JP4270727B2 - エンジンの吸気装置 - Google Patents

エンジンの吸気装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4270727B2
JP4270727B2 JP2000240390A JP2000240390A JP4270727B2 JP 4270727 B2 JP4270727 B2 JP 4270727B2 JP 2000240390 A JP2000240390 A JP 2000240390A JP 2000240390 A JP2000240390 A JP 2000240390A JP 4270727 B2 JP4270727 B2 JP 4270727B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
combustion chamber
intake
intake port
cylinder head
cylinder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000240390A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002048000A (ja
Inventor
一紀 菊池
智司 飯嶌
良 久保田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2000240390A priority Critical patent/JP4270727B2/ja
Priority to CNB011245506A priority patent/CN1213221C/zh
Publication of JP2002048000A publication Critical patent/JP2002048000A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4270727B2 publication Critical patent/JP4270727B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの吸気装置に関し、特に、シリンダボアに摺動自在に嵌合されるピストンの頂部を臨ませる燃焼室にスワールを生じさせる形状の吸気ポートがシリンダヘッドに設けられ、前記吸気ポートの内端に配置されるリング状のバルブシートが、前記燃焼室の中心から外れた位置でシリンダヘッドに固設され、該バルブシートに着座可能な傘部を有する吸気弁のステムが、前記バルブシートの中心と同軸にしてシリンダヘッドに設けられるガイド筒に摺動可能に嵌合されるエンジンの吸気装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、かかる吸気装置は、たとえば特開平4−17707号公報等で既に知られており、バルブシートで形成される円形の吸気弁口に内端を通じさせるようにして螺旋状の吸気ポートがシリンダヘッドに設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のものでは、吸気弁のステムを巻くような旋回流を吸気弁の傘部の背面側で吸気ポートの内端部内に形成するようにしており、吸気ポートの上流側直線部分で生じた吸入混合気の勢いを、前記ステムの周囲での小さな半径での回転力に使ってしまい、吸気ポートから燃焼室に流入する混合気の流速低下が大きくなる。また吸気弁の開弁時に吸気弁の傘部の背面側で旋回していた混合気がシリンダ軸線方向で燃焼室に流入することになり、旋回方向と燃焼室への吸入方向とが異なるので、燃焼室への混合気の吸気流速を上げることが困難であり、燃焼室内でのスワール形成が不充分である。
【0004】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、より強力なスワール流を燃焼室内に形成することを可能としたエンジンの吸気装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すために、請求項1記載の発明は、シリンダボアに摺動自在に嵌合されるピストンの頂部を臨ませる燃焼室にスワールを生じさせる形状の吸気ポートがシリンダヘッドに設けられ、前記吸気ポートの内端に配置されるリング状のバルブシートが、前記燃焼室の中心から外れた位置でシリンダヘッドに固設され、該バルブシートに着座可能な傘部を有する吸気弁のステムが、前記バルブシートと同軸にしてシリンダヘッドに設けられるガイド筒に摺動可能に