JPH08143690A - 撥水性耐摩耗薄膜の形成方法 - Google Patents
撥水性耐摩耗薄膜の形成方法Info
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- JPH08143690A JPH08143690A JP6285616A JP28561694A JPH08143690A JP H08143690 A JPH08143690 A JP H08143690A JP 6285616 A JP6285616 A JP 6285616A JP 28561694 A JP28561694 A JP 28561694A JP H08143690 A JPH08143690 A JP H08143690A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】樹脂基板上に優れた撥水性と耐摩耗性とを確実
に発揮する撥水性耐摩耗薄膜を強固な密着力の下で形成
する。 【構成・作用】アクリル系光重合硬化塗料と、シラノー
ル基を有するポリシロキサン組成物とを含有する未硬化
下地層4を樹脂基板1上に形成する。この未硬化下地層
2上に、シリコン系熱重合硬化塗料と、パーフルオロア
ルコキシラン(FAS)とを含有する未硬化上層5を形
成する。紫外線を照射して未硬化下地層4を重合させ、
加熱処理により未硬化上層5を重合させる。未硬化上層
4の重合時にシリコーン系熱重合硬化塗料中のシラノー
ル基と、FAS中の−OCH3 基とが反応してこれらの
間にシロキサン結合を生じ、これらが強固に結合する。
同時に、ポリシロキサン組成物のシラノール基と、未硬
化上層5のシラノール基とがシロキサン結合され、下地
層4と上層5とが強固に結合する。
に発揮する撥水性耐摩耗薄膜を強固な密着力の下で形成
する。 【構成・作用】アクリル系光重合硬化塗料と、シラノー
ル基を有するポリシロキサン組成物とを含有する未硬化
下地層4を樹脂基板1上に形成する。この未硬化下地層
2上に、シリコン系熱重合硬化塗料と、パーフルオロア
ルコキシラン(FAS)とを含有する未硬化上層5を形
成する。紫外線を照射して未硬化下地層4を重合させ、
加熱処理により未硬化上層5を重合させる。未硬化上層
4の重合時にシリコーン系熱重合硬化塗料中のシラノー
ル基と、FAS中の−OCH3 基とが反応してこれらの
間にシロキサン結合を生じ、これらが強固に結合する。
同時に、ポリシロキサン組成物のシラノール基と、未硬
化上層5のシラノール基とがシロキサン結合され、下地
層4と上層5とが強固に結合する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂製品の表面に撥水
性と耐摩耗性とを有する撥水性耐摩耗薄膜を形成する撥
水性耐摩耗薄膜の形成方法に関する。
性と耐摩耗性とを有する撥水性耐摩耗薄膜を形成する撥
水性耐摩耗薄膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の窓には一般に無機ガラス製品
を多く使用しているが、無機ガラス製品は、水の接触角
が30°程度であり、撥水性が充分ではない。このた
め、無機ガラス製品に撥水性を付与する方法が開発され
ている。例えば、「日本セラミックス協会、年会講演予
稿集(vol.1991第96頁)」や「jounal
of Non−Crystalline Solid
s 121(1990)344−347 North−
Holland」には、ガラス基板にゾル・ゲル法によ
りフッ素を含有するSiO2 からなる撥水性耐摩耗薄膜
を形成する方法が開示されている。また、近年、市販の
撥水剤が市販されており、この撥水剤を自動車の窓に塗
布することもなされている。
を多く使用しているが、無機ガラス製品は、水の接触角
が30°程度であり、撥水性が充分ではない。このた
め、無機ガラス製品に撥水性を付与する方法が開発され
ている。例えば、「日本セラミックス協会、年会講演予
稿集(vol.1991第96頁)」や「jounal
of Non−Crystalline Solid
s 121(1990)344−347 North−
Holland」には、ガラス基板にゾル・ゲル法によ
りフッ素を含有するSiO2 からなる撥水性耐摩耗薄膜
を形成する方法が開示されている。また、近年、市販の
撥水剤が市販されており、この撥水剤を自動車の窓に塗
布することもなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、無機ガラス製
品は重量物であるとともに加工が困難であるため、最
近、無機ガラス製品に代え、軽量でかつ加工性に優れた
透明樹脂製品を使うことが提案されている。ここで、撥
水性のみの観点からは、樹脂基板がポリカーボネート
(PC)であれば、それ自身の疎水性により水との接触
角を75°程度確保できる。ところが、この程度の接触
角では撥水性として未だ不十分である。このため、この
樹脂基板を自動車等の窓に採用すれば、雨天等において
良好な視界を確保しにくい。また、この樹脂基板では、
耐摩耗性が満足できない。
品は重量物であるとともに加工が困難であるため、最
近、無機ガラス製品に代え、軽量でかつ加工性に優れた
透明樹脂製品を使うことが提案されている。ここで、撥
水性のみの観点からは、樹脂基板がポリカーボネート
(PC)であれば、それ自身の疎水性により水との接触
角を75°程度確保できる。ところが、この程度の接触
角では撥水性として未だ不十分である。このため、この
樹脂基板を自動車等の窓に採用すれば、雨天等において
良好な視界を確保しにくい。また、この樹脂基板では、
耐摩耗性が満足できない。
【0004】また、上記市販の撥水剤を樹脂基板に塗布
するのみでは、撥水層の耐摩耗性に劣る。さらに、樹脂
基板上にプライマー層を介して形成したアクリル系硬化
塗料からなる薄膜では、アクリル基の疎水性により水と
の接触角が60°程度となり、ある程度の撥水性を発揮
することはできる。しかし、この程度の接触角では撥水
性としてやはり未だ不十分であり、また耐摩耗性でやは
り満足できない。
するのみでは、撥水層の耐摩耗性に劣る。さらに、樹脂
基板上にプライマー層を介して形成したアクリル系硬化
塗料からなる薄膜では、アクリル基の疎水性により水と
の接触角が60°程度となり、ある程度の撥水性を発揮
することはできる。しかし、この程度の接触角では撥水
性としてやはり未だ不十分であり、また耐摩耗性でやは
り満足できない。
【0005】同様に、樹脂基板上にプライマー層を介し
て形成したシリコーン系硬化塗料からなる薄膜では、S
i(CH3 )2 結合やレベリング剤等の影響で水との接
触角が82°程度まで高まり、やはりある程度の撥水性
を発揮することができるとともに、SiO2-x (x=
0.6〜0.7)の構造により耐摩耗性である程度満足
できる。ところが、この程度の接触角でも撥水性として
やはり未だ不十分であり、特に使用中の紫外線暴露等に
より界面活性剤やレベリング剤等が劣化し、充分な撥水
性が確実に得られない。
て形成したシリコーン系硬化塗料からなる薄膜では、S
i(CH3 )2 結合やレベリング剤等の影響で水との接
触角が82°程度まで高まり、やはりある程度の撥水性
を発揮することができるとともに、SiO2-x (x=
0.6〜0.7)の構造により耐摩耗性である程度満足
できる。ところが、この程度の接触角でも撥水性として
やはり未だ不十分であり、特に使用中の紫外線暴露等に
より界面活性剤やレベリング剤等が劣化し、充分な撥水
性が確実に得られない。
【0006】この点、上記ゾル・ゲル法を応用してガラ
ス基板の代わりに樹脂基板を採用し、樹脂基板に撥水性
と耐摩耗性とのある撥水性耐摩耗薄膜を形成することも
考えられる。ところが、樹脂基板を採用してゾル・ゲル
法をそのまま採用すると、上記刊行物にも記載されてい
るように、焼成温度によって薄膜中のフッ素が蒸発し、
撥水性が低下してしまう。
ス基板の代わりに樹脂基板を採用し、樹脂基板に撥水性
と耐摩耗性とのある撥水性耐摩耗薄膜を形成することも
考えられる。ところが、樹脂基板を採用してゾル・ゲル
法をそのまま採用すると、上記刊行物にも記載されてい
るように、焼成温度によって薄膜中のフッ素が蒸発し、
撥水性が低下してしまう。
【0007】本発明の第1の課題は、樹脂基板上に優れ
た撥水性と耐摩耗性とを確実に発揮する撥水性耐摩耗薄
膜を形成せんとすることにある。また、樹脂基板を採用
して上記ゾル・ゲル法をそのまま採用すると、樹脂基板
上に直接撥水性耐摩耗薄膜が形成されることとなるた
め、撥水性耐摩耗薄膜が樹脂基板に対して強固に密着さ
れない。このため、こうして得られる撥水性耐摩耗薄膜
は、長期間の使用等により剥離しやすいという欠点を有
する。
た撥水性と耐摩耗性とを確実に発揮する撥水性耐摩耗薄
膜を形成せんとすることにある。また、樹脂基板を採用
して上記ゾル・ゲル法をそのまま採用すると、樹脂基板
上に直接撥水性耐摩耗薄膜が形成されることとなるた
め、撥水性耐摩耗薄膜が樹脂基板に対して強固に密着さ
れない。このため、こうして得られる撥水性耐摩耗薄膜
は、長期間の使用等により剥離しやすいという欠点を有
する。
【0008】この点、樹脂基板上にプライマー層を介し
て形成したアクリル系硬化塗料又はやシリコーン系硬化
