JPH08121244A - 4サイクルエンジンのピストン頂部構造 - Google Patents

4サイクルエンジンのピストン頂部構造

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JPH08121244A
JPH08121244A JP6284167A JP28416794A JPH08121244A JP H08121244 A JPH08121244 A JP H08121244A JP 6284167 A JP6284167 A JP 6284167A JP 28416794 A JP28416794 A JP 28416794A JP H08121244 A JPH08121244 A JP H08121244A
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JP
Japan
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combustion chamber
intake
exhaust
opening
air
Prior art date
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Application number
JP6284167A
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English (en)
Inventor
Yoshiharu Isaka
義治 井坂
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/02Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke
    • F02B2075/022Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle
    • F02B2075/027Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle four
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B2275/00Other engines, components or details, not provided for in other groups of this subclass
    • F02B2275/48Tumble motion in gas movement in cylinder
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃焼室における混合気の燃焼速度を適正にし
て、この燃焼室における燃焼温度が過度に急上昇しない
ようにし、もって、冷却損失の増大を抑制して燃費を改
善する。 【構成】 燃焼室56に対する吸気通路58の開口部を
吸気開口部60とし、同上燃焼室56に対する排気通路
71の開口部を排気開口部72とする。上記吸気通路5
8を通って燃焼室56に流入する混合気99が上記燃焼
室56内でタンブル流となるようにする。上記シリンダ
25の軸心47を縦向きとして平面視したとき、上記吸
気開口部60と排気開口部72の間を横切るようにピス
トン54の頂面54aに突条体101を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、4サイクルエンジン
のピストン頂部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】4サイクルエンジンには、従来、次のよ
うに構成されたものがある。
【0003】即ち、燃焼室に対する吸気通路の開口部が
吸気開口部とされ、同上燃焼室に対する排気通路の開口
部が排気開口部とされ、上記吸気通路を通って燃焼室に
流入する混合気が上記燃焼室内でタンブル流となるよう
に構成されている。また、上記燃焼室の天井面に点火プ
ラグの放電部が臨んでいる。
【0004】上記エンジンの運転時には、吸入行程で、
吸気通路から吸気開口部を通して燃焼室内に混合気が吸
入される。この混合気は、燃焼室において上記吸入行程
とこれに続く圧縮行程とで、タンブル流とされ、このタ
ンブル流の主流部である流速の速い混合気層が上記放電
部に向わされるようになっている。そして、爆発行程で
この放電部の放電により上記混合気が着火、燃焼させら
れて動力に変換され、この燃焼で生じたガスは排気行程
で、上記排気開口部から排気通路を通し、シリンダの外
部に排出させられる。
【0005】そして、上記したように、混合気がタンブ
