JPH08107036A - 軟磁性薄膜及びそれを用いた磁気記録装置 - Google Patents

軟磁性薄膜及びそれを用いた磁気記録装置

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JPH08107036A
JPH08107036A JP24104094A JP24104094A JPH08107036A JP H08107036 A JPH08107036 A JP H08107036A JP 24104094 A JP24104094 A JP 24104094A JP 24104094 A JP24104094 A JP 24104094A JP H08107036 A JPH08107036 A JP H08107036A
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JP
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magnetic
phase
soft magnetic
thin film
film
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JP24104094A
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English (en)
Inventor
Fumiyoshi Kirino
文良 桐野
Moichi Otomo
茂一 大友
Yoshitsugu Koiso
良嗣 小礒
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】磁気ヘッド用材料である微結晶析出型軟磁性膜
の結晶粒子サイズ及びその分布を小さく抑制する。 【構成】熱処理を行うことにより軟磁気特性が発現する
磁性膜用の材料とし、Fe或いはCoを主体とし、これ
にTa,Zr,Hf、或いはNbの内から選ばれる少な
くとも1種類を5at%から20at%の濃度範囲で、S
i,B,C,Nの内から選ばれる少なくとも1種類の元
素を1at%から20at%の濃度範囲で含む合金からな
り、さらに、この磁性膜において磁性元素以外にAl,
Ti,Cr,Ru,Rh,Pt,Pd,Mo,Wの内か
ら選ばれる少なくとも1種類の元素を1at%以上で20
at%以下の濃度で添加する。 【効果】高飽和磁束密度及び良好な軟磁気特性を維持し
たままで磁性膜の耐熱性や耐食性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軟磁気特性を有する磁
性薄膜にかかり、特に、高性能でしかも高信頼性を有す
る軟磁性薄膜、及び、それを用いた磁気ヘッド,磁気記
録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の高度情報化社会の進展にともな
い、小型でしかも高密度な記憶装置へのニーズが高まっ
ている。この中で、磁気記録装置は高密度記録,ダウン
サイジングへの研究が急速に進められている。高密度記
録を実現するために、記録した微小磁区を安定に存在さ
せるために、高保磁力を有する媒体とこの媒体に記録で
きる高性能な磁気ヘッドが必要となる。高保磁力媒体を
十分に磁化して信号を記録するためには、強い磁界が発
生できる高飽和磁束密度を有する磁気ヘッド材料が必要
となる。
【0003】現在、提案されている高飽和磁束密度を有
する材料は、Fe−C系やFe−N系等が知られてい
る。これらの材料は成膜後に熱処理を行い、微結晶化す
ることにより軟磁気特性を発現させている。しかし、こ
れらの材料を磁気ヘッドに用いる場合、特に、メタル・
イン・ギャップ(MIG)型ヘッドを構成する場合、ヘ
ッド作製工程に熱処理過程を含むために、熱安定性の確
保が必要である。
【0004】熱処理温度は、ヘッド作製工程の中でガラ
スボンディング時の温度で決定される。そのために、磁
性膜は一定温度以上の熱安定性を有していなければなら
ない。また、Fe−C系やFe−N系等の材料は、Fe
を主体としているために、大気中の酸素や水と反応して
水酸化物や酸化物を生成し、磁気特性、特に、保磁力や
飽和磁束密度の変動を生じるために、磁気ヘッドの性能
が低下する場合があった。そこで、この材料を用いた磁
気ヘッドを実用化するのに当り、これら磁気特性の変動
を抑制することも課題であった。これらの課題を解決す
るために、磁性元素以外に、耐食性を向上させるための
元素を添加することが提案されている。その公知な例と
して、特開平3−20444号公報をあげることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】例えば、軟磁性膜を用
いてMIG型ヘッドを構成すると、ガラス等の接着剤を
用いたボンディング工程が含まれるため、磁性膜はこの
工程を経ても軟磁気特性の劣化が抑制されていること
