JP5101640B2 - 船舶フィン装置 - Google Patents

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Description

本発明は、船体付加物により船舶の省エネルギー化を図る船舶フィン装置に関するものである。
従来、船舶の推進性能の向上を図り、省エネルギー化を実現するという目的で種々の工夫が行われており、例えば図7(a)に示されるように、細長く延びた板状のフィン50をプロペラ51の前方で船尾船体52に向って上り勾配となるように船体両舷に装着したり、また同図(b)に示されるように、三角形状のフィン60をプロペラ51Aの前方の船尾船体52Aに左右一対で装着したりするなどの工夫が行われている。前者に係るフィン(以下、「一条フィン」と称する。)50は、船側におけるビルジ渦を制御し推進性能を改善することで省エネルギー化に供するものとされ、後者に係るフィン(以下、「三角形状フィン」と称する。)60は、船尾部における整流作用で船体抵抗を低減し省エネルギー化に供するものとされている。
しかし、船舶における省エネルギー化の観点では、推進効率の向上と船体抵抗の低減とを共に図るのが肝要であり、図7(a)に示される一条フィン50では、推進効率の向上と船体抵抗の低減とを同時に図る設置位置を見出すのが困難で、いずれか一方が良ければ他方が変わらないか、もしくは悪化するなどという問題がある。一方、図7(b)に示される三角形状フィン60では、プロペラ直前の流れは制御できても、広い範囲のビルジ渦を制御することができないため、推進効率の向上が不十分で、かつトータルな意味での船体抵抗の低減が小さいという問題がある。
上記のような問題を解消し得るものとして、本出願人が既に提案した船舶フィン装置がある(特許文献1参照)。
特許第3808726号公報
図8(a)に示されるように、特許文献1に係る船舶フィン装置70は、船尾水線(WL)下の船舷に、互いに間隙をもって前側および後側にそれぞれ配設される第1のフィン71および第2のフィン72を備えて構成されている。
第1のフィン71は、船体中央より後方でプロペラ73の中心線高さ以下の位置を起点として後方に向かって上り勾配とされている。
第2のフィン72は、船底に平行もしくは平行に近い傾きで、その設置高さがプロペラ73の中心線の上方であってそのプロペラ73の中心線からプロペラチップの高さの間となるように、プロペラ直前の船体に装備されている。
この船舶フィン装置70を装備する船舶の船体中央部から船幅が狭くなる船尾にかけて、船舶の進行方向に沿った軸をもち船底から船側へ回り込む渦、いわゆるビルジ渦BWが発生するとともに、このビルジ渦BWが船側に当ることで、その船側の近傍に斜め下方の流れBWaが発生する。
斜め下方の流れBWaが第1のフィン71によって遮られることでビルジ渦BWが弱められる。この弱められたビルジ渦BWは、第1のフィン71によって渦形成が保護されつつ順次プロペラ73の前方の第2のフィン72の近傍へと誘導される。そして、この第2のフィン72により、ビルジ渦BWはその拡散が防止されつつプロペラ73へと導かれるとともに、ビルジ渦BWに誘発される二次流れ(進行方向に対する直角面内流れ)が抑制され、かつプロペラ73の前方における船長方向流れが整流される。
この船舶フィン装置70によれば、簡易な構成で推進効率の向上と船体抵抗の低減とを図ることができ、これによって省エネルギー効果を得ることができる。
ところが、例えば船型によってはビルジ渦の発生地点がより船尾側にある場合がある。その場合、図8(a)に示される船舶フィン装置70に対し、同図(b)に示される船舶フィン装置70Aのように、第1のフィン71を船尾側に移行させる構成を採用することがある。
