JPH08104941A - 水素吸蔵合金 - Google Patents

水素吸蔵合金

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JPH08104941A
JPH08104941A JP24381194A JP24381194A JPH08104941A JP H08104941 A JPH08104941 A JP H08104941A JP 24381194 A JP24381194 A JP 24381194A JP 24381194 A JP24381194 A JP 24381194A JP H08104941 A JPH08104941 A JP H08104941A
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JP
Japan
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alloy
hydrogen
hydrogen occluding
hydrogen storage
centered cubic
Prior art date
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Pending
Application number
JP24381194A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshio Morita
芳雄 盛田
Satoshi Kuranaka
聡 倉中
Koji Gamo
孝治 蒲生
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水素吸蔵合金に関するもので、水素吸蔵放出
能の高いV系水素吸蔵合金を提供する。 【構成】 本発明は、Crを25原子%、Feを10原
子%を含有し、残りがVと不可避不純物からなる組成合
金およびそれを用いた電池である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可逆的に水素を吸蔵・
放出することができ、水素エネルギー利用のために有効
な機能性材料である水素吸蔵合金に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、水素吸蔵合金に具備することが
望まれる性質として、活性化が容易であること、水素吸
蔵量が多いこと、水素吸蔵放出曲線のプラトー領域の幅
が広く傾斜が小さくヒステリシスが小さいこと、操作温
度に適した生成熱を有すること、水素の吸蔵放出速度が
大きいこと、不純物に対する被毒に強いこと、良好な熱
伝導性を持っていること等があげられる。この中で特に
重要な条件としては、水素吸蔵量が多いことである。よ
く知られているようにRNi5系合金が(R:Laもし
くはミッシュメタル)Ni−水素蓄電池の負極物質とし
て、比較的大きな放電容量をもつ水素吸蔵合金として実
用化されている。LaNi5合金は、水素吸蔵量が1.
4wt%、平衡水素吸蔵放出圧が室温で0.2〜0.3
MPaであり、扱い易く、室温付近で水素を吸蔵放出す
ることができる。図2にLaNi5合金の水素圧組成等
温線曲線を示す(J.H.N. van Vucht et al. "Reversibl
e Room-Temperature Absorption of Large Quantities
of Hydrogen by Intermetallic Compounds, Philips Re
s. Repts.,25(1970)p.133 参照)。
【0003】また、LaNi5合金のコスト改善の手段
として、高価なランタンの代わりに未精製の希土類金属
の混合物であるミッシュメタルを用いることが試みられ
ており、第三、第四、第五成分を添加したミッシュメタ
ル−ニッケル系多元合金が開発されている。ミッシュメ
タル−ニッケル系多元合金の水素吸蔵量は室温で1.2
〜1.5wt%程度である。これらの合金は、ニッケル
−水素化物蓄電池、水素貯蔵、輸送容器、金属水素化物
ヒートポンプなど広い分野でエネルギー貯蔵・変換技術
の開発に利用されている。一方、C14型、C15型、
C36型結晶構造のラーベス相合金が、水素吸蔵合金と
して従来から調べられており、Ti−Mn系をはじめと
して多くのラーベス相合金の報告がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】水素吸蔵合金をいずれ
の用途に用いる場合にも使用温度においての水素吸蔵放
出能が大きいことが望まれる。しかしながら、上記のL
aNi5合金は最大吸蔵量が室温で1.4wt%(17
0ml/g)である。吸蔵放出能がより一層高い合金の
開発が望まれているのが現状である。本発明はかかる点
に鑑み、扱い易く水素吸蔵放出能の高い水素吸蔵合金を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、20〜30a
t%のCrと、5〜15at%のFeと、Vを含有し体
心立方構造をもつことを特徴とする水素吸蔵合金であ
る。
【0006】また、本発明は、さらに0.1〜1at%
のSを含有させ体心立方構造を持たせたことを特徴とす
る水素吸蔵合金である。
【0007】
【作用】本発明の組成においては、合金が室温において
安定に体心立方構造を形成して水素吸蔵を高めるととも
に、適量のFe含有によって放出能も高めているので、
水素吸蔵放出能の高い水素吸蔵合金を実現することがで
きる。また、Sの添加によって、粉末化も容易にせしめ
て取扱いやすくすることができる。
【0008】
【実施例】本発明は、結晶構造学的、かつ熱力学的な考
察を加えながら新規の合金を設計して実験を行い見い出
した結果である。金属結晶構造中に水素原子が入り込む
場合、水素原子は結晶構造の侵入型サイトに位置するこ
とが知られている。この場合、水素原子が入り得る最大
のサイト数(H)と構成金属原子数(M)の比H/M
は、面心立方構造がH/M=3であり、体心立方構造が
H/M=9であり、稠密六方構造がH/M=2.7であ