が、実用上必要である。さらに、Fe−C系やFe−N
系等に代表される鉄族−半金属系の磁性材料は、この他
に、磁性膜の耐食性が実用上必ずしも十分な耐性を有し
ておらず、磁気特性の確保と耐食性の確保の両方を同時
に満足しなければならない。そのために、上記の公知例
では、元素の添加及び組成調整により最適化を行うこと
により、磁気特性と耐食性の向上に必要な添加元素濃度
とを両立させることが困難であった。
【0006】すなわち、耐食性を確保しようとすると、
磁気特性、特に、飽和磁束密度及び保磁力が劣化し、磁
気ヘッドの性能を低下させてしまう。その結果、このヘ
ッドを用いた磁気記録装置により磁気記録を行うと、エ
ラーやノイズを生じる場合があった。また、磁気特性を
確保しようとすると、環境中の水や酸素に対する耐性が
必ずしも十分ではなく、磁性膜の腐食により磁気特性が
変動するので、エラーやノイズを生じる場合があった。
このように、上記の公知例では、この点の配慮が必ずし
も十分になされておらず、磁性膜の磁気特性と耐食性が
実用上十分ではない場合があった。
【0007】本発明の目的は、高飽和磁束密度を有する
鉄族元素、特に、Fe或いはCoを主体とする軟磁気特
性を有する磁性膜において、熱安定性に優れ、しかも、
高飽和磁束密度,軟磁気特性及び磁性膜の耐食性に優れ
た磁性材料を提供することにある。
【0008】本発明の第二の目的は、高飽和磁束密度を
有する磁性材料を磁性膜に用いた高性能磁気ヘッドを提
供することにある。
【0009】本発明の第三の目的は、この高性能磁気ヘ
ッドを用いた磁気記録装置を構成することにより、面記
録密度の向上が図れ、高性能磁気記録装置を提供するこ
とにある。
【0010】この他、本発明の第四の目的は、高飽和磁
束密度を有する鉄族元素を主体とする軟磁気特性を有す
る磁性膜において、高信頼性及び高性能を有する軟磁性
膜、及びそれを用いた磁気ヘッド,磁気記録装置を提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を実現するため
に、磁性を有する基板或いは磁性を示さない基板上に形
成した非晶質の磁性薄膜において、その磁性膜を一定温
度以上で熱処理して結晶化させることにより、軟磁気特
性及び飽和磁束密度を発現させる軟磁性薄膜において、
結晶化後の結晶粒子サイズ分布が、同一結晶相において
平均粒子サイズ±3nm以下の範囲とすることにより実
現できる。
【0012】熱処理を行うことにより軟磁気特性が発現
する磁性膜用の材料として、Fe或いはCoを主体と
し、これにTa,Zr,Hf、或いはNbの内から選ば
れる少なくとも1種類を5at%から20at%の濃度範囲
で、Si,B,C,Nの内から選ばれる少なくとも1種
類の元素を1at%から20at%の濃度範囲で含む合金か
らなり、さらに、この磁性膜において磁性元素以外にA
l,Ti,Cr,Ru,Rh,Pt,Pd,Mo,Wの
内から選ばれる少なくとも1種類の元素を1at%以上で
20at%以下の濃度で添加すると、磁気ヘッド材料とし
てさらに好ましい軟磁気特性及び高飽和磁束密度が得ら
れる。
【0013】一定温度以上で熱処理した後の磁性膜は、
少なくともFe或いはCoの相とTa,Zr,Hf、或
いはNbの少なくとも1種類の金属の炭化物相,硼素化
物相,珪素化物層、或いは窒化物相とからなる2種類の
相からなる。
【0014】このように、金属と化合物相の2種類の相
が存在しないと軟磁気特性及び高飽和磁束密度を有する
磁性膜が得られない。これらの相は、熱処理によりFe
或いはCoの相の析出及び成長と、Ta,Zr,Hf、
或いはNbの少なくとも1種類の金属の炭化物相,硼素
化物相,珪素化物層、或いは窒化物の生成,析出及び成
長を生じる。
【0015】特に、金属相のサイズ及び化合物相との比
が重要である。すなわち、一定温度以上で熱処理した後
に生成するFe或いはCoの相の結晶粒子サイズが、T
a,Zr,Hf、或いはNbの少なくとも1種類の金属
の炭化物相,硼素化物相,珪素化物層、或いは窒化物相
等の化合物相の結晶粒子サイズより大きく、さらに優位
には、Ta,Zr,Hf、或いはNbの少なくとも1種
類の金属の炭化物相,硼素化物相,珪素化物層、或いは
窒化物相の結晶粒子サイズが平均粒子サイズ±1nm以
下の範囲にある必要がある。
【0016】このような結晶粒子サイズの制御は、ま
ず、熱処理した後の磁性膜のFe相或いはCo相中に、
添加したAl,Ti,Cr,Ru,Rh,Pt,Pd,
Mo,Wの内から選ばれる少なくとも1種類の元素を固
溶させることにより実現できる。すなわち、これらの元
素がFe相或いはCo相中に固溶することにより、結晶
相の成長が抑制される。このようにして結晶粒のサイズ
を制御した結果、一定温度以上で熱処理した後に生成す
るFe或いはCoの相の平均結晶粒子サイズが20nm
以下であり、特に好ましくは、そのサイズが15nm以
下であり、Ta,Zr,Hf、或いはNbの少なくとも
