JPH07238369A - 合金ターゲット,磁性薄膜,磁気記録装置およびそれらの製造方法 - Google Patents

合金ターゲット,磁性薄膜,磁気記録装置およびそれらの製造方法

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JPH07238369A
JPH07238369A JP2770794A JP2770794A JPH07238369A JP H07238369 A JPH07238369 A JP H07238369A JP 2770794 A JP2770794 A JP 2770794A JP 2770794 A JP2770794 A JP 2770794A JP H07238369 A JPH07238369 A JP H07238369A
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JP
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magnetic
thin film
film
crystal phase
heat treatment
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JP2770794A
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English (en)
Inventor
Fumiyoshi Kirino
文良 桐野
Yoshitsugu Koiso
良嗣 小礒
Hidetoshi Moriwaki
英稔 森脇
Moichi Otomo
茂一 大友
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】Feを主体とし、高飽和磁束密度を維持しつつ
耐食性を向上させた、軟磁気特性を有する磁性膜および
それを用いた磁気記録装置を提供する。 【構成】微結晶析出型の軟磁性薄膜1の製造において、
磁性膜を構成する元素を微粉末化して、元素がそれぞれ
単体で存在する状態で熱間静圧プレス法(HIP法)によ
り成型したものを成膜用スパッタターゲットに用い、さ
らに熱処理条件等により、形成される薄膜の粒子サイズ
を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軟磁性薄膜を用いた高
密度記録用磁気ヘッドに係り、特に、高信頼性を有する
磁性薄膜の製造に好適な合金ターゲットの構造及びその
合金ターゲットを用いて作製した磁性薄膜、さらには、
その磁性薄膜を用いて作製した磁気ヘッド、及び、磁気
記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の高度情報化社会の進展にともな
い、小型でしかも高密度な記憶装置へのニーズが高まっ
ている。この中で、磁気記録装置は高密度記録,ダウン
サイジングへの研究が急速に進められている。高密度記
録を実現するために、記録した微小磁区を安定に存在さ
せるために、高保磁力を有する媒体とこの媒体に記録で
きる高性能な磁気ヘッドが必要となる。高保磁力媒体を
十分に磁化して信号を記録するには、強い磁界が発生で
きる高飽和磁束密度を有する磁気ヘッド材料が必要とな
る。現在、提案されている高飽和磁束密度を有する材料
は、Fe−C系やFe−N系等が知られている。しか
し、これらの材料を磁気ヘッドに用いる場合、大気中の
酸素や水と反応して水酸化物や酸化物を生成し、磁気特
性、特に、保磁力や飽和磁束密度の変動を生じるため
に、磁気ヘッドの性能が低下する場合があった。そこ
で、この材料を用いた磁気ヘッドを実用化するに当り、
これら磁気特性の変動を抑制することが課題であった。
そのために、磁性元素以外に、耐食性を向上させるため
の元素を添加することが提案されている。その公知な例
として、特開平3−20444号公報をあげることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の公知例では、元
素の添加及び組成調整により最適化した磁気特性と耐食
性の向上に必要な添加元素濃度との間に両立が困難な場
合があった。すなわち、耐食性を確保すると磁気特性、
特に、飽和磁束密度及び保磁力が劣化し、磁気ヘッドの
性能を低下するので、記録を行った場合にエラーやノイ
ズの原因となる場合があった。さらに、FeTaC系磁
気ヘッド材料の磁気特性及び耐食性に成膜プロセス、特
に、ソース源のスパッタリングのターゲット構造が大き
く関与しており、磁気特性的及び耐食性的に安定した成
膜ができない場合があった。
【0004】本発明の目的は、高飽和磁束密度を有する
Fe,Ta、及びCを主体とする軟磁気特性を有する磁
性膜の製造において、その良好な磁気特性を維持しつつ
耐食性を向上させることにより、高性能でしかも高信頼
性を有する磁性薄膜或いはその磁性薄膜を用いた高性能
