JPH0812487B2 - 荷電制御剤および電子写真用トナー - Google Patents

荷電制御剤および電子写真用トナー

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JPH0812487B2
JPH0812487B2 JP3352242A JP35224291A JPH0812487B2 JP H0812487 B2 JPH0812487 B2 JP H0812487B2 JP 3352242 A JP3352242 A JP 3352242A JP 35224291 A JP35224291 A JP 35224291A JP H0812487 B2 JPH0812487 B2 JP H0812487B2
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styrene
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宏之 池田
秀男 中西
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は荷電制御剤および電子写
真用トナーに関する。さらに詳しくは正帯電性荷電制御
剤および正帯電性電子写真用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法による現像は、感光体上に形
成された静電潜像に対し、キャリアやスリーブ等との摩
擦によって帯電されたトナーを静電的に吸着させること
により行われる。それゆえ、このトナーは鮮明な画像を
得るために、適正な帯電量を有するように調整する必要
がある。この帯電量を制御する目的で、従来から電子写
真用トナーには正または負帯電性の荷電制御剤が添加さ
れている。これらのうち、正帯電性の荷電制御剤として
は、 ニグロシン染料、4級アンモニウム塩化合物などの低
分子化合物が用いられてきた。しかし、これらの低分子
化合物はバインダー樹脂中への分散性が不十分なため
に、そのトナーの帯電量分布が広く、かぶりによる白地
汚れやトナー飛散が発生するという問題があった。この
問題を解決するために、 ポリアミン、ポリ4級アンモニウム塩化合物:ポリア
ミン樹脂(特公昭53−13284号公報記載の樹脂な
ど)、4級アンモニウム塩基を有するアクリル系樹脂
(特開昭62−210472号公報記載の樹脂など)、
高分子4級塩(特開昭62−264066号公報記載の
樹脂など)などの、 ブロックおよび/またはグラフトポリマーなどの高分
子荷電制御剤:アミノ基および/または4級アンモニウ
ム塩基含有ポリマーと親油性ポリマーのブロックおよび
/またはグラフトポリマー(特開平3−15079号公
報記載の樹脂、USP4,925,764記載の樹脂な
ど)などが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、に例
示したポリアミンまたはポリ4級アンモニウム塩化合物
を荷電制御剤として用いた場合は、に例示した低分子
化合物の問題点を解決するには至らず、バインダー樹脂
中への分散性が不十分なために、そのトナーの帯電量分
布が広く、かぶりによる白地汚れやトナー飛散が発生す
るという問題がある。この問題はのブロックおよび/
またはグラフトポリマーを用いることで、改善できるこ
とが示された。しかし、近年、コストの低減および他の
トナー特性(熱特性等)影響を最低限に抑えることを目
的として、更に少量の荷電制御剤で適正な帯電量を得る
ことが要求されるようになってきた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、更に少量
の荷電制御剤の添加で帯電量分布がシャープとなるトナ
ーを得ることを目的に鋭意検討を行った結果、本発明に
到達した。すなわち本発明は、下記[1]および[2]
から構成される。
【0005】[1]構成単量体のうち50モル%以上が
スチレンであるポリスチレン系の主鎖と、下記一般式
(1)で示される骨格を持つグラフト鎖とを有するグラ
フト重合体(C1)からなるか、または上記グラフト重
合体(C1)と下記一般式(2)で示される重合体(C
2)からなる荷電制御剤。 一般式(1):
【化3】 {式中、R1はC11〜C17の炭化水素基を、R2およびR
3は各々独立に、水素またはC1 〜C8 の炭化水素基で
あるか、あるいはR2とR3は相互に連結されて芳香環を
形成していてもよい。R4は基中にエーテル結合を含ん
でいても良いC1〜C12のアルキレン基を、X-はアニオ
ンを、mは2〜100の整数を表す。} 一般式(2):
【化4】 {式中、R1〜R4およびX-は一般式(1)と同様であ
り、nは2〜100の整数を表す。}
【0006】[2](A)構成単量体のうち50モル%
以上がスチレンであるポリスチレン系バインダー樹脂、
(B)着色剤、(C)[1]項記載の荷電制御剤、を必
須成分として含有することを特徴とする電子写真用トナ
ー。
【0007】本発明の荷電制御剤を構成するグラフト重
合体(C1)は官能基を有するスチレン系樹脂(F)の
官能基の部分に一般式(1)で示されるグラフト鎖を導
入したものである。従って官能基を有するスチレン系樹
脂(F)の官能基の部分を除いたものが本発明のポリス
チレン系の主鎖である。
【0008】官能基を有するスチレン系樹脂(F)とし
ては、ハロメチル基を有するスチレン系樹脂(F1)、
アミノ基を有するスチレン系樹脂(F2)などが挙げら
れる。
【0009】(F1)としてはスチレン、ハロメチル化
スチレンモノマーおよび必要により他のモノマーを共重
合したもの等が挙げられる。また(F2)としてはスチ
レン、アミノ基含有モノマーおよび必要により他のモノ
マーを共重合したもの等が挙げられる。これらのうち、
好ましいものは(F1)である。(F1)において、ハ
