JPH07235421A - 軟磁性薄膜、及びそれを用いた磁気ヘッド,磁気記録装置 - Google Patents

軟磁性薄膜、及びそれを用いた磁気ヘッド,磁気記録装置

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JPH07235421A
JPH07235421A JP2647694A JP2647694A JPH07235421A JP H07235421 A JPH07235421 A JP H07235421A JP 2647694 A JP2647694 A JP 2647694A JP 2647694 A JP2647694 A JP 2647694A JP H07235421 A JPH07235421 A JP H07235421A
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JP
Japan
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magnetic
soft magnetic
thin film
film
alloy
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JP2647694A
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English (en)
Inventor
Fumiyoshi Kirino
文良 桐野
Moichi Otomo
茂一 大友
Hidetoshi Moriwaki
英稔 森脇
Yoshitsugu Koiso
良嗣 小礒
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高飽和磁束密度を維持しつつ耐食性を向上させ
たFeを含む磁性膜およびそれを用いた磁気記録装置を
提供する。 【構成】磁性元素としてFe,Ta,Cを含む合金膜を
成膜し、熱処理を行うことにより微結晶析出反応を生じ
させて軟磁気特性を発現させる場合に、合金中に磁性元
素以外の元素を添加することにより析出する微結晶がX
線的にα−Feのみとなるように軟磁性薄膜の結晶構造
を制御する。 【効果】析出してくるTaCの結晶粒径を微細化し、形
成されるα−Feの結晶粒径を制御し、磁性膜の軟磁気
特性及び耐食性を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軟磁気特性を有する磁
性薄膜にかかり、特に、高性能でしかも高信頼性を有す
る軟磁性薄膜の構造及びそれを用いて作製した磁気ヘッ
ド,磁気記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の高度情報化社会の進展にともな
い、小型でしかも高密度な記憶装置へのニーズが高まっ
ている。この中で、磁気記録装置は高密度記録,ダウン
サイジングへの研究が急速に進められている。高密度記
録を実現するために、記録した微小磁区を安定に存在さ
せるために、高保磁力を有する媒体とこの媒体に記録で
きる高性能な磁気ヘッドが必要となる。高保磁力媒体を
十分に磁化して信号を記録するには、強い磁界が発生で
きる高飽和磁束密度を有する磁気ヘッド材料が必要とな
る。現在、提案されている高飽和磁束密度を有する材料
は、Fe−C系やFe−N系等が知られている。これら
の材料は、Feを主体としているために、大気中の酸素
や水と反応して水酸化物や酸化物を生成し、磁気特性、
特に、保磁力や飽和磁束密度の変動を生じるために、磁
気ヘッドの性能が低下する場合があった。そこで、この
材料を用いた磁気ヘッドを実用化するのに当り、これら
磁気特性の変動を抑制することも課題であった。これら
の課題を解決するために、磁性元素以外に、耐食性を向
上させるための元素を添加することが提案されている。
その場合、軟磁気特性と耐食性を両立させることは困難
であった。さらに、これらの材料は成膜後に熱処理を行
い、微結晶を析出させることにより軟磁気特性を発現さ
せている。しかし、これらの磁性材料を磁気ヘッドに用
いる場合、特に、メタル・イン・ギャップ(MIG)型
ヘッドを構成する場合、ヘッド作製工程にガラスボンデ
ィング工程を含むために、ボンディング温度により熱処
理温度が基底されることから、それに耐えるだけの熱安
定性の確保が必要となる。これらの点について検討した
公知な例として、特開平3−20444号公報をあげることが
できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の公知例では、磁