嵌合されるエンジンの吸気装置において、前記シリンダボアの軸線に直交する平面への投影図上での前記吸気ポートが、前記ガイド筒よりも外方側で該ガイド筒の接線方向に延びる第1通路部と、第1通路部に連なって前記ガイド筒の一部を巻くように彎曲した先狭まりの第2通路部とを有する形状に形成され、前記投影図上で前記第1および第2通路部と重なる部分を除いて前記吸気弁の傘部およびバルブシートを覆う対向壁が、前記傘部およびバルブシートの一部に前記燃焼室とは反対側から対向して前記シリンダヘッドに設けられ、前記投影図上での前記第2通路部の形状が、前記燃焼室の中心および前記ガイド筒の中心を結ぶ線分と交差することを回避する形状に形成されることを特徴とする。
【0006】
このような構成によれば、吸気ポートは、シリンダボアの軸線に直交する平面への投影図上では、ガイド筒の接線方向に沿う第1通路部と、ガイド筒の一部を巻くように彎曲して先狭まりとした第2通路部とを有するように形成され、前記投影図上で吸気ポートに重なる部分を除いて吸気弁の傘部およびバルブシートが対向壁で覆われるので、吸気ポートで導かれてきた混合気は、吸気弁が備えるステムの外周の一部を巻くようにして燃焼室内に吸入されることになり、吸気ポート内で混合気を旋回させるものではないので、流速の低下を回避しつつ燃焼室内に混合気が流入し、燃焼室内で強力なスワールを形成することができる。しかも吸気ポートは、混合気を滑らかに流通させる形状であればよいので、吸気ポート内での通路抵抗を小さく抑えることができる。
【0007】
その上、前記投影図上での第2通路部の形状が、前記燃焼室の中心および前記ガイド筒の中心を結ぶ線分と交差することを回避する形状に形成されるので、燃焼室内で生じているスワール流に対向する方向で吸気ポートから燃焼室に流入する混合気の流れが生じることを確実に防止し、燃焼室内でのスワールをより一層強力なものとすることができる。
【0008】
さらに請求項記載の発明は、上記請求項記載の発明の構成に加えて、前記第2通路部の内方側外形線に対応する部分での吸気ポートの内側面が、前記対向壁に直交するようにしてシリンダヘッドに設けられた縦壁で形成されることを特徴とし、かかる構成によれば、混合気の燃焼室への吸入範囲を正確に定め、シリンダ軸線に直交する平面となす角度がより小さくなるように吸気ポートを傾斜させることが可能であり、燃焼室内でのスワール流をさらに強力なものとすることができる。
【0009】
さらに請求項3記載の発明は、上記請求項1又は2記載の発明の構成に加えて、前記シリンダヘッドには、前記吸気弁及び排気弁を避けて配置される一対の点火プラグが、それ らプラグの電極部を前記燃焼室に臨ませるようにして取付けられ、前記燃焼室内での混合気のスワールの流れ方向に沿って前記吸気ポートに近い側にある点火プラグの熱価が、同流れ方向に沿って前記吸気ポートから離隔した位置にある点火プラグの熱価よりも低く設定されることを特徴とし、かかる構成によれば、燃焼室内での混合気の気化および拡散の進行によって比較的薄くなった混合気の燃焼による比較的高温の燃焼ガスに曝される点火プラグの熱価が比較的高く設定されるのに対し、吸気ポートから燃焼室に流入した比較的濃厚な混合気との接触により冷却される可能性がある点火プラグの熱価が比較的低く設定されることになり、点火プラグで燻りによる着火不良が生じることを防止できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、添付図面に示す本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0011】
図1〜図8は本発明の一実施例を示すものであり、図1は自動二輪車の側面図、図2は図1の2−2線に沿うパワーユニットの断面図、図3は図2の3−3線矢視拡大図、図4は図2の4−4線拡大断面図、図5は図4の5−5線断面図、図6は図5の6矢視図、図7はシリンダボアに軸線に直交する平面への吸気ポートの投影図、図8は図5の8−8線断面図である。
【0012】
先ず図1において、自動二輪車の車体フレーム15が前端に備えるヘッドパイプ16には、前輪WFを軸支するフロントフォーク17が操向可能に枢支される。該フロントフォーク17の上端にはバーハンドル18が連結され、前輪WFの上方を覆うフロントフェンダ19がフロントフォーク17に支持される。また車体フレーム15の中間部には後輪WRを軸支するリヤフォーク20が枢支され、車体フレーム15の後部およびリヤフォーク20間にリヤクッション21が設けられる。
【0013】