ロメチル化スチレンモノマーとしてはクロロメチルスチ
レン、ブロモメチルスチレンなどが挙げられる。これら
のうち好ましいものはクロロメチルスチレンである。
【0010】(F2)において、アミノ基含有モノマー
としては、アミノ基含有スチレン(1-スチリルメチルイ
ミダゾールなど)、アミノ基含有(メタ)アクリレート
{(ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、1-[2-
(メタ)アクリロイルオキシエチル]イミダゾールな
ど)}およびアミノ基含有(メタ)アクリルアミド{ジメ
チルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、1-(メタ)ア
クリロイルイミダーゾールなど}などが挙げられる。こ
れらのうち好ましいものはアミノ基含有(メタ)アクリレ
ートおよびアミノ基含有(メタ)アクリルアミドである。
【0011】(F1)、(F2)において、必要により
共重合成分として使用する他のモノマーとしては、スチ
レンの置換体、(メタ)アクリル系モノマーおよびその他
のビニル系モノマーが挙げられる。
【0012】スチレンの置換体としては、アルキル置換
スチレン(α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、
p−クミルスチレンなど)、ハロゲン置換スチレン
[(ポリ)クロロスチレン、(ポリ)ブロモスチレンな
ど]、アセトキシスチレン、ヒドロキシスチレンなどが
挙げられる。
【0013】(メタ)アクリル系モノマーとしては(メタ)
アクリレート{C1 〜C18のアルキル(メタ)アクリレー
ト[(メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリ
レート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ス
テアリル(メタ)アクリレートなど]、ヒドロキシル基含
有(メタ)アクリレート[ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レートなど]など}、(メタ)アクリルアミド[(メタ)ア
クリルアミドなど]、ニトリル基含有(メタ)アクリル系
モノマー[(メタ)アクリロニトリルなど]などが挙げら
れる。
【0014】またその他のビニル系モノマーとしてはビ
ニルエステル(酢酸ビニルなど)、脂肪族ビニル炭化水
素(ブタジエン、イソプレンなど)、ハロゲン化オレフ
ィン(塩化ビニル、臭化ビニルなど)、不飽和モノまた
はポリカルボン酸[(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マ
レイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸など]、それらの無水
物(無水マレイン酸など)などが挙げられる。
【0015】スチレンとハロメチル化スチレンモノマー
またはアミノ基含有モノマーと必要により使用する他の
モノマーとの共重合比はモル比基準で、通常、スチレン
が50〜99.5%、ハロメチル化スチレンモノマーまたはア
ミノ基含有モノマーが0.5〜30%、他のモノマーが0〜40
%であり、好ましくはスチレンが60〜99%、ハロメチル
化スチレンモノマーまたはアミノ基含有モノマーが1〜2
0%、他のモノマーが0〜30%である。
【0016】官能基を有するスチレン系樹脂(F)は必
ずしも最初から官能基を有しているモノマーを共重合す
る必要はない。すなわち、官能基を持たないスチレン系
樹脂を重合した後反応により目的の官能基を導入しても
よい。例えば、スチレン系樹脂をハロメチル化し、ハロ
メチル基を有するスチレン系樹脂(F1)と同じ構造の
ものを得てもよい。
【0017】一般式(1)において、R1のC11〜C17
の炭化水素基としては、アルキル基(ウンデシル基、ド
デシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシ
ル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基など)、アルケ
ニル基(ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル
基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセ
ニル基、ヘプタデセニル基など)、アルキルフェニル基
(ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチル
フェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、
デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基など)が挙げ
られる。これらのうち好ましいものは、C11〜C17のア
ルキル基およびアルケニル基である。特に好ましいもの
は、C11〜C17のアルキル基である。
【0018】R2およびR3の水素またはC1〜C8の炭化
水素基としては、水素、アルキル基(メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基な
ど)、アリール基(フェニル基など)およびアラルキル
基(ベンジル基など)などが挙げられる。R2とR3が相
互に連結された芳香環としてはベンゾ基などが挙げられ
る。これらのうち好ましいものは、水素、メチル基、エ
チル基およびベンゾ基である。
【0019】R4のうち、C1〜C12のアルキレン基とし
てはメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラ
メチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基およ
