JPH05179971A - 2サイクルエンジンのリード弁 - Google Patents

2サイクルエンジンのリード弁

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JPH05179971A
JPH05179971A JP35923191A JP35923191A JPH05179971A JP H05179971 A JPH05179971 A JP H05179971A JP 35923191 A JP35923191 A JP 35923191A JP 35923191 A JP35923191 A JP 35923191A JP H05179971 A JPH05179971 A JP H05179971A
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JP
Japan
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reed valve
valve body
reed
crankcase
cylinder
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JP35923191A
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English (en)
Inventor
Tsugunori Konakawa
嗣教 粉川
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH05179971A publication Critical patent/JPH05179971A/ja
Priority to US08/200,932 priority patent/US5823150A/en
Pending legal-status Critical Current

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L3/00Lift-valve, i.e. cut-off apparatus with closure members having at least a component of their opening and closing motion perpendicular to the closing faces; Parts or accessories thereof
    • F01L3/20Shapes or constructions of valve members, not provided for in preceding subgroups of this group
    • F01L3/205Reed valves
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/02Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke
    • F02B2075/022Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle
    • F02B2075/025Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle two

Abstract

(57)【要約】 【目的】 リード弁本体に貫設される吸入通路の下流端
開口の開口面積を十分大きくして、充填効率等のエンジ
ン性能を向上させ、かつ、これが簡単な構成で達成され
るようにする。 【構成】 シリンダ35の軸心37を垂直にみたとき、
クランクケース20の吸気ポート42に取り付けられる
リード弁48を上下一対の上、下リード弁58,59で
構成する。これら上、下リード弁58,59を、上記吸
気ポート42を通しクランクケース20内に向って突出
する箱状のリード弁本体60,70と、これら各リード
弁本体60,70にそれぞれ貫設される吸入通路62,
72と、これら各吸入通路62,72の下流端開口62
b,72bを開閉する弁体64,74とでそれぞれ構成
する。下リード弁59の弁体64が過開弁することを阻
止するストッパ面92を上リード弁58のリード弁本体
70の下面に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、2サイクルエンジン
のリード弁に関する。
【0002】
【従来の技術】自動二輪車等に記載される2サイクルエ
ンジンには、従来、実開平3‐10236号公報で示さ
れるものがある。これによれば、クランクケースに吸気
ポートが形成され、この吸気ポートにリード弁が取り付
けられている。このリード弁は、上記吸気ポートを通り
クランクケース内に向って突出するリード弁本体と、こ