性膜の組成調整を行い最適化した結果、軟磁気特性、特
に、飽和磁束密度及び保磁力と耐食性を両立させること
が困難であった。すなわち、耐食性を確保すると磁気特
性、特に、飽和磁束密度及び保磁力が劣化し、磁気ヘッ
ドの性能を低下するので、記録を行った場合にエラーや
ノイズの原因となる場合があった。逆に、磁気特性を確
保すると十分な耐食性が確保できない場合があった。
【0004】本発明の目的は、高飽和磁束密度を有する
Feを含む磁性膜において、高性能な磁性薄膜の構造或
いはその薄膜を用いた磁気ヘッド、及び磁気記録装置を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】磁性元素として、Fe,
Ta,Cを含む合金において、成膜した後に加熱処理を
行うことにより微結晶析出反応を生じさせて軟磁気特性
を発現させる場合に、合金中に磁性元素以外の元素を添
加することにより析出する微結晶がX線的にα−Feの
みとなるように軟磁性薄膜の結晶構造を制御することに
より上記目的を実現することができる。例えば、FeT
aC合金膜を一定温度で熱処理すると結晶質の膜が形成
され、X線回折法により調べると、α−FeとTaCの
ピークが表れる。これをFeTaC系に磁性元素以外の
元素を添加することにより、結晶配向性や結晶粒サイズ
を制御できる。特に、磁性膜の耐食性に大きく影響する
TaCの結晶配向性及び結晶粒サイズの制御に効果があ
る。また、FeTaC合金中に磁性元素以外の元素を添
加することにより、析出する微結晶がX線的にα−Fe
のみで、しかも、そのα−Feの結晶粒のサイズを制御
することも可能である。さらに、析出する微結晶がX線
回折的にα−Feのみで、しかも、そのα−Feの結晶
が一定の方位に配向させてもよい。また、析出する微結
晶がX線回折的にα−Feのみで、しかも、Taが少な
くともカーバイドを形成しており、かつ、タンタルのカ
ーバイドの結晶粒径がX線的に回折のピークを発生させ
ないサイズとなるように制御されている。タンタルのカ
ーバイドを結晶化させると、X線回折による回折ピーク
が表れないくらいの結晶粒サイズに制御できる。或い
は、結晶化させた場合に、析出してくるカーバイドの結
晶配向性を制御してもよい。以上は、結晶に関する添加
元素の効果であるが、これ以外に、合金中へ添加する磁
性元素以外の元素が、Feに固溶する元素であることが
好ましい。さらに、耐熱性を考えると、添加する磁性元
素以外の元素がFeと原子半径が異なることが好まし
い。具体的には、合金中へ添加する磁性元素以外の元素
が、Cr,Nb,Ru,Al,Rh,Ti,Zr,V,
W,Mo,Pt,Pdの内より選ばれる少なくとも1種
類の元素が好適である。ところで、上述の軟磁性薄膜
は、磁気ヘッド用の磁性膜として用いる。特に、この軟
磁性薄膜を用いた磁気ヘッドとして、メタル・イン・ギ
ャップ型磁気ヘッドを構成することが好ましい。この型
のヘッド以外に、熱処理工程を含むヘッドに対して好適
である。そして、この磁気ヘッドを用いて、移動する情
報記録媒体に磁気的性質を用いて情報を記録する。記録
する情報は、画像情報および/または音声情報が好まし
い。さらには、コードデータ記録用は、磁気テープ装置
へこの磁性膜を用いた磁気ヘッドを用いてもよい。ま
た、情報記録媒体として、テープもしくは円板上に磁気
記録媒体層が形成されたものが好ましい。
【0006】
【作用】磁性元素として、Fe,Ta,Cを含む合金に
おいて、成膜した後に加熱処理を行うことにより微結晶
析出反応を生じさせて軟磁気特性を発現させる場合に、
合金中に磁性元素以外の元素を添加することにより析出
する微結晶がX線的にα−Feのみとなるように軟磁性
薄膜の結晶構造を制御することにより微結晶析出反応に
おいて、析出してくるFe等の元素やTaC等の化合物
の結晶粒サイズや結晶配向性を制御することができる。
その結果、TaCの結晶粒径を微細化し、X線的にα−
Feのみとするとともに、形成されるα−Feの結晶粒
径を制御することにより、磁性膜の耐食性を向上させる
ことができる。さらに、添加する元素が、磁性元素と原
子半径が異なるので、磁性膜の熱安定性を向上させるこ
ともできる。
【0007】
【実施例】
(実施例1)本実施例で用いた磁性薄膜は、FeTaC
CrNb合金膜を用いた例である。磁性膜の成膜にはス
パッタ法を用いて行った。スパッタのターゲットには、
Fe,Ta,C,Nb,Crの各元素の粉体を熱間静圧
プレス法(HIP法)により成型したものを用いた。タ
ーゲットの組成はFe73Ta78Cr7Nb5である。薄
