JPH08115482A - 防災システムの表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 実火災時に対応が遅れることを防止し、保守
・点検中などにおいて発報状態が表示されても不安を与
えることを防止する。 【構成】 通常の監視状態においては画面の状態表示エ
リア１２３には何も表示されない。予め設定されたシミ
ュレーションプログラムによる火災シミュレーション時
には画面の状態表示エリア１２３には「訓練中です」の
メッセージが表示される。また、状態表示エリア１２３
には保守・点検時には「保守・点検中です」のメッセー
ジが表示され、システム試験時には「システム試験で
す」のメッセージが表示される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、防災システムの各種状
態を表示する防災システムの表示装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、防災システムにおいて用いられ
ている防災センタ等に設けられる防災受信盤や地区毎に
設けられている地区表示盤には、火災感知器やガス漏れ
検出器などの防災端末が発報した場合にその場所などの
発報状態を表示するように構成されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
防災システムは、通常監視状態と、シミュレーションに
よる訓練状態と、保守・点検状態と、システム試験状態
などの各種の状態を有する。例えば保守・点検時には、
加熱試験器（熱感知器の場合）や加煙試験器（煙感知器
の場合）のような試験器により感知器を発報させて発報
状態を表示させることが行われ、また、シミュレーショ
ンによる訓練時には、このような試験器を用いる代わり
に受信機内に予め設定されてあるシミュレーションプロ
グラムにより火災シミュレーションが実行されて発報状
態等を表示させることが行われる。また、システム試験
時には定期的にシステム自体を自動的に試験を行い、異
常があった場合には異常内容等を表示させることが行わ
れる。

【０００４】しかしながら、従来の表示方法では、通常
監視状態以外の保守・点検時などにも発報があった場合
には通常監視状態と同様な内容の発報状態が表示される
ので、実火災が発生したのか又は保守・点検中であるの
かが判断できず、実火災時に対応が遅れるという問題点
がある。また、保守・点検中時には一般人に不安を与え
るという問題点があり、現状では、このような問題に対
処するために、保守・点検時には防災受信盤や地区表示
盤に、保守・点検中である旨を示す貼り紙などを貼付し
ている。

【０００５】本発明は上記従来の問題点に鑑み、実火災
時に対応が遅れることを防止すると共に、保守・点検中
などにおいて発報状態が表示されても不安を与えること
を防止することができる防災システムの表示装置を提供
することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、表示手段と、防災システムで設定される状
態の設定状況を示す旨を前記表示手段に表示する表示制
御手段を設けたことを特徴とする。また、防災システム
で設定される各種の状態は、通常監視状態、火災シミュ
レーションによる訓練状態、保守・点検状態、システム
試験状態等であることを特徴とする。

【０００７】また、防災システムで設定される各種の状
態の設定状態を示す旨をメッセージで表示手段に表示さ
せることを特徴とする。また、防災システムで設定され
る各種の状態毎に、表示画面の一部を異ならせるまたは
フリッカさせることを特徴とする。また、防災システム
で設定される各種の状態の設定状態を示す旨を音声メッ
セージで出力する音声出力手段を設けたことを特徴とす
る。

【０００８】また、防災システムで設定される各種の状
態毎に表示灯を設け、設定状態で対応する表示灯を点灯
または点滅させる表示制御手段を設けたことを特徴とす
る。また、表示手段は、防災受信盤と各地区に設けられ
る表示盤とを有することを特徴とする。

【０００９】

【作用】本発明では、表示手段に、防災システムの各種
状態の設定状況が表示されるので、例えば防災端末が発
報し、その旨が表示されても、状態表示がされているこ
とから、どの状態での発報かが直ぐにわかり、実火災時
に対応が遅れることを防止することができ、また、保守
・点検中などにおいて発報状態が表示されても不安を与
えることを防止することができる。

【００１０】

【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図１は本発明に係る防災システムの一実施例を示
すブロック図である。図１において、防災受信盤１０に
は制御部１１と、カラーＬＣＤ及びタッチパネルより成
るメッセージ表示部１２ａを有する表示部１２と、表示
盤移報部１３と、伝送部１４と、プリンタ部１５と、火
災シミュレーションを予め設定してあるシミュレーショ
ンプログラムで行うための火災訓練スイッチや、保守・
点検時に使用されるスイッチ等を有する操作部１６と、
音響部１７と電源部１８等が設けられている。

