JP6782481B2 - ポリ酸と重合性イミダゾリウム化合物の複合体モノマー - Google Patents

ポリ酸と重合性イミダゾリウム化合物の複合体モノマー Download PDF

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Description

本発明は、ポリ酸をアニオンに持つ重合性イミダゾリウム塩化合物からなる複合体モノマーに関するものである。
ポリ酸化合物は、モリブデン、タングステン、バナジウムなどの遷移金属からなる酸化物クラスターアニオンである。[Mo8264-、[V10286--、[W10324-で表されるように、1種類の遷移金属元素を含むものをイソポリ酸とよぶ。一方、[MQ1240]n-で表されるように、遷移金属元素Qの他に異なる元素Mを含むものをヘテロポリ酸とよぶ。
ポリ酸は、含まれる遷移金属元素が最高酸化数をとっているため、多電子酸化還元反応を行うことができ、光触媒などとして用いられる。特にモリブデンを含むヘテロポリ酸は酸化触媒として工業化されている(非特許文献1)。また、ヘテロポリ酸の対カチオンがプロトンとなった場合は、硫酸や過塩素酸に匹敵する強酸性を示すため各種酸触媒として用いることができ、実用化もなされている(非特許文献1)ことに加えて、強酸性プロトンを有するのでプロトン伝導体として用いることができるとの報告もある(非特許文献2)。
しかしながら、対カチオンがプロトンであるヘテロポリ酸には、触媒としては回収および再利用が難しいという問題があった。また、プロトン伝導体としての性質を活かし燃料電池の電解質として利用した場合は、長期間の使用でブリードアウトしてしまい十分な寿命が得られないという問題があった。
ヘテロポリ酸アニオンに重合性官能基を有する部位を共有結合させ、フリーアシッド型単独重合体もしくは共重合体を得ることも可能である(特許文献1)。また、重合性官能基(メタクリロイルオキシ基)を含む対カチオンと希土類イオンを含むヘテロポリ酸とを自己組織化させた後、更なるモノマー(メチルメタクリレート)を加えて共重合することにより、ヘテロポリ酸と共重合体とを複合化させた例も報告されている(非特許文献3)。
一方、イミダゾリウム塩に代表されるイオン液体は、イオン性物質ながら室温で液体であるという独特の特性を示す材料であり、プロトンなどのイオン伝導性材料としても注目されている(非特許文献4)。イオン液体とヘテロポリ酸の複合体を調製し、プロトン伝導性を発現することも報告されている(特許文献2)。
特開2008−31147号公報(特許第4999491号公報) 特開2009−16156号公報(特許第5219119号公報)
M. Misono, N. Nojiri, App. Catal. 1990, 64, 1. O. Nakamura, T. Kodama, I. Ogino, Y. Miyake, Chem. Lett. 1979, 8, 17. H. Li, W. Qi, W. Li, H. Sun, W. Bu, L. Wu, Adv. Mater. 2005, 17, 2688. T. Kato, M. Mizoshita, K. Kishimoto, Angew. Chem. Int. Ed. 2006, 45, 38.
従来の重合性官能基を有するポリ酸(特許文献1)は、リンまたはケイ素を含むタングステン系ヘテロポリ酸に限られており、合成の際にポリ酸アニオンを選択できる余地がないという欠点があった。また、重合性官能基を含む対カチオンをポリ酸アニオンと複合化させた従来技術(非特許文献3)は、希土類イオンを含むヘテロポリ酸に限られていた。
重合性官能基とイミダゾリウムイオン液体という2つの異なる機能性部位をもつカチオン性化合物を、種々のポリ酸アニオンと複合化および単結晶構造解析できた例は、これまでに報告されていない。
本発明は、様々なポリ酸を利用して、酸触媒、帯電防止剤、プロトン輸送剤などの素材を製造することを可能とする、新規の化合物を提供することを課題とする。
本発明者らは、イミダゾリウムにメチレン鎖を介して重合性置換基(例えばメタクリロイルオキシ基)を導入した化合物を合成し、この重合性イミダゾリウムをカチオン、各種のポリ酸をアニオンとする、重合性イミダゾリウム塩化合物を調製して、その単結晶構造を解析することに成功した。そして、その重合性イミダゾリウム塩化合物と他のモノマーとの共重合体を得ることにも成功し、共重合体の酸触媒等の用途における実用化の可能性を示すことができた。
すなわち本発明は、一つの側面において下記の発明を包含する。
[項1]
下記一般式(I)で表される、重合性イミダゾリウム塩化合物。
pqX (I)
式(I)中、
Zは下記一般式(II)で表される重合性イミダゾリウムを表し、
式(II)中、
1は重合性置換基を表し、
2はHまたは炭素数1〜12のアルキル基またはオキシアルキレン基を表し、
mは1〜6の整数を表し、
Lは、T n+ (TはLi、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Agのいずれかの元素あるいは希土類元素であり、nは上記元素に応じた1〜3の整数である)を表し、
Xは、[MQ1240]n-(Mは、P、Si、Ge、Co、As、Fe、Al、ZnまたはBのいずれかの元素あるいはH2であり、QはWまたはMoのいずれかの元素であり、nは上記元素に応じた1〜6の整数である)、[M'2Q'1862]6-(M'はPまたはAsのいずれかの元素であり、Q'はWまたはMoのいずれかの元素である)、[Mo6192-、[Mo8264-、[V10286-、または[W10324-で表されるポリ酸を表し、
pは1〜6の整数を表し、
qは0〜5の整数を表し、
p+(Lの価数×q)の値はXの価数の絶対値に等しい。
[項2]
前記R1が、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基およびビニル基からなる群より選ばれる重合性置換基である、項1に記載の重合性イミダゾリウム塩化合物。
[項3]
項1または2に記載の重合性イミダゾリウム塩化合物に由来する構成単位と、その重合性イミダゾリウム塩化合物が有する重合性置換基と反応する重合性置換基を有する他の重合性化合物に由来する構成単位とを含む共重合体。
[項4]
前記他の重合性化合物が有する重合性置換基が、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基およびビニル基からなる群より選ばれる重合性置換基である、項3に記載の共重合体。