塗料からなる薄膜においても、樹脂基板とこれらアクリ
ル系硬化塗料又はやシリコーン系硬化塗料からなる薄膜
との密着性が悪く、剥離しやすいことにさほどの相違は
ない。特に、薄膜がシリコーン系硬化塗料からなるもの
であれば、SiO2-x (x=0.6〜0.7)の構造で
あり、無機ガラスと同様のSiO2 の構造ではないた
め、水が内部に浸透して膨潤しやすい。このため、例え
アクリル系硬化塗料の上にシリコーン系硬化塗料を塗布
して形成したとしても、こうして得られる薄膜は、熱水
試験後に剥離しやすい。
て形成したアクリル系硬化塗料又はやシリコーン系硬化
塗料からなる薄膜においても、樹脂基板とこれらアクリ
ル系硬化塗料又はやシリコーン系硬化塗料からなる薄膜
との密着性が悪く、剥離しやすいことにさほどの相違は
ない。特に、薄膜がシリコーン系硬化塗料からなるもの
であれば、SiO2-x (x=0.6〜0.7)の構造で
あり、無機ガラスと同様のSiO2 の構造ではないた
め、水が内部に浸透して膨潤しやすい。このため、例え
アクリル系硬化塗料の上にシリコーン系硬化塗料を塗布
して形成したとしても、こうして得られる薄膜は、熱水
試験後に剥離しやすい。
【0009】本発明の第2の課題は、樹脂基板上に優れ
た撥水性と耐摩耗性とを確実に発揮する撥水性耐摩耗薄
膜を強固な密着力の下で形成せんとすることにある。
た撥水性と耐摩耗性とを確実に発揮する撥水性耐摩耗薄
膜を強固な密着力の下で形成せんとすることにある。
【0010】
(1)請求項1の撥水性耐摩耗薄膜の形成方法は、上記
第1の課題を解決するため、樹脂基板上に、プライマー
層を介し、シリコーン系耐摩耗熱重合硬化組成物と、フ
ッ素を有するシランカップリング剤とを含有する未硬化
層を形成する未硬化層形成工程と、120℃以下の加熱
処理により該未硬化層を重合させる重合硬化工程と、を
有することを特徴とする。
第1の課題を解決するため、樹脂基板上に、プライマー
層を介し、シリコーン系耐摩耗熱重合硬化組成物と、フ
ッ素を有するシランカップリング剤とを含有する未硬化
層を形成する未硬化層形成工程と、120℃以下の加熱
処理により該未硬化層を重合させる重合硬化工程と、を
有することを特徴とする。
【0011】(2)請求項2の撥水性耐摩耗薄膜の形成
方法は、上記第1、2の課題を解決するため、樹脂基板
上に、有機系耐摩耗ラジカル重合硬化組成物と、シラノ
ール基を有するポリシロキサン組成物とを含有する未硬
化下地層を形成する未硬化下地層形成工程と、該未硬化
下地層上に、シリコーン系耐摩耗熱重合硬化組成物と、
フッ素を有するシランカップリング剤とを含有する未硬
化上層を形成する未硬化上層形成工程と、光若しくは電
子線の照射又は120℃以下の加熱処理により該未硬化
下地層を重合させる下地層重合硬化工程と、120℃以
下の加熱処理により該未硬化上層を重合させる上層重合
硬化工程と、を有することを特徴とする。
方法は、上記第1、2の課題を解決するため、樹脂基板
上に、有機系耐摩耗ラジカル重合硬化組成物と、シラノ
ール基を有するポリシロキサン組成物とを含有する未硬
化下地層を形成する未硬化下地層形成工程と、該未硬化
下地層上に、シリコーン系耐摩耗熱重合硬化組成物と、
フッ素を有するシランカップリング剤とを含有する未硬
化上層を形成する未硬化上層形成工程と、光若しくは電
子線の照射又は120℃以下の加熱処理により該未硬化
下地層を重合させる下地層重合硬化工程と、120℃以
下の加熱処理により該未硬化上層を重合させる上層重合
硬化工程と、を有することを特徴とする。
【0012】(3)請求項3の撥水性耐摩耗薄膜の形成
方法は、請求項2記載の撥水性耐摩耗薄膜の形成方法に
おいて、シラノール基を有するポリシロキサン組成物
は、メタクリル基、アクリル基、エポキシ基、アミノ基
及びビニル基の少なくとも一つの有機系官能基を有する
ことを特徴とする。 (4)請求項4の撥水性耐摩耗薄膜の形成方法は、請求
項1、2又は3記載の撥水性耐摩耗薄膜の形成方法にお
いて、フッ素を有するシランカップリング剤は、自己縮
合されていることを特徴とする。
方法は、請求項2記載の撥水性耐摩耗薄膜の形成方法に
おいて、シラノール基を有するポリシロキサン組成物
は、メタクリル基、アクリル基、エポキシ基、アミノ基
及びビニル基の少なくとも一つの有機系官能基を有する
ことを特徴とする。 (4)請求項4の撥水性耐摩耗薄膜の形成方法は、請求
項1、2又は3記載の撥水性耐摩耗薄膜の形成方法にお
いて、フッ素を有するシランカップリング剤は、自己縮
合されていることを特徴とする。
【0013】(5)請求項5の撥水性耐摩耗薄膜の形成
方法は、上記第1の課題を解決するため、樹脂基板上
に、シリコーン系耐摩耗熱重合硬化組成物と、アルキル
基を結合したシランカップリング剤とを含有する未硬化
層を形成する未硬化層形成工程と、120℃以下の加熱
処理により該未硬化層を重合させる重合硬化工程と、を
有することを特徴とする。
方法は、上記第1の課題を解決するため、樹脂基板上
に、シリコーン系耐摩耗熱重合硬化組成物と、アルキル
基を結合したシランカップリング剤とを含有する未硬化
層を形成する未硬化層形成工程と、120℃以下の加熱
処理により該未硬化層を重合させる重合硬化工程と、を
有することを特徴とする。
【0014】(6)請求項6の撥水性耐摩耗薄膜の形成
方法は、上記第1、2の課題を解決するため、樹脂基板
上に、有機系耐摩耗ラジカル重合硬化組成物と、シラノ
ール基を有するポリシロキサン組成物とを含有する未硬
化下地層を形成する未硬化下地層形成工程と、該未硬化
下地層上に、シリコーン系耐摩耗熱重合硬化組成物と、
アルキル基を結合したシランカップリング剤とを含有す
る未硬化上層を形成する未硬化上層形成工程と、光若し
くは電子線の照射又は120℃以下の加熱処理により該
未硬化下地層を重合させる下地層重合硬化工程と、12
0℃以下の加熱処理により該未硬化上層を重合させる上
層重合硬化工程と、を有することを特徴とする。
方法は、上記第1、2の課題を解決するため、樹脂基板
上に、有機系耐摩耗ラジカル重合硬化組成物と、シラノ
ール基を有するポリシロキサン組成物とを含有する未硬
化下地層を形成する未硬化下地層形成工程と、該未硬化
下地層上に、シリコーン系耐摩耗熱重合硬化組成物と、
アルキル基を結合したシランカップリング剤とを含有す
る未硬化上層を形成する未硬化上層形成工程と、光若し
くは電子線の照射又は120℃以下の加熱処理により該
未硬化下地層を重合させる下地層重合硬化工程と、12
0℃以下の加熱処理により該未硬化上層を重合させる上
層重合硬化工程と、を有することを特徴とする。
【0015】(7)請求項7の撥水性耐摩耗薄膜の形成
方法は、請求項6記載の撥水性耐摩耗薄膜の形成方法に
おいて、シラノール基を有するポリシロキサン組成物
は、メタクリル基、アクリル基、エポキシ基、アミノ基
及びビニル基の少なくとも一つの有機系官能基を有する
ことを特徴とする。 上記請求項1〜7の撥水性耐摩耗薄膜の形成方法におい
て、樹脂基板としては、自動車等の窓に使用するのであ
れば透明樹脂基板を採用することができる。例えば、P
C基板、アクリル系樹脂基板、メタクリル系樹脂基板等
を採用することができる。
方法は、請求項6記載の撥水性耐摩耗薄膜の形成方法に
おいて、シラノール基を有するポリシロキサン組成物
は、メタクリル基、アクリル基、エポキシ基、アミノ基
及びビニル基の少なくとも一つの有機系官能基を有する
ことを特徴とする。 上記請求項1〜7の撥水性耐摩耗薄膜の形成方法におい
て、樹脂基板としては、自動車等の窓に使用するのであ
れば透明樹脂基板を採用することができる。例えば、P
C基板、アクリル系樹脂基板、メタクリル系樹脂基板等
を採用することができる。
【0016】シリコーン系耐摩耗熱重合硬化組成物とし
ては、シリコーン系熱重合硬化塗料(例えば、日本ダク
ロシャムロック:ソルガードNP−730、東芝シリコ
ーン:トスガード510、信越化学工業:KP−64)
等を採用することができる。フッ素並びにメタクリル
基、アクリル基、エポキシ基、アミノ基及びビニル基の
少なくとも一つの有機系官能基を有するシランカップリ
ング剤としては、パーフルオロアルコキシラン(FAS
(例えば、信越化学工業:KBM−7803))等を採
用することができる。
ては、シリコーン系熱重合硬化塗料(例えば、日本ダク
ロシャムロック:ソルガードNP−730、東芝シリコ
ーン:トスガード510、信越化学工業:KP−64)
等を採用することができる。フッ素並びにメタクリル
基、アクリル基、エポキシ基、アミノ基及びビニル基の
少なくとも一つの有機系官能基を有するシランカップリ
ング剤としては、パーフルオロアルコキシラン(FAS
(例えば、信越化学工業:KBM−7803))等を採
用することができる。
【0017】有機系耐摩耗ラジカル重合硬化組成物のう
ち、光(例えば、紫外線(UV))を受けて重合すれば
硬化する有機系耐摩耗光重合硬化組成物としては、アク
リル系紫外線重合硬化塗料(例えば、三菱レーヨン:ア
クリキング、大日精化:DP−10)、ホスファゼン系
紫外線重合硬化塗料(例えば、出光:PPZ)等を採用
することができる。
ち、光(例えば、紫外線(UV))を受けて重合すれば
硬化する有機系耐摩耗光重合硬化組成物としては、アク
リル系紫外線重合硬化塗料(例えば、三菱レーヨン:ア