のリード弁本体に貫設される吸入通路と、この吸入通路
の下流端開口を開閉する弁体とで構成されている。そし
て、エンジンの作動時には、上記リード弁の吸入通路を
通して混合気がクランクケース内に吸入され、ここで、
一旦予圧縮される。次に、この予圧縮された混合気が掃
気ポートを通し燃焼室に送り込まれて、燃焼させられ、
これにより、エンジンが動力を出力するようになってい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、リード弁本
体内の吸入通路を混合気が通過するときの吸入抵抗が大
きいと、充填効率等のエンジン性能が低下することにな
る。そこで、これを防止する一つの手段として、上記吸
入通路における下流端開口の開口面積を大きくすること
が望まれる。この場合、リード弁本体をクランクケース
内に大きく突出させてその表面積を大きくし、これに形
成される下流端開口の開口面積を大きくすることが考え
られる。しかし、上記リード弁本体を大きく突出させる
と、その突出端がクランクケース内のクランク軸と干渉
するおそれを生じるため、その突出寸法には限度があ
る。よって、上記下流端開口の開口面積を十分に大きく
することは容易ではない。
【0004】
【発明の目的】この発明は、上記のような事情に注目し
てなされたもので、リード弁本体に貫設される吸入通路
の下流端開口の開口面積を十分大きくして、充填効率等
のエンジン性能を向上させることを主目的とし、かつ、
これが簡単な構成で達成されるようにすることを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
のこの発明の特徴とするところは、シリンダの軸心を垂
直にみたとき、クランクケースの吸気ポートに取り付け
られるリード弁を上下一対の上、下リード弁で構成し、
これら上、下リード弁を、上記吸気ポートを通しクラン
クケース内に向って突出するリード弁本体と、これら各
リード弁本体にそれぞれ貫設される吸入通路と、これら
各吸入通路の下流端開口を開閉する弁体とでそれぞれ構
成し、下リード弁の弁体が過開弁することを阻止するス
トッパ面を上リード弁のリード弁本体の下面に形成した
点にある。なお、上記構成において、各リード弁本体の
基部にそれぞれ外向きフランジを形成し、一方のリード
弁本体に形成した外向きフランジに、他方のリード弁本
体を嵌入させる嵌合孔を形成し、この嵌合で、上記両外
向きフランジを重ね合わせて、この重ね合わせた両外向
きフランジをクランクケース側に取り付けてリード弁を
支持させてもよい。また、両リード弁本体の各基部同士
を互いにねじ止めしてもよい。
【0006】
【作 用】上記構成による作用は次の如くである。従来
の2サイクルエンジンでは、リード弁のリード弁本体を
一つだけクランクケース内に突出させ、このリード弁本
体に吸入通路を貫設しているが、これに対し、本発明で
は、リード弁48を上、下リード弁58,59で構成し
て、これら上、下リード弁58,59の各リード弁本体
60,70をそれぞれクランクケース20内に突出させ
ている。このため、従来のリード弁本体に比べて本発明
のリード弁本体60,70の方がその表面積をより大き
くできる。よって、これに形成される吸入通路62,7
2の下流端開口62b,72bの開口面積は十分に大き
くでき、この結果、上記吸入通路62,72を通る混合
気91の吸入抵抗を低減させることができる。
【0007】また、吸入通路62,72の下流端開口6
2b,72bの開口面積を大きくすると、ここを通る混
合気91の単位面積当りの量が少なくなり、各弁体6
4,74の開弁変形量が小さくて済む。このため、クラ
ンクケース20内の負圧に対するこれら各弁体64,7
4の開、閉弁動作の応答性が向上する。
【0008】また、各弁体64,74に対し、これらが
過開弁することを阻止するストッパが設けられるが、下
リード弁59の弁体64が過開弁することを阻止するス
トッパ面92は上リード弁58の上リード弁本体70の
下面に形成されている。このため、下リード弁59の弁
体64については、別途のストッパを設けないで済む。
【0009】上記の場合、各リード弁本体60,70の
基部にそれぞれ外向きフランジ61,71を形成し、一
方のリード弁本体に形成した外向きフランジに、他方の
リード弁本体を嵌入させる嵌合孔77を形成し、この嵌
合で、上記両外向きフランジ61,71を重ね合わせ
て、この重ね合わせた両外向きフランジ61,71をク
ランクケース20側に取り付けてリード弁48を支持さ
せてもよい。このようにすれば、各リード弁本体60,
70にそれぞれ外向きフランジを形成し、これら外向き
フランジ61,71を個々に並べてクランクケースに取
り付けることに比べて、両リード弁本体60,70を互
いに接近させることができる。つまり、リード弁48は
上、下リード弁58,59で構成されてはいるが、この
