JP3877915B2 - 液体遮断弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は液体遮断弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば自動車等に搭載された液体燃料タンク等には、通常の状態下では燃料タンク等の内部に発生するガス圧力を外部へ逃がし、自動車等の走行中での燃料タンク等の動揺や自動車等の転倒による燃料タンクの傾斜によって油面が上昇した場合には自動閉弁して燃料タンク内の液体燃料が流出しないようにする液体遮断弁が知られている。
【0003】
このような液体遮断弁として従来、図19に示すようなものが例えば特開平9−42092号公報に開示されている。
この図19に示す液体遮断弁は、液体を貯蔵するタンク101の上部に設けられる中空のバルブボディ102と、該バルブボディ102の内側上面に設けられた第1バルブシート103と、該第1バルブシート103に開口する第1連通孔104と、前記バルブボディ102内に昇降可能に設けられたバルブ105と、該バルブ105に設けられて前記第1バルブシート103に接離する第1弁部106と、下面に設けられた第2バルブシート107と、該第2バルブシート107に形成された第2連通孔108と、前記バルブボディ102内に昇降可能に設けられたフロート109と、該フロート109の上面の設けられて前記第2連通孔108を開閉する第2弁部110とからなる。
【0004】
また、前記バルブ105は、その外周に形成した係合部111がバルブボディ102の上部に形成したガイド凹部112に案内されて昇降し、またバルブ105は、これとバルブボディ102の上面間に介在したバネ113の付勢力により下降するようになっている。
【0005】
そして、燃料タンク101内の油面が低下している場合は図19に示すようにフロート109が下降し、かつバルブ105も下降し、ガス圧力はフロート109の上部及びバルブ105内を通って第1連通孔104から流出し、また、油面が上昇するとフロート109が上昇して第2連通孔108を閉塞しながらバルブ105を押し上げ、該バルブ105の第1弁部106で第1連通孔104を閉塞し、液体燃料の漏出を阻止する。
【0006】
この状態から油面が下降すると、先ずフロート109が下降して小径の第2連通孔108を開口してバルブ105の内外の差圧を低下させ、次でバネ113の付勢力によりバルブ105を下降して大径の第1連通孔104を開口してガス圧力を排出するようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記のようなフロート109の昇降による第2連通孔108の開閉やバルブ105による第1連通孔104の開閉を精度良く行わせるには、フロート109とバルブ105を、バルブボディ102の軸芯に沿って傾くことなく昇降させる必要がある。
【0008】
そのため、前記従来の構造においては、フロート109をバルブボディ102の内面をガイドとして昇降させ、バルブ105をバルブボディ102の上部に形成したガイド凹部112をガイドとして昇降させるようになっている。
【0009】
しかし、このようにバルブ105を前記ガイド凹部112でガイドする構造においては、フロート109が図19に示すように下降した状態では、ガイド105の係合部111の上端部のみがガイド凹部112に接触し、この短い接触部で係合することになる。
【0010】
そのため、この状態で燃料タンクが動揺したり自動車が転倒した場合には、バルブ105がフロート109の軸芯に対して傾くおそれがあり、この傾斜状態で油面が上昇した場合には、各連通孔104,108の良好な閉塞が期待できないおそれがある。
【0011】
そこで本発明は、フロートのガイド面をフロートの昇降範囲全長にわたる長いガイドに形成し、かつ、バルブのガイド面を、バルブの昇降のいずれの状態においても常時そのバルブの外周面の上部と下部をガイドするように形成して、フロート及びバルブを、通常時は勿論、前記のような動揺や転倒時にも確実に作動する液体遮断弁を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の第1の発明は、バルブボディ内にフロートを昇降可能に設け、バルブボディの上壁に第1連通孔を形成し、前記フロートと前記第1連通孔の第1バルブシートとの間にバルブを昇降可能に配置し、該バルブには第2連通孔と、前記第1バルブシートに接離する第1弁部を設け、前記フロートには前記第2連通孔に形成した第2バルブシートに接離する第2弁部を設けたものにおいて、
前記バルブボディの周壁の内面には、フロートの昇降範囲全長にわたってフロートの昇降を案内するフロートガイド部を設け、
