JP2015172128A - 感温性ポリマー及びその製造方法 - Google Patents

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守 石切山
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紀佳 松見
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ラーマン ヴェーダラージャン
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ジャイン カミヤ
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Abstract

【課題】アクリルアミドコモノマーを単独重合させたポリマーの下限臨界溶液温度(LCST)値とは異なるLCST値を有する新規な感温性ポリマー及びその製造方法の提供。
【解決手段】一般式Iで示される単位Aと、イミダゾリウムイオン等のカチオンを対イオンにもつ、カルボキシレート等のアニオン基を有する単位(B)を含む、感温性ポリマーであって、水と混合した場合に単位Aの単独重合体の下限臨界溶液温度とは異なる下限臨界溶液温度を有する、感温性ポリマー。
Figure 2015172128

(R及びRは各々独立にH、C1〜10のアルキル基等から選択、RはH又はメチル基)
【選択図】図3

Description

本発明は、感温性ポリマー及びその製造方法に関する。
アクリルアミドを構成モノマーの一つとして有するポリアクリルアミドは、例えば、電池用バインダー、電解質材料、塗料、吸水剤、原油の三次回収助剤、廃水処理用の凝集剤、濾水剤、繊維助剤、電気泳動ゲル、化粧品、食品添加剤などの広い分野に用いられている。
特定の分子構造を持つポリアクリルアミドは、水と混合すると下限臨界溶液温度、すなわちLCST(Lower Critical Solution Temperature)を有することがある。LCSTを有するポリマーは、一般に感温性ポリマーと呼ばれている。
感温性ポリマーは、水と混合すると、LCST値より高い温度では分子内又は分子間の疎水性相互作用によってポリマー鎖が凝集して白濁し、LCST値より低い温度ではポリマー鎖が水分子と水和して溶解する。このような相転移は可逆的であり、温度変化によって材料特性を容易に変化させることができるため、感温性ポリマーは多くの分野で注目を浴びている。
感温性ポリマーの一つとして、N−イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)を単独重合させたポリN−イソプロピルアクリルアミド(PNIPAM)が挙げられる。PNIPAMはLCST値が約32℃であり、例えば、温度センサー、遮光材料、ドラッグデリバリー材料等の分野で使用されている。
例えば、特許文献1は、ジアセトンアクリルアミド、又はN−イソプロピルアクリルアミド等を構成モノマーとした感温性ポリマーを含む銀塩光熱写真ドライイメージング材料を開示している。
特開2007−140141号公報
本発明は、アクリルアミドコモノマーを単独重合させたポリマーのLCST値とは異なるLCST値を有する新規な感温性ポリマー及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は例えば下記に列記する実施形態によって上記課題を解決する。
〈1〉下記の一般式Iで示される構造単位A:
Figure 2015172128
(式中、R及びRはそれぞれ独立に、水素、又は炭素数1〜10のアルキル基若しくはハロゲン化アルキル基から選択され、あるいはR及びRは炭素数2〜10の環を形成しており、Rは水素又はメチル基である)と、
下記の一般式IIで示される構造単位B:
Figure 2015172128
(式中、Xは、イミダゾリウムイオン、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオン、ピリジウムイオン、ピロリジウムイオン、又はピペリジウムイオンから選択されるカチオンを有するカチオン種であり、Yは、カルボキシレート、ホスホネート、ボレート、又はサルフェートから選択されるアニオンを有する基である)と
を主たる繰り返し単位として有する感温性ポリマーであって、
水と混合した場合に上記構造単位Aの単独重合体の下限臨界溶液温度とは異なる下限臨界溶液温度を有する、感温性ポリマー。
〈2〉項目1に記載の感温性ポリマー及び水を含む感温性材料。
〈3〉項目2に記載の感温性材料を含む感温性製品。
〈4〉N−アルキルアクリルアミド、N−アルキルメタアクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタアクリルアミド、又はこれらの組合せから選択されるアクリルアミドモノマーと、ビニル基を有するアニオンを含むイオン液体とを重合させることを含む感温性ポリマーの製造方法。