このような構成を採用すると、当然のことながら、船舶フィン装置70Aにおける第1のフィン71と第2のフィン72との間隙tは、船舶フィン装置70における第1のフィン71と第2のフィン72との間隙tよりも小さくなり(t<t)、船舶フィン装置70Aにおいては第1のフィン71で弱められたビルジ渦がスムーズに第2のフィン72へと誘導されない。
このため、船舶フィン装置70Aでは、第2のフィン72の上方側においては所期の整流効果を得ることができるものの、第2のフィン72の下方側においては所期の整流効果を得ることができず、第2のフィン72による整流効果が不十分となり、十分な省エネルギー効果を得ることができないという問題点がある。
本発明は、前述のような問題点に鑑みてなされたもので、例えば船型等に起因してビルジ渦の発生地点がより船尾側にあるような場合でも、簡易な構成で推進効率の向上と船体抵抗の低減とを図ることができ、これによって省エネルギー効果を確実に得ることのできる船舶フィン装置を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するために、第1発明による船舶フィン装置は、
一軸または複数軸船舶の船尾水線下の両舷または片舷に、片舷につき第1のフィンおよび第2のフィンがそれぞれ前側および後側に互いに間隙をもって配設され、
前記第1のフィンは、船体中央より後方でプロペラ中心線高さ以下の位置を起点として後方に向かって上り勾配とされ、
前記第2のフィンは、船底に平行もしくは平行に近い傾きで、その設置高さがプロペラ中心線の上方であってそのプロペラ中心線からプロペラチップの高さの間となるように、プロペラ直前の船体に装備されてなる船舶フィン装置において、
前記第1のフィンの後方で、かつ前記第2のフィンの下方であって、前記第1のフィンの起点の高さからプロペラ中心線の高さ位置までの範囲に、第3のフィンを、船底に平行もしくは平行に近い傾きで配置することを特徴とするものである。
次に、第2発明による船舶フィン装置は、
一軸または複数軸船舶の船尾水線下の両舷のうち、プロペラの回転方向と順廻りのビルジ渦が発生する側の船舷に、第1のフィンおよび第2のフィンがそれぞれ前側および後側に互いに間隙をもって配設されるとともに、プロペラの回転方向と逆廻りのビルジ渦が発生する側の船舷に一条フィンが配設され、
前記第1のフィンは、船体中央より後方でプロペラ中心線高さ以下の位置を起点として後方に向かって上り勾配とされ、
前記第2のフィンは、船底に平行もしくは平行に近い傾きで、その設置高さがプロペラ中心線の上方であってそのプロペラ中心線からプロペラチップの高さの間となるように、プロペラ直前の船体に装備され、
前記一条フィンは、船底に平行もしくは平行に近い傾きで、その設置高さがプロペラ中心線の上方であってそのプロペラ中心線からプロペラチップの高さの間となるように、プロペラ直前の船体に装備されてなる船舶フィン装置において、
前記第1のフィンの後方で、かつ前記第2のフィンの下方であって、前記第1のフィンの起点の高さからプロペラ中心線の高さ位置までの範囲に、第3のフィンを、船底に平行もしくは平行に近い傾きで配置することを特徴とするものである。
第1発明または第2発明において、前記第3のフィンは、プロペラ中心線からプロペラ半径長の0.7倍下方の位置に至るまでの高さ範囲に設置されるのが好ましい(第発明)。
例えば船型等に起因してビルジ渦の発生地点がより船尾側にある場合、第1のフィンを船尾側に移行させる構成が採用されることがあり、このような構成が採用されると、第1のフィンと第2のフィンとの間隙がより小さくなるため、第2のフィンの上方側においては所期の整流効果を得ることができるものの、第2のフィンの下方側においては所期の整流効果を得ることができない。
本発明によれば、第2のフィンの下方側におけるプロペラ前方の船長方向流れが第3のフィンによって整流されるので、第2のフィンの下方側における整流効果を第3のフィンによって補完することができる。したがって、船型等に起因してビルジ渦の発生地点がより船尾側にあるような場合でも、簡易な構成で推進効率の向上と船体抵抗の低減とを図ることができ、これによって省エネルギー効果を確実に得ることができる。
