JPH08131083A - 大豆蛋白粉末及びその製造方法、並びに該粉末を用いた食品 - Google Patents

大豆蛋白粉末及びその製造方法、並びに該粉末を用いた食品

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JPH08131083A
JPH08131083A JP6305521A JP30552194A JPH08131083A JP H08131083 A JPH08131083 A JP H08131083A JP 6305521 A JP6305521 A JP 6305521A JP 30552194 A JP30552194 A JP 30552194A JP H08131083 A JPH08131083 A JP H08131083A
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soybean protein
fatty acid
powder
protein powder
tofu
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Masanori Shiyoumikado
雅典 小御門
Hiroyuki Yoshida
博幸 吉田
Miwa Genchi
美羽 源地
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 豆腐などの大豆蛋白凝固食品を家庭で簡単に
作ることを可能にする大豆蛋白粉末及びその製造方法、
並びに該粉末を用いた大豆蛋白凝固食品を提供する。 【構成】 大豆蛋白質に、炭素数8〜18の脂肪酸と平
均重合度4〜10のポリグリセリンからなるポリグリセ
リン脂肪酸エステルが配合されてなる大豆蛋白粉末。大
豆蛋白質含有溶液に炭素数8〜18の脂肪酸と平均重合
度4〜10のポリグリセリンからなるポリグリセリン脂
肪酸エステルを配合し、次いで乾燥することからなる大
豆蛋白粉末の製造方法。大豆蛋白粉末を用いて得られる
大豆蛋白凝固食品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大豆蛋白粉末及びその
製造方法、並びに該粉末を用いた蛋白凝固食品に関す
る。更に詳しくは、本発明は、豆腐などの大豆蛋白凝固
食品を家庭で簡単に作るのに好適な大豆蛋白粉末及びそ
の製造方法、並びに該粉末を用いた蛋白凝固食品に関す
る。
【0002】
【従来の技術】大豆蛋白質については、従来より数多く
の研究がなされ、また多くの加工食品に利用されてい
る。中でも粉末豆乳や分離大豆蛋白粉末は、例えば、ハ
ンバーグやハム・ソーセージ等の肉の一部代替品、焼き
菓子原料の小麦粉の一部代替品、アイスクリーム用のミ
ックスの安定剤など様々な食品の分野で利用されてい
る。しかしながらこれらの利用方法は、蛋白質の代替品
あるいは安定剤、結着剤などの添加剤としての利用が殆
どであり、粉末豆乳、分離大豆蛋白粉末を主成分とした
大豆蛋白凝固食品は数少ない。大豆蛋白凝固食品は、粉
末豆乳、分離大豆蛋白粉末を水に分散、溶解させた後、
加熱することでそのゲル化性により凝固したものである
が、その代表的な例としては、豆腐を挙げることができ
る。しかし、現在市販されている豆腐用粉末豆乳を利用
し、家庭で豆腐を作る場合、煮沸することが必要など面
倒な調理工程を必要とし、しかもでき上がりまでに30
〜50分もの時間がかかるなど簡単に豆腐を作ることが
できないのが実情である。
【0003】ところで、凝固性を有する粉末豆乳の調製
に関しては種々の技術が提案されている。例えば、脱脂
大豆を加熱処理した後、微生物、酵素処理続いて噴霧乾
燥を行う方法(特開昭51−51552号公報)、生大
豆を沸騰水に投入し、加熱後、炭酸水素ナトリウム液で
70℃以上で粕分除去したものを乾燥する方法(特開昭
52−125667号公報)、可溶性糖分の45%以上
を除去した大豆から得た豆乳を粉末化する方法(特開昭
61−31058号公報)などが知られている。しかし
ながら、これらの方法で得られた粉末豆乳は、これをそ