〈5〉上記アクリルアミドモノマーが、下記の一般式IIIで示されるアクリルアミドモノマーである、項目4に記載の感温性ポリマーの製造方法:
Figure 2015172128
(式中、R及びRはそれぞれ独立に、水素、又は炭素数1〜10のアルキル基若しくはハロゲン化アルキル基から選択され、あるいはR及びRは炭素数2〜10の環を形成しており、Rは水素又はメチル基である)。
〈6〉上記アクリルアミドモノマーが、単独重合させたときに感温性ポリマーを生成するアクリルアミドモノマーである、項目4又は5に記載の感温性ポリマーの製造方法。
〈7〉上記イオン液体が下記の一般式IVで示されるイオン液体である、項目4〜6のいずれか一項に記載の感温性ポリマーの製造方法:
Figure 2015172128
(式中、Xは、イミダゾリウムイオン、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオン、ピリジウムイオン、ピロリジウムイオン、又はピペリジウムイオンから選択されるカチオンを有するカチオン種であり、Yは、カルボキシレート、ホスホネート、ボレート、又はサルフェートから選択されるアニオンを有する基である)。
本発明によれば、アクリルアミドコモノマーを単独重合させたポリマーのLCST値とは異なるLCST値を有する新規な感温性ポリマー、及びその製造方法が提供される。
本発明の感温性ポリマーは、上記構造単位Aと上記構造単位Bとの組合せを任意に変更することにより、LCSTをさまざまに設計することができ、多くの分野に使用することができる。
図1は、実施例1のポリマーのH NMRチャートである。 図2は、実施例13のポリマーのH NMRチャートである。 図3は、実施例1のポリマー及び比較例のLCST特性を示すグラフである。 図4は、実施例13のポリマー及び比較例のLCST特性を示すグラフである。
《感温性ポリマー》
本発明の感温性ポリマーは、下記の一般式Iで示される構造単位A:
Figure 2015172128
(式中、R及びRはそれぞれ独立に、水素、又は炭素数1〜10のアルキル基若しくはハロゲン化アルキル基から選択され、あるいはR及びRは炭素数2〜10の環を形成しており、Rは水素又はメチル基である)と、
下記の一般式IIで示される構造単位B:
Figure 2015172128
(式中、Xは、イミダゾリウムイオン、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオン、ピリジウムイオン、ピロリジウムイオン、又はピペリジウムイオンから選択されるカチオンを有するカチオン種であり、Yは、カルボキシレート、ホスホネート、ボレート、又はサルフェートから選択されるアニオンを有する基である)と
を主たる繰り返し単位として有する感温性ポリマーであって、
水と混合した場合に前記構造単位Aの単独重合体の下限臨界溶液温度とは異なる下限臨界溶液温度を有する、感温性ポリマーである。
この本発明のポリマーは、水と混合したときにLCSTを有する感温性ポリマーである。
本発明のポリマーは、水と混合した場合に上記構造単位Aの単独重合体のLCST値とは異なる、例えばより低い、又はより高いLCST値を有する。このときのLCST値の差は、例えば、1℃以上、2℃以上、5℃以上、又は7℃以上とすることができる。
本発明において、「構造単位Aの単独重合体のLCST値とは異なる」とは、構造単位Aの単独重合体がLCST値を有しない場合であって、本発明のポリマーがLCST値を有する場合も含む。
LCST値の上限としては100℃以下、例えば80℃以下、40℃以下、又は32℃以下とすることができ、下限としては0℃以上、例えば10℃以上、20℃以上、又は32℃以上とすることができる。
LCST値の決定は、以下のようにして行うことができる。すなわち、ポリマーと水とを混合して温度を上昇させ、温度変化に伴う光透過率(%)を測定する。このとき、光透過率が急激に減少する温度、すなわち光透過曲線の微分曲線のピーク温度をLCST値とすることができる。
〈感温性材料〉
本発明の感温性材料は本発明の感温性ポリマー及び水を含む。本発明の感温性材料は、任意の温度を境に材料特性、例えば溶解性、光透過性、吸水性、伝導性、寸法、粘度、弾性率等を可逆的に変化させることができる。
〈感温性製品〉
本発明の感温性製品は本発明の感温性材料を含む。本発明の感温性製品は、例えば、上記に記載した感温性材料の材料特性の変化によって、感温性製品の任意の目的を達成し又は機能を発揮することができる。
このような感温性製品としては、例えば、生体内において任意の温度で薬剤放出を制御することができるドラッグキャリヤ;任意の温度で白濁して遮光することができる遮光フィルム;及び任意の温度で水の吸収及び放出を制御することができる吸水剤等が挙げられる。
〈構造単位A〉
式I中、R及びRはそれぞれ独立に、水素、又は炭素数1〜10、例えば1〜5のアルキル基若しくはハロゲン化アルキル基から選択された基であってよい。R及びRの両方が水素である場合を除いてもよい。
