JPH08109729A - コンクリート表面に対する模様成形法およびそれに用いる化粧マット - Google Patents

コンクリート表面に対する模様成形法およびそれに用いる化粧マット

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JPH08109729A
JPH08109729A JP24813694A JP24813694A JPH08109729A JP H08109729 A JPH08109729 A JP H08109729A JP 24813694 A JP24813694 A JP 24813694A JP 24813694 A JP24813694 A JP 24813694A JP H08109729 A JPH08109729 A JP H08109729A
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concrete
adhesive
adhesive layer
uneven pattern
mat
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Nobuo Iwatani
宣夫 岩谷
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】表面に所望の色調が表現されたコンクリート製
品が形成された模様成形法を提供する。 【構成】凹凸模様転写面4に、コンクリート材料中の水
分等により粘着力が減少する下記に示す粘着剤(A)に
よって形成された粘着層5を介して多数の着色粒状物6
が分布されている化粧マット1を準備する。ついで、こ
の化粧マット1の上記凹凸模様転写面4をコンクリート
表面に対する接触面にしてコンクリート材料を打設し、
コンクリート材料の水分等により上記粘着層5の粘着力
を低減させて上記着色粒状物6をコンクリート表面に移
行埋設させるとともに、コンクリート表面を上記凹凸模
様転写面4の転写により凹凸模様面に形成してコンクリ
ート製品を作製する。 (A)ポリビニルアルコールを主成分とし、これに、ホ
ウ酸およびホウ砂の少なくとも一方が配合された粘着
剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンクリート表面に対
する模様成形法およびそれに用いる化粧マットに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、コンクリート表面にカラー表現さ
れた凹凸模様を形成する場合、つぎのような方法が行わ
れている。すなわち、まず、図4に示すような化粧マッ
ト(化粧型枠)10を用意する。この化粧マット10は
硬質のウレタン発泡体で構成され、一方の面が、コンク
リート材料に接触してコンクリート表面に凹凸模様を転
写する凹凸模様転写面13に、他方の面が平坦な背面1
4に形成されている。この化粧マット10は、内部に発
泡層11を、表層部分にインテグラルスキン層12を備
えており、このインテグラルスキン層12は、実質的に
気泡が存在しないか、または存在するとしても極めて微
小な気泡が存在するにすぎない層であり、上記発泡層1
1に比べて高密度で緻密に形成され、表面平滑性に富ん
でいる。このインテグラルスキン層12の平滑な表面で
上記凹凸模様転写面13が形成されている。このような
化粧マット10の凹凸模様転写面13に施工現場で離型
剤を塗布し、ついで、図5に示すように、上記化粧マッ
ト10と型枠16とを正面対設状態で配置し、側方の開
口と底部の開口(図示せず)を板材等で塞ぎ、上部開口
からコンクリート材料15を流し込む。17は板材であ
る。そののち、上記コンクリート材料15を硬化させて
コンクリート化させ、これを、図6に示すように、上記
化粧マット10から離型させる。このようにして得られ
たコンクリート板18’の表面には上記化粧マット10
の凹凸模様が転写されて、自然石風の凹凸模様が形成さ
れるようになる。そののち、上記凹凸模様面に吹付け材
等で塗装が行われてカラー表現され一層自然調が強調さ
れる。
【0003】しかし、上記塗装に用いられる塗料には有
機系の塗料が多く、変色したり、褪色したりしやすいう