1種類の金属の炭化物相,硼素化物相,珪素化物層、或
いは窒化物相の結晶粒子サイズが10nm以下であり、
特に好ましくは、そのサイズが5nm以下が好ましい。
その結果、得られた磁気特性が飽和磁束密度:Bs≧
1.4 ,保磁力:Hc≦1Oe,透磁率:μ≧100
0,磁歪定数:λ≦5×10-6であった。
【0017】この他に、結晶粒子サイズを制御する手法
として、軟磁性膜に添加する元素として、炭素との反応
の自由エネルギが異なりかつFe相或いはCo相中への
固溶率が異なる少なくとも2種類の元素を含む合金薄膜
を加熱処理を行い微結晶を析出させ、結晶粒界に炭素と
の反応の自由エネルギが大きく、しかもFe相或いはC
o相中への固溶率が小さい元素を析出させ、炭素との反
応の自由エネルギが小さくしかもFe相或いはCo相中
への固溶率が大きい方の元素をFe微結晶相中に合金と
して存在させてもよい。
【0018】このようにして、金属相と化合物相との結
晶粒子サイズを制御することにより、少なくとも700
℃にこの軟磁性薄膜を加熱しても、磁性膜の有する軟磁
気特性の劣化、特に、保磁力の劣化を抑制でき、耐熱性
を向上させることができる。
【0019】また、本発明では上記発明の磁性薄膜を磁
気ヘッドコア或いは磁気ヘッドコアの1部に用いて磁気
ヘッドを構成する。特に、形成する磁気ヘッドとして、
メタル・イン・ギャップ型磁気ヘッドであることが好適
である。そして、この磁気ヘッドを用いて、移動する情
報記録媒体に磁気的性質を用いて情報を記録する磁気記
録装置を構成する。記録する情報は、画像情報或いは/
及び音声情報である磁気記録装置を構成することが最も
好ましい。その場合、移動する情報記録媒体として、テ
ープもしくは円板上に磁気記録媒体層が形成されたもの
を用いた磁気記録装置が好ましいことは言うまでもな
い。
【0020】
【作用】微結晶析出型軟磁性薄膜において、結晶粒子サ
イズ及びその分布を制御することにより、微小結晶磁性
膜を安定に得ることができる。その結果、良好な軟磁気
特性を有する磁性膜が安定して得られ、しかも、Fe相
或いはCo相の結晶粒子サイズが20nm以下の微結晶
で、しかも、その粒子サイズの分布が小さいので、耐食
性が高い磁性膜が得られる。その結果、高信頼性を有す
る磁性膜が得られ、これを用いて作製した磁気ヘッド、
さらには、そのヘッドを組み込んだ磁気記録装置は高信
頼性を有する。
【0021】特に、磁性膜の結晶サイズの微細化及びサ
イズ分布を小さくすることにより、軟磁気特性の劣化を
抑制でき、且つ、しかも、磁性膜の耐食性を大きく向上
させることができる。これは、結晶サイズの微細化及び
サイズ分布を小さくすることにより、金属の溶解反応
(腐食反応)が抑制できるので、高耐食性を持たせるこ
とができる。この効果は、熱処理により先の金属相のサ
イズ以外に、Ta,Zr,Hf、或いはNbの少なくと
も1種類の金属の珪素化物,炭化物,硼素化物、或いは
窒化物の相の結晶サイズを制御することも重要であり、
その理由は金属相の成長を抑制(微結晶化)でき、磁性
膜の耐食性向上を図ることができる。これは、磁気特性
向上にも効果がある。
【0022】さらに、Al,Ti,Cr,Ru,Rh,
Pt,Pd,Mo,Wの内から選ばれる少なくとも1種
類の元素を金属相に固溶させると、熱処理時の金属相の
結晶成長が抑制できるので、これによっても磁性膜の耐
食性を向上させることができる。さらに、先の元素は金
属相の活性度を低下させる効果も合わせて持つことがで
きる。これらの効果を複合させることにより、磁気特性
の劣化が小さくて、しかも、高耐食性を有する軟磁性膜
が得られる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の詳細を実施例1〜実施例3を
用いて説明する。
【0024】(実施例1)本実施例は、軟磁性薄膜とし
てFeTaCCrNb合金膜を用いた例である。磁性膜
の成膜にはスパッタ法を用いて行った。スパッタのター
ゲットには、Fe,Ta,C,Nb,Crの各元素の粉
体を熱間静圧プレス法(HIP法)により成型したもの
を用いた。これ以外に、Fe,Fe3C,Cr,Nb
C,TaC等の粉体を焼結させても良く、ターゲットの
製造方法により磁性膜の磁気特性に影響するものではな
い。熱間静圧プレス法(HIP法)により成型したター
ゲット中の不純物酸素濃度は400ppm 以下であった。
ターゲットの組成はFe73Ta78Cr7Nb5で、薄膜
化しても得られた膜の組成は、ターゲットの組成とほと
んど変わらなかった。
【0025】基板上に、先の合金ターゲットを用い、放
電ガスにArをそれぞれ用いてスパッタした。スパッタ
の条件は、放電ガス圧力:5mTorr,投入RF電力:4
00Wである。これらのスパッタ条件は、スパッタ装置
等に依存したもので、これらの値に限定されるものでは
ない。形成した磁性膜の膜厚は5μmである。
【0026】次に、このようにして作製した磁性膜を熱