クリキング、大日精化:DP−10)、ホスファゼン系
紫外線重合硬化塗料(例えば、出光:PPZ)等を採用
することができる。
【0018】有機系耐摩耗ラジカル重合硬化組成物のう
ち、電子線(EB)を受けて重合すれば硬化する有機系
耐摩耗電子線重合硬化組成物としては、アクリル系電子
線重合硬化組成物等を採用することができる。有機系耐
摩耗ラジカル重合硬化組成物のうち、熱を受けて重合す
れば硬化する有機系耐摩耗熱重合硬化組成物としては、
アクリル系熱重合硬化塗料、メラミン系熱重合硬化塗料
等を採用することができる。
ち、電子線(EB)を受けて重合すれば硬化する有機系
耐摩耗電子線重合硬化組成物としては、アクリル系電子
線重合硬化組成物等を採用することができる。有機系耐
摩耗ラジカル重合硬化組成物のうち、熱を受けて重合す
れば硬化する有機系耐摩耗熱重合硬化組成物としては、
アクリル系熱重合硬化塗料、メラミン系熱重合硬化塗料
等を採用することができる。
【0019】シラノール基を有するポリシロキサン組成
物としては、シランカップリング剤の他、シリコーン系
耐摩耗熱重合硬化組成物等を採用することができる。シ
ラノール基並びにメタクリル基、アクリル基、エポキシ
基、アミノ基及びビニル基の少なくとも一つの有機系官
能基を有するシランカップリング剤としては、マクロモ
レキュラーカップリング剤(例えば、日本ユニカ−:M
MCA)、エポキシ官能性シラン(例えば、信越化学工
業:KBM−403、KBZ−402、KBE−40
3)、アクリル官能性シラン(例えば、信越化学工業:
KBM−5102、KBM−5103)、紫外線硬化型
シリコーンハードコート剤(例えば、信越化学工業:X
−12−2400)等を採用することができる。メタク
リル基又はアクリル基を有するシランカップリング剤と
して例えば、信越化学工業:KBM−503、KBM−
502、KBE−502等、ビニル基を有するシランカ
ップリング剤として例えば信越化学工業:KBE−10
03、KBM−1003、KA−1003等を採用する
ことが好ましい。
物としては、シランカップリング剤の他、シリコーン系
耐摩耗熱重合硬化組成物等を採用することができる。シ
ラノール基並びにメタクリル基、アクリル基、エポキシ
基、アミノ基及びビニル基の少なくとも一つの有機系官
能基を有するシランカップリング剤としては、マクロモ
レキュラーカップリング剤(例えば、日本ユニカ−:M
MCA)、エポキシ官能性シラン(例えば、信越化学工
業:KBM−403、KBZ−402、KBE−40
3)、アクリル官能性シラン(例えば、信越化学工業:
KBM−5102、KBM−5103)、紫外線硬化型
シリコーンハードコート剤(例えば、信越化学工業:X
−12−2400)等を採用することができる。メタク
リル基又はアクリル基を有するシランカップリング剤と
して例えば、信越化学工業:KBM−503、KBM−
502、KBE−502等、ビニル基を有するシランカ
ップリング剤として例えば信越化学工業:KBE−10
03、KBM−1003、KA−1003等を採用する
ことが好ましい。
【0020】アルキル基を結合したシランカップリング
剤としては、例えば、日本ユニカー:A−137、A−
187等を採用することができる。アルキル基は8以上
の炭素数で結合される程度に長い方が好ましい。有機系
ラジカル重合硬化組成物と、シラノール基を有するポリ
シロキサン組成物とを含有する未硬化下地層の厚みは、
0.1×105 Å以上であることが好ましい。0.1×
105 Å未満の厚みでは、上層の密着性向上の効果が少
ない。
剤としては、例えば、日本ユニカー:A−137、A−
187等を採用することができる。アルキル基は8以上
の炭素数で結合される程度に長い方が好ましい。有機系
ラジカル重合硬化組成物と、シラノール基を有するポリ
シロキサン組成物とを含有する未硬化下地層の厚みは、
0.1×105 Å以上であることが好ましい。0.1×
105 Å未満の厚みでは、上層の密着性向上の効果が少
ない。
【0021】シリコーン系耐摩耗熱重合硬化組成物と、
フッ素を有するシランカップリング剤又は炭素数が8以
上のアルキル基を結合したシランカップリング剤とを含
有する未硬化上層又は未硬化層の厚みは、0.5×10
4 〜5×104 (Å)であることが好ましい。厚みが5
×105 (Å)以上では硬化時の収縮によるクラックが
発生しやすく、耐摩耗性が低下する。また、厚みが0.
5×104 (Å)以下では均一な塗膜が得られにくく、
耐摩耗性が低下する。
フッ素を有するシランカップリング剤又は炭素数が8以
上のアルキル基を結合したシランカップリング剤とを含
有する未硬化上層又は未硬化層の厚みは、0.5×10
4 〜5×104 (Å)であることが好ましい。厚みが5
×105 (Å)以上では硬化時の収縮によるクラックが
発生しやすく、耐摩耗性が低下する。また、厚みが0.
5×104 (Å)以下では均一な塗膜が得られにくく、
耐摩耗性が低下する。
【0022】
(1)請求項1の形成方法では、樹脂基板上に、プライ
マー層を介し、シリコーン系耐摩耗熱重合硬化組成物
と、フッ素を有するシランカップリング剤とを含有する
未硬化層を形成している。そして、120℃以下の加熱
処理により未硬化層を重合させれば、未硬化層におい
て、シリコーン系耐摩耗熱重合硬化組成物中のシラノー
ル(Si−OH)基と、フッ素を有するシランカップリ
ング剤中の−OCH3 基又は−Cl基とが反応するた
め、シリコーン系耐摩耗熱重合硬化組成物とフッ素を有
するシランカップリング剤との間にSi−O−Siのシ
ロキサン結合を生じる。
マー層を介し、シリコーン系耐摩耗熱重合硬化組成物
と、フッ素を有するシランカップリング剤とを含有する
未硬化層を形成している。そして、120℃以下の加熱
処理により未硬化層を重合させれば、未硬化層におい
て、シリコーン系耐摩耗熱重合硬化組成物中のシラノー
ル(Si−OH)基と、フッ素を有するシランカップリ
ング剤中の−OCH3 基又は−Cl基とが反応するた
め、シリコーン系耐摩耗熱重合硬化組成物とフッ素を有
するシランカップリング剤との間にSi−O−Siのシ
ロキサン結合を生じる。
【0023】加熱処理温度が120℃を超えれば、樹脂
基板やシリコーン系耐摩耗熱重合硬化組成物が劣化す
る。こうして、シリコーン系耐摩耗熱重合硬化組成物と
フッ素を有するシランカップリング剤とが強固に結合す
る。なお、このとき、脱アルコール反応又は水の存在に
より脱水反応を生じていると考えられる。
基板やシリコーン系耐摩耗熱重合硬化組成物が劣化す
る。こうして、シリコーン系耐摩耗熱重合硬化組成物と
フッ素を有するシランカップリング剤とが強固に結合す
る。なお、このとき、脱アルコール反応又は水の存在に
より脱水反応を生じていると考えられる。
【0024】こうして得られる撥水性耐摩耗薄膜は、シ
ロキサン結合により結合されたシランカップリング剤の
フッ素結合基が表面及び内部に存在するため、自由エネ
ルギーの低い状態となり、優れた撥水性を発揮する。ま
た、この撥水性耐摩耗薄膜は、表面及び内部のほとんど
がシリコーン系耐摩耗熱重合硬化組成物の硬化したもの
であり、優れた耐摩耗性を発揮する。
ロキサン結合により結合されたシランカップリング剤の
フッ素結合基が表面及び内部に存在するため、自由エネ
ルギーの低い状態となり、優れた撥水性を発揮する。ま
た、この撥水性耐摩耗薄膜は、表面及び内部のほとんど
がシリコーン系耐摩耗熱重合硬化組成物の硬化したもの
であり、優れた耐摩耗性を発揮する。
【0025】(2)請求項2の形成方法では、樹脂基板
上に、まず有機系耐摩耗ラジカル重合硬化組成物と、シ
ラノール基を有するポリシロキサン組成物とを含有する
未硬化下地層を形成している。この場合、耐摩耗ラジカ
ル重合硬化組成物が有機系のものであるため、ポリシロ
キサン組成物のシラノール基は表面側に位置する。次い
で、光若しくは電子線の照射又は120℃以下の加熱処
理により未硬化下地層を重合させれば、未硬化下地層に
おいて、耐摩耗ラジカル重合硬化組成物がラジカル重合
し、下地層となる。
上に、まず有機系耐摩耗ラジカル重合硬化組成物と、シ
ラノール基を有するポリシロキサン組成物とを含有する
未硬化下地層を形成している。この場合、耐摩耗ラジカ
ル重合硬化組成物が有機系のものであるため、ポリシロ
キサン組成物のシラノール基は表面側に位置する。次い
で、光若しくは電子線の照射又は120℃以下の加熱処
理により未硬化下地層を重合させれば、未硬化下地層に
おいて、耐摩耗ラジカル重合硬化組成物がラジカル重合
し、下地層となる。
【0026】また、未硬化下地層又は下地層上にシリコ
ーン系耐摩耗熱重合硬化組成物と、フッ素を有するシラ
ンカップリング剤とを含有する未硬化上層を形成すれ
ば、未硬化下地層又は下地層にはポリシロキサン組成物
のシラノール基を介して未硬化上層が被覆される。そし
て、120℃以下の加熱処理により未硬化上層を重合さ
せれば、未硬化上層において、シリコーン系耐摩耗熱重
合硬化組成物とフッ素を有するシランカップリング剤と
の間にシロキサン結合を生じる。また、未硬化上層と未
硬化下地層又は下地層との界面において、ポリシロキサ
ン組成物中のシラノール基と、フッ素を有するシランカ
ップリング剤中の−OCH3 基又は−Cl基とが反応す
るため、ポリシロキサン組成物とフッ素を有するシラン