びドデカメチレン基などが挙げられる。またR4のうち
エーテル結合を含むC1〜C12のアルキレン基として
は、 −CH2CH2OCH2CH2− −CH2CH2OCH2OCH2CH2− −CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2− などが挙げられる。これらのうち好ましいものはエチレ
ン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチ
レン基、ドデカメチレン基、−CH2CH2OCH2CH2
−および−CH2CH2OCH2OCH2CH2−であり、
さらに好ましいものはトリメチレン基、テトラメチレン
基、ヘキサメチレン基、ドデカメチレン基および−CH
2CH2OCH2CH2−である。
【0020】Xのアニオンとしてはハロゲンイオン(塩
素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオンなど)、硫酸イオ
ン、硝酸イオン、リン酸イオン、スルホン酸イオン(p-ト
ルエンスルホン酸イオン、メチルスルホン酸イオン、ヒド
ロキシナフトスルホン酸イオンなど)、ホウ酸イオン
(テトラフルオロホウ酸イオン、テトラフェニルホウ酸
イオン、メタホウ酸イオン、メタホウ酸−グリセリン錯
イオンなど)、オキソ酸イオン(モリブデン酸イオン、
タングステン酸イオンなど)およびカルボン酸イオン
(酢酸イオンなど)などが挙げられる。これらのうち好
ましいものはハロゲンイオン、スルホン酸イオン、ホウ
酸イオンおよびオキソ酸イオンである。
【0021】該グラフト重合体(C1)の分子量は特に
限定されるものではないが、通常、ポリスチレン系の主
鎖の数平均重合度すなわちスチレン系樹脂(F)の数平
均重合度は5〜500であり、グラフト鎖の数平均重合度m
は2〜100である。該グラフト重合体(C1)はすべての
グラフト鎖の片末端のみがポリスチレン系の主鎖に結合
した構造をとっている必要はなく、一部のグラフト鎖の
両末端がスチレン系重合体に結合した構造をとっていて
もよい。
【0022】本発明の荷電制御剤(C)は該グラフト重
合体(C1)または該重合体(C2)からなる。この重
合体(2)はグラフト重合体(C1)のグラフト鎖の一
部が主鎖に結合せずに単独重合したホモポリマーであ
る。このホモポリマーの数平均重合度nは通常2〜100で
ある。本荷電制御剤中の各成分の組成比は、グラフト重
合体(C1)を構成するグラフト鎖の重量とホモポリマ
ー(C2)の重量比で言えば、通常前者が25〜100 %、
ホモポリマーが0〜75%である。
【0023】本発明の荷電制御剤の具体例を前記スチレ
ン系樹脂(F)と該グラフト鎖の組合せにより示すと下
記〜などが挙げられる。
【0024】スチレン系樹脂(F):スチレン/クロ
ロメチルスチレン共重合物 グラフト鎖:下記一般式で表されるグラフト鎖
【0025】
【化5】
【0026】スチレン系樹脂(F):スチレン/ブチ
ルアクリレート/クロロメチルスチレン共重合物 グラフト鎖:下記一般式で表されるグラフト鎖
【0027】
【化6】
【0028】スチレン系樹脂(F):スチレン/ブチ
ルアクリレート/クロロメチルスチレン共重合物 グラフト鎖:下記一般式で表されるグラフト鎖
【0029】
【化7】
【0030】スチレン系樹脂(F):スチレン/ブチ
ルアクリレート/ジメチルアミノエチルメタアクリレー
ト共重合物 グラフト鎖:下記一般式で表されるグラフト鎖
【0031】
【化8】
【0032】スチレン系樹脂(F):スチレン/ブチ
ルメタアクリレート/クロロメチルスチレン共重合物 グラフト鎖:下記一般式で表されるグラフト鎖
【0033】
【化9】
【0034】スチレン系樹脂(F):スチレン/ブチ
ルメタアクリレート/クロロメチルスチレン共重合物 グラフト鎖:下記一般式で表されるグラフト鎖
【0035】
【化10】
【0036】スチレン系樹脂(F):スチレン/ブタ
ジエンアクリロイルオキシエチルイミダゾール共重合物 グラフト鎖:下記一般式で表されるグラフト鎖
【0037】
【化11】
【0038】通常グラフト重合体(C1)を製造する際
(C2)などが副生し、(C1),(C2)からなる混
合物となる。(C1)の製造方法を例示すると、官能基
を有するスチレン系樹脂(F)にイミダゾール類とジハ
ライドを反応せしめる方法等がある。またこの反応生成
物よ(C2)などを精製除去することによりグラフト重
合体(C1)を単離することができる。
【0039】イミダゾール類としては、イミダゾール、
2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-プロ
ピルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-ステア
リルイミダゾール、2,4-ジメチルイミダゾール、4,5-ジ
メチルイミダゾール、ベンゾイミダゾール、2-メチルベ
ンゾイミダゾール、などが挙げられる。
【0040】ジハライドとしてはアルキレンジハライド
(エチレンジクロライド、エチレンジブロマイド、1,3-
ジブロモプロパン、1,4-ジクロロブタン、1,4-ジブロモ
ブタン、1,6-ジブロモヘキサン、1,8-ジブロモオクタン
など、アラルキレンジハライド(キシリレンジクロライ
ドなど)、およびエーテル結合を基中に含むアルキレン
ジハライド(β,β'-ジクロロエチルエーテル、β,β'-
ジクロロエチルホルマールなど)などが挙げられる。
【0041】反応モル比はスチレン系樹脂(F)として
(F1)を用いた場合、(F1)のハロメチル基のモル
数をX1、イミダゾール類のモル数をY、ジハライドの
モル数をZとすると、通常 2≦Z/X1≦100 、 -0.5≦(Y−Z)/X1≦3 であり、好ましくは 2≦Z/X1≦70 、 0≦(Y−Z)/X1≦2 であり、さらに好ましくは 3≦Z/X1≦50 、 0≦(Y−Z)/X1≦2 である。Z/X1が2未満ではグラフト鎖の重合度が小
