JP2765825B2 - 車輌用燃料タンクのベントバルブ - Google Patents

車輌用燃料タンクのベントバルブ

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、車輌用燃料タンク
のベントバルブに関するものであって、特に、燃料の注
入時、開放されるようにし、蒸発ガスを円滑にキャニス
ターに流入させる車輌用燃料タンクのベントバルブに関
するものである。
【０００２】
【従来の技術並びに発明が解決しようとする課題】一般
的な車輌用燃料タンクには、燃料より発生される蒸発ガ
スが内在されてあって、燃料タンクの圧力を増加させな
がら、又、このため、車輌の衝突、転覆事故の時、燃料
タンクの爆発と共に火災を誘発する要因として作用して
いる。
【０００３】又、燃料タンクの圧力が増加されることに
よって、燃料の注入が容易でなく、燃料が逆流する現象
が生ずるし、揮発性ガスが注入溝を通じて外部に排出さ
れる問題点があった。
【０００４】このような問題点を解決するため、米国特
許第５３１３５７８（燃料タンク排出先開閉手段）にて
開示された発明が案出されたが、その構成が複雑で製造
費が高く且つ、構成の複雑性のため、信頼度が低くなる
問題点があった。
【０００５】本発明は、上記した問題点を解決するため
案出されたものであって、燃料タンクのガス圧力を日頃
適正水準で維持することと同時に、燃料注入の時、ガス
をキャニスターの方に排出されるようにして、揮発性ガ
スが外部に排出されることを防止し、且つ、燃料の注入
を容易にする車輌用燃料タンクのベントバルブを提供す
ることを目的とする。
【０００６】本発明のもう一つの目的は、車輌の激しい
傾斜や、転覆の時に、液体状態の燃料がベントバルブを
通じて、流出されることを防止できるベントバルブを提
供することである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明の車輌用燃料タンクのベントバルブは、燃
料タンクの上部一側側に設置され、その下部の外周に燃
料ガスを流入する流入孔が形成されたガイドパイプと、
このガイドパイプの上端に連設され、内部がキャニスタ
ーと連通されるバルブハウジングと、このバルブハウジ
ングの上端に設置されたキャップと、このキャップの下
端にダイアフラムを介して連結され、バルブ体用弾持部
材で弾持され、内部が燃料注入のパイプと連通されるバ
ルブ体と、上記バルブハウジングとガイドパイプの連結
通路の役割をし、上記バルブ体により開閉される上部排
出溝と、ガイドパイプの下部に設けられ、液体状態の燃
料が排出されないようにする液体燃料排出抑制手段とを
具備して構成されることを特徴とする。
【０００８】上記液体燃料の排出抑制手段は、上記液体
燃料排出抑制手段は、上記ガイドパイプの下端に設置さ
れ、多数個の通孔が形成されているベース部材と、この
ベース部材の上部に設置され、ガイドパイプ内で上下に
スライド可能なガイドフランジと、このガイドフランジ
と上記ベース部材との間の空間に収納され、車輌の転覆
や、傾斜の時に、上記ガイドフランジに荷重を付加する
スチールボールと、上記ガイドフランジの上部にフロー
ト用弾持部材により弾持設置され、上記フロート用弾持
部材の弾発力及び燃料の浮力により上下運動するフロー
トと、上記ガイドパイプの中間部に形成され、上記フロ
ートにより開閉される下部の排出溝を有することを特徴
とする。
【０００９】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的の実施例を
図面を参考にして詳説する。
【００１０】図１は、本発明の実施の形態のベントバル
ブが装着されている燃料タンクの構成図であり、図２は
ベントバルブの構成の断面図である。図面に示すよう
に、燃料タンク（１０）の内側の上部の一側近くにガイ
ドパイプ（２０）が設置されており、このガイドパイプ
（２０）の下端は、通孔（２１ａ）が形成されたベース
部材（２１）により閉塞されている。ガイドパイプ内に
は、上記ベース部材（２１）の上方でガイドフランジ
（４０）が上下に移動可能なように収容されている。
【００１１】上記ベース部材（２１）とガイドフランジ
（４０）の間には、スチ−ルボール（３０）が収納さ
れ、この時、上記ガイドフランジ（４０）は、所定の外
径と高さを持っているし、ガイドパイプ（２０）内でガ
イドフランジ（４０）の昇・下降の動作を安定にするよ
うに、ガイドパイプは、これの下面に接続された円筒胴
体（４２）と、上面に接続され、スチ−ルボール（３
０）の直径より小さい内径のボス（４４）をふくめて構
成となっている。
【００１２】上記ガイドフランジ（４０）の上方には、
フロート（５０）が圧縮コイルスプリング等のフロート
用弾持部材（６０）により弾持設置されている。このフ
ロート（５０）により開閉される下部排出溝（２４）
が、ガイドパイプ（２０）の中間部の段部により上側が
狭く下側が広く形成されている。又、フロート（５０）
の外側に位置するガイドパイプ（２０）の外周壁面には
多数個の流入孔（２２）が形成されている。
【００１３】前記ガイドパイプ（２０）の上端には、こ
のパイプよりも大径のバルブハウジング（８０）が連設
