JPH0929727A - 化粧型枠およびその製造方法 - Google Patents

化粧型枠およびその製造方法

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JPH0929727A
JPH0929727A JP20787895A JP20787895A JPH0929727A JP H0929727 A JPH0929727 A JP H0929727A JP 20787895 A JP20787895 A JP 20787895A JP 20787895 A JP20787895 A JP 20787895A JP H0929727 A JPH0929727 A JP H0929727A
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concrete
mortar layer
decorative
layer
binder
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JP20787895A
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Takeo Kosugi
武夫 小杉
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Achilles Corp
Original Assignee
Achilles Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 運搬時やコンクリート打設前の降雨による色
流れ及び打設後の色落ちも防止してコンクリートに着色
できる化粧型枠およびその製造方法を提供すること。 【解決手段】 コンクリート打設用型枠に取付けられ化
粧を施す合成樹脂発泡成形体11を形成した後、この表
面に接着性および水分を保有するバインダを塗布し、こ
のバインダ層12の乾燥固化前に着色顔料を含有したセ
メント粉粒体を散布してバインダ層12と接着させると
ともに保有する水分でセメントを固化して着色モルタル
層13を形成する。化粧型枠10に形成される着色モル
タル層13を水溶性高分子化合物や高分子水性分散体な
どのバインダと着色顔料を含むセメント粉粒体による多
孔性の着色ポリマーモルタル層として予め形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コンクリートの
表面に凹凸や自然石等の模様および着色等の化粧を施す
ための化粧型枠およびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】コンクリート構造物、例えば建築物のみ
ならず擁壁や土留においても、コンクリートを打ち放し
た状態のままから、美観を良くするためコンクリート表
面に化粧を施して周囲との調和を計る試みが多数行われ
ており、化粧として凹凸模様や自然石模様などの模様を
着けると同時に着色することが行われつつある。
【0003】このような模様や着色等の化粧を行う方法
として、コンクリート打設用型枠に合成樹脂などの化粧
用型枠を取付け、その表面に予め反転した模様を形成し
て打設されるコンクリートに模様を転写して模様を着け
る化粧を行うようにしたり、着色までを行う場合には、
合成樹脂などの化粧用型枠の表面に着色顔料類を付着さ
せてコンクリート表面に移行させたり(特開平6−33
6829号公報)、染料や顔料、界面活性剤を主成分と
するコンクリート浸透層を形成しておきコンクリート表
面に浸透させて着色するようにしている(特公平6−1
02584号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のいず
れの方法においても、工場で作られた化粧用型枠のコン
クリートが打設される側の表面には、顔料が付着させて
あり、この状態で構築現場に運搬し、1対のコンクリー
ト打設用型枠の表面側の内側に取付けてコンクリートの
打設が行われることから、化粧用型枠の運搬中やコンク
リート打設用型枠への取付中に降雨が有ると、顔料など
が流れてしまいコンクリート表面に転写したり浸透させ