アルキル基としては、環状、直鎖状、又は分岐鎖状のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、及びシクロヘキシル基等が挙げられる。
ハロゲン化アルキル基は、アルキル基の水素原子のうち少なくとも一つがハロゲン、例えばフッ素、塩素、臭素、又はヨウ素で置換されたアルキル基を意味する。
及びRは、窒素原子とともに炭素数2〜10の環、例えば、炭素数4又は5の環を形成していてもよい。
は水素又はメチル基である。
、R、及びRの組みあわせは上記に挙げたものの任意の組みあわせであってよい。例えば、R又はRのいずれか一方が水素であり、他方が炭素数1〜5のアルキル基、例えばイソプロピル基であり、かつRが水素であることができる。
〈構造単位B〉
式II中、Xはその構造の一部にカチオン、例えば、イミダゾリウムイオン、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオン、ピリジウムイオン、ピロリジウムイオン、又はピペリジウムイオンを有するカチオン種である。
構造の一部にイミダゾリウムイオンを有するカチオン種としては、例えば、1,3−ジアルキルイミダゾリウム、1,2,3−トリアルキルイミダゾリウム、1−アリル−3−アルキルイミダゾリウム、及び1,3−ジアリルイミダゾリウム等が挙げられる。
1,3−ジアルキルイミダゾリウムとしては、1−メチル−3−アルキルイミダゾリウム、例えば、1−メチル−3−ヘキシルイミダゾリウム、及び1−メチル−3−ドデシルイミダゾリウム等を挙げることができる。
式II中、Yはその構造の一部にアニオン、例えば、カルボキシレート、ホスホネート、ボレート、又はサルフェートを有する基である。
は任意にアニオンに加えて、他の構造、例えば環状、直鎖状、若しくは分岐鎖状のアルキル部分、芳香族部分、エーテル部分、エステル部分、カルボニル部分、及びハロゲン等を更に有していてもよい。
は例えば、カルボキシレート基(COO)又はホスホネート基(PO )とすることができる。
及びYの組み合わせは上記に挙げたものの任意の組みあわせであってよい。例えば、Xが1−メチル−3−アルキルイミダゾリウム、例えば1−メチル−3−ヘキシルイミダゾリウム又は1−メチル−3−ドデシルイミダゾリウムであり、かつYがカルボキシレート又はホスホネートを有する基、例えばカルボキシレート基(COO)又はホスホネート基(PO )であることができる。
〈他の構成〉
本発明において、構造単位Aと構造単位Bとを「主たる繰り返し単位として有する」とは、構造単位Aと構造単位Bとの合計モル数が、ポリマー分子鎖中に含まれる繰り返し単位のモル数を基準として50mol%以上、80mol%以上、好ましくは90mol%以上、更に好ましくは95mol%以上を構成していることを意味する。
1モルの構造単位Bに対する構造単位Aのモル数の上限は、20mol以下、例えば15mol以下、12mol以下、又は10mol以下とすることができ、下限は、1/5mol以上、例えば1/2mol以上、1mol以上、2mol以上、又は5mol以上とすることができる。
構造単位Aと構造単位Bとは、本発明のポリマー鎖中に任意の配列で、例えばランダム、ブロック、交互、又はこれらの組み合わせで含まれていてもよい。
本発明のポリマーは、構造単位A及び構造単位Bに加えて、任意に他の構造、例えば更なる他の構造単位、分岐部分、架橋部分、及び末端修飾基等を有していてもよい。
《製造方法》
本発明のポリマーは、アクリルアミドモノマー、例えばN−アルキルアクリルアミド、N−アルキルメタアクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタアクリルアミドと、ビニル基を有するアニオンを含むイオン液体とを重合させることによって製造することができる。
アクリルアミドモノマーとビニル基を有するアニオンを含むイオン液体とは、得られる本発明のポリマーの単位構造Aと構造単位Bとにそれぞれ対応する。
〈アクリルアミドモノマー〉
アクリルアミドモノマーとしては、例えば、以下の一般式IIIで示されるアクリルアミドモノマーが挙げられる:
Figure 2015172128
(式中、R及びRはそれぞれ独立に、水素、又は炭素数1〜10のアルキル基若しくはハロゲン化アルキル基から選択され、あるいはR及びRは炭素数2〜10の環を形成しており、Rは水素又はメチル基である)。
式III中、R、R、及びR、並びにこれらの組みあわせについては、本発明のポリマーにおける説明を参照されたい。
アクリルアミドモノマーは、例えば、単独重合させたときに感温性ポリマーを生成するアクリルアミドモノマーとすることができる。このようなモノマーを用いることにより、LCST値の設計がより容易となることがある。
単独重合させたときに感温性ポリマーを生成するアクリルアミドモノマーとしては、限定されないが、例えば、式IIIで示されるアクリルアミドモノマー、特に(1)R又はRのいずれか一方が水素であり他方が炭素数1〜5のアルキル基であるもの、及び(2)R及びRが炭素数4又は5の環を形成しているものが挙げられる。
