JPH08108896A - 舶用s型ラダー - Google Patents
舶用s型ラダーInfo
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Abstract
断面形状をS型にしてプロペラ後流中の旋回成分を効率
よく推力に変換できるようにしたものである。 【構成】 船尾におけるプロペラ1の直後に配設される
ラダーにおいて、その舵板2の上半部2aと下半部2b
とがプロペラ後流としての旋回流を受け入れられるよう
に、互いに逆向きに凹弯曲したほぼ半円形の横断面を有
するように形成されて、舵板2の全体としての横断面形
状はS字形に形成されている。これにより、舵板2の中
立状態では舵板全体として、あたかもプロペラ後流を受
け入れるダクトのような作用を行ないながら整流作用を
行なうことができ、しかも操舵時には舵板の上半部また
は下半部の凹弯曲部内に水流が取り込まれることによ
り、十分な舵利き効果が得られる。
Description
ーに関し、特にプロペラ後流中の旋回成分を効率よく推
力に変換できるように舵板の横断面形状をS型にしたも
のである。
るラダーについて、それぞれ翼型断面を有する上半部お
よび下半部の各前縁を相互に左右へくいちがわせるよう
にして、プロペラ後流中の旋回成分を推力に変換できる
ようにしたものがある。
従来のラダーでは、航行中にプロペラ後流を受けると、
ラダーの表面に沿う流れの旋回成分の一部が、ラダーの
上半部および下半部に生じる揚力の前向き成分として推
力に変換されるだけで、プロペラ後流中の旋回エネルギ
ーの大部分は推力として回収できないという不具合があ
る。
設したフィンボスに多数の長いフィンを放射状に取り付
けて、同フィンによりプロペラ後流中の旋回エネルギー
を回収できるようにしたもの(特開平2−293296
号公報参照)も開発されているが、このように多数の長
いフィンを設けると強度的な配慮が必要になり、抵抗も
大きくなるという不具合がある。
ろうとするもので、ラダーの横断面形状をほぼS型とす
ることによりプロペラ後流中の旋回エネルギーを効率よ
く回収して推力に変換できるようにした舶用S型ラダー
を提供することを目的とする。
め、本発明の舶用S型ラダーは、船尾におけるプロペラ
の直後に配設されたラダーにおいて、同ラダーの舵板の
横断面形状が、上記プロペラの回転軸線の上方および下
方でそれぞれプロペラ後流としての旋回流を受け入れる
べく互いに逆向きに凹弯曲したほぼ半円形に形成され
て、全体としてS字形に形成されていることを特徴とし
ている。
の凹弯曲した上半部および下半部の各中央縦断面の形状
が、同舵板の中立状態で上記プロペラ後流を上記S字形
の横断面形状における凹弯曲部へ滑らかに導入すべくプ
ロペラ回転軸線に関し互いに逆向きに内方へ傾斜した傾
斜前半部と、同傾斜前半部へ導入された流れの向きをし
だいに上記回転軸線と平行な方向へ変えて吐出すべく後
端を上記回転軸線とほぼ同方向に向けるように弯曲した
傾斜戻し弯曲後半部とを有するように形成されたことを
特徴としている。
板の上半部および下半部の各縦断面の形状が、それぞれ
の中央縦断面の傾斜弯曲した形状から上方および下方へ
ゆくにしたがってしだいに上記プロペラ回転軸線とほぼ
平行な直線状になるように変化して、同舵板の上半部の
下縁と下半部の上縁とが、互いに直線状の結合部で結合
されるとともに、同舵板の上半部上縁および下半部下縁
にそれぞれ沿うように設けられた上縁材および下縁材が
いずれも直線状に形成されていることを特徴としてい
る。
の上半部の上縁材と一体のラダーストックが船尾船体か
ら下方へ突設されたラダーポストに回動可能に軸支さ
れ、上記舵板の下半部の下縁材が船尾船体のシューピー
スに回動可能に軸支されていることを特徴としている。
の直後に設けられるラダーの舵板の横断面形状が、旋回
流としてのプロペラ後流を受け入れるように、プロペラ
回転軸線の上方および下方で互いに逆向きに凹弯曲した
半円形に形成されて、全体としてS字形に形成されてい