る顔料が不足してしまう等の問題がある。
【0005】また、コンクリートへの着色を顔料などの
転写や浸透によって行うため、化粧型枠表面の顔料など
を完全にコンクリートスラリー中に拡散させることが出
来ずに化粧型枠とコンクリートの表面にそれぞれ残って
しまい、顔料などが有効に利用されなかったり、化粧型
枠の除去後にコンクリート表面に接触すると衣服などを
汚すという問題がある。
【0006】この発明は、かかる従来技術の問題点に鑑
みてなされたもので、運搬時やコンクリート打設前の降
雨による色流れを防止することができるとともに、顔料
などを完全にモルタル層に拡散させて打設後の色落ちも
防止することができる化粧型枠およびその製造方法を提
供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記従来技術が有する課
題を解決するため、この発明の請求項1記載の化粧型枠
は、コンクリート打設用型枠のコンクリート表面側に取
付けられ打設されたコンクリート表面を模様・着色状態
とする化粧型枠であって、前記コンクリート打設用型枠
に取付けられる模様が施された合成樹脂発泡成形体と、
この合成樹脂発泡成形体の表面に塗布され接着性および
水分を保持するバインダ層と、このバインダ層上に設け
られる着色顔料を含有したモルタル層とからなることを
特徴とするものである。
【0008】この化粧型枠では、コンクリートの打設前
に着色顔料を含有したモルタル層を化粧型枠に固化させ
て形成してあり、このモルタル層を打設されるコンクリ
ートと一体にし、化粧型枠を取り除いてモルタル層を表
面に位置させて模様と着色が施されたコンクリートを得
ることができるようにしている。
【0009】したがって、従来のように化粧型枠に顔料
の状態で塗布付着させておき、これを打設されるコンク
リートに転写したり浸透させて着色するものに比べて均
一な着色ができるとともに、コンクリート打設前の色流
れや、打設後のコンクリート表面からの色落ちも防止す
ることができるようにしている。
【0010】ここで、コンクリート表面に施す化粧と
は、コンクリートの表面に形成する模様と着色の双方を
含むものであり、凹凸模様や天然石模様、タイル状の目
地模様などの模様を着けると同時に着色することをい
う。
【0011】また、合成樹脂発泡成形体とは、コンクリ
ート表面に転写する反転模様を形成することができると
ともに、打設されるコンクリートによる荷重を支持する
ことができる合成樹脂発泡成形体であり、スチレン系の
発泡成形体やウレタン系などの発泡成形体等が使用さ
れ、例えばポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリウレタンなどが使用される。
【0012】バインダ層とは、基材となる合成樹脂発泡
成形体と着色顔料が含有されたモルタル層を化粧型枠と
して一体にしておく接着剤としての機能および保有する
水分によってセメントを固化させてモルタル層にする機
能、さらにはコンクリート打設後の化粧型枠の剥離をし
易くする機能を有するものをいう。
【0013】このバインダ層は、合成樹脂発泡成形体の
種類によって選択されるが、例えば高分子化合物の水溶
液又は水性分散体や高分子化合物の水溶液及び水性分散
体が使用され、さらに、これらにセメントの硬化促進剤
などの一般的なセメント混和剤を添加したものもここで
いうバインダ層に含まれ、これによって、モルタル層の
形成の能率向上や強度向上を計ることも可能となる。
【0014】ここで、着色顔料を含有したモルタル層と
は、顔料と、さらに必要に応じて、砂、その他の充填剤
などが混ぜられたセメント粉粒体とがバインダ層の水分
によって固化した層で、モルタル層として固化した状態
では、バインダ層とで着色状態のポリマーモルタル層と
なる。
【0015】例えばセメント粉粒体にもポリマー成分
(粉体)を混入させておくことにより、このポリマーモ
ルタル層を強固で柔軟性の向上したものとすることがで
きる。
【0016】また、この発明の請求項2記載の化粧型枠
は、請求項1記載の構成に加え、バインダ層に着色顔料
を含有したことを特徴とするものである。このバインダ
層への着色顔料の含有により、一層着色が効果的にな
る。