本発明によるポリ酸をアニオンに持つ重合性イミダゾリウム塩化合物からなる複合体モノマーを利用し重合体とした場合、回収・再利用を容易にできる酸触媒、塗膜からのブリードアウトが起こりにくい帯電防止剤、セパレータからのブリードアウトが起こりにくい燃料電池のセパレータに含有させるプロトン輸送剤などに好適に用いることができる。また、重合体とすることによって粉体化が容易となり取扱い性が格段に向上し、重合後製膜してフィルム化することによって燃料電池用セパレータとして利用する用途も開ける。
図1は、工程[3−1](実施例1)で合成したサンプルMA-ImC1-PW12の結晶構造である(水素原子は省略されている)。 図2は、工程[3−3](実施例3)で合成したサンプルMA-ImC1-Na-Mo8の結晶構造である(水素原子は省略されている)。 図3は、工程[3−4](実施例4)で合成したサンプルMA-ImC1-K-Mo8の結晶構造である(水素原子は省略されている)。 図4は、工程[3−5](実施例5)で合成したサンプルMA-ImC1-Ag-Mo8の結晶構造である(水素原子は省略されている)。 図5は、工程[3−6](実施例6)で合成したサンプルMA-ImC1-Ca-V10の結晶構造である(水素原子は省略されている)。 図6は、工程[3−2]で合成したサンプルMA-ImC1-SiW12、ならびに工程[4−1]で合成した単独重合体のサンプルPSiW12-1およびPSiW12-2の粉末XRDパターンである。 図7は、工程[3−1]で合成したサンプルMA-ImC1-PW12、ならびに工程[4−3]で合成した単独重合体のサンプルPPW12-1およびPPW12-2の粉末XRDパターンである。 図8は、工程[3−1]で合成したサンプルMA-ImC1-PW12、ならびに工程[4−4]で合成した共重合体のサンプルCP-PW12/BMA-1およびCP-PW12/BMA-2の粉末XRDパターンである(MA-ImC1-PW12のデータは図7と同一である)。 図9は、工程[3−8]で合成したサンプルMA-Im-SiW12および工程[4−5]で合成した単独重合体のサンプルPSiW12-3の粉末XRDパターンである。 図10は、工程[4−6]で合成した共重合体のサンプルCP-SiW12/ImC8Brの粉末XRDパターンである。 図11は、工程[4−7]で合成した共重合体のサンプルCP-PW12/ImC8Brの粉末XRDパターンである。
−重合性イミダゾリウム塩化合物−
本発明の重合性イミダゾリウム塩化合物は、一般式(I)で表される化合物である。
pqX (I)
式(I)中の各記号の説明は次の通りである。
Zは下記一般式(II)で表される重合性イミダゾリウムを表す。
式(II)中、R1は重合性置換基を表し、R2はHまたは炭素数1〜12のアルキル基またはオキシアルキレン基を表し、mは1〜6の整数を表す。
Lは、T n+ (TはLi、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Agのいずれかの元素あるいは希土類元素であり、nは上記元素に応じた1〜3の整数である)を表す。
Xは、[MQ1240]n-(Mは、P、Si、Ge、Co、As、Fe、Al、ZnまたはBのいずれかの元素あるいはH2であり、QはWまたはMoのいずれかの元素であり、nは上記元素に応じた1〜6の整数である)、[M'2Q'1862]6-(M'はPまたはAsのいずれかの元素であり、Q'はWまたはMoのいずれかの元素である)、[Mo6192-、[Mo8264-、[V10286-、または[W10324-で表されるポリ酸を表す。
pは1〜6の整数を表し、qは0〜5の整数を表し、p+(Lの価数×q)の値はXの価数の絶対値に等しい。
重合性置換基R1は、重合性イミダゾリウム塩化合物の(共)重合反応が行えるものであれば特に限定されるものではない。重合性置換基の例としては、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基、ビニル基などの付加重合により重合可能な重合性基の他、重縮合または重付加により重合可能な重合性基としてエポキシ基、メルカプト基、イソシアネート基、ヒドロシリル基、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシフェニル基、アミノフェニル基、カルボキシフェニル基、ジヒドロキシフェニル基、ジアミノフェニル基、ジカルボキシフェニル基、ヒドロキシベンジル基、アミノベンジル基、カルボキシベンジル基、ジヒドロキシベンジル基、ジアミノベンジル基などが挙げられる。
本発明の一実施形態において、重合性官能基としては、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、スチリル基などの、付加重合により重合可能な炭素−炭素二重結合(不飽和性二重結合)を含む基が好ましく、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が好ましい。これらの重合性官能基を有する化合物同士は、比較的穏やかな条件下でラジカル重合により重合させることができ、各種の用途に利用できる重合体を得ることができる。
金属Lとしては、例えば、Li、Na、K、Rb、Csなどのアルカリ金属;Mg、Ca、Sr、Baなどのアルカリ土類金属;Al;Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Agなどの遷移金属、あるいは希土類元素(Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb)が挙げられる。
pおよびqの規定は要するに、本発明の重合性イミダゾリウム塩化合物は、p個の重合性イミダゾリウムZが有する正の電荷(1×p)と、q個の金属Lが有する正の電荷(Lの価数:1〜3×q)の和が、ポリ酸Xが有する負の電荷(−1〜−6)の絶対値に等しく、したがって化合物全体の正味の電荷は0であることを意味している。なお、qは0であってもよいと規定されていることから分かるように、本発明の重合性イミダゾリウム塩化合物は、金属Lを含んでいなくてもよい。
−重合性イミダゾリウム塩化合物の製造方法−
本発明の重合性イミダゾリウム塩化合物は基本的に、重合性イミダゾリウムZとポリ酸Xとを適切な溶媒中で混合することにより、単結晶として得ることができる。反応ないし結晶化のための時間、温度、その他の条件は適宜調整することができる。