車体フレーム15の中間部には、水冷式の火花点火4サイクルエンジンEおよび変速機Mから成るパワーユニットPが支持されており、前記変速機Mの出力は無端状のチェーン22を介して後輪WRに伝達される。
【0014】
またエンジンEの上方に配置されるエアクリーナ23およびラジエータ24が車体フレーム15に支持されるとともに、変速機Mの上方に配置される燃料タンク25と、電装部品を収納可能として該燃料タンク25の上方に配置される収納ボックス26とが車体フレーム15に支持される。
【0015】
さらにエンジンEからの排気ガスを導く排気管27は、パワーユニットPおよび後輪WR間に配置される排気マフラー28に接続される。
【0016】
前記車体フレーム15の前部、エンジンE、エアクリーナ23およびラジエータ24は、車体フレーム15に取付けられる合成樹脂製のレッグシールド29で覆われる。また車体フレーム15の後部、燃料タンク25および収納ボックス26は、車体フレーム15に取付けられる合成樹脂製のリヤカバー30で覆われており、該リヤカバー30に後輪WRの後部上方を覆うリヤフェンダ31が連設される。リヤカバー30上には、収納ボックス26の上端開口部を開閉可能としてシート32が設けられており、該シート32にドライバが座乗可能である。
【0017】
シート32に座乗したドライバの前方には、透光性を有するウインドスクリーン33が配置され、このウインドスクリーン33は、バーハンドル18を覆うハンドルカバー34に取付けられる。
【0018】
図2〜図5において、エンジンEのエンジン本体37は、ピストン43を摺動可能に嵌合せしめるシリンダボア44を有するシリンダブロック38と、前記ピストン43の頂部との間に燃焼室45を形成してシリンダブロック38に結合されるシリンダヘッド39と、前記ピストン43にコンロッド46を介して連結されるクランクシャフト47を回転自在に支承してシリンダブロック38に結合されるクランクケース40とから成るものであり、シリンダブロック38、シリンダヘッド39およびクランクケース40は、複数本たとえば4本の通しボルト41…で締結される。またクランクケース40は、右クランクケース半体40aおよび左クランクケース半体40bが、前記ピストン43の作動軸線を含む平面を合わせ面として相互に結合されることで構成され、クランクケース40内にはクランク室42が形成される。さらにエンジン本体37は、前輪WFの直ぐ後に配置されるシリンダヘッド39を前部に配置するとともに、シリンダボア44の軸線すなわちシリンダ軸線をほぼ水平とした姿勢で車体フレーム15に支持される。
【0019】
変速機Mは、クランクシャフト47と平行な軸線を有してクランクケース40で回転自在に支承されるメインシャフト51およびカウンタシャフト52と、選択的な確立を可能としてメインシャフト51およびカウンタシャフト52間に設けられる複数段のギヤ列53とを備え、クランクケース40には、前記ギヤ列53を選択的に確立するために回動するシフトドラム54が回動自在に支承される。
【0020】
右クランクケース半体40aから突出したクランクシャフト47の一端部は、遠心クラッチ55を介して駆動ギヤ56に連結されており、該駆動ギヤ56に噛合する被動ギヤ57が、右クランクケース半体40aから突出したメインシャフト51の一端側に相対回転自在に支承される。被動ギヤ57はダンパゴム58を介してクラッチ59のクラッチアウタ60に連結される。該クラッチ59は、ドライバの操作に応じたレリーズカム機構61の作用により、メインシャフト51に結合されるクラッチインナ62および前記クラッチアウタ60間を断・接する多板クラッチであり、該クラッチ59を遮断した状態で前記ギヤ列53の選択的な確立が可能となる。前記遠心クラッチ55およびクラッチ59は右クランクケース半体40aに結合される右カバー63で覆われる。
【0021】
左クランクケース半体40bから突出したカウンタシャフト52の端部にはチェーン22が巻掛けられる駆動スプロケット64が固定されており、この駆動スプロケット64からチェーン22を介して後輪WRに動力が伝達される。
【0022】
左クランクケース半体40bから突出したクランクシャフト47の他端部には発電機65のロータ66が固定されており、該発電機65を覆うようにして左クランクケース半体40bに結合される左カバー68に発電機65のステータ67が固定される。
【0023】
前記エンジン本体37のシリンダブロック38およびシリンダヘッド39には冷却水を流通させるためのジャケット48が設けられており、シリンダヘッド39には、点火タイミングを相互に異ならせた一対の点火プラグ49,50が燃焼室45に臨むようにして取付けられる。
【0024】
