JPH08316032A - 軟磁性薄膜、それを用いた磁気ヘッドおよび磁気記録装置 - Google Patents

軟磁性薄膜、それを用いた磁気ヘッドおよび磁気記録装置

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JPH08316032A
JPH08316032A JP11554595A JP11554595A JPH08316032A JP H08316032 A JPH08316032 A JP H08316032A JP 11554595 A JP11554595 A JP 11554595A JP 11554595 A JP11554595 A JP 11554595A JP H08316032 A JPH08316032 A JP H08316032A
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JP
Japan
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phase
plane
thin film
soft magnetic
magnetic thin
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JP11554595A
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Fumiyoshi Kirino
文良 桐野
Moichi Otomo
茂一 大友
Yoshitsugu Koiso
良嗣 小礒
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F10/00Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
    • H01F10/08Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure characterised by magnetic layers
    • H01F10/10Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure characterised by magnetic layers characterised by the composition
    • H01F10/12Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure characterised by magnetic layers characterised by the composition being metals or alloys
    • H01F10/14Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure characterised by magnetic layers characterised by the composition being metals or alloys containing iron or nickel
    • H01F10/147Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure characterised by magnetic layers characterised by the composition being metals or alloys containing iron or nickel with lattice under strain, e.g. expanded by interstitial nitrogen

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Magnetic Heads (AREA)
  • Thin Magnetic Films (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 FeまたはCoを主体とする軟磁性薄膜にお
いて、良好な軟磁気特性を維持しながら耐食性および磁
気異方性を改善する。 【構成】 FeおよびCoから選ばれる少なくとも1種
の磁性元素と、α−Fe相あるいはα−Co相に固溶ま
たは拡散する第1元素と、C,BおよびNよりなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の第2元素とを含んでなる軟
磁性薄膜において、前記磁性元素の結晶相の少なくとも
1つの結晶面が優先的に配向される。前記の優先的に配
向された結晶面は、α−Fe相の(110)面および
(200)面の少なくとも一方、あるいは、α−Co相
の(110)面である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、FeまたはCoを含
む軟磁性薄膜、それを用いた磁気ヘッドおよび磁気記録
装置に関し、さらに言えば、高性能および高信頼性を有
する微結晶析出型の軟磁性薄膜、その軟磁性薄膜を用い
た磁気ヘッドおよび磁気記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高度情報化社会の進展に伴い、小
型で高密度な情報記録装置へのニーズが高まっている。
このような状況下、磁気記録装置は高密度記録、ダウン
サイジングへの研究が急速に進められている。
【0003】高密度記録を実現するには、生成した微小
磁区が安定に存在するように高い保磁力を有する情報記
録媒体と共に、このような情報記録媒体に記録できるよ
うに高い飽和磁束密度を有する磁気ヘッドが必要とな
る。
【0004】この種磁気ヘッドに用いる材料として現在
知られているものには、Fe−C系、Fe−N系などが
ある。これらの材料は通常、スパッタリング法などによ
り非晶質の薄膜を成膜後、その薄膜を一定の温度で熱処
理して微結晶化し、軟磁気特性を発現させている。この
場合の熱処理温度は、軟磁気特性を発現させるために必
要な最低温度に設定すればよいが、これらの材料を用い
てメタル・イン・ギャップ(MIG)型磁気ヘッドを作
製する場合には、ヘッド作製工程にガラス・ボンディン
グ工程を含むため、熱処理温度は軟磁気特性の発現温度
より高いボンディング温度にならざるを得ない。よっ
て、この種磁気ヘッド材料には、少なくともそのボンデ
ィング温度に耐えるだけの熱安定性の確保が必要とな
る。
【0005】また、これらの磁気ヘッド材料はFeを主
体として構成されているため、大気中の酸素や水と反応
して水酸化物や酸化物を生成し、その結果、磁気特性
(特に保磁力や飽和磁束密度)の変動を生じて磁気ヘッ
ドとしての性能が低下することがある。そこで、これら
の材料を用いた磁気ヘッドの実用化には、大気中の酸素
などに起因する磁気特性の変動を抑制することが必要で
ある。すなわち、耐食性を向上することが必要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この種磁気ヘッド材料
の耐食性を図るため、従来、磁性元素以外の特定の元素
を軟磁性薄膜に添加することにより、その軟磁気特性を
保持しながら耐食性を向上させるという方法が提案され