本発明の第1の実施形態に係る船舶フィン装置を装備した船舶の要部概略構成図で、右舷側面図(a)および左舷側面図(b) 図1(a)のA−A線矢視図(a)およびB−B線矢視図(b) 各種フィンの設置位置の詳細説明図 第1の実施形態の船舶フィン装置による船尾流れの制御状態図 推進性能試験の結果の説明図 本発明の第2の実施形態に係る船舶フィン装置を装備した船舶の要部概略構成図で、右舷側面図(a)および左舷側面図(b) 従来の船舶フィン装置を説明する図で、船尾船体に一条フィンが装着された例の説明図(a)および船尾船体に三角形状フィンが装着された例の説明図(b) 特許文献1に係る船舶フィン装置の右舷側面図で、第1のフィンと第2のフィンとの間隙が比較的大きい状態図(a)および同間隙が比較的小さい状態図(b)
次に、本発明による船舶フィン装置の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
〔第1の実施形態〕
図1には、本発明の第1の実施形態に係る船舶フィン装置を装備した船舶の要部概略構成図で、右舷側面図(a)および左舷側面図(b)がそれぞれ示されている。
<船舶の概略構成の説明>
図1に示されるように、本実施形態に係る船舶1は、一軸船の船尾構造を有する肥大船型船舶であって、船体中央部から船幅が狭くなる船尾2に設けられる舵3と、スターンバルブにおける船尾ボス4に支承され、後方から見て右回りの回転方向のプロペラ5とを備えて構成されている。
<船舶フィン装置の概略構成の説明>
このような構成の船舶1において、本実施形態の船舶フィン装置10は、船尾水線(WL)下の右舷1Rおよび左舷1Lの両舷1R,1Lに、片舷につき3条の短冊状の前側フィン11、後側フィン12およびボスフィン13がそれぞれ外板14R,14Lに装着されて構成されている。
前側フィン11、後側フィン12およびボスフィン13は、共に各フィンの長辺が外板14R,14Lに沿い、かつ各フィンの短辺が外板14R,14Lから略直角方向に突出するように装着されている。
なお、前側フィン11が本発明の「第1のフィン」に、後側フィン12が本発明の「第2のフィン」に、ボスフィン13が本発明の「第3のフィン」に、それぞれ対応する。
<前側フィンの説明>
図3に示されるように、前側フィン11は、船体中央より後方であって船尾垂線APから前方に所定の距離Sの位置にその取付起点を有し、またその取付位置がプロペラ5の中心線Oの高さ以下で、かつその取付終点が後方に装着される後側フィン12の高さ以下の範囲Hとなるように、後方に向かって上り勾配で装着されている。
なお、本実施形態において、前側フィン11の取付起点および取付終点のそれぞれの高さ位置は共にプロペラ5の中心線Oの高さ位置よりも低くされている。
また、前側フィン11の長辺長さLは、プロペラ5の直径D(2r)以下とされている。
また、図2(b)に示されるように、前側フィン11の外板14R,14Lからの突出幅Wは、プロペラ5の直径Dの10%以下とされている。
<後側フィンの説明>
図3に示されるように、後側フィン12は、前側フィン11の後方に間隙T(=t(図8(b)参照))を存して配され、船底に平行もしくは平行に近い傾きで、その取付高さがプロペラ5の中心線Oの上方であってそのプロペラ5の中心線Oの高さ位置からプロペラチップの高さ位置の間の範囲Hとなるように、プロペラ5の直前の船体に装着されている。
なお、本実施形態において、後側フィン12の長辺長さLは、プロペラ5の直径D以下とされている。
また、図2(a)に示されるように、後側フィン12の外板14R,14Lからの突出幅Wは、プロペラ5の直径Dの20%以下とされている。
<前側フィンと後側フィンとの間隙に関する説明>