るので、その中立状態では舵板全体として、あたかもプ
ロペラ後流を受け入れるダクトのような作用を行ないな
がら整流作用を行なうことができる。そして、操舵時に
は舵板の上半部または下半部の凹弯曲部内に前方からの
水流が取り込まれることにより、十分な舵利き効果が得
られる。
央縦断面の形状が、同舵板の中立状態で旋回流としての
プロペラ後流を凹弯曲部内へ滑らかに導入するため互い
に逆向きに内方へ傾斜した傾斜前半部と、流入した旋回
流をしだいに直線状の流れに変える傾斜戻し弯曲後半部
とをそなえているので、上記舵板へ向かって流入する旋
回流としてのプロペラ後流に対する整流作用が、さらに
適切に行なわれるようになる。
各縦断面形状が、上記中央縦断面の傾斜弯曲した形状か
ら上方および下方へゆくにしたがってしだいにプロペラ
回転軸線とほぼ平行な直線状になるように変化して、上
記舵板の上半部の下縁と下半部の上縁とが互いに直線状
に整合して結合されるので、上半部と下半部との結合工
作が円滑に且つ容易に行なわれるようになる。
縁にそれぞれ沿う上縁材および下縁材もそれぞれ直線状
に形成されるので、ラダーとしての船体への装着が容易
になる利点もある。さらに上記舵板の上半部の上縁材と
一体のラダーストックが船尾船体のラダーポストに軸支
されるとともに、上記舵板の下半部の下縁材が船尾船体
のシューピースに軸支されているので、同舵板の支持が
極めて強固に行なわれるようになる。
舶用S型ラダーについて説明すると、図1は同ラダーを
船尾にそなえた船舶の船尾斜視図、図2(a)は図1のA
−A断面図、図2(b)は図1のB−B断面図、図3は図
1の船舶の船尾側面図、図4は図3のC−C断面図であ
る。
ペラ(前進時に右回りaのプロペラ)1の直後に配設さ
れたラダーRの舵板2は、プロペラ1の回転軸線の上方
および下方でそれぞれプロペラ後流としての旋回流を凹
弯曲面へ受け入れられるように、互いに逆向きに凹弯曲
したほぼ半円形の横断面をもつ上半部2aおよび下半部
2bからなり、これにより舵板2の横断面形状は前方か
ら見ると全体としてS字形に形成されている。(図4参
照) なお、プロペラ1が前進時に左回りの場合は舵板2の横
断面形状は前方から見ると逆S字形になり、本発明の
「S字形」には、この逆S字形のものも含まれるものと
する。
bの各中央縦断面の形状は、図1,2に示すごとく、同
舵板2の中立状態(舵角ゼロの状態)で旋回流としての
プロペラ後流を凹弯曲面へ滑らかに導入できるように、
プロペラ回転軸線に関し互いに逆向きに内方へ傾斜した
傾斜前半部F1と、同傾斜前半部F1へ導入された流れ
の向きをしだいにプロペラ回転軸線と平行な方向へ変え
て吐出すべく後端をプロペラ回転軸線とほぼ同方向に向
けるように弯曲した傾斜戻し弯曲後半部F2とを内側に
有するように形成されて、中央部Mを厚くした翼形に形
成されている。
2bの各縦断面形状は、それぞれの上記中央縦断面の傾
斜弯曲した形状から、上方および下方へゆくにしたがっ
てしだいにプロペラ回転軸線とほぼ平行な直線状になる
ように変化して、舵板上半部2aの下縁と舵板下半部2
bの上縁とが互いに前後方向に直線状の結合部2c(図
3,4参照)で結合されるとともに、舵板上半部2aの
上縁および舵板下半部2bの下縁にそれぞれ沿うように
設けられた上縁材3aおよび下縁材3bがいずれも直線
状に形成されている。
4は、船尾船体から下方へ突設されたラダーポスト5に
回動可能に軸支され、下縁材3bは、船尾船体のシュー
ピース6に回動可能に軸支されている。
構成されているので、次のような作用効果が得られる。
すなわち、プロペラ1の直後に設けられるラダーの舵板
2の横断面形状が、旋回流としてのプロペラ後流を受け
入れるように、プロペラ回転軸線の上方および下方で互
いに逆向きに凹弯曲した半円形に形成されて、全体とし
てS字形に形成されているので、その中立状態では舵板
全体として、あたかもプロペラ後流を受け入れるダクト
のような作用を行ないながら、十分な整流作用を行なう
ことができ、これにより、プロペラ後流における旋回エ