カップリング剤との間にもシロキサン結合を生じ、下地
層と上層とが強固に結合する。
ーン系耐摩耗熱重合硬化組成物と、フッ素を有するシラ
ンカップリング剤とを含有する未硬化上層を形成すれ
ば、未硬化下地層又は下地層にはポリシロキサン組成物
のシラノール基を介して未硬化上層が被覆される。そし
て、120℃以下の加熱処理により未硬化上層を重合さ
せれば、未硬化上層において、シリコーン系耐摩耗熱重
合硬化組成物とフッ素を有するシランカップリング剤と
の間にシロキサン結合を生じる。また、未硬化上層と未
硬化下地層又は下地層との界面において、ポリシロキサ
ン組成物中のシラノール基と、フッ素を有するシランカ
ップリング剤中の−OCH3 基又は−Cl基とが反応す
るため、ポリシロキサン組成物とフッ素を有するシラン
カップリング剤との間にもシロキサン結合を生じ、下地
層と上層とが強固に結合する。
【0027】こうして得られる撥水性耐摩耗薄膜は、シ
ロキサン結合により結合されたシランカップリング剤の
フッ素結合基が上層の表面及び内部並びに上層と下地層
との界面に存在するため、自由エネルギーの低い状態と
なり、優れた撥水性を発揮する。また、この撥水性耐摩
耗薄膜は、表面が有機系耐摩耗ラジカル重合硬化組成物
が硬化した下地層でなく、この下地層上に形成されたほ
とんどシリコーン系耐摩耗熱重合硬化組成物が硬化した
上層である。ここで、この撥水性耐摩耗薄膜では、下地
層により樹脂基板から上層まで段階的に硬度が高くなっ
ている。このため、この撥水性耐摩耗薄膜は下地層と上
層とが十分に密着される。
ロキサン結合により結合されたシランカップリング剤の
フッ素結合基が上層の表面及び内部並びに上層と下地層
との界面に存在するため、自由エネルギーの低い状態と
なり、優れた撥水性を発揮する。また、この撥水性耐摩
耗薄膜は、表面が有機系耐摩耗ラジカル重合硬化組成物
が硬化した下地層でなく、この下地層上に形成されたほ
とんどシリコーン系耐摩耗熱重合硬化組成物が硬化した
上層である。ここで、この撥水性耐摩耗薄膜では、下地
層により樹脂基板から上層まで段階的に硬度が高くなっ
ている。このため、この撥水性耐摩耗薄膜は下地層と上
層とが十分に密着される。
【0028】(3)請求項3の形成方法では、シラノー
ル基を有するポリシロキサン組成物がメタクリル基、ア
クリル基、エポキシ基、アミノ基及びビニル基の少なく
とも一つの有機系官能基を有している。この場合には、
未硬化下地層又は下地層を構成する耐摩耗ラジカル重合
硬化組成物が有機系のものであるため、有機系官能基が
未硬化下地層又は下地層で好適な相溶性を確保する。こ
こで、メタクリル基又はアクリル基及びビニル基の少な
くとも一つの有機系官能基を有する場合には、有機系官
能基が二重結合を有するため、下地層重合硬化工程時に
メタクリル基等が未硬化下地層又は下地層の内部でラジ
カル反応により結合し、下地層と上層とがより強固に結
合される。
ル基を有するポリシロキサン組成物がメタクリル基、ア
クリル基、エポキシ基、アミノ基及びビニル基の少なく
とも一つの有機系官能基を有している。この場合には、
未硬化下地層又は下地層を構成する耐摩耗ラジカル重合
硬化組成物が有機系のものであるため、有機系官能基が
未硬化下地層又は下地層で好適な相溶性を確保する。こ
こで、メタクリル基又はアクリル基及びビニル基の少な
くとも一つの有機系官能基を有する場合には、有機系官
能基が二重結合を有するため、下地層重合硬化工程時に
メタクリル基等が未硬化下地層又は下地層の内部でラジ
カル反応により結合し、下地層と上層とがより強固に結
合される。
【0029】なお、シラノール基を有するポリシロキサ
ン組成物として、未硬化上層を構成するシリコーン系耐
摩耗熱重合硬化組成物を採用した場合には、未硬化上層
を形成するためのシリコーン系耐摩耗熱重合硬化組成物
をポリシロキサン組成物として採用することができるた
め、特別なポリシロキサン組成物を用意する必要がな
く、便利である。
ン組成物として、未硬化上層を構成するシリコーン系耐
摩耗熱重合硬化組成物を採用した場合には、未硬化上層
を形成するためのシリコーン系耐摩耗熱重合硬化組成物
をポリシロキサン組成物として採用することができるた
め、特別なポリシロキサン組成物を用意する必要がな
く、便利である。
【0030】(4)請求項4の形成方法では、フッ素を
有するシランカップリング剤が自己縮合されている。こ
の場合には、より優れた撥水性を発揮することができ
る。すなわち、市販のシリコーン系耐摩耗熱重合硬化組
成物は、3官能又は4官能シロキサンモノマーを主原料
として製造されており、組成物中のこれらのモノマーは
縮合によりオリゴマーになっていると考えられる。この
ため、請求項1、2の形成方法のように、市販のシラン
カップリング剤を市販のシリコーン系耐摩耗熱重合硬化
組成物に単に混合しただけでは、シランカップリング剤
がシリコーン系耐摩耗熱重合硬化組成物中のモノマー、
オリゴマーのメチル基や他の官能基によって立体障害等
を受け、フッ素結合基が表面に露出しにくいと考えられ
る。
有するシランカップリング剤が自己縮合されている。こ
の場合には、より優れた撥水性を発揮することができ
る。すなわち、市販のシリコーン系耐摩耗熱重合硬化組
成物は、3官能又は4官能シロキサンモノマーを主原料
として製造されており、組成物中のこれらのモノマーは
縮合によりオリゴマーになっていると考えられる。この
ため、請求項1、2の形成方法のように、市販のシラン
カップリング剤を市販のシリコーン系耐摩耗熱重合硬化
組成物に単に混合しただけでは、シランカップリング剤
がシリコーン系耐摩耗熱重合硬化組成物中のモノマー、
オリゴマーのメチル基や他の官能基によって立体障害等
を受け、フッ素結合基が表面に露出しにくいと考えられ
る。
【0031】これに対し、自己縮合したシランカップリ
ング剤では、シランカップリング剤が立体障害等を受け
にくく、フッ素結合基が表面に露出しやすいと考えられ
る。 (5)請求項6の形成方法では、フッ素を有するシラン
カップリング剤の代わりに、アルキル基を結合したシラ
ンカップリング剤を採用している。アルキル基によって
も撥水性が発揮される。他の作用は請求項1の形成方法
と同様である。
ング剤では、シランカップリング剤が立体障害等を受け
にくく、フッ素結合基が表面に露出しやすいと考えられ
る。 (5)請求項6の形成方法では、フッ素を有するシラン
カップリング剤の代わりに、アルキル基を結合したシラ
ンカップリング剤を採用している。アルキル基によって
も撥水性が発揮される。他の作用は請求項1の形成方法
と同様である。
【0032】(6)請求項7の形成方法でも、フッ素を
有するシランカップリング剤の代わりに、アルキル基を
結合したシランカップリング剤を採用している。他の作
用は請求項2の形成方法と同様である。 (7)請求項8の形成方法でも、フッ素を有するシラン
カップリング剤の代わりに、アルキル基を結合したシラ
ンカップリング剤を採用している。他の作用は請求項3
の形成方法と同様である。
有するシランカップリング剤の代わりに、アルキル基を
結合したシランカップリング剤を採用している。他の作
用は請求項2の形成方法と同様である。 (7)請求項8の形成方法でも、フッ素を有するシラン
カップリング剤の代わりに、アルキル基を結合したシラ
ンカップリング剤を採用している。他の作用は請求項3
の形成方法と同様である。
【0033】
(実施例1)実施例1は請求項1の発明を具体化したも
のである。まず、図1(A)に示すように、樹脂基板1
としてポリメタクリル酸メチル系樹脂(ローム・アンド
ハース(PMMA):商品名KAMAXT−240)か
らなるもの(100×100×4(mm))を用意す
る。この樹脂基板1を110℃×3時間アニール処理し
た後、デシケータ中に保管する。この樹脂基板1をデシ
ケータから取り出し、レンズ用の脱脂剤(ヘンケル白
水:商品名ミリオンHS)水溶液中に3分間浸漬後、水
洗を2回、純水洗を1回行なうことにより、洗浄する。
そして、洗浄後の樹脂基板1をイソプロパノール(IP
A)に1分間浸漬後、ドライヤーで乾燥する。
のである。まず、図1(A)に示すように、樹脂基板1
としてポリメタクリル酸メチル系樹脂(ローム・アンド
ハース(PMMA):商品名KAMAXT−240)か
らなるもの(100×100×4(mm))を用意す
る。この樹脂基板1を110℃×3時間アニール処理し
た後、デシケータ中に保管する。この樹脂基板1をデシ
ケータから取り出し、レンズ用の脱脂剤(ヘンケル白
水:商品名ミリオンHS)水溶液中に3分間浸漬後、水
洗を2回、純水洗を1回行なうことにより、洗浄する。
そして、洗浄後の樹脂基板1をイソプロパノール(IP
A)に1分間浸漬後、ドライヤーで乾燥する。
【0034】そして、図1(B)に示すように、乾燥し
た樹脂基板1に熱硬化型アクリル樹脂からなるプライマ
ー液を塗布し、熱硬化させることにより、プライマー層
2を形成する。プライマー層2の厚さは0.5×104
〜2×104 Åにコントロ−ルする。 「未硬化層形成工程」次に、ディップ槽内において予め
用意したシリコーン系熱重合硬化塗料(日本ダクロシャ
ムロック:ソルガードNP−730)中に、FAS(信
越化学工業:KBM−7803、分子量568、比重