ル流とされることによって、この混合気の燃焼速度が速
められ、これにより、低負荷時の燃費改善が図られてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来構
成では、流速の速い混合気層を有するタンブル流が明確
に生じさせられるようになっていて、これが燃焼させら
れるため、燃焼速度は速くなるが、その反面、この速度
が速くなり過ぎることがあり、この場合には、燃焼室に
おける燃焼温度が過度に急上昇し、よって、シリンダに
おける冷却損失が増大して、前記した燃費改善の効果が
阻害されるおそれがある。
【0007】
【発明の目的】この発明は、上記のような事情に注目し
てなされたもので、燃焼室における混合気の燃焼速度を
適正にして、この燃焼室における燃焼温度が過度に急上
昇しないようにし、もって、冷却損失の増大を抑制して
燃費を改善させることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
のこの発明の4サイクルエンジンのピストン頂部構造
は、燃焼室56に対する吸気通路58の開口部を吸気開
口部60とし、同上燃焼室56に対する排気通路71の
開口部を排気開口部72とし、上記吸気通路58を通っ
て燃焼室56に流入する混合気99が上記燃焼室56内
でタンブル流となるようにした4サイクルエンジンにお
いて、上記シリンダ25の軸心47を縦向きとして平面
視したとき、上記吸気開口部60と排気開口部72の間
を横切るようにピストン54の頂面54aに突条体10
1を形成したものである。
【0009】
【作 用】上記構成による作用は次の如くである。
【0010】図1において、エンジン23の運転時に
は、図中実線で示す吸入行程で、吸気通路58から吸気
開口部60を通して燃焼室56内に混合気99が吸入さ
れる。この混合気99は、上記吸入行程と、これに続く
図中二点鎖線で示す圧縮行程とで、上記燃焼室56内に
てタンブル流(左右に延びる軸心をほぼ中心とするよう
な旋回流)とされ、このタンブル流の主流部を構成する
流速の速い混合気層99aは点火プラグ92の放電部9
3に向わされようとする。
【0011】この場合、上記燃焼室56内に吸気開口部
60を通り流入して同上燃焼室56の上部側から下降し
てきた流速の速い混合気層99aが、ピストン54の頂
面54aに案内されながら上方に向って反転しようとす
るとき、この流速の速い混合気層99aは上記突条体1
01に衝突して、特に図5や図6で示すように、上記反
転しながら全体的に、より急角度で上方に向わされると
共に左右方向にも放射状に分散させられる。
【0012】このため、上記したように上方に向わされ
た流速の速い混合気層99aは燃焼室56の天井面に勢
いよく衝突しその速度が減衰させられて乱れが形成され
る。この際、上記したように上方に向う流速の速い混合
気層99aの左右方向の中央部の流れは勿論のこと、左
右に放射状に分散させられた流れによっても上記と同じ
く乱れが形成される。しかも、上記突条体101に衝突
した後の流れの周辺にも渦が形成される。このため、上
記突条体101への衝突後には、上記した乱れや渦によ
って、燃焼室56における混合気99の濃度がより均一
にされる。
【0013】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面により説明す
る。
【0014】(実施例1)
【0015】図1から図6は、実施例1を示している。
【0016】図2と図3において、図中符号1は、鞍乗
型車両たる自動二輪車であり、矢印Frはその進行方向
の前方を示している。また、下記する左右とは、上記前
方に向っての方向をいうものとする。また、2は上記自
動二輪車1が走行可能な路面である。
【0017】上記自動二輪車1の車体3は車体静止側で
ある車体フレーム4を有している。この車体フレーム4
は、その前端にヘッドパイプ5を有し、このヘッドパイ
プ5から後下方に向って左右一対の主フレーム6が延出
し、この主フレーム6の各延出端から更に後下方に向っ
てそれぞれシートピラーチューブ7が延出している。一
方、同上ヘッドパイプ5から後下方に向って左右一対の
ダウンチューブ8が延出し、これらダウンチューブ8の
延出端と上記シートピラーチューブ7の延出端とが互い
に結合している。
【0018】上記主フレーム6の後端から後上方に向っ
て左右一対のシートレール10が延出し、このシートレ
ール10は左右一対のバックステー11,11によって
上記シートピラーチューブ7に支持されている。この場
合、上記シートピラーチューブ7はリヤアームブラケッ
トを兼用している。
【0019】上記ヘッドパイプ5にはフロントフォーク
14が操向自在に支承されている。このフロントフォー
ク14の下端に前輪15が支承され、かつ、この前輪1