さくなり、十分な4級アンモニウム塩が導入できず、10
0 より上では反応を完結させるのが困難である。(Y−
Z)/X1が-0.5未満および3より上ではグラフト化率が
低下し、多量のグラフトされていない単独重合物が副成
するようになる。
【0042】スチレン系樹脂(F)として(F2)を用
いた場合は、(F2)のアミノ基のモル数をX2とする
と、通常 2≦Y/X2≦100 、 -0.5≦(Z−Y)/X2≦3 であり、好ましくは 2≦Y/X2≦70 、 0≦(Z−Y)/X2≦2 であり、さらに好ましくは 3≦Y/X2≦50 、 0≦(Z−Y)/X2≦2 である。Y/X2が2未満ではグラフト鎖の重合度が小
さくなり、十分な4級アンモニウム塩が導入できず、10
0 より上では反応を完結させるのが困難である。(Z−
Y)/X2が-0.5未満および3より上ではグラフト化率が
低下し、多量のグラフトされていないホモポリマーが副
成するようになる。
【0043】また、必要に応じてグラフト重合物末端を
封鎖する目的でモノハライドまたはN置換イミダゾール
を併用することができる。
【0044】モノハライドとしては塩化メチル、ヨウ化
メチル、臭化エチル、臭化ブチル、塩化ブチル、塩化ベ
ンジル、臭化ベンジルなどが挙げられる。
【0045】N置換イミダゾールとしては1-メチルイミ
ダゾール、1-エチルイミダゾール、1-ベンジルイミダゾ
ールなどが挙げられる。
【0046】モノハライドまたはN置換イミダゾールと
他の反応成分とのモル比は、官能基を有するスチレン系
重合物(A)の官能基のモル数をX、イミダソール類
(B)のモル数をY、ジハライド(C)のモル数をZ、モノ
ハライドまたはN置換イミダゾールのモル数をWとする
と、通常 0≦W≦1.2(|2Y−2Z−X|) である。
【0047】重合体(C1)の製造方法において、Xの
アニオンを前記に例示したハロゲン以外のアニオンにす
る目的でハロゲン以外のアニオンのアルカリ金属および
アンモニウム塩を併用することもできる。
【0048】反応溶剤としては、イミダゾール類および
ジハライドに対し不活性なものであればよい。例えば、
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族溶剤、アセト
ン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキ
シド等の非プロトン性極性溶剤、およびこれらと水、メ
タノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコー
ル系溶剤との混合溶剤が挙げられる。これらのうち非プ
ロトン性極性溶剤は均一系で反応できる点で好ましく、
特に好ましくはジメチルホルムアミドである。
【0049】反応により発生するハロゲン化水素を中和
する目的でアルカリを併用するのが好ましい。アルカリ
としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび炭酸
ナトリウムなどが挙げられる。
【0050】反応方法はスチレン系樹脂(F)、イミダ
ゾール類、アルカリの溶液中にジハライドを滴下するの
が好ましいが、同時に仕込むこともでき、イミダゾール
類とジハライドをまず反応させたものにスチレン系樹脂
(F)を加え反応させることもできる。反応終了後、副
成した無機塩をろ過または遠心分離によりのぞいた後溶
媒を溜去し重合体(C1)が得られる。
【0051】その後、必要に応じて水にて抽出もしくは
水に再沈し、グラフト鎖のホモポリマーを除去すること
により本発明のフラフト重合体(C1)が得られる。反
応溶剤にジメチルホルムアミドのような水溶性の溶媒を
用いた場合は、反応混合物を水中に注ぐことにより無機
塩、溶媒および単独重合物を同時に除去し、粉末状の本
発明のグラフト重合体(C1)を得ることもできる。反
応温度は通常30〜200℃であり、好ましくは60〜
180℃である。30℃未満では反応速度が遅く、20
0℃を越えると副反応がおこりやすいので好ましくな
い。反応時間は反応温度によっても異なるが、通常2〜
20時間程度である。
【0052】本発明の電子写真用トナーは、(A)スチ
レンと他の単量体の共重合体であり、その構成成分の5
0モル%以上がスチレンからなるスチレン系バインバー
樹脂、(B)着色剤、(C)本発明のの荷電制御剤、を
必須成分として含有する。スチレン系バインダー樹脂
(A)を構成するスチレンと共重合可能な単量体として
はスチレン以外の芳香族ビニル炭化水素、(メタ)アク
リル系単量体およびその他の単量体が挙げられる。
【0053】芳香族ビニル炭化水素としてはスチレンの
置換体たとえばアルキル置換スチレン(α−メチルスチ
レン、p−メチルスチレン、p−クミルスチレンな
ど)、ハロゲン置換スチレン(クロルスチレン、クロル
メチルスチレンなど)、アセトキシスチレン、ヒドロキ
シスチレンなどが挙げられる。(メタ)アクリル系単量
体としては(メタ)アクリレート{C1〜C18のアルキ
ル(メタ)アクリレート[メチル(メタ)アクリレート、
エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル
(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートな
ど]、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート(ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレートなど)など}およびニト
リル基含有モノマー[(メタ)アクリロニトリルなど]
が挙げられる。またその他の単量体としてはビニルエス