本実施形態に係る船舶1は、ビルジ渦BWの発生地点がより船尾2側にある船型のものを想定している。したがって、従来の船舶フィン装置70(図8(a))に対し、本実施形態の船舶フィン装置10では、従来の第1のフィン71に相当する前側フィン11を船尾側に移行させる構成が採用されている。このような構成を採用すると、当然のことながら、本実施形態の船舶フィン装置10における前側フィン11と後側フィン12との間隙Tは、図8(a)の従来の船舶フィン装置70における第1のフィン71と第2のフィン72との間隙tよりも小さくなる(T<t)。
<ボスフィンの説明>
図3に示されるように、ボスフィン13は、前側フィン11の後方においてその前側フィン11との間隙を十分に確保することができる位置で、かつ後側フィン12の下方におけるスターンバルブ部分に配され、船底に平行もしくは平行に近い傾きで、その設置高さがプロペラ5の中心線Oの高さ位置と同じ高さ位置になるように、船尾ボス4の近傍の船体に装着されている。
なお、本実施形態において、ボスフィン13は、その長辺長さLが後側フィン12の長辺長さLよりも短くされている。
また、図2(a)に示されるように、ボスフィン13の外板14R,14Lからの突出幅Wは、プロペラ5の直径Dの10%以下とされている。
<ボスフィンの設置高さの好適な範囲の説明>
ここで、前側フィン11で弱められたビルジ渦BWをよりスムーズにプロペラ面へと誘導するために、ボスフィン13は、図3に示されるように、前側フィン11の取付起点の高さからプロペラ5の中心線Oの高さ位置までの範囲Hに設置されるのが好ましい。また、プロペラ5のエネルギー効率の観点から、ボスフィン13は、プロペラ5の中心線Oからプロペラ半径長r(D/2)の0.7倍下方の位置に至るまでの高さ範囲Hに設置されるのが好ましい。
<本実施形態の船舶フィン装置の作用効果の説明>
このように構成される船舶フィン装置10を装備する船舶1においては、図4に示されるように、船体中央部から船幅が狭くなる船尾2にかけて、船舶1の進行方向に沿った軸をもち船底から船側へ回り込む渦、いわゆるビルジ渦BWが発生するとともに、このビルジ渦BWが船側に当ることで、その船側の近傍に斜め下方の流れBWaが発生するが、前側フィン11がその斜め下方の流れBWaを遮って、ビルジ渦BWを弱めるとともに、その前側フィン11の下方におけるビルジ渦BWの渦形成を保護しつつ、そのビルジ渦BWを順次プロペラ5の前方へと誘導する。
次いで、後側フィン12がプロペラ5の前方に導かれたビルジ渦BWの拡散を防止し、かつそのビルジ渦BWによる二次流れを抑制するとともに、プロペラ5の前方における船長方向流れを整流する。
ここで、前側フィン11と後側フィン12との間隙T(図3参照)が従来の船舶フィン装置70と比べて狭いため(T<t)、ビルジ渦BWがスムーズに後側フィン12へと誘導されず、後側フィン12の整流作用のみではその後側フィン12の下方側において所期の整流効果を得ることができないが、ボスフィン13により、後側フィン12の下方側におけるプロペラ5の前方の船長方向流れが整流される。
そして、前側フィン11と後側フィン12との間隙Tから取り込まれた船側に沿う流れQが先に述べた後側フィン12によるビルジ渦BWの拡散防止作用およびプロペラ5の前方における整流作用を助長する。こうして、ビルジ渦BWに捲き込まれた境界層の伴流と、より均一にされた流れとをプロペラ5の面内に確実に誘導する。
<本実施形態の船舶フィン装置の作用効果の説明>
本実施形態の船舶フィン装置10によれば、前側フィン11、後側フィン12およびボスフィン13、加えてこれら前側フィン11と後側フィン12との間隙Tから取り込まれる船側に沿った流れQにより、プロペラ5の面内には、伴流と、より均一な流れとが確実に導かれるので、伴流利得と推進器効率比とを高めることができ、船舶1の推進効率を向上させることができる。
また、前側フィン11によるビルジ渦BWの弱勢化や、後側フィン12およびボスフィン13によるビルジ渦BWの拡散防止作用、ビルジ渦BWに誘発される二次流れの抑制などにより、ビルジ渦BWに起因する誘導抵抗が減じられので、船舶1の船体抵抗を低減することができる。