のまま水に投入し、スプーン等の家庭でできる簡単な攪
拌操作で分散、溶解させて豆乳としてもこの豆乳は凝固
性を有する豆乳にはならず、従って豆腐ないし豆腐様の
凝固物を得ることができない。またアルギン酸、ペクチ
ン、コンニャクマンナンのようなゲル形成能を有するも
のを利用した即席豆腐の製造方法も提案されている(特
開昭57−2652号公報)が、この方法で得られる豆
腐は、組織が滑らかでなく、ゲル物性は豆腐のそれとは
かけ離れたものである。
【0004】また、粉末豆乳の水への溶解性、分散性を
向上させる目的で乳化剤を添加することが知られてい
る。例えば、カゼインナトリウムや高HLBショ糖脂肪
酸エステルを添加したもの(特開昭54−8664号公
報)、レシチンを添加したもの(特開昭61−1703
48号公報)などがある。しかし、このような乳化剤を
用いても粉末豆乳の水への溶解性、分散性は向上する
が、得られた豆乳に凝固剤を加え、加熱処理を行っても
豆腐ないし豆腐様の凝固物を得ることができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、豆腐
などの大豆蛋白凝固食品を家庭で簡単に作ることを可能
にする大豆蛋白粉末及びその製造方法、並びに該粉末を
用いた大豆蛋白凝固食品を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、大豆蛋白粉
末の水への分散、溶解を家庭でできる簡単な攪拌操作で
行うことができ、またこの粉末を大豆蛋白溶液にした場
合には、充分な凝固性が付与されるような添加剤を求め
て研究した結果、親水性の比較的高い特定のポリグリセ
リン脂肪酸エステルを使用することで目的の大豆蛋白粉
末が調製できることを見出し、本発明に到達した。
【0007】本発明は、大豆蛋白質に炭素数8〜18の
脂肪酸と重合度4〜10のポリグリセリンからなるポリ
グリセリン脂肪酸エステルが配合されてなる大豆蛋白粉
末にある。なお、本明細書において、ポリグリセリンの
重合度は、平均重合度を意味する。
【0008】また本発明は、大豆蛋白質含有溶液に炭素
数8〜18の脂肪酸と重合度4〜10のポリグリセリン
からなるポリグリセリン脂肪酸エステルを配合し、次い
で乾燥することからなる大豆蛋白粉末の製造方法にあ
る。
【0009】更に本発明は、大豆蛋白質に炭素数8〜1
8の脂肪酸と重合度4〜10のポリグリセリンからなる
ポリグリセリン脂肪酸エステルが配合されてなる大豆蛋
白粉末を用いて得られる大豆蛋白凝固食品にある。
【0010】本発明は、以下の態様であることが好まし
い。 (1)ポリグリセリンが重合度6〜10を有する。 (2)ポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化度が
1〜2である。 (3)ポリグリセリン脂肪酸エステルが、テトラグリセ
リンモノラウレート、ヘキサグリセリンセスキカプリレ
ート、ヘキサグリセリンモノラウレート、ヘキサグリセ
リンモノミリステート、ヘキサグリセリンモノパルミテ
ート、ヘキサグリセリンモノオレート、デカグリセリン
モノラウレート、デカグリセリンモノミリステート、デ
カグリセリンモノパルミテート、デカグリセリンモノス
テアレート、デカグリセリンジステアレート、デカグリ
セリンモノオレートからなる群より選ばれる少なくとも
一種である。 (4)大豆蛋白粉末中に、ポリグリセリン脂肪酸エステ
ルが0.5〜10重量%含有されるように配合されてい
る。 (5)大豆蛋白凝固食品が豆腐である。
【0011】以下に、本発明の大豆蛋白粉末について説
明する。本発明の大豆蛋白粉末に含まれるポリグリセリ
ン脂肪酸エステルは、炭素数8〜18の脂肪酸と重合度
4〜10のポリグリセリンとのエステル反応により得ら
れたものであるが、本発明において、脂肪酸としては、
炭素数12〜18のものが好ましく、特に炭素数12〜
14のものであり、直鎖、飽和型が好ましい。脂肪酸の
炭素数が8未満のものでは、風味上好ましくなく、また
脂肪酸の炭素数が18を越えたものでは、充分な蛋白凝