処理した。結晶粒子サイズを制御するために、結晶化温
度より50℃低い490℃で3時間熱処理し、その後に
590℃で30分間熱処理した。この後半の熱処理温度
は、磁性膜の結晶化や炭化物の生成反応温度以外に、ガ
ラスボンディングの温度により決定される。また、490
℃で3時間の熱処理すなわち、磁性膜の炭化反応及び結
晶化の温度未満の温度で熱処理をして、結晶の核を生成
した後に、さらに高温での炭化反応及び結晶化させるこ
とにより、結晶粒子サイズ及びサイズの分布を±1nm
〜2nm程度の高精度に制御できる。
【0027】そして、得られた磁性膜の磁気特性は、飽
和磁束密度が1.5T ,保磁力が0.1Oe ,1MHz
における透磁率が3000以上であり、かつ、磁歪定数
が7×10-7であった。これらの特性は、磁気ヘッドを
作製するのに好適である。このように、磁気特性の測定
の結果、良好な磁気特性、特に、保磁力が約0.1Oe
以下とすることができた。ここで、保磁力は結晶粒サイ
ズを反映して変化することが知られており、結晶粒子サ
イズが小さくなったこと、さらにそのサイズ分布が小さ
くなったことの二つの効果により、良好な磁気特性が得
られた。
【0028】そこで磁性膜について、透過型電子顕微鏡
により膜構造を観察したところ、Fe相の結晶サイズは
5nmから9nmの間で、平均7nmであった。また、
TaC相の結晶サイズは3nmから5nmの間であっ
た。また、X線回折の結果から、格子定数を求めたとこ
ろ、Fe相(0.24nm)はFeのそれ(0.20n
m)より大きいことから、FeCrNb合金,FeNb
合金もしくはFeCr合金等の合金であるとみられ、添
加元素が固溶していることを示している。ここで、比較
例として、室温から2時間かけて600℃で1時間熱処
理した試料の結晶粒子サイズは、Fe相の結晶サイズは
10nmから20nmの間で、平均12nmであり、T
aC相の結晶サイズは約5nmであった。これらの結果
は、先の磁気特性の測定結果を反映している。
【0029】図1にこの磁性膜の熱処理温度を変化させ
たときの、保磁力(a)及び磁歪定数(b)の熱処理温
度依存性を示す。ここで、比較例として、予備の熱処理
(490℃−3hr)なしに、室温から3時間かけて5
90℃で1時間熱処理した試料の熱処理温度依存性も合
わせて示す。
【0030】まず、本実施例の試料では、あらかじめ予
備の熱処理を行うことにより、その後の軟磁気特性を発
現させるための熱処理を700℃以下の温度なら何度で
行っても、保磁力が変化しないことがわかる。しかし、
予備の熱処理(490℃−3hr)を行わないで直接、
軟磁気特性を発現させるための熱処理を行うと、熱処理
温度の上昇と共に保磁力が増大した。その変化率は、先
の予備の熱処理を行った場合より大きいことがわかる。
このように、保磁力の変化から、予備の熱処理は結晶粒
子のサイズの制御性を向上させることができると同時
に、磁性膜の熱安定性を向上させることができる。
【0031】600℃で熱処理した磁性膜を0.5 規定
塩化ナトリウム水溶液中に500時間浸漬させた。その
結果、目視観察では腐食の発生はまったく見られなかっ
た。また、上記溶液に500時間浸漬した後、磁気特性
を測定した結果、耐食性試験前の特性となんら違いは見
られなかった。また、80℃で95%RH(相対湿度)の
環境中に、この磁性膜を2000時間以上放置したが、
腐食の発生や磁気特性の変化は見られなかった。これに
対して、比較例として、室温から2時間かけて600℃
で1時間熱処理した試料の結晶粒子サイズは、Fe相の
結晶サイズは10nmから20nmの間で、平均12n
mであり、TaC相の結晶サイズは約5nmである磁性
膜に対して、先と同様の耐食性試験を行ったところ、
0.5 規定塩化ナトリウム水溶液中に200時間浸漬す
ると、孔食が発生した。
【0032】このように、結晶粒子サイズ及びそのサイ
ズ分布を制御することにより磁性膜の耐食性を向上させ
る効果があることがわかる。このように、析出させた時
の結晶粒のサイズが大きい場合やそのサイズ分布が広い
と、腐食を受けやすいので、これを制御することにより
高耐食性を有する磁性膜を得ることができた。
【0033】次に、この膜を用いて、MIG(メタルイ
ンギャップ)型ヘッドを作製した。その概略図を図2に
示す。磁気ヘッドの作製はこの軟磁性薄膜1を単結晶の
フェライト基板2上に窒化シリコン膜を50Åを介して
形成した。ギャップ部3は、先のフェライト基板2上に
形成した軟磁性薄膜1上に、SiO2 を200nmの膜
厚に形成した後にCrを100nmの膜厚に形成した。
これを窒素気流中にて600℃で1時間熱処理し、同一
形状のヘッド基板を低融点ガラス4によりボンディング
した。
【0034】ここで、熱処理温度は、このガラスボンデ
ィング工程における温度に支配される。基板と磁性膜の
間に両者の接着性の向上のための接合層を設けても良
い。この磁気ヘッドを用いて、VTR装置を作製し、テ
ープを走行させ画像情報を記録した。ハイビジョンのデ