でしかも高信頼性を有する磁気ヘッドを製造する方法を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】良好な軟磁気特性を有す
る磁性膜として、少なくともFe,Ta,Cを主体とす
る合金薄膜を用いることが有効である。上記目的は、以
下に述べる構造を有する合金ターゲットを用いることに
より実現できる。
【0006】すなわち、この磁性膜をスパッタリング法
により作製するのに用いるターゲットとして、Fe,T
a,Cを主体とする合金をターゲットに用いることが量
産をも考慮すると有効である。その場合、用いる合金タ
ーゲットとして、ターゲットを構成する各々の元素を粉
体化した後に、これらの元素が互いに化合することなく
単体で存在するように熱間静圧プレス法(HIP法)に
より成型したものを用いる。
【0007】これは、形成される磁性膜の膜質がスパッ
タに用いるターゲットの構造に依存するためである。す
なわち、優れた軟磁気特性を得るためには、熱処理によ
る微結晶析出反応において一定のサイズ以下の結晶粒と
なるように、成膜時及び熱処理時に制御する必要があ
る。その場合、最も磁性膜の軟磁気特性及び耐食性に大
きく影響するのは、成膜時に形成される膜の構造であ
る。これを制御するために、成膜に用いる合金ターゲッ
トの構造を制御することが有効である。制御する合金タ
ーゲットの構造として、合金ターゲット中における各種
元素の結合状態が最も効果が大きい。
【0008】FeTaC系合金薄膜の形成に用いるター
ゲットの作製において、Fe,Ta,Cを単体を混合し
て焼結する手法と、FeとTaC或いはFe3C 等のカ
ーバイドとの混合物を焼結する2種類の方法が考えられ
る。ここで、焼結法としては、ホットプレス法や熱間静
圧プレス法(HIP法)等が知られているが、ターゲッ
ト組成と磁性膜の組成との差、及び、繰返しスパッタを
行った場合の膜組成の変化等を考慮すると、熱間静圧プ
レス法(HIP法)で作製したターゲットを用いた場合
が最も優れた特性を示した。
【0009】さらに、この焼結法により作製する場合、
磁性膜の熱安定性や耐食性を考慮すると、ターゲットを
構成する元素をおのおの単体で混合し、HIPする手法
が特に良好である。さらに、形成される磁性膜が安定し
た磁気特性及び耐食性を有するためには、ターゲット中
に不純物として含まれる酸素濃度が薄膜化したときに磁
気特性の変化となって表れない程度とし、具体的には、
その濃度が1000ppm 以下であり、さらに優位にはそ
の濃度が500ppm 以下であることが好ましい。
【0010】先の合金ターゲットにおいて、少なくとも
Fe,Ta,Cを主体とし、さらに、耐食性及び熱安定
性を向上させるために、N,Ti,Cr,Nb,Ru,
Rh,Alの内から選ばれる少なくとも1種類の元素を
含ませても良い。この場合も、カーバイドなどの化合物
とするより、単体で存在させた方が、微結晶が得られ、
優れた軟磁気特性を有した磁性膜が得られる。この他
に、Fe,Ta,Nを主体とし、これに、Ti,Cr,
Nb,Ru,Rh,Al,C等の元素を含んでもよい。
【0011】ところで、合金ターゲットを用いて作製し
た薄膜において、形成した薄膜を熱処理することによ
り、微結晶を析出させ、軟磁気特性を示し、かつ、その
結晶粒のサイズがFe相が平均して10nmから20n
mの間であり、かつ、カーバイド相が10nm以下であ
り、さらに優位には、Fe相中に先のN,Ti,Cr,
Nb,Ru,Rh,Al,Cの内から選ばれる少なくと
も1種類もしくは2種類の元素を含んでいることが好ま
しい。
【0012】微結晶であることは、優れた軟磁気特性が
得られるばかりでなく、高耐食性を有する磁性膜が得ら
れる。さらに、結晶粒サイズを支配する因子として、薄
膜の熱処理過程がある。ここでも、結晶粒のサイズがF
e相が平均して10nmから20nmの間であり、か
つ、カーバイド相が10nm以下となるように熱処理温
度或いは熱処理時間、或いはその両方を選択することも
重要である。
【0013】軟磁気特性を有する磁性薄膜の製造におい
て、成膜直後の膜はX線的に非晶質でかつ元素の多くが
単体で存在していることが特徴である。そして、この膜
に対して熱処理を施すことにより、化学反応と同時に結
晶化が生じ、その結果、α−Fe相及びカーバイド相を
生じさせることが微結晶の集合体を得るという観点から
好ましい。
【0014】このようにして製造した磁性薄膜は、メタ
ル・イン・ギャップ型磁気ヘッドもしくは薄膜磁気ヘッ
ド用の磁性材料として用いることが好適である。この磁
性膜に要求される軟磁気特性として、熱処理により生じ
る微結晶析出反応の結果、飽和磁束密度が1.3 T以上
であり、保磁力が1Oe以下であり、1MHzにおける
透磁率が1000以上であり、かつ、磁歪定数が5×1
-6以下であることが好ましい。そして、この磁気ヘッ
ドを用いて磁気記録装置を構成し、情報を記録すること
が最適である。
【0015】この磁気ヘッドを用いて構成した磁気記録
装置により記録する情報としては、画像及び音声情報を