シリンダヘッド39には、燃焼室45に混合気を供給するための吸気ポート70がシリンダヘッド39の上部で上向きに開口するようにして設けられるとともに、燃焼室45からの排気ガスを排出するための排気ポート71がシリンダヘッド39の下部で下向きに開口するようにして設けられる。而して前記吸気ポート70には、図示しない気化器を介してエアクリーナ23が接続され、前記排気ポート71には排気管27が接続される。
【0025】
吸気ポート70および燃焼室45間の連通・遮断を切換える吸気弁74、ならびに排気ポート71および燃焼室45間の連通・遮断を切換える排気弁75は、開閉作動可能にしてシリンダヘッド39に配設されており、吸気弁74および排気弁75は閉弁方向にばね付勢されている。
【0026】
前記吸気弁74および排気弁75は、動弁機構76により開閉駆動されるものであり、この動弁機構76は、シリンダヘッド39と、該シリンダヘッド39に複数のボルト77…による結合されるヘッドカバー78との間に形成される動弁室79に収納される。
【0027】
前記動弁機構76は、クランクシャフト47と平行な軸線を有してシリンダヘッド39に回転自在に支承されるとともに吸気側および排気側カム81,82が設けられるカムシャフト80と、該カムシャフト80と平行な軸線を有してシリンダヘッド39に支持される吸気側および排気側ロッカシャフト83,84と、吸気側カム81に従動して吸気弁74を開閉駆動すべく吸気側ロッカシャフト83で揺動可能に支承される吸気側ロッカアーム85と、排気側カム82に従動して排気弁75を開閉駆動すべく排気側ロッカシャフト84で揺動可能に支承される排気側ロッカアーム86とを備える。
【0028】
図2に注目して、クランクケース40における左クランクケース半体40bと、発電機65との間でクランクシャフト47には駆動スプロケット87が固定されており、この駆動スプロケット87に対応する部分でクランクケース40内のクランク室42と前記動弁室79との間を結ぶチェーン通路88が、左クランクケース半体40b、シリンダブロック38およびシリンダヘッド39間にわたって設けられる。
【0029】
一方、前記チェーン通路88に対応する部分でカムシャフト80の端部には被動スプロケット89が固定されており、この被動スプロケット89および前記駆動スプロケット87に、チェーン通路88内を走行可能な無端状のチェーン90が巻掛けられる。
【0030】
前記駆動スプロケット87および被動スプロケット89間でチェーン90は、シリンダブロック38に支承されたアイドルスプロケット91に巻掛けられ、該アイドルスプロケット91および駆動スプロケット87間でチェーン90には、左クランクケース半体40bに配設されるテンショナー92により緊張力が付与される。
【0031】
シリンダヘッド39には動弁機構76のカムシャフト80と同軸の回転軸線を有するウォータポンプ93が取付けられる。このウォータポンプ93のポンプハウジング94にはサーモスタット95が設けられており、該サーモスタット95は、エンジンEの冷間状態ではジャケット48の冷却水がサーモスタット95およびウォータポンプ93を経てジャケット48に戻るように作動し、エンジンEの暖機完了状態では、ジャケット48からの冷却水をラジエータ24、サーモスタット95およびウォータポンプ93を経てジャケット48に戻すように作動する。
【0032】
図5に特に注目して、燃焼室45の中心からずれた位置でシリンダヘッド39には、吸気ポート70の内端に配置されるリング状のバルブシート97が、圧入等により固設されている。吸気弁74は、バルブシート97に着座可能な傘部74aと、該傘部74aに同軸にかつ一体に連なるステム74bとを備えるものであり、バルブシート97と同軸にしてシリンダヘッド39に設けられたガイド筒98に前記ステム74bが摺動可能に嵌合される。しかもガイド筒98から突出したステム74bの上端部およびシリンダヘッド39間には傘部74aをバルブシート97に着座させるばね力を発揮する弁ばね99が設けられており、ステム74bの上端に前記動弁機構76の吸気側ロッカアーム85が連動、連結される。
【0033】
排気ポート71の内端は、燃焼室45の一直径線上で前記吸気ポート70の内端との間に該燃焼室45の中心が位置するようにした配置されており、該排気ポート71の内端に位置してシリンダヘッド39に固設されたバルブシート(図示せず)に着座する傘部75aを有する排気弁75が、上記吸気弁74と同様にしてシリンダヘッド39に固定されたガイド筒(図示せず)で開閉作動可能に支承され、閉弁方向に弁ばね100(図3参照)で付勢された排気弁75が、前記動弁機構76の排気側ロッカアーム86に連動、連結される。
