請求項1に記載の燃料遮断弁。
  9. 前記リブ壁は、前記燃料タンクの外部へと流れ出た気体が流れる接続管(9)が設けられている方向と同じ方向に設けられている請求項8に記載の燃料遮断弁。
  10. 前記ハウジングは、前記リブ壁の端部および前記吹き返し部の端部から前記接続管に対して離れる方向に延びて設けられている筒状部(347)を備える請求項9に記載の燃料遮断弁。
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