ィジタル情報を記録したところ、S/Nは40dBであ
った。ここで、相対速度は36m/s、データレートは
46.1Mbps 、トラック幅は40μmである。
【0035】このヘッドの耐食性を0.5 規定塩化ナト
リウム水溶液中への浸漬試験法、及び、高温高湿度環境
(60℃,相対湿度:95%)中での結露試験法により
評価した。まず、先のヘッドチップを0.5 規定塩化ナ
トリウム水溶液中へ1000時間浸漬させた。その後
に、このヘッドを再び装置にセットして記録再生特性を
測定した。その結果、浸漬前となんら記録再生特性に違
いは見られなかった。また、高温高湿度環境(60℃,
相対湿度:95%)中での結露試験法による評価は、先
のMIGヘッドをペルチェ素子上に固定して10℃に保
ち、これをペルチェ素子もろとも60℃,相対湿度:9
5%環境中へ放置した。ヘッド全体に、結露が生じた。
この状態で2000時間以上この環境中へ放置したが、
腐食の発生や記録や再生信号の劣化は見られなかった。
これまでVTR用の磁気ヘッドを例に説明してきたが、
本発明の効果は磁気ディスクやヘリカルスキャンを用い
た磁気テープ装置に対しても適用でき、装置等に左右さ
れるものではない。
【0036】(実施例2)本実施例は、軟磁性薄膜とし
てFeTaCAlRu合金膜を用いた例である。磁性膜
の成膜にはスパッタ法を用いて行った。スパッタのター
ゲットには、Fe,Ta,C,Al,Ruの各元素の粉
体を熱間静圧プレス法(HIP法)により成型したものを
用いた。ターゲットの組成は(Fe78Ta715)0.9(Al80
Ru20)0.1で、薄膜化しても得られた膜の組成は、ター
ゲットの組成とほとんど変わらなかった。ここで、基板
上に、先の合金ターゲットを用い、放電ガスにArをそ
れぞれ用いてスパッタした。スパッタの条件は、放電ガ
ス圧力:5mTorr,投入RF電力:400Wである。こ
れらのスパッタ条件は、スパッタ装置等に依存したもの
で、これらの値に限定されるものではない。形成した磁
性膜の膜厚は5μmである。
【0037】次に、このようにして作製した磁性膜を熱
処理した。結晶粒子サイズを制御するために、結晶化温
度より50℃低い490℃で3時間熱処理し、その後に
590℃で30分間熱処理した。この後半の熱処理温度
は、磁性膜の結晶化や炭化物の生成反応温度以外に、ガ
ラスボンディングの温度により決定される。また、490
℃で3時間の熱処理は、磁性膜の炭化反応及び結晶化の
温度未満の温度で熱処理をして、結晶の核を生成した後
に、炭化反応及び結晶化させることにより、結晶粒子サ
イズ及びサイズの分布を±1nm〜2nm程度の高精度
に制御できる。
【0038】そして、得られた磁性膜の磁気特性は、飽
和磁束密度が1.5T ,保磁力が0.1Oe ,1MHz
における透磁率が3000以上であり、かつ、磁歪定数
が9×10-7であった。これらの特性は、磁気ヘッドを
作製するのに好適である。このように、磁気特性の測定
の結果、良好な磁気特性、特に、保磁力が約0.1Oe
以下とすることができた。ここで、保磁力は結晶粒サイ
ズを反映して変化することが知られており、結晶粒子サ
イズが小さくなったこと、さらにそのサイズ分布が小さ
くなったことの二つの効果により、良好な磁気特性が得
られた。
【0039】そこで磁性膜について、透過型電子顕微鏡
により膜構造を観察したところ、Fe相の結晶サイズは
5nmから9nmの間で、平均7nmであった。また、
TaC相の結晶サイズは3nmから5nmの間であっ
た。また、X線回折の結果から、格子定数を求めたとこ
ろ、Fe相(0.24nm)はFeのそれ(0.20n
m)より大きいことから、FeAlRu合金,FeAl
合金もしくはFeRu合金等の合金であると考えられ、
添加元素が固溶していることを示している。ここで、比
較例として、室温から2時間かけて600℃で1時間熱
処理した試料の結晶粒子サイズは、Fe相の結晶サイズ
は10nmから20nmの間で、平均12nmであり、
TaC相の結晶サイズは約5nmであった。これらの結
果は、先の磁気特性の測定結果を反映している。
【0040】図3にこの磁性膜の熱処理温度を変化させ
たときの保磁力(a)及び磁歪定数(b)の熱処理温度
依存性を示す。ここで、比較例として、予備の熱処理
(490℃−3hr)なしに、室温から3時間かけて5
90℃で1時間熱処理した試料の熱処理温度依存性も合
わせて示す。まず、本実施例の試料では、あらかじめ予
備の熱処理を行うことにより、その後の軟磁気特性を発
現させるための熱処理を700℃以下の温度なら何度で
行っても、保磁力が変化しないことがわかる。しかし、
予備の熱処理(490℃−3hr)を行わないで直接、
軟磁気特性を発現させるための熱処理を行うと、熱処理
温度の上昇と共に保磁力が増大した。その変化率は、先
の予備の熱処理を行った場合より大きいことがわかる。
このように、保磁力の変化から、予備の熱処理は結晶粒