ている。(例えば特開平3−20444号公報参照)。
【0007】しかし、特開平3−20444号公報に開
示されているような、耐食性向上のための元素を添加す
る従来技術では、軟磁気特性と耐食性とをバランスよく
両立することができない、換言すれば、軟磁気特性と耐
食性の双方を向上させるように添加元素の濃度を最適化
するのが困難であるという問題がある。例えば、耐食性
を優先して確保すると、磁気特性(特に飽和磁束密度と
保磁力)が低下し、Fe−C系やFe−N系材料が有す
る本来の磁気特性が得られない。逆に、磁気特性を優先
して確保すると、十分な耐食性が得られず磁気ヘッドの
信頼性が低下する。
【0008】この問題を解決するため、Al,Cr,R
uなどの元素を軟磁性薄膜に添加する方法が提案されて
いるが、この場合にも、それら元素の添加により飽和磁
束密度の低下や磁歪定数の増大が生じ、情報の記録が良
好にできなかったり、再生時に出力波形が歪んだりする
という問題がある。
【0009】そこで、この発明の目的は、FeまたはC
oを主体とする軟磁性薄膜において、良好な軟磁気特性
を維持しながら耐食性を改善することにある。
【0010】この発明の他の目的は、FeまたはCoを
主体とする軟磁性薄膜において、磁気異方性を改善する
ことにある。
【0011】この発明のさらに他の目的は、従来より信
頼性の高い磁気ヘッドおよび磁気記録装置を提供するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
(1) この発明の第1の軟磁性薄膜は、FeおよびC
oから選ばれる少なくとも1種の磁性元素と、α−Fe
相あるいはα−Co相に固溶または拡散する第1元素
と、C,BおよびNよりなる群から選ばれる少なくとも
1種の第2元素とを含んでなる軟磁性薄膜において、前
記磁性元素の結晶相の少なくとも1つの結晶面が優先的
に配向されていることを特徴とする。
【0013】前記の優先的に配向された結晶面は、X線
回折法により得られる前記軟磁性薄膜の回折パターンに
より知ることができる。すなわち、回折パターンにおい
て回折強度が最大の結晶面が最も優先的に配向した面で
ある。
【0014】前記優先配向面は、α−Fe相の(11
0)面および(200)面の少なくとも一方であるか、
α−Co相の(110)面であるのが好ましい。これら
の場合に好適な軟磁気特性が得られるからである。
【0015】前記の優先的に配向された結晶面がα−F
e相の(110)面である場合、X線回折パターンにお
いてα−Fe相の(110)面の回折ピークの角度(2
Θ)が43.0度以上、44.6度以下であるのが好ま
しい。回折ピークの角度が43.0度未満あるいは4
4.6度を越えれば、結晶構造が変化したことを意味
し、これにより磁気特性の劣化が生じ、さらには非磁性
になるからである。
【0016】前記の優先的に配向された結晶面がα−F
e相の(200)面である場合、X線回折パターンにお
いてα−Fe相の(220)面の回折ピークの角度(2
Θ)が63.5度以上、65.0度以下であるのが好ま
しい。回折ピークの角度が63.5度未満あるいは6
5.0度を越えれば、結晶構造が変化したことを意味
し、これにより磁気特性の劣化が生じ、さらには非磁性
になるからである。
【0017】前記の優先的に配向された結晶面がα−C
o相の(110)面である場合、X線回折パターンにお
いてα−Co相の(110)面の回折ピークの角度(2
Θ)が40.0度以上、41.5度以下であるのが好ま
しい。回折ピークの角度が40.0度未満あるいは4
1.5度を越えれば、結晶構造が変化したことを意味
し、これにより磁気特性の劣化が生じ、さらには非磁性
になるからである。
【0018】前記第1元素としては、Nb,Cr,T
a,Ti,Zr,Al,Ru,RhおよびSiよりなる
群から選ばれる少なくとも1種の元素が好ましい。これ
らの元素を含む場合には、α−Fe相やα−Co相の表
面の水や酸素に対する活性度が低下するのに加えて、α
−Feやα−Coの結晶成長を制御する作用があるから
である。
【0019】前記第1元素として、Nb,Cr,Ta,
Ti,Zr,Al,Ru,RhおよびSiよりなる群か
ら選ばれる少なくとも2種の元素を含んでいる場合、そ
れら少なくとも2種の元素のうち少なくとも1種が前記
第2元素との化合物として存在しているのが好ましい。
この場合、少なくとも1種の元素が前記磁性元素の結晶
相内に固溶または拡散し、他の少なくとも1種の元素が
前記磁性元素の結晶相間に存在するため、前記磁性元素
の結晶相の少なくとも1つの結晶面が優先的に配向され
やすくなるからである。
【0020】この発明の第1の軟磁性薄膜では、例えば
800以上の異方性磁界が得られ、磁気異方性が大きく
改善される。
【0021】(2) この発明の第2の軟磁性薄膜は、
FeおよびCoから選ばれる少なくとも1種の磁性元素
の微結晶相と、Nb,Cr,Ta,Ti,ZrおよびA
lよりなる群から選ばれる少なくとも1種の第1元素の
炭化物、窒化物あるいは硼素化物の微結晶相と、前記磁
性元素の微結晶相の中に固溶または拡散した、前記N
b,Cr,Ta,Ti,ZrおよびAlよりなる群から
選ばれる少なくとも1種の第2元素とを含んでおり、前
記磁性元素の微結晶相の少なくとも1つの結晶面が優先
的に配向されていることを特徴とする。
【0022】前記第1元素と前記第2元素とは、同じ元
素であってもよいし、互いに異なる元素であってもよ
い。しかし、互いに異なる元素の方が好ましい。前記磁
性元素の微結晶相中に固溶または拡散する場合に前記第
2元素が持つ自由エネルギーと、前記炭化物、窒化物あ
るいは硼素化物を生成する場合に前記第1元素が持つ自
由エネルギーとが互いに異なるため、前記磁性元素の微
結晶相の中での各元素の「存在比」が一定になり、安定
した磁気特性と耐食性が得られるからである。
【0023】前記の優先的に配向された結晶面は、α−
Fe相の(110)面および(200)面の少なくとも
一方であるか、α−Co相の(110)面であるのが好
ましい。
【0024】前記の優先的に配向された結晶面がα−F
e相の(110)面である場合、X線回折パターンにお
いてα−Fe相の(110)面の回折ピークの角度(2
Θ)が43.0度以上、44.6度以下であるのが好ま
しい。
【0025】前記の優先的に配向された結晶面がα−F
e相の(200)面である場合、X線回折パターンにお
いてα−Fe相の(220)面の回折ピークの角度(2
Θ)が63.5度以上、65.0度以下であるのが好ま
しい。
【0026】前記の優先的に配向された結晶面がα−C
o相の(110)面である場合、X線回折パターンにお
いてα−Co相の(110)面の回折ピークの角度(2
Θ)が40.0度以上、41.5度以下であるのが好ま
しい。
【0027】これらの理由は上記(1)の場合と同じで
ある。
【0028】この発明の第2の軟磁性薄膜でも、例えば
800以上の異方性磁界が得られ、磁気異方性が大きく
改善される。
【0029】(3)この発明の第3の軟磁性薄膜は、F
eおよびCoから選ばれる少なくとも1種の磁性元素の
微結晶相と、前記磁性元素の微結晶相の間に存在する、
第1元素の炭化物、窒化物あるいは硼素化物の微結晶相
と、前記磁性元素の微結晶相の中に固溶または拡散した
第2元素とを含み、前記磁性元素の微結晶相の少なくと
も1つの結晶面が優先的に配向されており、しかも、前