重合性イミダゾリウムZは、公知の手法を応用して、イミダゾリウムに重合性置換基を導入することによって合成することができる。一般的には、(i)まず、イミダゾールの一方の窒素原子に、適切な試薬を用いて、式(II)におけるR1を後に導入するための反応部位Rを末端に有するアルキレン鎖(−(CH2)n−)を結合させ、(ii)前記反応部位Rに適切な化合物を反応させて所望のR1を結合させ、(iii)イミダゾールの他の窒素原子に、適切な試薬を用いて、式(II)におけるR2を結合させる、といった手順で、重合性イミダゾリウムZを合成することができる。例えば、重合性置換基としてアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を有する重合性イミダゾリウムZを合成する場合は、上記工程(i)の反応部位Rとしてハロゲン原子を選択し、上記工程(ii)においてアクリル酸またはメタクリル酸を反応させるようにすることが好ましい。
ポリ酸Xは、所望のものを、市販品として入手するか、公知の手法を用いて合成ないし調製することができる。
金属Lは、ポリ酸Xの調製のための原料(例えば[Mo8O26]4-の調製に用いられるNa2MoO4・2H2O)に含まれているものである場合もあるし、必要に応じてそのようにして導入された最初の金属Lを他の金属Lで置換したものである場合もある。
−重合性イミダゾリウム塩化合物の用途−
本発明の重合性イミダゾリウム塩化合物は、その重合性イミダゾリウム塩化合物が有する重合性置換基に応じた重合反応に基づく、単独重合体または共重合体を製造するためのモノマーとして利用することができる。
重合性イミダゾリウム塩化合物からは、1種の重合性イミダゾリウム塩化合物同士の単独重合体を製造することもできるし、2種以上の重合性イミダゾリウム塩化合物同士の共重合体を製造することもできる。
また、1種または2種以上の重合性イミダゾリウム塩化合物と、その重合性イミダゾリウム塩化合物が有する重合性置換基(「第1重合性置換基」と呼ぶ。)と反応する重合性置換基(「第2重合性置換基」と呼ぶ。)を有する、1種または2種以上の他の(重合性イミダゾリウム塩化合物以外の)重合性化合物との共重合体を製造することもできる。第2重合性置換基は、第1重合性置換基と、同じ種類のものであってもよいし、異なる種類のものであってもよい。前述したような第1重合性置換基の例示は、第2重合性置換基の例示として読み替えることができる。第1重合性置換基として、前述したようなアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、スチリル基などの炭素−炭素二重結合(不飽和性二重結合)を含む基が選択される場合は、第2重合性置換基としても、それと同様の基を選択することが好ましい。
他の重合性化合物の一例として、一般式(I)で表される本発明の重合性イミダゾリウム塩化合物に含まれている、一般式(II)で表される重合性イミダゾリウム自体を用いることができる(R1,R2およびmの定義も同様とすることができる)。この場合の重合性イミダゾリウムは、一般式(I)のようなポリ酸Xとではなく、ハロゲン元素等のイオン液体における一般的なアニオンと塩を形成している。
また、他の重合性化合物の他の例として、重合性イミダゾリウム塩化合物が有する重合性置換基に応じた重合反応において、モノマーとして一般的に用いられている化合物を挙げることもできる。そのような化合物のうち、重合性置換基として炭素−炭素二重結合を有する化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸およびそれらの金属塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのアクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのメタクリル酸アルキルエステル;ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレートなどのポリエチレングリコールとアクリル酸およびメタクリル酸とのエステル;N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミドなどのアクリルアミドおよびメタクリルアミド誘導体;ビニルアミン、N−ビニルジエチルアミン、N−アセチルビニルアミンなどのビニルアミン誘導体およびその塩酸塩;アリルアミン、N−メチルアリルアミンなどのアリルアミン誘導体およびその塩酸塩;スチレン、p−スチレンスルホン酸およびその金属塩;酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン;無水マレイン酸などを挙げることができる。
重合性イミダゾリウム塩化合物同士の重合反応、または重合性イミダゾリウム塩化合物と他の重合性化合物との重合反応は、基本的には、それらと同じ重合性置換基を有する一般的な化合物を用いる場合の重合反応に準じて行うことができる。重合性イミダゾリウム塩化合物および他の重合性化合物の種類や配合比、重合反応の様式およびその条件(溶媒、重合開始剤・触媒、温度、時間等)は、得ようとする重合体の性状や用途に応じて、適切なものを選択したり、適切な範囲で調整したりすればよい。
例えば、重合性置換基として、アクリロイルオキシ基等、前述したような好ましい炭素−炭素二重結合を含む基が選択される場合、それらの重合性置換基はラジカル重合によって互いに結合させることができる。ラジカル重合は一般的に、アゾ化合物や過酸化物などのラジカル発生剤を重合開始剤として用い、熱や光により生じたラジカルにより重合反応が開始され、ポリマーの生長、停止、連鎖移動反応などを経て、ポリマー鎖が得られる。本発明において、上記のような重合性置換基を有する重合性イミダゾリウム塩化合物を用いる場合も、例えばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)や過酸化ベンゾイル(BPO)のような一般的な重合開始剤を用いて、N,N'-ジメチルスルホキシド(DMSO)やN,N'-ジメチルホルムアミド(DMF)などの適切な溶媒中で、ラジカル重合を行うことができる。
上述したような製造方法によって得られる本発明の重合体は、重合性イミダゾリウム塩化合物に由来する構成単位(ユニット)を含む重合体、好ましくは重合性イミダゾリウム塩化合物に由来する構成単位と、その重合性イミダゾリウム塩化合物が有する重合性置換基と反応する重合性置換基を有する他の重合性化合物に由来する構成単位とを含む共重合体である。「…に由来する構成単位」は、モノマーとしての重合性イミダゾリウム塩化合物および他の重合性化合物のそれぞれにおいて、重合性置換基が重合反応により一部変化した構造を有する。
本発明の共重合体(好ましくは重合性置換基として炭素−炭素二重結合を含む基が選択されたもの)中の、重合性イミダゾリウム塩化合物および他の重合性化合物それぞれに由来する構成単位の比率(mol%)は適宜調節することが可能であるが、通常は「重合性イミダゾリウム塩化合物に由来する構成単位」:「他の重合性化合物に由来する構成単位」=1:99〜99:1の範囲で調整される。このような構成単位の比率は、例えば1H-NMRスペクトルから求めることができる。