前記バルブボディ側には、前記バルブの外周面における上部に係合してその上部の昇降を案内する上側バルブガイド部を設け、前記フロートには、前記バルブにおける外周面の下部に係合してその下部の昇降を案内する下側バルブガイド部を設け、
前記フロートは、フロート部と該フロート部から上方へ立設した周壁を有し、該周壁には、内外方向に貫通する流通穴を形成し、該流通穴の下面と、前記フロート部の上面とが同一平面で形成されていることを特徴とするものである。
【0013】
本発明において、液面(油面)が下降している場合には、フロート及びバルブが下降し、第1連通孔が開口して圧力は第1連通孔から排出する。
液面(油面)が上昇すると、フロートがバルブボディに形成されたフロートガイド部に案内されて上昇する。またバルブはその外周面の上部がバルブボディに形成した上側バルブガイド部に案内され、バルブの外周面の下部がフロートに形成した下側バルブガイド部に案内されて上昇する。この上昇により、フロートに設けた第2弁部が、バルブに形成した第2連通孔を閉塞し、バルブに設けた第1弁部がバルブボディに形成した第1連通孔を閉塞して、液体の流出を阻止する。
【0014】
この状態から液面が下降してフロートが下降すると、先ず第2弁部が第2連通孔を開口し、次でバルブが下降して第1連通孔が開口する。このフロートの下降時においてもフロートはバルブボディに形成されたフロートガイド部に案内されて下降し、また、バルブはその外周面の上部が前記上側バルブガイド部に案内され、バルブの外周面の下部が前記フロートに形成した下側バルブガイド部に案内されて下降する。
【0015】
したがって、フロートは、フロートガイド部により昇降範囲全長にわたってバルブボディの軸芯に沿って昇降し、またバルブはその外周面の上部が上側バルブガイド部に案内されるとともに外周面の下部が、前記のように軸芯に沿って確実に昇降するフロートに設けた下側バルブガイド部に案内されてバルブボディの軸芯に沿って確実に昇降する。
【0016】
そのため、例えば本発明の液体遮断弁を自動車の燃料タンクに付設した場合、その燃料タンクの動揺や自動車の転倒時でも、フロートとバルブが正しい姿勢で滑らかに移動し、第1及び第2弁部が対応するシートに片当りすることなく接触して、液体燃料の漏出を確実に阻止できる。
【0017】
請求項2記載の第2の発明は、前記第1の発明において、前記下側バルブガイド部に係止穴を形成し、前記バルブには前記係止穴に係止する爪部を設けたことを特徴とするものである。
【0018】
本発明においては、前記のフロートの下降時において、フロートに設けた下側バルブガイド部の係止穴上面がバルブの爪部に形成してバルブを下降させる。そのため、前記従来の構造のような、バルブを下降させるバネが不要になる。
請求項3記載の第3の発明は、前記第1又は2の発明において、前記上側バルブガイド部をバルブボディの内側方向に突出して設けたことを特徴とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1乃至図18に示す実施例に基いて本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至図10は本発明の第1実施例を示すもので、その液体遮断弁1を構成する樹脂製のバルブボディ2は、収納室3を有する中空の有底円筒状に形成され、その収納室3の下方が開口し、上方には上壁4が設けられている。前記収納室2の下端開口部には樹脂製のキャップ5が備えられ、該キャップ5は、これに一体成形した複数個の爪部6をバルブボディ2に形成した複数個の係止穴7に弾力的に係止してバルブボディ2に固着されている。
【0020】
前記バルブボディ2における収納室3を形成する内周面には、該面からバルブボディ2の中心部へ向って突出するフロートガイド部8が一体形成されている。該フロートガイド部8は図3乃至図5に示すように板状でかつバルブボディ2の内面における下端から上端まで長尺に形成されている。更に、該フロートガイド部8の内方への突出長は、その内端面8aが後述するフロート14の外周面17,18との間に僅かな隙間d1 を有するように設定されている。更に、該フロートガイド部8は、図4に示すようにバルブボディ2の周方向に適宜間隔を有して複数個、図の実施例では等間隔に8個バルブボディ2の中央を中心とする放射状に配設されている。
【0021】
バルブボディ2における上壁4の内面には、上側バルブガイド部9が突起状に垂設されている。該上側バルブガイド部9は前記フロートガイド部8の内側に位置して配置され、バルブボディ2の周方向に、前記フロートガイド部8と同数、同位置に配設されている。更に、該上側バルブガイド部9は前記フロートガイド部8の上部と連結板部10により一連に形成され、該上側バルブガイド部9の補強がなされている。更に、該上側バルブガイド部9の内端面9aは、後述するバルブ30の外周面30aとの間に僅かな隙間d2 を有するような位置に設定されている。
【0022】