【0017】さらに、この発明の請求項3記載の化粧型
枠は、請求項1または2記載の構成に加え、モルタル層
上に水性塗料を塗布したことを特徴とするものである。
【0018】この水性塗料の塗布によってその水分によ
りモルタル層の固化を促進できるとともに、着色効果も
増大できるようになる。
【0019】また、この発明の請求項4記載の化粧型枠
の製造方法は、コンクリート打設用型枠のコンクリート
表面側に取付けられ打設されたコンクリート表面を模様
・着色状態とする模様・着色用の化粧型枠を製造するに
際し、前記コンクリート打設用型枠に取付けられ化粧を
施す合成樹脂発泡成形体を形成した後、この合成樹脂発
泡成形体の表面に接着性および水分を保有するバインダ
を塗布し、このバインダ層の乾燥固化前に着色顔料を含
有したセメントを散布してバインダ層と接着させるとと
もに保有する水分でセメントを固化して着色モルタル層
を形成するようにしたことを特徴とするものである。
【0020】ここで、着色モルタル層とは、水溶性高分
子高分子化合物や高分子水性分散体などのバインダが乾
燥固化する前に散布された着色顔料を含むセメント粉粒
体が硬化してできる多孔性の着色ポリマーモルタル層を
いう。
【0021】この多孔性の着色ポリマーモルタル層が化
粧型枠に形成してあることから、コンクリートが打設さ
れた場合のコンクリートとの密着性が良く、化粧型枠よ
りコンクリートへ転写付着し、着色したポリマーモルタ
ル層の剥離が生じないようになる。
【0022】さらに、この発明の請求項5記載の化粧型
枠の製造方法は、請求項4記載の構成に加え、バインダ
に着色顔料を含有して塗布するようにしたことを特徴と
するものである。
【0023】また、この発明の請求項6記載の化粧型枠
の製造方法は、請求項4又は5記載の構成に加え、着色
モルタル層を固化させた後、このモルタル層上に水性塗
料を塗布するようにしたことを特徴とするものである。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面を参照しながら詳細に説明する。図1はこの発明の化
粧型枠の一実施の形態にかかる製造工程とともに示す部
分斜視図である。
【0025】この化粧型枠10はコンクリートに形成す
べき模様の反転模様を有する合成樹脂発泡成形体11を
備えており、化粧型枠10の基材となるものである。
【0026】この合成樹脂発泡成形体11は、コンクリ
ートに形成すべき模様、例えば凹凸模様を反転させた凸
凹模様が形成され、合成樹脂として、例えばポリスチレ
ン、ポリプロピレン、ポリウレタンなどを発泡成形する
ことで、運搬やコンクリート打設用型枠への取付作業性
などを考慮した大きさのパネル状に作られている。この
合成樹脂発泡成形体11は、その素材樹脂によってコン
クリート打設後の再使用が可能となったり、コンクリー
ト打設用型枠の除去の際に壊れて再使用ができない場合
もあるが、いずれの素材樹脂を用いる場合であっても良
いが、模様の形成ができるとともに、打設されるコンク
リートの荷重を支持できる強度は必要である。
【0027】次に、この合成樹脂発泡成形体11の表面
には、図1(b)に示すように、バインダ層12が備え
られる。
【0028】このバインダ層12は、基材となる合成樹
脂発泡成形体11と着色顔料を含有した着色モルタル層
13を化粧型枠10として一体にしておく接着剤として
の接着機能および保有する水分によって着色モルタル層
13を構成するセメントを固化させる水分補給機能、さ
らにはコンクリート打設後の化粧型枠10の剥離をし易
くする剥離機能を有している。
【0029】これは、バインダ層の大部分が着色モルタ
ル層が形成されるときに、セメント粉粒体間に拡散し、
ポリマーセメント層となり、残ったバインダ層が化粧型
枠面とポリマーセメント層の接着およびコンクリート打
設時の剥離機能を有するためである。
【0030】したがって、このような3つの機能を有す
るバインダ層12は、合成樹脂発泡成形体11の種類に
よって選択されるが、例えば高分子化合物の水溶液又は
水性分散体のいずれかや高分子化合物の水溶液と水性分
散体の双方が使用され、これを合成樹脂発泡成形体11
の表面に塗布することで形成される。