1.53)を室温で添加し、攪拌してハードコート液を
調製する。ここで、FASは、シリコーン系熱重合硬化
塗料の固形分100重量部に対し、1〜10重量部加え
ている。
た樹脂基板1に熱硬化型アクリル樹脂からなるプライマ
ー液を塗布し、熱硬化させることにより、プライマー層
2を形成する。プライマー層2の厚さは0.5×104
〜2×104 Åにコントロ−ルする。 「未硬化層形成工程」次に、ディップ槽内において予め
用意したシリコーン系熱重合硬化塗料(日本ダクロシャ
ムロック:ソルガードNP−730)中に、FAS(信
越化学工業:KBM−7803、分子量568、比重
1.53)を室温で添加し、攪拌してハードコート液を
調製する。ここで、FASは、シリコーン系熱重合硬化
塗料の固形分100重量部に対し、1〜10重量部加え
ている。
【0035】このハードコート液中にプライマー層2を
もつ樹脂基板1を30秒間浸漬し、7.2〜28m/秒
で引き上げる。この後、60〜80℃×3〜5分間IR
(赤外線)乾燥し、不要な溶剤を除去する。こうして、
図1(C)に示すように、樹脂基板1上にプライマー層
2を介してシリコーン系熱重合硬化塗料とFASとから
なる未硬化層3を形成する。未硬化層3の厚さは、浸漬
後の引き上げ速度により2×104 〜3×104 Åにコ
ントロ−ルする。 「重合硬化工程」そして、図1(D)に示すように、未
硬化層3をもつ樹脂基板1に100〜120℃×60〜
90分間の加熱処理を行う。これにより、未硬化層3は
ほとんど重合し、ほぼ完全に硬化して撥水性耐摩耗薄膜
3となる。
もつ樹脂基板1を30秒間浸漬し、7.2〜28m/秒
で引き上げる。この後、60〜80℃×3〜5分間IR
(赤外線)乾燥し、不要な溶剤を除去する。こうして、
図1(C)に示すように、樹脂基板1上にプライマー層
2を介してシリコーン系熱重合硬化塗料とFASとから
なる未硬化層3を形成する。未硬化層3の厚さは、浸漬
後の引き上げ速度により2×104 〜3×104 Åにコ
ントロ−ルする。 「重合硬化工程」そして、図1(D)に示すように、未
硬化層3をもつ樹脂基板1に100〜120℃×60〜
90分間の加熱処理を行う。これにより、未硬化層3は
ほとんど重合し、ほぼ完全に硬化して撥水性耐摩耗薄膜
3となる。
【0036】このとき、図2に示すように、シリコーン
系熱重合硬化塗料中のシラノール基と、FAS中の−O
CH3 基とが反応してこれらの間にシロキサン結合を生
じ、これらが強固に結合する。なお、かかる反応時、脱
メタノール反応又は水の存在により脱水反応を生じてい
ると考えられる。こうして樹脂基板1上に形成された撥
水性耐摩耗薄膜3は、図3に示すように、シロキサン結
合により結合されたFASの−(CF2 )7 CF3 (図
中、ハッチングで示す。)が表面及び内部に存在する。
ここで、FASの沸点が85〜87℃であり、加熱処理
時には100〜120℃の温度に維持しているため、未
反応であれば−(CF2 )7 CF3 (図中、ハッチング
で示す。)が飛散するはずであるが、優れた撥水性を発
揮することを考慮すると、FAS中の−(CF2 ) 7 C
F3 は飛散していないと考えられる。また、120℃以
下の加熱処理であるため、樹脂基板1やシリコーン系熱
重合硬化塗料も劣化しないそして、この撥水性耐摩耗薄
膜3は、表面及び内部のほとんどがシリコーン系熱重合
硬化塗料の硬化したものである。 (実施例2)実施例2は請求項2、3の発明を具体化し
たものである。
系熱重合硬化塗料中のシラノール基と、FAS中の−O
CH3 基とが反応してこれらの間にシロキサン結合を生
じ、これらが強固に結合する。なお、かかる反応時、脱
メタノール反応又は水の存在により脱水反応を生じてい
ると考えられる。こうして樹脂基板1上に形成された撥
水性耐摩耗薄膜3は、図3に示すように、シロキサン結
合により結合されたFASの−(CF2 )7 CF3 (図
中、ハッチングで示す。)が表面及び内部に存在する。
ここで、FASの沸点が85〜87℃であり、加熱処理
時には100〜120℃の温度に維持しているため、未
反応であれば−(CF2 )7 CF3 (図中、ハッチング
で示す。)が飛散するはずであるが、優れた撥水性を発
揮することを考慮すると、FAS中の−(CF2 ) 7 C
F3 は飛散していないと考えられる。また、120℃以
下の加熱処理であるため、樹脂基板1やシリコーン系熱
重合硬化塗料も劣化しないそして、この撥水性耐摩耗薄
膜3は、表面及び内部のほとんどがシリコーン系熱重合
硬化塗料の硬化したものである。 (実施例2)実施例2は請求項2、3の発明を具体化し
たものである。
【0037】まず、図4(A)に示すように、実施例1
と同様に乾燥後の樹脂基板1を用意する。 「未硬化下地層形成工程」次に、ディップ槽内において
予め用意したアクリル系紫外線重合硬化塗料(大日精
化:セイカビームDP−10)中に、メトキシ基及びエ
ポキシ基を有するポリシロキサン組成物としてマクロモ
レキュラーカップリング剤(日本ユニカー:MMCA)
を室温で添加し、攪拌してアンダーハードコート液を調
製する。ここで、マクロモレキュラーカップリング剤
は、メトキシ基をPH4.2のH2 Oにより脱メタノー
ル処理し、アクリル系紫外線重合硬化塗料の固形分10
0重量部に対し、1〜10重量部加えている。
と同様に乾燥後の樹脂基板1を用意する。 「未硬化下地層形成工程」次に、ディップ槽内において
予め用意したアクリル系紫外線重合硬化塗料(大日精
化:セイカビームDP−10)中に、メトキシ基及びエ
ポキシ基を有するポリシロキサン組成物としてマクロモ
レキュラーカップリング剤(日本ユニカー:MMCA)
を室温で添加し、攪拌してアンダーハードコート液を調
製する。ここで、マクロモレキュラーカップリング剤
は、メトキシ基をPH4.2のH2 Oにより脱メタノー
ル処理し、アクリル系紫外線重合硬化塗料の固形分10
0重量部に対し、1〜10重量部加えている。
【0038】このアンダーハードコート液中に乾燥後の
樹脂基板1を30秒間浸漬し、7.2〜28m/秒で引
き上げる。この後、60〜80℃×3〜5分間IR(赤
外線)乾燥し、不要な溶剤を除去する。こうして、図4
(B)に示すように、樹脂基板1上に未硬化下地層4を
形成する。未硬化下地層4の厚さは、浸漬後の引き上げ
速度により4×104 〜5×104 Åにコントロ−ルす
る。このとき、アクリル系紫外線重合硬化塗料が有機系
のものであるため、マクロモレキュラーカップリング剤
のシラノール基は表面側に位置し、エポキシ基が未硬化
下地層4で好適な相溶性を確保する。 「下地層重合硬化工程」この後、図4(C)に示すよう
に、溶剤を除去した未硬化下地層2をもつ樹脂基板1を
80W/cm×2灯の照射炉に入れ、2m/分の速さで
紫外線(UV)を照射する。これにより、未硬化下地層
4のアクリル系紫外線重合硬化成分はラジカル重合し、
未硬化下地層4はある程度硬化する。 「未硬化上層形成工程」次に、実施例1のハードコート
液をトップハードコート液とし、このトップハードコー
ト液中に、未硬化下地層4がある程度硬化した樹脂基板
1を30秒間浸漬し、7.2〜28m/秒で引き上げ
る。この後、60〜80℃×3〜5分間IR(赤外線)
乾燥し、不要な溶剤を除去する。こうして、図4(D)
に示すように、ある程度硬化した未硬化下地層4上にシ
ラノール基を介して未硬化上層5を形成する。未硬化上
層5の厚さは、浸漬後の引き上げ速度により2×104
〜3×104 Åにコントロ−ルする。
樹脂基板1を30秒間浸漬し、7.2〜28m/秒で引
き上げる。この後、60〜80℃×3〜5分間IR(赤
外線)乾燥し、不要な溶剤を除去する。こうして、図4
(B)に示すように、樹脂基板1上に未硬化下地層4を
形成する。未硬化下地層4の厚さは、浸漬後の引き上げ
速度により4×104 〜5×104 Åにコントロ−ルす
る。このとき、アクリル系紫外線重合硬化塗料が有機系
のものであるため、マクロモレキュラーカップリング剤
のシラノール基は表面側に位置し、エポキシ基が未硬化
下地層4で好適な相溶性を確保する。 「下地層重合硬化工程」この後、図4(C)に示すよう
に、溶剤を除去した未硬化下地層2をもつ樹脂基板1を
80W/cm×2灯の照射炉に入れ、2m/分の速さで
紫外線(UV)を照射する。これにより、未硬化下地層
4のアクリル系紫外線重合硬化成分はラジカル重合し、
未硬化下地層4はある程度硬化する。 「未硬化上層形成工程」次に、実施例1のハードコート
液をトップハードコート液とし、このトップハードコー
ト液中に、未硬化下地層4がある程度硬化した樹脂基板
1を30秒間浸漬し、7.2〜28m/秒で引き上げ
る。この後、60〜80℃×3〜5分間IR(赤外線)
乾燥し、不要な溶剤を除去する。こうして、図4(D)
に示すように、ある程度硬化した未硬化下地層4上にシ
ラノール基を介して未硬化上層5を形成する。未硬化上
層5の厚さは、浸漬後の引き上げ速度により2×104
〜3×104 Åにコントロ−ルする。
【0039】このとき、未硬化下地層4を予めある程度
硬化させた後、未硬化上層5を形成しているため、未硬
化上層5が形成しやすくされている。 「下地層重合硬化工程」図4(E)に示すように、溶剤
を除去した未硬化下地層4及び未硬化上層5をもつ樹脂
基板1を再度80W/cm×2灯の照射炉に入れ、0.