え、塗料中の有機材が劣化しやすいため、無機系の材質
(例えば天然石等)を用いて模様成形したものと比べて
長期の耐久性に劣る。したがって、一定期間後に上記塗
装が行われた凹凸模様面を塗り変えなければならず、こ
の塗り変え(リフレッシュ)等のメンテナンスに多大の
費用を要する。
【0004】上記のような問題点を解決するために、本
願出願人は、つぎのようなコンクリート表面に対する模
様成形法を出願している(特開平6−71623号公
報)。これは、予め、吸水により粘着力が減少する粘着
層を介して多数の着色粒状物が分布された化粧マットを
準備し、この化粧マットの凹凸模様転写面を接触面にし
てコンクリート材料を打設する。そして、上記着色粒状
物をコンクリート表面に移行埋設させるとともにコンク
リート表面を凹凸模様に形成する方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この方法によって、耐
久性に優れ、自然調のカラー表現がされたコンクリート
成形品が得られるようになった。しかしながら、一般
に、成形型枠内へのコンクリート材料の充填時および充
填直後には、脱気等のために、成形型枠を振動させた
り、コンクリート材料中にバイブレーターを挿入し振動
を加えるという工程が行われる。この工程が行われる
と、粘着層を介して化粧マット表面の所定位置に分布さ
れていた着色粒状物が、上記振動によって所定位置から
移行し、その結果、コンクリート成形品の所定位置に着
色粒状物を転写することが困難となり、所望のカラー表
現ができないという問題が発生する。これは、従来の形
成材料により形成される粘着層では、コンクリート材料
中の水分によって粘着力が急激に減少して、上記振動に
よって着色粒状物が化粧マット表面から剥がれてしま
い、着色粒状物を所定位置に保持することができないと
いう粘着力維持の時間的要因に起因する。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、コンクリート成形品表面に所望の色調が表現さ
れたコンクリートを形成しうる模様成形法およびそれに
用いる化粧マットの提供をその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、凹凸模様転写面に、コンクリート材料中
の水分等により粘着力が減少する下記に示す粘着剤
(A)によって形成された粘着層を介して多数の着色粒
状物が分布されている化粧マットを準備し、この化粧マ
ットの上記凹凸模様転写面をコンクリート表面に対する
接触面にしてコンクリート材料を打設し、コンクリート
材料の水分等により上記粘着層の粘着力を低減させて上
記着色粒状物をコンクリート表面に移行埋設させるとと
もに、コンクリート表面を上記凹凸模様転写面の転写に
より凹凸模様面に形成するようにしたコンクリート表面
に対する模様成形法を第1の要旨とする。 (A)ポリビニルアルコールを主成分とし、これに、ホ
ウ酸およびホウ砂の少なくとも一方が配合された粘着
剤。
【0008】そして、凹凸模様転写面に、コンクリート
材料中の水分等により粘着力が減少する上記粘着剤
(A)によって形成された粘着層を介して多数の着色粒
状物が分布されている化粧マットを第2の要旨とする。
【0009】
【作用】すなわち、本発明者らは、化粧マットとして、
凹凸模様転写面に、コンクリート材料中の水分等により
粘着力が減少する粘着層を介して多数の着色粒状物が分
布されている化粧マットを用いる際の上記粘着層に着目
した。そして、コンクリート材料中の水分等により減少
する粘着力を制御して、コンクリート材料充填時および
充填直後に加えられる振動途中では粘着力を維持し、着
色粒状物を所定位置に保持可能とする。しかも、充填を
完了し振動等による脱気工程後には、粘着力が減少して
着色粒状物をコンクリート表面に移行埋設することがで
きる粘着層形成材料を得るために一連の研究を重ねた。
その結果、上記粘着層形成材料として、ポリビニルアル
コール(以下「PVA」と称す)を主成分とし、これに
ホウ酸およびホウ砂の少なくとも一方を配合した粘着剤
を用いると、コンクリート材料中の水分等による時間的
な粘着力の減少とともに、上記ホウ酸,ホウ砂の配合に