前記フロートガイド部8の内端面8aと前記上側バルブガイド部9の内端面9aは平断面形状が内方へ凸の円弧面に形成されている。更に、フロートガイド部8と上側バルブガイド部9との間には下方が開口する空間部11が形成されている。
【0023】
前記バルブボディ2の周壁12には第1流通穴13が内外方向に貫通して形成されている。該第1流通穴13はバルブボディ2の周方向に複数個、図の実施例では等間隔に4個形成されている。
【0024】
前記収納部3内にはフロート14が収納されている。該フロート14は、略下半部に形成したフロート部15と、略上半部に形成した周壁16とからなり、そのフロート部15の外周面17と周壁16の外周面18とが同径に形成され、これら両外周面17,18により、フロート14の軸方向に長い案内面を形成している。そして、該両外周面17,18の外径は、前記フロートガイド部8における内端面8aとの間に前記の僅かな隙間d1 が生じる径に設定され、フロート14がフロートガイド部8に案内されて昇降するようになっている。
【0025】
フロート14の外径を前記のように設定することにより、該フロート14の外周面17,18とバルブボディ2における周壁12の内周面間に大きな流通断面積の流通路19が形成されている。
【0026】
前記周壁16には第2流通穴20が周方向に複数個、図の実施例では周方向に等間隔に4個形成されている。
フロート部15の中央部には下側が開口する有底状のスプリング室21が形成され、該スプリング室21の外周部には仕切り壁22を介して下側が開口する有底状でかつ環状の空間23が形成されている。
【0027】
前記スプリング室21内には、フロート部15と前記キャップ5間に介在させた付勢手段であるコイルスプリング24が収納されており、該コイルスプリング24によってフロート14の浮力調整が図られている。
【0028】
前記フロート部15の上面側には、その中央部に位置して第2弁部25が立設され、該第2弁部25と前記周壁16間に位置して環状の下側バルブガイド部からなる下側バルブガイド部26が立設されている。第2弁部25は断面略三角形で、かつその上面が円弧面に形成され、また、下側バルブガイド部26の内周面は前記上側バルブガイド部9の内端面9aと略同一垂直面上に設定されている。更に、下側バルブガイド部26には係止穴27が周方向に複数個、図の実施例では周方向に等間隔で4個形成されている。
【0029】
前記バルブボディ2の上壁4の中央部には第1連通孔28が形成され、その外周内面に第1バルブシート29が形成されている。該第1バルブシート29と前記フロート14との間には樹脂製のバルブ30が配置されている。
【0030】
該バルブ30は、内部に下側が開口する空間31を有する逆凹状の円筒に形成され、その上板32の中央部に第2連通孔33が形成されている。該第2連通孔33の下部には前記第2弁部25と接離する第2バルブシート34が形成されている。該第2バルブシート34は下側が拡径するテーパ面に形成されている。また、上板32の上面中央にはシール材保持突起35が立設され、これに第1弁部となるシール材36を嵌設し、該シール材からなる第1弁部36が前記第1バルブシート29に接離するように設けられている。前記シール材保持突起35の上部外周は第1弁部となるシール材36が抜け外れないように外方へ膨出形成され、また、シール材36はゴム等により平板状に形成されている。更に、シール材保持突起35内には前記第2連通孔33を上部外側へ開口する通路が形成されている。
【0031】
前記バルブ30の外周面30aの外径は、前記上側バルブガイド部9における内端面9aとの間に前記の僅かな隙間d2 が生じる径に設定され、バルブ30が上側バルブガイド部9に案内されて昇降するようになっている。該バルブ30の軸方向長と上側バルブガイド部9の軸方向長との関係は、図3に示すようにバルブ30の最下降位置において上側バルブガイド部9の下部がバルブ30の外周面30aにおける上部に位置するように設定され、バルブ30が、その最下降位置から最上昇位置まで上側バルブガイド部9に係合して上下方向に案内されるようになっている。
【0032】
前記バルブ30における周壁の下端には部分的に脚部38が延設され、該脚部38の下端に、前記下側バルブガイド部26に形成した係止穴27に係止する爪部39が外側へ突設されている。該脚部38と爪部39は、周方向に複数個、図の実施例では周方向に等間隔で4個形成されている。
【0033】
前記係止穴27と爪部39との関係は、フロート14及びバルブ30が図3に示すように最下降した状態において、係止穴27の上面と爪部39との距離D1 が、第1バルブシート29と第1弁部36との距離D2 よりも小さく設定されている。
【0034】