75〜3m/分の速さでUVを照射する。
硬化させた後、未硬化上層5を形成しているため、未硬
化上層5が形成しやすくされている。 「下地層重合硬化工程」図4(E)に示すように、溶剤
を除去した未硬化下地層4及び未硬化上層5をもつ樹脂
基板1を再度80W/cm×2灯の照射炉に入れ、0.
75〜3m/分の速さでUVを照射する。
【0040】このとき、次に示す一般式によりアクリル
系紫外線重合硬化塗料中にラジカルを生じる。
系紫外線重合硬化塗料中にラジカルを生じる。
【0041】
【化1】
【0042】
【化2】
【0043】これにより、未硬化下地層4はUVを受け
てほとんど重合し、ほぼ完全に硬化して下地層4とな
る。以上の下地層重合硬化工程は、未硬化下地層4の
「下地層重合硬化工程」における紫外線照射の程度によ
り省略することができる。 「上層重合硬化工程」そして、図4(F)に示すよう
に、下地層4及び未硬化上層5をもつ樹脂基板1に10
0〜120℃×60〜90分間の加熱処理を行う。これ
により、未硬化上層5はほとんど重合し、ほぼ完全に硬
化して上層5となる。
てほとんど重合し、ほぼ完全に硬化して下地層4とな
る。以上の下地層重合硬化工程は、未硬化下地層4の
「下地層重合硬化工程」における紫外線照射の程度によ
り省略することができる。 「上層重合硬化工程」そして、図4(F)に示すよう
に、下地層4及び未硬化上層5をもつ樹脂基板1に10
0〜120℃×60〜90分間の加熱処理を行う。これ
により、未硬化上層5はほとんど重合し、ほぼ完全に硬
化して上層5となる。
【0044】このとき、図2及び図5に示すように、未
硬化上層5において、シリコーン系熱重合硬化塗料とF
ASとの間にシロキサン結合を生じる。また、図5中に
▲で示すように、未硬化上層5と下地層4との界面にお
いて、脱メタノール反応したマクロモレキュラーカップ
リング剤中のシラノール基と、FAS中の−OCH3基
とが反応するため、これらの間にもシロキサン結合を生
じ、下地層4と上層5とが強固に結合する。
硬化上層5において、シリコーン系熱重合硬化塗料とF
ASとの間にシロキサン結合を生じる。また、図5中に
▲で示すように、未硬化上層5と下地層4との界面にお
いて、脱メタノール反応したマクロモレキュラーカップ
リング剤中のシラノール基と、FAS中の−OCH3基
とが反応するため、これらの間にもシロキサン結合を生
じ、下地層4と上層5とが強固に結合する。
【0045】こうして得られる撥水性耐摩耗薄膜6は、
シロキサン結合により結合されたFASが上層5の表面
及び内部並びに上層5と下地層4との界面に存在する。
また、この撥水性耐摩耗薄膜6では、表面はアクリル系
紫外線重合硬化塗料が硬化した下地層4でなく、この下
地層4上に形成されたほとんどシリコーン系熱重合硬化
塗料が硬化した上層5である。ここで、この撥水性耐摩
耗薄膜6では、下地層4により樹脂基板1から上層5ま
で段階的に硬度が高くなっている。 (実施例3)実施例3は請求項2、3、4の発明を具体
化したものである。
シロキサン結合により結合されたFASが上層5の表面
及び内部並びに上層5と下地層4との界面に存在する。
また、この撥水性耐摩耗薄膜6では、表面はアクリル系
紫外線重合硬化塗料が硬化した下地層4でなく、この下
地層4上に形成されたほとんどシリコーン系熱重合硬化
塗料が硬化した上層5である。ここで、この撥水性耐摩
耗薄膜6では、下地層4により樹脂基板1から上層5ま
で段階的に硬度が高くなっている。 (実施例3)実施例3は請求項2、3、4の発明を具体
化したものである。
【0046】この実施例3ではFASを予め自己縮合さ
せている。すなわち、市販のFAS中に室温で水とn−
ブタノールとを添加し、攪拌して縮合FASを調製す
る。ここで、水は、FASの固形分100重量部に対
し、0.5重量部加えている。また、n−ブタノール
は、FASの固形分100重量部に対し、500重量部
加えている。このとき、FASは、図6に示す反応を行
い、図7に示すように、自己縮合してFASオリゴマー
となる。
せている。すなわち、市販のFAS中に室温で水とn−
ブタノールとを添加し、攪拌して縮合FASを調製す
る。ここで、水は、FASの固形分100重量部に対
し、0.5重量部加えている。また、n−ブタノール
は、FASの固形分100重量部に対し、500重量部
加えている。このとき、FASは、図6に示す反応を行
い、図7に示すように、自己縮合してFASオリゴマー
となる。
【0047】そして、ディップ槽内において予め用意し
たシリコーン系熱重合硬化塗料中に、FASオリゴマー
を室温で添加し、攪拌してトップハードコート液を調製
する。ここで、FASオリゴマーは、シリコーン系熱重
合硬化塗料の固形分100重量部に対し、1〜10重量
部加えている。他の構成は実施例2と同一である。市販
のシリコーン系熱重合硬化塗料は、モノマーが縮合によ
りオリゴマーになっていると考えられる。このため、前
記実施例2の形成方法のように、市販のFASを市販の
シリコーン系熱重合硬化塗料に単に混合しただけでは、
図8に示すように、FASがシリコーン系熱重合硬化塗
料と直線状にしか結合しないと考えられる。このため、
実施例2の形成方法では、FASがシリコーン系熱重合
硬化塗料中のモノマー、オリゴマーのメチル基や他の官
能基によって立体障害等を受け、−(CF2 )7 CF3
が表面に露出しにくいと考えられる。
たシリコーン系熱重合硬化塗料中に、FASオリゴマー
を室温で添加し、攪拌してトップハードコート液を調製
する。ここで、FASオリゴマーは、シリコーン系熱重
合硬化塗料の固形分100重量部に対し、1〜10重量
部加えている。他の構成は実施例2と同一である。市販
のシリコーン系熱重合硬化塗料は、モノマーが縮合によ
りオリゴマーになっていると考えられる。このため、前
記実施例2の形成方法のように、市販のFASを市販の
シリコーン系熱重合硬化塗料に単に混合しただけでは、
図8に示すように、FASがシリコーン系熱重合硬化塗
料と直線状にしか結合しないと考えられる。このため、
実施例2の形成方法では、FASがシリコーン系熱重合
硬化塗料中のモノマー、オリゴマーのメチル基や他の官
能基によって立体障害等を受け、−(CF2 )7 CF3
が表面に露出しにくいと考えられる。
【0048】これに対し、この実施例3の形成方法で
は、FASオリゴマーを採用しているため、図9に示す
ように、FASがシリコーン系熱重合硬化塗料と編目状
に結合されると考えられる。このため、実施例3の形成
方法では、FASオリゴマーが立体障害等を受けにく
く、−(CF2 )7 CF3 が表面に露出しやすいと考え
られる。
は、FASオリゴマーを採用しているため、図9に示す
ように、FASがシリコーン系熱重合硬化塗料と編目状
に結合されると考えられる。このため、実施例3の形成
方法では、FASオリゴマーが立体障害等を受けにく
く、−(CF2 )7 CF3 が表面に露出しやすいと考え
られる。
【0049】こうして得られる撥水性耐摩耗薄膜6は、
図10に示すように、編目状のシロキサン結合により結
合されたFASが上層5の表面及び内部並びに上層5と
下地層4との界面に存在する。 (実施例4)実施例4は請求項5の発明を具体化したも
のである。
図10に示すように、編目状のシロキサン結合により結
合されたFASが上層5の表面及び内部並びに上層5と
下地層4との界面に存在する。 (実施例4)実施例4は請求項5の発明を具体化したも
のである。
【0050】この実施例4ではFASの代わりに、図1
1に化学式を示すように、8個の炭素数のアルキル基を
結合したシランカップリング剤(日本ユニカー:A−1
37)を採用している。他の構成は実施例1と同一であ
る。 (実施例5)実施例5は請求項6、7の発明を具体化し
たものである。
1に化学式を示すように、8個の炭素数のアルキル基を
結合したシランカップリング剤(日本ユニカー:A−1
37)を採用している。他の構成は実施例1と同一であ
る。 (実施例5)実施例5は請求項6、7の発明を具体化し
たものである。
【0051】この実施例5ではFASの代わりに、実施
例4と同一のシランカップリング剤を採用している。他
の構成は実施例2と同一である。 (試験1)試験1では、実施例1、2、4、5の形成方
法により形成した直後の撥水性耐摩耗薄膜3、6につい
て、水の接触角を測定した。FAS又はアルキル基を結
合したシランカップリング剤の添加量(重量部)と接触
角(°)との関係を図12に示す。
例4と同一のシランカップリング剤を採用している。他
の構成は実施例2と同一である。 (試験1)試験1では、実施例1、2、4、5の形成方
法により形成した直後の撥水性耐摩耗薄膜3、6につい
て、水の接触角を測定した。FAS又はアルキル基を結
合したシランカップリング剤の添加量(重量部)と接触
角(°)との関係を図12に示す。