【0034】
図6において、吸気ポート70は、燃焼室45内でスワールを生じさせるようにしてシリンダヘッド39に設けられるものであり、シリンダヘッド39に取付けられる一対の点火プラグ49,50は、燃焼室45内でのスワールの流れ方向101に沿って吸気ポート70から離反するにつれて熱価が高くなるように設定される。すなわち、前記流れ方向101に沿って吸気ポート70の直ぐ下流側にある点火プラグ49の熱価が、前記流れ方向101に沿って吸気ポート70から離隔した位置にある点火プラグ50の熱価よりも低く設定されるものであり、この実施例では、前記流れ方向101に沿って排気ポート71すなわち排気弁75の上流側に熱価の低い点火プラグ49が配置され、前記流れ方向101に沿って排気ポート71すなわち排気弁75の下流側には熱価の高い点火プラグ50が配置される。
【0035】
しかもエンジンEは、そのシリンダボア44の軸線をほぼ水平として車体フレーム15に搭載されており、シリンダヘッド39の上部側壁に吸気ポート70が配置されるので、燃焼室45内では、熱価の低い点火プラグ49が、吸気ポート70の燃焼室45への開口端すなわち吸気弁74の直ぐ下方に配置される。
【0036】
ところで吸気ポート70は、燃焼室45内でスワールを生じさせるような形状を有するものであり、シリンダボア44の軸線に直交する平面への投影図上では、図7で示すように、吸気ポート70は、ガイド筒98よりも外方側で該ガイド筒98の接線方向に延びる第1通路部70aと、第1通路部70aに連なって前記ガイド筒98の一部を巻くように彎曲した先狭まりの第2通路部70bとを有する形状に形成される。
【0037】
第1通路部70aは、たとえば燃焼室45の中心C1およびガイド筒98の中心C2を結ぶ線分102に直交しつつガイド筒98の接線方向に直線状に延びるものである。また第2通路部70bは、前記投影図上での線分102と交差することがないようにしてガイド筒98の一部を巻くように彎曲した形状に形成される。
【0038】
図8を併せて参照して、シリンダヘッド39には、吸気ポート70の前記第1および第2通路部70a,70bと重なる部分を除いて吸気弁74の傘部74aおよびバルブシート97を覆う対向壁39a(図7において斜線で示す部分)が、傘部74aおよびバルブシート97の一部に対向するようにして設けられる。すなわちリング状にして吸気ポート70の内端に配置されるバルブシート97の一部が実質的な吸気弁口103として機能するものであり、吸気弁74の開弁時にバルブシート97のうち前記対向壁39aで覆われた部分を除く領域である吸気弁口103が開口することになる。
【0039】
また前記第2通路部70bを構成する内方側外形線に対応する部分での吸気ポート70の内側面は、前記対向壁39aに直交するようにしてシリンダヘッド39に設けられた縦壁39b(図5参照)で形成される。
【0040】
次にこの実施例の作用について説明すると、シリンダボア44の軸線に直交する平面への投影図上での吸気ポート70が、吸気弁74の開閉作動をガイドするガイド筒98よりも外方側で該ガイド筒98の接線方向に延びる第1通路部70aと、第1通路部70aに連なってガイド筒98の一部を巻くように彎曲した先狭まりの第2通路部70bとを有する形状に形成されており、前記投影図上で第1および第2通路部70a,70bと重なる部分を除いて吸気弁74の傘部74aおよびバルブシート97がシリンダヘッド39の対向壁39aで覆われる。
【0041】
したがって吸気ポート70で導かれてきた混合気は、吸気弁74が備えるステム74bの外周の一部を巻くようにして燃焼室45内に吸入されることになり、吸気ポート70内で混合気を旋回させるものではないので、流速の低下を回避しつつ燃焼室45内に混合気を流入させることができ、燃焼室45内で強力なスワールを形成することができる。しかも吸気ポート70は、混合気を滑らかに流通させる形状であればよいので、吸気ポート70内での通路抵抗を小さく抑えることができる。
【0042】
また前記投影図上での第2通路部70bの先端で壁となる縦壁39bの形状が、燃焼室45の中心C1およびガイド筒98の中心C2を結ぶ線分102と交差することを回避する形状に形成されるので、燃焼室45内で生じているスワール流に対向する方向で吸気ポート70から燃焼室45に流入する混合気の流れが生じることを確実に防止することができ、それにより燃焼室45内でのスワールをより一層強力なものとすることができる。
【0043】
