JPH08113753A - 固形描画体 - Google Patents
固形描画体Info
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- JPH08113753A JPH08113753A JP27562294A JP27562294A JPH08113753A JP H08113753 A JPH08113753 A JP H08113753A JP 27562294 A JP27562294 A JP 27562294A JP 27562294 A JP27562294 A JP 27562294A JP H08113753 A JPH08113753 A JP H08113753A
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- Japan
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- wax
- solid drawing
- fatty acid
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ホーロー板、プラスチックフィルム板、プラ
スチック塗装板などの非吸収性表面をもつ筆記板に濃
く、均一に筆記でき、またその筆跡がティッシュペーパ
ー、布等で容易に消去でき、安全で非常に実用性の高い
固形描画体を得ることを目的とする。 【構成】 少なくとも顔料、ワックス、体質剤と、固形
描画体全量に対し15〜45重量%の常温で固体の脂肪
酸アミドとから成ることを特徴とする固形描画体。
スチック塗装板などの非吸収性表面をもつ筆記板に濃
く、均一に筆記でき、またその筆跡がティッシュペーパ
ー、布等で容易に消去でき、安全で非常に実用性の高い
固形描画体を得ることを目的とする。 【構成】 少なくとも顔料、ワックス、体質剤と、固形
描画体全量に対し15〜45重量%の常温で固体の脂肪
酸アミドとから成ることを特徴とする固形描画体。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は消去容易な固形描画体に
関するものであり、さらに詳しくは、ホーロー板、プラ
スチックフィルム板、プラスチック塗装板などの非吸収
性表面をもつ筆記板に濃く、均一に筆記でき、またその
筆跡がティッシュペーパー,布等で容易に消去できる固
形描画体に関するものである。
関するものであり、さらに詳しくは、ホーロー板、プラ
スチックフィルム板、プラスチック塗装板などの非吸収
性表面をもつ筆記板に濃く、均一に筆記でき、またその
筆跡がティッシュペーパー,布等で容易に消去できる固
形描画体に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来、ホーロー板、プラスチ
ックフィルム板、プラスチック塗装板などの非吸収性表
面をもつ筆記板上に容易に筆記、消去できる筆記具とし
て、いわゆるホワイトボード用マーカーがある。しかし
この種のマーカーは有機溶剤を使用しているので、イン
キの蒸発を防止するために気密性の良い堅牢な構造の容
器が必要であり、また、キャップを外したままにしてお
くと溶剤が蒸発して使用できなくなったり、特殊な有機
溶剤を用いる場合は人の健康面からも好ましくなかっ
た。
ックフィルム板、プラスチック塗装板などの非吸収性表
面をもつ筆記板上に容易に筆記、消去できる筆記具とし
て、いわゆるホワイトボード用マーカーがある。しかし
この種のマーカーは有機溶剤を使用しているので、イン
キの蒸発を防止するために気密性の良い堅牢な構造の容
器が必要であり、また、キャップを外したままにしてお
くと溶剤が蒸発して使用できなくなったり、特殊な有機
溶剤を用いる場合は人の健康面からも好ましくなかっ
た。
【0003】また、前記のいわゆるホワイトボード用マ
ーカーの欠点を改良するものとして、ティッシュペーパ
ー、布等で筆跡を消去できる固形描画体の提案がされて
いる。具体的には、特公昭55−41717号公報等
に、合成樹脂、脂肪族1価アルコール等の剥離剤、ミク
ロクリスタルパラフィンと脂肪酸アミド等の固形化剤、
有機溶剤、顔料から成る消去性クレヨンが提案されてい
る。しかしこの提案は長期間の露出によって有機溶剤が
蒸発し、描画体表面にフィルムが生じ、使用の度にフィ
ルムを取り除かなければならないという欠点があり、ま
た、前述したが有機溶剤を使用しているため、人の健康
面からも好ましいものではなかった。
ーカーの欠点を改良するものとして、ティッシュペーパ
ー、布等で筆跡を消去できる固形描画体の提案がされて
いる。具体的には、特公昭55−41717号公報等
に、合成樹脂、脂肪族1価アルコール等の剥離剤、ミク
ロクリスタルパラフィンと脂肪酸アミド等の固形化剤、
有機溶剤、顔料から成る消去性クレヨンが提案されてい
る。しかしこの提案は長期間の露出によって有機溶剤が
蒸発し、描画体表面にフィルムが生じ、使用の度にフィ
ルムを取り除かなければならないという欠点があり、ま
た、前述したが有機溶剤を使用しているため、人の健康
面からも好ましいものではなかった。
【0004】また、同様の用途に用いるものとして、粉
体の形状や、粒径を制御した固形描画体も提案されてい
る。具体的には、特開平4−279684号公報に、平
均粒径200μm以下の球状粒体を含有する固形筆記具
が、特開平4−139275号公報には、粒子径が0.