記磁性元素の微結晶相中に固溶または拡散する場合に前
記第2元素が持つ自由エネルギーと、前記炭化物、窒化
物あるいは硼素化物を生成する場合に前記第1元素が持
つ自由エネルギーとが互いに異なっていることを特徴と
する。
【0030】前記第1元素が、Nb,Cr,Ta,T
i,ZrおよびAlよりなる群から選ばれる少なくとも
1種の元素であり、前記第2元素が、その群から選ばれ
る少なくとも1種の元素であるのが好ましい。この理由
は上記(1)と同じである。
【0031】前記の優先的に配向された結晶面は、α−
Fe相の(110)面および(200)面の少なくとも
一方であるか、α−Co相の(110)面であるのが好
ましい。
【0032】前記の優先的に配向された結晶面がα−F
e相の(110)面である場合、X線回折パターンにお
いてα−Fe相の(110)面の回折ピークの角度(2
Θ)が43.0度以上、44.6度以下であるのが好ま
しい。
【0033】前記の優先的に配向された結晶面がα−F
e相の(200)面である場合、X線回折パターンにお
いてα−Fe相の(220)面の回折ピークの角度(2
Θ)が63.5度以上、65.0度以下であるのが好ま
しい。
【0034】前記の優先的に配向された結晶面がα−C
o相の(110)面である場合、X線回折パターンにお
いてα−Co相の(110)面の回折ピークの角度(2
Θ)が40.0度以上、41.5度以下であるのが好ま
しい。
【0035】これらの理由は上記(1)の場合と同じで
ある。
【0036】この発明の第3の軟磁性薄膜でも、例えば
800以上の異方性磁界が得られ、磁気異方性が大きく
改善される。
【0037】(4) この発明の磁気ヘッドは、上記
(1)〜(3)のいずれかに記載の軟磁性薄膜を備えた
ことを特徴とする。上記(1)〜(3)のいずれかに記
載の軟磁性薄膜は、磁気ヘッドのコア全体に用いてもよ
いし、コアの一部に用いてもよい。
【0038】この磁気ヘッドでは、メタル・イン・ギャ
ップ型として構成されるのが好ましい。この磁気ヘッド
の効果が有効に発揮されるからである。
【0039】(5) この発明の磁気記録装置は、上記
(4)に記載の磁気ヘッドを備えたことを特徴とする。
【0040】この磁気記録装置は、磁気テープ装置や磁
気ディスク装置など、任意の構成を採ることができる。
【0041】(6) この発明の第1〜第3の軟磁性薄
膜において、「優先的に配向」とは、Cu−Kα線など
を使用したX線回折パターンにおいて、優先的に配向し
た結晶面の回折ピークの強度を100とした場合に、そ
れ以外の結晶面の回折ピークの強度が30以下であるこ
とを意味する。
【0042】例えば、α−Fe相の(110)面が優先
的に配向した結晶面である場合、その回折ピークの強度
を100とすると、α−Fe相の(200)面や(21
1)面などの他の結晶面の回折ピークの強度は30以下
となっている。
【0043】優先的に配向した結晶面がα−Co相の
(200)面である場合や、α−Co相の(110)面
などである場合も、これと同様である。
【0044】(7) 一般に、FeおよびCoから選ば
れる少なくとも1種の磁性元素を含む軟磁性薄膜は、そ
の原料の薄膜を形成した後、所定温度(例えば450〜
650°C)で熱処理することにより軟磁気特性を発現
させることにより得られる。前記熱処理工程において、
α−Feあるいはα−Coの微結晶が析出し成長する
が、その結晶析出・成長過程において、α−Fe結晶相
あるいはα−Co結晶相の中に特定の元素を導入するこ
とにより、結晶配向性を良好に制御して、α−Fe結晶
相あるいはα−Co結晶相の一定の結晶面を優先的に配
向させることができる。そして、この結晶面の優先的配
向により磁気異方性の制御が可能になり、その結果とし
て磁気異方性を増大させることができる。
【0045】α−Fe結晶相あるいはα−Co結晶相中
に導入される元素としては、それら結晶相中への拡散係
数の大きな元素(例えばAl,Siなど)、あるいはそ
れら結晶相中に容易に固溶する元素(例えばTi,Zr
など)を任意に使用することができる。
【0046】結晶相中に導入される前記元素は、必ずし
も添加量のすべてがα−Fe結晶相あるいはα−Co結
晶相中に導入されなくてもよい。その場合、その元素は
化合物としてα−Fe結晶相あるいはα−Co結晶相の
間に存在する。
【0047】
【作用】この発明の第1の軟磁性薄膜では、Feおよび
Coから選ばれる少なくとも1種の磁性元素と、α−F
e相あるいはα−Co相に固溶または拡散する第1元素
と、C,BおよびNよりなる群から選ばれる少なくとも
1種の第2元素とを含み、前記磁性元素の結晶相の少な
くとも1つの結晶面が優先的に配向されているので、磁
気異方性を増大させることができる。
【0048】また、α−Fe相あるいはα−Co相の結
晶粒子を微細化(例えば10nm以下の微結晶に)する
と同時に、当該軟磁性薄膜中に含まれる炭化物、窒化物
あるいは硼素化物の結晶粒子も微細化することができる
ので、良好な軟磁気特性を維持しながら耐食性を向上さ
せることが可能となる。
【0049】この発明の第2の軟磁性薄膜では、Feお
よびCoから選ばれる少なくとも1種の磁性元素の微結
晶相と、Nb,Cr,Ta,Ti,ZrおよびAlより
なる群から選ばれる少なくとも1種の第1元素の炭化
物、窒化物あるいは硼素化物の微結晶相と、前記磁性元
素の微結晶相の中に固溶または拡散した、前記Nb,C
r,Ta,Ti,ZrおよびAlよりなる群から選ばれ
る少なくとも1種の第2元素とを含み、前記磁性元素の
微結晶相の少なくとも1つの結晶面が優先的に配向され
ているので、磁気異方性を増大させることができる。
【0050】また、第1の軟磁性薄膜の場合と同様の理
由により、良好な軟磁気特性を維持しながら耐食性を向
上させることが可能となる。
【0051】この発明の第3の軟磁性薄膜では、Feお
よびCoから選ばれる少なくとも1種の磁性元素の微結
晶相と、前記磁性元素の微結晶相の間に存在する、第1
元素の炭化物、窒化物あるいは硼素化物の微結晶相と、
前記磁性元素の微結晶相の中に固溶または拡散した第2
元素とを含み、前記磁性元素の微結晶相の少なくとも1
つの結晶面が優先的に配向されているので、第1および
第2の軟磁性薄膜の場合と同様の理由により、磁気異方
性の増大、良好な軟磁気特性の維持および耐食性の向上
が実現できる。
【0052】また、前記磁性元素の微結晶相中に固溶ま
たは拡散する場合に前記第2元素が持つ自由エネルギー
と、前記炭化物、窒化物あるいは硼素化物を生成する場
合に前記第1元素が持つ自由エネルギーとが互いに異な
っているので、α−Fe相あるいはα−Co相内での元
素の存在比が一定になり、安定した磁気特性と耐食性が
得られる。
【0053】この発明の磁気ヘッドおよび磁気記録装置
では、磁気異方性の増大、良好な軟磁気特性の維持およ
び耐食性の向上を実現できる軟磁性薄膜を使用するの
で、従来より高い信頼性が得られる。
【0054】
【実施例】以下、この発明の実施例を説明する。 [実施例1]この実施例の軟磁性薄膜は、磁性元素とし
てFeを用い、第1元素としてAlおよびRuを、第2
元素としてCをそれぞれ用いたFeTaCAlRu合金
の薄膜である。
【0055】(製法)このFeTaCAlRu合金の薄
膜は、次のようにして作製した。まず、Fe,Ta,
C,AlおよびRuの各元素の粉体を熱間静圧プレス法