本発明の重合体(好ましくは重合性置換基として炭素−炭素二重結合を含む基が選択されたもの)の数平均分子量および重量平均分子量も適宜調節することが可能であるが、通常は、数平均分子量は1×103〜1×106の範囲で、重量平均分子量は1.5×103〜1.5×106の範囲で調整される。個々で規定する、本発明の重合体の数平均分子量および重量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により測定される、ポリスチレン換算値である。
本発明の重合体のその他の物性は、重合体の用途などを考慮しながら、適切な範囲で調整すればよい。例えば、プロトン輸送剤としての用途を考慮すれば、導電率[S・cm-1]が比較的高いものとなるよう、重合体の製造条件等を調整することが好ましい。
以下、実施例および参考例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例および参考例の概要を下記表1に示す。
なお、以下の例中、重合体の分子量測定は、下記の測定条件に従ったGPCにより行った。
<GPC測定条件>
送液ポンプ:東ソー製CCPD
カラムオーブン:東ソー製CO−8010
分離カラム:東ソー製 TSKgel Multipore HXL-M 5本直列
検出器:東ソー製RI−8010(示差屈折計)
カラム温度:45℃
移動相: LiBrのジメチルホルムアミド溶液(濃度:2.0 mmol/L )
移動速度:1.0 mL/分
試料濃度:0.5 重量%
試料注入量:100 μL
標準物質:単分散ポリスチレン
[工程1]ポリ酸の調製
リンタングステン酸(H3PW12O40、PW12)、ケイタングステン酸(H4SiW12O40、SiW12)、リンモリブデン酸(H3PMo12O40、PMo12)は市販品を用いた。
イソポリモリブデン酸([Mo8O26]4-)は、Na2MoO4・2H2O(1.0 g)を蒸留水(10 mL)に溶解させ、6M-HClを用いてpH 3.8に調整して、溶液として得た。
[工程2]イミダゾリウム化合物の合成
[2−1]1-(2-クロロエチル)-1H-イミダゾールの合成
塩化メチレン30mLにテトラブチルアンモニウムブロミド0.20g(0.6mmol)、炭酸カリウム0.82g(6mmol)、イミダゾール2.04g(30mmol)を加え還流条件下、5時間攪拌した。ロータリーエバポレーターを用いて塩化メチレンを留去後、クロロホルム150mL加え蒸留水30mLを用いて洗浄を行った。有機層に無水硫酸マグネシウムを加え乾燥を行った後、ろ過後ろ液をロータリーエバポレーターを用いて留去し目的物である1-(2-クロロエチル)-1H-イミダゾールの無色の液体を1.47g(収率37%)得た。1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 3.76(t, J = 10Hz, 2H), 4.28(t, J = 10Hz, 2H), 6.98(s, 1H), 7.10(s, 1H), 7.54(s, 1H).
[2−2]2-(1H-イミダゾール-1-イル)エチル メタクリレート(MA-Im)の合成
テトラヒドロフラン25mLにメタクリル酸1.47g(11.2mmol)、炭酸カリウム3.58g(25.9mmol)、1-(2-クロロエチル)-1H-イミダゾール1.13g(13.2mmol)を加え還流条件下、24時間攪拌した。クロロホルム200mL加え蒸留水80mLを用いて洗浄を行った。有機層に無水硫酸マグネシウムを加え乾燥を行った後、ろ過後ろ液をロータリーエバポレーターを用いて留去しシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製を行い目的物である2-(1H-イミダゾール-1-イル)エチル メタクリレートの無色の液体を1.70g(84%)得た。この液体を以下の工程における「MA-Im」として使用した。1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 1.93(s, 3H), 4.25(t, J = 5Hz, 3H), 4.40(t, J = 5Hz, 3H), 5.61(s, 1H), 6.10(s, 1H), 6.96(s, 1H), 7.08(s, 1H), 7.51(s, 1H).
[2−3]1-(2-(メタクリロイルオキシ)エチル)-3-メチル-1H-イミダゾール-3-イウム アイオダイド(MA-ImC1-I)の合成
2-(1H-イミダゾール-1-イル)エチル メタクリレート10g(55.6mmol)にヨードメタン39.4g(278mmol)を加え60℃、24時間攪拌した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製を行い目的物である1-(2-(メタクリロイルオキシ)エチル)-3-メチル-1H-イミダゾ−ル-3-イウム アイオダイドの褐色の液体を8.45g(52%)得た。この液体を以下の工程における「MA-ImC1-I」として使用した。1H NMR (500MHz, DMSO) δ 1.85(s, 3H), 3.86(s, 3H), 4.43(t, J = 5.5Hz, 3H), 4.52(t, J = 5.5Hz, 3H), 5.72(s, 1H), 6.04(s, 1H), 7.71(s, 1H), 7.79(s, 1H), 9.15(s, 1H)。
[2−4]1-(2-メタクリロイルオキシエチル)-3-オクチルイミダゾリウムブロミド(MA-ImC8Br)の合成
2-(1H-イミダゾール-1-イル)エチル メタクリレート2.11g (11.7 mmol)をクロロホルム3.5mLに溶解し、その溶液に1-ブロモオクタン4.52g (23.4 mmol)を加え60℃、20時間攪拌した。反応液をヘキサン1.0Lに注ぎ込みデカンテーションにより粘性液体を回収し、クロロホルム10mLに溶解して再度その溶液をヘキサン1.0Lに注ぎ込んだ。次に、デカンテーションにより粘性液体を回収し乾燥させたところ、目的物である1-(2-(メタクリロイルオキシ)エチル)-3-オクチル-1H-イミダゾ−ル-3-イウムブロミドの黄色の粘性液体を4.02g(92%)得た。この化合物を以下の工程における「MA-ImC8Br」として使用した。1H-NMR, δ (500 MHz, DMSO-d6, ppm): 0.86 (3H, t, J = 6.91 Hz), 1.25 (10H, m), 1.77 (2H, m), 1.85 (3H, t, J = 1.14 Hz), 4.19 (2H, t, J = 6.93 Hz), 4.48 (2H, m), 4.54 (2H, t, J = 4.41 Hz), 5.72 (1H, quint., J = 1.61 Hz), 6.03 (1H, t, J = 1.13 Hz), 7.85 (2H, m), 9.28 (1H, s)。
