JPH08127279A - 自動車用シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シートの居住性および外観性の悪化をともな
うことなくエアバックの作動にともなう不具合を解消で
きる自動車用シートを提供する。 【構成】 車幅方向ほぼ中央部においてシートクッショ
ン３の座面に凹部４を設ける。シートクッション３と協
同して座面を形成するクッション体５を凹部４に表裏反
転並びに挿脱可能に嵌着する。クッション体５の裏面に
カップホルダ６を設けたことにより、通常はシートクッ
ション３と協同して座面を形成するクッション体５を表
裏反転させればカップホルダ６が出現されるようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は自動車用シートに係り、
特に、乗員の拘束手段としてエアバックを採用した場合
にもカップあるいはボトルなどを確実に保持できるよう
にしたカップホルダを組み込んだ自動車用シートに関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の自動車においては、インストルメ
ントパネルに引き出し式のカップホルダを組み込み、あ
るいは、実開平３−１６５３１号公報に見られるように
センタシートバックの背面にカップホルダを設けるよう
にしたものがある。

【０００３】しかしながら、前者のようにインストルメ
ントパネルに引き出し式のカップホルダを組み込んだも
のにおいては、パッセンジャシートに設けたエアバック
の作動時に、該エアバックによってカップホルダ上のボ
トル類がはね飛ばされ、あるいは、カップホルダもしく
はボトル類との接触によってエアバックが破損する可能
性がある。また、後者のようにセンタシートバックの背
面にカップホルダを設けるようにしたものにおいては、
カップホルダの使用時にセンタシートバックをシートク
ッション上に倒伏させる必要性があるためにシートの構
造が複雑になるとともに、外観性および居住性が低下す
る可能性がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に鑑
みてなされたものであって、シートの居住性および外観
性の悪化をともなうことなくエアバックの作動にともな
う不具合を解消できる自動車用シートを提供することを
課題としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、車幅方向ほぼ中央部においてシートクッシ
ョンの座面に凹部を設けるとともに、前記凹部に表裏反
転並びに挿脱可能に嵌着されて前記シートクッションと
協同して座面を形成するクッション体を設けている。そ
して、前記クッション体の裏面にカップホルダを設けた
ことを特徴としている。

【０００６】また本発明は、クッション体を凹部に着脱
自在に取り付け、もしくは、クッション体を凹部の開口
縁に開閉回動自在に取り付けることができる。さらに本
発明は、クッション体より平面投影面積が小さい小物入
れボックスを凹部の底面に凹入形成することができる。

【０００７】

【作用】上記のように構成した自動車用シートにおい
て、カップホルダを必要としない状態においては表面を
上にしてクッション体を凹部に嵌合保持させておく。す
ると、クッション体がシートクッションとともに座面を
形成するために、車幅方向中央部を通常のシートクッシ
ョンとして利用することができる。

【０００８】また、カップホルダを必要とする場合はク
ッション体を凹部から抜き出して表裏を反転させる。す
ると、クッション体の裏面が露出されてカップホルダが
出現されるために、カップあるいはボトル類を安定よく
保持させることができる。

【０００９】従って、従来のように引き出し式のカップ
ホルダをインストルメントパネルに設ける必要性がな
く、乗員の拘束手段としてエアバックを採用した場合に
懸念される不都合が回避される。また、センタシートバ
ックなどを倒伏させる必要性がないためにシートの構造
が複雑になることがなく、シートの外観性および居住性
が損なわれることもない。

【００１０】なお、クッション体を凹部に着脱自在に取
り付けた場合は、シートクッション上の突起物を少なく
することができ、クッション体を凹部の開口縁に開閉回
動自在に取り付けた場合はクッション体の紛失などを回
避し、あるいは、表裏反転させてカップホルダとして機
能させているクッション体をアームレストとして有効利
用することもできる。さらに、クッション体より平面投
影面積が小さい小物入れボックスを凹部の底面に凹入形
成した場合は、シートクッションの内部に小物入れを構
成することができるために車室内の利便性がより高くな
る。

【００１１】

【実施例】以下に本発明の実施例を図に基づいて詳細に
説明する。図１は本発明に係る自動車用シートの第１実
施例を示す概略斜視図、図２は同じく格納状態の概略斜
視図、図３は図２のＡ−Ａ断面図であり、図示しない自
動車の運転室にドライバシート１とパッセンジャシート
２を搭載している。ここに、ドライバシート１をいわゆ
る一人掛けのシートで構成するとともに、パッセンジャ
シート２を二人掛けのシートで構成している。

【００１２】また、パッセンジャシート２のシートクッ
ション３におけるドライバシート１側の端部近傍、つま
り、車幅方向ほぼ中央部に位置する部分においてパッセ
ンジャシート２のシートクッション３の座面に凹部４を
切欠形成している。そして、シートクッション３と同質
の素材で構成されたクッション体５を前記凹部４に表裏
反転並びに挿脱可能に嵌着することにより、クッション
体５がシートクッション３と協同して座面を形成するよ
うにしている。

【００１３】ここに、前記クッション体５の裏面にカッ
プホルダ６を設けている。そして、クッション体５より
平面投影面積が小さい小物入れボックス７を凹部４の底
面に凹入形成することにより、クッション体５を凹部４
に嵌着した状態でもシートクッション３の内部に小物入
れようの空間を確保できるようにしている。８はクッシ
ョン体５の表皮、９は裏板、１０はクッション、１１は
引き出しタブであり、前記裏板９に孔１２を開けるとと
もに、この孔１２に連続する凹部１３をクッション１０
に設けてカップホルダ６を構成している。