また、下側バルブガイド部26の内周面が上側バルブガイド部9の内端面9aと略同一垂直面に設定されているため、前記脚部38の外周面と下側バルブガイド部26間には前記バルブ30と上側バルブガイド部9間の隙間d2 と同等の隙間が形成され、バルブ30の外周面30aにおける下部は、下側バルブガイド部26で案内される。そのため、バルブ30は、その昇降の全域において上側バルブガイド部9と下側バルブガイド部26とで上下方向に案内され、バルブ30の昇降時における軸芯に対する傾斜(ガタつき)が防止され、確実なシール作用がなされる。
【0035】
前記キャップ5には、前記フロート部15及び流通路19の下部に位置して流通穴40が形成されている。
前記のように構成された液体遮断弁は、バルブボディ2に形成されたフランジ41により、パッキン42を介して例えば自動車の燃料タンクの上壁43に固着され、バルブボディ2の第1流通穴13が燃料タンク内の上部に位置し、第1連通孔28が図示しないキャニスタへ連通される。
【0036】
次に前記のように構成され、かつ前記のように自動車の燃料タンクに付設された液体遮断弁の作動について説明する。
先ず、燃料タンク内の油面(液面)Wが、フロート14に浮力が生じない位置まで下降している状態においては、図3に示すように、フロート14及びバルブ30が自重により下降し、バルブ30の第1弁部36が第1バルブシート29から離間し、第2バルブシート34が第2弁部25に接する。これにより、第2連通孔33は閉塞し、第1連通孔28が開口する。
【0037】
この状態で、給油によって油面が上昇すると燃料タンク内の気相部のガス(燃料蒸気)は、主にバルブボディ2に形成した第1流通穴13から流入して流通路19を流通し、更にバルブ30と第1バルブシート29との空隙を流通して第1連通孔28から図示しないキャニスタへ逃がす。また、この油面Wの上昇によりフロート14がその浮力によって上昇し、その第2弁部25が第2バルブシート34を閉塞した状態でバルブ30を押し上げ、満タンになるとバルブ30の第1弁部36の第1バルブシート29の下面に接して第1連通孔28を確実に閉塞し、過注入を防止する(図10の状態)。
【0038】
前記のフロート14の上昇時には、そのフロート部15と周壁16とからなるフロート軸方向に比較的長い外周面17,18が、バルブボディ2の軸方向に略全長にわたって形成されたフロートガイド部8に案内されて上昇するため、フロート14が傾斜することなく上昇する。また、バルブ30の下部がフロート14に設けた下側バルブガイド部26の内面に係合し、かつ上部がバルブボディ2に垂設した比較的長い上側バルブガイド部9に案内されるため、このバルブ30も傾斜することなく滑らかに上昇する。したがって、バルブ30が傾斜してその第1弁部36が第1バルブシート29に片当りしたり、第2バルブシート34が第2弁部25に片当りすることがなく、応答性の良いシールが行われる。
【0039】
また、自動車が凹凸道等を走行したり、車両が転倒して燃料タンクが動揺したり傾斜した場合にも、その油面Wの上昇により、前記のようにガス(燃料蒸気)が第1連通孔28から逃げるとともにフロート14の上昇により素早く第1連通孔28を閉塞する。この場合にも、フロート14とバルブ30は前記と同様にガイド部8,9及び26に案内され、バルブボディ2の軸芯に対して傾くことなく移動して確実なシール作用を行う。
【0040】
また、第1連通孔28の開口面積は第2連通孔33の開口面積よりも大きく形成されているため、燃料タンク内のガスの排出面積は十分確保される。
次に、燃料タンク内(バルブボディ2内)の油面Wが下降して再開弁する際には、先ず、フロート14がその自重で下降し、その第2弁部25がバルブ30の第2バルブシート34から離間して第2連通孔33を開く。このとき、第2連通孔33の開口面積は小さく、また、フロート14の上下面に作用するガスの差圧は小さいので、フロート14は第2バルブシート34に固着することなく確実に落下する。その結果、ガス圧力は第1連通孔28から抜け、バルブ30の上下面に作用するガスの差圧が低下し、バルブ30の第1弁部36第1バルブシート29から離間しやすくなる。
【0041】
この状態においてフロート14が下降すると、フロート14に設けた下側バルブガイド部26における係止穴27の上面がバルブ30の爪部39に当り、バルブ30が下方へ強制的に引き降ろされ、バルブ30に設けた第1弁部36が第1バルブシート29により離間し、第1連通孔28が開口して図3に示す通常状態に戻る。
【0042】
このようなフロート14及びバルブ30の下降時においても、フロート14はその最上昇位置から最下降位置までフロートガイド部8に案内され、またバルブ30は、その上部側が上側バルブガイド部9に案内され、下部側が下側バルブガイド部26に案内されて、フロート14及びバルブ30が傾斜することなく下降し、第2連通孔33を閉塞した状態を維持して第1連通孔28を確実に開口する。
【0043】
図11乃至図13は第2実施例を示す。