【0052】また、FAS又はFASオリゴマーをとも
に3重量部とし、実施例2、3の形成方法により形成し
た直後の撥水性耐摩耗薄膜3、6について、水の接触角
を測定した。結果を表1に示す。
に3重量部とし、実施例2、3の形成方法により形成し
た直後の撥水性耐摩耗薄膜3、6について、水の接触角
を測定した。結果を表1に示す。
【0053】
【表1】 なお、比較例1として無機ガラスのみからなるもの、比
較例2としてPC(三菱化学:FE2000)のみから
なるもの、比較例3としてPMMAのみからなるもの、
比較例4としてアクリル系紫外線重合硬化塗料のみから
なるもの、比較例5としてシリコーン系熱重合硬化塗料
のみからなるもの、比較例6としてシリコーン系熱重合
硬化塗料のみからなる薄膜上に市販の「スーパーレイン
X」を塗布したものについても測定した。結果を表2に
示す。
較例2としてPC(三菱化学:FE2000)のみから
なるもの、比較例3としてPMMAのみからなるもの、
比較例4としてアクリル系紫外線重合硬化塗料のみから
なるもの、比較例5としてシリコーン系熱重合硬化塗料
のみからなるもの、比較例6としてシリコーン系熱重合
硬化塗料のみからなる薄膜上に市販の「スーパーレイン
X」を塗布したものについても測定した。結果を表2に
示す。
【0054】
【表2】 図12及び表1、2より、実施例1、2の方法ではFA
Sを6重量部以上添加すれば、103°の接触角が得ら
れ、実施例4、5の方法ではアルキル基を結合したシラ
ンカップリング剤を1重量部以上添加すれば、90°の
接触角が得られることがわかる。
Sを6重量部以上添加すれば、103°の接触角が得ら
れ、実施例4、5の方法ではアルキル基を結合したシラ
ンカップリング剤を1重量部以上添加すれば、90°の
接触角が得られることがわかる。
【0055】また、実施例1〜5の形成方法で樹脂基板
1上に形成された撥水性耐摩耗薄膜3、6は、自由エネ
ルギーの低い状態となり、優れた撥水性を発揮できるこ
とがわかる。したがって、実施例1〜5の形成方法によ
れば、樹脂基板1上に優れた撥水性と耐摩耗性とを確実
に発揮する撥水性耐摩耗薄膜3、6を形成できることが
わかる。特に、実施例3の形成方法によれば、より優れ
た撥水性を発揮する撥水性耐摩耗6を形成できることが
わかる。 (試験2)試験2では、実施例2、3の形成方法により
形成した直後の撥水性耐摩耗薄膜6について80℃×1
00時間の熱水試験を行い、この後剥離試験を行った。
1上に形成された撥水性耐摩耗薄膜3、6は、自由エネ
ルギーの低い状態となり、優れた撥水性を発揮できるこ
とがわかる。したがって、実施例1〜5の形成方法によ
れば、樹脂基板1上に優れた撥水性と耐摩耗性とを確実
に発揮する撥水性耐摩耗薄膜3、6を形成できることが
わかる。特に、実施例3の形成方法によれば、より優れ
た撥水性を発揮する撥水性耐摩耗6を形成できることが
わかる。 (試験2)試験2では、実施例2、3の形成方法により
形成した直後の撥水性耐摩耗薄膜6について80℃×1
00時間の熱水試験を行い、この後剥離試験を行った。
【0056】剥離試験は、熱水試験後の撥水性耐摩耗薄
膜6にカッターナイフで碁盤目を付し、この碁盤目上に
粘着テープを貼着し、これを剥がした後に撥水性耐摩耗
薄膜6に剥離が生じるか否かで評価した。なお、比較例
7として、実施例2と同一の条件で形成したアクリル系
紫外線重合硬化塗料からなる下地層上に、FASを添加
しないシリコーン系熱重合硬化塗料からなる上層を形成
した耐摩耗薄膜についても、評価した。
膜6にカッターナイフで碁盤目を付し、この碁盤目上に
粘着テープを貼着し、これを剥がした後に撥水性耐摩耗
薄膜6に剥離が生じるか否かで評価した。なお、比較例
7として、実施例2と同一の条件で形成したアクリル系
紫外線重合硬化塗料からなる下地層上に、FASを添加
しないシリコーン系熱重合硬化塗料からなる上層を形成
した耐摩耗薄膜についても、評価した。
【0057】この結果、比較例7の耐摩耗薄膜では剥離
が生じていた。比較例7の耐摩耗薄膜では、表面がSi
O2-x (x=0.6〜0.7)の構造であり、水が内部
に浸透して膨潤しやすく、下地層と上層との間等で結合
を切断等してしまうためであると考えられる。これに対
し、実施例2、3の撥水性耐摩耗薄膜6では剥離を生じ
なかった。実施例2、3の撥水性耐摩耗薄膜6では、表
面及び内部の優れた撥水性により水を内部に浸透しにく
いためであると考えられる。
が生じていた。比較例7の耐摩耗薄膜では、表面がSi
O2-x (x=0.6〜0.7)の構造であり、水が内部
に浸透して膨潤しやすく、下地層と上層との間等で結合
を切断等してしまうためであると考えられる。これに対
し、実施例2、3の撥水性耐摩耗薄膜6では剥離を生じ
なかった。実施例2、3の撥水性耐摩耗薄膜6では、表
面及び内部の優れた撥水性により水を内部に浸透しにく
いためであると考えられる。
【0058】したがって、実施例2、3の形成方法によ
れば、下地層4と上層5とが十分に密着し、熱水試験後
にも剥離しにくい撥水性耐摩耗薄膜6を形成できること
がわかる。 (試験3)試験3では、実施例1〜5の形成方法により
形成した直後の撥水性耐摩耗薄膜3、6について、耐摩
耗性を調べるため、ASTMD1044の方法により1
500回転のテーバー摩耗試験を行い、ヘイズ値の増加
量(ΔH(%))を評価した。なお、上記比較例1〜5
のものについても測定した。結果を表3に示す。
れば、下地層4と上層5とが十分に密着し、熱水試験後
にも剥離しにくい撥水性耐摩耗薄膜6を形成できること
がわかる。 (試験3)試験3では、実施例1〜5の形成方法により
形成した直後の撥水性耐摩耗薄膜3、6について、耐摩
耗性を調べるため、ASTMD1044の方法により1
500回転のテーバー摩耗試験を行い、ヘイズ値の増加
量(ΔH(%))を評価した。なお、上記比較例1〜5
のものについても測定した。結果を表3に示す。
【0059】
【表3】 表3より、実施例1〜5の形成方法により形成した撥水
性耐摩耗薄膜3、6は撥水性を有しつつ、未だ優れた耐
摩耗性を発揮できることがわかる。
性耐摩耗薄膜3、6は撥水性を有しつつ、未だ優れた耐
摩耗性を発揮できることがわかる。
【0060】したがって、実施例1〜5の形成方法によ
れば、樹脂基板1上に優れた撥水性と耐摩耗性とを確実
に発揮する撥水性耐摩耗薄膜3、6を形成できることが
わかる。なお、上記実施例2、5では未硬化下地層2、
4として耐摩耗光重合硬化組成物を採用したが、耐摩耗
電子線重合硬化組成物又は耐摩耗熱重合硬化組成物を採
用することもできる。
れば、樹脂基板1上に優れた撥水性と耐摩耗性とを確実
に発揮する撥水性耐摩耗薄膜3、6を形成できることが
わかる。なお、上記実施例2、5では未硬化下地層2、
4として耐摩耗光重合硬化組成物を採用したが、耐摩耗
電子線重合硬化組成物又は耐摩耗熱重合硬化組成物を採
用することもできる。
【0061】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の撥水性耐
摩耗薄膜形成方法では、特許請求の範囲記載の構成を採
用しているため、次のような優れた効果を奏することが
できる。すなわち、請求項1、5の形成方法では、樹脂
基板上に優れた撥水性と耐摩耗性とを確実に発揮する撥
水性耐摩耗薄膜を形成することができる。
摩耗薄膜形成方法では、特許請求の範囲記載の構成を採
用しているため、次のような優れた効果を奏することが
できる。すなわち、請求項1、5の形成方法では、樹脂
基板上に優れた撥水性と耐摩耗性とを確実に発揮する撥
水性耐摩耗薄膜を形成することができる。
【0062】また、請求項2、6の形成方法では、樹脂
基板上に優れた撥水性と耐摩耗性とを確実に発揮する撥
水性耐摩耗薄膜を強固な密着力の下で形成することがで
きる。さらに、請求項3、7の形成方法では、下地層と
上層とをより強固に結合することができる。
基板上に優れた撥水性と耐摩耗性とを確実に発揮する撥
水性耐摩耗薄膜を強固な密着力の下で形成することがで
きる。さらに、請求項3、7の形成方法では、下地層と
上層とをより強固に結合することができる。
【0063】また、請求項4の形成方法では、フッ素結
合基が表面に露出しやすいと考えられ、より優れた撥水
性を発揮する撥水性耐摩耗を形成することができる。加
えて、これらの形成方法では、撥水性耐摩耗膜の形成に
際してスパッタ装置を使用する必要がなく、かつ連続的
に形成が可能であるため、安価な製造コスト、優れた量
産性を実現できる。
合基が表面に露出しやすいと考えられ、より優れた撥水
性を発揮する撥水性耐摩耗を形成することができる。加
えて、これらの形成方法では、撥水性耐摩耗膜の形成に
際してスパッタ装置を使用する必要がなく、かつ連続的
に形成が可能であるため、安価な製造コスト、優れた量
産性を実現できる。
【0064】したがって、この方法により樹脂基板に撥