5を上方から覆うフロントフェンダ16が設けられ、こ
のフロントフェンダ16は同上フロントフォーク14の
上下方向の中途部に固着されている。一方、同上フロン
トフォーク14の上端にはハンドル17が取り付けられ
ている。
【0020】上記シートピラーチューブ7に枢支軸18
によりリヤアーム19が上下揺動自在に枢支されてい
る。このリヤアーム19の揺動端に後輪20が支承され
ている。上記車体フレーム4のシートピラーチューブ7
上端とリヤアーム19との間に緩衝器21が架設されて
いる。
【0021】上記主フレーム6、シートピラーチューブ
7、およびダウンチューブ8で囲まれた空間に、つま
り、車体フレーム4の枠内に内燃機関であるエンジン2
3が設けられている。このエンジン23は左右方向に4
つの気筒を備えた並列多気筒の4サイクルエンジンであ
って、クランクケース24と、このクランクケース24
から前上方に突出するシリンダ25を有し、上記車体フ
レーム4に締結具により着脱自在に支持されている。上
記クランクケース24の後面に動力伝達装置26が連設
され、この動力伝達装置26の出力側に、上記後輪20
がチェーン伝動機構22により連結されている。
【0022】上記各シリンダ25の後面には吸気管27
が連結され、これら各吸気管27にはそれぞれスロット
ルバルブ30と気化器31とが連設され、かつ、これら
気化器31の上流側には互いに共用されるエアクリーナ
32が連結されている。上記スロットルバルブ30はバ
タフライ形で手動のスロットル操作によって開閉され
る。また、上記気化器31は、エンジン23の吸気負圧
で自動的に開閉するピストンバルブ33を有する自動可
変ベンチュリ式とされている。
【0023】同上各シリンダ25の前面には排気管35
の一端が連結され、各排気管35の他端側は上記ダウン
チューブ8の下側近傍を通って後方に延び、その後端に
サイレンサ36が連結され、このサイレンサ36は上記
後輪20の側方近傍に位置している。
【0024】上記主フレーム6には燃料タンク38が支
持され、この燃料タンク38から上記気化器31に燃料
が供給される。上記燃料タンク38の後部両側には凹面
状のニーグリップ39が形成されている。一方、上記シ
ートレール10にはシート40が支持され、このシート
40の下方で、上記シートピラーチューブ7の下部側面
にフートレスト41が突設されている。そして、上記シ
ート40に着座したライダー42はその足を上記フート
レスト41に載せることができ、手は上記ハンドル17
を把持可能であり、更に、ひざは上記ニーグリップ39
を左右から挟み付け可能とされている。
【0025】上記車体3の前部と、ライダー42とをそ
の前方から覆うフロントカウリング43が設けられ、こ
のフロントカウリング43は上記ヘッドパイプ5に支持
されている。
【0026】上記エンジン23の駆動により、その動力
が動力伝達装置26とチェーン伝動機構22とを介し、
後輪20に伝達されれば、上記自動二輪車1が路面2上
を前方に向って走行可能とされる。
【0027】図1から図6において、上記各シリンダ2
5は、その縦向きの軸心47を有するシリンダ本体48
と、同上軸心47上で上記シリンダ本体48に形成され
るシリンダ孔49と、上記シリンダ本体48の上部の突
出端に取り付けられるシリンダヘッド50と、このシリ
ンダヘッド50の上面側を覆うシリンダヘッドカバー5
1とを備え、上記シリンダヘッド50はシリンダ本体4
8に対しボルト52により着脱自在に締結されている。
【0028】上記シリンダ孔49には、同上軸心47に
沿ってピストン54が上下方向に摺動自在に嵌入され、
上記ピストン54は前記クランクケース24に支承され
たクランク軸に連接棒55により連結されている。上記
シリンダ本体48、シリンダヘッド50、およびピスト
ン54で囲まれた空間のうちシリンダヘッド50側の部
分が燃焼室56となっている。
【0029】上記シリンダヘッド50の後部に、前後方
向に延びる一本の吸気通路58が形成されている。この
吸気通路58の上流端は、上記吸気管27内の吸気通路
59を通してスロットルバルブ30、気化器31、およ
びエアクリーナ32に順次連通している。また、上記吸
気通路58の下流端は、上記シリンダ25をその軸心4
7に沿った視線でみて(平面視して)、上記燃焼室56
の後部内に向って開口し、この開口部が吸気開口部60
とされ、この吸気開口部60は上記燃焼室56の左右方
向のほぼ中央に位置している。また、図1の側面視で、
上記吸気通路58の吸気開口部60近傍の部分は、吸気
通路58の上流側から上記燃焼室56に向って円弧状に
小さい半径で折れ曲がっている。
【0030】上記吸気開口部60を開閉する吸気弁62
が設けられている。この吸気弁62は上記シリンダヘッ