膜化しても得られた膜の組成はほとんど変わらず、ほぼ
同じであった。フェライト基板上に、先の合金ターゲッ
トを用い、放電ガスにArをそれぞれ用いてスパッタし
た。スパッタの条件は、放電ガス圧力が5mTorr,投入
RF電力が400Wである。これらのスパッタ条件は、ス
パッタ装置等に依存したもので、これらの値に限定され
るものではない。このようにして形成した磁性膜の膜厚
は5μmである。この磁性膜を600℃で30分磁場
(5kOe)中で熱処理を行った。この熱処理条件は、
ボンディングに用いるガラスの融点や磁性膜の結晶化温
度等により決定されるもので、これらの値に限定される
ものではない。得られた磁性膜の磁気特性は、飽和磁束
密度が1.5T,保磁力が0.1Oe,5MHzにおける
比透磁率が4500,磁歪定数が7×10-7であった。
【0008】このような磁気特性を有する磁性膜のX線
回折法により回折パターンを測定した結果を図1に示
す。この図から、得られた回折ピークは、α−Feに基
づくピークのみであり、TaCに基づくピークは観測さ
れなかった。また、格子定数を求めたところ、α−Fe
より増大していた。このことから、添加したCrやNb
等の元素は、Fe中に固溶していることを示している。
この磁性膜を透過型電子顕微鏡により膜構造を観察した
ところ、Fe相の結晶粒サイズは10nmから15nm
の間で、平均12nmであった。また、TaC相の結晶
サイズは5nm以下で、微細化していることがわかる。
【0009】磁性膜を0.5 規定塩化ナトリウム水溶液
中に五百時間浸漬させた。その結果、目視観察から腐食
の発生はまったく見られなかった。また、五百時間浸漬
した後、磁気特性を測定した結果、成膜直後の特性とな
んら違いは見られなかった。また、80℃で95%RH
環境中へこの磁性膜を二千時間以上放置したが、腐食の
発生や磁気特性の変化は見られなかった。このように、
Fe及びTaCの結晶粒サイズを制御することにより、
高耐食性を有する磁性膜を得ることができた。
【0010】この磁性膜を用いて、MIG(メタルイン
ギャップ)型ヘッドを作製した。その概略図を図2に示
す。磁気ヘッドの作製はこの軟磁性薄膜1を単結晶のフ
ェライト基板2上に形成した。ギャップ部3は、先のフ
ェライト基板2上に形成した軟磁性薄膜1上に、SiO
2 を200nmの膜厚に形成した後にCrを100nm
の膜厚に形成した。これを窒素気流中にて600℃で1
時間熱処理し、同一形状のヘッド基板を低融点ガラス4
によりボンディングした。ここで、熱処理温度は、この
ガラスボンディング工程における温度に支配されるもの
で、この温度に限定されるものではない。基板と磁性膜
の間に両者の接着性の向上のための接合層を設けても良
い。この磁気ヘッドを用いて、VTR装置を作製し、テ
ープを走行させ画像情報を記録した。ハイビジョンのデ
ィジタル情報を記録したところ、S/Nは40dBであ
った。ここで、相対速度は36m/s、データレートは
46.1Mbps、トラック幅は40μmである。この
ヘッドの耐食性を0.5規定塩化ナトリウム水溶液中へ
の浸漬試験法、及び、高温高湿度環境(60℃,相対湿
度:95%)中での結露試験法により評価した。まず、
MIG型ヘッドチップを0.5 規定塩化ナトリウム水溶
液中へ五百時間浸漬させた。その後、このヘッドを再び
装置にセットして記録再生特性を測定した。その結果、
浸漬前となんら記録再生特性に違いは見られなかった。
また、高温高湿度環境(60℃,相対湿度:95%)中
での結露試験法による評価は、先のMIGヘッドをペル
チェ素子上に固定して10℃に保ち、全体を60℃,相
対湿度:95%環境中へ放置した。その結果、ヘッド全
体に、結露が生じた。この状態で二千時間以上この環境
中へ放置したが、腐食の発生や記録や再生信号の劣化は
見られなかった。これまでVTR用の磁気ヘッドを例に
説明してきたが、本発明の効果は磁気ディスクやヘリカ
ルスキャンを用いた磁気テープ装置等に対しても適用で
き、装置等に左右されるものではない。
【0011】また、以上は、FeTaCNbCr合金膜
を磁性膜に用いた場合であるが、本発明の効果は、この
材料系に限ることなく、添加する元素として、Nb,C
r以外にRu,Al,Rh,Ti,Zr,V,W,M
o,Pt,Pdの内から選ばれる元素の1種類もしくは
2種類を用いた磁性膜を構成しても同様である。これら
の添加元素の作用は、結晶粒界に化合物として析出した
り、および/または金属間化合物などの合金を形成する
ことにより結晶粒の成長が抑制され、その結果、磁気特
性を低下させずに耐食性を向上させることができた。
【0012】(比較例1)比較例として添加元素を含ま
