WO2010116799A1 - 船舶用の舵及び船舶 - Google Patents

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Abstract

 水上を航走する船舶1A、1C、1E、1G、1Iにおいて、船尾に設ける舵10A、10C、10E、10G、10Iを、舵軸11に接続する垂直舵12と、1つ以上の、船尾方向から見た場合に前記垂直舵12と交差する副舵13の合体で構成することにより、前記垂直舵12と前記副舵13の全てのそれぞれの船体の側面方向から見た投影舵面積の和である総投影面積を、船体の側面方向から見た舵全体の外形の投影面積よりも大きくして形成する。これにより、船体側面から見た舵全体の外形形状の投影面積を小さく、コンパクトにして、狭い船尾部分にも配置可能にすると共に、大きな舵力を発生して高い旋回性能と針路安定性を確保する。

Description

船舶用の舵及び船舶
  本発明は、水上を航行する船舶において、船体側面方向から見た舵全体の外形投影面積が小さく、コンパクトであるため、狭い船尾部分に配置することができ、しかも、高い旋回性能と針路安定性を確保することができる船舶用の舵及び船舶に関する。
 船舶においては、船尾にプロペラ等の推進器と舵を設けて、航行中に、舵の方向を変える操作、即ち、操舵により旋回している。この舵による旋回は、プロペラの直後の流速の早い後流中で舵が流れ方向に対して大きな角度を持つことにより、舵に揚力を発生させて船体の後部に船体の向きを変える力を発生させることで、船体が変針するものである。
 この船舶の舵の基本的な断面形状は、直進時の水中での舵の抵抗を小さくするように、左右対称の流線型となっている。水上を航行する排水量型の船舶においては、この舵の前端は、プロペラの後流れを利用するために、プロペラの後側に配置されるため、プロペラボスよりも後方位置となる。舵の後端は、船体の全長の制限や障害物との接触による損傷を防ぐという理由から船尾端よりも前の位置となる。
 また、舵の上端は、船尾より下に旋回可能に設けられる関係から、通常は舵軸と船尾との交差する部位よりも下側の位置となる。また、舵の下端は、建造時や保守点検のためのドック入り時とプロペラ後流の範囲を考慮して、ベースライン(B.L.)より上とされている。
 この舵を船舶に装備する際には、所要の操縦性能及び保針性能を確保するために、船の要目(船の長さ、幅、喫水等)によって一定以上の舵面積を確保する必要がある(例えば、非特許文献1、2参照。)。
 しかしながら、従来技術の単一板状の舵の場合には、舵はプロペラや船体との干渉を回避して、船尾の限られたスペースに設置しなければならないため、配置上の面から十分な舵面積を確保することが難しい場合が生じる。
 そのため、十分な舵面積を確保しようとすると、船尾垂線(A.P.)から船尾端までの距離を大きくする必要が生じるなど、船型要目の設定に舵が制約を与える場合もある。   
 また、船尾垂線(A.P.)から船尾端までの距離に制約を受けながら、十分な舵面積を確保するためには、舵の縦横比を大きくした縦長の舵形状にすることも考えられるが、その場合には、舵の上部及び下部がプロペラの後流から外れてしまい、舵の効果が十分に得られない。また、当て舵が必要となるという問題が生じ易くなる。
 これに関連して、例えば、日本の実開昭63-104199号公報及び日本の実開平01-61000号公報に記載されているように、操舵時には充分な旋回性能を有し、かつ、直進航行時においても舵に働く抵抗が小さくなるという推進性能を向上させるために、船舶の舵本体の内部に、油圧シリンダ等の押圧装置と、この押圧装置により前後方向に移動して、舵本体の前部又は後部に出入する補助舵を備えた可変面積舵が提案されている。   
 これらの補助舵を出し入れする可変面積舵の場合には、舵本体の機構が複雑となり、補助舵を出し入れできるようにするためには、押圧装置も大規模になるので、工作が難しく、また、高コストである。
実開昭63-104199号公報 実開平01-61000号公報
森正彦著、「船型設計」、発行所:株式会社船舶技術協会、平成9年2月25日発行、第48頁~第51頁 編集者:関西造船協会、「造船設計便覧(第4版)」、発行所:海文堂出版株式会社、平成8年6月28日発行、第438頁~第441頁
 本発明は、上述の状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、船体側面方向から見た舵全体の外形形状の投影面積が小さく、コンパクトであるため、狭い船尾部分にも配置でき、しかも、大きな舵力を発生して高い旋回性能と針路安定性を確保することができる船舶用の舵及び船舶を提供することにある。