1μm以上の着色材とフタル酸エステルを含有する拭き
取り可能な固形描画材などが提案されている。特開平4
−279684号公報の固形筆記具は、着色剤の拭き取
りは比較的容易であるが、筆記板面に付着したワックス
は拭き取れないため、繰り返し使用すると筆記板面が汚
れてしまうという欠点があった。また、特開平4−13
9275号公報の拭き取り可能な固形描画材は、着色材
に粒子径0.1μm以上という制約があるうえ、通常使
用する着色剤に比べて大きい着色材を使用するので、着
色力が劣り濃く均一な筆跡は得られなかった。
体の形状や、粒径を制御した固形描画体も提案されてい
る。具体的には、特開平4−279684号公報に、平
均粒径200μm以下の球状粒体を含有する固形筆記具
が、特開平4−139275号公報には、粒子径が0.
1μm以上の着色材とフタル酸エステルを含有する拭き
取り可能な固形描画材などが提案されている。特開平4
−279684号公報の固形筆記具は、着色剤の拭き取
りは比較的容易であるが、筆記板面に付着したワックス
は拭き取れないため、繰り返し使用すると筆記板面が汚
れてしまうという欠点があった。また、特開平4−13
9275号公報の拭き取り可能な固形描画材は、着色材
に粒子径0.1μm以上という制約があるうえ、通常使
用する着色剤に比べて大きい着色材を使用するので、着
色力が劣り濃く均一な筆跡は得られなかった。
【0005】一方、前述のような非吸収性表面を有する
筆記板に用いることを目的とした固形描画体の従来技術
には、消去性を付与するための各種の剥離成分が開示さ
れており、これらは常温で難または不揮発性液体の流動
パラフィン、脂肪族1価アルコール、脂肪酸エステル、
フタル酸エステル、多価アルコール等がある。しかしこ
れらの剥離成分は液体であるために、筆跡の拭き取り後
にも筆記板面に少量の液体が付着したまま残り、繰り返
し使用における汚れ発生の原因となり、十分に満足でき
る消去性は得られなかった。
筆記板に用いることを目的とした固形描画体の従来技術
には、消去性を付与するための各種の剥離成分が開示さ
れており、これらは常温で難または不揮発性液体の流動
パラフィン、脂肪族1価アルコール、脂肪酸エステル、
フタル酸エステル、多価アルコール等がある。しかしこ
れらの剥離成分は液体であるために、筆跡の拭き取り後
にも筆記板面に少量の液体が付着したまま残り、繰り返
し使用における汚れ発生の原因となり、十分に満足でき
る消去性は得られなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は揮発性の有機
溶剤を含まず、長期間の露出においても組成の変化がな
く、また、粒径の制約がなく広範囲な顔料が使用可能
で、非吸収面をもつ筆記板に濃く、均一に筆記でき、特
に乾いたティッシュペーパー、布等で容易に消去できる
固形描画体を得ることを目的として成されたものであ
る。
溶剤を含まず、長期間の露出においても組成の変化がな
く、また、粒径の制約がなく広範囲な顔料が使用可能
で、非吸収面をもつ筆記板に濃く、均一に筆記でき、特
に乾いたティッシュペーパー、布等で容易に消去できる
固形描画体を得ることを目的として成されたものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、固形描画体
で筆記した筆跡の消去性を高めるために鋭意研究を重ね
た結果、顔料、ワックス、体質剤等よりなる固形描画体
に全重量に対してある特定の範囲の量で、常温で固体の
脂肪酸アミドを添加すると消去性に優れた筆跡、即ち乾
いたティッシュペーパー、布等で擦過するだけで容易に
拭きとれる筆跡が得られることを見出だし、この知見に
基づいて本発明をなすに至った。
で筆記した筆跡の消去性を高めるために鋭意研究を重ね
た結果、顔料、ワックス、体質剤等よりなる固形描画体
に全重量に対してある特定の範囲の量で、常温で固体の
脂肪酸アミドを添加すると消去性に優れた筆跡、即ち乾
いたティッシュペーパー、布等で擦過するだけで容易に
拭きとれる筆跡が得られることを見出だし、この知見に
基づいて本発明をなすに至った。
【0008】即ち本発明は、 「1.少なくとも顔料、ワックス、体質剤と、固形描画
体全量に対し15〜45重量%の常温で固体の脂肪酸ア
ミドとから成ることを特徴とする固形描画体。 2.脂肪酸アミドの少なくとも一部が不飽和脂肪酸アミ