る。このことから体心立方構造の合金がより多くの水素
を吸蔵することが期待でき、この考えに基づいて体心立
方構造をもつ金属であるバナジウム(V)に着目した。
【0009】V単体金属の水素吸蔵放出特性は吸蔵量が
多いものの2段プラトー性であり特性は良くない。ま
た、V系合金は一般的に水素吸蔵量が多いものの一旦吸
蔵された水素は放出しにくく、放出量が少ないことが多
い。そこで、新規のV系合金について検討した結果、上
記のV−Cr−Fe合金が室温で安定に体心立方構造を
有し、かつ水素吸蔵放出特性がすぐれた合金であること
を見い出した。さらに、この3元合金は非常に硬く粉末
化するのが困難であるが、非金属のS原子を添加するこ
とによって脆性化し粉末化が可能であることを見い出し
た。
【0010】V系合金の熱力学的考察からV単体金属に
対してCr原子は体心立方構造を安定に維持させる効果
を有し、また、V金属に対してFe原子はVに富む組成
域においてある程度の量まで固溶することが可能であ
る。この考えから、Crを20〜30at%、Feを5
〜15at%含有した上記記載のV系合金は室温で安定
に体心立方構造として存在すると予想されたが、実際に
合金作製して金属組織学的に調べた結果、室温で体心立
方構造であることが確かめられた。そして、結晶構造が
V単体金属と同じ体心立方構造に維持可能なため、この
合金の水素吸蔵能は高く維持することができる。
【0011】また、Fe原子は水素原子との親和力が小
さいため、合金中に取り込まれた水素が結晶構造中から
出てくる放出能力を高める効果がある。これらの効果
は、合金の水素吸蔵放出特性を水素圧組成等温線でもっ
て測定することにより確かめられた。さらに、S原子の
添加は結晶構造中に置換型侵入してV−V結合を弱める
効果があり、合金の粉末化が可能となる。高吸蔵放出能
を有するV−Cr−Fe系水素吸蔵合金によって、水素
吸蔵合金利用型エネルギー貯蔵・変換技術分野において
性能向上が達成される。
【0012】(具体例1)図1は本発明の第1の実施例
における水素吸蔵合金の室温における水素圧組成等温線
図である。単体の純度99.7%のV金属を19.23
g、単体の純度99.8%のCr金属を7.53g、単
体の純度99.9%のFe金属を3.24g秤量用意し
て、アルゴン雰囲気中アーク溶解炉でV金属、Cr金
属、Fe金属を一緒に溶かして合金化させた。その際、
インゴットを上下に反転させながら5回程度再溶解して
均質に合金化されるようにした。得られたボタンインゴ
ットを細かくカッターで切断して水素吸蔵放出能測定用
試料とした。水素吸蔵放出能試験は水素圧組成等温線測
定によっておこなった。これは、合金との反応に関与し
た水素量を一定体積の系内の水素量の変化を測定前後の
圧力差、温度から求め、一定温度における水素化物の組
成の変化を計算することによって求める方法で、真空原
点法によって測定した。この方法は、活性化後、真空脱
気状態を原点とする方法であり、試料を活性化した後、
真空脱気した点を水素量が零として吸蔵側から測定を行
う方法である。活性化は500℃で2時間真空引きする
ことによっておこなった。図は、最大吸蔵量が1.7w
t%(200ml/g)であることを示し、この値はL
aNi5合金の20%増しであり、また、種々のラーベ
ス相合金と同レベルである。さらに、今までV系合金に
おいては最大の欠点であった水素を放出しにくい点につ
いても本実施例合金は室温で吸蔵曲線の原点付近まで放
出することが可能である。
【0013】(具体例2)次に、単体の純度99.7%
のV金属を19.23g、単体の純度99.8%のCr
金属を7.53g、単体の純度99.9%のFe金属を
3.24g、単体の純度99.99%の非金属Sを0.
3g秤量用意して、アルゴン雰囲気中アーク溶解炉でV
金属、Cr金属、Fe金属、S非金属を一緒に溶かして
合金化させた。一回目の溶解ではSを他の金属の下に位
置させて溶解した。その後、インゴットを上下に反転さ
せながら5回程度再溶解して均質に合金化されるように
した。得られたボタンインゴットは脆く、粉砕機等で容
易に粉末にすることが可能であった。また、この合金に
ついて活性化を500℃で2時間真空引きしたのち、室
温で測定した水素圧組成等温線は図1のS無添加合金の
場合とほぼ同一であり、1.7wt%(200ml/
g)の最大吸蔵量を有するとともに室温で吸蔵曲線の原
点付近まで放出することが可能であった。本合金は粉末
化が可能であることから実用面で取扱いやすく、S無添
加のV系合金が硬すぎて容易には粉末にできない欠点を
解決するものである。なお、この方法はいずれのV主相
水素吸蔵合金にも適用可能である。
【0014】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、水素吸
蔵放出能の高い水素吸蔵合金を実現することができる。
また、Sの添加によって、粉末化も容易にせしめて取扱
いやすくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における一実施例の水素吸蔵合金の室温
における水素圧組成等温線図
【図2】従来例のLaNi5水素吸蔵合金の室温におけ
る水素圧組成等温線図

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】20〜30at%のCrと、5〜15at
    %のFeと、Vを含有し体心立方構造をもつことを特徴
    とする水素吸蔵合金。
  2. 【請求項2】0.1〜1at%のSを含有し体心立方構
    造をもつことを特徴とする請求項1記載の水素吸蔵合
    金。
JP24381194A 1994-10-07 1994-10-07 水素吸蔵合金 Pending JPH08104941A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102312145A (zh) * 2010-07-09 2012-01-11 攀枝花学院 钒铬铁合金及其生产方法

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