(HIP法)により一体に成型したFeTaCAlRu
合金ターゲット(直径:150mm)を用い、放電ガス
にArを用いてスパッタし、表面に溝を加工したフェラ
イト基板上に膜厚5μmのFeTaCAlRu合金の薄
膜を得た。この工程において、放電ガスArの圧力は5
mTorr、投入RF電力は400Wとした。
【0056】このHIP法により作製したターゲットを
用いると、ターゲット製造時の組成とスパッタにより得
た薄膜の組成がほとんど変わらないという利点と、ター
ゲット製造時にターゲット中へ混入する酸素濃度を抑制
できるため軟磁性薄膜中の酸素濃度を低減できるという
利点がある。
【0057】FeTaCAlRu合金ターゲットの組成
は、(Fe73Ta781-x(Al70Ru30xで、X=
0.05,0.10および0.15(at%)の3種類
とした。
【0058】これらスパッタの条件は、使用するスパッ
タ装置に応じて適宜変更が可能であり、これらの値に限
定されるものではない。
【0059】こうして得られた合金薄膜(試料1〜3)
の組成は以下の通りであり、使用したFeTaCAlR
u合金ターゲットの組成とほぼ同じであった。これら試
料1〜3のうち、試料2および3がこの実施例1に属す
るものであり、試料1が比較例である。
【0060】 試料1 :(Fe73Ta780.95(Al70Ru300.05 試料2 :(Fe73Ta780.9(Al70Ru300.1 試料3 :(Fe73Ta780.85(Al70Ru300.15 こうして得た試料1〜3のFeTaCAlRu合金の薄
膜を590°Cで30分間、Ar気流中で熱処理して軟
磁気特性を発現させ、FeTaCAlRu合金よりなる
軟磁性薄膜を得た。
【0061】熱処理の雰囲気はAr雰囲気に限らず、H
eやN2などの雰囲気でもよく、真空雰囲気でもよい。
熱処理温度(ここでは590°C)において軟磁性薄膜
やフェライト基板などの磁気ヘッドを構成する材料が反
応しない雰囲気であればよい。
【0062】(結晶構造)次に、このようにして作製し
た試料1〜試料3のFeTaCAlRu軟磁性薄膜の結
晶構造を「X線回折法」により調べた。X線源にはCu
のKα線を用いた。その結果を図1〜図3に示す。
【0063】図1〜図3から、試料2(X=0.10)
の薄膜の回折パターン(図1)では、α−Fe結晶の
(110)面の回折強度が著しく増大(約420カウン
ト)しており、α−Fe結晶の(110)面が優先的に
配向していることが分かる。α−Fe結晶の(110)
面のX線回折パターンのピークの回折角度(2Θ)は、
44.2(deg)である。α−Fe結晶の(220)
面の回折強度は約20カウントで、その増加の程度は小
さい。α−Fe結晶の(220)面のX線回折パターン
のピークの回折角度(2Θ)は、98.0(deg)で
ある。なお、Θは、対応する結晶面におけるX線の回折
角度である。
【0064】また、試料3(X=0.15)の薄膜の回
折パターン(図2)では、α−Fe結晶の(200)面
の回折強度が最も増大(約230カウント)していると
共に、α−Fe結晶の(110)面の回折強度も増大
(約160カウント)している。これより、α−Fe結
晶の(200)面が最も優先的に配向し、続いてα−F
e結晶の(110)面が優先的に配向していることが分
かる。α−Fe結晶の(200)面のX線回折パターン
のピークの回折角度(2Θ)は、63.5(deg)で
ある。α−Fe結晶の(110)面のX線回折パターン
のピークの回折角度(2Θ)は、44.0(deg)で
ある。
【0065】比較例として作製した試料1(X=0.0
5)の薄膜のX線回折パターン(図3)では、α−Fe結
晶の(110)面の回折強度が最大となっているが、そ
の値は120カウント足らずであり、試料2および試料
3のそれに比べて非常に低い。TaCの(111)面の
回折強度は、約50カウントであり、α−Fe結晶の
(110)面の回折強度を100とすれば、TaCの
(111)面の回折強度は約42となる。α−Fe結晶
の(211)面や(220)面の回折強度は、TaCの
(111)面の回折強度の(1/3)程度である。よっ
て、試料1では、α−Fe結晶の(110)面の配向と
他の結晶面の配向との間の優先度の差は、試料2および
3に比べてかなり小さいことが分かる。
【0066】次に、添加したAlやRuの薄膜結晶内で
の存在位置を調べるため、結晶格子の「格子面間隔」の
測定を行なった。一般に、α−Fe結晶相の中にAlや
Ruなどの元素が固溶すると、その格子面間隔は増大し
たり減少したりする。例えば、Fe3Alなどの金間化
合物では、Alなどの元素の添加により格子面間隔がα
−Feのそれよりも増大する。
【0067】この実施例1の場合も、添加元素Alおよ
びRuの濃度をX=0からX=0.05,X=0.1
0,X=0.15と増大していくと、それらの濃度の増
大とともに格子面間隔が以下のように増加した。これ
は、軟磁気特性発現のための熱処理によるα−Fe結晶
相の析出および成長過程において、添加したAlおよび
Ruがこのα−Fe相中に取り込まれるすなわち固溶す
ること、および、そのα−Fe相中に固溶するAlおよ
びRuの濃度がそれらの添加量の増加に伴って増加する
ことを意味する。
【0068】 格子面間隔 X=0 2.030オングストローム X=0.05 2.042オングストローム X=0.10 2.049オングストローム X=0.15 2.055オングストローム このAlとRuの取り込みにより、生成される軟磁性薄
膜の結晶配向性が制御され、その結果、磁気異方性と耐
食性を向上させることができる。このように結晶配向性
が制御できるのは、添加したAlおよびRuがα−Fe
相中に拡散あるいは固溶するためであり、その濃度に応
じて優先的に配向する結晶面が変化すると考えられる。
【0069】続いて、試料1〜3の薄膜の組織を透過型
電子顕微鏡により観察し、各結晶相のサイズを求めた。
その結果、α−Fe結晶相のサイズが約9nm〜10n
m程度、TaC結晶相のサイズが約2nm〜3nmであ
った。
【0070】また、「電子線回折法」により、試料1〜
3の薄膜の結晶格子の「格子間隔」を求めた。その結
果、FeTaC膜におけるα−Fe相(X=0)の格子
間隔は0.20nmであり、その格子間隔は添加元素A
lおよびRuの濃度の増加とともに増大し、X=0.1
5の場合には0.22nmであった。この結果からも、
添加元素AlおよびRuがα−Fe相中に固溶している
と解される。これは、先の「X線回折法」で求めた結果
ともよく一致している。(↑追記下さい) (磁気特性)次に、試料1〜3の軟磁性薄膜の磁気特性
を調べた。その結果を表1に示す。この実施例1に属す
る試料2および試料3では、いずれもHc≦1エルステ
ッド(Oe),Bs≧1.4T,μ≧1000,λ≦3
×10-6であり、磁気ヘッドに好適な軟磁気特性を有し
ていることが分かる。
【0071】さらに、磁気異方性の評価のため、異方性
磁界Hkを求めた。試料2(X=0.10)の場合が9
00、試料3(X=0.15)の場合が850であり、
比較例の試料1(X=0.05)の場合は450と小さ
かった。よって、試料1に比べて、試料2および3の軟
磁性薄膜は磁気異方性が改善されていることが分かる。
【0072】(腐食試験)試料1〜試料3の軟磁性薄膜
を濃度0.5規定の塩化ナトリウム水溶液中に常温で5
00時間浸漬させ、目視観察により腐食の発生の有無を