本第2実施例は、前記第1実施例における上側バルブガイド部9の変形例である。すなわち、前記第1実施例における上側バルブガイド部9に代えて、バルブボディ2の上壁4の下面に、周方向に複数箇所、図の実施例では4箇所スリット50を形成した円筒状の上側バルブガイド部51を垂設したものである。上側バルブガイド部51の下方への長さは前記第1実施例における上側バルブガイド部9の長さと同様に設定されている。そして、該上側バルブガイド部51の円弧状の内面が、前記バルブ30の外周面30aとの間に僅かな隙間を有する円弧状のガイド面52になっている。なお、本第2実施例においては前記第1実施例における連結板部10は設けられていない。
【0044】
その他の構造は前記第1実施例と同様であるため、前記と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
本第2実施例においても、前記第1実施例と同様に、フロート14が上下に長いフロートガイド部8に案内され、またバルブ30が上下に長い上側バルブガイド部51と前記の下側バルブガイド部26に案内され、フロート14とバルブ30が傾斜することなく昇降し、第1連通孔28と第2連通孔33の確実な開閉作動を行う。また、その他の構造についても前記第1実施例と同様の作用、効果を奏する。
【0045】
図14は第3実施例を示すもので、前記第1実施例におけるバルブ30の第1弁部36の変形例である。すなわち、前記第1弁部に代えて、平板状でかつ上面外周部に環状の突起55を形成し、下面外周部に、バルブ30の上面との間に隙間d3 が生じるように環状の段部56を形成したゴム等の弾性材からなる第1弁部36としたものである。
【0046】
その他の構造は前記第1実施例と同様であるため、前記と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
本第3実施例においては、第1弁部であるシール材57が、その環状の突起55により第1バルブシート29に線接触し、かつ該突起55部が隙間d3 の存在によって弾力的にたわむため、該シール材57のシール性が向上する。
【0047】
また、その他の構造についても前記第1実施例と同様の作用、効果を奏する。
図15は第4実施例を示すもので、前記第1実施例の第1弁部を形成するシール材36に代えて更に異なるシール材を使用したものである。すなわち、前記第1実施例におけるバルブ30側のシール材36を排してバルブ30の上面をそのまま第1弁部とし、バルブボディ2の上壁4側にゴム等の弾性材からなるシール材60を設けてその下端面を第1バルブシート29としたものである。更に、シール材60は、その内側に第1連通孔28を形成し、下面外周に、上下に弾力的にたわむことができる断面舌片状のシール部61を形成し、該シール部61にバルブ30の上面が接するようにしたものである。
【0048】
その他の構造は前記第1実施例と同様であるため、前記と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
本第4実施例においても、シール部61がバルブ30の上面に線接触し、かつ弾力的にたわむため、該シール材60のシール性が向上する。
【0049】
また、その他の構造についても前記第1実施例と同様の作用、効果を奏する。
図16は第5実施例を示すもので、前記第4実施例におけるシール材60に代えて異なるシール材を使用したものである。すなわち、バルブボディ2の上壁4側に、内側に第1連通孔28を形成し、下面に、縦断面が先尖状の突部65を環状に形成したゴム等の弾性材からなるシール材66を設けて、その下端面を第1バルブシート29としたものである。また、バルブ30の上面には前記第1実施例に示すシール材36は設けられておらず、バルブ30の上面がそのまま第1弁部36になっている。
【0050】
その他の構造は前記第1実施例と同様であるため、前記と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
本第5実施例においても、シール部61がバルブ30の上面に線接触してそのシール性が向上する。
【0051】
また、その他の構造についても前記第1実施例と同様の作用、効果を奏する。
図17は第6実施例を示す。
本第6実施例は前記第1実施例におけるバルブ30の上面に、第2連通孔33を中心とする環状で、かつ縦断面が先尖状の突部からなる第1弁部36を形成し、バルブボディ2の上壁4側に、内側に第1連通孔28を形成し、下面を平坦な第1バルブシート29に形成したゴム等の弾性材からなるシール材72を設けたものである。なお、バルブ30は樹脂成形により第1弁部36とともに一体成形する。
【0052】
その他の構造は前記第1実施例と同様であるため、前記と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
