JPH07288208A - 軟磁性薄膜及びそれを用いた磁気ヘッド - Google Patents

軟磁性薄膜及びそれを用いた磁気ヘッド

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JPH07288208A
JPH07288208A JP7895994A JP7895994A JPH07288208A JP H07288208 A JPH07288208 A JP H07288208A JP 7895994 A JP7895994 A JP 7895994A JP 7895994 A JP7895994 A JP 7895994A JP H07288208 A JPH07288208 A JP H07288208A
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JP7895994A
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Fumiyoshi Kirino
文良 桐野
Moichi Otomo
茂一 大友
Yoshitsugu Koiso
良嗣 小礒
Hidetoshi Moriwaki
英稔 森脇
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F10/00Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
    • H01F10/08Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure characterised by magnetic layers
    • H01F10/10Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure characterised by magnetic layers characterised by the composition
    • H01F10/12Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure characterised by magnetic layers characterised by the composition being metals or alloys
    • H01F10/14Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure characterised by magnetic layers characterised by the composition being metals or alloys containing iron or nickel

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高性能で高信頼性を有する軟磁性薄膜を得
る。 【構成】 熱処理を施すことにより軟磁気特性が発現す
るFe−C系、Fe−N系、Co−C系、Co−N系、
Ni−C系又はNi−N系磁性材料の結晶化温度を、C
r,Nb,Al,Pt,Ru,Rh,Tiの中から選ば
れる少なくとも1種類もしくは2種類の元素を添加し、
その添加濃度を制御することによって制御する。 【効果】 析出してくる微結晶のサイズを制御でき、高
飽和磁束密度を有し、良好な軟磁気特性が安定して得ら
れるとともに、磁性膜の耐食性向上と同時に耐熱性向上
が図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微結晶析出型軟磁性膜
及びそれを用いて作製した磁気ヘッド及びそれを用いた
磁気記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の高度情報化社会の進展にともな
い、小型でしかも高密度な情報記憶装置へのニーズが高
まっている。この中で、磁気記録装置は高密度記録、ダ
ウンサイジングへの研究が急速に進められている。高密
度磁気記録を実現するためには、微小な記録磁区を安定
に存在させるための高保磁力を有する磁気記録媒体と、
その媒体に情報を安定に記録するための起磁力の大きな
高性能な磁気ヘッドが必要となる。高保磁力媒体を十分
に磁化して信号を記録できる磁気ヘッドを得るために
は、高飽和磁束密度を有して強い磁界を発生できる磁気
ヘッド材料が必要となる。
【0003】高飽和磁束密度を有する磁性材料として
は、Fe−Ta−C,Fe−Ta−N,Fe−Zr−
C,Fe−Zr−N,Co−Zr−C,Co−Zr−N
等のFe−C系、Fe−N系、Co−C系、Co−N
系、Ni−C系、Ni−N系のものが知られている。中
でも、Feを主体とした磁性材料は、最も大きな飽和磁
束密度が得られ、磁気ヘッド材料として広く用いられて
いる。
【0004】これらの磁性材料は、軟磁気特性を発現さ
せるために、アルゴンや窒素等の不活性ガス気流中にお