調査した。その結果を表1に「耐食性」として示す。表
1に示すように、この実施例1に属する試料2(X=
0.10)および試料3(X=0.15)の場合は、5
00時間浸漬後も腐蝕は見られなかったが、比較例とし
ての試料1(X=0.05)の場合は、浸漬後2時間で
腐蝕が発生した。この結果より、試料2および3の軟磁
性薄膜は耐食性に優れていることが分かる。
【0073】また、500時間浸漬した後に磁気特性を
測定したが、浸漬前の磁気特性となんら違いは見られな
かった。
【0074】さらに、試料2および3の軟磁性薄膜を、
80℃、相対湿度95%の高温高湿環境中に2000時
間以上放置したが、腐食の発生や磁気特性の変化は見ら
れず、また、高温高湿環境への放置前と比較して磁気特
性になんら違いは見られなかった。
【0075】
【表1】
【0076】(磁気ヘッド)試料2の(Fe73Ta
780.9(Al70Ru300.1の組成を持つ軟磁性薄膜
を用いて、VTR用のMIG(メタル・イン・ギャッ
プ)型磁気ヘッドを作製した。その構造の概略を図4に
示す。
【0077】図4において、この磁気ヘッドは、互いに
対向して配置された2個の単結晶フェライト基板2を備
えている。各フェライト基板2の断面略V字状の対向面
には、試料1の軟磁性薄膜1が形成されている。両フェ
ライト基板2は、それら軟磁性薄膜1を対向させて、鉛
低融点ガラス4により互いに接合・一体化されている。
2枚の軟磁性薄膜1は、両フェライト基板2により形成
されるギャップ部3に位置している。低融点ガラス4に
は透孔が形成されている。
【0078】以上の構成を持つ磁気ヘッドは次のように
して作製した。試料1の軟磁性薄膜1を単結晶フェライ
ト基板2の一面に形成した後、その軟磁性薄膜1上にS
iO2膜(厚さ200nm)と、Cr膜(厚さ100n
m)とを順に形成した。その後、これを窒素気流中にて
600°Cで1時間熱処理し、磁気ヘッド基板を得た。
その後、同一構成の磁気ヘッド基板を2個、低融点ガラ
ス4によりボンディングし一体化した。こうして、図2
に示す磁気ヘッドを得た。
【0079】ここでは、熱処理温度を600°Cに設定
しているが、これに限定されない。この熱処理温度は、
このガラスボンディング工程においてボンディングに必
要な温度によって適宜変更される。
【0080】フェライト基板2と軟磁性薄膜1の間に、
両者の接着性を向上させるために、接合層を設けてもよ
い。
【0081】次に、この磁気ヘッドを用いてVTR装置
を作製し、磁気テープを走行させてハイビジョンのディ
ジタル画像情報を記録したところ、40dB以上のS/
Nが得られた。ここで、磁気テープと磁気ヘッドの相対
速度は36m/s、データレートは46.1Mbps、
トラック幅は40μm とした。
【0082】この磁気ヘッドの耐食性を、塩化ナトリウ
ム水溶液(濃度:0.5規定)中への浸漬試験法および
高温高湿度環境(温度:60°C、相対湿度:95%)
中での結露試験法により評価した。
【0083】まず、この磁気ヘッドを塩化ナトリウム水
溶液(濃度:0.5規定)中に500時間浸漬した後、
この磁気ヘッドを再びVTR装置にセットして記録/再
生特性を測定した。その結果、浸漬前後において記録/
再生特性に違いは見られなかった。
【0084】また、この磁気ヘッドをペルチェ素子上に
固定して10°Cに保ち、この磁気ヘッドをペルチエ素
子と共に温度60°C、相対湿度95%の環境に放置し
た。その結果、ヘッド全体に結露が生じた。この状態で
2000時間以上放置したが、腐食の発生や記録/再生
信号の劣化は見られなかった。
【0085】(変形例)以上の説明では、軟磁性薄膜と
してFeTaCAlRu合金膜を用いているが、この発
明はこれに限定されない。例えば、添加元素としてRu
の代わりにRhを用いても同様の効果が得られた。ま
た、TaをZrに変えたFeZrCAlRu、TaをH
fに変えたFeHfCAlRu、TaをNbに変えたF
eNbCAlRu、TaをZrに変えたFeZrCAl
Ru、TaをTiに変えたFeTiCAlRuでも同様
の効果が得られた。
【0086】また、添加元素Alに代えてCr,Nb,
Ti等を用いても、同様の磁気特性と耐食性が得られ
る。
【0087】さらに、ここでは、磁性元素としてFeを
例に示したが、Feに代えてCoを用いても同様の効果
が得られた。
【0088】[実施例2]この実施例の軟磁性薄膜は、
磁性元素としてFeを、第1元素としてNb,Alおよ
びRuを、第2元素としてNをそれぞれ含むFeTaN
CrRu合金の薄膜である。
【0089】(製法)このFeTaNCrRu合金の薄
膜は、次のようにして作製した。まず、Fe,Ta,C
rおよびRu の各元素の粉体をHIP法により一体に
成型したFeTaCrRu合金ターゲット(直径:15
0mm)を用い、放電ガスにArとN2の混合ガス(体
積混合比:Ar/N2=90/10)を用いてスパッタ
し、表面に溝を加工したフェライト基板上に膜厚5μm
のFeTaNCrRu合金の薄膜を得た。この工程にお
いて、放電ガス(Ar/N2)の圧力は6mTorr、
投入RF電力は400Wとした。
【0090】FeTaNCrRu合金ターゲットの組成
は、(Fe80Ta201-x(Cr70Ru30xで、x=
0.05, 0.07,0.10(at%)の3種類と
した。
【0091】これらのスパッタ条件は、使用するスパッ
タ装置に応じて適宜変更が可能であり、これらの値に限
定されるものではない。
【0092】こうして得られた合金薄膜(試料4〜6)
の組成は以下の通りであり、使用したFeTaCrRu
合金ターゲットの組成にNを添加したものとほぼ同じで
あった。これら試料4〜6のうち、試料5および6がこ
の実施例2に属するものであり、試料4が比較例であ
る。
【0093】 試料4 :(Fe73Ta780.95(Cr70Ru300.05 試料5 :(Fe73Ta780.9(Cr70Ru300.1 試料6 :(Fe73Ta780.85(Cr70Ru300.15 こうして得た試料4〜6のFeTaNCrRu合金の薄
膜を、実施例1と同様に、590°Cで30分間、Ar
気流中で熱処理して軟磁気特性を発現させ、FeTaN
CrRu合金よりなる軟磁性薄膜を得た。
【0094】熱処理の雰囲気はAr雰囲気に限らず、H
eやN2などの雰囲気でもよく、真空雰囲気でもよい。
熱処理温度(ここでは590°C)において軟磁性薄膜
やフェライト基板などの磁気ヘッドを構成する材料が反
応しない雰囲気であればよい。
【0095】(結晶構造)次に、このようにして作製し
た試料4〜試料6のFeTaNCrRu軟磁性薄膜の結
晶構造を「X線回折法」により調べた。X線源にはCu
のKα線を用いた。その結果を図5〜図7に示す。
【0096】図5〜図7から、試料5(X=0.10)
の薄膜の回折パターン(図5)では、α−Fe結晶の
(110)面のみの回折強度が著しく増大(約1650
カウント)しており、α−Fe結晶の(110)面が優
先的に配向していることが分かる。α−Fe結晶の(1
10)面のX線回折パターンのピークの回折角度(2
Θ)は、実施例1の試料1と同じく44.2(deg)
である。α−Fe結晶の(220)面の回折強度は約5
0カウントで、(110)面に比べて極めて低い。α−
Fe結晶の(220)面のX線回折パターンのピークの
回折角度(2Θ)は、実施例1の試料1と同じく98.