 上記の目的を達成するための本発明の船舶は、水上を航走する船舶において、船尾に設ける舵を、舵軸に接続する垂直舵と、1つ以上の、船尾方向から見た場合に前記垂直舵と交差する副舵の合体で構成することにより、前記垂直舵と前記副舵の全てのそれぞれの船体の側面方向から見た投影舵面積の和である総投影舵面積を、船体の側面方向から見た舵全体の外形の投影面積よりも大きくして形成する。
 この構成によれば、船体横方向の舵力を発生させるのに有効な総投影舵面積を大きく維持しながら、船体側面から見た舵全体の外形投影形状(プロファイル形状)はより小さく、コンパクトにすることができる。従って、船尾の設計において、舵による操縦性能を確保しながらも、舵の配置等による制限が少なくなり、船尾の設計における自由度と、船型要目(船の長さ、幅、喫水等)の設定の自由度を増すことができる。
 例えば、舵のプロファイル形状を小さくできれば、それに伴って、船尾垂線(A.P.)から船尾端までの距離を短くできる。貨物船では港湾の条件や規則適用の範囲によって全長に制限があるので、船尾垂線(A.P.)から船尾端までの距離を短くできれば、全長を変えずに、その分貨物倉や機関室を長くできるという利点がある。
 また、舵のプロファイル形状をコンパクトにできると、舵高さも小さくできる。その結果、舵の大部分がプロペラ後流中に入るように配置することが可能となる。これにより、プロペラ後流を十分に活用して、航海時及び低速航行時においても、同じ船体の側面方向から見た投影舵面積を持つ単一板状の従来技術の舵よりも大きな舵力を発生させることができるようになる。
 上記の船舶用の舵において、前記副舵それぞれの船体の側面方向から見た投影舵面積を前記垂直舵の船体の側面方向から見た投影舵面積の25%~150%として形成する。この25%より小さい前記投影舵面積にすると、前記総投影舵面積増加によるメリットよりも、副舵を設けることによる抵抗増加や重量増加等のデメリットが大きくなり実用的ではなくなる。また、150%よりも大きくすると、プロペラ後流から外れる可能性が高く、総投影舵面積が増加しても舵面積の増加の割に舵性能が向上せず、副舵を設けることによる抵抗増加や重量増加等のデメリットが大きくなり実用的ではなくなる。
 また、上記の船舶用の舵において、前記垂直舵と前記副舵との交差部にバルブを設ける。この構成によれば、垂直舵と副舵との取り付け部分を構造的に大きな強度を持って形成できる。また、プロペラへ流れ込む流れの流入速度を遅くすることで、推進効率を向上させるというバルブの伴流利得上昇効果により、直進時の船舶の推進性能を向上させ、省エネ効果を発揮することもできる。
 また、上記の船舶用の舵において、前記垂直舵と前記副舵の少なくとも1つを、船舶の直進時に、船舶の長手方向に対して推進力を発生する断面形状、迎角及びキャンバーを有する形状として形成する。この構成によれば、舵に付けるフィンと同様に、船舶の直進時に推進力を発生できるが、フィンに比べて垂直舵および副舵はその大きさが大きく、大きな推進力を発揮できるので、直進時の船舶の推進性能をより向上させることができる。即ち、垂直舵と副舵のうち少なくとも1つを、船の長手方向に対して適正な断面形状、迎角、キャンバーを持って配置することで、垂直舵と副舵で発生する揚力の前後方向成分による推進力を得て、船舶の直進時における推進性能の向上による省エネ効果を得る。
 また、上記の船舶用の舵において、前記副舵に該副舵の表面で発生した渦の流出を抑制する端板を設ける。この構成によれば、副舵の舵面から翼端渦が流出するのを抑制することができるので、副舵で発生する揚力を大きくすることができる。そのため、船舶の直進時に副舵で発生する舵力及び推進力をより大きくすることができ、船舶の操縦性能及び直進時の推進性能を更に向上させることができる。
 そして、上記の目的を達成するための船舶は、上記の船舶用の舵を備えて構成される。この構成により、船舶は、その舵のプロファイル形状がコンパクトな舵でありながら、船舶の旋回性能と保針性能を向上させることができ、更に、船舶直進時の推進性能も向上することができる。
 本発明の船舶用の舵及び船舶によれば、船体側面方向から見た舵全体の外形形状の投影面積が小さく、コンパクトで、狭い船尾部分にも配置でき、かつ、舵の配置の自由度が増し、しかも、大きな舵力を発生して高い旋回性能と針路安定性を確保することができる。