いて、必要に応じて3〜10kOe程度の磁界を印加し
ながら、一定温度で熱処理を行っていた。磁気ヘッドが
メタル・イン・ギャップ(MIG)型ヘッドである場合
には、ヘッド作製工程にガラスボンディング工程を含
み、熱処理温度はこのボンディング温度により決定され
る(軟磁気特性発現温度はボンディング温度近傍である
必要がある)ことから、少なくともこれに耐えるだけの
熱的安定性の確保が必要となる。特に、磁性膜の軟磁気
特性は熱処理により析出してくる微結晶粒子サイズに依
存していることから、良好な軟磁気特性を有する磁性膜
を得るためにはこの結晶粒子サイズを制御しなければな
らない。
【0005】また、前記磁性材料は、Feを主体として
いるために、大気中の酸素や水と反応して水酸化物や酸
化物を生成し、磁気特性、特に、保磁力や飽和磁束密度
の変動を生じるために、磁気ヘッドの性能が低下する場
合があった。前記磁性材料を用いた磁気ヘッドの実用化
に当たっては、これら磁気特性の変動を抑制することが
必要であり、その一つの方法として、磁性元素以外に耐
食性向上を目的とした元素を添加することが提案されて
いるが、軟磁気特性と耐食性を両立させることは困難で
あった。これらの点について検討した例として、特開平
3−20444号公報がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らの実験によ
ると、上記方法では、磁性膜の組成調整を行っても、必
ずしも飽和磁束密度及び軟磁気特性、特に保磁力と耐食
性とがバランスした十分な特性が得られるとは限らなか
った。例えば、耐食性を確保すると磁気特性、特に飽和
磁束密度及び保磁力が劣化し、本来のFe−C系やFe
−N系の磁性材料が有する性能が得られず、磁気ヘッド
の性能が低下してしまうので、記録を行なった場合にエ
ラーやノイズの原因となったり、高密度記録ができない
場合があった。逆に、磁気特性を重視すると十分な耐食
性が確保できず、磁気ヘッドの信頼性が低下する場合が
あった。特に、磁性膜の耐食性向上に主眼があり、磁性
膜の熱安定性(耐熱性)に必ずしも十分な配慮がなされ
ていなかった。
【0007】本発明は、高飽和磁束密度を有するFe−
C系、Fe−N系、Co−C系、Co−N系、Ni−C
系、Ni−N系の磁性材料からなり、その磁気特性を維
持しつつ耐熱性を向上させた軟磁性薄膜、及びその軟磁
性薄膜を用いた高性能でしかも高信頼性を有する磁気ヘ
ッド、そのヘッドを用いた磁気記録再生装置を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では、熱処理を施
すことにより軟磁気特性が発現するFe−C系、Fe−
N系、Co−C系、Co−N系、Ni−C系又はNi−
N系磁性材料に、Cr,Nb,Al,Pt,Ru,R
h,Tiの中から選ばれる少なくとも1種類もしくは2
種類の元素を添加し、その添加濃度を制御することによ
って結晶化温度を制御し、前記目的を達成する。
【0009】前記磁性材料はZr,Nb,Taの中から
選ばれる少なくとも1種類の元素を5〜20at%、
N,Cの中から選ばれる少なくとも1種類の元素を1〜
20at%、Cr,Nb,Al,Pt,Ru,Rh,T
iの中から選ばれる少なくとも1種類もしくは2種類の
元素を0.5〜15at%含み、残部がFe,Co,N
iの中から選ばれる少なくとも1種類の元素である合金
とするのが好適である。このとき、前記Cr,Nb,A
l,Pt,Ru,Rh,Tiの中から選ばれる少なくと
も1種類もしくは2種類の元素の添加濃度を制御するこ
とにより結晶化温度を制御する。ここで、Zr,Nb,
Taの群からNbを選択するときは、添加元素としてN
b以外のものを選択する。Zr,Nb,Taの中からZ
r又はTaを選択したときには、添加元素としてNbを
選択してもよい。
【0010】本発明による軟磁性膜は、Zr,Nb,T
aの中から選ばれる少なくとも1種類の元素を5〜20
at%、N,Cの中から選ばれる少なくとも1種類の元
素を1〜20at%、Cr,Nb,Al,Pt,Ru,
Rh,Tiの中から選ばれる少なくとも1種類もしくは
2種類の元素を0.5〜15at%含み、残部がFe,
Co,Niの中から選ばれる少なくとも1種類の元素で
ある合金を成膜してなり、熱処理を施すことにより軟磁
気特性を発現させた軟磁性薄膜であって、成膜直後の磁
性薄膜の結晶化温度を示す示差熱曲線のピーク幅が30
deg以下であることを特徴とする。
【0011】前記合金は、具体的には、Fe−Ta−C
−Cr−Ru,Fe−Ta−C−Cr−Rh,Fe−T
a−C−Al,Fe−Ta−C−Cr−Ti,Fe−T
a−C−Cr−Nb,Fe−Ta−N−Al,Fe−T
a−N−Cr−Ru,Fe−Ta−N−Cr−Rh,F
e−Ta−N−Cr−Rh,Fe−Ta−C−Al−R
u,Fe−Ta−N−Al−Ru,Fe−Nb−C−C
r−Ru,Fe−Nb−C−Cr−Rh,Fe−Nb−
C−Al,Fe−Nb−C−Cr−Ti,Fe−Nb−
N−Al,Fe−Nb−N−Cr−Ru,Fe−Nb−