[工程3]ポリ酸とイミダゾリウム化合物との複合体モノマーの合成
[3−1]<実施例1>MA-ImC1-PW12の合成
リンタングステン酸n水和物(H3PW12O40・nH2O、PW12、1.70 g)にエタノール(10 mL)を加えて溶解した。溶けきらない場合はろ過を行い、ろ液を用いた。このポリ酸溶液に工程[2−3]で合成したMA-ImC1-I(0.50 g)を溶解したエタノール溶液(5 mL)を加え、撹拌した。生じた沈殿をひだ折りろ過し、蒸留水で洗浄後自然乾燥させてMA-ImC1-PW12(1.3 g、収率:57%)を得た。ろ液を6℃で保存し、得られた単結晶についてX線構造解析を行った。結晶データを下記、結晶構造を図1に示す。
結晶データ:monoclinic、C2/c (#15)、a = 18.9467(2)、b = 14.6994(2)、c = 22.9023(4) Å、α = 90.000、β = 103.390(1)、γ = 90.000°、V = 6205.02(15) Å3、Z = 4、R1 = 0.0943 (I > 2σ(I))、wR2 = 0.2486 (all data)。
FT-IR(KBr disk): 3161 (w)、2961(w)、2926(w)、1723(w)、1636(w)、1560(w)、1455(w)、1316(w)、1295(w)、1164(w)、1080(m)、1046(w)、978(s)、896(m)、808(s)、738(w)、649(w)、622(w)、597(w)、516(w)。
元素分析:Calcd(C30H45N6PW12O46): C: 10.41 , H: 1.31, N: 2.43%. Found: C: 13.70, H: 1.60, N: 2.33%。
[3−2]<実施例2>MA-ImC1-SiW12の合成
ケイタングステン酸(H4SiW12O40、SiW12、1.5 g)にエタノール(10 mL)を加えて溶解した。溶けきらない場合はろ過を行い、ろ液を用いた。この溶液に工程[2−3]で合成したMA-ImC1-I(0.5 g)を溶解したエタノール溶液(5 mL)を加え、撹拌した。生じた沈殿をひだ折りろ過し、蒸留水で洗浄後自然乾燥させてMA-ImC1-SiW12(0.95 g、収率:47%)を得た。
FT-IR(KBr disk): 3149 (w)、3115 (w)、2960(w)、2925(w)、1719(w)、1637(w)、1562(w)、1450(w)、1319(w)、1296(w)、1166(w)、1012(w)、971(m)、920(s)、884(w)、795(s)、649(w)、622(w)、537(w)。
元素分析:Calcd(C40H60N8SiW12O48): C: 13.14, H: 1.65, N: 3.07%. Found: C: 14.78, H: 1.70, N: 3.00%。
[3−3]<実施例3>MA-ImC1-Na-Mo8の合成
Na2MoO4・2H2O(1.0 g)を蒸留水(10 mL)に溶解させ、6M-HClを用いてpH 3.8に調整した。この溶液に工程[2−3]で合成したMA-ImC1-I(0.52 g)を溶解したエタノール溶液(10 mL)を加え、10分間撹拌した。生成した薄黄色沈殿をひだ折りろ過し暗所で自然乾燥させ、MA-ImC1-Na-Mo8(0.54 g、収率:36%)を得た。得られた薄黄色沈殿(0.05 g)をアセトニトリル/エタノール混合溶媒(15 ml、1:1(v/v))に入れ、3時間、ホットスターラーを100℃に設定して(混合溶媒が沸騰しない温度で)加熱し、上澄み液を取り30℃にて放置して無色板状結晶を得た。得られた単結晶についてX線構造解析を行った。結晶データを下記、結晶構造を図2に示す。
結晶データ:triclinic、P1 (#2)、a = 12.4487(7)、b =14.0216(8)、c = 17.0849(9) Å、α = 112.2760(14)、β = 93.2135(15)、γ = 105.0970(15)°、V = 2624.1(3) Å3、Z = 2、R1 = 0.0765 (I > 2σ(I))、wR2 = 0.1728 (all data)。
FT-IR(KBr disk): 3151 (w)、3090 (w)、3014 (w)、2959(w)、2926(w)、1719(s)、1632(w)、1559(w)、1445(w)、1403(w)、1380(w)、1362(w)、1317(w)、1294(m)、1254(w)、1169(s)、1043(w)、939(s)、915(s)、841(m)、814(w)、764(w)、717(s)、653(m)、624(w)、553(w)、523(w)。
元素分析:Calcd(C30H45N6NaMo8O32): C: 20.10, H: 2.53, N: 4.69%. Found: C: 19.87, H: 2.52, N: 4.71%。
[3−4]<実施例4>MA-ImC1-K-Mo8の合成
工程[3−3]で合成したMAImC1-Na-Mo8(0.03 g)とKCl(0.02 g)をアセトニトリル/エタノール混合溶液(15 mL、1:1(v/v))に加えて3時間、ホットスターラーを100℃に設定して(混合溶媒が沸騰しない温度で)加熱した。上澄み液を取り、30℃恒温槽にて保存して、無色結晶を得た。得られた単結晶についてX線構造解析を行った。結晶データを下記、結晶構造を図3に示す。
結晶データ:triclinic、P1 (#2)、a = 9.7954(7)、b = 10.0798(9)、c = 12.3964(9) Å、α = 85.815(13)、β = 85.891(11)、γ = 78.704(12)°、V = 1194.99(17) Å3、Z = 1、R1 = 0.0442 (I > 2σ(I))、wR2 = 0.1274 (all data)。
FT-IR(KBr disk): 3146 (w)、3112 (w)、2984 (w)、2954(w)、2926(w)、1716(m)、1634(w)、1561(w)、1455(w)、1404(w)、1362(w)、1320(w)、1299(w)、1167(m)、1045(w)、938(s)、916(s)、843(m)、817(w)、721(s)、667(m)、634(w)、558(w)、518(w)。