ド50に上下方向に摺動自在に支承される弁棒63と、
上記弁棒63の下端に一体成形される弁体64とを備え
ている。この弁体64が上記吸気開口部60を燃焼室5
6側から閉じるよう上記吸気弁62を付勢するばね65
が設けられている。
【0031】一方、上記シリンダヘッド50とシリンダ
ヘッドカバー51とで囲まれた空間に動弁機構67が設
けられている。この動弁機構67は前記クランク軸に連
動する吸気カム軸68を有し、この吸気カム軸68はそ
の軸心回りの回転で上記弁棒63の上端にリフター69
を介しカム係合し、このカム係合と、上記ばね65の付
勢力とにより、上記吸気弁62が上記吸気開口部60を
適宜開閉させる。
【0032】上記シリンダヘッド50の前部に、前後方
向に延びる一本の排気通路71が形成されている。この
排気通路71の上流端は、上記シリンダ25をその軸心
47に沿った視線でみて(平面視して)、上記燃焼室5
6の前部内に向って開口し、この開口部が排気開口部7
2とされ、この排気開口部72は上記燃焼室56の左右
方向のほぼ中央に位置している。また、上記排気通路7
1の下流端は、前記排気管35に連結されている。
【0033】上記排気開口部72を開閉する排気弁74
が設けられている。この排気弁74は上記シリンダヘッ
ド50に上下方向に摺動自在に支承される弁棒75と、
この弁棒75の下端に一体成形される弁体76とを備え
ている。この弁体76が上記排気開口部72を燃焼室5
6側から閉じるよう上記排気弁74を付勢するばね77
が設けられている。
【0034】上記動弁機構67は前記クランク軸に連動
する排気カム軸79を有し、この排気カム軸79はその
軸心回りの回転で上記弁棒75の上端にリフター80を
介しカム係合し、このカム係合と、上記ばね77の付勢
力とにより、上記排気弁74が上記排気開口部72を適
宜開閉させる。
【0035】上記ピストン54が上死点を含み、その付
近に位置しているとき、上記吸気弁62と排気弁74の
各弁体64,76が上記ピストン54の頂面54aと接
触しないよう上記ピストン54の頂面54aにはリセス
81が形成されている。
【0036】図1、図3、および図4において、上記吸
気開口部60近傍の吸気通路58の部分の下部を開閉す
る吸気制御弁82が設けられている。この吸気制御弁8
2は上記シリンダヘッド50に形成されて左右に延びる
断面円形の弁孔83を有している。この弁孔83の軸方
向の中途部の上部は、上記吸気通路58に開放され、同
上弁孔83の一端は上記シリンダヘッド50の外側面に
開口している。
【0037】また、上記吸気制御弁82は上記弁孔83
に嵌入される円柱状の弁体84を有し、この弁体84は
上記弁孔83内でその軸心回りに回動自在とされてい
る。上記弁体84の軸方向の中途部の外周面に切り欠き
85が形成されて、同上中途部が薄肉部とされ、これを
弁体本体86としている。
【0038】上記シリンダヘッド50の外側方に突出し
た上記弁体84の一端にプーリー88が取り付けられ、
このプーリー88に、ワイヤ89を介してサーボモータ
であるアクチュエータ90が連結されている。このアク
チュエータ90の駆動により、上記弁体84が回動させ
られ、これにより、上記弁体本体86が上記吸気通路5
8の下部を開閉させる。
【0039】上記燃焼室56の天井を形成するシリンダ
ヘッド50に点火プラグ92が取り付けられている。こ
の点火プラグ92の放電部93は、上記燃焼室56の天
井面に臨んでいる。
【0040】特に図4において、上記エンジン23を電
子的に制御するエンジン制御装置95が設けられてい
る。このエンジン制御装置95に上記アクチュエータ9
0と点火プラグ92とが電気的に接続されている。ま
た、上記エンジン23のクランク軸の回転数や、スロッ
トルバルブ30のスロットル開度を検出するセンサ装置
96が設けられており、このセンサ装置96も上記エン
ジン制御装置95に電気的に接続されている。
【0041】図1中実線で示すように、エンジン23の
運転時に、ピストン54が上死点から下死点に向って下
降するときが吸入行程であり、このとき、吸気弁62の
開弁動作によって吸気開口部60が開かれる。すると、
シリンダ孔49、および吸気通路58,59内の負圧に
より外気がエアクリーナ32を通して気化器31側に吸
入され、ここで、燃料が混合されて混合気99が生成さ
れる。この混合気99が上記吸気通路59,58を通
り、更に、上記吸気開口部60の内周面と、吸気弁62
の弁体64との間の隙間を通って、上記燃焼室56に吸
入される。
【0042】図1中二点鎖線で示すように、上記ピスト
ン54が下死点から上昇するときが圧縮行程であり、上
記ピストン54が上死点に近づいたとき、上記混合気9
9が燃焼室56にて十分に圧縮される。このとき、エン