テル(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなど)、脂肪族
ビニル炭化水素(ブタジエン、イソプレンなど)、ハロ
ゲン化オレフィン(塩化ビニル、臭化ビニルなど)、不
飽和モノまたはポリカルボン酸[(メタ)アクリル酸、
エタアクリル酸、クロトン酸、ソルビン酸、マレイン
酸、イタコン酸、ケイ皮酸など]、それらの無水物(無
水マレイン酸など)、それらの部分エステル(マレイン
酸モノメチルエステルなど)などが挙げられる。
【0054】スチレン系バインダー樹脂(A)のうち好
ましいものは、スチレンの重合物、スチレンと(メタ)
アクリル系単量体の共重合物、スチレンと脂肪族ビニル
炭化水素の共重合物およびこれらと少量の他の共重合可
能な単量体の共重合物である。スチレン系バインダー樹
脂(A)は必要によりポリオレフィン系樹脂、ポリエス
テル系樹脂、エポキシ系樹脂およびポリウレタン系樹脂
などのバインダー樹脂を含むこともできる。
【0055】ポリオレフィン系樹脂としては (イ):ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-αオレ
フィン(炭素数3〜8)共重合体(例えばエチレン50wt%
以上、とくに70wt%以上のもの) (ロ):イ)のマレイン酸誘導体(無水マレイン酸、マレイ
ン酸ジメチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、
マレイン酸ジ-2-エチルヘキシルエステルなど)付加物 (ハ):(イ)の酸化物 (ニ):エチレン性不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル
酸、イタコン酸など]および/またはそのエステル[ア
ルキル(C1〜C18)エステルなど]とエチレン性不飽
和炭化水素(エチレン、プロピレン、ブテン-1など)と
の共重合体およびこれらの二種以上の混合物が挙げられ
る。これらのうち好ましくはポリエチレン、ポリプロピ
レン、およびこれらのマレイン酸誘導体である。
【0056】ポリエステル系樹脂としてはジカルボン酸
および/またはそのエステル、酸ハライドなどのジカル
ボン酸成分とジオールおよび/またはそのエステル、ア
ルコラートなどのジオール成分の重縮合物などが挙げら
れる。
【0057】ジカルボン酸成分としてはテレフタル酸、
イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ト
リメリット酸およびそれらのエステル(テレフタル酸ジ
メチルなど)、酸ハライド(テレフタル酸ジクロライド
など)などの芳香族ジカルボン酸類、アジピン酸、セバ
シン酸、ドデカン2塩基酸などの炭素数2〜30の脂肪
族ジカルボン酸およびそれらのエステル(アジピン酸ジ
メチルなど)、酸ハライド(アジピ酸ジクロライドな
ど)などの脂肪族ジカルボン酸類などが挙げられる。こ
れらのうち好ましくは、芳香族ジカルボン酸類および芳
香族ジカルボン酸類と脂肪族ジカルボン酸類の併用であ
る。
【0058】ジオール成分としてはエチレングリコー
ル、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコー
ルなどの脂肪族ジオールおよびそのアルコラート(その
ナトリウムアルコラートなど)などの脂肪族ジオール
類、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノ
ールF、ハイドロキノン、それらのエステル(ジアセチ
ルビスフェノールAなど)およびそれらのアルコラート
(ビスフェノールAジナトリウムアルコラートなど)な
どの芳香族ジオール類、ビスフェノールAのエチレンオ
キサイドおよび/またはプロピレンオキサイド付加物、
ビスフェノールFのエチレンオキサイドおよび/または
プロピレンオキサイド付加物などの芳香族ジオールアル
キレンオキサイド付加物類、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコ
ールなどのポリアルキレングリコール類などが挙げられ
る。これらのうち好ましくは、芳香族ジオールアルキレ
ンオキサイド付加物類、脂肪族ジオール類、およびそれ
らの併用、さらに好ましくは、芳香族ジオールアルキレ
ンオキサイド付加物類である。
【0059】エポキシ系樹脂としてはビスフェノールA
とエピクロルヒドリンの付加縮合物およびその変性物な
どが挙げられる。
【0060】ポリウレタン系樹脂としてはジイソシアネ
ート成分とジオール成分の重付加物などが挙げられる。
ジイソシアネート成分としてはトルエンジイソシアネー
ト、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添ジ
フェニルメタンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシ
アネートおよびエチレンジイソシアネート、テトラメチ
レンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネートな
どが挙げられる。これらのうち好ましくは芳香族ジイソ
シアネートである。ジオール成分としてはポリエステル
に用いた物と同様なものよりエステルおよびアルコラー
トを除いた物が挙げられる。これらのうち好ましくは芳
香族ジオールアルキレンオキサイド付加物、脂肪族ジオ
ール、およびそれらの併用、さらに好ましくは芳香族ジ
オールアルキレンオキサイド付加物である。着色剤
(B)としては、通常使用されている顔料および染料を
使うことができる。例えば、カーボンブラック、鉄黒、
ベンジジンイエロー、キナクリドン、ローダミンB、フ
タロシアニンおよびこれらの混合物などなどが挙げられ
る。
【0061】本発明の荷電制御剤(C)は公知の高分子
荷電制御剤に比べて少量の添加(0.1〜10%、好ましく