【0031】そして、このような高分子化合物の水溶液
又は水性分散体として、例えば着色モルタル層13とし
てのポリマーモルタルやポリマーセメントに適する水性
分散体や水溶性液体は粘度が10〜10000cps、
好ましくは1000〜3000cpsでスプレー後に流
動しがたいものであれば良く、具体的には、PVA水溶
液、メチルセルロース水溶液、ヒドロキシルセルロース
水溶液など各種水溶性高分子化合物やPVAc エマルジ
ョン、SBRエマルジョン、NBRエマルジョン、ポリ
アクリル酸エステルエマルジョンなどの各種高分子化合
物水性分散体が使用され、合成樹脂発泡成形体11の表
面に塗布することでバインダ層12が形成される。この
場合のバインダ層12の塗布量は水含みで40〜200
g/m2程度で良い。
【0032】なお、合成樹脂発泡成形体11との密着性
を向上させるため、各種バインダを混合して使用しても
良く、バインダ中に各種界面活性剤やセメント硬化促進
剤などを混入しても良い。
【0033】こうしてバインダ層12が塗布された表面
には、着色モルタル層13が形成され、バインダ層12
とで着色ポリマーモルタル層となっている。
【0034】この着色モルタル層13は、バインダ層1
2として塗布した高分子化合物の水溶液又は/及び水性
分散体が乾燥固化する前、より好ましく塗布直後に着色
顔料を20部以下含有するセメント、さらに必要に応じ
て砂およびその他の充填剤やポリマー粉体が添加された
混合粉粒体を散布することで形成される。
【0035】すなわち、着色顔料を極少量から20部含
有したセメント粉粒体を乾燥固化前のバインダ層12上
に散布することによって高分子化合物のバインダがセメ
ント粉粒体に拡散するとともに、バインダ層12の水分
によって着色したポリマーモルタル硬化層が形成され、
着色モルタル層13となる。
【0036】この着色モルタル層13として散布される
セメント混合粉粒体の散布量は、400〜1kg/m2
で良い。
【0037】こうして基材となる合成樹脂発泡成形体1
1とバインダ層12と着色モルタル層13とを備えたこ
の発明の化粧型枠10が完成する。
【0038】したがって、この化粧型枠10によれば、
化粧型枠10の段階で着色モルタル層13として着色顔
料が均一に入れられたモルタル層13が固化した状態
で、しかも多孔性を有し、低密度ポリマーモルタル層と
して形成されており、合成樹脂発泡体表面に予め水と混
練されたセメント等を塗布するものと異なり、層全体が
三次元多孔性の層であるために、コンクリートとの密着
性向上となり、さらにコンクリートの余剰水の排水効果
もあり、コンクリート養生のための効率化ともなる。
【0039】次に、このような化粧型枠10を用いてコ
ンクリートを着色する場合について、図2に示す工程図
により説明する。まず、図2(a)に示すように、コン
クリート打設用型枠15,15aを1対相対向させてコ
クリート壁の厚さに対応した間隔をあけて配置し、コン
クリートの表面となる側のコンクリート打設用型枠15
の内側にこの発明の化粧型枠10を取付ける。なお、図
示省略したが、コンクリート打設用型枠15,15aの
保持及び化粧型枠10の取付方法は従来と同一で良い。
【0040】こうして着色すべき範囲にコンクリート打
設用型枠15,15aの設置と化粧型枠10の取付けが
完了した後、コンクリート打設用型枠15,15aの間
にコンクリート16を打設する(図2(b)参照)。
【0041】すると、化粧型枠10の着色モルタル層1
3の多孔部分によって打設されたコンクリートと一体と
なって密着した状態になる。
【0042】次いで、このコンクリート16を養生固化
させたのち、図2(c)に示すように、コンクリート打
設用型枠15,15aを除去解体するとともに、化粧型
枠10のバインダ層12部分から取り除く。
【0043】これにより、コンクリート16の表面に化
粧型枠10の着色モルタル層13が一体に取り付けられ
た状態になり、着色したコンクリートが得られる。
【0044】したがって、この化粧型枠10によれば、
化粧型枠10の段階で着色モルタル層13として着色顔
料が均一に入れられたモルタル層が固化した状態で形成
されており、従来のように化粧型枠の着色顔料を後に打