ジン制御装置95の制御による放電部93の放電によ
り、上記混合気99が着火、燃焼させられ爆発行程とな
って、上記ピストン54が下降し、その燃焼熱が動力に
変換される。また、これに続く同上ピストン54の上昇
による排気行程で、上記燃焼で生じたガスが排気弁74
の開弁動作で開かれた排気開口部72、排気通路71、
排気管35、およびサイレンサ36を通り、排気100
としてシリンダ25の外部に排出させられる。
【0043】以下、上記各行程が繰り返されて、エンジ
ン23が動力を出力する。
【0044】上記の場合、吸入行程で燃焼室56に吸入
された混合気99は、この吸入行程と、これに続く圧縮
行程とで、上記燃焼室56内にてタンブル流とされる。
このタンブル流の主流部は流速の速い混合気層99aで
構成される。より詳しくは、吸入行程で、図1中実線で
示すような大きいタンブル流(A)とされ、圧縮行程で
は、上記した大きいタンブル流(A)が、図1中二点鎖
線で示すように圧縮されて小さいタンブル流(B)とな
り、更に、圧縮されると、図1中一点鎖線で示すよう
に、多数のより小さいタンブル流(C)となる。そし
て、この状態で、上記状態の混合気99が着火燃焼させ
られる。
【0045】上記センサ装置96の検出信号を入力した
エンジン制御装置95により、エンジン23の運転状態
が検出されるようになっている。この検出により、エン
ジン23が低中速、低負荷状態であると判断されれば、
吸気通路58を通る混合気99が少ないと判断されて、
図1と図3とで示すように、アクチュエータ90の作動
により吸気通路58の下部が閉じられ、上記流速の速い
混合気層99aによるタンブル流がより高速かつ明確に
発生させられるようになっている。
【0046】一方、上記エンジン制御装置95により、
エンジン23が高速、高負荷状態であると判断されれ
ば、吸気通路58を通る混合気99が多いと判断され
て、アクチュエータ90の作動により吸気通路58の下
部が開かれ、上記タンブル流の速度がある程度弱められ
ると共に、この吸気通路58における混合気99の円滑
な流動が確保される。
【0047】特に図4で示す平面視で、上記吸気開口部
60と排気開口部72はそれぞれ左右方向で燃焼室56
のほぼ中央に位置し、軸心47から前後にほぼ等間隔に
配置されている。そして、上記吸気開口部60の中心部
と排気開口部72の中心部との間を左右にほぼ直線的に
横切るように、上記ピストン54の頂面54aに断面三
角形状の突条体101が一体的に形成されている。
【0048】このため、前記したように、燃焼室56内
に吸気開口部60を通り流入して同上燃焼室56の上部
側から下降してきた流速の速い混合気層99aが、ピス
トン54の頂面54aに案内されながら上方に向って反
転しようとするとき、この流速の速い混合気層99aは
上記突条体101の左右方向のほぼ中央部に衝突して、
特に図5や図6で示すように、上記反転しながら全体的
に、より急角度で上方に向わされると共に左右方向にも
ほぼ均等に放射状に分散させられる。
【0049】このため、上記したように上方に向わされ
た流速の速い混合気層99aは燃焼室56の天井面に勢
いよく衝突しその速度が減衰させられて乱れが形成され
る。この際、上記したように上方に向う流速の速い混合
気層99aの左右方向の中央部の流れは勿論のこと、左
右に放射状に分散させられた流れによっても上記と同じ
く乱れが形成される。しかも、上記突条体101に衝突
した後の流れの周辺にも渦が形成される。このため、上
記突条体101への衝突後には、上記した乱れや渦によ
って、燃焼室56における混合気99の濃度がより均一
にされる。
【0050】なお、以上は図示の例によるが、吸気通路
58をその上流端側から下流端側に向うに従い複数(例
えば、3本)に分岐させて、これら各分岐端をそれぞれ
吸気開口部60として燃焼室56に連通させ、上記各吸
気開口部60にそれぞれ吸気弁62を設けてもよい。ま
た、この場合、混合気99が最も多く(50%以上)通
る左右方向の中央部の吸気開口部60を、燃焼室56の
左右方向のほぼ中央に位置させることが好ましい。
【0051】また、排気通路71をその下流端側から上
流端側に向うに従い複数に分岐させて、これら各分岐端
をそれぞれ排気開口部72として同上燃焼室56に連通
させ、上記各排気開口部72にそれぞれ排気弁74を設
けてもよい。
【0052】(実施例2)
【0053】図7は、実施例2を示している。
【0054】これによれば、突条体101は、平面視
で、偏平なV字状をなしている。
【0055】このため、吸入行程と、これに続く圧縮行
程で、タンブル流とされた流速の速い混合気層99aが
ピストン54の頂面54aに案内されながら上方に向っ
て反転しようとするとき、この流速の速い混合気層99