ドである第1項に記載の固形描画体。 3.脂肪酸アミドの少なくとも一部がN−置換不飽和脂
肪酸アミドである第1項または第2項に記載の固形描画
体。 4.脂肪酸アミドの少なくとも一部がエルカ酸アミド、
オレイン酸アミドから選ばれたものである第1項乃至第
3項の何れかに記載の固形描画体。 5.ワックスの少なくとも一部がパラフィンワックスで
ある第1項乃至第4項の何れかに記載の固形描画体。 6.ワックスの少なくとも一部がモクロウである第1項
乃至第5項の何れかに記載の固形描画体。 7.体質剤と顔料の合計量が固形描画体全量に対し40
重量%以上である第1項乃至第6項の何れかに記載の固
形描画体。 8.ワックスに対する脂肪酸アミドの使用量の比がワッ
クス全量を1として1.0〜3.0である第1項乃至第
7項の何れかに記載の固形描画体。」を特徴とする固形
描画体である。
体全量に対し15〜45重量%の常温で固体の脂肪酸ア
ミドとから成ることを特徴とする固形描画体。 2.脂肪酸アミドの少なくとも一部が不飽和脂肪酸アミ
ドである第1項に記載の固形描画体。 3.脂肪酸アミドの少なくとも一部がN−置換不飽和脂
肪酸アミドである第1項または第2項に記載の固形描画
体。 4.脂肪酸アミドの少なくとも一部がエルカ酸アミド、
オレイン酸アミドから選ばれたものである第1項乃至第
3項の何れかに記載の固形描画体。 5.ワックスの少なくとも一部がパラフィンワックスで
ある第1項乃至第4項の何れかに記載の固形描画体。 6.ワックスの少なくとも一部がモクロウである第1項
乃至第5項の何れかに記載の固形描画体。 7.体質剤と顔料の合計量が固形描画体全量に対し40
重量%以上である第1項乃至第6項の何れかに記載の固
形描画体。 8.ワックスに対する脂肪酸アミドの使用量の比がワッ
クス全量を1として1.0〜3.0である第1項乃至第
7項の何れかに記載の固形描画体。」を特徴とする固形
描画体である。
【0009】本発明に用いるワックスは賦型剤および平
滑面への付着性を付与するために使用するものであり、
植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、石
油系ワックスなどの天然ワックス、合成炭化水素、変性
ワックス、水素化ワックスなどの合成ワックスなど、種
類に関係なく用いられる。具体的には、モクロウ、ミツ
ロウ、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ラ
イスワックス、モンタンワックス、ラノリン、ホホバ
油、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワック
ス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワ
ックス、モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス
誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体、硬化ひ
まし油及びその誘導体、ヒドロキシステアリン酸及びそ
の誘導体、一価アルコール脂肪酸エステル、多価アルコ
ール脂肪酸エステルなどがある。これらのワックスは1
種または2種以上混合して用いられ、その使用量は固形
描画体全量に対して5〜30重量%が適当である。5重
量%未満では、板面に対する付着性が弱くなるため筆記
できず、30重量%を超えると消去性が悪くなるため好
ましくない。また、モクロウは筆記板に筆記するときの
筆感がよく、特に均一な筆跡が得られ、パラフィンワッ
クスは脂肪酸アミドとの相溶性が良好であるので、脂肪
酸アミドが経時的にブリードする現象を抑制し、固形描
画体の経時安定性を向上させるためより好ましく用いら
れる。
滑面への付着性を付与するために使用するものであり、
植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、石
油系ワックスなどの天然ワックス、合成炭化水素、変性
ワックス、水素化ワックスなどの合成ワックスなど、種
類に関係なく用いられる。具体的には、モクロウ、ミツ
ロウ、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ラ