ネルギーの一部が効率よく推力に変換されるようにな
る。そして、操舵時には舵板2の上半部2aまたは下半
部2bの凹弯曲部内に水流が取り込まれることにより、
十分な舵利き効果が得られる。
の各中央縦断面の形状が、旋回流としてのプロペラ後流
を滑らかに導入するため互いに逆向きに内方へ傾斜した
傾斜前半部F1と、流入した旋回流をしだいに直線状の
流れに変える傾斜戻し弯曲後半部F2とをそなえている
ので、舵板2へ向かって流入する旋回流としてのプロペ
ラ後流に対する整流作用が、さらに適切に行なわれるよ
うになり、これによりプロペラ後流中の旋回エネルギー
の推力への変換が一層効率よく行なわれるようになる。
2bの各縦断面形状が、上記中央縦断面の傾斜弯曲した
形状から、いずれも上方および下方へゆくにしたがって
しだいにプロペラ回転軸線とほぼ平行な直線状になるよ
うに変化して、舵板2の上半部下縁と下半部上縁とが直
線状に結合されるので、上半部2aと下半部2bとの結
合工作が円滑に且つ容易に行なわれるようになる。また
舵板2の上半部2aの上縁および下半部2bの下縁にそ
れぞれ沿う上縁材3aおよび下縁材3bもそれぞれ直線
状に形成されるので、ラダーとしての船体への装着が容
易になる利点もある。
一体のラダーストック4が船尾船体のラダーポスト5に
軸支されるとともに、舵板2の下半部2bの下縁材3b
が船尾船体のシューピース6に軸支されているので、同
舵板2の支持が極めて強固に行なわれるようになる。な
お、本実施例の舵板2をプロペラ1の直後に中立状態に
固定した模型船について実験を行なった結果、従来の平
板状の舵板を設けた場合の模型船に比べて、約30%の推
力向上が認められた。
ラダーによれば、次のような効果が得られる。 (1) プロペラの直後に設けられるラダーの舵板の横断面
形状が、旋回流としてのプロペラ後流を受け入れるよう
に、プロペラ回転軸線の上方および下方で互いに逆向き
に凹弯曲した半円形に形成されて、全体としてS字形に
形成されているので、その中立状態では舵板全体とし
て、あたかもプロペラ後流を受け入れるダクトのような
作用を行ないながら、十分な整流作用を行なうことがで
き、これにより、プロペラ後流における旋回エネルギー
の一部が効率よく推力に変換されるようになる。 (2) 操舵時には舵板の上半部または下半部の凹弯曲部内
に水流が取り込まれることにより、十分な舵利き効果が
得られる。 (3) 上記舵板の上半部および下半部の各中央縦断面の形
状が、旋回流としてのプロペラ後流を上記凹弯曲部内へ
滑らかに導入するため互いに逆向きに内方へ傾斜した傾
斜前半部と、流入した旋回流をしだいに後方への直線状
の流れに変える傾斜戻し弯曲後半部とをそなえているの
で、上記舵板へ向かって流入する旋回流としてのプロペ
ラ後流に対する整流作用が、さらに適切に行なわれるよ
うになって、これによりプロペラ後流中の旋回エネルギ
ーの推力への変換が一層効率よく行なわれるようにな
る。 (4) 上記舵板の上半部および下半部の各縦断面形状が、
上記中央縦断面の傾斜弯曲した形状から、いずれも上方
および下方へゆくにしたがってしだいにプロペラ回転軸
線とほぼ平行な直線状になるように変化して、上記舵板
の上半部下縁と下半部上縁とが直線状に結合されるの
で、上半部と下半部との結合工作が円滑に且つ容易に行
なわれるようになる。 (5) 上記舵板の上半部上縁および下半部下縁にそれぞれ
沿う上縁材および下縁材もそれぞれ直線状に形成される
ので、ラダーとしての船体への装着が容易になる利点も
ある。 (6) 上記舵板の上半部の上縁材と一体のラダーストック
が船尾船体のラダーポストに軸支されるとともに、上記
舵板の下半部の下縁材が船尾船体のシューピースに軸支
されているので、同舵板の支持が極めて強固に行なわれ
るようになる。
尾にそなえた船舶の船尾斜視図である。
1のB−B断面図である。
ラダーによれば、次のような効果が得られる。 (1)プロペラの直後に設けられるラダーの舵板の横断
面形状が、旋回流としてのプロペラ後流を受け入れるよ