設されるコンクリート表面に転写したり、浸透させて着
色する必要がない。
【0045】これにより、化粧型枠10の運搬中やコン
クリート打設用型枠15への取付作業中に降雨があって
も色流れや色落ちを防止することができる。
【0046】また、着色モルタル層13として着色セメ
ントスラリーを塗布すると均一な色彩の着色層となり自
然な着色とすることができないし、モルタル層自体が重
くなり、型枠に付着させておくことができない。さら
に、モルタル層に柔軟性がなく、型枠の移動などの場合
に、破損の危険性が大きい。
【0047】しかし、本発明は、セメント類の粉粒体を
バインダ層12上に散布するようにして多孔性の着色モ
ルタル層13を形成でき、ポリマーモルタル層となって
いるので、軽量化が計れ、柔軟性のある構造となってい
るために型枠の移動などに対しても何の支障も生じな
い。さらに、モルタル層の多孔部分にコンクリートの含
浸が起こり、全体的な色ムラが生じ、自然な質感の着色
モルタル層とすることができる。
【0048】さらに、多孔性の着色モルタル層13が形
成された化粧型枠10を用いるので、コンクリート16
と着色モルタル層13との密着性が良く、剥離が生じる
ことがない。
【0049】以上説明した化粧型枠10では、バインダ
層12上に着色モルタル層13を形成するようにした
が、さらにこの発明の化粧型枠として、着色性を向上す
る目的で、バインダ層12を構成するバインダ中に着色
顔料を添加しておくようにしても良く、バインダ層12
中の着色顔料が着色モルタル層13に浸透していくこと
で、一層着色効果を向上することができる。
【0050】また、この発明の化粧型枠として、着色性
を向上する目的で、着色モルタル層13のセメント粉粒
体の散布直後や着色モルタル層13の固化後に水性分散
体塗料を塗布するようにしても良く、着色モルタル層1
3の固化前には、その水分によりセメントの固化を促進
することもできる。
【0051】なお、着色モルタル層13の固化促進だけ
を目的とする場合には、水をスプレーするだけでも良
く、さらに、たとえば塩化カルシウムなどの硬化促進剤
やAE減衰剤などのセメント混和剤を水に混合してスプ
レーするようにしても良い。
【0052】さらに、着色モルタル層13を構成するセ
メント粉粒体のセメントとしてホワイトセメントおよび
白砂を用いるようにすれば、着色剤の背景として混入さ
れるモルタル層自体が白くなり、コンクリート16を打
設して取り付けられた状態で雨に濡れてもモルタル層の
黒ずみが少なく色彩の変化を少なく抑え、着色効果を向
上することができる。
【0053】また、着色モルタル層13を構成するセメ
ント粉粒体に水酸化アルミニウムや酸化アルミニウムを
混合するようにしてモルタル層13の固化を促進させる
ようにしても良い。なお、この水酸化アルミニウムや酸
化アルミニウムに水を添加してスラリーとすると、セメ
ントの固化が速くなり過ぎ、練り殺し等の問題が生じる
が、粉粒体との混合であり、このような問題もなく、使
用することが可能となる。
【0054】次に、この発明の化粧型枠の他の実施の形
態について、図3により説明するが、図1と同一部分に
は同一記号を記し説明は省略する。この化粧型枠20で
は、合成樹脂発泡成形体11上にバインダ層12を形成
するところまでは、図1の場合と同一であり、バインダ
層12の乾燥固化前に、砕石粉粒体21を散布してバイ
ンダに付着させる。
【0055】この砕石粉粒体21を散布することで、コ
ンクリートの表面に砕石を配置することができ、一層外
観を自然石に近づけることができる。
【0056】この砕石粉粒体21としては、1辺が5mm
以下の偏平状の破断面を有するものが望ましいが、特に
これに限るものでなく、石の種類もコンクリート混和用
として用いられるものであれば良く、自然石だけでな
く、ガラス片等を入れてもよい。また、カラーサンドな
どの着色したものを使用しても良い。
【0057】こうして砕石粉粒体21を散布付着させた
後、着色モルタル層13が形成される。この着色モルタ
ル層13を形成するために散布するセメント粉粒体の量
は、砕石粉粒体21を覆うことができるようにして脱落
を防止する必要がある。この場合、セメント粉粒体の散
布量が多くなると、固化に必要な水分量が増大すること