イスワックス、モンタンワックス、ラノリン、ホホバ
油、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワック
ス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワ
ックス、モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス
誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体、硬化ひ
まし油及びその誘導体、ヒドロキシステアリン酸及びそ
の誘導体、一価アルコール脂肪酸エステル、多価アルコ
ール脂肪酸エステルなどがある。これらのワックスは1
種または2種以上混合して用いられ、その使用量は固形
描画体全量に対して5〜30重量%が適当である。5重
量%未満では、板面に対する付着性が弱くなるため筆記
できず、30重量%を超えると消去性が悪くなるため好
ましくない。また、モクロウは筆記板に筆記するときの
筆感がよく、特に均一な筆跡が得られ、パラフィンワッ
クスは脂肪酸アミドとの相溶性が良好であるので、脂肪
酸アミドが経時的にブリードする現象を抑制し、固形描
画体の経時安定性を向上させるためより好ましく用いら
れる。
【0010】本発明では、脂肪酸アミドは、固形描画体
で筆記した筆跡の消去性を良好にするために用いるもの
であり、脂肪酸アミドは賦形力が小さいために脂肪酸ア
ミドおよび着色剤等で構成した固形描画体は、その形状
を保つことが難しく、従って、ワックスとの併用が必要
となる。本発明では脂肪酸アミドを固形描画体全量に対
し15〜45重量%配合することにより、剥離性が向上
し、ワックス等の筆記板面への付着を弱め、布などによ
る消去を容易にする効果が得られる。
で筆記した筆跡の消去性を良好にするために用いるもの
であり、脂肪酸アミドは賦形力が小さいために脂肪酸ア
ミドおよび着色剤等で構成した固形描画体は、その形状
を保つことが難しく、従って、ワックスとの併用が必要
となる。本発明では脂肪酸アミドを固形描画体全量に対
し15〜45重量%配合することにより、剥離性が向上
し、ワックス等の筆記板面への付着を弱め、布などによ
る消去を容易にする効果が得られる。
【0011】本発明に用いる脂肪酸アミドは固形描画体
全量に対し15〜45重量%と比較的多量に配合するた
め、固形描画体を得るために常温で固体であるものを用
いる。脂肪酸アミドには、飽和脂肪酸アミド、不飽和脂
肪酸アミド、N−置換脂肪酸アミドなどがある。具体的
にはラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチ
ン酸アミド、ステアリン酸アミド、アラキン酸アミド、
ベヘン酸アミド、リグノセリン酸アミド、エライジン酸
アミド、リノール酸アミド、エルカ酸アミド、オレイン
酸アミド、やし脂肪酸モノエタノールアミド、ステアリ
ン酸ジエタノールアミド、N−オレイルステアリン酸ア
ミド、N−オレイルオレイン酸アミド、N−ステアリル
オレイン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミドなど
が挙げられる。
全量に対し15〜45重量%と比較的多量に配合するた
め、固形描画体を得るために常温で固体であるものを用
いる。脂肪酸アミドには、飽和脂肪酸アミド、不飽和脂
肪酸アミド、N−置換脂肪酸アミドなどがある。具体的
にはラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチ
ン酸アミド、ステアリン酸アミド、アラキン酸アミド、
ベヘン酸アミド、リグノセリン酸アミド、エライジン酸
アミド、リノール酸アミド、エルカ酸アミド、オレイン
酸アミド、やし脂肪酸モノエタノールアミド、ステアリ
ン酸ジエタノールアミド、N−オレイルステアリン酸ア
ミド、N−オレイルオレイン酸アミド、N−ステアリル
オレイン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミドなど
が挙げられる。
【0012】板面に対する筆記性を良好にするために脂
肪酸アミドの融点は45〜120℃の範囲が好ましい。
融点が45℃に満たないと、筆記の際に手や指へのべた
つきが生じるとともに固形描画体の強度が弱くなり、1