記録することが好適であるが、これに限られるものでは
ない。
【0016】
【作用】上記の軟磁気特性を有する磁性薄膜を製造する
のに、磁性膜を構成する元素を単体で存在させたターゲ
ットを用いて薄膜を作製することにより、微結晶析出反
応の結果、結晶粒の微細化が図れるために良好な軟磁気
特性を有する磁性薄膜を得ることができる。これに対し
てターゲットとして磁性膜を構成する元素を、例えば、
TaCやFe3C 等のカーバイド化したものとFeとを
混合してターゲットを構成すると、微結晶析出反応の結
果、得られる磁性膜は保磁力が大きい等良好な軟磁気特
性を示さなかった。これは、熱処理により結晶粒サイズ
が大きく成長したためである。
【0017】さらに、ターゲットを構成するのに、熱間
静圧プレス法(HIP法)により成型すると、ターゲッ
ト中の酸素含有量を低減できるので、安定した磁気特性
を有する磁性膜が得られるので、量産に好適である。ま
た、このターゲットはスパッタを繰り返しても組成の変
動や得られる微結晶の結晶粒サイズの変動がごく僅かで
あるので、磁気特性が安定しているのである。
【0018】ターゲットを熱間静圧プレス法(HIP
法)により成型する場合に、元素を微粉化するが、この
粉体のサイズが重要である。このターゲットから作製し
た磁性膜は、成膜直後の膜はターゲットの構造を反映し
た微結晶析出反応において結晶の核になるようなものが
存在しない均一な膜が得られる。そのため、結晶析出を
させる場合に、粒成長が抑制できるので、微結晶化が図
れる。その結果、良好な軟磁気特性が得られる。軟磁気
特性および磁性膜の耐食性は、この結晶粒サイズに依存
しているために、結晶粒サイズの微細化により磁性膜の
耐食性を向上させることができる。また、ターゲットに
磁性元素以外の元素を含めて熱間静圧プレス法(HIP
法)により成型してもこの作用に差が表れない。
【0019】
【実施例】
(実施例1)本実施例で用いた磁性薄膜は、FeTaC
RuCr合金膜を用いた例である。スパッタのターゲッ
トには、Fe,Ta,C,Ru,Crの各元素の粉体を熱間
静圧プレス法(HIP法)により成型したものを用い
た。このターゲット中の不純物酸素濃度は400ppmで
あった。ターゲットの組成はFe73Ta710Cr7Ru
3で、薄膜化しても組成はほとんど変わらなかった。こ
れも、この合金ターゲットの特徴である。さらに、この
ターゲットを積算時間で50時間以上スパッタを行った
が、薄膜の組成及び磁気特性(保磁力,飽和磁束密度,
透磁率,磁歪定数等)ともに変化しなかった。これもこ
のターゲットの二つめの特徴である。
【0020】その時の各特性は、飽和磁束密度が1.5
T,保磁力が0.2Oe,1MHzにおける透磁率が3
000以上であり、かつ、磁歪定数が7×10-7であっ
た。
【0021】磁性膜の成膜はスパッタ法を用いて行っ
た。基板上に、先の合金ターゲットを用い、放電ガスに
Arをそれぞれ用いてスパッタした。スパッタの条件
は、放電ガス圧力:5mTorr,投入RF電力:400W
である。形成した磁性膜の膜厚は、10μmである。
【0022】このようにして作製した磁性膜を窒素気流
中にて600℃で1時間熱処理した。この熱処理は、ヘ
ッドを作製する工程にガラスボンディング工程が含まれ
ているからである。熱処理温度は、このガラスボンディ
ング工程における温度に支配される。この熱処理を行う
と、成膜直後の非晶質膜が結晶化することにより、軟磁
気特性が発現する。
【0023】この膜を透過型電子顕微鏡により膜構造を
観察したところ、Fe相の結晶サイズは10nmから2
0nmの間で、平均13nmであった。また、TaC相
の結晶サイズは5nmから8nmの間であった。電子線
回折の結果から、格子定数を求めたところFe相はα−
Feとやや異なり、FeCrRu合金を形成していると
考えられる。
【0024】比較例として、Fe円板にCr,Ru,Ta
Cの各チップ(Ta及びCをTaCとする)を均一にな
るように配置した複合体ターゲットを用いて作製した同
じ組成のFeTaCRuCr合金膜と比較すると、Fe
相の結晶サイズは15nmから30nmの間で、平均2
2nmと、先の各元素が単体である構造のターゲットを
用いた場合より大きくなっていた。その結果、同一温度
で熱処理すると、磁性膜の磁気特性は、飽和磁束密度が
1.5T,保磁力が1.2Oe,1MHzにおける透磁率
が1800であり、かつ、磁歪定数が2×10-6と本発
明の合金ターゲットを用いて作製した磁性膜より特性的
には劣っていた。
【0025】磁性膜を0.5 規定塩化ナトリウム水溶液
中に500時間浸漬させた。その結果、目視観察から腐
食の発生はまったく見られなかった。また、500時間
浸漬した後、磁気特性を測定した結果、成膜直後の特性
となんら違いは見られなかった。また、80℃で95%
RH環境中へこの磁性膜を2000時間以上放置した
が、腐食の発生や磁気特性の変化は見られなかった。こ
れに対して、比較例の試料の耐食性を評価すると、0.