【００１１】図２に示すようにメッセージ表示部１２ａ
と、操作部１６と音響部１７は操作表示パネル１９上に
設けられ、また、火災訓練スイッチや保守・点検時に使
用されるスイッチのように通常では操作されない操作部
は開閉可能なカバー１６ａにより覆われている。プリン
タ部１５は例えば操作表示パネル１９の下側に設けられ
ている。

【００１２】制御部１１には火災発生時や保守・点検時
などにおいて後述するようなメニュー画面を表示するた
めのベース画面データ、メッセージ、シンボル、ソフト
キー用の各種表示部品及びこの表示部品のレイアウトデ
ータが予め記憶され、制御部１１はこれらの表示部品を
組み合わせることにより各種の画面を生成してメッセー
ジ表示部１２ａに表示させる。制御部１１はまた、表示
部品としてソフトキーを表示している状態でソフトキー
（タッチパネル）がタッチされるとタッチ情報に応じた
制御を行うと共に画面を切り替える制御を行う。

【００１３】表示盤２０は例えば地区毎に設けられ、防
災受信盤１０側の表示盤移報部１３に対して表示用伝送
路３１を介して接続されている。表示盤２０は制御部２
１と、表示盤移報部１３からの表示用データ等を受信す
る入力部２２と、メッセージ表示部２３ａを有する表示
部２３と、操作部２４と、音響部２５と電源部２６など
が設けられている。図３に示すようにメッセージ表示部
２３ａと操作部２４は操作表示パネル２７上に設けられ
ている。

【００１４】図１に戻り、防災受信盤１０の伝送部１４
には、共通の伝送路３２を介して火報用中継器３３、ア
ナログ煙感知器３４、アナログ熱感知器３５、制御用中
継器３６などの端末が接続されている。火報用中継器３
３にはオンオフ煙感知器３７、オンオフ熱感知器３８、
発信機３９などが接続され、制御用中継器３６には防排
煙機器４０ａ、消火ポンプ４０ｂなどが接続されてい
る。

【００１５】端末３３〜３６には予め固有のアドレスが
設定され、防災受信盤１０と端末３３〜３６は共通の伝
送線３２を介して例えばポーリング方式で通信を行う。
具体的には防災受信盤１０は火報用中継器３３、アナロ
グ煙感知器３４、アナログ熱感知器３５に対してそのア
ドレスを含む呼出コマンドを送信し、火報用中継器３
３、アナログ煙感知器３４、アナログ熱感知器３５は防
災受信盤１０に対して自己のアドレスと共に収集データ
を送信する。火報用中継器３３、アナログ煙感知器３
４、アナログ熱感知器３５はまた火災を検出した場合に
発報信号を送信する。防災受信盤１０は制御用中継器３
６に対して防排煙機器４０ａや消火ポンプ４０ｂを駆動
するためのコマンドを送信する。

【００１６】防災受信盤１０のメッセージ表示部１２ａ
には、端末３３〜３５が発報すると図４に示すような火
災／非火災確認画面１１０が表示される。この画面１１
０には、発報したことを示す火災マーク１１１と、その
階１１２、部屋名１１３と、例えば「火災です。現場を
確認して下さい。」のようなメッセージ１１５と、例え
ば「火災の場合「はい」を押して下さい。火災でない場
合「いいえ」を押して下さい。」のようなガイダンスメ
ッセージ１１６と、ソフトキーとして「はい」キー１１
７及び「いいえ」キー１１８が表示される。

【００１７】この画面１１０にはまた、「詳細」キー１
１９、「制御・鳴動」キー１２０、「グラフ表示」キー
１２１、「全体図」キー１２２などと、防災システムの
状態を表示するための状態表示エリア１２３が表示さ
れ、通常の監視状態ではこの状態表示エリア１２３には
何も表示されない。このような画面１１０により、防災
受信盤１０側で発報表示を確認した防災管理者等が発報
場所を知得して現場に直行することにより実際に火災が
発生しているか否かを確認することができる。

【００１８】なお、表示盤２０のメッセージ表示部２３
ａには、防災受信盤１０からの表示用伝送路３１を介し
て送信される表示用データ等を受信して表示する表示エ
リアとして、発報・制御内容等を表示するエリアと、シ
ステムの状態を表示するための状態表示エリアが設定さ
れる。発報・制御内容等を表示するエリアには、防災受
信盤１０のメッセージ表示部１２ａに表示される内容の
一部が表示される。