されており、このバルブハウジングの上端開口は、キャ
ップ（７０）により閉塞されている。また、バルブハウ
ジング（８０）の内部、即ち、キャップ（７０）の下端
には、バルブ体（８２）がダイアフラム（８４）を介し
て連結設置されており、また、このバルブ体（８２）の
下端とキャップ（７０）との間にはバルブ体を下方に付
勢するバルブ体用弾持部材（８６）が設置されている。
【００１４】上記バルブ体（８２）の下部近くには、小
径のガイドパイプ（２０）と、大径のバルブハウジング
（８０）との間により規定された段部により、上部排出
溝（８８）が設けらされ、この上部排出溝（８８）は、
バルブハウジングとガイドパイプとの連結通路の役割を
果たし、上記バルブ体（８２）の下部により開閉され
る。
【００１５】上記バルブハウジング（８０）の内部は、
排出管（１００）を通じて、キャニスター（１３０）と
連通され、上記バルブ体（８２）の内部は負圧管（９
０）を通じて、燃料注入パイプ（１２０）と連通されて
る。
【００１６】以下に、上記構成の本発明の車輌用燃料タ
ンクのベントバルブの作用を説明する。
【００１７】通常は、図２に示すように、バルブ体（８
２）が上部の排出溝（８８）を塞いでいて、燃料ガスの
排出が抑制されながら、燃料タンク（１０）内の圧力が
バルブ体用弾持部材（８６）の弾性力以上になると、バ
ルブ体（８２）が上昇して図３に示されるように上部排
出溝（８８）が開かれる。この結果、流入孔（２２）を
通じて、ガイドパイプ（２０）に流入された燃料ガス
は、バルブハウジング（８０）内に流入した後、排出管
（１００）を通じてキャニスター（１３０）に送られ
る。
【００１８】特に、燃料の注入の時には、燃料の注入パ
イプ（１２０）内を、燃料が早い速度で流れることによ
って、負圧管（９０）の圧力が下降し、従って、バルブ
体（８２）の内部の圧力が低くなる。これに比べて、燃
料タンク（１０）内部の圧力は、相対的に高くなるの
で、その圧力の差によってバルブ体（８２）が上昇し、
上部の排出溝（８８）が開かれることによって、燃料ガ
スがキャニスター（１３０）に排出される。従って、燃
料の注入の時に、燃料が逆流されることや、揮発性であ
る燃料ガスが、外部に流出される現象が防止され得る。
【００１９】その上に、車輌が傾くことや燃料が流入溝
（２２）を通じてガイドパイプ（２０）内部に流入され
ても、フロート（５０）が浮力及びフロート用スプリン
グ（６０）の弾発力により上昇し、下部排出溝（２４）
を閉鎖するので、液体状態の燃料がキャニスター（１３
０）の方に排出されるのが防止される。この時、流入さ
れた液体状態の燃料は通孔（２１ａ）を通じて、ガイド
パイプ（２０）の外に排出される。
【００２０】若し、車輌の転覆によって、燃料タンク
（１０）が逆になると、図４に示すように、スチールボ
ール（３０）と一緒にガイドフランジ（４０）が下降
し、フロート（５０）を押さえるので、上記フロート
（５０）により下部排出溝（２４）が閉鎖され、燃料が
流出されることが防止される。従って、燃料の流出によ
って火災か爆発等の危険を予防することが出来る。
【００２１】上記の実施例には、ガイドフランジ（４
０）とベース部材（２１）の間に、スチールボール（３
０）が収納され、車輌が傾いた時や、転覆された時に、
上記ガイドフランジ（４０）に荷重を付加する役割をす
るものの、本発明の他の実施の形態として、図５に示す
ように、スチールボールがない代わり、ガイドフランジ
（４０）の荷重を十分に大きく構成することも出来る。
【００２２】
【発明の効果】上記したように、本発明のベントバルブ
は、燃料注入パイプと連通されているバルブ体内部と、
燃料タンク内部との圧力差によってベントバルブを開閉
することによって、燃料タンク内の燃料ガスをキャニス
ターに円滑に排出し、燃料注入の時、燃料ガスが外部に
流出されることを防止し、燃料の注入を容易にする効果
がある。
【００２３】又、フロートが下部排出溝を開閉させるよ
うにし、液体状態の燃料がキャニスターの方に流入され
ることを防止し、特に、車輌の転覆の時にも、燃料が流
出されることを防止し、火災や爆発等の事故を予防する
利点を持っている。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施の形態のベントバルブが装着さ
れている燃料タンクの構成図である。
【図２】本発明のベントバルブの構成を示した断面図で
ある。
【図３】本発明のベントバルブのガス排出時の状態を示
した断面図である。
【図４】本発明のベントバルブの車輌の転覆時の状態を
示した断面図である。
【図５】本発明の他の実施の形態のベントバルブを示し
た断面図である。
【符号の説明】
１０： 燃料タンク ２０： ガイドパ
イプ ２１： ベース部材 ２１ａ： 通孔 ２２： 流入孔 ２４： 下部排出
溝 ３０： スチールボール ４０： ガイドフ
ランジ ４２： 円筒胴体 ４４： ボス ５０： フロート ６０： フロート
用弾持部材 ７０： キャップ ８０： バルブハ
ウジング ８２： バルブ体 ８４： ダイアフ
ラム ８６： バルブ体用弾持部材 ８８： 上部排出
溝 ９０： 負圧管 １００： 排出管 １２０： 燃料注入パイプ １３０： キャニ
スター