20℃を超えると固形描画体が硬くなりすぎて筆記が困
難になる。
肪酸アミドの融点は45〜120℃の範囲が好ましい。
融点が45℃に満たないと、筆記の際に手や指へのべた
つきが生じるとともに固形描画体の強度が弱くなり、1
20℃を超えると固形描画体が硬くなりすぎて筆記が困
難になる。
【0013】脂肪酸アミドの中でも消去性の観点から好
適には不飽和脂肪酸アミドが用いられ、最適にはエルカ
酸アミド、オレイン酸アミドが用いられる。
適には不飽和脂肪酸アミドが用いられ、最適にはエルカ
酸アミド、オレイン酸アミドが用いられる。
【0014】これらの脂肪酸アミドは、1種または2種
以上混合して用いられ、その使用量は、固形描画体全量
に対して15〜45重量%の範囲で用いることができ、
より好ましくは15〜30重量%の範囲で配合できる。
この範囲より少ないと消去性が劣る傾向になり、またこ
の範囲を越えると均一な濃度の筆跡が得られなくなると
ともに、脂肪酸アミドは賦形力が小さく、固形描画体の
構造が脆くなる傾向になるため好ましくない。
以上混合して用いられ、その使用量は、固形描画体全量
に対して15〜45重量%の範囲で用いることができ、
より好ましくは15〜30重量%の範囲で配合できる。
この範囲より少ないと消去性が劣る傾向になり、またこ
の範囲を越えると均一な濃度の筆跡が得られなくなると
ともに、脂肪酸アミドは賦形力が小さく、固形描画体の
構造が脆くなる傾向になるため好ましくない。
【0015】また、ワックスに対する脂肪酸アミドの使
用量の比がワックス全量を1として1.0〜3.0であ
るとワックスの付着力と、脂肪酸アミドの剥離性とのバ
ランスが良好となり、濃く均一に筆記でき、また、容易
に布等で消去できる固形描画体を得ることができる。
用量の比がワックス全量を1として1.0〜3.0であ
るとワックスの付着力と、脂肪酸アミドの剥離性とのバ
ランスが良好となり、濃く均一に筆記でき、また、容易
に布等で消去できる固形描画体を得ることができる。
【0016】脂肪酸アミド、特に不飽和基を有する脂肪
酸アミド、中でもエルカ酸アミド、オレイン酸アミドを
用いたときに消去性が優れる理由は明らかではない。し
かし、本発明者が推察するところでは、ワックスと筆記
板面との付着性が、脂肪酸アミド、特に不飽和脂肪酸ア
ミドの界面作用により弱められ、消去性が向上すると考
える。
酸アミド、中でもエルカ酸アミド、オレイン酸アミドを
用いたときに消去性が優れる理由は明らかではない。し
かし、本発明者が推察するところでは、ワックスと筆記
板面との付着性が、脂肪酸アミド、特に不飽和脂肪酸ア
ミドの界面作用により弱められ、消去性が向上すると考
える。
【0017】本発明に用いる顔料は着色剤の役割を果た
している。顔料は染料に比べ筆記板表面への染着残りが
なく、消去性の観点から好ましい着色剤である。また、
本発明に用いる顔料はいくつかの先行例で見られるよう
な顔料の粒径や、粒子形状にとらわれることなく使用で
きる。使用する顔料は、群青、紺青、弁柄、カドミウム
レッド、カドミウムイエロー、酸化チタン、カーボンブ
ラック、インダスロンブルー、フタロシアニンブルー、
フタロシアニングリーン、レーキレッド、リソールレッ
ド、ハンザイエロー、蛍光顔料等多種多様な広い範囲の
有機、無機顔料が使用できる。また、顔料の分散性など
を改善するため合成樹脂、ワックス等で処理した加工顔
料を用いることもできる。顔料は、1種または2種以上
混合して用いられ、その使用量は、固形描画体全量に対
して5〜30重量%が適当である。
している。顔料は染料に比べ筆記板表面への染着残りが
なく、消去性の観点から好ましい着色剤である。また、
本発明に用いる顔料はいくつかの先行例で見られるよう
な顔料の粒径や、粒子形状にとらわれることなく使用で
きる。使用する顔料は、群青、紺青、弁柄、カドミウム
レッド、カドミウムイエロー、酸化チタン、カーボンブ
ラック、インダスロンブルー、フタロシアニンブルー、
フタロシアニングリーン、レーキレッド、リソールレッ
ド、ハンザイエロー、蛍光顔料等多種多様な広い範囲の
有機、無機顔料が使用できる。また、顔料の分散性など
を改善するため合成樹脂、ワックス等で処理した加工顔
料を用いることもできる。顔料は、1種または2種以上
混合して用いられ、その使用量は、固形描画体全量に対
して5〜30重量%が適当である。