5 規定塩化ナトリウム水溶液中に50時間浸漬させる
と、孔食が発生した。磁気特性の変化を測定した結果、
50時間浸漬後で初期の飽和磁束密度の75%に減少し
た。このように、析出させた時の結晶粒のサイズが大き
いと、腐食を受けやすかった。このように、本発明の構
造の合金ターゲットを用いることにより、高耐食性を有
する磁性膜を得ることができる。
【0026】この膜を用いて、MIG(メタルインギャ
ップ)型ヘッドを作製した。その概略図を図1に示す。
このヘッドは、フェライト単結晶の基板2上に、先の磁
性膜1を5μmの膜厚に形成した。基板と磁性膜の間に
両者の接着性の向上のための層を設けても良い。その場
合、Cr等の金属やSiO2 やSi34等の無機化合物
が特に有効である。そして、ギャップ部3を磁性膜表面
にSiO2 等の無機化合物層を約200nmの膜厚に形
成した後に、Cr層を100nmの膜厚に形成した。同
一形状のヘッド基板を低融点ガラス部4を用いてボンデ
ィングした。
【0027】このヘッドを用いて、VTR装置を作製
し、テープを走行させ画像情報を記録した。ハイビジョ
ンのディジタル情報を記録したところ、S/Nは40d
Bであった。ここで、相対速度は36m/s、データレ
ートは46.1Mbps、トラック幅は40μmである。こ
のヘッドの耐食性を0.5 規定塩化ナトリウム水溶液中
への浸漬試験法、及び、高温高湿度環境(60℃,相対
湿度:95%)中での結露試験法により評価した。ま
ず、先のヘッドチップを0.5 規定塩化ナトリウム水溶
液中へ1000時間浸漬させた。その後に、このヘッド
を再び装置にセットして記録再生特性を測定した。その
結果、浸漬前となんら記録再生特性に違いは見られなか
った。また、高温高湿度環境(60℃,相対湿度:95
%)中での結露試験法による評価は、先のMIGヘッド
をペルチェ素子上に固定して10℃に保ち、これをペル
チェ素子もろとも60℃、相対湿度:95%環境中へ放
置した。ヘッド全体に、結露が生じた。この状態で20
00時間以上この環境中へ放置したが、腐食の発生や記
録や再生信号の劣化は見られなかった。
【0028】以上は、FeTaCRuCr合金膜を磁性
膜に用いた場合であるが、本発明の効果は、この材料系
に限ることなく、少なくともCのような磁性膜を構成す
るいずれかの元素と化学的に反応する元素を含む系にお
いて、スパッタ法により薄膜を形成する場合に用いるタ
ーゲットにおいて、化学的に反応する元素及び他の元素
ともに単体で存在していればよい。Cの他に同様の性質
を有する元素としてBやNを用いても良く、Ru,Cr
以外にN,Ti,Nb,Rh,Al,Cの内から選ばれ
る元素を用いても同様の効果が得られる。また、ここで
は基板にフェライト基板を用いた場合について述べた
が、この材料に限らずいずれの種類の基板材を用いても
同様の効果が得られる。上記の効果は、半導体プロセス
を用いて作製した薄膜磁気ヘッドにおいても認められ
た。
【0029】
【発明の効果】軟磁気特性を有する磁性薄膜を製造する
のに、磁性膜を構成する元素を単体で存在させたターゲ
ットを用いて薄膜を作製することにより、微結晶析出反
応の結果、結晶粒の微細化が図れるために良好な軟磁気
特性を有する磁性薄膜を得ることができる。また、この
磁性膜は熱安定性に優れており、650℃の加熱でも磁
気特性の劣化が見られなかった。このターゲットは、長
時間、スパッタを行っても磁気特性や組成の変化が見ら
れず、安定した特性が得られ、メタル・イン・ギャップ
型ヘッドや薄膜磁気ヘッドの量産に好適である。また、
結晶粒の微細化が図れたことにより、磁性膜の耐食性を
大きく向上させることができ、ヘッド及びそれを用いた
磁気記録装置の性能向上に効果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】メタルインギャップ(MIG)型磁気ヘッドの
斜視図およびその部分拡大図。
【符号の説明】
1…軟磁性薄膜、2…フェライト基板、3…ギャップ
部、4…低融点ガラス部。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 5/23 D 7303−5D H01F 10/14 41/18 (72)発明者 大友 茂一 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Fe,Ta,Cの各々を粉体化した後に、