よりPVAが酸架橋して適度な粘着力の上昇が生じ、コ
ンクリート成形工程において、上記両者(粘着力の減少
による着色粒状物の移行と、粘着力の上昇による着色粒
状物の保持)のバランスがうまくとれることを突き止め
た。このように打設後の養生,硬化中において、コンク
リート材料の水分等により上記粘着層の粘着力が弱まる
ことにより、その粘着層に保持されていた着色粒状物が
固まりつつあるコンクリート材料の表面層内に移行し一
部もしくは全部が埋設される。この際、コンクリート材
料に振動等が加えられても、酸架橋により粘着力が上昇
した粘着層によって振動による脱気工程完了時まで着色
粒状物が所定位置に保持される。したがって、得られる
コンクリート成形品は、その表面層の所定位置に着色粒
状物が埋設され、その結果、所望の自然調等の色表現が
可能となることを見出し本発明に到達した。
【0010】つぎに、本発明を詳細に説明する。
【0011】本発明の化粧マット(化粧型枠)の材質と
しては、剛性発泡ウレタン樹脂が用いられる。これによ
り、上記化粧マットは、打設時に打ち込まれるコンクリ
ート材料に対して充分な機械的強度を有するマットに形
成される。
【0012】上記粘着層は、特定の粘着剤を上記化粧マ
ットの凹凸模様転写面に塗布することにより形成され
る。上記特定の粘着剤としては、水溶性の接着剤である
PVAを主成分とし、これにホウ酸およびホウ砂の少な
くとも一方(以下「酸成分」と総称する)を配合したも
のがあげられる。そして、この粘着剤の塗布により生成
される塗布膜(粘着層)の厚みは0.1〜5mmの範囲
に形成される。
【0013】上記PVAとしては、特に限定するもので
はなく従来公知のものが用いられる。例えば、部分ケン
化されたものを用いることが好ましい。上記ケン化度は
適宜に設定されるが、例えば85〜90%程度が好まし
い。また、PVAの重合度としては、1800〜200
0程度が好ましい。
【0014】上記酸成分であるホウ酸,ホウ砂として
は、特に限定するものではなく従来公知のものがあげら
れる。これらは、各々単独で用いるか、もしくはこれら
を併せて用いられる。上記酸成分を配合することによ
り、PVAが架橋し増粘して吸水による急激な粘着力の
減少が抑制され、粘着力の維持という時間的要因が制御
される。上記酸成分のうち、特に、吸水による急激な粘
着力の減少を抑制するという点からホウ酸を用いること
が好ましい。
【0015】上記酸成分のうちホウ酸の配合割合は、P
VA100重量部(以下「部」と略す)に対して0.0
1〜0.1部の割合に設定することが好ましい。特に好
ましくは0.05〜0.1部である。すなわち、ホウ酸
の配合割合が0.01部未満では、PVAの架橋度が弱
く、増粘による粘着力の抑制効果が少なく、0.1部を
超えると、架橋による増粘がゲル化をなし、固結化傾向
がみられるからである。また、ホウ砂の配合割合は、P
VA100部に対して0.1〜3.0部の割合に設定す
ることが好ましい。特に好ましくは2.0〜2.5部で
ある。すなわち、ホウ砂の配合割合が0.1部未満で
は、上記と同様、PVAの架橋度が弱く、増粘による粘
着力の抑制効果が少なく、3.0部を超えると、架橋に
よる増粘がゲル化をなす傾向がみられるからである。
【0016】上記特定の粘着層を介して化粧マットの凹
凸模様転写面に分布される着色粒状物としては、天然石
の着色砕石粒等が用いられる。この着色粒状物を多数上
記粘着層に分布させる方法としては、上記粘着層に多数
の着色粒状物を圧力吹付けにより接着させる方法、上記
粘着層に多数の着色粒状物を散布し、プレス等により埋
込みアンカー処理する方法、または、両方法を組み合わ
せたもの等が用いられる。また、上記着色粒状物として
天然石の着色砕石粒を用いる場合、その粒径Aは10m
m以下のものを用いるのが好適であり、その分布は0<
A≦1mmのものが30〜70%(重量基準、以下同
じ)に、1<A≦5mmのものが30〜70%に、5<
A≦10mmのものが0〜10%に設定するのが好適で
ある。また、着色の種類は、着色粒状物の転写によって
表現しようとする色調に併せて適宜に設定されるが、例
えば、1〜7種類のものが適宜に使用される。