上記(1)のアクリルアミドモノマーとしては、例えば、N−n−プロピルアクリルアミド(単独重合させたポリマーのLCST値:約22℃、以下同様に括弧で示す)、N−イソプロピルアクリルアミド(約32℃)、N−シクロプロピルアクリルアミド(約46℃)、N−エチルアクリルアミド(約73℃)、N−n−プロピルメタアクリルアミド(約27℃)、N−イソプロピルメタアクリルアミド(約44℃)、N−シクロプロピルメタアクリルアミド(約58℃)、N,N−メチルn−プロピルアクリルアミド(約19℃)、N,N−メチルイソプロピルアクリルアミド(約23℃)、N,N−ジエチルアクリルアミド(約33℃)等が挙げられる。
上記(2)のアクリルアミドモノマーとしては、例えば、下記に示すものが挙げられる:
Figure 2015172128
〈イオン液体〉
ビニル基を有するアニオンを含むイオン液体としては、下記の一般式IVで示されるものが挙げられる:
Figure 2015172128
(式中、Xは、イミダゾリウムイオン、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオン、ピリジウムイオン、ピロリジウムイオン、又はピペリジウムイオンから選択されるカチオンを有するカチオン種であり、Yは、カルボキシレート、ホスホネート、ボレート、又はサルフェートから選択されるアニオンを有する基である)。
式IV中、X及びY、並びにこれらの組みあわせについては、本発明のポリマーにおける説明を参照されたい。
〈重合〉
重合に用いるアクリルアミドモノマーと、ビニル基を有するアニオンを含むイオン液体とのモル比は、前述の構造単位Aと構造単位Bとのモル比を参照されたい。
重合は、原料及び所望のポリマーの構造等に応じて任意の方法で、例えば溶液重合、塊状重合、乳化重合、又は懸濁重合等で行うことができる。
例えば溶液重合の場合、用いる溶媒としては、水、及び任意の有機溶媒、例えば構造の観点から、脂肪族炭化水素溶媒、芳香族炭化水素溶媒、エーテル溶媒、エステル溶媒、アルコール溶媒、アミン溶媒、アミド溶媒、及びハロゲン溶媒等、並びに性質の観点から、無極性溶媒、極性プロトン性溶媒、及び極性非プロトン性溶媒等が挙げられる。
エーテル溶媒としては、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、又はテトラヒドロピラン(THP)等が挙げられる。
極性非プロトン性溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、及びジメチルスルホキシド(DMSO)等が挙げられる。
重合において、任意に添加剤、例えば重合開始剤、分岐剤、架橋剤、及び末端修飾剤等を用いてもよい。
重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤、例えばジハロゲン、アゾ化合物、ペルオキシド、及びアルキルボラン等が挙げられる。アゾ化合物としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、及び1,1’−アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル(ABCN)等が挙げられる。
重合開始剤の量の上限は、アクリルアミドモノマーとビニル基を有するアニオンを含むイオン液体との合計モル数を基準として、10mol%以下、例えば5mol%以下、下限は0.1mol%以上、例えば1mol%以上とすることができる。
その他の重合の条件、例えば、温度、反応時間等は、用いる原料及び得られるポリマーの所望の分子量等に基づいて任意に設定することができる。
《実施例1〜8》
実施例1〜8では、n−イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)とイオン液体である1−メチル−3−ドデシルイミダゾリウムアクリレート(ILアクリレート)とのコポリマーを作製した。
窒素ガスで置換した三口フラスコ内に、テトラヒドロフラン溶媒と、NIPAM13.5mmol/Lと、ILアクリレート1.55mmol/Lと、NIPAM及びILアクリレートの合計モル数を基準に1mol%のアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)重合開始剤とを入れ、均一に撹拌して混合物を作製した。
得られた混合物をオイルバスで65℃に加熱し、撹拌しながら12時間反応させた。反応後、三口フラスコを液体窒素に曝して内容物を急冷した。急冷した内容物を大気に解放し、ジエチルエーテルで洗浄して未反応のモノマーを除去し、実施例1のポリマーを得た。
NIPAM、ILアクリレート、及びAIBNの量を下表1のように変更し、実施例1と同様にして実施例2〜8のポリマーを得た。
《実施例9〜16》