加えて、前側フィン11と後側フィン12との間隙Tから取り込まれる船側に沿った流れQによる整流作用や、後側フィン12およびボスフィン13によるプロペラ5の前方における整流作用などにより、船尾2近傍での圧力回復が成されることから、船舶1の船体抵抗を更に低減することができる。
こうして、船型等に起因してビルジ渦の発生地点がより船尾側にあるような場合でも、簡易な構成で推進効率の向上と船体抵抗の低減とを図ることができるので、省エネルギー効果を確実に得ることができる。さらに、前側フィン11、後側フィン12およびボスフィン13がいずれも短冊状の簡易な形状で、しかもそれぞれのフィン11,12,13が独立して配置される構造とされているので、それらフィン11,12,13の製作や船体への装着が簡単に行えて実用化が容易となり、費用対効果に優れるという利点がある。
<推進性能試験の結果の説明>
以上述べた船舶フィン装置10の省エネルギー効果を確認するために、本発明者は、模型船による抵抗試験および自航試験を行った。これらの試験は、模型船に本発明の船舶フィン装置10を装備した場合と従来の船舶フィン装置70A(図8(b)参照)を装備した場合とを比較して行われた。その結果が図5に示されている。
本発明の船舶フィン装置10を装備することにより、満載状態およびバラスト状態のいずれにおいても、従来の船舶フィン装置70Aを装備した場合と比べて、同一船速に対する推進馬力が小さくて済み、約2%の省エネルギー効果による改善が図られているのが確認された。
〔第2の実施形態〕
図6には、本発明の第2の実施形態に係る船舶フィン装置を装備した船舶の要部概略構成図で、右舷側面図(a)および左舷側面図(b)がそれぞれ示されている。なお、本実施形態の船舶フィン装置10Aを装備した船舶1Aにおいて、第1の実施形態の船舶フィン装置10を装備した船舶1と同一または同様のものについては図に同一符号を付すに留めてその詳細な説明を省略することとし、以下においては第1の実施形態の船舶フィン装置10を装備した船舶1と異なる点を中心に説明することとする。
<第2の実施形態に係る船舶の特徴点の説明>
本実施形態の船舶フィン装置10Aを装備した船舶1Aにおいて、プロペラ5の回転方向と順廻りのビルジ渦が発生する側の船舷、すなわち左舷1L(図6(b)参照)には、前側フィン11、後側フィン12およびボスフィン13がそれぞれ第1の実施形態の船舶フィン装置10と同様に装備される一方、プロペラ5の回転方向と逆廻りのビルジ渦が発生する側の船舷、すなわち右舷1R(図6(a)参照)には後側フィン12(本発明の「一条フィン」に相当する。)のみが装備されている。
本実施形態の船舶フィン装置10Aでは、左舷1Lにおける前側フィン11がプロペラ5の回転方向と順廻りのビルジ渦を弱め、第1の実施形態の船舶フィン装置10と同様に、その弱められた順廻りのビルジ渦をプロペラ5へと誘導する。一方、プロペラ5の回転方向と逆廻りのビルジ渦についてはその勢力を弱めることなく右舷1Rの後側フィン12でその拡散を防止しつつプロペラ5へと誘導する。こうして、プロペラ5の面内において、プロペラ5の回転方向に対して逆廻りの回転流が平均して優勢となるようにする。
本実施形態の船舶フィン装置10Aによれば、プロペラ5の面内においては、プロペラ5の回転方向に対して逆廻りの回転流が平均して優勢である状態とされるので、回転エネルギーをプロペラ5で効率良く回収することができ、更に推進効率の向上を図ることができるという効果を奏する。