N−Cr−Rh,Fe−Nb−N−Cr−Rh,Fe−
Zr−C−Cr−Ru,Fe−Zr−C−Cr−Rh,
Fe−Zr−C−Al,Fe−Zr−C−Cr−Ti,
Fe−Zr−C−Cr−Nb,Fe−Zr−N−Al,
Fe−Zr−N−Cr−Ru,Fe−Zr−N−Cr−
Rh,Fe−Zr−N−Cr−Rh,Fe−Zr−C−
Al−Rn,Fe−Zr−N−Al−Ru,Co−Ta
−C−Cr−Ru,Co−Ta−C−Cr−Rh,Co
−Ta−C−Al,Co−Ta−C−Cr−Ti,Co
−Ta−C−Cr−Nb,Co−Ta−N−Al,Co
−Ta−N−Cr−Ru,Co−Ta−N−Cr−R
h,Co−Ta−N−Cr−Rh,Co−Ta−C−A
l−Ru,Co−Ta−N−Ru−Al,Co−Nb−
C−Cr−Ru,Co−Nb−C−Cr−Rh,Co−
Nb−C−Al,Co−Nb−C−Cr−Ti,Co−
Nb−N−Al,Co−Nb−N−Cr−Ru,Co−
Nb−N−Cr−Rh,Co−Nb−N−Cr−Rh,
Co−Nb−C−Al−Ru,Co−Nb−N−Al−
Ru,Co−Zr−C−Cr−Ru,Co−Zr−C−
Cr−Rh,Co−Zr−C−Al,Co−Zr−C−
Cr−Ti,Co−Zr−C−Cr−Nb,Co−Zr
−N−Al,Co−Zr−N−Cr−Ru,Co−Zr
−N−Cr−Rh,Co−Zr−N−Cr−Rh,Co
−Zr−C−Al−Ru,Co−Zr−N−Ru−A
l,Ni−Ta−C−Cr−Ru,Ni−Ta−C−C
r−Rh,Ni−Ta−C−Al,Ni−Ta−C−C
r−Ti,Ni−Ta−C−Cr−Nb,Ni−Ta−
N−Al,Ni−Ta−N−Cr−Ru,Ni−Ta−
N−Cr−Rh,Ni−Ta−N−Cr−Rh,Ni−
Ta−C−Al−Ru,Ni−Ta−N−Al−Ru,
Ni−Nb−C−Cr−Ru,Ni−Nb−C−Cr−
Rh,Ni−Nb−C−Al,Ni−Nb−C−Cr−
Ti,Ni−Nb−N−Al,Ni−Nb−N−Cr−
Ru,Ni−Nb−N−Cr−Rh,Ni−Nb−N−
Cr−Rh,Ni−Nb−C−Al−Ru,Ni−Nb
−N−Al−Ru,Ni−Zr−C−Cr−Ru,Ni
−Zr−C−Cr−Rh,Ni−Zr−C−Al,Ni
−Zr−C−Cr−Ti,Ni−Zr−C−Cr−N
b,Ni−Zr−N−Al,Ni−Zr−N−Cr−R
u,Ni−Zr−N−Cr−Rh,Ni−Zr−N−C
r−Rh,Ni−Zr−C−Al−Ru,Ni−Zr−
N−Al−Ru等とすることができる。
【0012】ここで、Zr,Nb,Taの中から選ばれ
る少なくとも1種類の元素の濃度を5〜20at%とし
たのは、5at%未満であると良好な軟磁気特性を有す
る磁性膜が得られず、20at%を超えると保磁力が増
大し、軟磁気特性が劣化したり、磁性そのものが失われ
るからである。なお、5〜15at%の範囲とすると保
磁力が1.0Oeより小さくなるので、より好ましい。
【0013】N,Cの中から選ばれる少なくとも1種類
の元素の濃度を1〜20at%としたのは、1at%未
満又は20at%を超えると熱処理しても良好な軟磁気
特性が得られないからである。なお、8〜15at%の
範囲とするとより良好な軟磁気特性が得られるので、よ
り好ましい。Cr,Nb,Al,Pt,Ru,Rh,T
iの中から選ばれる少なくとも1種類もしくは2種類の
元素の濃度を0.5〜15at%としたのは、0.5a
t%未満であると磁性膜の耐食性及び耐熱性が確保でき
ず、15at%を超えると保磁力の増大等軟磁気特性が
劣化するからである。なお、3〜10at%とすると軟
磁気特性の劣化が小さく、かつ耐食性及び耐熱性が確保
できるので、より好ましい。
【0014】軟磁性膜の軟磁気特性は析出する微結晶粒
子サイズに依存していることから、良好な軟磁気特性を
有する磁性膜を得るためにはこの結晶粒子サイズを制御
しなければならない。本発明による軟磁性膜は、粒子サ
イズが5〜25nm、特に好ましくは5〜20nmであ
るα−Fe相の微結晶を含む。本発明による磁気ヘッド
は、前記熱処理を施した軟磁性膜を用いる。磁気ヘッド
はメタル・イン・ギャップ(MIG)型磁気ヘッドとす
ることができる。
【0015】本発明による熱処理を施した軟磁性薄膜を
磁気記録再生装置の磁気ヘッドに用い、移動する情報記
録媒体に画像情報や音声情報等の情報を磁気的に記録再
生すると、再生信号を増大することができ、良好な記録
再生を行うことができる。これは、磁気ヘッドにおける
軟磁性膜の良好な磁気特性を反映した結果である。情報
記録媒体としては、磁気テープ又は円板上に磁気記録媒
体層が形成された磁気ディスクを用いることができる。
【0016】
【作用】Cr,Nb,Al,Pt,Ru,Rh,Ti等
の添加元素の種類及び濃度を制御することにより、微結
晶析出型軟磁性膜の結晶化温度を制御することができ
る。これは、添加元素がFeやCo等の元素と金属間化
合物を形成したり、複カーバイドを形成するためであ
る。それにより結晶成長反応速度を抑制できるので、微
小結晶を有する磁性膜を安定に得ることができる。