子のサイズの制御性を向上させることができ、磁性膜の
熱安定性を向上させることができることがわかる。
【0041】600℃で熱処理した磁性膜を0.5規定
塩化ナトリウム水溶液中に500時間浸漬させた。その
結果、目視観察では腐食の発生はまったく見られなかっ
た。また、500時間浸漬した後、磁気特性を測定した
結果、耐食性試験前の特性となんら違いは見られなかっ
た。また、80℃で95%RH環境中へこの磁性膜を2
000時間以上放置したが、腐食の発生や磁気特性の変
化は見られなかった。これに対して、比較例として、室
温から2時間かけて600℃で1時間熱処理した試料の
結晶粒子サイズは、Fe相の結晶サイズは10nmから
20nmの間で、平均12nmであり、TaC相の結晶
サイズは約5nmである磁性膜に対して、先と同様の耐
食性試験を行ったところ、0.5規定塩化ナトリウム水
溶液中に200時間浸漬すると、孔食が発生した。
【0042】このように、結晶粒子サイズ及びそのサイ
ズ分布を制御することにより磁性膜の耐食性を向上させ
る効果がある。このように、析出させた時の結晶粒のサ
イズが大きい場合やそのサイズ分布が広いと、腐食を受
けやすいので、これを制御することにより高耐食性を有
する磁性膜を得ることができた。
【0043】また、以上は、FeTaCAlRu合金膜
を磁性膜に用いた場合であるが、本発明の効果は、この
材料系に限ることなく、Al,Ru以外にAl,Ti,
Cr,Nb,Ru,Rh,Pt,Pd,Mo,Wの内か
ら選ばれる元素の1種類もしくは2種類を添加した磁性
膜においても同様の効果が得られる。これらの添加元素
の作用は、結晶粒界に化合物として析出したり、或いは
/及び金属間化合物などの合金を形成することにより結
晶粒の成長が抑制されるためと考えられる。さらに、F
e以外にCoを主体とする磁性膜を用いても同様の効果
が得られる。
【0044】(実施例3)本実施例は、軟磁性薄膜とし
てFeTaNCrRu合金膜を用いた例である。磁性膜
の成膜にはスパッタ法を用いて行った。スパッタのター
ゲットには、Fe,Ta,Cr,Ruの各元素の粉体を
熱間静圧プレス法(HIP法)により成型したものを用
いた。ターゲットの組成はFe79Ta8Cr9Ru4 であ
る。そして、基板上に、先の合金ターゲットを用い、放
電ガスにAr/N2 混合ガスを用いてスパッタした。ス
パッタの条件は、放電ガス圧力:5mTorr,投入RF電
力:400Wである。これらのスパッタ条件は、スパッ
タ装置等に依存したもので、これらの値に限定されるも
のではない。
【0045】形成した磁性膜の膜厚は5μmである。形
成された磁性膜の組成は、Fe73Ta710Cr7Ru3
である。次に、このようにして作製した磁性膜を熱処理
した。結晶粒子サイズを制御するために、結晶化温度よ
り30℃低い490℃で3時間熱処理し、その後に59
0℃で30分間熱処理した。この後半の熱処理温度は、
磁性膜の結晶化や炭化物の生成反応温度以外に、ガラス
ボンディングの温度により決定される。また、490℃
で3時間の熱処理は、磁性膜の炭化反応及び結晶化の温
度未満の温度で熱処理をして、結晶の核を生成した後
に、炭化反応及び結晶化させることにより、結晶粒子サ
イズ及びサイズの分布を±1nm〜2nm程度の高精度
に制御できる。
【0046】そして、得られた磁性膜の磁気特性は、飽
和磁束密度が1.5T ,保磁力が0.1Oe ,1MHz
における透磁率が3000以上であり、かつ、磁歪定数
が7×10-7であった。これらの特性は、磁気ヘッドを
作製するのに好適である。このように、磁気特性の測定
の結果、良好な磁気特性、特に、保磁力が約0.1Oe
以下とすることができた。ここで、保磁力は結晶粒サイ
ズを反映して変化することが知られており、結晶粒子サ
イズが小さくなったこと、さらにそのサイズ分布が小さ
くなったことの二つの効果により、良好な磁気特性が得
られた。
【0047】そこで磁性膜について、透過型電子顕微鏡
により膜構造を観察したところ、Fe相の結晶サイズは
5nmから9nmの間で、平均7nmであった。また、
TaC相の結晶サイズは3nmから5nmの間であっ
た。また、X線回折の結果から、格子定数を求めたとこ
ろ、Fe相(0.24nm)はFeのそれ(0.20n
m)より大きいことから、FeCrNb合金,FeNb
合金もしくはFeCr合金等の合金であると考えられ、
添加元素が固溶していることを示している。ここで、比
較例として、室温から2時間かけて600℃で1時間熱
処理した試料の結晶粒子サイズは、Fe相の結晶サイズ
は10nmから20nmの間で、平均12nmであり、
TaC相の結晶サイズは約5nmであった。これらの結
果は、先の磁気特性の測定結果を反映している。
【0048】図4にこの磁性膜の熱処理温度を変化させ
たときの保磁力(a)及び磁歪定数(b)の熱処理温度
依存性を示す。ここで、比較例として、予備の熱処理
(490℃−3hr)なしに、室温から3時間かけて5