リード弁48はコンパクトにできる。また、両リード弁
本体60,70の各基部同士を互いにねじ止めししても
よい。このようにすれば、上、下リード弁58,59の
結合が強固に行なわれる。
【0010】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面により説明す
る。 (第1実施例)図1から図6は第1実施例を示してい
る。図2において、符号1は車両たる自動二輪車であ
る。また、図中矢印Frはその前方を示し、下記の左右
とは上記前方に向っての方向をいう。上記自動二輪車1
の車体フレーム2はその前端にヘッドパイプ3を有し、
このヘッドパイプ3から後下方に向って左右一対の主フ
レーム4が延びている。また、これら各主フレーム4の
後端から下方に向ってリヤアームブラケット5が延びて
いる。
【0011】上記ヘッドパイプ3にはフロントフォーク
7が操向自在に支承されている。このフロントフォーク
7の下端に前輪8が支承され、上端にはハンドル9が取
り付けられている。上記リヤアームブラケット5には枢
支軸10によりリヤアーム11が上下揺動自在に枢支さ
れている。このリヤアーム11の揺動端に後輪12が支
承され、上記主フレーム4の後端とリヤアーム11との
間には緩衝器13が架設されている。また、上記主フレ
ーム4の後端から後上方に向って突出するシートフレー
ムが設けられ、このシートフレーム上にシート16が取
り付けられている。
【0012】上記主フレーム4の下方にエンジン18が
設けられ、このエンジン18は同上主フレーム4とリヤ
アームブラケット5とに上記枢支軸10とボルト19と
によって支持されている。このエンジン18は4気筒の
2サイクルエンジンで、そのクランクケース20の前下
面側から前下方に向って左、右下気筒21が突出してい
る。また、同上クランクケース20の前上面側から前上
方に向って左、右上気筒22が突出し、これら下気筒2
1と上気筒22の交角は側面視でほぼ90°をなしてい
る。
【0013】上記クランクケース20の後部には動力伝
達装置24が連設され、この動力伝達装置24の出力鎖
車25と、上記後輪12に取り付けられた入力鎖車26
とに伝動チェーン27が巻き掛けられている。そして、
上記エンジン18の動力が上記伝動チェーン27等を介
して後輪12に伝えられ、自動二輪車1が路面28上を
走行可能となっている。その他、30は燃料タンク、3
1は排気管である。
【0014】図1、図3、および図4において、上記ク
ランクケース20内のクランク室33には左右に延びる
上下一対のクランク軸34が支承されている。上記下気
筒21は同上クランクケース20の前下面側から前下方
に向って突出するシリンダ35を有し、このシリンダ3
5はクランクケース20に対し、正面視で左右ボルト3
5a,35aによりねじ止めされている。同上シリンダ
35の突出端にはシリンダヘッド36が取り付けられて
いる。同上シリンダ35には、その軸心37上でピスト
ン38が摺動自在に嵌入され、このピストン38と上記
両クランク軸34のうち下側のクランク軸34が連接棒
39により連結されている。
【0015】上記シリンダ35、シリンダヘッド36、
およびピストン38で囲まれた空間が燃焼室41であ
り、この燃焼室41に臨む点火プラグ40が上記シリン
ダヘッド36に取り付けられている。上記クランクケー
ス20には、クランク室33に通じる吸気ポート42が
形成されている。この吸気ポート42は、正面視で上記
左右ボルト35a,35a間におけるクランクケース2
0に形成されている。また、上記シリンダ35には上記
クランク室33を燃焼室41に連通させる掃気ポート4
4が形成されている。一方、同上燃焼室41を外部に連
通させる排気ポート45が形成され、この排気ポート4
5に前記排気管31が連結されている。上記シリンダ3
5とシリンダヘッド36には水ジャケット46が形成さ
れている。
【0016】上記吸気ポート42に連なるように吸気の
上流側に向って、順次、リード弁48とスロットル弁4
9とが設けられ、これらリード弁48とスロットル弁4
9とは下気筒21と上気筒22の間に配設されている。
上記スロットル弁49への走行風の導入は、ヘッドパイ
プ3の前方に突出させた空気導入管により行なわれる。
【0017】図1から図3において、前記上気筒22は
上記した下気筒21と同構成であり、シリンダ54等を
有している。また、このシリンダ54に対応してクラン
クケース20に形成された吸気ポートには、上記下気筒
21に対応して設けたリード弁48やスロットル弁49
と同構成の他のリード弁55やスロットル弁56が設け
られ、これらリード弁55やスロットル弁56は上記下
気筒21用のリード弁48とスロットル弁49に隣接し
て設けられている。更に、上記上気筒22のピストンは
前記クランク軸34のうち上側のクランク軸に連接棒に