元素分析:Calcd(C20H30N4K2Mo8O30): C: 14.54, H: 1.83, N: 3.39%. Found: C: 14.46, H: 1.96, N: 3.41%。
[3−5]<実施例5>MA-ImC1-Ag-Mo8の合成
工程[3−3]で合成した合成したMAImC1-Na-Mo8(0.03 g)とAgNO3(0.02 g)をアセトニトリル/エタノール混合溶液(15 mL、1:1(v/v))に加えて75℃のホットスターラーで3時間加熱した。上澄み液を取り、30℃恒温槽にて保存して、無色結晶を得た。得られた単結晶についてX線構造解析を行った。結晶データを下記、結晶構造を図4に示す。
結晶データ:triclinic、P1 (#2)、a = 9.5969(7)、b = 10.9992(12)、c = 14.5293(12) Å、α = 87.894(12)、β = 72.005(9)、γ = 75.7836(10)°、V = 1412.7(2) Å3、Z = 1 、R1 = 0.0245 (I > 2σ(I))、wR2 = 0.0573 (all data)。
FT-IR(KBr disk): 3147(w)、3110(w)、3085(w)、2971(w)、2928(w)、1717(m)、1635(w)、1572(w)、1455(w)、1402(w)、1376(w)、1317(w)、1295(w)、1168(m)、1092(w)、1049(w)、1023(w)、938(s)、915(s)、884(m)、844(m)、717(s)、671(m)、622(w)、557(w)、525(w)。
元素分析:Calcd(C22H36N4Ag2Mo8O31): C: 14.39, H: 1.98, N: 3.05%. Found: C: 14.74, H: 2.00, N: 3.27%。
[3−6]<実施例6>MA-ImC1-Ca-V10の合成
V2O5(0.40 g)とLiOH・H2O(0.25 g)に蒸留水40 mLを加え、撹拌・溶解させた。その後、CaCl2・2H2O(0.07 g)を加えて撹拌・溶解させ、6M HClを用いてpHを6に合わせ、アニオン溶液を調製した。この溶液を、工程[2−3]で合成したMA-ImC1-I(0.47 g)を溶解したエタノール溶液(14 mL)にゆっくり加え、常温で30分程度撹拌し、ひだ折りろ過後、ろ別した黄色沈殿(0.16 g、収率17%)をエタノール10 mLで洗浄した。ろ液を6℃で保存すると、橙黄色板状結晶が得られた。得られた単結晶についてX線構造解析を行った。結晶データを下記、結晶構造を図5に示す。
結晶データ:triclinic、P1 (#2)、a = 9.9837(4)、b = 11.00230(10)、c = 16.3145(9) Å、α = 75.069(9)、β = 82.657(9)、γ = 63.240(6)°、V = 1545.95(15) Å3、Z = 1 、R1 = 0.0295 (I > 2σ(I))、wR2 = 0.0826 (all data)。
FT-IR(KBr disk): 3153(w)、3106(w)、3069(w)、2927(w)、1704(m)、1634(w)、1575(w)、1562(w)、1451(w)、1405(w)、1383(w)、1362(w)、1321(w)、1301(w)、1166(m)、1040(w)、1021(w)、983(m)、962(s)、941(s)、845(m)、819(m)、746(m)、650(w)、599(m)、529(w)、454(w)。
元素分析:Calcd(C20H56N4Ca2V10O45): C: 14.45, H: 3.40, N: 3.37%. Found: C: 14.48, H: 3.39, N: 3.26%。
[3−7]<実施例7>MA-Im-PW12の合成
リンタングステン酸n水和物(H3PW12O40・nH2O、PW12、1.70 g)にエタノール(10 mL)を加えて溶解した。溶けきらない場合はろ過を行い、ろ液を用いた。このポリ酸溶液に工程[2−2]で合成したMA-Im(0.50 g)を溶解したエタノール溶液(10 mL)を加え、撹拌した。生じた沈殿をひだ折りろ過し、蒸留水で洗浄後自然乾燥させてMA-Im-PW12(1.52 g、収率:69%)を得た。
FT-IR(KBr disk): 3154 (w)、2963(w)、2926(w)、1715(w)、1637(w)、1579(w)、1547(w)、1452(w)、1404(w)、1320(w)、1300(w)、1170(w)、1080(s)、1042(w)、979(s)、896(m)、808(s)、748(m)、666(w)、625(w)、596(w)、523(w)。
元素分析:Calcd(C27H39N6PW12O46): C: 9.48, H: 1.15, N: 2.46%. Found: C: 10.51, H: 1.26, N: 2.57%。
[3−8]<実施例8>MA-Im-SiW12の合成
ケイタングステン酸26水和物(H4SiW12O40・26H2O、SiW12、2.00 g)にエタノール(10 mL)を加えて溶解した。溶けきらない場合はろ過を行い、ろ液を用いた。この溶液に工程[2−2]で合成したMA-Im(0.59 g)を溶解したエタノール溶液(10 mL)を加え、撹拌した。生じた沈殿をひだ折りろ過し、蒸留水で洗浄後自然乾燥させてMA-Im-SiW12(1.32 g、収率:51%)を得た。
FT-IR(KBr disk): 3145 (w)、3072 (w)、2963(w)、2927(w)、1715(m)、1634(w)、1578(w)、1547(w)、1449(w)、1404(w)、1319(w)、1297(w)、1168(m)、1085(w)、1013(w)、973(s)、922(s)、884(w)、796(s)、665(w)、622(w)、534(w)。
元素分析:Calcd(C36H52N8SiW12O48): C: 12.01, H: 1.46, N: 3.11%. Found: C: 12.03, H: 1.47, N: 3.04 %。
[3−9]<実施例9>MA-Im-Na-Mo8の合成
Na2MoO4・2H2O(1.0 g)を蒸留水(10 mL)に溶解し、6M-HClを用いてpH = 3.8付近に調整した(アニオン溶液)。一方で、工程[2−2]で合成したMA-Im(0.28 g)をエタノール(10 mL)に溶かし、1M-HClを2 mL加えた(カチオン溶液)。このアニオン溶液にカチオン溶液を加え、10分間撹拌した。得られた白色沈殿をひだ折りろ過し、暗所にて自然乾燥させて、MA-Im-Na-Mo8(0.73 g、収率:57%)を得た。得られた白色沈殿(0.05 g)をアセトニトリル/エタノール混合溶媒(15 ml、1:1(v/v))に入れ3時間加熱し、上澄み液を取り30℃にて放置して無色結晶を得た。得られた単結晶についてX線構造解析を行った。結晶データを下記に示す。