固性を得ることができない。またポリグリセリンとして
は、重合度6〜10のものが好ましい。重合度が4未満
あるいは10を越えたものでは、充分な蛋白凝固性を得
ることができない。また本発明ではポリグリセリン脂肪
酸エステルのエステル化度は、1〜2のものが好まし
い。
【0012】本発明で好ましく用いることができるポリ
グリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、テトラグ
リセリンモノラウレート、ヘキサグリセリンセスキカプ
リレート、ヘキサグリセリンモノラウレート、ヘキサグ
リセリンモノミリステート、ヘキサグリセリンモノパル
ミテート、ヘキサグリセリンモノオレート、デカグリセ
リンモノラウレート、デカグリセリンモノミリステー
ト、デカグリセリンモノパルミテート、デカグリセリン
モノステアレート、デカグリセリンジステアレート、デ
カグリセリンモノオレートを挙げることができる。これ
らの中では、ヘキサグリセリンモノラウレート、ヘキサ
グリセリンモノミリステート、デカグリセリンモノラウ
レート、デカグリセリンモノミリステート、デカグリセ
リンモノパルミテート、デカグリセリンモノステアレー
ト、及びデカグリセリンジステアレートが好ましく、特
に、デカグリセリンモノラウレート、デカグリセリンモ
ノミリステート、デカグリセリンモノパルミテート、及
びデカグリセリンジステアレートが好ましい。上記のポ
リグリセリン脂肪酸エステルは、二種以上を併用するこ
ともできる。
【0013】本発明の大豆蛋白粉末は、大豆蛋白質を含
有した水溶液を原料として得られるが、大豆蛋白質とし
ては、例えば、濃縮大豆蛋白質、分離大豆蛋白質、及び
抽出大豆蛋白質を挙げることができる。また本発明の大
豆蛋白粉末は豆乳を原料としてもよく、あるいは上記大
豆蛋白質の製造工程中で生成される大豆蛋白質を含有し
た水溶液、または類似の方法で調製したものでも良い。
また最終的に得られる凝固食品によっては、丸大豆に加
水し、磨砕したもの(加水磨砕物)も使用できる。
【0014】本発明の大豆蛋白粉末は、大豆蛋白質を含
有した水溶液に、前述したポリグリセリン脂肪酸エステ
ルを配合、混合し、次いで乾燥することにより得ること
ができる。ポリグリセリン脂肪酸エステルの配合量は特
に制限はないが、大豆蛋白粉末中に、ポリグリセリン脂
肪酸エステルが0.01〜20重量%(更に好ましく
は、0.5〜10重量%)の配合量となるように配合す
ることが好ましい。0.01重量%未満の配合量では、
効果が不十分となり易く、また20重量%を越える配合
量では、得られる凝固食品の風味が悪くなり易い。そし
てポリグリセリン脂肪酸エステルを大豆蛋白質含有水溶
液に混合する際には、パドルミキサ、ディスパーサ、ホ
モミキサなどの乳化機、攪拌機を使用して水溶液中に充
分に分散、溶解させることが好ましい。なお、大豆蛋白
質含有水溶液には、所望により水溶性の良好な糖類、乳
製品などを添加することもできる。本発明の大豆蛋白粉
末を得るために用いられる乾燥方法は、特に制限はな
く、種々の公知の方法が利用できる。例えば、噴霧乾
燥、凍結乾燥、及び連続真空乾燥を挙げることができ
る。乾燥後、得られた大豆蛋白粉末は、必要に応じて、
造粒、顆粒化してもよく、その際には、シュークロー
ス、ラクトース、トレハロース、デキストリン、カルボ
キシメチルセルロースを初めとするバインダーを用いる
ことができる。上記のようにして得られる本発明の大豆
蛋白粉末は、粉末豆乳、あるいは分離大豆蛋白粉末であ
ることが好ましい。
【0015】本発明の大豆蛋白粉末を用いることで、種
々の大豆蛋白凝固食品を製造することができる。大豆蛋
白凝固食品は、大豆蛋白粉末を目的とする食品に応じて
冷水、熱水、牛乳、あるいは果汁飲料などに添加、溶解
させた後、凝固させることにより調製することができ
る。凝固させるには、一般に加熱による方法を利用する
ことが有効であるが、更に製品の凝固性を高めたい場合
には、公知の凝固剤(塩化マグネシウム、硫酸カルシウ
ム、グルコノデルタラクトンなど)を使用することが好
ましい。