より連結されている。また、両クランク軸34はチェー
ンにより互いに連動連結され、そのうちの一つのクラン
ク軸34に前記動力伝達装置24の入力軸が連結されて
いる。
【0018】図1、および図4から図6において、説明
の便宜上、図1で示すように下気筒21のシリンダ35
の軸心37を垂直にみた状態で説明する。
【0019】前記リード弁48は上下に一対となる上、
下リード弁58,59で構成されている。上記下リード
弁59は、側面断面がほぼV字状箱形をなす下リード弁
本体60を有している。この下リード弁本体60はクラ
ンク室33内に向うに従い先細となっており、この下リ
ード弁本体60の基部には外向きフランジ61が一体成
形されている。上記下リード弁本体60の内部に吸入通
路62が貫設されている。この吸入通路62の上流端開
口62aは上記下リード弁本体60の基部端に開口して
いる。また、同上吸入通路62の下流端開口62bは同
上下リード弁本体60の上、下面壁にそれぞれ形成され
る4つの開口で構成され、これら下流端開口62bの各
開口は互いに同形同大をなして、左右に向って並設され
ている。これら下流端開口62bをそれぞれ開閉自在に
閉じる上、下弁体64が設けられ、これらのうち上側の
弁体64の一端が第1ボルト66により下リード弁本体
60の基部の上面壁にねじ止めされている。また、下側
の弁体64の一端はストッパ67と共に第2ボルト68
により、同上下リード弁本体60の基部の下面壁にねじ
止めされている。
【0020】一方、前記上リード弁58は、側面断面が
円弧状箱形をなす上リード弁本体70を有している。こ
の上リード弁本体70はクランク室33内に向うに従い
先細となっており、この上リード弁本体70の基部には
外向きフランジ71が一体成形されている。上記上リー
ド弁本体70の内部には吸入通路72が貫設されてい
る。この吸入通路72の上流端開口72aは上記上リー
ド弁本体70の基部端に開口している。また、同上吸入
通路72の下流端開口72bは同上上リード弁本体70
の上面壁に形成される3つの開口で構成され、下流端開
口72bの各開口は互いに同形同大をなして、左右に向
って並設されている。この下流端開口72bを開閉自在
に閉じる弁体74が設けられ、この弁体74の一端がス
トッパ75と共に第3ボルト76により上リード弁本体
70の基部の上面壁にねじ止めされている。
【0021】上記上リード弁58の外向きフランジ71
には嵌合孔77が形成され、この嵌合孔77に、その後
方から前記下リード弁本体60が嵌入されて、前記両外
向きフランジ61,71が互いに重ね合わされている。
この場合、前記第1ボルト66により上リード弁本体7
0の基部の下面壁が下リード弁本体60の基部の上面壁
に共締めされており、これにより、上、下リード弁5
8,59が強固に一体化されている。また、上記第1ボ
ルト66、およびこの第1ボルト66のねじ付け用工具
を挿通させる作業孔78が上リード弁本体70の基部の
上面壁に形成され、この各作業孔78は、上リード弁本
体70に取り付けられた弁体74によって閉じられる。
【0022】図1、図3、および図4において、上記両
外向きフランジ61,71は第1取付ボルト79と第2
取付ボルト80とにより、一体的に前記吸気ポート42
の開口縁に着脱自在にねじ止めされている。上記第2取
付ボルト80は、上気筒22用のリード弁55のねじ止
めに兼用されている。また、上記下リード弁59の外向
きフランジ61には、前記スロットル弁49内を上リー
ド弁本体70内に連通させる連通孔81が形成されてい
る。
【0023】上記スロットル弁49は、上記両外向きフ
ランジ61,72に連なるスロットルボディ83を有
し、このスロットルボディ83内の吸気通路84にはバ
タフライ式のスロットル弁体85が設けられている。上
記スロットルボディ83は前記第1取付ボルト79と第
2取付ボルト80によりクランクケース20側に着脱自
在にねじ止めされている。また、同上スロットルボディ
83は第3取付ボルト86によっても同上クランクケー
ス20側に着脱自在にねじ止めされている。つまり、上
記リード弁48とスロットルボディ83とは第1取付ボ
ルト79、第2取付ボルト80、および第3取付ボルト
86によりクランクケース20側に着脱自在に共締めさ
れている。
【0024】図5と図6において、上記両外向きフラン
ジ61,71の間にはガスケット87が介設されてい
る。このガスケット87を異なる厚さの他のガスケット
87に交換すれば、上リード弁58と下リード弁59の
相対位置が調整できるようになっている。
【0025】図1と図3において、上記スロットルボデ
ィ83の上面壁には、その左右ほぼ中央に燃料噴射弁8
8が取り付けられている。そして、エンジン18の作動
時に、ピストン38が下死点(図1にて図示)から、上
昇し始めると、エンジン18外部の空気89がスロット
ルボディ83内の吸気通路84に吸入され、この空気8