90℃で1時間熱処理した試料の熱処理温度依存性も合
わせて示す。まず、本実施例の試料では、あらかじめ予
備の熱処理を行うことにより、その後の軟磁気特性を発
現させるための熱処理を700℃以下の温度なら何度で
行っても、保磁力が変化しないことがわかる。しかし、
予備の熱処理(490℃−3hr)を行わないで直接、
軟磁気特性を発現させるための熱処理を行うと、熱処理
温度の上昇と共に保磁力が増大した。ここで、予備の熱
処理温度は、磁性膜の結晶化温度により決定されるもの
である。その変化率は、先の予備の熱処理を行った場合
より大きいことがわかる。このように、保磁力の変化か
ら、予備の熱処理は結晶粒子のサイズの制御性を向上さ
せることができると同時に、磁性膜の熱安定性を向上さ
せることができることがわかる。
【0049】上記の590℃で熱処理した磁性膜を0.
5 規定塩化ナトリウム水溶液中に500時間浸漬させ
た。その結果、目視観察では腐食の発生はまったく見ら
れなかった。また、500時間浸漬した後、磁気特性を
測定した結果、耐食性試験前の特性となんら違いは見ら
れなかった。また、80℃で95%RH環境中へこの磁
性膜を2000時間以上放置したが、腐食の発生や磁気
特性の変化は見られなかった。これに対して、比較例と
して、室温から2時間かけて600℃で1時間熱処理し
た試料の結晶粒子サイズは、Fe相の結晶サイズは10
nmから20nmの間で、平均12nmであり、TaN
相の結晶サイズは約3nmである磁性膜に対して、先と
同様の耐食性試験を行ったところ、0.5 規定塩化ナト
リウム水溶液中に200時間浸漬すると、孔食が発生し
た。このように、結晶粒子サイズ及びそのサイズ分布を
制御することにより磁性膜の耐食性を向上させる効果が
あることがわかる。このように、析出させた時の結晶粒
のサイズが大きい場合やそのサイズ分布が広いと、腐食
を受けやすいので、これを制御することにより高耐食性
を有する磁性膜を得ることができた。
【0050】また、以上は、FeTaNCrRu合金膜
を磁性膜に用いた場合であるが、本発明の効果は、この
材料系に限ることなく、Cr,Ru以外にAl,Ti,
Cr,Nb,Ru,Rh,Pt,Pd,Mo,Wの内か
ら選ばれる元素の1種類もしくは2種類を添加した磁性
膜においても同様の効果が得られる。これらの添加元素
の作用は、結晶粒界に化合物として析出したり、或いは
/及び金属間化合物などの合金を形成することにより結
晶粒の成長が抑制されるためと考えられる。さらに、F
e以外にCoを、また、CやN以外に、SiやBを用い
ても同様の良好な磁気特性,耐熱性や耐食性向上の効果
が得られる。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、微結晶析出型の軟磁性
薄膜において、高飽和磁束密度及び良好な軟磁気特性を
維持したままで磁性膜の耐熱性や耐食性向上を図ること
ができる。そのため、この磁性膜を用いた磁気ヘッドを
作製すると、この磁気ヘッドは高性能でしかも高信頼性
を有する。特に、メタル・イン・ギャップ型磁気ヘッド
を作製すると、ヘッドの加工工程においても、ガラスボ
ンディング等の高温での加工が可能になり、ヘッドの強
度が増すとともに、高性能を有したままヘッドの信頼性
向上をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の磁性膜の磁気特性を示す
図。
【図2】本発明の一実施例になるメタル・イン・ギャッ
プ型磁気ヘッドの構造を示す説明図。
【図3】本発明の一実施例の磁性膜の磁気特性を示す
図。
【図4】本発明の一実施例の磁性膜の磁気特性を示す
図。
【符号の説明】
1…軟磁性薄膜、2…フェライト基板、3…ギャップ
部、4…低融点ガラス部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 10/16

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に非晶質の磁性薄膜を形成し、その
    磁性膜を一定温度以上で熱処理して結晶化させることに
    より、軟磁気特性及び飽和磁束密度を発現させる軟磁性
    薄膜において、結晶化後の結晶粒子サイズ分布が、同一
    結晶相において平均粒子サイズ±3nm以下の範囲にあ
    ることを特徴とする軟磁性薄膜。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の熱処理を行うことにより
    軟磁気特性が発現する磁性膜として、Fe或いはCoを
    主体として、Ta,Zr,Hf、或いはNbを5at%か
    ら20at%の濃度範囲で、Si,B,C,Nの内から選
    ばれる少なくとも1種類の元素を1at%から20at%の
    濃度範囲で含む元素からなり、さらに、この磁性膜にA
    l,Ti,Cr,Ru,Rh,Pt,Pd,Mo,Wの