    熱間静圧プレス法により成型固形化し、さらに優位には
    各々の元素が互いに化合することなく単体で存在する混
    合物であることを特徴とするスパッタリング用合金ター
    ゲット。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の合金ターゲットを用いて
    スパッタリング法により作製した薄膜を熱処理して微結
    晶を析出させ、軟磁気特性を発現させることを特徴とす
    る磁性薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】磁性膜がFeを主体とする結晶相と金属カ
    ーバイドを含む結晶相の複数種類の結晶相からなり、そ
    のFeを主体とする結晶相の結晶粒のサイズが平均して
    10nm以上で20nm以下であり、かつ、カーバイド
    を含む結晶相が1nm以上で10nm以下であり、さら
    に優位には、Fe結晶相中にN,Al,Ti,Cr,N
    b,Ru,Rh,Cの内から選ばれる少なくとも3種類
    の元素を含んだことを特徴とする磁性薄膜。
  4. 【請求項4】請求項2において、成膜直後の磁性薄膜が
    X線的に非晶質であり、かつ、磁性薄膜を構成する元素
    の多くが単体で存在している膜を形成し、熱処理を施す
    ことにより、化学的な反応と同時に結晶化を生じせし
    め、Feを主たる成分とする結晶相としてα−Fe相
    を、カーボンを含む結晶相としてカーバイド相を生じさ
    せる磁性薄膜の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項2記載の薄膜の熱処理は、形成され
    る結晶粒のサイズが、Fe結晶相で平均10nm以上2
    0nm以下、かつ、カーバイドを含む結晶相で1nm以
    上10nm以下となる温度および/または時間でなされ
    る磁性薄膜の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1に記載の合金ターゲットを用いて
    スパッタリング法により作製した合金薄膜を請求項2に
    記載の製造方法により形成した軟磁性薄膜において、そ
    の軟磁気特性として、飽和磁束密度が1.3 以上で、保
    磁力が1Oe以下で、比透磁率が1000以上で、か
    つ、磁歪定数が5×10-6以下である軟磁性薄膜。
  7. 【請求項7】請求項1,2,3,4,5または6に記載
    の磁性薄膜を用いて構成した薄膜磁気ヘッド。
  8. 【請求項8】請求項3に記載の処理方法により処理した
    磁性薄膜を用いて構成したメタル・イン・ギャップ型磁
    気ヘッド。
  9. 【請求項9】請求項3において、メタル・イン・ギャッ
    プ型磁気ヘッドの作製において、ガラスを接着剤として
    用いたボンディング工程と同時に熱処理を磁性膜に施し
    たメタル・イン・ギャップ型磁気ヘッドの製造方法。
  10. 【請求項10】請求項7に記載の前記磁気ヘッドを用い
    て磁気記録装置を構成し、その装置を用いて情報記録媒
    体へ情報を記録し、その記録密度が1Gb/in2 以上
    である磁気記録装置。
  11. 【請求項11】請求項7に記載の磁気ヘッドを用いて構
    成した請求項10に記載の磁気記録装置において、移動
    する磁気記録媒体に画像及び音声情報を記録した磁気記
    録装置。
  12. 【請求項12】請求項11に記載の移動する磁気記録媒
    体として、テープもしくはディスク上に情報を記録する
    ための磁性膜を形成した媒体を用いた磁気記録媒体。
JP2770794A 1994-02-25 1994-02-25 合金ターゲット,磁性薄膜,磁気記録装置およびそれらの製造方法 Pending JPH07238369A (ja)

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