9に向って上記燃料噴射弁88により燃料90が噴射さ
れる。
【0026】更に、吸気である上記空気89と燃料90
の混合気91が、下リード弁本体60と上リード弁本体
70の各吸入通路62,72を通ってクランク室33に
吸入される。この際、各弁体64,74は、上記ピスト
ン38の上昇に伴って生じるクランク室33の負圧によ
り弾性的に開弁変形して、自動的に開き、上記混合気9
1の通過を許容する。また、弁体64,74が開弁し過
ぎることは、これらの弾性変形部分が前記各ストッパ6
7,75と吸気ポート42の上、下面に形成した円弧凸
状のストッパ面に当接することや、上リード弁本体70
の下面に形成した円弧凸状のストッパ面92に当接する
ことにより防止される。
【0027】また、上記ピストン38の上昇時には、こ
のピストン38によって既に燃焼室41に送り込まれて
いた混合気91が圧縮される。上記ピストン38が上死
点近傍に位置したとき、燃焼室41内の混合気91が十
分に圧縮されて、点火プラグ40によって、点火燃焼さ
せられる。すると、ピストン38が押し下げられる。こ
の際、上記各弁体64,74はクランク室33内の圧力
で自動的に閉弁して、前記したようにクランク室33に
吸入されていた混合気91の逆流が防止される。そし
て、この混合気91が予圧縮され、この予圧縮された混
合気91が掃気ポート44を通って燃焼室41に送り込
まれる。一方、前記燃焼により生じた燃焼室41内の燃
焼ガス93は排気ポート45を通って排気される。上記
ピストン38が再び上昇すると、上記作用が繰り返さ
れ、エンジン18から動力が出力される。
【0028】図4において、上リード弁本体70の左右
幅寸法lは下リード弁本体60の幅寸法Lよりも小さく
されている。これにより、上記上リード弁本体70の左
右側部が、前記クランクケース20にシリンダ35をね
じ止めした前記ボルト35aと干渉し合うことが防止さ
れている。一方、上記下リード弁本体60は、上リード
弁本体70の下方に位置して上記ボルト35aとは、干
渉し合わないため、このボルト35aにかかわりなく下
リード弁本体60の幅寸法Lは大きくされ、この下リー
ド弁本体60の吸入通路62の断面積が大きくされてい
る。これにより、吸入通路62,72の断面積が全体と
して大きくなり、この吸入通路62,72を通る混合気
91の吸気抵抗の増加が抑えられて、充填効率の向上が
図られている。
【0029】また、上記したように吸入通路62,72
の断面積が全体として大きくされた分、これらの各下流
端開口62b,72bを通る混合気91の単位面積当り
の量が減ることとなり、よって、各弁体64,74の開
弁変形量が小さくて済む。このため、ピストン38が上
昇するときのクランク室33の負圧に対するこれら各弁
体64,74の開、閉弁動作の応答性が向上し、この点
でも、エンジン18の性能向上が得られる。更に、上記
したように上リード弁58と下リード弁59とが幅寸法
で相違していることに加えて、上記上リード弁58にお
ける吸入通路62の下流端開口62bが左右に向って一
列に形成され、これに対し、下リード弁59における吸
入通路72の下流端開口72bは左右に向って上下二列
配置されている。
【0030】このため、混合気91は上リード弁58の
吸入通路72よりも下リード弁59の吸入通路62をよ
り多く通ることとなり、つまり、混合気91は掃気ポー
ト44から比較的に遠い下リード弁59の吸入通路62
を多く通ってクランク室33に吸入されることとなる。
よって、リード弁48を通ってクランク室33に吸入さ
れた混合気91が掃気ポート44に短絡的に流入するこ
とが防止されることから、混合気91はクランク室33
で十分に混合された後、上記掃気ポート44を通って燃
焼室41に送り込まれることとなる。この結果、燃焼室
41における着火、燃焼が確実に行なわれ、エンジン1
8の性能が向上する。
【0031】前記空気89や混合気91が下リード弁本
体60内と上リード弁本体70内とに分かれて流入する
部分において、この流れを整流させる整流板94が上記
下リード弁59の外向きフランジ61に一体的に突設さ
れている。この整流板94は、各吸入通路62,72に
流れ込もうとする混合気91が境界層剥離を生じようと
することを防止し、これにより、吸気抵抗が大きくなる
ことが防止されている。また、前記燃料噴射弁88の燃
料噴射をある方向に定めることと、上記整流板94の形
状や突出方向を選択することにより、リード弁48の各
吸入通路62,72へ所望の燃料噴射量を分配させるこ
とができる。
【0032】上記各上流端開口62a,72aはいずれ
も左右に細長い長方形状をなし、これら全体としても左
右に長い長方形状をなしている。一方、上記スロットル
ボディ83の吸気通路84は左右一対の通路84a,8
4aで構成され、各通路84aはそれぞれ円形をなして