結晶データ:monoclinic、C2/c (#15)、a = 24.480(10)、b = 17.940(10)、c = 13.470(10) Å、α = 90.000、β = 117.58(5)、γ = 90.000°、V = 5243 Å3、Z = 4、R1 = 0.0591 (I > 2σ(I))、wR2 = 0.1834 (all data)。
FT-IR(KBr disk): 3144 (w)、3109 (w)、3010 (w)、2979(w)、2927(w)、2883(w)、1734(m)、1718(m)、1635(m)、1577(w)、1543(w)、1456(w)、1401(w)、1362(w)、1317(w)、1301(m)、1170(m)、1086(w)、1041(w)、942(s)、916(s)、846(m)、817(w)、724(s)、666(m)、626(w)、556(w)、523(w)。
元素分析:Calcd(C27H39N6NaMo8O32): C: 18.53, H: 2.25, N: 4.80%. Found: C: 18.97, H: 2.30, N: 4.98%。
[工程4]複合体モノマーの重合
[4−1]<参考例1>MA-ImC1-SiW12を用いた単独重合
10mLナスフラスコに工程[3−2]で合成したMA-ImC1-SiW12(452 mg)を入れ、N,N'-ジメチルスルホキシド(DMSO, 1.68 mL)を加えて溶解させた。次に、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN, 10.1 mg)を加えて、三方コックで密栓した後真空ポンプに接続し、液体窒素中で凍結脱気を3回繰り返し系内を溶媒の蒸気で満たした。この容器をオイルバスに浸し、80℃にて20時間撹拌しながら反応させた。その後、反応溶液を酢酸エチル(100 mL)に注ぎ白色粉末が生成したので、ろ過後乾燥させたところ重合体(PSiW12-1)409 mgを得た。(収率:90.5%)
また、上記の反応において、DMSOの代わりにN,N'-ジメチルホルムアミド(DMF)を溶媒として用い、それ以外は同様にして重合および再沈殿を行ったところ、白色の重合体(PSiW12-2)が得られた。
[4−2]<実施例10>MA-ImC1-SiW12を用いた共重合
工程[4−1]の反応において、モノマーMA-ImC1-SiW12にメタクリル酸ブチル(BMA)を加え、DMFおよびAIBNを用いて、それぞれの仕込量を変えて同様な重合反応を行ったところ、MA-ImC1-SiW12とメタクリル酸ブチルの共重合体CP-SiW12/BMA-1およびCP-SiW12/BMA-2をそれぞれ得た。これらの重合反応で用いたモノマー量、溶媒量、開始剤の量およびポリマーの収量、収率はそれぞれ表2に示す通りである。
得られたMA-ImC1-SiW12の単独重合体PSiW12-1およびPSiW12-2はいずれも溶媒に不溶であったが、共重合体CP-SiW12/BMA-1はDMF、N-メチルピロリジノン(NMP)に可溶であり、共重合体CP-SiW12/BMA-2はクロロホルム、テトラヒドロフラン(THF)、DMF、NMPに可溶であった。そこで、共重合体についてはGPCにより分子量を測定した結果、数平均分子量よび重量平均分子量はそれぞれ表3に示す通りであった。また、共重合体の1H-NMRスペクトルから求めたSiW12/BMAの組成比(mol%)を表3に合わせて示す。
工程[3−2]で得られたMA-ImC1-SiW12と、工程[4−1]で得られた単独重合体PSiW12-1およびPSiW12-2の粉末XRDパターンを図6に示す。MA-ImC1-SiW12が結晶性化合物であることに由来するピークを示すのに対し、単独重合体PSiW12-1、PSiW12-2はいずれも結晶構造に由来するピークはみられなかった。
[4−3]<参考例2>MA-ImC1-PW12を用いた単独重合
10mLナスフラスコに工程[3−1]で合成したMA-ImC1-PW12(558 mg)を入れ、DMSO(2.08 mL)を加えて溶解させた。次に、AIBN(13.6 mg)を加えて、三方コックで密栓した後真空ポンプに接続し、液体窒素中で凍結脱気を3回繰り返し系内を溶媒の蒸気で満たした。この容器をオイルバスに浸し、80℃にて20時間撹拌しながら反応させた。その後、反応溶液をメタノール(100 mL)に注ぎ白色粉末が生成したので、ろ過後乾燥させたところ重合体(PPW12-1)345 mgを得た。(収率:61.8%)
また、上記の反応において、DMSOの代わりにDMFを溶媒として用い、仕込量を変えた以外は同様にして重合および再沈殿を行ったところ、白色の重合体(PPW12-2)が得られた。
[4−4]<実施例11>MA-ImC1-SiW12を用いた共重合
工程[4−3]の反応において、モノマーMA-ImC1-PW12にメタクリル酸ブチル(BMA)を加え、DMFおよびAIBNを用いて仕込量を変えた以外は同様な重合反応を行ったところ、MA-ImC1-PW12とメタクリル酸ブチルの共重合体CP-PW12/BMA-1およびCP-PW12/BMA-2をそれぞれ得た。これらの重合反応で用いたモノマー量、溶媒量、開始剤の量およびポリマーの収量、収率はそれぞれ表4に示す通りである。
得られたMA-ImC1-PW12の単独重合体PPW12-1はDMF、DMSO、NMPに可溶であり、PPW12-2はDMSOに可溶であった。一方、共重合体CP-PW12/BMA-1はDMF、NMPに可溶であり、共重合体CP-PW12/BMA-2はクロロホルム、THF、DMF、NMPに可溶であった。そこで、単独重合体PPW12-1および二種の共重合体についてはGPCにより分子量を測定した結果、数平均分子量よび重量平均分子量はそれぞれ表5に示す通りであった。また、共重合体の1H-NMRスペクトルから求めたPW12/BMAの組成比(mol%)を表5に合わせて示す。
工程[3−1]で得られたMA-ImC1-PW12と、工程[4−3]でDMSOを用いて合成した単独重合体PPW12-1およびDMFを用いて合成したPPW12-2の粉末XRDパターンを図7に示す。MA-ImC1-PW12および単独重合体PPW12-1が結晶性化合物であることに由来するピークを示すのに対し、PPW12-2は結晶構造に由来するピークはみられなかった。