実施例9〜16では、n−イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)とイオン液体である1−メチル−3−ドデシルイミダゾリウムホスホネート(ILホスホネート)とのコポリマーを作製した。
ILアクリレートの代わりにILホスホネートを使用し、NIPAM、ILホスホネート、及びAIBNの量を下表1のように変更して、実施例1と同様の手順で実施例9〜16のポリマーを得た。
《比較例》
イオン液体を使用することなく、n−イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)と、NIPAMのモル数を基準に1mol%のAIBNとを使用して、実施例1と同様の手順で、NIPAMの単独重合体であるPNIPAMを作製し、比較例とした。
Figure 2015172128
実施例1及び13のポリマーのH NMR(400MHz、CDCl)の測定結果をそれぞれ図1及び図2に示す。
図1は、実施例1のポリマーが下記の構造を主たる繰り返し単位として有することを示す。添字1〜3及びa〜fは図1中に示した記号にそれぞれ対応している。
Figure 2015172128
図2は、実施例13のポリマーが下式の構造を主たる繰り返し単位として有することを示す。添字1〜3及びa〜fは図2中に示した記号にそれぞれ対応している。
Figure 2015172128
《LCST特性》
実施例1及び13のポリマーをそれぞれ水と混合し、温度を上昇及び/又は下降させたときの波長563nmの可視光透過率(%)をFT−IR装置を用いて測定し、LCST特性を評価した。結果を、比較例のLCST特性とともに、それぞれ図3及び図4に示す。
図3は、実施例1のポリマーが比較例のLCST値(約32℃)より5℃〜7℃低いLCST値を有することを示している。
図4は、実施例13のポリマーが比較例のLCST値(約32℃)より1℃〜2℃高いLCST値を有することを示している。

Claims (7)

  1. 下記の一般式Iで示される構造単位A:
    Figure 2015172128
    (式中、R及びRはそれぞれ独立に、水素、又は炭素数1〜10のアルキル基若しくはハロゲン化アルキル基から選択され、あるいはR及びRは炭素数2〜10の環を形成しており、Rは水素又はメチル基である)と、
    下記の一般式IIで示される構造単位B:
    Figure 2015172128
    (式中、Xは、イミダゾリウムイオン、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオン、ピリジウムイオン、ピロリジウムイオン、又はピペリジウムイオンから選択されるカチオンを有するカチオン種であり、Yは、カルボキシレート、ホスホネート、ボレート、又はサルフェートから選択されるアニオンを有する基である)と
    を主たる繰り返し単位として有する感温性ポリマーであって、
    水と混合した場合に前記構造単位Aの単独重合体の下限臨界溶液温度とは異なる下限臨界溶液温度を有する、感温性ポリマー。
  2. 請求項1に記載の感温性ポリマー及び水を含む感温性材料。
  3. 請求項2に記載の感温性材料を含む感温性製品。
  4. N−アルキルアクリルアミド、N−アルキルメタアクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタアクリルアミド、又はこれらの組合せから選択されるアクリルアミドモノマーと、
    ビニル基を有するアニオンを含むイオン液体と
    を重合させることを含む感温性ポリマーの製造方法。
  5. 前記アクリルアミドモノマーが、下記の一般式IIIで示されるアクリルアミドモノマーである、請求項4に記載の感温性ポリマーの製造方法:
    Figure 2015172128
    (式中、R及びRはそれぞれ独立に、水素、又は炭素数1〜10のアルキル基若しくはハロゲン化アルキル基から選択され、あるいはR及びRは炭素数2〜10の環を形成しており、Rは水素又はメチル基である)。
  6. 前記アクリルアミドモノマーが、単独重合させたときに感温性ポリマーを生成するアクリルアミドモノマーである、請求項4又は5に記載の感温性ポリマーの製造方法。
  7. 前記イオン液体が下記の一般式IVで示されるイオン液体である、請求項4〜6のいずれか一項に記載の感温性ポリマーの製造方法:
    Figure 2015172128
    (式中、Xは、イミダゾリウムイオン、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオン、ピリジウムイオン、ピロリジウムイオン、又はピペリジウムイオンから選択されるカチオンを有するカチオン種であり、Yは、カルボキシレート、ホスホネート、ボレート、又はサルフェートから選択されるアニオンを有する基である)。
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