aは上記突条体101に衝突して、より確実に分散させ
られる。
【0056】このため、上記流速の速い混合気層99a
のうち突条体101の左右方向の中央部を横切る一部
は、その慣性力で放電部93に達して確実な着火が得ら
れるが、その一方で、上記流速の速い混合気層99aの
多くの他部は、圧縮行程の最終段階で燃焼室56内の各
部により確実に分散させられ、燃焼室56における各部
の空燃比がより均一化され、これにより、上記着火に続
く燃焼が極めて速く行われる。
【0057】他の構成や作用は、前記実施例1と同様で
あるため、図面に共通の符号を付して、その説明を省略
する。
【0058】(実施例3)
【0059】図8から図10は、実施例3を示してい
る。
【0060】これによれば、吸気通路58はその上流端
側から下流端側に向うに従い複数(3本)に分岐され、
この吸気通路58は、左右側部通路58a,58aと、
これら側部通路58a,58a間に位置する中央部通路
58bとで構成されている。これら各側部通路58aと
中央部通路58bの各分岐端がそれぞれ吸気開口部60
とされて、これらを介し燃焼室56に連通させられ、上
記各吸気開口部60にそれぞれ吸気弁62が設けられて
いる。この場合、混合気99が最も多く通る上記中央部
通路58bの吸気開口部60は、燃焼室56の左右方向
のほぼ中央に位置させられており、このため、各吸気開
口部60から突条体101に達するまでは混合気99に
よって明確なタンブル流が形成される。
【0061】また、排気通路71はその下流端側から上
流端側に向うに従い複数(2本)に分岐されており、こ
れら各分岐端がそれぞれ排気開口部72とされて、これ
らを介し同上燃焼室56に連通させられ、上記各排気開
口部72にそれぞれ排気弁74が設けられている。
【0062】上記吸気通路58に燃料を噴射する燃料噴
射弁103が設けられている。この燃料噴射弁103は
エンジン制御装置95に電気的に接続され、このエンジ
ン制御装置95の制御により適宜燃料を噴射する。上記
燃料噴射弁103による噴射燃料104は上記中央部通
路58bを通り、この中央部通路58bに連なる吸気開
口部60に向うこととされている。なお、上記噴射燃料
104は、図9中二点鎖線で示すように、各側部通路5
8aと中央部通路58bとを通り、各吸気開口部60に
向うようにしてもよい。
【0063】上記各側部通路58aと中央部通路58b
に跨るようにして吸気制御弁82の弁体84が設けられ
ている。この弁体84の切り欠き85は、上記各側部通
路58aに対応する側部切り欠き85aと、中央部通路
58bに対応する中央部切り欠き85bとで構成されて
いる。
【0064】図8と図9とで示すように、上記吸気制御
弁82の弁体本体86が、各側部通路58aの下部と、
中央部通路58bの下部とを閉じたとき、中央部通路5
8bを通る混合気99の量が少なくなり過ぎないよう、
換言すれば、各側部通路58aを通る混合気99の量よ
りも中央部通路58bを通る方がより多くなるよう、中
央部切り欠き85bに対応する弁体本体86の上縁に追
加切り欠き85cが形成され、これにより、燃焼室56
内での混合気99によるタンブル流がより明確に生じる
こととされている。
【0065】シリンダ25の軸心47上に点火プラグ9
2の放電部93が位置し、この放電部93の周方向でほ
ぼ等間隔に上記各吸気開口部60と各排気開口部72と
が配置されている。上記放電部93をその下方から覆う
耐熱板金製のキャップ106が設けられ、このキャップ
106はシリンダヘッド50の下面に着脱自在に嵌着さ
れている。この場合、キャップ106はシリンダヘッド
50の下面に取り外し不能に固着させてもよい。
【0066】上記キャップ106は、椀状をなし、円板
状の底板107と、この底板107の外周縁から上方に
一体的に延びる周壁108とを備えている。上記キャッ
プ106の前、後部で、底板107から周壁108への
遷移部にそれぞれ開口109が形成され、この開口10
9は上記キャップ106の内外を連通させている。
【0067】エンジン23の高速、高負荷時には、燃焼
室56における混合気99のタンブル流は高速になっ
て、その一部は極めて高速で上記放電部93に向うた
め、放電部93による放電が吹き消されて確実な着火が
阻害されるおそれがある。しかし、上記タンブル流は一
旦上記キャップ106の底板107に衝突して減速さ
れ、この状態で開口109を通り放電部93に向わされ
る。このため、この放電部93による着火が確実に行わ
れる。
【0068】よって、高速のタンブル流に対する着火の
ために、点火エネルギーを増大させる必要がなく、点火
系のコストアップが回避される。また、タンブル流を十
分に速くさせても着火ができるため、タンブル流の生成
のための自由度が向上して、燃焼を十分に改善させるこ