【0018】本発明に用いる体質剤は、重質炭酸カルシ
ウム、軽質炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸バリウ
ム、炭酸マグネシウム、タルク、クレー、シリカ粉、微
粉ケイ酸、珪石粉、珪藻土、アルミナ等が用いられ、特
に炭酸カルシウムが最適である。これらは、1種または
2種以上混合して用いられ、その使用量は、固形描画体
全量に対して30〜60重量%が適当である。
ウム、軽質炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸バリウ
ム、炭酸マグネシウム、タルク、クレー、シリカ粉、微
粉ケイ酸、珪石粉、珪藻土、アルミナ等が用いられ、特
に炭酸カルシウムが最適である。これらは、1種または
2種以上混合して用いられ、その使用量は、固形描画体
全量に対して30〜60重量%が適当である。
【0019】また、体質剤と顔料は、ワックス等を吸着
することによってワックスの付着力を低減し、さらに、
筆記板面に残ったワックス等を掻き取る作用があるた
め、これらの合計使用量が、固形描画体全量に対して4
0重量%以上であると消去時に筆記板面にワックス等が
残らず消去性が向上し、繰り返し使用による板面の汚れ
も生じない。
することによってワックスの付着力を低減し、さらに、
筆記板面に残ったワックス等を掻き取る作用があるた
め、これらの合計使用量が、固形描画体全量に対して4
0重量%以上であると消去時に筆記板面にワックス等が
残らず消去性が向上し、繰り返し使用による板面の汚れ
も生じない。
【0020】また、上記成分以外にも必要に応じて、筆
記性を向上させるために脂肪酸、金属セッケン等の滑剤
を添加したり、消去性、賦形性を向上させるために樹脂
を、また防かび剤、抗菌剤、香料等を適宜添加しても良
い。
記性を向上させるために脂肪酸、金属セッケン等の滑剤
を添加したり、消去性、賦形性を向上させるために樹脂
を、また防かび剤、抗菌剤、香料等を適宜添加しても良
い。
【0021】本発明の固形描画体は次のような方法で製
造することができる。体質剤と顔料以外の成分、即ち、
ワックス、脂肪酸アミド、その他の添加物をミキサー中
で加熱溶解し、均一にする。続いて顔料、体質剤を加え
てさらに加熱撹拌を行い均一な分散液とする。該分散液
を鋳型に注型した後冷却固化して、円柱状の固形描画体
を得ることができる。或いは、上記分散液を一旦冷却固
化し、粗砕した後に、押出成形機で円柱状に押出し所定
の長さに切断して固形描画体を得ることもできる。
造することができる。体質剤と顔料以外の成分、即ち、
ワックス、脂肪酸アミド、その他の添加物をミキサー中
で加熱溶解し、均一にする。続いて顔料、体質剤を加え
てさらに加熱撹拌を行い均一な分散液とする。該分散液
を鋳型に注型した後冷却固化して、円柱状の固形描画体
を得ることができる。或いは、上記分散液を一旦冷却固
化し、粗砕した後に、押出成形機で円柱状に押出し所定
の長さに切断して固形描画体を得ることもできる。
【0022】前記のように成形した固形描画体は、その
まま、或いは紙巻き、或いは繰出し容器に収容して筆記
具として使用する。本発明の固形描画体を適用する筆記
板は非吸収面を有するホーロー板、プラスチックフィル
ム板、プラスチック塗装板などが挙げられる。筆跡を拭
きとる消去具は、ティッシュペーパー、布、これらを表
面に配した消去具を用い、筆跡を数回擦過することによ
り極めて容易に乾式で消去することができる。
まま、或いは紙巻き、或いは繰出し容器に収容して筆記
具として使用する。本発明の固形描画体を適用する筆記
板は非吸収面を有するホーロー板、プラスチックフィル
ム板、プラスチック塗装板などが挙げられる。筆跡を拭
きとる消去具は、ティッシュペーパー、布、これらを表
面に配した消去具を用い、筆跡を数回擦過することによ
り極めて容易に乾式で消去することができる。
【0023】
【実施例】次に実施例、比較例によって本発明をさらに
詳細に説明する。
詳細に説明する。
【0024】実施例1 モクロウ 4重量% パラフィンワックス 12重量% オレイン酸アミド 20重量% 炭酸カルシウム 40重量% カーボンブラック 12重量% パルミチン酸 12重量% モクロウ、パラフィンワックス、オレイン酸アミド、パ
ルミチン酸をミキサー中で80℃で加熱溶解した後、炭