さらに第2通路部70bの内方側外形線に対応する部分での吸気ポート70の内側面が、対向壁39aに直交するようにしてシリンダヘッド39に設けられた縦壁39bで形成されるので、混合気の燃焼室45への吸入範囲を正確に定め、シリンダ軸線に直交する平面となす角度がより小さくなるように吸気ポート70を傾斜させることが可能であり、それにより燃焼室45内でのスワール流をさらに強力なものとすることができる。
【0044】
ところでシリンダヘッド39には、燃費の低減および排気性状の向上のために複数たとえば一対の点火プラグ49,50が、吸気弁74および排気弁75を避けた空きスペースで燃焼室45内に臨むようにして取付けられているが、それらの点火プラグ49,50の熱価は相互に異なって設定されており、燃焼室45内でのスワールの流れ方向101に沿って吸気ポート70に近い方の点火プラグ49の熱価が、前記吸気ポート70から遠い方の点火プラグ50の熱価よりも低く設定される。
【0045】
すなわち燃焼室45内での混合気の気化および拡散の進行によって比較的薄くなった混合気の燃焼による比較的高温の燃焼ガスに曝される点火プラグ50の熱価が比較的高く設定されるのに対し、吸気ポート70から燃焼室45に流入した比較的濃厚な混合気との接触により冷却される可能性がある点火プラグ49の熱価が比較的低く設定されることになり、点火プラグ49で燻りによる着火不良が生じることを防止することができる。
【0046】
またエンジン本体37は、シリンダ軸線をほぼ水平とした姿勢で車体フレーム15に搭載されており、熱価が最も低い点火プラグ49の上方で燃焼室45内に開口するようにしてシリンダヘッド39に吸気ポート70が設けられているので、霧化されずに吸気ポート70の下部内面を伝わった燃料が燃焼室45内に流入したとしても、その燃料が接触する可能性がある点火プラグ49の熱価が各点火プラグ49,50のうちで最も低いものであるので、霧化していない燃料との接触による燻りが生じるのを回避し、点火プラグ49で燻りによる着火不良が発生するのを防止することができる。
【0047】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0048】
【発明の効果】
以上のように発明によれば、吸気ポートは、シリンダボアの軸線に直交する平面への投影図上では、ガイド筒の接線方向に沿う第1通路部と、ガイド筒の一部を巻くように彎曲して先狭まりとした第2通路部とを有するように形成され、前記投影図上で吸気ポート に重なる部分を除いて吸気弁の傘部およびバルブシートが対向壁で覆われるので、吸気ポートで導かれてきた混合気は、吸気弁が備えるステムの外周の一部を巻くようにして燃焼室内に吸入されることになり、吸気ポート内で混合気を旋回させるものではないので、流速の低下を回避しつつ燃焼室内に混合気を流入させ、燃焼室内で強力なスワールを形成することができる。しかも吸気ポートは、混合気を滑らかに流通させる形状であればよいので、吸気ポート内での通路抵抗を小さく抑えることができる。
【0049】
その上、前記投影図上での第2通路部の形状が、燃焼室の中心およびガイド筒の中心を結ぶ線分と交差することを回避する形状に形成されるので、燃焼室内で生じているスワール流に対向する方向で吸気ポートから燃焼室に流入する混合気の流れが生じることを確実に防止し、燃焼室内でのスワールをより一層強力なものとすることができる。
【0050】
また特に請求項2の発明によれば、シリンダ軸線に直交する平面となす角度がより小さくなるように吸気ポートを傾斜させることが可能であり、燃焼室内でのスワール流をさらに強力なものとすることができる。
【0051】
また特に請求項3の発明によれば、点火プラグで燻りによる着火不良が生じることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 自動二輪車の側面図である。
【図2】 図1の2−2線に沿うパワーユニットの断面図である。
【図3】 図2の3−3線矢視拡大図である。
【図4】 図2の4−4線拡大断面図である。
【図5】 図4の5−5線断面図である。
【図6】 図5の6矢視図である。
【図7】 シリンダボアに軸線に直交する平面への吸気ポートの投影図である。
【図8】 図5の8−8線断面図である。
【符号の説明】
39・・・シリンダヘッド
39a・・対向壁
39b・・縦壁
43・・・ピストン
44・・・シリンダボア
45・・・燃焼室
49,50・・点火プラグ
70・・・吸気ポート
70a・・第1通路部
70b・・第2通路部
74・・・吸気弁
74a・・傘部
74b・・ステム
97・・・バルブシート
98・・・ガイド筒
101・・スワールの流れ方向
102・・線分
E・・・・エンジン