【００１９】次に、火災シミュレーションによる訓練の
場合を例にとって図５及び図６を参照して実施例の動作
を説明する。図５において通常監視状態（ステップＳ
１）において操作部１６の火災訓練スイッチが操作され
るとステップＳ２からステップＳ３に進み、シミュレー
ションプログラムによる訓練が開始される。次にステッ
プＳ４に進み、メッセージ表示部１２ａの状態表示エリ
アに「訓練中です」（又はシミュレーション中です」）
のメッセージが表示されると共に、訓練開始データが表
示盤移報部１３、表示用伝送路３１を介して表示盤２０
に送信され、メッセージ表示部２３ａの状態表示エリア
に同様に「訓練中です」のメッセージが表示される。

【００２０】ステップＳ５では予め設定されたシミュレ
ーションプログラムが実行され、プログラム上の疑似火
災を発生させると、例えば図６に示すようにメッセージ
表示部１２ａには実火災時と同様な火災／非火災確認画
面１１０が表示される。また、この火災情報データは表
示盤２０に送信され、メッセージ表示部２３ａの発報・
制御内容等を表示するエリアにも表示される（ステップ
Ｓ６）。

【００２１】そして、火災シミュレーションの実行中
（ステップＳ５〜Ｓ７）は、メッセージ表示部１２ａ及
び２３ａの状態表示エリアに訓練中を示す旨のメッセー
ジを固定して表示させる。ステップＳ８でシミュレーシ
ョンによる訓練が終了するとステップＳ９に進み、メッ
セージ表示部１２ａの状態表示エリア１２３に「火災訓
練は終了しました」のようなメッセージを所定時間表示
し、元の通常監視画面に戻る。この訓練終了データは表
示盤２０に送信され、メッセージ表示部２３ａの状態表
示エリアにも同様なメッセージが表示され、同じく元の
通常監視画面に戻る。

【００２２】したがって、上記実施例によれば、火災シ
ミュレーションを実行中には防災受信盤１０のメッセー
ジ表示部１２ａの状態表示エリア１２３及び地区毎に設
けられる表示盤２０のメッセージ表示部２３ａの状態表
示エリアに「訓練中です」などのメッセージを表示する
ので、現在表示されている防災情報が実火災によるもの
か訓練中によるものかを判断することができ、したがっ
て、実火災時に対応が遅れることを防止することができ
る。また、火災シミュレーションによる訓練実行中には
人々に不安を与えることを防止することができる。ま
た、火災シミュレーションを実行中に火災が発生して端
末３３〜３５が発報した場合にはシミュレーションは直
ちに中止され、図４に示す画面１１０を表示することに
より迅速に対応することができる。

【００２３】また、防災受信盤１０及び表示盤２０で
「訓練中です」などのメッセージを表示する代わりに、
又は併用して図６に示す空きエリア１２４を実際の発報
時にはグレーで表示し、火災シミュレーションを実行中
にはピンクで表示するようにして実際の発報時と火災シ
ミュレーション時では異なる色で表示したり、また、火
災シミュレーション時には画面の一部又は全部をフリッ
カさせるようにしてもよい。また、防災受信盤１０及び
表示盤２０で音声で「訓練中です」などのメッセージを
出力したり、「点検中」灯を別途設けて点滅させるよう
にしてもよい。

【００２４】更に、火災シミュレーション以外の状態と
して、加熱試験器や加煙試験器など試験器を用いて保守
・点検を行う場合には、保守・点検時に設定されるスイ
ッチ例えば試験復旧スイッチの操作を検出したり、専用
のスイッチの操作を検出することにより、メッセージ表
示部１２ａ及び２３ａの状態表示エリアに「保守・点検
中です」のようなメッセージを表示したり、また、上記
の如く防災受信盤１０及び表示盤２０で画面の色変更、
フリッカ表示、音声メッセージ出力、「点検中」灯の点
滅などを行うことにより、実火災時に対応が遅れること
を防止することができると共に、保守・点検時に不安を
与えることを防止することができる。また、保守・点検
時に実際に発報した場合には図４に示す画面１１０を表
示することにより通常監視状態であることが識別でき、
迅速に対応することができる。