0(deg)である。
【0097】また、試料6(X=0.15)の薄膜の回
折パターン(図6)では、α−Fe結晶の(110)面
のみの回折強度が最も増大(約600カウント)してお
り、α−Fe結晶の(110)面が優先的に配向してい
ることが分かる。α−Fe結晶の(110)面のX線回
折パターンのピークの回折角度(2Θ)は、実施例1の
試料1と同じく44.2(deg)である。α−Fe結
晶の(220)面の回折強度は約30カウントで、(1
10)面に比べて極めて低い。α−Fe結晶の(22
0)面のX線回折パターンのピークの回折角度(2Θ)
は、実施例1の試料1と同じく98.0(deg)であ
る。
【0098】比較例として作製した試料4(X=0.0
5)の薄膜のX線回折パターン(図7)では、α−Fe結
晶の(110)面の回折強度が最大となっているが、そ
の値は80カウントを少し越える程度であり、試料5お
よび試料6のそれに比べて非常に低い。また、他の結晶
面(例えばTaNの結晶面)の回折強度との差も小さ
い。よって、試料4では、α−Fe結晶の(110)面
の配向と他の結晶面の配向との間にほとんど優先度の差
がないことが分かる。
【0099】次に、添加したCrやRuの薄膜結晶内で
の存在位置を調べるため、実施例1と同様にして結晶格
子の「格子面間隔」の測定を行なった。その結果、X=
0からX=0.05、X=0.10、X=0.15と増
大していくと、それらの濃度の増大とともに格子面間隔
が以下のように増加した。これは、軟磁気特性発現のた
めの熱処理によるα−Fe結晶相の析出および成長過程
において、添加したCrとRuがこのα−Fe相中に固
溶していること、および、そのα−Fe相中に固溶する
CrとRuの濃度がそれらの添加量の増加に伴って増加
することを意味する。
【0100】 格子面間隔 X=0 2.030オングストローム X=0.05 2.041オングストローム X=0.10 2.049オングストローム X=0.15 2.055オングストローム このCrとRuの取り込みにより、生成される軟磁性薄
膜の結晶配向性が制御され、その結果、磁気異方性と耐
食性を向上させることができる。このように結晶配向性
が制御できるのは、添加したCrおよびRuがα−Fe
相中に拡散あるいは固溶するためであり、その濃度に応
じて優先的に配向する結晶面が変化すると考えられる。
【0101】続いて、試料4〜6の薄膜の組織を透過型
電子顕微鏡により観察し、各結晶相のサイズを求めた。
その結果、α−Fe結晶相のサイズが約5nm〜8nm
程度、TaN相のサイズが約2nm〜3nmであった。
【0102】また、「電子線回折法」により、試料4〜
6の薄膜の結晶格子の「格子間隔」を求めた。その結
果、FeTaN膜におけるα−Fe相(X=0)の格子
間隔は0.20nmであり、その格子間隔は添加元素C
rおよびRuの濃度の増加とともに増大し、X=0.1
5の場合には0.21nmであった。この結果からも、
添加元素CrおよびRuがα−Fe相中に固溶している
と解される。これは、先の「X線回折法」で求めた結果
ともよく一致している。
【0103】(磁気特性)次に、試料4〜6の軟磁性薄
膜の磁気特性を調べた。その結果を表2に示す。この実
施例2に属する試料5および試料6では、いずれもHc
≦1エルステッド(Oe),Bs≧1.4T,μ≧10
00,λ≦1×10-6であり、磁気ヘッドに好適な磁気
特性を有していることが分かる。
【0104】さらに、磁気異方性の評価のため、異方性
磁界Hkを求めた。試料5(X=0.10)の場合が9
00、試料6(X=0.15)の場合が850であり、
比較例の試料4(X=0.05)の場合は450と小さ
かった。。よって、試料4に比べて、試料5および6の
軟磁性薄膜は磁気異方性が改善されていることが分か
る。
【0105】(腐食試験)試料4〜試料6の軟磁性薄膜
の常温耐食性を実施例1と同様にして調べた。その結果
を表2に「耐食性」として示す。表2に示すように、こ
の実施例に属する試料5(X=0.10)および試料6
(X=0.15)の場合は、500時間浸漬後も腐蝕は
見られなかったが、比較例としての試料4(X=0.0
5)の場合は、浸漬後2時間で腐蝕が発生した。この結
果より、試料5および6の軟磁性薄膜は耐食性に優れて
いることが分かった。
【0106】。また、500時間浸漬した後に磁気特性
を測定したが、浸漬前の磁気特性となんら違いは見られ
なかった。
【0107】さらに、試料5および6の軟磁性薄膜の高
温高湿環境での耐食性を実施例1と同様にして調べた。
その結果、腐食の発生や磁気特性の変化は見られず、高
温高湿環境への放置前と比較して磁気特性になんら違い
も見られなかった。
【0108】
【表2】
【0109】(磁気ヘッド)試料5の(Fe73Ta
780.9(Cr70Ru300.1の組成を持つ軟磁性薄膜
を用いて、図4に示す構成のVTR用のMIG(メタル
・イン・ギャップ)型磁気ヘッドを次のようにして作製
した。
【0110】試料5の軟磁性薄膜1を単結晶フェライト
基板2の一面に形成した後、その軟磁性薄膜1上にSi
2膜(厚さ200nm)と、Cr膜(厚さ100n
m)とを順に形成した。その後、これを窒素気流中にて
600°Cで1時間熱処理し、磁気ヘッド基板を得た。
その後、同一構成の磁気ヘッド基板を2個、低融点ガラ
ス4によりボンディングし一体化した。こうして、図4
に示す磁気ヘッドを得た。 ここでは、熱処理温度を6
00°Cに設定しているが、これに限定されない。この
熱処理温度は、このガラスボンディング工程においてボ
ンディングに必要な温度によって適宜変更される。
【0111】フェライト基板2と軟磁性薄膜1の間に、
両者の接着性を向上させるために、接合層を設けてもよ
い。
【0112】次に、この磁気ヘッドを用いてVTR装置
を作製し、実施例1と同様にして、磁気テープにハイビ
ジョンのディジタル画像情報を記録したところ、40d
B以上のS/Nが得られた。
【0113】この磁気ヘッドの耐食性を、実施例1と同
じ条件での浸漬試験法および高温高湿度環境での結露試
験法により評価した。その結果、浸漬試験において浸漬