は、1〜5%)で適正な帯電量を得ることができる。これ
はR1にC11〜C18の炭化水素基が導入されていること
による。添加量が0.1%より少ないと充分な帯電量を得
られず、かぶり、機内飛散等を発生する。また、添加量
が10%より多く用いると熱特性面に悪影響が出始め、環
境安定性も悪化する。
【0062】本発明の電子写真用トナーは必要により、
磁性粉(鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性金属の粉
末もしくはマグネタイト、ヘマタイト、フェライトなど
の化合物)を含有することもできる。
【0063】本発明の電子写真用トナーはトナーの重量
に基づいて通常本発明の荷電制御剤(C)を0.1〜10
%、スチレン系バインダー樹脂(A)を30〜95%、着色
剤(B)を5〜10%、必要により磁性粉0〜50%用いたも
のからなる。さらに種々の添加剤[滑剤(ポリテトラフ
ルオロエチレン、低分子量ポリオレフィン、脂肪酸、も
しくはその金属塩またはアミドなど)および必要に応じ
て他の荷電制御剤(ニグロシン、四級アンモニウム塩な
ど)]を含むことができる。これらの添加剤の量はトナ
ー重量に基づいて通常0〜 5%である。
【0064】電子写真用トナーは公知の技術に基づき、
上記の成分を乾式ブレンドした後、溶融混練され、その
後粗粉砕され、最終的にジェット粉砕機などを用いて微
粒化される。さらに分級されて粒径が通常 5〜20ミクロ
ンの微粒として得られる。前記電子写真用トナーは必要
に応じて鉄粉、ガラスビーズ、ニッケル粉、フェライト
などのキャリアー粒子と混合されて電気的潜像の現像剤
として用いられる。またトナーの流動性改良のために疎
水性コロイダルシリカ微粉末を用いることもできる。
【0065】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれにより限定されるものではない。実施
例中、部はいずれも重量部を表す。GPCによる分子量
測定は以下の条件で行った。 装置 : ウオーターズ製 カラム : ウルトラスタイラジェルリニア 2本 測定温度 : 25℃ 試料溶液 : 0.5重量%のTHF溶液 溶液注入量: 200μl 検出装置 : 屈折率検出器 なお分子量較正曲線は標準ポリスチレンを用いて作成し
た。
【0066】実施例1および比較例1 [荷電制御剤(1)の合成]スチレン794部、アクリル
酸ブチル160部およびクロロメチルスチレン46部をトル
エン中沸点下アゾビスイソブチロニトリル30部を開始剤
として重合し次いで脱溶剤し、数平均分子量6000、重量
平均分子量17000 のハロメチルを有するスチレン系樹脂
(F1)を得た。ハロメチル基を有するスチレン系樹脂
(F1)128部、ヘプタデシルベンズイミダゾール125
部、1,4−ジブロモブタン68部、および炭酸ソーダ18
部をジメチルホルムアミド(DMF)中にて80℃で2時
間、還流下で4時間反応した。次いで、ベンジルクロラ
イド5部を加え4時間還流した。反応終了後、反応生成
物をP−トルエンスルホン酸205部を水2000部に溶解した
水溶液中にホモミキサーで攪拌しながら投入した。沈澱
物を水で洗浄、ろ過、乾燥し、グラフト重合体(1)を
得た。これを本発明の荷電制御剤(1)とする。 [比較荷電制御剤(1)の合成]ハロメチル基を有する
スチレン系樹脂(F1)282部、イミダゾール32部、
1,4−ジブロモブタン85部、および炭酸ソーダ2520部
をジメチルホルムアミド(DMF)中にて80℃で2時
間、還流下で4時間反応した。次いで、ベンジルクロラ
イド10部を加え4時間還流した。反応終了後、反応生成
物P-トルエンスルホン酸ナトリウム205部を水2000部に
溶解した水溶液中にホモミキサーで攪拌しながら投入し
た。沈澱物を水で洗浄、ろ過、乾燥し、グラフト重合体
(2)を得た。これを本発明の比較荷電制御剤(1)と
する。
【0067】(トナーの作成)本発明の荷電制御剤
(1)25部を、スチレン−アクリル系トナーバインダー
(スチレン−アクリル酸ブチル共重合体:数平均分子量
4800、重量平均分子量253000)780部、カーボンブラッ
ク キャボラック330R50部 (キャボラック社製)50部お
よびビスコール550P[三洋化成工業(株)製、低分子量
ポリプロピレン]20部とともにヘンシェルミキサーFM10
B(三井三池加工機製)にて予備混合した後、二軸混練
機[PCM-30(株)池貝製]で溶融混練し、得られた混練
物をラボジェット(日本ニューマチック社製)を用い微
粉砕した。気流分級機MDS-1(日本ニューマチック社
製)を用い微粉砕物から 5〜20μの粒径の粉体を得て、
本発明のトナー(1))とした。本発明の荷電制御剤
(1)50部、100部、比較荷電制御剤25部、50部および1
00部についても同様にトナー化し、本発明のトナー
(2)、トナー(3)、比較トナー(1)、(2)およ
び(3)を得た。
【0068】(帯電量の測定)これらのトナー1部に電
子写真用キャリアー鉄粉 ASR-10[日本鉄粉(株)製]24
部を配合し、タンブラーシェーカーミキサー(100回転
×時間)にて摩擦帯電させ、ブローオフ帯電量測定装置
[東芝ケミカル(株)製]による帯電量を測定した。そ
の結果を下記表1に示す。
【0069】