酸カルシウム、カーボンブラックを加えてさらに加熱撹
拌して均一な分散液とした。分散液を所定の鋳型に流し
込み冷却固化して成形しφ9×75mmの円柱状の黒色
の固形描画体を得た。
ルミチン酸をミキサー中で80℃で加熱溶解した後、炭
酸カルシウム、カーボンブラックを加えてさらに加熱撹
拌して均一な分散液とした。分散液を所定の鋳型に流し
込み冷却固化して成形しφ9×75mmの円柱状の黒色
の固形描画体を得た。
【0025】実施例2〜6 表1に記載した配合により実施例2〜6の固形描画体を
作製した。作製にあたっては、まず、ワックス、脂肪酸
アミド、添加剤を80℃で加熱溶解した後、体質剤、顔
料を加えてさらに加熱撹拌して均一な分散液とし、分散
液を所定の鋳型に流し込み冷却固化して成形し、実施例
2〜4では黒色の、実施例5では青色の、実施例6では
赤色の円柱状の固形描画体を得た。
作製した。作製にあたっては、まず、ワックス、脂肪酸
アミド、添加剤を80℃で加熱溶解した後、体質剤、顔
料を加えてさらに加熱撹拌して均一な分散液とし、分散
液を所定の鋳型に流し込み冷却固化して成形し、実施例
2〜4では黒色の、実施例5では青色の、実施例6では
赤色の円柱状の固形描画体を得た。
【0026】表1に実施例1〜6の組成を示す。表1中
の組成の数値は重量%で表されている。
の組成の数値は重量%で表されている。
【0027】
【表1】
【0028】比較例1〜4 表2に記載した配合により比較例1〜4の固形描画体を
作製した。作製にあたっては、まず、ワックス、脂肪酸
アミド、添加剤を80℃で加熱溶解した後、体質剤、顔
料を加えてさらに加熱撹拌して均一な分散液とし、分散
液を所定の鋳型に流し込み冷却固化して成形し、黒色の
円柱状の固形描画体を得た。
作製した。作製にあたっては、まず、ワックス、脂肪酸
アミド、添加剤を80℃で加熱溶解した後、体質剤、顔
料を加えてさらに加熱撹拌して均一な分散液とし、分散
液を所定の鋳型に流し込み冷却固化して成形し、黒色の
円柱状の固形描画体を得た。
【0029】表2に比較例1〜4の組成を示す。表2中
の組成の数値は重量%で表されている。
の組成の数値は重量%で表されている。
【0030】
【表2】
【0031】実施例1〜6、比較例1〜4の固形描画体
を用いて市販のアクリル塗装のホワイトボードに筆記
し、その筆跡を布で擦過することにより、筆記性・消去
性の試験を行った。
を用いて市販のアクリル塗装のホワイトボードに筆記
し、その筆跡を布で擦過することにより、筆記性・消去
性の試験を行った。
【0032】結果を表3に記載する。試験方法および表
3中の評価の記号は以下の通りである。筆記試験とし
て、300gの荷重で市販のアクリル塗装のホワイトボ
ードに筆記し、筆跡の濃さと均一性を目視により評価し
た。 ◎:非常に濃く均一に筆記できる ○:濃く均一に筆記できる ×:薄く、均一に筆記できない 消去試験として、5cm角の布を用い、500gの荷重
で筆跡を数回擦過し、筆跡が消去できるまでの回数を測
定した。 ◎:往復1回で消去可能 ○:往復2回で消去可能 ×:消去できるまで往復5回以上かかった。
3中の評価の記号は以下の通りである。筆記試験とし
て、300gの荷重で市販のアクリル塗装のホワイトボ
ードに筆記し、筆跡の濃さと均一性を目視により評価し
た。 ◎:非常に濃く均一に筆記できる ○:濃く均一に筆記できる ×:薄く、均一に筆記できない 消去試験として、5cm角の布を用い、500gの荷重
で筆跡を数回擦過し、筆跡が消去できるまでの回数を測
定した。 ◎:往復1回で消去可能 ○:往復2回で消去可能 ×:消去できるまで往復5回以上かかった。
【0033】
【表3】
【0034】
【発明の効果】本発明の固形描画体はホーロー板、プラ
スチックフィルム板、プラスチック塗装板などの非吸収
性表面をもつ筆記板に濃く、均一に筆記でき、またその
筆跡がティッシュペーパー、布等で容易に消去でき、安
全で非常に実用性の高い固形描画体を得ることができ
た。
スチックフィルム板、プラスチック塗装板などの非吸収
性表面をもつ筆記板に濃く、均一に筆記でき、またその
筆跡がティッシュペーパー、布等で容易に消去でき、安
全で非常に実用性の高い固形描画体を得ることができ
た。
Claims (8)
- 【請求項1】 少なくとも顔料、ワックス、体質剤と、
固形描画体全量に対し15〜45重量%の常温で固体の