【0017】また、前記添加元素の種類及び濃度を制御
することにより、磁性膜の結晶化温度Txを示す示差熱
(DSC)曲線のピーク幅、すなわち結晶化が開始する
温度Txs(DSC曲線の立ち上がり部分)と終了する
温度Txe(DSC曲線のたち下がり部分)との差を小
さくすることができ、さらに磁性膜内部の結晶粒子サイ
ズおよびその分布を小さくすることができるため、軟磁
性膜の耐熱性を向上することができる。
【0018】その結果、良好で安定な軟磁気特性を有す
る磁性膜が得られ、しかも、α−Fe相の結晶粒子サイ
ズが5〜25nmの微結晶となるので磁性膜の耐食性も
高いものが得られ、信頼性の向上が図られる。Cr,N
b,Al,Pt,Ru,Rh,Ti等の添加元素は、結
晶粒界に化合物として析出したり、金属間化合物などの
合金を形成したり、主元素のFe中へ固溶することによ
り結晶粒の成長を抑制し、その結果、磁気特性を低下さ
せずに耐熱性及び耐食性を向上させるのにも役立ってい
ると考えられる。
【0019】また、軟磁気特性を発現させるために行う
熱処理温度を、結晶化温度にリンクさせて選択すること
により析出してくる結晶粒子サイズ等を容易に制御でき
る。前記熱処理を施した軟磁性膜を用いて磁気ヘッドを
作製すると、高性能かつ信頼性の高いものが得られる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。 〔実施例1〕軟磁性膜としてFe−Ta−C−Cr−N
b合金膜を作製した。磁性膜はスパッタ法によって単結
晶フェライト基板上に5μmの膜厚に成膜した。スパッ
タのターゲットにはFe,Ta,C,Nb,Crの各元
素の粉体を熱間静圧プレス法(HIP法)により成型し
たものを用い、放電ガスとしてアルゴンガスを用い、放
電ガス圧力5mTorr、投入RF電力400Wでスパ
ッタした。ターゲットは直径150mmとし、その組成
は下式〔I〕においてX=6,10,14の3種類とし
た。 (Fe81Ta712100-X(Cr50Nb50X 〔I〕
【0021】薄膜化しても、得られた膜の組成はターゲ
ット組成とほとんど変わらなかった。この磁性膜の結晶
化温度Txを示差熱分析計(DSC)を用いて測定した
ときの出力プロファイルを図1に示す。図1から、添加
元素であるCr及びNbの全濃度がX=6,10,14
と高くなるのにともない、示差熱分析計出力のピーク、
すなわち結晶化温度Txは495℃,500℃,517
℃と上昇することが分かる。また、示差熱分析計の出力
のピークの上昇しはじめる温度Txs(結晶化開始温
度)とピークが落ちる温度Txe(結晶化終了温度)の
温度差(Txe−Txs)は、15〜20degであっ
た。
【0022】図2には、添加元素を含まないFeTaC
膜のみの磁性膜(X=0)とCr及びNbをX=14含
む膜のDSCプロファイルを示す。FeTaC膜のみで
はピークが非常にブロードであり、(Txe−Txs)
は50degであった。これに対して、添加元素を含む
と示差熱曲線におけるピークがシャープになり、(Tx
e−Txs)は20degとなった。
【0023】これら4種類の磁性膜を590℃に設定し
たアルゴン雰囲気中に置き、磁場(5kOe)中で30
分間熱処理を行なった。ここで、雰囲気はアルゴンに限
定されず、不活性ガスであればどの様なものでもよい。
各磁性膜の結晶サイズをX線回折パターンの半値幅から
計算したところ、添加元素を含まない磁性膜(X=0)
の平均粒子サイズは約30nmであり、添加元素濃度が
X=6,10,14と高くなる(結晶化温度が高くな
る)のに伴い、11nm,9.6nm,8.9nmと結
晶粒子サイズは小さくなった。粒子サイズの分布は、X
=0のとき20〜40nmの範囲であったが、X=6の
とき10〜15nm、X=10のとき8〜13nm、X
=14のとき7〜10nmとなり、添加元素を含む方が
結晶粒子サイズの分布が小さくなった。磁性膜の軟磁気
特性が劣化する温度、すなわち耐熱温度は、X=0のと
き600℃、X=6,10,14のとき730℃以上で
あった。
【0024】このように、添加元素濃度を制御すること
により、α−Fe相粒子サイズを小さくすると共に粒子
サイズのバラツキを小さくすることができ、軟磁性膜の
耐熱性を高めることができる。これは、一つには添加元
素濃度の制御によって結晶化温度が高くなると共に結晶
化終了温度と結晶化開始温度の差(Txe−Txs)が
小さくなり、粒子サイズのバラツキを小さくすることが
できるためと考えられる。粒子サイズのバラツキが小さ
いと、結晶粒子の急成長が抑制されて安定した軟磁気特
性が得られ、耐熱性の向上に効果がある。この様な観点
から、(Txe−Txs)の値を30deg以下とする
と特に有効である。
【0025】X線回折法によりこれらの磁性膜の回折パ
ターンを測定した結果、得られた回折ピークは、α−F
eに基づくピークのみであり、TaCに基づくピークは
非常にブロードであった。また、α−Feの(110)
面の格子面間隔を求めたところ、FeTaCに元素を添