図1は本発明に係る第1の実施の形態における船舶用の舵及び船舶の構成を示した船尾部分の側面図である。 図2は図1の船舶用の舵の構成を示した船尾から見た図である。 図3は図1の船舶用の舵の構成を示した平面図である。 図4は図1の船舶用の舵の構成を示した船尾方向から船首方向に向けて斜め下から見た斜視図である。 図5は本発明に係る第2の実施の形態における船舶用の舵及び船舶の構成を示した船尾部分の側面図である。 図6は図5の船舶用の舵の構成を示した船尾から見た図である。 図7は図5の船舶用の舵の構成を示した平面図である。 図8は本発明に係る第3の実施の形態における船舶用の舵及び船舶の構成を示した船尾部分の側面図である。 図9は図8の船舶用の舵の構成を示した船尾から見た図である。 図10は図8の船舶用の舵の構成を示した平面図である。 図11は他の副舵の配置例(その1)を示した船尾から見た図である。 図12は他の副舵の配置例(その2)を示した船尾から見た図である。 図13は他の副舵の配置例(その3)を示した船尾から見た図である。 図14は他の副舵の配置例(その4)を示した船尾から見た図である。 図15は他の副舵の配置例(その5)を示した船尾から見た図である。 図16は吊り舵式を採用した場合の船舶用の舵及び船舶の構成を示した船尾部分の側面図である。 図17は副舵の後端側の角部をカットとした場合の船舶用の舵及び船舶の構成を示した船尾部分の側面図である。
 以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態の船舶用の舵及び船舶について説明する。図1、図5、図8は、船舶の船尾部分と、船舶用の舵の側面図を示し、図2、図6、図9は、船尾方向から舵を見た図を示し、図3、図7、図10は上から舵を見た平面図を示す。また、図4は、船尾方向から船首方向に斜めに見た斜視図を示す。なお、図2、図6、図9の図中のDpはプロペラの回転面を示す。
 図1~図4に示すように本発明の第1の実施の形態の船舶1Aは、船尾部分では、船体2にプロペラ3が取り付けられている。このプロペラ3は、プロペラ翼3aとプロペラボス3bとで形成され、プロペラキャップ4により、プロペラ回転軸5に固定されている。このプロペラ3の後方に舵10Aが配置される。この舵10Aは、垂直方向に設けられた舵軸11に固定され、操舵装置(図示しない)による舵軸11の回転に伴って回転するように構成される。
 本発明においては、この舵10Aは、垂直舵12と1枚以上(図1~図4では2枚)の副舵13a、13bとバルブ14とで一体に形成される。この垂直舵12と副舵13a、13bの断面形状は翼型部材として形成される。バルブ14は流線型の略回転体状の部材として形成される。
 この垂直舵12は、舵軸11に固定される垂直方向に延びる舵部材であり、従来技術の舵と略同じ構造である。しかし、この垂直舵12は、副舵13a、13bを取り付ける関係で、図1~図4に示すようにその下部を削除することもある。この垂直舵12の形状や大きさは、副舵13a、13bとバルブ14を取り付けたときの舵性能や直進時の推進性能、舵10A全体の重量や舵軸11の旋回に要する力等を考慮して設定される。
 この副舵13a、13bは、舵軸11に接続する垂直舵12に、船尾方向から見た場合に垂直舵12と交差させて設ける。即ち、副舵13a、13bは、垂直方向ではなく、船尾方向から見て、垂直舵12即ち垂直線に対して、角度αa、αbを有して斜めになるように垂直舵12に取り付ける。また、垂直舵12、副舵13a、13bの下端が船体のベースラインB.L.より下にならないように形成する。
 また、垂直舵12とこの副舵13a、13bの少なくとも1つを、船舶1Aの直進時に船舶1Aの長手方向に対して推進力を発生する断面形状、迎角、キャンバーを持って配置する。これにより、垂直舵12と副舵13a、13bで発生する揚力の前後方向成分による推進力を得て、直進時の船舶の推進性能を向上させることができる。
 この副舵13a、13bのそれぞれの船体の側面方向から見た投影舵面積を、垂直舵12の船体の側面方向から見た投影舵面積の25%~150%として形成する。この25%より小さい投影舵面積にすると、総投影舵面積増加によるメリットよりも、副舵13a、13bを設けることによる抵抗増加や重量増加等のデメリットが大きくなり実用的ではなくなる。また、150%よりも大きくすると、プロペラ後流から外れる可能性が高く、総投影舵面積が増加しても舵面積の増加の割りに舵性能が向上せず、副舵13a、13bを設けることによる抵抗増加や重量増加等のデメリットが大きくなり実用的ではなくなる。   