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 燃料タンクの上部一側側に設置され、そ
    の下部の外周に燃料ガスを流入する流入孔が形成された
    ガイドパイプと、このガイドパイプの上端に連設され、
    内部がキャニスターと連通されるバルブハウジングと、
    このバルブハウジングの上端に設置されたキャップと、
    このキャップの下端にダイアフラムを介して連結され、
    バルブ体用弾持部材で弾持され、内部が燃料注入のパイ
    プと連通されるバルブ体と、上記バルブハウジングとガ
    イドパイプの連結通路の役割をし、上記バルブ体により
    開閉される上部排出溝と、ガイドパイプの下部に設けら
    れ、液体状態の燃料が排出されないようにする液体燃料
    排出抑制手段とを具備して構成されることを特徴とする
    車輌用燃料タンクのベントバルブ。
  2. 【請求項２】 上記液体燃料排出抑制手段は、上記ガイ
    ドパイプの下端に設置され、多数個の通孔が形成されて
    いるベース部材と、このベース部材の上部に設置され、
    ガイドパイプ内で上下にスライド可能なガイドフランジ
    と、このガイドフランジと上記ベース部材との間の空間
    に収納され、車輌の転覆や、傾斜の時に、上記ガイドフ
    ランジに荷重を付加するスチールボールと、上記ガイド
    フランジの上部にフロート用弾持部材により弾持設置さ
    れ、上記フロート用弾持部材の弾発力及び燃料の浮力に
    より上下運動するフロートと、上記ガイドパイプの中間
    部に形成され、上記フロートにより開閉される下部の排
    出溝を有することを特徴とする請求項１に記載の車輌用
    燃料タンクのベントバルブ。
  3. 【請求項３】 上記ガイドフランジは、所定の外径と高
    さを持っており、ガイドパイプ内で、ガイドフランジの
    昇・下降動作を安定にする円筒胴体を下に、そしてスチ
    ールボールの直径より小径の内径を有するボスを上に有
    して構成されていることを特徴とする請求項２に記載の
    車輌用燃料タンクのベントバルブ。
  4. 【請求項４】 上記液体燃料の排出抑制手段は、上記ガ
    イドパイプ下端に設置され、多数個の通孔が形成された
    ベース部材と、上記ガイドパイプの下部に内挿され、フ
    ロート用弾持部材により弾持され、上記フロート用弾持
    部材の弾発力及び燃料の浮力により上下運動するフロー
    トと、上記ベース部材と上記フロートの間に上下にスラ
    イド可能に設置され、車輌転覆の時、上記フロートを下
    降させるのに十分な荷重を持っているガイドフランジ
    と、上記ガイドパイプの中間部に形成され、上記フロー
    トによって、開閉される下部の排出溝とを有するこをを
    特徴とする請求項１に記載の車輌用燃料タンクのベント
    バルブ。
  5. 【請求項５】 上記ガイドフランジは、所定の外径と高
    さを持っており、ガイドパイプ内でガイドフランジの昇
    ・下降の動作を安定にする円筒胴体を下に、そして、上
    記円筒胴体の外径より直径が小さく形成されたボスを上
    に有して構成されていることを特徴とする請求項４に記
    載の車輌用燃料タンクのベントバルブ。
  6. 【請求項６】 上記下部排出溝の内径は、上側が狭く下
    側が広く形成されていることを特徴とする請求項２ない
    し４のいずれか１に記載の車輌用燃料タンクのベントバ
    ルブ。
JP8344196A 1995-12-27 1996-12-24 車輌用燃料タンクのベントバルブ Expired - Lifetime JP2765825B2 (ja)

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KR1995-59727 1995-12-27

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JPH09296764A JPH09296764A (ja) 1997-11-18
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