本第6実施例においても、第1弁部36が第1バルブシート29に線接触してシール性が向上する。
【0053】
また、その他の構造についても前記第1実施例と同様の作用、効果を奏する。
図18は第7実施例を示す。
本第7実施例は、前記第1実施例におけるバルブ30の中央部に、第2連通孔33の軸芯上に中心を有し、かつ、上方へ膨出した球面形状の第1弁部36を形成し、バルブボディ2の上壁4の中央には、内側に第1連通孔28を形成し、かつ下面外周に突部76を環状に形成したゴム等の弾性材からなるシール材77を設け、その下面を第1バルブシート29としたものである。なお、バルブ30は樹脂成形により第1弁部36とともに一体成形され、また、第1弁部36は薄肉に形成されている。更に、前記シール材77の突部76は前記第1弁部36の球面部78に接するように設定されている。
【0054】
その他の構造は前記第1実施例と同様であるため、前記と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
本第7実施例においては、シール材77の突部76がバルブ30における第1弁部36の球面部78に喰い込む状態で接触するため、シール性を向上することができる。
【0055】
また、その他の構造についても前記第1実施例と同様の作用、効果を奏する。
【0056】
【発明の効果】
以上のようであるから、請求項1記載の発明によれば、例えば自動車等の走行中で燃料タンク等の動揺や自動車等の転倒による油面上昇時においても、フロート及びバルブが正しい姿勢で滑らかに上昇移動し、応答性の良い確実なシールが行われて燃料漏れを確実に阻止できる。
【0057】
更に、請求項2記載の発明によれば、前記従来の構造におけるバルブ下降用のバネを省略できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を液体遮断弁の平面図。
【図2】図1における正面図。
【図3】図1における拡大正断面図で、フロートとバルブが下降した状態を示す。
【図4】図3におけるバルブボディの底面図。
【図5】図3に示すフロートとバルブを案内するガイド部を示す斜視図。
【図6】図3に示すフロートの一部切断した正面図。
【図7】図3に示すバルブの一部切断した正面図。
【図8】図3に示すフロートの正面図。
【図9】図8の平面図。
【図10】図3において、フロートとバルブが上昇した状態を示す正断面図。
【図11】本発明の第2実施例を示すバルブボディの要部縦断面図。
【図12】図11のバルブボディの底面図。
【図13】図11におけるフロートとバルブのガイド部を示す斜視図。
【図14】本発明の第3実施例を示す正断面図。
【図15】本発明の第4実施例を示す正断面図。
【図16】本発明の第5実施例を示す正断面図。
【図17】本発明の第6実施例を示す正断面図。
【図18】本発明の第7実施例を示す正断面図。
【図19】従来の液体遮断弁を示す正断面図。
【符号の説明】
2 バルブボディ
4 上壁
8 フロートガイド部
9 上側バルブガイド部
8a,9a ガイド面
12 周壁
14 フロート
25 第2弁部
26 下側バルブガイド部
27 係止穴
28 第1連通孔
29 第1バルブシート
30 バルブ
30a 外周面
33 第2連通孔
36 第1弁部
39 爪部
Claims (3)
- バルブボディ内にフロートを昇降可能に設け、バルブボディの上壁に第1連通孔を形成し、前記フロートと前記第1連通孔の第1バルブシートとの間にバルブを昇降可能に配置し、該バルブには第2連通孔と、前記第1バルブシートに接離する第1弁部を設け、前記フロートには前記第2連通孔に形成した第2バルブシートに接離する第2弁部を設けたものにおいて、
前記バルブボディの周壁の内面には、フロートの昇降範囲全長にわたってフロートの昇降を案内するフロートガイド部を設け、
前記バルブボディ側には、前記バルブの外周面における上部に係合してその上部の昇降を案内する上側バルブガイド部を設け、前記フロートには、前記バルブにおける外周面の下部に係合してその下部の昇降を案内する下側バルブガイド部を設け、
前記フロートは、フロート部と該フロート部から上方へ立設した周壁を有し、該周壁には、内外方向に貫通する流通穴を形成し、該流通穴の下面と、前記フロート部の上面とが同一平面で形成されていることを特徴とする液体遮断弁。 - 前記下側バルブガイド部に係止穴を形成し、前記バルブには前記係止穴に係止する爪部を設けたことを特徴とする請求項1記載の液体遮断弁。
- 前記上側バルブガイド部をバルブボディの内側方向に突出して設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の液体遮断弁。
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