Claims (3)

  1. シリンダボア(44)に摺動自在に嵌合されるピストン(43)の頂部を臨ませる燃焼室(45)にスワールを生じさせる形状の吸気ポート(70)がシリンダヘッド(39)に設けられ、前記吸気ポート(70)の内端に配置されるリング状のバルブシート(97)が、前記燃焼室(45)の中心から外れた位置でシリンダヘッド(39)に固設され、該バルブシート(97)に着座可能な傘部(74a)を有する吸気弁(74)のステム(74b)が、前記バルブシート(97)と同軸にしてシリンダヘッド(39)に設けられるガイド筒(98)に摺動可能に嵌合されるエンジンの吸気装置において、
    前記シリンダボア(44)の軸線に直交する平面への投影図上での前記吸気ポート(70)が、前記ガイド筒(98)よりも外方側で該ガイド筒(98)の接線方向に延びる第1通路部(70a)と、第1通路部(70a)に連なって前記ガイド筒(98)の一部を巻くように彎曲した先狭まりの第2通路部(70b)とを有する形状に形成され、
    前記投影図上で前記第1および第2通路部(70a,70b)と重なる部分を除いて前記吸気弁(74)の傘部(74a)およびバルブシート(97)を覆う対向壁(39a)が、前記傘部(74a)およびバルブシート(97)の一部に前記燃焼室(45)とは反対側から対向して前記シリンダヘッド(39)に設けられ、
    前記投影図上での前記第2通路部(70b)の形状が、前記燃焼室(45)の中心(C1)および前記ガイド筒(98)の中心(C2)を結ぶ線分(102)と交差することを回避する形状に形成されることを特徴とする、エンジンの吸気装置
  2. 前記第2通路部(70b)の内方側外形線に対応する部分での吸気ポート(70)の内側面が、前記対向壁(39a)に直交するようにしてシリンダヘッド(39)に設けられた縦壁(39b)で形成されることを特徴とする、請求項1記載のエンジンの吸気装置。
  3. 前記シリンダヘッド(39)には、前記吸気弁(74)及び排気弁(75)を避けて配置される一対の点火プラグ(49,50)が、それらプラグ(49,50)の電極部を前記燃焼室(45)に臨ませるようにして取付けられ、前記燃焼室(45)内での混合気のスワールの流れ方向(101)に沿って前記吸気ポート(70)に近い側にある点火プラグ(49)の熱価が、同流れ方向(101)に沿って前記吸気ポート(70)から離隔した位置にある点火プラグ(50)の熱価よりも低く設定されることを特徴とする、請求項1または2記載のエンジンの吸気装置。
JP2000240390A 2000-08-03 2000-08-03 エンジンの吸気装置 Expired - Fee Related JP4270727B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000240390A JP4270727B2 (ja) 2000-08-03 2000-08-03 エンジンの吸気装置
CNB011245506A CN1213221C (zh) 2000-08-03 2001-08-02 发动机的吸气装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000240390A JP4270727B2 (ja) 2000-08-03 2000-08-03 エンジンの吸気装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002048000A JP2002048000A (ja) 2002-02-15
JP4270727B2 true JP4270727B2 (ja) 2009-06-03