【0016】本発明の大豆蛋白粉末を用いることで、冷
水などへの溶解、攪拌操作を特別な攪拌手段を用いるこ
となく、スプーンなどを用いた簡単な攪拌方法で行うこ
とができる。また加熱方法も電子レンジや湯煎などの簡
易な手段を用いる方法を利用することができる。またこ
の際の加熱は、必ずしも煮沸まで行う必要はない。本発
明の大豆蛋白粉末として、粉末豆乳を用いた場合には、
電子レンジの短時間の加熱で保水力が高く、弾力性にと
み、滑らかで、風味良好な豆腐を簡単に作ることが可能
となる。
【0017】本発明の大豆蛋白粉末を用いた大豆蛋白凝
固食品としては、上記のように豆腐の他に、例えば、茶
わん蒸し様食品、プリン様食品、かまぼこ様食品、ハム
・ソーセージ様食品、ハンバーグ様食品、めん様食品、
ようかん様食品、クリーム様食品を挙げることができ
る。
【0018】
【実施例】以下に、本発明の実施例及び比較例を記載
し、本発明をさらに具体的に説明する。
【0019】[実施例1] (粉末豆乳の調製)丸大豆1重量部を室温で12時間水
に浸漬した後、これに水を3重量部加え、グラインダー
で磨砕した。この磨砕液を100℃まで蒸気加熱し、1
〜3分間沸騰状態を保った。次いでデカンタでオカラを
分離し、固形分12重量%の豆乳を得た。この豆乳にデ
カグリセリンモノラウレート(サンソフトQ−12S、
太陽化学(株)製)を0.5重量%添加し、ホモジナイ
ザで溶解均質化した。続いて、凍結乾燥機により乾燥し
て本発明に従う粉末豆乳を得た。 (豆腐の調製)得られた粉末豆乳1重量部を冷水7重量
部に加え、スプーンで軽く攪拌し、分散溶解させ、液状
豆乳を得た。次いで得られた液状豆乳に対して凝固剤と
して0.3重量%の塩化マグネシウムを加え、攪拌溶解
した後、電子レンジ(600W加熱)で2分30秒加熱
し、凝固させて豆腐を調製した。
【0020】得られた粉末豆乳及び豆腐の評価を以下の
通り行った。粉末豆乳の水への分散、溶解性の評価は、
スプーンで軽く攪拌したときの分散溶解状態を10名の
パネラーによる5点評価法で行った。豆腐の官能評価も
上記と同様に10名のパネラーによる5点評価法により
行った。なお評価は、平均値で示し、得点の多い方が良
好であることを示す。また豆腐のゲル強度は、レオメー
ター(山電(株)製)にて破断強度(g/cm2 )を測
定することにより評価した。結果を表1に示す。
【0021】[実施例2]実施例1において、磨砕液を
加熱することなく豆乳を得た後、145℃で3秒間の直
接プレート滅菌を行うこと以外は、実施例1と同様にし
て本発明に従う粉末豆乳を得た。そしてこの豆乳を用い
て実施例1と同様に豆腐を調製し、同様な評価を行っ
た。
【0022】[実施例3]実施例1において、デカグリ
セリンモノラウレートの代わりに、デカグリセリンモノ
ステアレート(Q−18S、太陽化学(株)製)を用い
た以外は、実施例1と同様にして本発明に従う粉末豆乳
を得た。そしてこの豆乳を用いて実施例1と同様に豆腐
を調製し、同様な評価を行った。
【0023】[実施例4]実施例1において、デカグリ
セリンモノラウレートの代わりに、ヘキサグリセリンモ
ノステアレート(Q−18F、太陽化学(株)製)を用
いた以外は、実施例1と同様にして本発明に従う粉末豆
乳を得た。そしてこの豆乳を用いて実施例1と同様に豆
腐を調製し、同様な評価を行った。
【0024】[実施例5]実施例1において、デカグリ
セリンモノラウレートの代わりに、デカグリセリンジス
テアレート(Q−182S、太陽化学(株)製)を用
い、更に砂糖を1.0重量%用いた以外は、実施例1と
同様にして本発明に従う粉末豆乳を得た。そしてこの豆
乳を用いて実施例1と同様に豆腐を調製し、同様な評価
を行った。
【0025】[実施例6]実施例1において、凝固剤と
してグルコノデルタラクトン(GDL)を0.25重量
%更に添加した以外は、実施例1と同様にして本発明に
従う粉末豆乳を得た。そしてこの豆乳を用いて実施例1
と同様に豆腐を調製し、同様な評価を行った。
【0026】[実施例7]実施例1において、得られた
粉末豆乳1重量部を冷水4重量部に加え、凝固剤を加え