加すると、添加濃度の増大とともに増大し、全添加濃度
が6at%のとき0.203nm、添加濃度が15at
%のとき0.302nmであった。このことは、添加し
たCrやNb等の元素は、Fe中に固溶していることを
示している。
【0026】〔実施例2〕Fe−Ta−C−Cr−Nb
系磁性膜について、結晶粒子サイズと飽和磁束密度B
s、保磁力Hc、耐食性の間の関係を調べた。磁性膜と
しては、(Fe79Ta813100-x(Cr50Nb50x
なる組成式で表すときx=5,x=10,X=15等の
Fe−Ta−C−Cr−Nb系磁性膜を用いた。磁性膜
は、フェライト基板上にスパッタリング法により5μm
の厚さに成膜した。スパッタリングは、前記実施例1に
おけるのと同様にして製造した直径150mmのFe−
Ta−C−Cr−Nbをターゲットに用い、投入RF電
力400W、放電ガスとしてアルゴンを用い、放電ガス
圧力6mTorrで行った。この磁性膜をアルゴン雰囲
気中にて30分間熱処理して軟磁気特性を発現させた。
また、Cr及びNbの添加量や熱処理温度を変えること
によって、種々のα−Fe相の結晶粒サイズを有する磁
性膜を作製した。
【0027】熱処理を施す前の磁性膜は、X線的にも電
子顕微鏡的にも非晶質であり、その磁気特性は、保磁力
Hcが10Oe以上、比透磁率が100以下、飽和磁束
密度Bsが1.0T以下と低い軟磁気特性を示した。こ
の磁性膜を熱処理すると、保磁力Hcが1.0Oe以
下、比透磁率が2000以上、飽和磁束密度が1.0T
以上と良好な軟磁気特性を示すようになる。熱処理後の
磁性膜をX線回折法によって測定すると、α−Feのピ
ークとTaCのピークが観察された。ただし、磁性膜の
結晶化温度Tx付近で熱処理すると、α−Feのピーク
のみが観察され、TaCのピークはブロードである。一
方、結晶化温度より150℃高い温度で熱処理を行った
場合、α−FeのピークとともにTaCのピークも明瞭
に観察されるようになる。
【0028】軟磁性膜の耐食性は、0.5規定塩化ナト
リウム溶液に10時間浸漬し、腐食発生の有無を光学顕
微鏡による観察によって調べた。結晶粒子サイズと、保
磁力Hc、飽和磁束密度Bs及び耐食性の関係を図3に
示す。図3の横軸は、α−Fe粒子の平均粒子サイズを
表す。図3から、軟磁性膜のα−Feの結晶粒子サイズ
が5〜25nmの範囲であれば、保磁力Hcが1.0O
e以下、飽和磁束密度Bsが1.0T以上と十分な軟磁
気特性を示し、かつ耐食性も良好であることが分かる。
特に、α−Feの結晶粒子サイズが5〜20nmの範囲
にあれば、保磁力Hcが0.5Oe以下、飽和磁束密度
Bsが1.0T以上となり、極めて良好な軟磁気特性を
示す。磁気ヘッドに用いる軟磁性膜の保磁力Hcは1.
0Oe以下であることが必要であり、高周波特性を考慮
すると0.5Oe以下であることが好ましいのである
が、α−Feの結晶粒子サイズが5〜25nm、特に5
〜20nmの範囲であれば、この要求を十分に満足する
ことができる。
【0029】前記軟磁性膜の耐食性は、Fe−Ta−C
−Cr−Nb系磁性膜の配向性とα−Fe及びTaCの
結晶粒子サイズによって決まる。特に、熱処理温度Tを
結晶化温度Txに対してT>Tx+150とすると、α
−Feの結晶粒子サイズは約25nmを越え、TaCの
結晶粒子サイズは約15nmを越え、耐食性は急速に劣
化した。
【0030】〔実施例3〕添加元素の種類及び濃度を変
えて種々の組成のFe−C系、Fe−N系、Co−C
系、Co−N系、Ni−C系、Ni−N系磁性材料の薄
膜を作製した。磁性膜は、フェライト基板上にスパッタ
リングによって5μmの厚さに成膜し、スパッタの条件
はC系磁性膜については前述の実施例と同様である。N
系磁性膜のスパッタ時には、放電ガスにAr/N2 (=
90/10)を用い、ターゲットとしてFe(又はC
o,Ni)板上にTa,Nb,Zrペレットを置いた複
合体ターゲットを用いた。各磁性膜は、アルゴン雰囲気
中で、結晶化温度より60℃高い温度で30分間熱処理
して軟磁気特性を発現させた。得られた磁性膜の結晶化
温度Tx、飽和磁束密度Bs、保持力Hcの値を以下に
示す。結晶化温度Txの単位は℃、飽和磁束密度Bsの
単位はテスラ(T)、保持力Hcの単位はエルステッド
(Oe)である。
【0031】 Tx(℃) Bs(T) Hc(Oe) (Fe0.79Ta0.080.13)92Al8 490 1.40 0.3 (Fe0.79Ta0.080.13)90Al10 500 1.30 0.3 (Fe0.79Ta0.080.13)88Al12 510 1.20 0.3 (Fe0.79Ta0.080.13)93Cr5Ru2 480 1.50 0.5 (Fe0.79Ta0.080.13)91Cr6Ru3 490 1.30 0.5 (Fe0.79Ta0.080.13)89Cr8Ru3 495 1.25 0.7 (Fe0.79Ta0.080.13)94Cr3Ti3 490 1.55 0.3 (Fe0.79Ta0.080.13)90Cr5Ti5 500 1.35 0.5 (Fe0.79Ta0.080.13)86Cr7Ti7 510 1.20 0.7 (Fe0.79Ta0.080.13)94Cr3Rh3 490 1.40 0.4 (Fe0.79Ta0.080.13)90Cr5Rh5 500 1.30 0.5 (Fe0.79Ta0.080.13)88Cr7Rh5 510 1.20 0.6 (Fe0.79Ta0.080.13)94Cr3Nb3 490 1.50 0.5 (Fe0.79Ta0.080.13)90Cr5Nb5 510 1.40 0.6 (Fe0.79Ta0.080.13)86Cr7Nb7 530 1.30 0.7 (Fe0.79Ta0.080.13)92Al8 490 1.40 0.5 (Fe0.79Ta0.080.13)90Al10 500 1.30 0.5 (Fe0.79Ta0.080.13)88Al12 505 1.25 0.3 (Fe0.8Zr0.080.12)97Al3 510 1.40 0.4 (Fe0.8Zr0.080.12)94Al6 525 1.30 0.5 (Fe0.8Zr0.080.12)85Al15 530 1.20 0.7 (Co0.8Ta0.090.11)96Cr3Ru1 505 1.20 0.3 (Co0.8Ta0.090.11)95Cr3Ru2 515 1.10 0.4 (Co0.8Ta0.090.11)93Cr5Ru2 525 1.00 0.6 (Co0.75Zr0.150.1)94Cr3Ti3 500 1.30 0.24 (Co0.75Zr0.150.1)90Cr5Ti5 510 1.15 0.4 (Co0.75Zr0.150.1)86Cr7Ti7 520 1.05 0.5 (Ni0.78Zr0.10.12)94Cr3Rh3 500 1.30 0.5 (Ni0.78Zr0.10.12)90Cr5Rh5 515 1.20 0.6 (Ni0.78Zr0.10.12)86Cr7Rh7 530 1.10 0.6 (Ni0.8Ta0.070.13)86Cr8Nb6 500 1.35 0.4 (Ni0.8Ta0.070.13)90Cr5Nb5 515 1.23 0.4 (Ni0.8Ta0.070.13)86Cr7Nb7 530 1.12 0.5 (Fe0.8Nb0.080.12)91Al8Ru1 500 1.40 0.3 (Fe0.8Nb0.080.12)93Al5Ru2 510 1.30 0.4 (Fe0.8Nb0.080.12)90Al8Ru2 520 1.20 0.4
【0032】このように、Cr,Nb,Al,Pt,R
u,Rh,Tiの中から選ばれる少なくとも1種類もし
くは2種類の元素を0.5〜15at%含ませることに
より、良好な軟磁気特性を維持したまま、結晶化温度を
変えることができる。一方、Cr,Nb,Al,Pt,
Ru,Rh,Tiの中から選ばれる添加元素の濃度が1
5at%を越える場合には、以下のように保持力Hcが
1.0Oe以上となり、磁気ヘッドの材料として使用す
るに耐えなくなる。
【0033】 Tx(℃) Bs(T) Hc(Oe) (Fe0.79Ta0.080.13)80Al20 520 1.00 3.5 (Co0.8Ta0.090.11)82Cr13Ru5 520 1.00 35.0 (Co0.75Ta0.150.1)80Cr15Ti5 520 0.80 7.5 (Co0.8Zr0.080.12)80Cr15Ti5 520 0.80 8.0 (Ni0.78Zr0.10.12)80Cr13Rh7 530 0.80 10.5 (Ni0.78Ta0.070.15)80Cr13Nb7 530 0.70 15.5 (Fe0.8Nb0.080.12)80Cr13Ru7 520 0.80 30.0 (Fe0.8Nb0.080.12)80Cr13Ru7 520 0.85 27.0
【0034】また、0.5%未満では耐熱温度が約60
0℃となり、ガラスボンディング工程で磁性膜の耐熱性
が劣化(Hc>1.0Oe)してしまい、磁気ヘッドの
性能劣化をきたした。 Tx(℃) Bs(T) Hc(Oe) 耐熱性(℃) (Fe0.79Ta0.08C0.13)99.7(Cr0.5Nb0.5)0.3 485 1.7 0.8 約600 (Fe0.79Ta0.08N0.13)99.7(Cr0.5Nb0.5)0.3 490 1.7 0.8 約600 (Fe0.8Zr0.08C0.12)99.7(Cr0.5Ru0.5)0.3 480 1.5 0.8 約600 (Fe0.8Zr0.08C0.12)99.7(Cr0.5Ru0.5)0.3 490 1.5 0.8 約600
【0035】〔実施例4〕本発明の磁性膜を用いて磁気
ヘッドを作成した。(Fe81Ta71290(Cr50
5010なる組成の磁性膜(前記〔I〕式でX=10に
相当)を用い、熱処理温度を590℃に設定し、磁場
(5kOe)中で30分間熱処理を行なった。得られた
磁性膜の磁気特性は、飽和磁束密度が1.48T、保磁
力が0.1Oe、5MHzにおける比透磁率が450
0、磁歪定数が5×10-7であった。
【0036】上記の磁性膜を0.5規定塩化ナトリウム