【表1】 トナーの帯電量と摩擦攪拌時間の関係 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 帯 電 量 (μC/g) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− トナー No. 1分 3分 7分 20分 60分 120分 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− トナー(1) +8.7 +9.5 +10.5 +11.4 +12.0 +12.4 (2) +9.5 +11.9 +13.0 +14.0 +16.3 +16.4 (3) +14.0 +16.3 +18.6 +19.7 +20.2 +20.5 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 比較トナー(1) +6.9 +7.2 +7.8 +7.8 +7.5 +7.6 (2) +9.9 +10.7 +11.0 +10.9 +10.7 +10.8 (3) +13.8 +14.6 +14.4 +14.2 +14.3 +14.2 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0070】(帯電量分布の測定)20分間摩擦攪拌を行
ったトナー(1)〜(3)および比較トナー(1)〜
(3)について粒子帯電量分布測定装置[ホソカワミク
ロン(株)製 EST-1]を用い帯電量分布を測定したとこ
ろ、上記表の如く帯電量に差はあるものの何れのトナー
もシャープな帯電量分布をしていた。 (複写試験)トナー(2)および比較トナー(3)につ
いて、OPC感光体を用いた正帯電性トナー用電子写真
複写機にて複写試験をしたところ、両トナーともカブリ
のない鮮明な黒色の細線再現性の優れた画像が得られ、
連続複写10,000枚後においても、複写品質の低下はみら
れなかった。一方、トナー(1)、比較トナー(1)お
よび比較トナー(2)では帯電量が低過ぎるために初期
画像濃度が高く、またトナー(3)では帯電量が高すぎ
るために初期画像濃度が低いため複写試験は行わなかっ
た。
【0071】実施例2および比較例2 [荷電制御剤(2)の合成]ハロメチル基を有するスチ
レン系樹脂(F1)453部、ヘプタデシルイミダゾール3
80部、1,4−ジブロモブタン241部、および炭酸ソー
ダ66部をジメチルホルムアミド(DMF)中にて80℃で
2時間、還流下で4時間反応した。次いで、ベンジルク
ロライド18部を加え4時間還流した。反応終了後、反応
生成物をネビルウインター酸ナトリウム320部を水2000
部に溶解した水溶液中にホモミキサーで攪拌しながら投
入した。、沈澱物を水で洗浄、ろ過、乾燥し、グラフト
重合体(3)を得た。これを本発明の荷電制御剤(2)
とする。 [比較荷電制御剤(2)の合成]ハロメチル基を有する
スチレン系樹脂(F1)912部、1−ベンジルベンゾイ
ミダゾール59部および炭酸ソーダ50部をジメチルホルム
アミド(DMF)中にて80℃で2時間、還流下で4時間
反応した。次いで、ベンジルクロライド12部を加え4時
間還流した。反応終了後、反応生成物をネビルウインタ
ー酸ナトリウム150部を水2000部に溶解した水溶液中に
ホモミキサーで攪拌しながら投入した。、沈澱物を水で
洗浄、ろ過、乾燥し、グラフト重合体(4)を得た。こ
れを本発明の比較荷電制御剤(2)とする。
【0072】(トナーの作成)荷電制御剤(2)および
比較荷電制御剤(2)それぞれ50部について実施例1と
同様にトナー化し、本発明のトナー(4)および比較ト
ナー(4)を得た。 (帯電量および帯電量分布の測定)実施例1と同様に20
分間摩擦帯電した後帯電量を測定したところ、トナー
(4)は+16μC/g、比較トナー(4)は+15μ
C/gとあまり差はなかったが、粒子帯電量分布測定装
置[ホソカワミクロン(株)製 EST-1]を用い帯電量分布
を測定したところ、トナー(4)はシャープな帯電量分
布をしていたが、比較トナー(4)は逆帯電粒子を含む
広い帯電量分布であった。 (複写試験)トナー(4)および比較トナー(4)につ
いて、実施例1に用いたものと同じ複写機にて複写試験
をしたところ、トナー(4)はカブリのない鮮明な黒色
の細線再現性の優れた画像が得られ、連続複写10,000枚
後においても、複写品質の低下はみられなかった。一
方、比較トナー(4)では複写初期よりカブリが発生し
た。
【0073】実施例3 [荷電制御剤(3)の合成]ハロメチル基を有するスチ
レン系樹脂(F1)448部、ウンデシルイミダゾール273
部、1,4−ジブロモブタン240部、および炭酸ソーダ6
5部をジメチルホルムアミド(DMF)中にて80℃で2
時間、還流下で4時間反応した。次いで、ベンジルクロ
ライド16部を加え4時間還流した。反応終了後、反応生
成物をモリブデン酸ナトリウム150部を水2000部に溶解
した水溶液中にホモミキサーで攪拌しながら投入し
た。、沈澱物を水で洗浄、ろ過、乾燥し、グラフト重合
体(5)を得た。これを本発明の荷電制御剤(3)とす
る。 [荷電制御剤(4)の合成] ハロメチル基を有するスチレン系樹脂(F1)422部、
ウンデシルベンズイミダゾール316部、1,4−ジブロ
モブタン225部、および炭酸ソーダ62部をジメチルホル
ムアミド(DMF)中にて80℃で2時間、還流下で4時
間反応した。次いで、ベンジルクロライド15部を加え4
時間還流した。反応終了後、反応生成物をメタホウ酸ナ
トリウム(2水塩)118部を水2000部に溶解した水溶液
中にホモミキサーで攪拌しながら投入した。、沈澱物を
水で洗浄、ろ過、乾燥し、グラフト重合体(6)を得
た。これを本発明の荷電制御剤(4)とする。
【0074】[荷電制御剤(5)および(6)の合成]
本発明の荷電制御剤(1)と同様にして得た反応生成物
をホウフッ化ナトリウム128部を水2000部に溶解した水
溶液中にホモミキサーで攪拌しながら投入し、沈澱物を
水で洗浄、ろ過、乾燥し、グラフト重合体(7)を得
た。これを本発明の荷電制御剤(5)とする。また、本
発明の荷電制御剤(2)と同様にして得た反応生成物を
酢酸ナトリウム98部を水2000部に溶解した水溶液中にホ
モミキサーで攪拌しながら投入し、沈澱物を水で洗浄、
ろ過、乾燥し、グラフト重合体(8)を得た。これを本
発明の荷電制御剤(6)とする。 [荷電制御剤(7)の合成]ハロメチル基を有するスチ