前後で記録/再生特性に違いは見られなかった。また、
結露試験においても、腐食の発生や記録/再生信号の劣
化は見られなかった。
【0114】(変形例)以上の説明では、軟磁性薄膜と
してFeTaNCrRu合金膜を用いているが、この発
明はこれに限定されない。例えば、添加元素としてRu
の代わりにRhを用いても同様の効果が得られた。ま
た、TaをZrに変えたFeZrNCrRu、TaをH
fに変えたFeHfNCrRu、TaをTiに変えたF
eTiNCrRu、TaをNbに変えたFeNbNCr
Ruでも同様の効果が得られた。
【0115】また、添加元素Crに代えてNb,Ti,
ZrあるいはAlなどを用いても同様の磁気特性や耐食
性が得られる。
【0116】さらに、ここでは、磁性元素としてFeを
例に示したが、Feに代えてCoを用いても同様の効果
が得られた。
【0117】(その他)Fe−Ta−B−Cr−Ru,F
e−Ti−B−Cr−Ru,Fe−Zr−B−Cr−R
u,Fe−Hf−B−Cr−Ru,Fe−Ta−Si−
Cr−Ru,Fe−Ti−Si−Cr−Ru,Fe−Z
r−Si−Cr−Ru,Fe−Hf−Si−Cr−R
u,Fe−Ta−B−Cr−Rh,Fe−Ti−B−C
r−Rh,Fe−Zr−B−Cr−Rh,Fe−Hf−
B−Cr−Rh,Fe−Ta−Si−Cr−Rh,Fe
−Ti−Si−Cr−Rh,Fe−Zr−Si−Cr−
Rh,Fe−Hf−Si−Cr−Rh,Fe−Nb−B
−Cr−Ru,Fe−Nb−Si−Cr−Ru,Fe−
Nb−B−Cr−Rh,Fe−Nb−Si−Cr−R
h,Fe−Nb−C−Cr−Rh,Fe−Nb−N−C
r−Rh,Fe−Nb−B−Cr−Rh,Fe−Nb−
Si−Cr−Rh,Fe−Nb−N−Cr−Ru,Fe
−Nb−C−Cr−Ruなどの合金を用いても、実施例
1および2と同様の効果が得られた。しかし、作製プロ
セスを含めて考えるとFe−N系とFe−C系が最も優
れていた。
【0118】さらに、これら一群の合金において、添加
されたCrに代えてNb,Ti,ZrあるいはAlを用
いても、また、Feの代わりにCoを用いても、さら
に、Ruに代えてRhを用いても、同様の効果が得られ
た。
【0119】以上の説明では、VTR用の磁気ヘッドに
ついて説明してきたが、この発明はこれに限定されず、
磁気ディスクやヘリカルスキャンを用いた磁気テープ装
置など、任意の磁気記録装置に対しても適用できる。
【0120】
【発明の効果】この発明の軟磁性薄膜によれば、Feま
たはCoを主体とする軟磁性薄膜において、良好な軟磁
気特性を維持しながら耐食性を改善することができる。
また、磁気異方性を改善することもできる。
【0121】この発明の磁気ヘッドおよび磁気記録装置
によれば、従来より信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の軟磁性薄膜のX線回折パ
ターンを示す図である。
【図2】この発明の一実施例の軟磁性薄膜のX線回折パ
ターンを示す図である。
【図3】比較例の軟磁性薄膜のX線回折パターンを示す
図である。
【図4】MIG型磁気ヘッドの概略構造を示す斜視図で
ある。
【図5】この発明の他の実施例の軟磁性薄膜のX線回折
パターンを示す図である。
【図6】この発明の他の実施例の軟磁性薄膜のX線回折
パターンを示す図である。
【図7】比較例の軟磁性薄膜のX線回折パターンを示す
図である。
【符号の説明】
1 軟磁性薄膜 2 フェライト基板 3 ギャップ部 4 低融点ガラス

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 FeおよびCoから選ばれる少なくとも
    1種の磁性元素と、α−Fe相あるいはα−Co相に固
    溶または拡散する第1元素と、C,BおよびNよりなる
    群から選ばれる少なくとも1種の第2元素とを含んでな
    る軟磁性薄膜において、 前記磁性元素の結晶相の少なくとも1つの結晶面が優先
    的に配向されていることを特徴とする軟磁性薄膜。
  2. 【請求項2】 前記の優先的に配向された結晶面が、α
    −Fe相の(110)面および(200)面の少なくと
    も一方である請求項1に記載の軟磁性薄膜。
  3. 【請求項3】 前記の優先的に配向された結晶面がα−
    Fe相の(110)面であり、しかも、X線回折パター
    ンにおいてα−Fe相の(110)面の回折ピークの角
    度(2Θ)が43.0度以上、44.6度以下である請
    求項1に記載の軟磁性薄膜。
  4. 【請求項4】 前記の優先的に配向された結晶面がα−
    Fe相の(200)面であり、しかも、X線回折パター
    ンにおいてα−Fe相の(220)面の回折ピークの角
    度(2Θ)が63.5度以上、65.0度以下である請
    求項1に記載の軟磁性薄膜。
  5. 【請求項5】 前記の優先的に配向された結晶面が、α
    −Co相の(110)面である請求項1に記載の軟磁性
    薄膜。
  6. 【請求項6】 前記の優先的に配向された結晶面がα−
    Co相の(110)面であり、しかも、X線回折パター
    ンにおいて、α−Co相の(110)面の回折ピークの
    角度(2Θ)が40.0度以上、41.5度以下である
    請求項1に記載の軟磁性薄膜。
  7. 【請求項7】 前記第1元素として、Nb,Cr,T
    a,Ti,Zr,Al,Ru,RhおよびSiよりなる
    群から選ばれる少なくとも1種の元素を含んでいる請求
    項1〜6のいずれかに記載の軟磁性薄膜。
  8. 【請求項8】 前記第1元素として、Nb,Cr,T
    a,Ti,Zr,Al,Ru,RhおよびSiよりなる
    群から選ばれる少なくとも2種の元素を含んでおり、そ
    れら少なくとも2種の元素のうち少なくとも1種は前記
    第2元素との化合物として存在している請求項1〜6の
    いずれかに記載の軟磁性薄膜。
  9. 【請求項9】 異方性磁界が800以上である請求項1
    〜8のいずれかに記載の軟磁性薄膜。