とができる。
【0069】他の構成や作用は前記実施例1と同様であ
るため、図面に共通の符号を付してその説明を省略す
る。なお、この実施例の突条体101は、実施例1と実
施例2のいずれの突条体101を採用してもよい。
【0070】
【発明の効果】この発明によれば、燃焼室に対する吸気
通路の開口部を吸気開口部とし、同上燃焼室に対する排
気通路の開口部を排気開口部とし、上記吸気通路を通っ
て燃焼室に流入する混合気が上記燃焼室内でタンブル流
となるようにした4サイクルエンジンにおいて、上記シ
リンダの軸心を縦向きとして平面視したとき、上記吸気
開口部と排気開口部の間を横切るようにピストンの頂面
に突条体を形成してある。
【0071】そして、エンジンの運転時に、吸気開口部
を通して燃焼室内に混合気が吸入されると、これが燃焼
室内でのタンブル流とされて、このタンブル流の主流部
を構成する流速の速い混合気層がピストンの頂面に案内
されながら上方に向って反転しようとする。このとき、
この流速の速い混合気層は上記突条体に衝突して、上記
反転しながら全体的に、より急角度で上方に向わされる
と共に左右方向にも放射状に分散させられる。
【0072】このため、上記したように上方に向わされ
た流速の速い混合気層は燃焼室の天井面に勢いよく衝突
しその速度が減衰させられて乱れが形成される。この
際、上記したように上方に向う流速の速い混合気層の左
右方向の中央部の流れは勿論のこと、左右に放射状に分
散させられた流れによっても上記と同じく乱れが形成さ
れる。しかも、上記突条体に衝突した後の流れの周辺に
も渦が形成される。このため、上記突条体への衝突後に
は、上記した乱れや渦によって、燃焼室における混合気
の濃度がより均一にされる。
【0073】即ち、吸気通路を通って燃焼室に吸入され
た混合気は、まず、タンブル流を生じて、高速でピスト
ンの頂面に向うこととなるが、この頂面に形成された突
条体に衝突した後は減速させられると共に、同上燃焼室
内に均一に拡がることとなる。
【0074】よって、従来のようにタンブル流があまり
に明確に生じることによって、燃焼速度が速くなり過ぎ
るということが防止され、このため、燃焼室における燃
焼温度が過度に急上昇することが防止され、冷却損失の
増大が抑制されて、燃費が改善されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で、図3の部分拡大作用説明図であ
る。
【図2】実施例1で、自動二輪車の全体側面図である。
【図3】実施例1で、図2の部分拡大断面図である。
【図4】実施例1で、図3の4‐4線矢視断面図であ
る。
【図5】実施例1で、図1の5‐5線矢視断面図であ
る。
【図6】実施例1で、エンジンの斜視簡略線図である。
【図7】実施例2で、図6に相当する図である。
【図8】実施例3で、図3の一部に相当する図である。
【図9】実施例3で、図8の9‐9線矢視断面図であ
る。
【図10】実施例3で、キャップの斜視図である。
【符号の説明】
23 エンジン 25 シリンダ 47 軸心 54 ピストン 54a 頂面 56 燃焼室 58 吸気通路 60 吸気開口部 71 排気通路 72 排気開口部 92 点火プラグ 93 放電部 99 混合気 99a 流速の速い混合気層 100 排気 101 突条体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼室に対する吸気通路の開口部を吸気
    開口部とし、同上燃焼室に対する排気通路の開口部を排
    気開口部とし、上記吸気通路を通って燃焼室に流入する
    混合気が上記燃焼室内でタンブル流となるようにした4
    サイクルエンジンにおいて、 上記シリンダの軸心を縦向きとして平面視したとき、上
    記吸気開口部と排気開口部の間を横切るようにピストン
    の頂面に突条体を形成した4サイクルエンジンのピスト
    ン頂部構造。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110657042A (zh) * 2019-09-23 2020-01-07 东华大学 一种发动机节能减重结构及其制造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110657042A (zh) * 2019-09-23 2020-01-07 东华大学 一种发动机节能减重结构及其制造方法
CN110657042B (zh) * 2019-09-23 2022-03-22 东华大学 一种发动机节能减重结构及其制造方法

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Effective date: 20040309