いる。また、これら両通路84a,84a間には仕切壁
95が介在している。そして、上記したようにリード弁
48の上流端開口62a,72aが全体として左右に長
い長方形状であるのに対応して、吸気通路84が左右一
対の通路84a,84aで構成されており、このように
して、上記スロットルボディ83の吸気通路84からリ
ード弁48の各吸入通路62,72への変移部の断面変
化が小さくなるようにされている。このため、混合気9
1は上記吸気通路84から吸入通路62,72へ円滑に
流入し、吸気抵抗の増加が抑制される。
【0033】また、上記スロットル弁体85は上記各通
路84aに、それぞれ設けられる円形の弁体85a,8
5aで構成され、これら弁体85a,85aは個々に開
閉可能とされている。そして、エンジン18の低速域で
は、一方の弁体85aのみが開閉させられ、高速域で
は、両弁体85aが同時に開閉させられるようになって
いる。この場合、両弁体85aは一体的に開閉させるよ
うにしてもよい。なお、上記構成や作用は、上気筒22
や、これに対応するリード弁55やスロットル弁56に
ついても同じである。また、上記エンジン18は、側面
の交角が90°をなすそれぞれ単一の下気筒21と上気
筒22とで構成してもよく、この場合、これら下気筒2
1と上気筒22は単一のクランク軸34を駆動させる。
更に、リード弁48における下流端開口62b,72b
の数は上記実施例に限定されず、これ以外の単数もしく
は複数にしてもよい。
【0034】図7から図11は第2〜第4実施例を示し
ている。なお、これら各実施例と上記第1実施例とが共
通する構成や作用については、図面に共通の符号を付し
てその説明を省略し、異なる部分について説明する。
【0035】(第2実施例)図7と図8は第2実施例を
示している。これによれば、燃料噴射弁88は各通路8
4aに対しそれぞれ設けられており、これらはスロット
ルボディ83の下面壁に取り付けられている。また、そ
の燃料90の噴射方向の中心は下リード弁本体60内に
向っている。この下リード弁本体60の吸入通路62の
開口面積は大きいため、上記燃料90は円滑にクランク
室33に流入する。
【0036】(第3実施例)図9と図10は、第3実施
例を示している。これによれば、燃料噴射弁88は各通
路84aに対しそれぞれ設けられており、これらはスロ
ットルボディ83の左右側壁に取り付けられている。ま
た、その燃料90の噴射方向の中心は下リード弁本体6
0内と上リード弁本体70内のほぼ境界部に向ってお
り、各吸入通路62,72に対し燃料90がほぼ均等に
供給される。
【0037】(第4実施例)図11は、第4実施例を示
している。これによれば、燃料噴射弁88は各通路84
aに対しそれぞれ設けられており、これらはスロットル
ボディ83の上面壁に取り付けられている。
【0038】(第5実施例)図12と図13は、第5実
施例を示している。これによれば、下リード弁59の外
向きフランジ61に嵌合孔77が形成され、この嵌合孔
77に上リード弁本体70がその後方から嵌入される。
そして、上記上リード弁58の外向きフランジ71に連
通孔81が形成され、この連通孔81が下リード弁本体
60内に連通している。また、第1ボルト66は下リー
ド弁本体60の上面壁を貫通して上リード弁本体70の
下面壁にねじ付けられるようになっており、作業孔78
は上記下リード弁本体60の下面壁に形成されている。
【0039】
【発明の効果】この発明によれば、リード弁を上、下リ
ード弁で構成して、これら上、下リード弁の各リード弁
本体をそれぞれクランクケース内に突出させたため、従
来、リード弁本体が単一であったことに比べて本発明の
リード弁本体の表面積はより大きくできる。よって、こ
れに形成される吸入通路の下流端開口の開口面積を十分
に大きくでき、この結果、上記吸入通路を通る混合気の
吸入抵抗を低減させて、充填効率等のエンジン性能を向
上させることができる。
【0040】また、吸入通路の下流端開口の開口面積を
大きくすると、ここを通る混合気の単位面積当りの量が
少なくなり、各弁体の開弁変形量が小さくて済む。この
ため、クランクケース内の負圧に対するこれら各弁体の
開、閉弁動作の応答性が向上し、この点でも、エンジン
性能の向上が達成される。
【0041】また、各弁体に対し、これらが過開弁する
ことを阻止するストッパが設けられるが、下リード弁の
弁体が過開弁することを阻止するストッパ面は上リード
弁の上リード弁本体の下面に形成されているため、下リ
ード弁の弁体については、別途のストッパを設けないで
済む分、リード弁の構成が簡単となり、また、リード弁
をコンパクトにできる。
【0042】上記の場合、各リード弁本体の基部にそれ
ぞれ外向きフランジを形成し、一方のリード弁本体に形
成した外向きフランジに、他方のリード弁本体を嵌入さ
せる嵌合孔を形成し、この嵌合で、上記両外向きフラン
ジを重ね合わせて、この重ね合わせた両外向きフランジ