ないFeTaC合金膜を実施例1と同様のスパッタ装置
を用いて作製した。用いたターゲットは、Fe,Ta,
CをHIP法により作製したものを用いた。得られた磁
性膜を先のFeTaCCrNb合金膜と同じ温度の60
0℃で1時間熱処理した後の磁性膜の磁気特性は、飽和
磁束密度が1.5T,保磁力が2.5Oe,5MHzにお
ける透磁率が1200であり、かつ、磁歪定数が3×1
-6と先の実施例で得られた磁性膜より軟磁気特性的に
は劣っていた。この磁性膜を透過型電子顕微鏡により膜
構造を観察したところ、Fe相の結晶粒サイズは20n
mから30nmの間で、平均22nmであった。また、
TaC相の結晶サイズは5nmから10nmの間であ
り、先のFeTaCCrNb膜より粒子が成長していること
がわかる。
【0013】この膜のX線回折法により回折パターンを
測定した結果を図3に示す。この図から、得られた回折
ピークから、この膜は多結晶であり、α−Feに基づく
ピークと、TaCに基づくピークが観測された。
【0014】この比較例の試料の耐食性を評価した結
果、0.5 規定塩化ナトリウム水溶液中に5時間浸漬さ
せただけで、磁性膜の全面に孔食が発生した。浸漬の前
後における磁気特性の変化を測定した結果、5時間浸漬
後で初期の飽和磁束密度の70%に減少した。先の実施
例1の結果と耐食性を比較すると、この比較例の試料は
著しく耐食性が低いことがわかる。
【0015】また、この比較例の磁性膜を用いて、先の
実施例1と同様の図2に示す構造のMIGヘッドを作製
し、VTR装置を試作して画像情報を記録/再生した。
その結果、この比較例の磁性膜を用いたヘッドを用いた
磁気記録装置では、記録時には記録波形が歪み、正常な
記録ができなかった。
【0016】(実施例2)本実施例で用いた磁性薄膜
は、FeTaCCrAl合金膜を用いた例である。磁性
膜の成膜にはスパッタ法を用いて行った。スパッタのタ
ーゲットには、Fe,Ta,C,Al,Crの各元素の
粉体を熱間静圧プレス法(HIP法)により成型したも
のを用いた。ターゲットの組成はFe72Ta78Cr5
Al8である。薄膜化しても得られた膜の組成はほとん
ど変わらず、ほぼ同じであった。そして、成膜の条件
は、先の実施例1と同様である。この膜を600℃で1
時間熱処理した後の磁性膜の磁気特性は、飽和磁束密度
が1.5T,保磁力が0.1Oe,5MHzにおける透磁
率が4200であり、かつ、磁歪定数が7×10-7であ
った。
【0017】このような磁気特性を有する磁性膜のX線
回折法により回折パターンを測定した結果を図4に示
す。この図から、得られた回折ピークは、α−Feに基
づくピークと、TaCの(311)に基づくピークが観
測された。また、α−Feの格子定数を求めたところ、
純粋なα−Feより増大していた。このことから、添加
したCrやAl等の元素は、Fe中に固溶していること
を示している。この磁性膜を透過型電子顕微鏡により膜
構造を観察したところ、Fe相の結晶粒サイズは10n
mから16nmの間で、平均12nmであった。また、
TaC相の結晶サイズは約5nmであった。
【0018】磁性膜を0.5 規定塩化ナトリウム水溶液
中に五百時間浸漬させた。その結果、目視観察から腐食
の発生はまったく見られなかった。また、五百時間浸漬
した後、磁気特性を測定した結果、成膜直後の特性とな
んら違いは見られなかった。また、80℃で95%RH
環境中へこの磁性膜を二千時間以上放置したが、腐食の
発生や磁気特性の変化は見られなかった。このように、
Fe及びTaCの結晶粒サイズを制御することにより、
高耐食性を有する磁性膜を得ることができた。
【0019】また、この比較例の磁性膜を用いて、先の
実施例1と同様の図2に示す構造のMIGヘッドを作製
し、磁気テープ装置を構成した。この装置にコードデー
タをエラー率:10-12 で記録したところ、エラーなく
良好な記録を行うことができた。この例では、ヘッドを
磁気テープ装置へ組込んだ例を示したが、フロッピーデ
ィスク装置やハードディスク装置等を構成しても同様の
効果が得られ、組込む装置に依存するものではない。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、FeTaC合金中に磁
性元素以外の元素を添加することにより析出する微結晶
がX線的にα−Feのみとなるように軟磁性薄膜の結晶
構造を制御することにより微結晶析出反応において、析
出してくるFe等の元素やTaC等の化合物の結晶粒サイ
ズや結晶配向性を制御することができる。その結果、T
aCの結晶粒径を微細化し、X線的にα−Feのみ、ま