【0017】本発明は、上記化粧マットを用い、つぎの
ようにしてコンクリート表面に所望の模様を形成する。
すなわち、まず、図1に示す化粧マット1を準備する。
この化粧マット1の凹凸模様転写面4をコンクリート表
面に対する接触面にして、図2に示すように、化粧マッ
ト1と型枠16とを正面対設状態で配置し、さらに底部
開口を塞ぐ板材17と側方の開口を塞ぐ板材(図示せ
ず)を用いて成形型を作製する。ついで、この成形型内
にコンクリート材料を充填する。そして、養生,硬化さ
せた後、図3に示すように、化粧マット1を生成したコ
ンクリート製品18から剥離する。この一連の工程によ
り、化粧マット1上の着色粒状物がコンクリート製品1
8の表面に移行埋設されるとともに、コンクリート製品
18表面が化粧マット1表面の凹凸模様面の転写により
凹凸模様面に形成される。この場合、図1に示すよう
に、化粧マット1表面の着色粒状物6の固定に、前記粘
着剤(A)によって形成された粘着層5を用いると、コ
ンクリート材料の充填後の適宜な時間経過時に、コンク
リート材料の水分等により、上記粘着層5の粘着力が減
少して、着色粒状物6の化粧マット1からの剥離を容易
に行うことができるようになる。
【0018】
【発明の効果】以上のように、本発明は、化粧マットと
して、凹凸模様転写面に、コンクリート材料中の水分等
により粘着力が減少する前記特定の粘着剤(A)によっ
て形成された粘着層を介して多数の着色粒状物が分布さ
れている化粧マットを用いるものであり、この化粧マッ
トの上記凹凸模様転写面をコンクリート表面に対する接
触面にしてコンクリート材料を打設し、コンクリート材
料の水分等により上記粘着層の粘着力を低減させて上記
着色粒状物をコンクリート表面に移行埋設させるととも
にコンクリート表面を上記凹凸模様転写面の転写により
凹凸模様面に形成するようにしている。このように打設
後の養生,硬化中において、コンクリート材料の水分等
により上記粘着層の粘着力を弱められることにより、そ
の粘着層に保持されていた着色粒状物が固まりつつある
コンクリート材料の表面層内に移行し一部もしくは全部
が埋設される。この際、上記粘着層は、形成材料である
粘着剤中の酸成分によって、PVAが酸架橋により粘着
力が上昇する。このため、この粘着層によって、例え
ば、コンクリート材料充填に続いて脱気工程完了時まで
着色粒状物が化粧マット表面の所定位置に保持され、し
かも、脱気工程完了後は、粘着力が減少して着色粒状物
がコンクリート表面に移行埋設される。このようにし
て、コンクリート成形品の表面層に多数の着色粒状物が
埋設され、それによって所望の自然調等の色の表現が実
現する。また、その表面層が凹凸模様面の転写により自
然調等の凹凸模様面になる。当然、表面層に埋設された
着色粒状物はそれ自体の耐久性とコンクリートによる被
覆効果とが相まって変色・褪色したり、劣化することも
なく、長期の耐久性に優れる。したがって、一定期間後
に塗り変え等する必要もなく、メンテナンスに要する費
用が少なくて済む。
【0019】
【実施例1〜3】まず、粘着層形成材料である粘着剤を
つぎのようにして調製した。すなわち、PVA(ケン化
度86%、重合度2000)100部に対して、ホウ酸
(H3 BO3 )0.01部を配合し、さらに水を加え混
合することにより粘度8000mPa・s、pH4.6
の粘着剤を調製した。
【0020】そして、図1に示す剛性発泡ウレタン樹脂
製の化粧マット1(横900mm×縦1200mm×厚
み50mm)を準備した。この化粧マット1は従来公知
の化粧マットと同様に、内部に発泡層2を、表層部分に
インテグラルスキン層3を備えており、一方の面が平滑
な凹凸模様転写面4に、他方の面が平坦な背面7に形成
されていた。この化粧マット1の上記凹凸模様転写面4
に、上記粘着剤を塗布して厚み0.2mmの粘着層5を
形成した。なお、上記粘着剤の塗布量は、200g/m
2 であった。この粘着層5に、下記の表1に示す3種類
の着色材である天然石の着色砕石粒6(合計814g/
2 )を圧力吹付け法により散布して接着した。
【0021】
【表1】 *:錆色−1とは淡茶系の錆色。 錆色−2とは赤茶系の錆色。
【0022】このような化粧マット1を用いて、従来公