水溶液中に500時間浸漬させた。その結果、目視観察
から腐食の発生は全く見られなかった。また、500時
間浸漬した後、磁気特性を測定した結果、飽和磁束密度
は1.48T、保持力は0.1Oe、比透磁率は450
0(5MHz)であり、成膜直後の特性となんら違いは
見られなかった。また、80℃で相対湿度95%の環境
中へこの磁性膜を2000時間以上放置したが、腐食の
発生や磁気特性の変化は見られなかった。このように、
Fe及びTaCの結晶粒サイズを制御することにより、
高耐食性を有する磁性膜を得ることができた。この磁性
膜を用いて、図4に概略を示すMIG(メタルインギャ
ップ)型ヘッドを作製した。
【0037】磁気ヘッドの作製は、以下のようにして行
った。前記軟磁性薄膜1を単結晶のフェライト基板2上
に形成した。ギャップ部3は、先のフェライト基板2上
に形成した軟磁性薄膜1上に、SiO2 を200nmの
膜厚に形成した後にCrを100nmの膜厚に形成する
ことで行った。これを窒素気流中にて600℃で1時間
熱処理し、同一形状のヘッド基板を融点が490℃の低
融点ガラス4によりボンディングした。このガラスボン
ディング工程における磁場中熱処理の温度は590℃と
した。基板2と軟磁性薄膜1の間に、両者の接着性の向
上のためにSiO2,Cr23,Al23 等からなる接合
層を設けても良い。本発明の磁性膜を用いた磁気ヘッド
では、600℃でボンディングを行っても磁気特性の劣
化はみられないが、本実施例以外の組成の磁性膜を用い
たヘッドでは、同一条件で熱処理しても特性が劣化し
た。
【0038】この磁気ヘッドを、図5に機能ブロック図
を示す磁気記録再生装置、すなわちVTR装置に組み込
んだ。このVTR装置は周知の構成の記録回路と再生回
路を有し、周知の駆動手段によって駆動されて走行する
磁気記録テープ21に接触する磁気ヘッド22によっ
て、回転トランス23を介して伝達される情報の書き込
み及び再生を行う。記録回路はプリ・エンファシス回路
26、FM変調器27、記録イコライザ28、記録増幅
器29を含み、再生回路は再生前置増幅器30、再生イ
コライザ31、リミッタ32、FM復調器33、低域フ
ィルタ34、タイムベースコレクタ35等を含む。記録
動作と再生動作は、スイッチ24を切り替えることによ
り同一の磁気ヘッド22を用いて行われる。
【0039】このVTR装置を用い、相対速度36m/
s、データレート46.1Mbps、トラック幅40μ
mで、ハイビジョンのディジタル情報を記録した。記録
された画像情報信号を再生してみたところ、再生信号の
S/Nは40dBであった。これに対して、特性の劣化
したヘッドではS/Nは大きく劣化し、32dBであっ
た。
【0040】本実施例のMIG型磁気ヘッドの耐食性
を、0.5規定塩化ナトリウム水溶液中への浸漬試験
法、及び高温高湿度環境(温度60℃、相対湿度95
%)中での結露試験法により評価した。まず、MIG型
ヘッドチップを0.5規定塩化ナトリウム水溶液中へ5
00時間浸漬した。その後、このヘッドを再び装置にセ
ットして記録再生特性を測定した。その結果、浸漬前と
なんら記録再生特性に違いは見られなかった。
【0041】また、高温高湿度環境中での結露試験法に
よる評価は、本実施例のMIG型ヘッドをペルチェ素子
上に固定して10℃に保ち、全体を温度60℃、相対湿
度95%環境中へ放置した。その結果、ヘッド全体に結
露が生じた。この状態のまま高温高湿度環境中に200
0時間以上放置したが、腐食の発生や記録再生信号の劣
化は見られなかった。前記実施例ではVTR用の磁気ヘ
ッドを例に説明したが、本発明の方法で熱処理した軟磁
性薄膜を用いる本発明の磁気ヘッドは磁気ディスクやヘ
リカルスキャンを用いた磁気テープ装置等に対しても適
用できる。
【0042】
【発明の効果】添加元素の種類及び濃度を調整すること
により結晶化温度を制御することができる。結晶化温度
を制御すると、析出してくる微結晶のサイズを制御でき
るので、高飽和磁束密度を有し、しかも、良好な軟磁気
特性が安定して得られると共に、磁性膜の耐食性向上が
図られる。この磁性膜を用いて磁気ヘッドを作製する
と、高性能でしかも高信頼性を有するものが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各種濃度の添加元素を含む磁性膜のDSC曲線
を示す図。
【図2】Fe−Ta−C膜とCr,Nb添加FeTaC
膜のDSC曲線を示す図。
【図3】結晶粒子サイズと保磁力、飽和磁束密度及び耐
食性の関係を示す図。
【図4】メタルインギャップ(MIG)型磁気ヘッドの
構造を示す図
【図5】磁気記録再生装置の概略ブロック図。
【符号の説明】
1…軟磁性薄膜、2…フェライト基板、3…ギャップ
部、4…低融点ガラス部、21…磁気テープ、22…磁
気ヘッド、23…回転トランス、24…スイッチ、26
…プリエンファシス、27…FM変調器、28…記録イ
コライザ、29…記録増幅器、30…再生前置増幅器、
31…再生イコライザ、32…リミッタ、33…FM復