ここで、本実施形態の船舶フィン装置10Aの主旨は、プロペラ5の面内において、プロペラ5の回転方向に対して逆廻りの回転流が平均して優勢となるようにし、回転エネルギーをプロペラ5で効率良く回収することによって、推進効率を向上させようとすることであるが、この主旨に沿えば、第1の実施形態の船舶フィン装置10において、左舷1Lおよび右舷1Rの各舷にそれぞれ装備される前側フィン11、後部フィン12およびボスフィン13の配置を適宜調整することにより、特に、左舷1L側の前側フィン11はビルジ渦を弱勢化させる観点での配置とし、これに対して、右舷1R側の前側フィン11は左舷1L側に対して相対的にビルジ渦を強勢化させる観点での配置とすることにより、本実施形態の船舶フィン装置10Aで述べたような回転エネルギーのプロペラ5での回収による推進効率の向上を図ることができる。
以上、本発明の船舶フィン装置について、複数の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、各実施形態に記載した構成を適宜組み合わせる等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
本発明の船舶フィン装置は、例えば船型等に起因してビルジ渦の発生地点がより船尾側にあるような場合でも、簡易な構成で推進効率の向上と船体抵抗の低減とを図ることができ、これによって省エネルギー効果を確実に得ることができるという特性を有していることから、船体付加物による船舶の省エネルギー化の用途に好適に用いることができる。
1,1A 船舶
1L 左舷
1R 右舷
2 船尾
3 舵
4 船尾ボス
5 プロペラ
10,10A 船舶フィン装置
11 前側フィン(第1のフィン)
12 後側フィン(第2のフィン、一条フィン)
13 ボスフィン(第3のフィン)
14L,14R 外板

Claims (3)

  1. 一軸または複数軸船舶の船尾水線下の両舷または片舷に、片舷につき第1のフィンおよび第2のフィンがそれぞれ前側および後側に互いに間隙をもって配設され、
    前記第1のフィンは、船体中央より後方でプロペラ中心線高さ以下の位置を起点として後方に向かって上り勾配とされ、
    前記第2のフィンは、船底に平行もしくは平行に近い傾きで、その設置高さがプロペラ中心線の上方であってそのプロペラ中心線からプロペラチップの高さの間となるように、プロペラ直前の船体に装備されてなる船舶フィン装置において、
    前記第1のフィンの後方で、かつ前記第2のフィンの下方であって、前記第1のフィンの起点の高さからプロペラ中心線の高さ位置までの範囲に、第3のフィンを、船底に平行もしくは平行に近い傾きで配置することを特徴とする船舶フィン装置。
  2. 一軸または複数軸船舶の船尾水線下の両舷のうち、プロペラの回転方向と順廻りのビルジ渦が発生する側の船舷に、第1のフィンおよび第2のフィンがそれぞれ前側および後側に互いに間隙をもって配設されるとともに、プロペラの回転方向と逆廻りのビルジ渦が発生する側の船舷に一条フィンが配設され、
    前記第1のフィンは、船体中央より後方でプロペラ中心線高さ以下の位置を起点として後方に向かって上り勾配とされ、
    前記第2のフィンは、船底に平行もしくは平行に近い傾きで、その設置高さがプロペラ中心線の上方であってそのプロペラ中心線からプロペラチップの高さの間となるように、プロペラ直前の船体に装備され、
    前記一条フィンは、船底に平行もしくは平行に近い傾きで、その設置高さがプロペラ中心線の上方であってそのプロペラ中心線からプロペラチップの高さの間となるように、プロペラ直前の船体に装備されてなる船舶フィン装置において、
    前記第1のフィンの後方で、かつ前記第2のフィンの下方であって、前記第1のフィンの起点の高さからプロペラ中心線の高さ位置までの範囲に、第3のフィンを、船底に平行もしくは平行に近い傾きで配置することを特徴とする船舶フィン装置。
  3. 前記第3のフィンは、プロペラ中心線からプロペラ半径長の0.7倍下方の位置に至るまでの高さ範囲に設置される請求項1または2に記載の船舶フィン装置。
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