から、バインダ層12の水分だけでは不足することにな
り、着色モルタル層13に後から水をスプレーすること
が必要になる。
【0058】また、セメント粉粒体を散布する場合に、
砕石粉粒体21との密着性を向上するよう合成樹脂発泡
成形体11に振動を与えるようにして隙間なくセメント
粉粒体を充填できるようにすることが望ましい。
【0059】こうして着色モルタル層13が形成された
後、図3(d)に示すように、さらに水性塗料層22を
形成する。
【0060】こうして作られた化粧型枠20は、既に説
明した図2の工程と同様にしてコンクリート16の化粧
着色に用いられる。
【0061】この化粧型枠20を用いて着色されたコン
クリートは、表面に砕石粉粒体21が配置されることか
ら、天然石により近い模様にできるほか、化粧型枠10
と同様の効果を奏する。
【0062】
【発明の効果】以上、実施の形態とともに具体的に説明
したようにこの発明の請求項1記載の化粧型枠によれ
ば、コンクリートの打設前に着色顔料を含有した着色モ
ルタル層を化粧型枠に固化させて形成してあるので、こ
の着色モルタル層を打設されるコンクリートと一体に
し、化粧型枠を取り除いて着色モルタル層を表面に位置
させて模様と着色による化粧が施されたコンクリートを
得ることができる。
【0063】したがって、従来のように化粧型枠に顔料
の状態で塗布付着させておき、これを打設されるコンク
リートに転写したり浸透させて着色するものに比べて少
量の着色顔料で着色ができるとともに、着色モルタル層
を薄くすることができ、材料のロスが少ない。
【0064】また、化粧型枠に着色モルタル層が予め固
化形成されているので、コンクリート打設前の色流れ
や、打設後のコンクリート表面からの色落ちも防止する
ことができる。
【0065】さらに、着色モルタル層がポリマーモルタ
ル層となるので、弾性が増し、化粧型枠を施工現場まで
運搬する場合やコンクリート打設用型枠の取付作業時の
振動などによってクラックが発生したり、着色モルタル
層が剥離して落下することもない。
【0066】また、着色モルタル層は多孔性のため、打
設されるコンクリートへの含浸により色ムラが生じ、人
工的な色彩が低減され、より自然な質感が得られやす
い。
【0067】さらに、この化粧型枠では、打設されるコ
ンクリートとの接触面が滑らかであり、コンクリートを
打設する場合に過大な振動を加える必要がなく、コンク
リートの骨材分離を生じることがない。
【0068】また、この発明の請求項2記載の化粧型枠
によれば、請求項1記載の構成に加え、バインダ層への
着色顔料の含有により、請求項1記載の発明と同様の効
果を奏する上に、一層着色が効果的に行えるようにな
る。
【0069】さらに、この発明の請求項3記載の化粧型
枠によれば、請求項1または2記載の構成に加え、着色
モルタル層上への水性塗料の塗布によってその水分を着
色モルタル層の固化に利用して固化を促進できるととも
に、着色効果も増大することができるほか、請求項1又
は2記載の発明と同様の効果を奏する。
【0070】また、この発明の請求項4記載の化粧型枠
の製造方法によれば、コンクリート打設用型枠に取付け
られ化粧を施す合成樹脂発泡成形体を形成した後、この
合成樹脂発泡成形体の表面に接着性および水分を保有す
るバインダを塗布し、このバインダ層の乾燥固化前に着
色顔料を含有したセメントを散布してバインダ層と接着
させるとともに保有する水分でセメントを固化して着色
モルタル層を形成するようにしたので、化粧型枠に形成
される着色モルタル層を水溶性高分子化合物や高分子水
性分散体などのバインダと着色顔料を含むセメント粉粒
体による多孔性の着色ポリマーモルタル層として形成で
き、多孔性の着色ポリマーモルタル層によってコンクリ
ートが打設された場合のコンクリートとの密着性が良
く、着色したポリマーモルタル層の剥離が生じないよう
にできるとともに、請求項1記載の発明と同様の効果を
奏する。
【0071】さらに、この発明の請求項5記載の化粧型
枠の製造方法によれば、請求項4記載の構成に加え、バ
インダに着色顔料を含有して塗布するようにしたので、
請求項4記載の発明と同様の効果を奏する上にバインダ