脂肪酸アミドとから成ることを特徴とする固形描画体。 - 【請求項2】 脂肪酸アミドの少なくとも一部が不飽和
脂肪酸アミドである請求項1に記載の固形描画体。 - 【請求項3】 脂肪酸アミドの少なくとも一部がN−置
換不飽和脂肪酸アミドである請求項1または2に記載の
固形描画体。 - 【請求項4】 脂肪酸アミドの少なくとも一部がエルカ
酸アミド、オレイン酸アミドから選ばれたものである請
求項1乃至3の何れかに記載の固形描画体。 - 【請求項5】 ワックスの少なくとも一部がパラフィン
ワックスである請求項1乃至4の何れかに記載の固形描
画体。 - 【請求項6】 ワックスの少なくとも一部がモクロウで
ある請求項1乃至5の何れかに記載の固形描画体。 - 【請求項7】 体質剤と顔料の合計量が固形描画体全量
に対し40重量%以上である請求項1乃至6の何れかに
記載の固形描画体。 - 【請求項8】 ワックスに対する脂肪酸アミドの使用量
の比がワックス全量を1として1.0〜3.0である請
求項1乃至7の何れかに記載の固形描画体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27562294A JPH08113753A (ja) | 1994-10-14 | 1994-10-14 | 固形描画体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27562294A JPH08113753A (ja) | 1994-10-14 | 1994-10-14 | 固形描画体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08113753A true JPH08113753A (ja) | 1996-05-07 |
Family
ID=17558023
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27562294A Pending JPH08113753A (ja) | 1994-10-14 | 1994-10-14 | 固形描画体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08113753A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003004550A (ja) * | 2001-06-20 | 2003-01-08 | Nichiyu Giken Kogyo Co Ltd | 固形状の温度表示材 |
JP2012236952A (ja) * | 2011-05-13 | 2012-12-06 | Sakura Color Products Corp | 消去性固形描画材 |
JP2013035166A (ja) * | 2011-08-05 | 2013-02-21 | Mitsubishi Pencil Co Ltd | 固形描画具 |
JP2013035906A (ja) * | 2011-08-05 | 2013-02-21 | Mitsubishi Pencil Co Ltd | 固形描画材 |
-
1994
- 1994-10-14 JP JP27562294A patent/JPH08113753A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003004550A (ja) * | 2001-06-20 | 2003-01-08 | Nichiyu Giken Kogyo Co Ltd | 固形状の温度表示材 |
JP2012236952A (ja) * | 2011-05-13 | 2012-12-06 | Sakura Color Products Corp | 消去性固形描画材 |
JP2013035166A (ja) * | 2011-08-05 | 2013-02-21 | Mitsubishi Pencil Co Ltd | 固形描画具 |
JP2013035906A (ja) * | 2011-08-05 | 2013-02-21 | Mitsubishi Pencil Co Ltd | 固形描画材 |
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