レン系樹脂(F1)380部、ヘプタデシルベンズイミダ
ゾール379部、β,β’−ジクロロエチルエーテル217
部、および炭酸ソーダ55部をジメチルホルムアミド(D
MF)中にて80℃で2時間、還流下で4時間反応した。
次いで、ベンジルクロライド14部を加え4時間還流し
た。反応終了後、反応生成物を安息香酸ナトリウム158
部を水2000部に溶解した水溶液中にホモミキサーで攪拌
しながら投入した。、沈澱物を水で洗浄、ろ過、乾燥
し、グラフト重合体(9)を得た。これを本発明の荷電
制御剤(7)とする。
【0075】(トナーの作成)荷電制御剤(3)〜
(7)それぞれ50部について実施例1と同様にトナー化
し、本発明のトナー(5)〜(9)を得た。 (帯電量の測定)これらのトナーを実施例1と同様に摩
擦帯電させ、ブローオフ帯電量測定装置による帯電量を
測定した。その結果を下記表2に示す。
【0076】
【表2】 トナーの帯電量と摩擦攪拌時間の関係 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 帯 電 量 (μC/g) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− トナー No. 1分 3分 7分 20分 60分 120分 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− トナー(5) +13.5 +14.6 +14.9 +15.2 +15.1 +15.0 (6) +12.1 +13.2 +13.5 +14.3 +16.3 +16.4 (7) +9.5 +10.8 +11.2 +11.9 +12.0 +12.1 (8) +13.2 +14.3 +14.6 +15.2 +17.1 +17.2 (9) +11.9 +13.0 +13.1 +14.3 +16.2 +16.1 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0077】(帯電量分布の測定)20分間摩擦攪拌を行
ったトナー(5)〜(9)について実施例1と同様に帯
電量分布を測定したところ、上記表の如く帯電量に差は
あるものの何れのトナーもシャープな帯電量分布をして
いた。 (複写試験)トナー(5)〜(9)について、OPC感
光体を用いた正帯電性トナー用電子写真複写機にて複写
試験をしたところ、何れのトナーともカブリのない鮮明
な黒色の細線再現性の優れた画像が得られ、連続複写1
0,000枚後においても、複写品質の低下はみられなかっ
た。
【0078】
【発明の効果】本発明の荷電制御剤および本発明の荷電
制御剤を含有してなる電子写真用トナーは、 1.少ない添加量で適正な帯電量が得られるため、コス
ト低減に有効であり、かつ熱特性への影響を最低限に抑
えることができる。 2.荷電制御剤のトナーバインダー中への分散性が優れ
ているために、帯電量分布がシャープなトナーが得られ
る。 3.荷電制御剤とトナーバインダーとの接着性が優れて
いるために、スペント性の優れたトナーが得られる。 4..ある種のトナーバインダーに完全相溶する荷電制
御剤とは異なり、荷電制御剤がトナーバインダー中でミ
クロ相分離構造をとるために、トナーの電気的連続を生
じず安定に電価を保持する。 5.耐熱性の高い構造[(ベンゾ)イミダゾリウム塩構
造]であり、トナー化工程により変質がおこらなくでき
る。 6.ある種の低分子型荷電制御剤がトナー中への添加量
を変えると飽和帯電量とともに帯電量の安定性が変化す
るのと異なり、トナー中への添加量を調整することによ
り、飽和帯電量のみを調整することができる。 7.着色が少ないためにカラートナーにも使用できる。
などの効果を奏することから、本発明の荷電制御剤は電
子写真、静電記録紙等に用いられるトナーに有用であ
る。 8.長期間複写を重ねても鮮明な画像(適正な画像濃度
でカブリによる地汚れのない画像)を安定に保持する。 などの効果を奏することから、荷電制御剤および電子写
真用トナーとして有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08G 73/02 NTC 73/06 NTM C08L 25/00 LEE 79/08 LRC G03G 9/087

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構成単量体のうち50モル%以上がスチ
    レンであるポリスチレン系の主鎖と、下記一般式(1)
    で示される骨格を持つグラフト鎖とを有するグラフト重
    合体(C1)からなるか、または上記グラフト重合体
    (C1)と下記一般式(2)で示される重合体(C2)
    からなる荷電制御剤。 一般式(1): 【化1】 {式中、R1 はC11〜C17の炭化水素基を、R2 および
    3 は各々独立に、水素またはC1 〜C8 の炭化水素基
    であるか、あるいはR2 とR3は相互に連結されて芳香
    環を形成していてもよい。R4は基中にエーテル結合を
    含んでいても良いC1 〜C12のアルキレン基を、X-
    アニオンを、mは2〜100の整数を表す。} 一般式(2): 【化2】 {式中、R1〜R4およびX-は一般式(1)と同様であ
    り、nは2〜100の整数を表す。}
  2. 【請求項2】 (A)構成単量体のうち50モル%以上
    がスチレンであるポリスチレン系バインダー樹脂、
    (B)着色剤、(C)請求項1記載の荷電制御剤、を必
    須成分として含有することを特徴とする電子写真用トナ
    ー。
  3. 【請求項3】 荷電制御剤(C)の含有量が0.1〜10重
    量%である含有する請求項2記載の電子写真用トナー。
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