 更に、船体の側面方向から見た舵10A全体の外形の投影面積よりも、垂直舵12の船体の側面方向から見た投影舵面積と副舵13a、13bの船体の側面方向から見た投影舵面積の和である総投影舵面積を大きくして形成する。これにより、この総和である総投影舵面積を大きく維持しながら、船体の側面から見た舵10A全体の外形(プロファイル形状)をよりコンパクトにすることができる。
 図1~図4に示す実施の形態の舵10Aでは、垂直舵12はその下端がバルブ14に接続している。また、副舵13a、13bは、バルブ14に接続され、このバルブ14の中心Cbを中心とする放射方向に延びる。つまり、船尾に設ける舵10Aを、船尾方向から見た場合に、3方向の放射状の形状となるように垂直舵12と副舵13a、13bを一体に設けて構成する。この副舵13a、13bは、その先端が、船体2のベースラインより上の位置になるように形成される。
 図2に示すように、船尾から見た場合に、垂直舵12に対して傾斜角αa、αbを有して、副舵13a、13bが2つ設けられている。即ち、下側が二股の三ツ矢形状となっている。この図2の例では、設計及び工作が容易であるので、プロペラ回転軸5を含む垂直面に対して面対称に形成されている。しかし、プロペラ後流の流れは必ずしも、プロペラ回転軸5を含む垂直面に対して面対称にならないので、このプロペラ後流に合わせて非対称に形成することで更に性能を向上させることができる。
 また、図1の舵10Aの側面図と図3の舵10Aの平面図で分かるように、この副舵13a、13bのプロペラ3側の先端の角部は、舵10Aの中心線から左右に突出するため、舵10Aを旋回したときに、プロペラ3に接触しないように角部をカットする。つまり、副舵13a、13bを後退翼のように形成して、舵10Aを左右に回転したときにプロペラ3に衝突するのを回避する。
 また、バルブ14が、垂直舵12と副舵13a、13bとの交差部、言い換えれば、接続部に設けられる。このバルブ14により、垂直舵12と副舵13a、13bとの取り付け部分に構造的に大きな強度を持たせることができる。また、プロペラへ流れ込む流れの流入速度を遅くして、推進効率を向上させるというバルブの伴流利得上昇効果がある。この効果により、直進時の船舶1Aの推進性能が向上し、省エネ効果が発揮される。
 なお、このバルブ14の中心Cbはプロペラ回転軸5の回転中心Cpと一致させてもよいが、プロペラ後流を考慮して、必ずしも一致させずに、副舵13a、13bを含めた舵10A全体の舵性能がよくなるように配置することが好ましい。
 次に、第2の実施の形態の舵及び船舶について説明する。図5~図7に示すように、この船舶1Cは、舵10Cを備えて構成され、この舵10Cは、副舵13c、13dの舵の表面で発生した渦の流出を抑制する端板13cc、13ddを、副舵13c、13dの端部に設けて構成される。これ以外の構成は第1の実施の形態の舵10Aと同じ構成である。この端板13cc、13ddにより、副舵13c、13dの舵面から翼端渦が流出するのを抑制して、船舶1Cの直進時に副舵13c、13dで発生する推進力をより大きくすることができる。これにより、舵力及び直進時の船舶の推進性能を更に向上させることができる。
 次に、第3の実施の形態の舵及び船舶について説明する。図8~図10に示すように、この船舶1Eは、舵10Eを備えて構成される。この舵10Eは、副舵13e、13fの舵板の後端部にフラップ13ee、13ffを可動可能に設ける。このフラップ13ee、13ffにより、舵軸11回りの舵10Eの旋回力を増加させて船体1Eの旋回性能を向上させることができる。なお、副舵13e、13fでなく、垂直舵12のみにフラップを設けてもよく、垂直舵12と副舵13e、13fの両方にフラップを設けてもよい。
 また、この舵の配置例を図11~図15に幾つか示す。しかし、これに限定されない。これらに例示するように、舵10の形状は船尾から見たときに、上下非対称でも、左右非対称であってもよい。また、副舵13の船尾から見た形状に関しては、直線形状にすると設計及び工作が容易となる。一方、プロペラ後流に合わせて曲線状に形成すると、プロペラ後流を更に有効利用することができるので、舵の性能をより向上できる。
 更に、図12及び図13に示すように、垂直舵12を、副舵13を取り付けた位置よりも下方に延ばして形成してもよい。また、図示しないが、垂直舵12、副舵13、バルブ14の何れか1つ、または、幾つかに、フィンを設けてもよい。
 また、図1~図10では、ホーン付きの舵で配置例を示すが、船の要目(船の長さ、幅、喫水等)、船速、舵の大きさなどによっては、図16に示すような吊り舵式が採用される場合もある。
 なお、図17に示すように、舵10Iを旋回したときに、副舵13i、13jの後端側が船舶1Iの船尾端6よりも後方に突出することを防ぐ必要がある場合には、副舵13i、13jの後端側の角部をカットする。
 上記の船舶用の舵10A、10C、10E、10G、10I、及び、船舶1A、1C、1E、1G、1Iによれば、複数の副舵13a、13b、13c、13d、13e、13f、13g、13h、13i、13jを設けることにより、船体の側面方向から見た舵10A、10C、10E、10G、10I全体の外形形状の投影面積を、従来技術の船体の側面方向から見た形状が長方形や台形などの単一板状の舵と同じとしたときに、舵力に有効な船体の側面方向から見た総投影舵面積を大きくすることができる。従って、船舶の旋回性能と保針性能を向上させることができ、更に、船舶直進時の推進性能も向上することができる。
 また、同従来技術の単一板状の舵とほぼ同等の舵力を、舵10A、10C、10E、10G、10Iでは、船体の側面から見た投影面積がより小さくコンパクトなもので、実現できる。
 また、垂直舵12、副舵13a、13b、13c、13d、13e、13f、13g、13h、13i、13jの少なくとも1つを船舶1A、1C、1E、1G、1Iの直進時に船長方向に対して推進力を発生する断面形状、迎角及びキャンバーを有して形成することにより、従来技術の舵に付けるフィンと同様に、船舶1A、1C、1E、1G、1Iの直進時に推進力を発生できるが、フィンに比べて垂直舵12、副舵13a、13b、13c、13d、13e、13f、13g、13h、13i、13jはその大きさが大きく、大きな推進力を発揮できるので、直進時の船舶1A、1C、1E、1G、1Iの推進性能をより向上させることができる。
 更に、垂直舵12と副舵13との交差部にバルブ14を設けることにより、垂直舵12と副舵13との取り付け部分の構造的強度を大きくでき、また、推進効率を更に向上させることができる。なお、バルブ14を設けなくても、十分な構造的強度を確保でき、バルブ14による伴流利得上昇効果に基づく推進性能の向上を必要としない場合には、バルブ14を設ける必要はない。
 本発明の船舶は、上記のように、横方向から見た舵の外形形状の投影面積が小さくて、狭い船尾部分にも配置でき、しかも、大きな舵力を発生して高い旋回性能と針路安定性を奏することができる船舶用の舵及び船舶であるので、水上を航行する船舶の船舶用の舵及び船舶として利用できる。
 1、1A、1C、1E、1G、1I 船舶
 2 船体
 3 プロペラ
 3a プロペラ翼
 3b プロペラボス
 4 プロペラキャップ
 5 プロペラ回転軸
 6 船尾端
 10、10A、10C、10E、10G、10I 舵
 11 舵軸
 12 垂直舵
 13 副舵の総称
 13a、13b、13c、13d、13e、13f、13g、13h、13i、13j 副舵
 13cc、13dd 端板
 13ee、13ff フラップ
 14 バルブ
 Cb バルブの中心
 Cp プロペラの回転中心
 Dp プロペラ回転面

Claims (6)

  1.  水上を航走する船舶において、船尾に設ける舵を、舵軸に接続する垂直舵と、1つ以上の、船尾方向から見た場合に前記垂直舵と交差する副舵の合体で構成することにより、前記垂直舵と前記副舵の全てのそれぞれの船体の側面方向から見た投影舵面積の和である総投影舵面積を、船体の側面方向から見た舵全体の外形の投影面積よりも大きくして形成したことを特徴とする船舶用の舵。
  2.  前記副舵それぞれの船体の側面方向から見た投影舵面積を前記垂直舵の船体の側面方向から見た投影舵面積の25%~150%としたことを特徴とする請求項1記載の船舶用の舵。
  3.  前記垂直舵と前記副舵との交差部にバルブを設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の船舶用の舵。
  4.  前記垂直舵と前記副舵の少なくとも1つを、船舶の直進時に、船舶の長手方向に対して推進力を発生する断面形状、迎角及びキャンバーを有する形状として形成したことを特徴とする請求項1、2又は3記載の船舶用の舵。
  5.  前記副舵に該副舵の表面で発生した渦の流出を抑制する端板を設けたことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の船舶用の舵。
  6.  請求項1、2、3、4、又は5記載の船舶用の舵を備えたことを特徴とする船舶。
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