Family

ID=18731760

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000240390A Expired - Fee Related JP4270727B2 (ja) 2000-08-03 2000-08-03 エンジンの吸気装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP4270727B2 (ja)
CN (1) CN1213221C (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7799891B2 (en) 2005-09-16 2010-09-21 Eastman Chemical Company Phosphorus containing compounds for reducing acetaldehyde in polyesters polymers
US8557950B2 (en) 2005-06-16 2013-10-15 Grupo Petrotemex, S.A. De C.V. High intrinsic viscosity melt phase polyester polymers with acceptable acetaldehyde generation rates

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4133713B2 (ja) * 2003-04-01 2008-08-13 本田技研工業株式会社 内燃機関のシリンダヘッド
WO2005005814A1 (ja) * 2003-07-10 2005-01-20 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha エンジン
JP4879681B2 (ja) * 2006-09-06 2012-02-22 本田技研工業株式会社 成層燃焼式内燃機関

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8557950B2 (en) 2005-06-16 2013-10-15 Grupo Petrotemex, S.A. De C.V. High intrinsic viscosity melt phase polyester polymers with acceptable acetaldehyde generation rates
US8987408B2 (en) 2005-06-16 2015-03-24 Grupo Petrotemex, S.A. De C.V. High intrinsic viscosity melt phase polyester polymers with acceptable acetaldehyde generation rates
US7799891B2 (en) 2005-09-16 2010-09-21 Eastman Chemical Company Phosphorus containing compounds for reducing acetaldehyde in polyesters polymers

Also Published As

Publication number Publication date
CN1337524A (zh) 2002-02-27
CN1213221C (zh) 2005-08-03
JP2002048000A (ja) 2002-02-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4689474B2 (ja) 内燃機関
JP4209441B2 (ja) 内燃機関
JP4732375B2 (ja) 強制空冷式内燃機関
JP2014025429A (ja) 内燃機関のピストン構造
JP4555710B2 (ja) 自動二輪車
JP2006250129A (ja) エンジンの排気装置
JP4270727B2 (ja) エンジンの吸気装置
JP4371552B2 (ja) 火花点火4サイクルエンジン
JPS6243050B2 (ja)
JP2010223211A (ja) 車両用強制空冷式エンジンユニットおよび自動二輪車
JP6116107B2 (ja) 内燃機関の排気ガスセンサの取付け構造
JP4414362B2 (ja) 空冷式エンジンの暖機制御装置
JP2006283726A (ja) 車両搭載エンジンの吸気装置
JP4657937B2 (ja) 車両用内燃機関
JP2006097527A (ja) 二次空気供給装置
JP6551132B2 (ja) エンジンの排気制御装置
JP2001248415A (ja) エンジンにおけるオイル戻し構造
JP2001241355A (ja) 強制空冷式4サイクルエンジンのシリンダヘッド冷却構造
JP2012140883A (ja) 空冷式エンジン
JP6576866B2 (ja) 鞍乗型車両の空冷式内燃機関
JP6228091B2 (ja) 内燃機関の吸気構造
JP2005248794A (ja) 内燃機関
JP4382621B2 (ja) デコンプ装置付きカム機構
JP2001248442A (ja) エンジンの冷却装置
JP6186299B2 (ja) 鞍乗り型車両の吸気構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080812

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081014

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090204

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090224

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120306

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130306

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130306

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140306

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees