JP4909380B2 - 船舶 - Google Patents

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本発明は、ビルジ渦による船体抵抗を低減し、またビルジ渦の下降流を推力として利用する船舶に関するものである。
船舶においては、船底側から見た斜視図である図9に示すように、船体1の船尾1’両舷のビルジ部1a後端付近で、船底1bから上方に回り込む上向き流2と、船体側から内側へ流れ込もうとする下降流3とが交差し、この部分を発生源としたビルジ渦中心4を有するビルジ渦5が発生する。
ビルジ渦4は左舷側にも右舷側と逆向きのビルジ渦5’を形成する。特に肥大船では、ビルジ渦5,5’はプロペラ6前方の船尾船底外板上に大規模な3次元剥離を生じさせて船体抵抗を増加させる大きな原因となっている。
これらビルジ渦5,5’は船尾側から見て左舷側と右舷側とで反対方向に回転する回転流を誘導し、発達しながらプロペラ6位置まで流れてきて船体1の後方へ流れ去る。そして、ビルジ渦5,5’は、ビルジ渦中心4よりも船体側では斜め下方あるいは下方を向いた下降流となり、ビルジ渦中心4よりも外側では斜め上方あるいは上方を向いた上昇流となっている。ビルジ渦中心4周りの流れは回転流となっていて、この回転速度を誘起するエネルギーは船体1が抵抗に逆らって流体中を進むことによって流体に与えられる。
従来、このような渦現象を解明して船舶の推進性能を向上させた発明としては、プロペラ前方の左右舷の船体表面上に各々1枚のフィンを取り付け、このフィンはその翼根部が船体表面上にあり、翼端部がビルジ渦のほぼ中心に位置し、下向きのキャンバーを有してなるものがある。
この発明では船尾の3次元剥離に伴うビルジ渦に起因する回転流のエネルギーを推力に変換して船体抵抗の低減を図ろうとしている(たとえば、特許文献1参照)。
特開平09−136693号公報(図1)
これに対して、本発明はビルジ部に発生するビルジ渦によって、プロペラ軸の略軸上に発生する下降流の流れを、プロペラの回転により発生する回転流を打ち消す流れに変えることにより船体抵抗を低減させ、かつ推進効率を向上させようとするものである。
本発明の船舶では、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
すなわち、請求項1記載の船舶によれば、1軸船の船尾に配置されたプロペラの前方に位置する船尾船底外板のいずれか一方の舷側のみに、ボッシングよりも上方に位置する前記船尾船底外板から、船幅方向外側で、かつ、上方に向かって傾斜する少なくとも1枚のフィンが延設されており、前記フィンは、その前記船幅方向外側から前記船尾船底外板に向かう傾斜方向が、前記プロペラの回転方向に対向するように設けられ、前記フィンにより、船体が航走することによりビルジ部に発生するビルジ渦によって、プロペラ軸の略軸上に発生する下降流の流れが、前記フィンの上面に沿って船体の中心に導かれ、前記プロペラの回転により発生する回転流を打ち消す流れに変えられることを特徴とする。
この船舶においては、プロペラの前方に位置する船尾船底外板のいずれか一方の舷側のみに、少なくとも1枚のフィンが設けられており、プロペラ軸の略軸上に発生するビルジ渦による下降流がこのフィンの上面に沿って流れ、プロペラの回転により発生する回転流を打ち消すこととなる。
請求項に記載の船舶によれば、前記フィンは、前縁部が後縁部よりも上方に位置するように配置されていることを特徴とする。
この船舶においては、フィンの前縁部がフィンの後縁部よりも上方に位置するように配置されている、すなわち下降流の流れ方向に対してフィンが傾斜するように取り付けられている。
請求項に記載の船舶によれば、前記フィンの断面視形状が翼形とされていることを特徴とする。
この船舶においては、フィンの断面視形状が翼形とされているので、前縁部に衝突する流れが円滑に上面あるいは下面に導かれ、かつ後縁部から流れ去る流れが円滑な流れとされる。
請求項に記載の船舶によれば、前記翼形は下向きのキャンバーを有してなるものであることを特徴とする。
この船舶においては、フィンの断面視形状が下向きのキャンバーを有する翼形とされているので、下降流がフィンに衝突することにより、より大きな揚力が発生されることとなる。
請求項に記載の船舶によれば、前記フィンの後縁部は、前記船尾船底外板よりも前記プロペラ側に突出して設けられていることを特徴とする。
この船舶においては、フィンの後縁部が船尾船底外板よりもプロペラ側に突出して設けられているので、下降流がプロペラにより近いところまで導かれることとなる。
本発明の船舶によれば、以下の効果を奏する。
請求項1に記載の船舶によれば、プロペラの前方に位置する船尾船底外板のいずれか一方の舷側のみに、少なくとも1枚のフィンが設けられており、プロペラ軸の略軸上に発生するビルジ渦による下降流がこのフィンの上面に沿って流れ、プロペラの回転により発生する回転流を打ち消すこととなるので、船体抵抗を減少させることができるとともに、推進効率を向上させることができる。
請求項2に記載の船舶によれば、プロペラの前方に位置する船尾船底外板の両舷側に、少なくとも1枚のフィンがそれぞれ設けられており、プロペラ軸の略軸上に発生するビルジ渦による下降流がこのフィンの上面に沿って流れ、プロペラの回転により発生する回転流を打ち消すこととなるので、船体抵抗を減少させることができるとともに、推進効率を向上させることができる。
請求項3に記載の船舶によれば、フィンの前縁部が後縁部よりも上方に位置するように、フィンが右舷側の船尾船底外板に取り付けられているので、フィンに前進側(船首側)への推力が発生することとなって、船体の推進効率を向上させることができる。
請求項4に記載の船舶によれば、フィンの断面視形状が翼形とされており、前縁部に衝突する流れが円滑にフィンの上面あるいは下面に導かれ、かつ後縁部から流れ去る流れが円滑な流れとされるので、前縁部に衝突して発生する乱流および剥離を抑制することができるとともに、後縁部に発生する後流を抑制することができて、渦抵抗を減少させることができ、船体抵抗を減少させることができて、推進効率を向上させることができる。
請求項5に記載の船舶によれば、フィンの断面視形状が下向きのキャンバーを有する翼形とされており、下降流がフィンに衝突することにより、より大きな揚力が発生することとなるので、推進効率をさらに向上させることができる。
請求項6に記載の船舶によれば、フィンの後端部が船尾船底外板よりもプロペラ側に突出して設けられているので、下降流をより効率よくプロペラの側に導くことができて、推進効率をより一層向上させることができる。
本発明による船舶の一実施形態を示す図であって、(a)は右側面図、(b)は(a)のb1−b1矢視断面図、(c)は(a)のc1−c1矢視断面図である。 図1(c)と同様の図であって、下後流の流れを説明するための図である。 図1(a)に示すフィンの翼端部を示す図であって、下降流によってフィンに揚力が発生することを説明するための図である。 図1(b)と同様の図であって、本発明による船舶の他の実施形態を示す図である。 本発明による船舶の別の実施形態を示す図であって、(a)は右側面図、(b)は(a)のb5−b5矢視断面図、(c)は(a)のc5−c5矢視断面図である。 本発明による船舶のさらに別の実施形態を示す図であって、図5に示すフィンに翼形状を採用したものを説明するための図である。 本発明による船舶のさらに別の実施形態を示す図であって、(a)は右側面図、(b)は(a)のb7−b7矢視断面図、(c)は(a)のc7−c7矢視断面図である。 本発明による船舶のさらに別の実施形態を示す図であって、(a)は図7(b)と同様の図、(b)は図7(c)と同様の図である。 船底側から見た船舶の斜視図であって、ビルジ渦の発生状況を説明するための図である。
以下、本発明に係る船舶の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、上述した従来技術と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図1は船尾1’の要部を示す図であって、(a)は右側面図、(b)は(a)のb1−b1矢視断面図、(c)は(a)のc1−c1矢視断面図である。
図1(a)において符号10は船体1(図9参照)の進路を変更するための舵、符号11は船尾1’の船底部を形成する船尾船底外板、符号12はボッシングであり、図1(b)における符号C.L.は船首と船尾を結ぶ中心線(センターライン)、および図1(c)における符号V.L.は船体1の中心に位置する鉛直軸線を示している。また、図1(c)に実線で示す円は、プロペラ6の回転径を示している。以下に説明する実施形態において、プロペラ6は船尾側から見て右回転(時計方向に回転)するものとする。
図1に示すように、本発明に係る船舶には、プロペラ6の前方に位置する船尾船底外板11、この場合、プロペラ6が右回転するため右舷側の船尾船底外板11に1枚のフィン20が設けられている。
このフィン20は、ボッシング12よりも上方に位置する右舷側の船尾船底外板11にその翼根部20aが位置し、かつこの翼根部20aよりも上方にその翼端部20bが位置するように配置されたものである。
すなわち、フィン20は、図1(c)において右側に位置する翼端部20bが左側に位置する翼根部20aよりも上方に位置して、フィン20の上面20cが右上から左下に傾斜するように設けられている。
図1(b)に示すように、翼端部20bを結ぶ線は中心線C.L.と平行となっている。
そして、翼根部20aは対応する右舷側の船尾船底外板11の形状と合致するように形成されている。
また、フィン20の後端面(後縁部)20dが、フィン20が取り付けられる船尾船底外板11の後端11aよりも後方側(プロペラ6側)に突出しないように、すなわちフィン20の後端面20dと船尾船底外板11の後端11aとが、中心線C.L.に直交する線と平行な線上に位置するように配置されている。
このようなフィン20は、図1(c)と同様の図である図2に示すように、右舷側に発生するビルジ渦5の下降流、すなわちプロペラ軸の略軸上に発生する下降流の流れをプロペラ6の回転により発生する回転流を打ち消す方向の流れに変える働きをするものである。
このようなフィン20を設けることにより、プロペラ軸の略軸上に発生するビルジ渦5の下降流が、フィン20の上面20cに沿ってプロペラ6の回転により発生する回転流を打ち消す方向にその向きが変えられることとなり、推進効率を向上させることができる。
図1(a)および図3に示すように、フィン20の前端(前縁部)20eが後端面20dよりも上方に位置するように、フィン20が取り付けられていればさらに有利である。
すなわち、図3に示すようにビルジ渦5(図2参照)の下後流201に対してフィン20が傾斜して取り付けられている(すなわち、水面と平行となる水平線lに対して傾斜角αを有している)ため、揚力202が発生することになる。また、揚力202の前向き成分は推力203となるため、この推力203が船体1に作用して船体抵抗が低減する。
このように、フィン20の前端20eが後端面20dよりも上方に位置するように、フィン20を右舷側の船尾船底外板11に取り付けることにより、フィン20に前進側(船首側)への推力203が発生することとなって、船体の推進効率を向上させることができる。
次に、図4に基づいて本発明に係る他の実施形態について説明する。図4は図1(b)と同様の図である。本実施形態と、図1ないし図3に基づいて説明した実施形態との異なる点は、フィン20が取り付けられる船尾船底外板11の後端11aよりもフィン20の後端面20dが後方に突出しているか否かという点である。すなわち、本実施形態のフィン21は、その後端面20dが船尾船底外板11の後端11aよりも後方(プロペラ6側)に突出するように配置されている。その他の構成および取り付け状態については図1ないし図3に基づいて説明した実施形態のものと同様であるので、ここではその説明を省略する。
このように、フィン21の後端面20dを船尾船底外板11の後端11aよりも後方(プロペラ6側)に突出させることにより、フィン21の面積(下降流を受け止める面積)が増加し、より多くの下降流をプロペラ6の側に導くことができて、推進効率をさらに向上させることができる。
また、フィン21の後端面20dが船尾船底外板11の後端11aよりも後方(プロペラ6側)に突出しているため、下降流をより効率よくプロペラ6の側に導くことができて、推進効率をより一層向上させることができる。
図5に基づいて本発明に係る別の実施形態について説明する。図5は船尾1’の要部を示す図1と同様の図であって、(a)は右側面図、(b)は(a)のb5−b5矢視断面図、(c)は(a)のc5−c5矢視断面図である。本実施形態と、図1ないし図3に基づいて説明した実施形態との異なる点は、フィン22の翼端部20bがビルジ渦5の略中心に位置するように配置されているか否かという点である。すなわち、本実施形態のフィン22は、その翼端部20bが長手方向(船首尾方向)に沿ってビルジ渦5の略中心に位置するように配置されている。したがって、船尾船底外板11に対する取り付け位置および取り付け角度は前述したフィン20と同様であるが、フィン22の翼端部20bをビルジ渦5の略中心に位置させるため、フィン22の水中への突出長さ、すなわち翼幅がフィン20よりも長くなっていることが図5からわかる。このため前端20eが後端面20dと平行となる辺で形成されている。
なお、その他の構成および取り付け状態については図1ないし図3に基づいて説明した実施形態のものと同様であるので、ここではその説明を省略する。
このように、フィン22の翼端部20bをビルジ渦5の略中心に配置させることにより、ビルジ渦5の下降流の略全てをプロペラ6の側に導くことができるようになるので、推進効率をさらに向上させることができる。
また、図4に示したように、本実施形態においてもフィン22の後端面20dを船尾船底外板11の後端11aよりも後方(プロペラ6側)に突出させることができる。これにより、フィン22の面積が増加し、より多くの下降流をプロペラ6の側に導くことができて、推進効率をさらに向上させることができる。
さらに、フィン22の後端面20dが船尾船底外板11の後端11aよりも後方(プロペラ6側)に突出しているため、下降流をより効率よくプロペラ6の側に導くことができて、推進効率をより一層向上させることができる。
図5に示すフィン22の断面形状、すなわち中心線C.L.と平行となる面で切った断面形状が、図6に示すような翼形とされていればさらに有利である。
このようにフィン20の断面形状が翼形とされることにより、前縁部20eに衝突して発生する乱流および剥離を抑制することができるとともに、後縁部20dに発生する後流を抑制することができて、渦抵抗を減少させることができ、船体抵抗を減少させることができて、推進効率を向上させることができる。
また、図6に示すように、この翼形に下向きのキャンバをつけることにより、図3を用いて説明した揚力202をより大きく発生させることができるので、これにより推力203をより大きく発生させることができて、推進効率をさらに向上させることができる。
図7に基づいて本発明に係るさらに別の実施形態について説明する。図7は船尾1’の要部を示す図1および図5と同様の図であって、(a)は右側面図、(b)は(a)のb7−b7矢視断面図、(c)は(a)のc7−c7矢視断面図である。本実施形態が、図5に基づいて説明した実施形態と異なる点は、図5に示すフィン20の他に、図1に示すフィン20と同様のフィン20’が図5に示すフィン20の上方に設けられているという点である。すなわち、本実施形態では、フィン25が上下方向に2枚設けられている。
フィン25は図5に示すフィン22と、このフィン22の上方に取り付けられる図1と同様のフィン20’と有するものである。
フィン22は、図5を用いて説明したように、その翼端部20bが長手方向(船首尾方向)に沿ってビルジ渦5の略中心に位置するように配置されているものである。その他の構成および取り付け状態については図5に基づいて説明した実施形態のものと同様であるので、ここではその説明を省略する。
一方、フィン20’は、その取り付け位置が図1のものよりも上側に位置している点で図1のものと異なるが、その他の構成および取り付け状態については図1に基づいて説明した実施形態のものと同様である。
フィン20’とフィン22とは、互いの上面20c’と上面20cとが平行になるように配置されている。また、フィンの幅方向の長さ、すなわち中心線C.L.と直交する方向の長さ(言い換えれば船尾船底外板11から水中に向かって突出する長さ)は、上方に位置するフィン20’が下方に位置するフィン22よりも短くなるように形成されている。
これらの状態をわかりやすく示したものが図7(c)である。フィン20’とフィン22とをこのように(すなわち図7に示すように)構成・配置することにより、ビルジ渦5の外側(すなわち船体に近い側)に位置する下降流はフィン20’の上面20c’に沿って鉛直軸線V.L.の方に流れ、ビルジ渦5の内側(中心側)に位置する下降流はフィン22の上面20cに沿って鉛直軸線V.L.の方に流れることとなる。
フィン20’の上面20c’に沿う流れは、プロペラ6の回転径の外側、すなわちプロペラ6の翼端付近に導かれるとともに、フィン22の上面20cに沿う流れは、プロペラ6の回転径の内側、すなわちプロペラ6の翼端と翼根(プロペラボス)との間の翼中間部付近に導かれる。
このように、ビルジ渦5の下降流がプロペラ6の回転径の外側、およびプロペラ6の回転径の内側の異なる位置に分散して導かれることとなるので、図5に示すようにビルジ渦5の下降流がプロペラ6の回転径の内側に集中して導かれる場合に比べて推進効率を向上させることができる。
図8に基づいて本発明に係るさらに別の実施形態について説明する。図8(a)は図1(b)、図4、図5(b)、および図7(b)と同様の図である。また図8(b)は図1(c)、図5(c)、および図7(c)と同様の図である。本実施形態が図1ないし図3に基づいて説明した実施形態と異なる点は、図8(a)に示すように、フィン30が船尾船底外板11の後端11aから図4同様プロペラ6側に突出して設けられているとともに、左舷側の船尾船底外板11から左舷水中側に突出して設けられている点である。本実施形態の場合、フィン30の上面30cは一平面となるように構成されている。
フィン30をこのように(すなわち図8に示すように)構成・配置することにより、右舷側に発生するビルジ渦5の下降流を船体の中心に位置する鉛直軸線V.L.を越えて左舷側に導くことができるとともに、左舷側に発生するビルジ渦5’の下後流の向きを、プロペラ6の回転により発生する回転流をより打ち消す方向に変えることができるので、推進効率をさらに向上させることができる。
なお、上述してきた実施形態において、図6を用いて説明したもの以外はすべてフィンの端部が角部を有する単なる板状部材として説明してきた。しかしながら本発明はこれに限定されるものではなく、フィンの前縁部、翼端部、および後縁部を面取り、あるいは適切な丸み(R部)を持たせて、乱流、剥離、後流の発生を防止するための措置を適宜講じてももちろん良い。
また、今まで述べてきた実施形態は必要に応じて適宜組み合わせ可能である。
1 船体
1’ 船尾
1a ビルジ部
5 ビルジ渦
5’ ビルジ渦
6 プロペラ
11 船尾船底外板
20 フィン
20’ フィン
20a 翼根部
20b 翼端部
20d 後端面(後縁部)
20e 前端(前縁部)
21 フィン
22 フィン
30 フィン
201 下降流

Claims (5)

  1. 1軸船の船尾に配置されたプロペラの前方に位置する船尾船底外板のいずれか一方の舷側のみに、ボッシングよりも上方に位置する前記船尾船底外板から、船幅方向外側で、かつ、上方に向かって傾斜する少なくとも1枚のフィンが延設されており、前記フィンは、その前記船幅方向外側から前記船尾船底外板に向かう傾斜方向が、前記プロペラの回転方向に対向するように設けられ、前記フィンにより、船体が航走することによりビルジ部に発生するビルジ渦によって、プロペラ軸の略軸上に発生する下降流の流れが、前記フィンの上面に沿って船体の中心に導かれ、前記プロペラの回転により発生する回転流を打ち消す流れに変えられることを特徴とする船舶。
  2. 前記フィンは、前縁部が後縁部よりも上方に位置するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の船舶。
  3. 前記フィンの断面視形状が翼形とされていることを特徴とする請求項1または2に記載の船舶。
  4. 前記翼形は下向きのキャンバーを有してなるものであることを特徴とする請求項3に記載の船舶。
  5. 前記フィンの後縁部は、前記船尾船底外板よりも前記プロペラ側に突出して設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の船舶。
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