調器、34…低域フィルタ、35…タイムベースコレク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 14/14 F 8414−4K 14/58 A 8414−4K G11B 5/127 K 7303−5D 5/23 K 7303−5D // C23C 14/34 P 8414−4K (72)発明者 森脇 英稔 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱処理を施すことにより軟磁気特性が発
    現するFe−C系、Fe−N系、Co−C系、Co−N
    系、Ni−C系又はNi−N系を主体とする磁性材料の
    結晶化温度の制御方法であって、Cr,Nb,Al,P
    t,Ru,Rh,Tiの中から選ばれる少なくとも1種
    類もしくは2種類の元素を添加し、その添加濃度を制御
    することを特徴とする結晶化温度の制御方法。
  2. 【請求項2】 前記磁性材料はZr,Nb,Taの中か
    ら選ばれる少なくとも1種類の元素を5〜20at%、
    N,Cの中から選ばれる少なくとも1種類の元素を1〜
    20at%、Cr,Nb,Al,Pt,Ru,Rh,T
    iの中から選ばれる少なくとも1種類もしくは2種類の
    元素を0.5〜15at%含み、残部がFe,Co,N
    iの中から選ばれる少なくとも1種類の元素である合金
    であり、前記Cr,Nb,Al,Pt,Ru,Rh,T
    iの中から選ばれる少なくとも1種類もしくは2種類の
    元素の添加濃度を制御することを特徴とする請求項1記
    載の結晶化温度の制御方法。
  3. 【請求項3】 Zr,Nb,Taの中から選ばれる少な
    くとも1種類の元素を5〜20at%、N,Cの中から
    選ばれる少なくとも1種類の元素を1〜20at%、C
    r,Nb,Al,Pt,Ru,Rh,Tiの中から選ば
    れる少なくとも1種類もしくは2種類の元素を0.5〜
    15at%含み、残部がFe,Co,Niの中から選ば
    れる少なくとも1種類の元素である合金を成膜してな
    り、熱処理を施すことにより軟磁気特性を発現させた軟
    磁性薄膜であって、成膜直後の磁性薄膜の結晶化温度を
    示す示差熱曲線のピーク幅が30℃以下であることを特
    徴とする軟磁性薄膜。
  4. 【請求項4】 Zr,Nb,Taの中から選ばれる少な
    くとも1種類の元素を5〜20at%、N,Cの中から
    選ばれる少なくとも1種類の元素を1〜20at%、C
    r,Nb,Al,Pt,Ru,Rh,Tiの中から選ば
    れる少なくとも1種類もしくは2種類の元素を0.5〜
    15at%含み、残部がFe,Co,Niの中から選ば
    れる少なくとも1種類の元素である合金を成膜してな
    り、熱処理を施すことにより軟磁気特性を発現させた軟
    磁性薄膜であって、粒子サイズが5〜25nmであるα
    −Fe相の微結晶を含むことを特徴とする軟磁性薄膜。
  5. 【請求項5】 Zr,Nb,Taの中から選ばれる少な
    くとも1種類の元素を5〜20at%、N,Cの中から
    選ばれる少なくとも1種類の元素を1〜20at%、C
    r,Nb,Al,Pt,Ru,Rh,Tiの中から選ば
    れる少なくとも1種類もしくは2種類の元素を0.5〜
    15at%含み、残部がFe,Co,Niの中から選ば
    れる少なくとも1種類の元素である合金を成膜してな
    り、熱処理を施すことにより軟磁気特性を発現させた軟
    磁性薄膜であって、成膜直後の磁性薄膜の結晶化温度を
    示す示差熱曲線のピーク幅が30℃以下であり、粒子サ
    イズが5〜20nmであるα−Fe相の微結晶を含むこ
    とを特徴とする軟磁性薄膜。
  6. 【請求項6】 磁性膜として請求項3、4又は5記載の
    軟磁性薄膜を用いたことを特徴とする磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記磁気ヘッドはメタル・イン・ギャッ
    プ型磁気ヘッドであることを特徴とする請求項6記載の
    磁気ヘッド。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7記載の磁気ヘッドと、磁
    気記録媒体駆動手段と、信号処理手段とを含むことを特
    徴とする磁気記録再生装置。
  9. 【請求項9】 前記磁気記録媒体駆動手段は、テープ状
    の磁気記録媒体又は円板状の磁気記録媒体を駆動するこ
    とを特徴とする請求項8記載の磁気記録再生装置。
  10. 【請求項10】 画像情報及び/又は音声情報を記録再
    生することを特徴とする請求項8又は9記載の磁気記録
    再生装置。
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