知の方法で、図2に示すように、コンクリート材料15
(スランプ値8.5)を打設した。上記コンクリート材
料の組成を下記の表2に示す。
【0023】
【表2】
【0024】このとき、成形型内にコンクリート材料1
5を充填する際に、型枠をハンマーで60秒間叩いた。
ついで、コンクリート材料15の充填が完了した時点
で、下記に示す条件に従い3種類の方法によるバイブレ
ーターをかけた(棒径28mmで振動数12000〜1
5000VPM、振幅1.5mmの棒バイブレーターを
使用)。
【0025】(実施例1)バイブレーターをかけない。 (実施例2)型枠の右、中、左の3箇所(15cm間
隔)に、棒バイブレーターを各々30秒間、ゆっくり上
下させ(上下スピード1m/10秒)、穴が開かないよ
うに抜く。 (実施例3)型枠の右、中、左の3箇所(15cm間
隔)に、棒バイブレーターを各々60秒間、ゆっくり上
下させ(上下スピード1m/10秒)、穴が開かないよ
うに抜く。
【0026】そして、養生,硬化し、図3に示すよう
に、硬化したコンクリート板18を脱型した。このよう
にして得られたコンクリート板18(横500mm×縦
1000mm×厚み120mm、表面凹凸差51mm)
の凹凸模様面8に転写した着色砕石粒6の転写率を測定
した。その結果を後記の表3に示す。
【0027】
【実施例4】ホウ酸の配合量を0.1部に変えた。それ
以外は実施例3と同様にしてコンクリート板を作製し
た。このコンクリート板の凹凸模様面に転写した着色砕
石粒の転写率を測定し、その結果を後記の表3に示す。
【0028】
【実施例5〜7】まず、粘着層形成材料である粘着剤を
つぎのようにして調製した。すなわち、PVA(ケン化
度86%、重合度2000)100部に対して、ホウ砂
0.1部を配合し、さらに水を加え混合することにより
粘度7200mPa・s、pH4.5の粘着剤を調製し
た。
【0029】ついで、上記実施例1〜3と同様にして化
粧マットを準備し、実施例1〜3と同様の組成のコンク
リート材料を打設した。
【0030】(実施例5)バイブレーターをかけない。 (実施例6)型枠の右、中、左の3箇所(15cm間
隔)に、棒バイブレーターを各々30秒間、ゆっくり上
下させ(上下スピード1m/10秒)、穴が開かないよ
うに抜く。 (実施例7)型枠の右、中、左の3箇所(15cm間
隔)に、棒バイブレーターを各々60秒間、ゆっくり上
下させ(上下スピード1m/10秒)、穴が開かないよ
うに抜く。
【0031】そして、養生,硬化し、図6に示すよう
に、脱型した。このようにして得られたコンクリート板
18の凹凸模様面8に転写した着色砕石粒6の転写率を
測定した。その結果を後記の表3に示す。
【0032】
【実施例8】ホウ砂の配合量を3.0部に変えた。それ
以外は実施例7と同様にしてコンクリート板を作製し
た。このコンクリート板の凹凸模様面に転写した着色砕
石粒の転写率を測定し、その結果を後記の表3に示す。
【0033】
【比較例1】粘着層形成材料として、PVA(ケン化度
86%、重合度2000)に水を加え混合することによ
り粘度12300mPa・s、pH4.6の粘着剤を調
製した。
【0034】ついで、実施例1〜3と同様にして化粧マ
ットを準備し、実施例1〜3の組成と同様のコンクリー
ト材料を打設し、下記の条件に従って、バイブレーター
をかけた。すなわち、型枠の右、中、左の3箇所(15
cm間隔)に、棒バイブレーターを各々60秒間、ゆっ
くり上下させ(上下スピード1m/10秒)、穴が開か
ないように抜いた。
【0035】そして、養生,硬化し、図6に示すよう
に、脱型した。このようにして得られたコンクリート板
18(横500mm×縦1000mm×厚み120m
m、表面凹凸差51mm)の凹凸模様面8に転写した着
色砕石粒6の転写率を測定した。その結果を後記の表4
に示す。
【0036】
【比較例2】粘着層形成材料として、PVA(ケン化度
100%、重合度2000)に水を加え混合することに
より粘度12000mPa・s、pH4.6の粘着剤を
調製した。それ以外は比較例1と同様にしてコンクリー
ト板を作製した。そして、得られたコンクリート板の凹
凸模様面に転写した着色砕石粒の転写率を測定した。そ
の結果を後記の表4に示す。