  10. 【請求項10】 FeおよびCoから選ばれる少なくと
    も1種の磁性元素の微結晶相と、 Nb,Cr,Ta,Ti,ZrおよびAlよりなる群か
    ら選ばれる少なくとも1種の第1元素の炭化物、窒化物
    あるいは硼素化物の微結晶相と、 前記磁性元素の微結晶相の中に固溶または拡散した、前
    記Nb,Cr,Ta,Ti,ZrおよびAlよりなる群
    から選ばれる少なくとも1種の第2元素とを含んでお
    り、 前記磁性元素の微結晶相の少なくとも1つの結晶面が優
    先的に配向されていることを特徴とする軟磁性薄膜。
  11. 【請求項11】 前記第1元素と前記第2元素とが同じ
    元素である請求項10に記載の軟磁性薄膜。
  12. 【請求項12】 前記第1元素と前記第2元素とが互い
    に異なる元素である請求項10に記載の軟磁性薄膜。
  13. 【請求項13】 前記の優先的に配向された結晶面が、
    α−Fe相の(110)面および(200)面の少なく
    とも一方である請求項10〜12のいずれかに記載の軟
    磁性薄膜。
  14. 【請求項14】 前記の優先的に配向された結晶面がα
    −Fe相の(110)面であり、しかも、X線回折パタ
    ーンにおいてα−Fe相の(110)面の回折ピークの
    角度(2Θ)が43.0度以上、44.6度以下である
    請求項10〜12のいずれかに記載の軟磁性薄膜。
  15. 【請求項15】 前記の優先的に配向された結晶面がα
    −Fe相の(200)面であり、しかも、X線回折パタ
    ーンにおいてα−Fe相の(220)面の回折ピークの
    角度(2Θ)が63.5度以上、65.0度以下である
    請求項10〜12のいずれかに記載の軟磁性薄膜。
  16. 【請求項16】 前記の優先的に配向された結晶面が、
    α−Co相の(110)面である請求項10〜12のい
    ずれかに記載の軟磁性薄膜。
  17. 【請求項17】 前記の優先的に配向された結晶面が、
    α−Co相の(110)面であり、しかも、X線回折パ
    ターンにおいてα−Co相の(110)面の回折ピーク
    の角度(2Θ)が40.0度以上、41.5度以下であ
    る請求項10〜12のいずれかに記載の軟磁性薄膜。
  18. 【請求項18】 異方性磁界が800以上である請求項
    10〜17のいずれかに記載の軟磁性薄膜。
  19. 【請求項19】 FeおよびCoから選ばれる少なくと
    も1種の磁性元素の微結晶相と、 前記磁性元素の微結晶相の間に存在する、第1元素の炭
    化物、窒化物あるいは硼素化物の微結晶相と、 前記磁性元素の微結晶相の中に固溶または拡散した第2
    元素とを含み、 前記磁性元素の微結晶相の少なくとも1つの結晶面が優
    先的に配向されており、 しかも、前記磁性元素の微結晶相中に固溶または拡散す
    る場合に前記第2元素が持つ自由エネルギーと、前記炭
    化物、窒化物あるいは硼素化物を生成する場合に前記第
    1元素が持つ自由エネルギーとが互いに異なっているこ
    とを特徴とする軟磁性薄膜。
  20. 【請求項20】 前記第1元素が、Nb,Cr,Ta,
    Ti,ZrおよびAlよりなる群から選ばれる少なくと
    も1種の元素であり、前記第2元素がその群から選ばれ
    る少なくとも1種の元素である請求項19に記載の軟磁
    性薄膜。
  21. 【請求項21】 前記の優先的に配向された結晶面が、
    α−Fe相の(110)面および(200)面の少なく
    とも一方である請求項19または20に記載の軟磁性薄
    膜。
  22. 【請求項22】 前記の優先的に配向された結晶面がα
    −Fe相の(110)面であり、しかも、X線回折パタ
    ーンにおいてα−Fe相の(110)面の回折ピークの
    角度(2Θ)が43.0度以上、44.6度以下である
    請求項19または20に記載の軟磁性薄膜。
  23. 【請求項23】 前記の優先的に配向された結晶面がα
    −Fe相の(200)面であり、しかも、X線回折パタ
    ーンにおいてα−Fe相の(220)面の回折ピークの
    角度(2Θ)が63.5度以上、65.0度以下である
    請求項19または20に記載の軟磁性薄膜。
  24. 【請求項24】 前記の優先的に配向された結晶面がα
    −Co相の(110)面である請求項19または20に
    記載の軟磁性薄膜。
  25. 【請求項25】 前記の優先的に配向された結晶面がα
    −Co相の(110)面であり、しかも、X線回折パタ
    ーンにおいてα−Co相の(110)面の回折ピークの
    角度(2Θ)が40.0度以上、41.5度以下である
    請求項19または20に記載の軟磁性薄膜。
  26. 【請求項26】 異方性磁界が800以上である請求項
    19〜25のいずれかに記載の軟磁性薄膜。
  27. 【請求項27】 請求項1〜26いずれかに記載の軟磁
    性薄膜を備えたことを特徴とする磁気ヘッド。
  28. 【請求項28】 メタル・イン・ギャップ型として構成
    されている請求項27に記載の磁気ヘッド。
  29. 【請求項29】 請求項27または28に記載の磁気ヘ
    ッドを備えたことを特徴とする磁気記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006090712A (ja) * 2004-09-21 2006-04-06 Hiroshima Univ 腐食試験装置
JP2019534562A (ja) * 2016-10-27 2019-11-28 ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ ユニヴァーシティ オブ アラバマ Fe−Al系合金磁性薄膜

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