【００１４】以上のように構成した自動車用シートにお
いて、カップホルダを必要とする場合は、クッション体
５を凹部４から抜き出して表裏を反転させて図１に示し
たように裏板９を上にした状態でクッション体５を凹部
４に押し込む。すると、クッション体５の裏板９がシー
トクッション３の座面とほぼ同一高さに保持されて車室
内に露呈されてカップホルダ６が出現されるために、カ
ップあるいはボトル類をカップホルダ６に挿入して安定
保持させることができる。

【００１５】また、カップホルダを必要としない場合は
図２に示したように表面を上にしてクッション体５を凹
部４に嵌合保持させる。すると、クッション体５の表面
がシートクッション３とともに座面を形成してカップホ
ルダ６が凹部４内に格納されるために、車幅方向中央部
を通常のシートクッションとして利用することができ
る。

【００１６】従って、通常はシートクッション３と協同
して座面を構成するクッション体５を凹部４から抜き取
って表裏反転させた後にこれを再び凹部４に嵌め込むこ
とにより、シートクッション３の座面にカップホルダを
出現させることができる。このために、従来のように引
き出し式のカップホルダをインストルメントパネルに設
ける必要性がなく、乗員の拘束手段としてエアバックを
採用した場合に懸念される不都合が回避される。

【００１７】また、クッション体５より平面投影面積が
小さい小物入れボックス７を凹部４の底面に凹入形成す
ることにより、この小物入れボックス７に対してクッシ
ョン体５を蓋として機能させている。このために、従来
は有効利用されていなかったシートクッション３の内部
を小物入れとして有効利用することもでき、車室内の利
便性がより高くなる。なお、本実施例のようにクッショ
ン体５を凹部４に着脱自在に取り付けた場合は、クッシ
ョン体４を反転させてカップホルダ６として機能させた
場合にもシートクッション３上の突起物を少なくするこ
とができる。

【００１８】上記実施例においてはパッセンジャシート
２のシートクッション３におけるドライバシート１側の
端部近傍に凹部４を設けているが、シートおよび凹部の
構造は実施例に限定されない。

【００１９】すなわち、図４は本発明に係る自動車用シ
ートの第２実施例を示す概略斜視図であり、この実施例
においてはドライバシートとパッセンジャシートを一体
に構成している。そして、車幅方向中央に相当するシー
トクッション３の中央部に凹部４を設け、この凹部４に
嵌め込み保持させたクッション体５を表裏反転させてカ
ップホルダとして機能させるか否かを選択できるように
している。なお、本実施例のように凹部４をシートクッ
ション３の前縁に開放させた場合は、クッション体５の
着脱作業性が改善されるとともに、凹部４の清掃作業性
が高くなる利点がある。

【００２０】また、図５は本発明に係る自動車用シート
の第３実施例を示す概略斜視図であり、本実施例におい
てはクッション体５を凹部４の開口縁に起伏開閉回動自
在に取り付けている。従って本実施例による場合は、凹
部４に嵌着保持させたクッション体５を引き起こし回動
して表裏反転させることでカップホルダを構成できるた
めに、クッション体５の紛失などを予防できるととも
に、クッション体５の反転操作性が高くなる。

【００２１】また、本実施例のようにクッション体５を
引き起こし回動させて凹部４に隣接するシートクッショ
ン３の上面に保持させるようにした場合は、引き起こし
回動させたクッション体５をアームレストとして利用す
ることもできる。なお、図示のように凹部４の底面にカ
ップホルダ兼用の凹部１４を設けた場合は、この凹部１
４カップホルダとして機能させてボトル類を保持できる
とともに、凹部１４を小物入れなどとしても利用するこ
とができ、左右一対のクッション体を凹部４の左右開口
縁にそれぞれ起伏回動自在に取り付けた場合は、ドライ
バシートとパッセンジャシートのアームレストを独立さ
せてることができるために、居住性がより改善される。

【００２２】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、通常はシートクッションと協同して座面を形成
するクッション体を必要に応じて表裏反転させてカップ
ホルダを出現させることができるために、従来のように
エアバックの作動時に種々の障害が懸念される引き出し
式のカップホルダをインストルメントパネルに設ける必
要性がなく、あるいは、センタシートバックなどを倒伏
させてカップホルダを出現させる必要性がないためにシ
ートの構造が複雑になることがなく、シートの外観性お
よび居住性が損なわれることもない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る自動車用シートの第１実施例を示
す概略斜視図である。

【図２】図１に示したカップホルダを格納した状態の概
略斜視図である。

【図３】図２のＡ−Ａ断面図である。

【図４】本発明に係る自動車用シートの第２実施例を示
す概略斜視図である。

【図５】本発明に係る自動車用シートの第３実施例を示
す概略斜視図である。

【符号の説明】

１ ドライバシート ２ パッセンジャシート ３ シートクッション ４ 凹部 ５ クッション体 ６ カップホルダ ７ 小物入れボックス ８ 表皮 ９ 裏板 １０ クッション １１ 引き出しタブ １２ 孔 １３ 凹部 １４ 凹部

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車幅方向ほぼ中央部において座面に凹部
   を設けたシートクッションと、前記凹部に表裏反転並び
   に挿脱可能に嵌着されて前記シートクッションと協同し
   て座面を形成するクッション体を備え、該クッション体
   の裏面にカップホルダを設けたことを特徴とする自動車
   用シート。
2. 【請求項２】 クッション体を凹部に着脱自在に取り付
   けたことを特徴とする請求項１に記載の自動車用シー
   ト。
3. 【請求項３】 クッション体を凹部の開口縁に開閉回動
   自在に取り付けたことを特徴とする請求項１に記載の自
   動車用シート。
4. 【請求項４】 クッション体より平面投影面積が小さい
   小物入れボックスを前記凹部の底面に凹入形成したこと
   を特徴とする請求項１〜３のいずれかに記載の自動車用
   シート。