うに、プロペラ回転軸線の上方および下方で互いに逆向
きに凹弯曲した半円形に形成されて、全体としてS字形
に形成されているので、その中立状態では舵板全体とし
て、あたかもプロペラ後流を受け入れるダクトのような
作用を行ないながら、十分な整流作用を行なうことがで
き、これにより、プロペラ後流における旋回エネルギー
の一部が効率よく推力に変換されるようになる。 (2)操舵時には舵板の上半部または下半部の凹弯曲部
内に水流が取り込まれることにより、十分な舵利き効果
が得られる。 (3)上記舵板の上半部および下半部の各中央縦断面の
形状が、旋回流としてのプロペラ後流を上記凹弯曲部内
へ滑らかに導入するため互いに逆向きに内方へ傾斜した
傾斜前半部と、流入した旋回流をしだいに後方への直線
状の流れに変える傾斜戻し弯曲後半部とをそなえている
ので、上記舵板へ向かって流入する旋回流としてのプロ
ペラ後流に対する整流作用が、さらに適切に行なわれる
ようになって、これによりプロペラ後流中の旋回エネル
ギーの推力への変換が一層効率よく行なわれるようにな
る。 (4)上記舵板の上半部および下半部の各縦断面形状
が、上記中央縦断面の傾斜弯曲した形状から、いずれも
上方および下方へゆくにしたがってしだいにプロペラ回
転軸線とほぼ平行な直線状になるように変化して、上記
舵板の上半部下縁と下半部上縁とが直線状に結合される
ので、上半部と下半部との結合工作が円滑に且つ容易に
行なわれるようになる。 (5)上記舵板の上半部上縁および下半部下縁にそれぞ
れ沿う上縁材および下縁材もそれぞれ直線状に形成され
るので、ラダーとしての船体への装着が容易になる利点
もある。 (6)上記舵板の上半部の上縁材と一体のラダーストッ
クが船尾船体のラダーポストに軸支されるとともに、上
記舵板の下半部の下縁材が船尾船体のシューピースに軸
支されているので、同舵板の支持が極めて強固に行なわ
れるようになる。(7)既存の船舶についても、その舵を本発明のS型ラ
ダーと交換するだけで、大幅な推進性能の向上が期待さ
れる。
Claims (4)
- 【請求項1】 船尾におけるプロペラの直後に配設され
たラダーにおいて、同ラダーの舵板の横断面形状が、上
記プロペラの回転軸線の上方および下方でそれぞれプロ
ペラ後流としての旋回流を受け入れるべく互いに逆向き
に凹弯曲したほぼ半円形に形成されて、全体としてS字
形に形成されていることを特徴とする、舶用S型ラダ
ー。 - 【請求項2】 請求項1に記載の舶用S型ラダーにおい
て、上記舵板の凹弯曲した上半部および下半部の各中央
縦断面の形状が、同舵板の中立状態で上記プロペラ後流
を上記S字形の横断面形状における凹弯曲部へ滑らかに
導入すべくプロペラ回転軸線に関し互いに逆向きに内方
へ傾斜した傾斜前半部と、同傾斜前半部へ導入された流
れの向きをしだいに上記回転軸線と平行な方向へ変えて
吐出すべく後端を上記回転軸線とほぼ同方向に向けるよ
うに弯曲した傾斜戻し弯曲後半部とを有するように形成
されたことを特徴とする、舶用S型ラダー。 - 【請求項3】 請求項2に記載の舶用S型ラダーにおい
て、上記舵板の上半部および下半部の各縦断面の形状
が、それぞれの中央縦断面の傾斜弯曲した形状から上方
および下方へゆくにしたがってしだいに上記プロペラ回
転軸線とほぼ平行な直線状になるように変化して、同舵
板の上半部の下縁と下半部の上縁とが、互いに直線状の
結合部で結合されるとともに、同舵板の上半部上縁およ
び下半部下縁にそれぞれ沿うように設けられた上縁材お
よび下縁材がいずれも直線状に形成されていることを特
徴とする、舶用S型ラダー。 - 【請求項4】 請求項3に記載の舶用S型ラダーにおい
て、上記舵板の上半部の上縁材と一体のラダーストック
が船尾船体から下方へ突設されたラダーポストに回動可
能に軸支され、上記舵板の下半部の下縁材が船尾船体の
シューピースに回動可能に軸支されていることを特徴と
する、舶用S型ラダー。
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