をクランクケース側に取り付けてリード弁を支持させて
もよい。このようにすれば、各リード弁本体にそれぞれ
外向きフランジを形成し、これら外向きフランジを個々
に並べてクランクケースに取り付けることに比べて、両
リード弁本体を互いに接近させることができる。つま
り、リード弁は上、下リード弁で構成されてはいるが、
このリード弁はコンパクトにできる。また、両リード弁
本体の各基部同士を互いにねじ止めししてもよい。この
ようにすれば、上、下リード弁の結合が強固に行なわ
れ、リード弁を上記したように二つのリード弁で構成し
てはいるが、この場合にも、このリード弁に十分の強度
が確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例で、下気筒の軸心を垂直にみた状態
におけるエンジンの側面断面図である。
【図2】第1実施例で、自動二輪車の全体側面図であ
る。
【図3】第1実施例で、図1の3‐3線矢視図である。
【図4】第1実施例で、図1の4‐4線矢視図である。
【図5】第1実施例で、リード弁の側面展開図である。
【図6】第1実施例で、リード弁の平面展開図である。
【図7】第2実施例で、図1に相当する図である。
【図8】第2実施例で、図3の一部に相当する図であ
る。
【図9】第3実施例で、図1に相当する図である。
【図10】第3実施例で、図3の一部に相当する図であ
る。
【図11】第4実施例で、図3の一部に相当する図であ
る。
【図12】第5実施例で、図5に相当する図である。
【図13】第5実施例で、図6に相当する図である。
【符号の説明】
18 エンジン 20 クランクケース 35 シリンダ 37 軸心 42 吸気ポート 48 リード弁 58 上リード弁 59 下リード弁 60 下リード弁本体 61 外向きフランジ 62 吸入通路 62b 下流端開口 64 弁体 70 上リード弁本体 71 外向きフランジ 72 吸入通路 72b 下流端開口 74 弁体 77 嵌合孔 91 混合気 92 ストッパ面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランクケースに吸気ポートを形成し、
    この吸気ポートにリード弁を取り付けた2サイクルエン
    ジンにおいて、 上記クランクケースに突設されるシリンダの軸心を垂直
    にみたとき、上記リード弁を上下一対の上、下リード弁
    で構成し、これら上、下リード弁を、上記吸気ポートを
    通しクランクケース内に向って突出するリード弁本体
    と、これら各リード弁本体にそれぞれ貫設される吸入通
    路と、これら各吸入通路の下流端開口を開閉する弁体と
    でそれぞれ構成し、下リード弁の弁体が過開弁すること
    を阻止するストッパ面を上リード弁のリード弁本体の下
    面に形成した2サイクルエンジンのリード弁。
  2. 【請求項2】 各リード弁本体の基部にそれぞれ外向き
    フランジを形成し、一方のリード弁本体に形成した外向
    きフランジに、他方のリード弁本体を嵌入させる嵌合孔
    を形成し、この嵌合で、上記両外向きフランジを重ね合
    わせて、この重ね合わせた両外向きフランジをクランク
    ケース側に取り付けた請求項1に記載の2サイクルエン
    ジンのリード弁。
  3. 【請求項3】 両リード弁本体の各基部同士を互いにね
    じ止めした請求項1もしくは2に記載の2サイクルエン
    ジンのリード弁。
JP35923191A 1991-12-27 1991-12-27 2サイクルエンジンのリード弁 Pending JPH05179971A (ja)

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DE1992611311 DE69211311T2 (de) 1991-12-27 1992-12-28 Zweitakt-Brennkraftmaschine deren Einlass durch das Kurbelgehäuse von einer Blattventilvorrichtung gesteuert wird
US08/200,932 US5823150A (en) 1991-12-27 1994-02-22 Induction system for two cycle engine

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DE69211311D1 (de) 1996-07-11
EP0548993B1 (en) 1996-06-05
DE69211311T2 (de) 1996-10-02
EP0548993A1 (en) 1993-06-30

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