    内から選ばれる少なくとも1種類の元素を1at%以上で
    20at%以下の濃度で添加した軟磁性薄膜。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の熱処理を
    行うことにより軟磁気特性が発現する磁性膜において、
    一定温度以上で熱処理した後に少なくともFe或いはC
    oの相とTa,Zr,Hf、或いはNbの少なくとも1
    種類の金属の炭化物相,硼素化物相,珪素化物層、或い
    は窒化物相とからなる2種類の相からなる軟磁性薄膜。
  4. 【請求項4】請求項1または請求項2において、一定温
    度以上で熱処理した後に生成するFe或いはCoの相の
    結晶粒子サイズが、Ta,Zr,Hf、或いはNbの少
    なくとも1種類の金属の炭化物相,硼素化物相,珪素化
    物層、或いは窒化物相の結晶粒子サイズより大きく、さ
    らに優位には、Ta,Zr,Hf、或いはNbの少なく
    とも1種類の金属の炭化物相,硼素化物相,珪素化物
    層、或いは窒化物相の結晶粒子サイズが平均粒子サイズ
    ±1nm以下の範囲にある軟磁性薄膜。
  5. 【請求項5】請求項1または請求項2において、熱処理
    によりFe或いはCoの相の析出及び成長と、Ta,Z
    r,Hf、或いはNbの少なくとも1種類の金属の炭化
    物相,硼素化物相,珪素化物層、或いは窒化物の生成,
    析出及び成長を生じさせた軟磁性薄膜。
  6. 【請求項6】請求項1または請求項2において、一定温
    度以上で熱処理した後に生成するFe或いはCoの相の
    平均結晶粒子サイズが20nm以下であり、さらに優位
    には、そのサイズが15nm以下であり、Ta,Zr,
    Hf、或いはNbの少なくとも1種類の金属の炭化物
    相,硼素化物相,珪素化物層、或いは窒化物相の結晶粒
    子サイズが10nm以下であり、さらに優位には、その
    サイズが5nm以下であることを特徴とする軟磁性薄
    膜。
  7. 【請求項7】請求項1,2,3,4,5または6におい
    て、その磁気特性が飽和磁束密度:Bs≧1.4 ,保磁
    力:Hc≦1Oe,透磁率:μ≧1000,磁歪定数:
    λ≦5×10-6である軟磁性薄膜。
  8. 【請求項8】請求項2において、熱処理した後の磁性膜
    のFe相或いはCo相中に、添加したAl,Ti,C
    r,Ru,Rh,Pt,Pd,Mo,Wの内から選ばれ
    る少なくとも1種類の元素が固溶している軟磁性薄膜。
  9. 【請求項9】請求項2において、軟磁性膜に添加する元
    素として、炭素との反応の自由エネルギが異なりかつF
    eへの固溶率が異なる少なくとも2種類の元素を含む合
    金薄膜を加熱処理を行い微結晶を析出させ、結晶粒界に
    炭素との反応の自由エネルギが大きく、しかもFeへの
    固溶率が小さい元素を析出させ、炭素との反応の自由エ
    ネルギが小さくしかもFeへの固溶率が大きい方の元素
    をFe微結晶相中に合金として存在している軟磁性薄
    膜。
  10. 【請求項10】請求項1,2,3,4,5,6,7,8
    または9において、少なくとも700℃に軟磁性薄膜を
    加熱しても磁性膜の有する軟磁気特性の劣化、さらに優
    位には、その軟磁気特性が保磁力である軟磁性薄膜。
  11. 【請求項11】請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9または10に記載の軟磁性薄膜を用いた磁気ヘッ
    ド。
  12. 【請求項12】請求項11に記載の磁気ヘッドが、メタ
    ル・イン・ギャップ型である磁気ヘッド。
  13. 【請求項13】請求項11または請求項12に記載の磁
    気ヘッドを用いた磁気記録装置。
  14. 【請求項14】請求項13において、移動する情報記録
    媒体に請求項11または請求項12に記載の磁気ヘッド
    を用いて磁気的性質により情報を記録する磁気記録装
    置。
  15. 【請求項15】請求項13または14において、移動す
    る情報記録媒体が基板と平行方向或いは垂直方向に磁化
    容易軸を有する磁気記録媒体である磁気記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8110048B2 (en) 2005-07-28 2012-02-07 Dowa Electronics Materials Co., Ltd. Magnetic powder suitable for low-noise media

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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