ることなく、電子レンジで加熱凝固させた以外は、実施
例1と同様にして本発明に従う豆腐を得た。そして実施
例1と同様に評価した。
【0027】[実施例8]実施例1において、得られた
粉末豆乳1重量部を80℃の熱水7重量部に加え、凝固
剤としてDGL0.25重量%を加えた以外は、実施例
1と同様にして本発明に従う豆腐を得た。そして実施例
1と同様に評価した。
【0028】[比較例1]実施例1において、デカグリ
セリンモノラウレートを添加しなかった以外は、実施例
1と同様にして比較用の豆乳を得た。また実施例1と同
様にして豆腐を得た後、実施例1と同様に評価した。
【0029】[比較例2]実施例1において、デカグリ
セリンモノラウレートの代わりに、ジグリセリンモノス
テアレート(Q−18B、太陽化学(株)製)を添加し
た以外は、実施例1と同様にして比較用の豆乳を得た。
また実施例1と同様にして豆腐を得た後、実施例1と同
様に評価した。
【0030】[比較例3]実施例1において、デカグリ
セリンモノラウレートの代わりに、ハイデカグリセリン
モノステアレート(Q−18U、高重合度品の多いも
の、太陽化学(株)製)を添加した以外は、実施例1と
同様にして比較用の豆乳を得た。また実施例1と同様に
して豆腐を得た後、実施例1と同様に評価した。
【0031】[比較例4]実施例1において、デカグリ
セリンモノラウレートの代わりに、カゼインナトリウム
を添加した以外は、実施例1と同様にして比較用の豆乳
を得た。また実施例1と同様にして豆腐を得た後、実施
例1と同様に評価した。
【0032】[比較例5]実施例1において、デカグリ
セリンモノラウレートの代わりに、ショ糖脂肪酸エステ
ル(O−1570、菱糖(株)製)を添加した以外は、
実施例1と同様にして比較用の豆乳を得た。また実施例
1と同様にして豆腐を得た後、実施例1と同様に評価し
た。
【0033】[比較例6]実施例1において、デカグリ
セリンモノラウレートの代わりに、レシチン(日清レチ
シンDx、日清製油(株)製)を添加した以外は、実施
例1と同様にして比較用の豆乳を得た。また実施例1と
同様にして豆腐を得た後、実施例1と同様に評価した。
【0034】[実施例9] (分離大豆蛋白粉末の調製)脱脂大豆1重量部を40
℃、pH7の条件で10重量部の水を用いて水抽出を行
った。抽出処理物から遠心分離機によりオカラを分離し
て抽出液を得た。この抽出液を硫酸を利用して、蛋白の
等電沈殿処理を行った。処理後、遠心分離機によりホエ
イを分離して固形分30重量%の蛋白カードを得た。蛋
白カードに対して5重量部の水と0.1重量%のデカグ
リセリンモノラウレート(サンソフトQ−12S、太陽
化学(株)製)を加え、このカードをミキサにより砕い
て蛋白質含量5%の蛋白スラリーを調製した。得られた
スラリーを噴霧乾燥し、次いで流動層造粒を行い、本発
明に従う分離大豆蛋白粉末を得た。 (大豆蛋白凝固食品(豆腐)の調製)実施例1におい
て、粉末豆乳の代わりに、上記で得た分離大豆蛋白質粉
末を用い、85℃、30分間の湯煎で加熱したこと以外
は、実施例1と同様にして大豆蛋白凝固食品(豆腐)を
得た。そしてこの食品を実施例1と同様に評価した。結
果を表1に示す。なお、表1において、破断強度の単位
は、[g/cm2 ]である。
【0035】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── 粉末の評価 凝 固 物 の 評価 乳化剤 凝固剤 分散溶解性 弾性 滑らかさ 風味 破断強度 ──────────────────────────────────── 実施例1 DeGML MgCl2 4.5 4.2 4.8 4.5 445 実施例2 DeGML MgCl2 4.3 4.7 4.4 3.3 521 実施例3 DeGMS MgCl2 4.2 4.0 4.7 4.6 361 実施例4 HGMS MgCl2 4.0 4.0 4.7 4.3 329 実施例5 DeGDS MgCl2 4.6 4.1 4.5 4.0 379 実施例6 DeGDS MgCl2 4.5 4.8 4.9 3.8 544 +GDL 実施例7 DeGML −− 4.0 4.5 4.8 4.1 430 実施例8 DeGML MgCl2 4.5 4.2 4.9 3.7 488 +GDL ──────────────────────────────────── 比較例1 −− MgCl2 1.2 1.0 1.0 1.0 測定不能 比較例2 DGMS MgCl2 2.8 1.0 1.0 1.0 測定不能 比較例3 HDGMS MgCl2 2.4 1.1 1.2 1.2 63 比較例4 カゼイン MgCl2 2.2 1.0 1.0 1.1 測定不能 ナトリウム 比較例5 SE MgCl2 4.2 1.2 1.4 1.4 119 比較例6 レシチン MgCl2 3.3 1.0 1.0 1.2 測定不能 ──────────────────────────────────── 実施例9 DeGML −− 4.5 4.8 4.8 4.2 596 ────────────────────────────────────
【0036】上記表1において、乳化剤を表わす略号
は、以下の通りである。 DeGML:デカグリセリンモノラウレート DeGMS:デカグリセリンモノステアレート HGMS:ヘキサグリセリンモノステアレート DeGDS:デカグリセリンジステアレート DGMS:ジグリセリンモノステアレート HDGMS:ハイデカグリセリンモノステアレート SE :ショ糖脂肪酸エステル
【0037】上記表1に示された結果から、本発明に従
う特定のポリグリセリン脂肪酸エステルが配合された大
豆蛋白粉末を用いることで、家庭で簡単に大豆蛋白溶液
が調製でき、またこれを用いることにより凝固力が更に
向上した豆腐や大豆蛋白凝固食品を製造することができ
る。また得られた豆腐や大豆蛋白凝固食品は、弾力性も
あり、風味も良く、滑らかな食感を有していた。一方、
本発明に係る特定のポリグリセリン脂肪酸エステル以外
のポリグリセリン脂肪酸エステルや他の乳化剤を用いた
場合には、殆どゲル化能がないか、あるいは充分なゲル
強度を有してないために保型性のある豆腐や大豆蛋白凝
固食品を得ることができない。また風味、食感において
も本発明のものに比べ、劣っている。
【0038】
【発明の効果】本発明の大豆蛋白粉末を用いることで、
食感、風味ともに良好な豆腐を初めとする凝固食品を家
庭で簡単に作ることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大豆蛋白質に、炭素数8〜18の脂肪酸
    と重合度4〜10のポリグリセリンからなるポリグリセ
    リン脂肪酸エステルが配合されてなる大豆蛋白粉末。
  2. 【請求項2】 ポリグリセリン脂肪酸エステルが、炭素
    数12〜18の脂肪酸と重合度4〜10のポリグリセリ
    ンからなるポリグリセリン脂肪酸エステルである請求項
    1に記載の大豆蛋白粉末。
  3. 【請求項3】 ポリグリセリン脂肪酸エステルが、0.
    01〜20重量%含有されるように配合されている請求
    項1又は2に記載の大豆蛋白粉末。
  4. 【請求項4】 豆腐製造用である請求項1に記載の大豆
    蛋白粉末。
  5. 【請求項5】 大豆蛋白質含有溶液に炭素数8〜18の
    脂肪酸と重合度4〜10のポリグリセリンからなるポリ
    グリセリン脂肪酸エステルを配合し、次いで乾燥するこ
    とからなる大豆蛋白粉末の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかの項に記載の大
    豆蛋白粉末を用いて得られる大豆蛋白凝固食品。
JP6305521A 1994-11-14 1994-11-14 大豆蛋白粉末及びその製造方法、並びに該粉末を用いた食品 Withdrawn JPH08131083A (ja)

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Cited By (6)

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