工程[3−1]で得られたMA-ImC1-PW12(図7と同一のものを再掲)と、工程[4−4]で得られた共重合体CP-PW12/BMA-1およびCP-PW12/BMA-2の粉末XRDパターンを図8に示す。いずれの共重合体についても、結晶構造に由来するピークはみられなかった。
[4−5]<参考例3>MA-Im-SiW12を用いた単独重合
10mLナスフラスコに工程[3−8]で合成したMA-Im-SiW12(427 mg)を入れ、DMF(1.84 mL)を加えて溶解させた。次に、AIBN(10.1 mg)を加えて、三方コックで密栓した後真空ポンプに接続し、液体窒素中で凍結脱気を3回繰り返し系内を溶媒の蒸気で満たした。この容器をオイルバスに浸し、80℃にて20時間撹拌しながら反応させた。その後、反応溶液を酢酸エチル(100 mL)に注ぎ白色粉末が生成したので、ろ過後乾燥させたところ重合体(PSiW12-3)394 mgを得た。(収率:92.5%)
工程[3−8]で得られたMA-Im-SiW12の単独重合体PSiW12-3は溶媒に不溶であったため、分子量測定は行っていない。
工程[3−8]で得られたMA-Im-SiW12と、工程[4−5]で得られた単独重合体PSiW12-3の粉末XRDパターンを図9に示す。MA-Im-SiW12が結晶性化合物であることに由来するピークを示すのに対し、単独重合体PSiW12-3は結晶構造に由来するピークはみられなかった。
[4−6]<実施例12>MA-ImC1-SiW12を用いた共重合
10mLナスフラスコに、工程[3−2]で合成したMA-ImC1-SiW12(842 mg)および工程[2−4]で合成した1-(2-メタクリロイルオキシエチル)-3-オクチルイミダゾリウムブロミド(MA-ImC8Br, 842 mg)を入れ、DMF(7.13 mL)を加えて溶解させた。次に、AIBN(8.0 mg)を加えて、三方コックで密栓した後真空ポンプに接続し、液体窒素中で凍結脱気を3回繰り返し系内を溶媒の蒸気で満たした。この容器をオイルバスに浸し、80℃にて20時間撹拌しながら反応させた。その後、反応溶液を酢酸エチル(200 mL)に注ぎ白色粉末が生成したので、ろ過後乾燥させたところ共重合体(CP-SiW12/ ImC8Br)1.163 gを得た。(収率:72.7%)
工程[4−6]で得られた共重合体CP-SiW12/ ImC8Brは溶媒に不溶であったため、分子量測定は行っていない。
工程[4−6]で得られた共重合体CP-SiW12/ImC8Brの粉末XRDパターンを図10に示す。結晶構造に由来するピークはみられなかった。
工程[4−6]で得られた共重合体CP-SiW12/ImC8Brの伝導率の測定結果を表6に示す。サンプル内のバルク体は40℃という室温に近い測定温度下で、加湿により2.7×10-3 S cm-1という良好な電気伝導性を示した。加湿雰囲気制御には小型環境試験器「SH-641」(エスペック株式会社製)を用い、伝導率の測定には「4284A LCRメーター」(株式会社Agilent Technologies株式会社社製)を用いた。
[4−7]<実施例13>MA-ImC1-PW12を用いた共重合
10mLナスフラスコに、工程[3−2]で合成したMA-ImC1-PW12(805 mg)および工程[2−4]で合成した1-(2-メタクリロイルオキシエチル)-3-オクチルイミダゾリウムブロミド(MA-ImC8Br, 805 mg)を入れ、DMF(6.81 mL)を加えて溶解させた。次に、AIBN(8.0 mg)を加えて、三方コックで密栓した後真空ポンプに接続し、液体窒素中で凍結脱気を3回繰り返し系内を溶媒の蒸気で満たした。この容器をオイルバスに浸し、80℃にて20時間撹拌しながら反応させた。その後、反応溶液を酢酸エチル(200 mL)に注ぎ白色粉末が生成したので、ろ過後乾燥させたところ共重合体(CP-PW12/ ImC8Br)1.058 gを得た。(収率:66.1%)
工程[4−7]で得られた共重合体CP-PW12/ ImC8BrはNMPに可溶であったが、DMFには不溶であったため、分子量測定は行っていない。
工程[4−7]で得られた共重合体CP-PW12/ImC8Brの粉末XRDパターンを図11に示す。結晶構造に由来するピークはみられなかった。
前記と同様にして伝導率を測定した結果、サンプル内のバルク体は40℃という室温に近い測定温度下で、加湿により5.7×10-4 S cm-1という比較的良好な電気伝導性を示した。

Claims (4)

  1. 下記一般式(I)で表される、重合性イミダゾリウム塩化合物。
    pqX (I)
    式(I)中、
    Zは下記一般式(II)で表される重合性イミダゾリウムを表し、
    式(II)中、
    1は重合性置換基を表し、
    2はHまたは炭素数1〜12のアルキル基またはオキシアルキレン基を表し、
    mは1〜6の整数を表し、
    Lは、T n+ (TはLi、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Agのいずれかの元素あるいは希土類元素であり、nは上記元素に応じた1〜3の整数である)を表し、
    Xは、[MQ1240]n-(Mは、P、Si、Ge、Co、As、Fe、Al、ZnまたはBのいずれかの元素あるいはH2であり、QはWまたはMoのいずれかの元素であり、nは上記元素に応じた1〜6の整数である)、[M'2Q'1862]6-(M'はPまたはAsのいずれかの元素であり、Q'はWまたはMoのいずれかの元素である)、[Mo6192-、[Mo8264-、[V10286-、または[W10324-で表されるポリ酸を表し、
    pは1〜6の整数を表し、
    qは0〜5の整数を表し、
    p+(Lの価数×q)の値はXの価数の絶対値に等しい。
  2. 前記R1が、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基およびビニル基からなる群より選ばれる重合性置換基である、請求項1に記載の重合性イミダゾリウム塩化合物。
  3. 請求項1または2に記載の重合性イミダゾリウム塩化合物に由来する構成単位と、その重合性イミダゾリウム塩化合物が有する重合性置換基と反応する重合性置換基を有する他の重合性化合物に由来する構成単位とを含む共重合体。
  4. 前記他の重合性化合物が有する重合性置換基が、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基およびビニル基からなる群より選ばれる重合性置換基である、請求項3に記載の共重合体。
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