たは、結晶配向性を持たせるとともに、形成されるα−
Feの結晶粒径を制御することにより、磁性膜の軟磁気
特性及び耐食性を向上させることができる。さらに、磁
性元素とイオン半径の異なる元素を添加することによ
り、熱安定性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】FeTaCCrNb膜のX線回折特性図。
【図2】メタルインギャップ(MIG)型磁気ヘッドの
構造を示す説明図。
【図3】FeTaC膜のX線回折特性図。
【図4】FeTaCCrAl膜のX線回折特性図。
【符号の説明】
1…軟磁性薄膜、2…フェライト基板、3…ギャップ
部、4…低融点ガラス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 5/23 K 7303−5D (72)発明者 小礒 良嗣 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Fe,Ta,Cを含む合金において、成膜
    した後に加熱処理を行うことにより微結晶析出反応を生
    じさせて軟磁気特性を発現させる場合に、合金中に磁性
    元素以外の元素を添加することにより析出する微結晶が
    X線回折的にα−Feのみとなるように軟磁性薄膜の結
    晶構造を制御したことを特徴とする軟磁性薄膜。
  2. 【請求項2】Fe,Ta,Cを含む合金において、成膜
    した後に加熱処理を行うことにより微結晶析出反応を生
    じさせて軟磁気特性を発現させる場合に、合金中に磁性
    元素以外の元素を添加することにより、析出する微結晶
    がX線回折的にα−Feのみで、そのα−Feの結晶粒
    のサイズを制御したことを特徴とする軟磁性薄膜。
  3. 【請求項3】Fe,Ta,Cを含む合金において、成膜
    した後に加熱処理を行うことにより微結晶析出反応を生
    じさせて軟磁気特性を発現させる場合に、合金中に磁性
    元素以外の元素を添加することにより、析出する微結晶
    がX線回折的にα−Feのみで、しかも、そのα−Fe
    の結晶が一定の方位に配向していることを特徴とする軟
    磁性薄膜。
  4. 【請求項4】Fe,Ta,Cを含む合金において、成膜
    した後に加熱処理を行うことにより微結晶析出反応を生
    じさせて軟磁気特性を発現させる場合に、合金中に磁性
    元素以外の元素を添加することにより、析出する微結晶
    がX線回折的にα−Feのみで、Taが少なくともカー
    バイドを形成しており、かつ、タンタルのカーバイドの
    結晶粒径がX線的に回折のピークを発生させないサイズ
    となるように制御したことを特徴とする軟磁性薄膜。
  5. 【請求項5】請求項1,2,3または4において、前記
    合金中へ添加する磁性元素以外の元素が、Feに固溶す
    る元素である軟磁性薄膜。
  6. 【請求項6】請求項1,2,3,4または5において、
    前記合金中へ添加する磁性元素以外の元素が、Feと原
    子半径が異なる軟磁性薄膜。
  7. 【請求項7】請求項1,2,3,4,5または6におい
    て、前記合金中へ添加する磁性元素以外の元素が、C
    r,Nb,Ru,Al,Rh,Ti,Zr,V,W,M
    o,Pt,Pdの内より選ばれる少なくとも1種類の元
    素である軟磁性薄膜。
  8. 【請求項8】請求項1,2,3,4,5,6または7に
    記載の前記軟磁性薄膜を用いた磁気ヘッド。
  9. 【請求項9】請求項1,2,3,4,5,6,7または
    8に記載の前記軟磁性薄膜を用いた磁気ヘッドがメタル
    ・イン・ギャップ型である磁気ヘッド。
  10. 【請求項10】請求項8または9に記載の前記磁気ヘッ
    ドを用いて、移動する情報記録媒体に磁気的性質を用い
    て情報を記録した磁気記録装置。
  11. 【請求項11】請求項10に記載の前記記録する情報
    が、画像情報および/または音声情報である磁気記録装
    置。
  12. 【請求項12】請求項10に記載の前記移動する情報記
    録媒体として、テープもしくは円板上に磁気記録媒体層
    が形成されたものを用いた磁気記録装置。
JP2647694A 1994-02-24 1994-02-24 軟磁性薄膜、及びそれを用いた磁気ヘッド,磁気記録装置 Pending JPH07235421A (ja)

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