【００２５】また、他のシステムの状態として、防災受
信盤１０から火報用中継器３３、アナログ煙感知器３
４、アナログ熱感知器３５に対して試験信号を送出し、
火報用中継器３３、アナログ煙感知器３４、アナログ熱
感知器３５等がこの試験信号を受けて疑似火災状態を作
り出して試験する自動遠隔試験等のシステム全体を自動
的に試験するシステム試験を行う場合にはメッセージ表
示部１２ａ及び２３ａの状態表示エリアに「システム試
験です」のようなメッセージを表示等するように構成す
ることができる。ここで、システム試験の結果は、防災
管理者の人がわかれば良いため、それ以外の人には無用
に驚かせることを防止するために表示盤２０には上記メ
ッセージなどは出力しない方が望ましい。

【００２６】なお、上記実施例では、端末が発報した場
合の表示についてのみ説明したが、障害情報等の防災情
報であれば同様に表示される。

【００２７】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、防
災システムの各種状態の設定状況が表示されるので、例
えば防災端末が発報し、その旨が表示されても、状態表
示がされていることから、どの状態での発報かが直ぐに
わかり、実火災時に対応が遅れることを防止することが
でき、また、保守・点検中などにおいて発報状態が表示
されても不安を与えることを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る防災システムの一実施例を示すブ
ロック図

【図２】図１の防災受信盤を示す正面図

【図３】図１の表示盤を示す正面図

【図４】通常監視時の火災／非火災確認画面を示す説明
図

【図５】訓練時の動作を説明するためのフローチャート

【図６】訓練時の火災／非火災確認画面を示す説明図

【符号の説明】

１０：防災受信盤 １１，２１：制御部 １２ａ，２３ａ：メッセージ表示部 １３：表示盤移報部 １４：伝送部 １５：プリンタ部 １６，２４：操作部 １７，２５：音響部 １８，２６：電源部 ２０：表示盤 ２１：制御部 ２２：入力部 ３１：表示用伝送路 ３２：伝送路 ３３：火報用中継器 ３４：アナログ煙感知器 ３５：アナログ熱感知器 ３６：制御用中継器 ３７：オンオフ煙感知器 ３８：オンオフ熱感知器 ３９：発信機 ４０ａ：防排煙機器 ４０ｂ：消火ポンプ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石田 真理子 東京都品川区上大崎２丁目10番43号 ホー チキ株式会社内 (72)発明者 小林 英雄 東京都品川区上大崎２丁目10番43号 ホー チキ株式会社内

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】表示手段と、 防災システムで設定される状態の設定状況を示す旨を前
   記表示手段に表示する表示制御手段を設けたことを特徴
   とする防災システムの表示装置。
2. 【請求項２】請求項１記載の防災システムの表示装置に
   おいて、前記防災システムで設定される各種の状態は、
   通常監視状態、火災シミュレーションによる訓練状態、
   保守・点検状態、システム試験状態等であることを特徴
   とする防災システムの表示装置。
3. 【請求項３】請求項１又は２記載の防災システムの表示
   装置において、前記防災システムで設定される各種の状
   態の設定状態を示す旨をメッセージで前記表示手段に表
   示させることを特徴とする防災システムの表示装置。
4. 【請求項４】請求項１乃至３のいずれかに記載の防災シ
   ステムの表示装置において、前記防災システムで設定さ
   れる各種の状態毎に、表示画面の一部を異ならせるまた
   はフリッカさせることを特徴とする防災システムの表示
   装置。
5. 【請求項５】請求項１乃至４のいずれかに記載の防災シ
   ステムの表示装置において、前記防災システムで設定さ
   れる各種の状態の設定状態を示す旨を音声メッセージで
   出力する音声出力手段を設けたことを特徴とする防災シ
   ステムの表示装置。
6. 【請求項６】請求項１乃至５のいずれかに記載の防災シ
   ステムの表示装置において、前記防災システムで設定さ
   れる各種の状態毎に表示灯を設け、設定状態で対応する
   表示灯を点灯または点滅させる表示制御手段を設けたこ
   とを特徴とする防災システムの表示装置。
7. 【請求項７】請求項１乃至６のいずれかに記載の防災シ
   ステムの表示装置において、前記表示手段は、防災受信
   盤と各地区に設けられる表示盤とを有することを特徴と
   する防災システムの表示装置。