層への着色顔料の含有により、一層着色が効果的に行え
るようになる。
【0072】また、この発明の請求項6記載の化粧型枠
の製造方法によれば、請求項4又は5記載の構成に加
え、着色モルタル層を固化させた後、このモルタル層上
に水性塗料を塗布するようにしたので、請求項4又は5
記載の発明と同様の効果を奏する上に着色モルタル層上
への水性塗料の塗布によってその水分を着色モルタル層
の固化に利用して固化を促進できるとともに、着色効果
も増大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の化粧型枠の一実施の形態にかかる製
造工程とともに示す部分斜視図である。
【図2】この発明の化粧型枠を用いて行うコンクリート
の着色の一実施の形態にかかる工程図である。
【図3】この発明の化粧型枠の他の実施の形態にかかる
製造工程とともに示す部分斜視図である。
【符号の説明】
10 化粧型枠 11 合成樹脂発泡成形体 12 バインダ層 13 着色モルタル層 15,15a コンクリート打設用型枠 16 コンクリート 20 化粧型枠 21 砕石粉粒体 22 水性塗料層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年8月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】 この着色モルタル層13として散布され
るセメント混合粉粒体の散布量は、400〜1000
/mで良い。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正内容】
【0051】 なお、着色モルタル層13の固化促進だ
けを目的とする場合には、水をスプレーするだけでも良
く、さらに、たとえば塩化カルシウムなどの硬化促進剤
やAE減剤などのセメント混和剤を水に混合してスプ
レーするようにしても良い。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート打設用型枠のコンクリート
    表面側に取付けられ打設されたコンクリート表面を模様
    ・着色状態とする化粧型枠であって、前記コンクリート
    打設用型枠に取付けられる反転模様が施された合成樹脂
    発泡成形体と、この合成樹脂発泡成形体の表面に塗布さ
    れ接着性および水分を保持するバインダ層と、このバイ
    ンダ層上に設けられる着色顔料を含有したモルタル層と
    からなることを特徴とする化粧型枠。
  2. 【請求項2】 前記バインダ層に着色顔料を含有したこ
    とを特徴とする請求項1記載の化粧型枠。
  3. 【請求項3】 前記モルタル層上に水性塗料を塗布した
    ことを特徴とする請求項1または2記載の化粧型枠。
  4. 【請求項4】 コンクリート打設用型枠のコンクリート
    表面側に取付けられ打設されたコンクリート表面を模様
    ・着色状態とする化粧型枠を製造するに際し、前記コン
    クリート打設用型枠に取付けられ模様を施す合成樹脂発
    泡成形体を形成した後、この合成樹脂発泡成形体の表面
    に接着性および水分を保有するバインダを塗布し、この
    バインダ層の乾燥固化前に着色顔料を含有したセメント
    を散布してバインダ層と接着させるとともに保有する水
    分でセメントを固化して着色モルタル層を形成するよう
    にしたことを特徴とする化粧型枠の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記バインダに着色顔料を含有して塗布
    するようにしたことを特徴とする請求項1記載の化粧型
    枠の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記着色モルタル層を固化させた後、こ
    のモルタル層上に水性塗料を塗布するようにしたことを
    特徴とする請求項4または5記載の化粧型枠の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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