水性耐摩耗薄膜を形成すれば、優れた撥水性及び耐摩耗
性の効果から、軽量性、優れた加工性及び優れた成形性
の目的で自動車等の窓に透明樹脂ガラスを使用すること
等も容易に行ない得る。
水性耐摩耗薄膜を形成すれば、優れた撥水性及び耐摩耗
性の効果から、軽量性、優れた加工性及び優れた成形性
の目的で自動車等の窓に透明樹脂ガラスを使用すること
等も容易に行ない得る。
【図1】実施例1、4の方法を示す模式工程図である。
【図2】実施例1、2に係り、シリコーン系熱重合硬化
塗料とFASとの反応を示す図である。
塗料とFASとの反応を示す図である。
【図3】実施例1の方法により得られた撥水性耐摩耗薄
膜等の模式断面図である。
膜等の模式断面図である。
【図4】実施例2、3、5の方法を示す模式工程図であ
る。
る。
【図5】実施例2の方法により得られた撥水性耐摩耗薄
膜等の模式断面図である。
膜等の模式断面図である。
【図6】実施例3に係り、FASの縮合反応を示す図で
ある。
ある。
【図7】実施例3に係り、FASオリゴマーの化学式を
示す図である。
示す図である。
【図8】実施例2に係り、シリコーン系熱重合硬化塗料
とFASとの反応を示す図である。
とFASとの反応を示す図である。
【図9】実施例3に係り、シリコーン系熱重合硬化塗料
とFASオリゴマーとの反応を示す図である。
とFASオリゴマーとの反応を示す図である。
【図10】実施例3の方法により得られた撥水性耐摩耗
薄膜等の模式断面図である。
薄膜等の模式断面図である。
【図11】実施例4、5に係り、アルキル基を結合した
シランカップリング剤の化学式を示す図である。
シランカップリング剤の化学式を示す図である。
【図12】試験1に係り、FASの添加量と接触角との
関係を示すグラフである。
関係を示すグラフである。
1…樹脂基板 2…プライマー層 3…未硬化層(撥水性耐摩耗薄膜) 4…未硬化下地層
(下地層) 5…未硬化上層(上層) 6…撥水性耐摩耗
薄膜
(下地層) 5…未硬化上層(上層) 6…撥水性耐摩耗
薄膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 83/06 LRR
Claims (7)
- 【請求項1】樹脂基板上に、プライマー層を介し、シリ
コーン系耐摩耗熱重合硬化組成物と、フッ素を有するシ
ランカップリング剤とを含有する未硬化層を形成する未
硬化層形成工程と、 120℃以下の加熱処理により該未硬化層を重合させる
重合硬化工程と、を有することを特徴とする撥水性耐摩
耗薄膜の形成方法。 - 【請求項2】樹脂基板上に、有機系耐摩耗ラジカル重合
硬化組成物と、シラノール基を有するポリシロキサン組
成物とを含有する未硬化下地層を形成する未硬化下地層
形成工程と、 該未硬化下地層上に、シリコーン系耐摩耗熱重合硬化組
成物と、フッ素を有するシランカップリング剤とを含有
する未硬化上層を形成する未硬化上層形成工程と、 光若しくは電子線の照射又は120℃以下の加熱処理に
より該未硬化下地層を重合させる下地層重合硬化工程
と、 120℃以下の加熱処理により該未硬化上層を重合させ
る上層重合硬化工程と、を有することを特徴とする撥水
性耐摩耗薄膜の形成方法。 - 【請求項3】シラノール基を有するポリシロキサン組成
物は、メタクリル基、アクリル基、エポキシ基、アミノ
基及びビニル基の少なくとも一つの有機系官能基を有す
ることを特徴とする請求項2記載の撥水性耐摩耗薄膜の
形成方法。 - 【請求項4】フッ素を有するシランカップリング剤は、
自己縮合されていることを特徴とする請求項1、2又は
3記載の撥水性耐摩耗薄膜の形成方法。 - 【請求項5】樹脂基板上に、シリコーン系耐摩耗熱重合
硬化組成物と、アルキル基を結合したシランカップリン
グ剤とを含有する未硬化層を形成する未硬化層形成工程
と、 120℃以下の加熱処理により該未硬化層を重合させる
重合硬化工程と、を有することを特徴とする撥水性耐摩
耗薄膜の形成方法。 - 【請求項6】樹脂基板上に、有機系耐摩耗ラジカル重合
硬化組成物と、シラノール基を有するポリシロキサン組
成物とを含有する未硬化下地層を形成する未硬化下地層
形成工程と、 該未硬化下地層上に、シリコーン系耐摩耗熱重合硬化組
成物と、アルキル基を結合したシランカップリング剤と
を含有する未硬化上層を形成する未硬化上層形成工程
と、 光若しくは電子線の照射又は120℃以下の加熱処理に
より該未硬化下地層を重合させる下地層重合硬化工程
と、 120℃以下の加熱処理により該未硬化上層を重合させ
る上層重合硬化工程と、を有することを特徴とする撥水
性耐摩耗薄膜の形成方法。 - 【請求項7】シラノール基を有するポリシロキサン組成
物は、メタクリル基、アクリル基、エポキシ基、アミノ
基及びビニル基の少なくとも一つの有機系官能基を有す
ることを特徴とする請求項6記載の撥水性耐摩耗薄膜の
形成方法。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28561694A JP3400148B2 (ja) | 1994-11-18 | 1994-11-18 | 撥水性耐摩耗薄膜の形成方法 |
US08/420,209 US5571569A (en) | 1994-04-14 | 1995-04-11 | Thin-film forming method |
DE69504563T DE69504563T2 (de) | 1994-04-14 | 1995-04-12 | Verfahren zur Herstellung von Dünnschichten |
EP95105520A EP0678545B1 (en) | 1994-04-14 | 1995-04-12 | Thin-film forming method |
KR1019950008843A KR0155460B1 (ko) | 1994-04-14 | 1995-04-14 | 박막의 형성방법 |
US08/686,366 US5783260A (en) | 1994-04-14 | 1996-07-25 | Thin-film forming method |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28561694A JP3400148B2 (ja) | 1994-11-18 | 1994-11-18 | 撥水性耐摩耗薄膜の形成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08143690A true JPH08143690A (ja) | 1996-06-04 |
JP3400148B2 JP3400148B2 (ja) | 2003-04-28 |
Family
ID=17693839
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28561694A Expired - Fee Related JP3400148B2 (ja) | 1994-04-14 | 1994-11-18 | 撥水性耐摩耗薄膜の形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3400148B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002527586A (ja) * | 1998-10-21 | 2002-08-27 | デグサ アクチエンゲゼルシャフト | 架橋性ポリマー、その製造方法および架橋したポリマーからなる成形体 |
JP2004527004A (ja) * | 2001-05-11 | 2004-09-02 | ボシュ・アンド・ロム・インコーポレイテッド | 眼内レンズをパッシベートする方法 |
US7226651B2 (en) | 2002-03-26 | 2007-06-05 | Tdk Corporation | Article with composite hardcoat layer and method for forming composite hardcoat layer |
WO2007074778A1 (ja) * | 2005-12-26 | 2007-07-05 | Kimoto Co., Ltd. | 表面保護フィルム |
JP2011093964A (ja) * | 2009-10-27 | 2011-05-12 | Shin-Etsu Chemical Co Ltd | 防汚基材の製造方法及び防汚性物品 |
-
1994
- 1994-11-18 JP JP28561694A patent/JP3400148B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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