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】また、調製した各粘着剤の溶解速度を、2
0℃,40℃,60℃,80℃の四つの温度の条件下で
測定した。すなわち、1/10N−NaOH溶液中で被
膜がくずれゲル状になった時点を完全溶解と判断し、こ
の時点までの時間を測定した。この結果を下記の表5お
よび表6に示す。
【0040】
【表5】
【0041】
【表6】
【0042】上記表3〜表6の結果から、実施例品は転
写率が高く、しかも粘着剤の溶解時間も、極端に長かっ
たり、逆に短くなく適度な時間であった。これに対して
比較例1品は溶解時間が極端に短く、しかも転写率が低
い。また、比較例2品は転写率は低くはないが、温度2
0〜60℃で粘着剤が溶解しなかった。
【図面の簡単の説明】
【図1】本発明の化粧マットの一実施例を示す説明図で
ある。
【図2】上記化粧マットを用いての模様成形法を示す説
明図である。
【図3】コンクリート板を離型しているところを示す説
明図である。
【図4】従来例の化粧マットの一実施例を示す説明図で
ある。
【図5】上記従来例の化粧マットを用いての模様成形法
を示す説明図である。
【図6】コンクリート板を離型しているところを示す説
明図である。
【符号の説明】
1 化粧マット 4 凹凸模様転写面 5 粘着層 6 着色粒状物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B28B 1/16 E04F 13/14 102 C 9127−2E

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凹凸模様転写面に、コンクリート材料中
    の水分等により粘着力が減少する下記に示す粘着剤
    (A)によって形成された粘着層を介して多数の着色粒
    状物が分布されている化粧マットを準備し、この化粧マ
    ットの上記凹凸模様転写面をコンクリート表面に対する
    接触面にしてコンクリート材料を打設し、コンクリート
    材料の水分等により上記粘着層の粘着力を低減させて上
    記着色粒状物をコンクリート表面に移行埋設させるとと
    もに、コンクリート表面を上記凹凸模様転写面の転写に
    より凹凸模様面に形成するようにしたことを特徴とする
    コンクリート表面に対する模様成形法。 (A)ポリビニルアルコールを主成分とし、これに、ホ
    ウ酸およびホウ砂の少なくとも一方が配合された粘着
    剤。
  2. 【請求項2】 凹凸模様転写面に、コンクリート材料中
    の水分等により粘着力が減少する下記に示す粘着剤
    (A)によって形成された粘着層を介して多数の着色粒
    状物が分布されていることを特徴とする化粧マット。 (A)ポリビニルアルコールを主成分とし、これに、ホ
    ウ酸およびホウ砂の少なくとも一方が配合された粘着
    剤。
JP24813694A 1994-10-13 1994-10-13 コンクリート表面に対する模様成形法およびそれに用いる化粧マット Pending JPH08109729A (ja)

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JP24813694A Pending JPH08109729A (ja) 1994-10-13 1994-10-13 コンクリート表面に対する模様成形法およびそれに用いる化粧マット

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006256058A (ja) * 2005-03-16 2006-09-28 Tokai Rubber Ind Ltd コンクリート表面に対する模様成形法およびそれに用いる化粧マット
CN105569304A (zh) * 2015-12-24 2016-05-11 曹颖 一种石材种沙湿贴工艺
CN105822030A (zh) * 2016-04-07 2016-08-03 曹颖 一种玻化砖种沙湿贴工艺

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