JPH08101302A - 反射防止シート及びその製造方法 - Google Patents
反射防止シート及びその製造方法Info
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- JPH08101302A JPH08101302A JP6261119A JP26111994A JPH08101302A JP H08101302 A JPH08101302 A JP H08101302A JP 6261119 A JP6261119 A JP 6261119A JP 26111994 A JP26111994 A JP 26111994A JP H08101302 A JPH08101302 A JP H08101302A
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Abstract
脱離がなく耐久性があり、耐擦傷性がある反射防止シー
ト自体及びその製造方法を提供する。 【構成】 離型フィルム6上に、ハードコート層の屈折
率より高い屈折率を持つ高屈折率層を少なくとも1層以
上形成するか或いは形成せずし、次いでハードコート層
3を形成する。前記ハードコート層3を接着剤からなる
接着剤層2を介して透明基材フィルム1とラミネートす
る。得られたラミネート物から離型フィルム6を剥離
し、ハードコート層3上にハードコート層3の屈折率よ
りも低い屈折率の低屈折率層4を形成する。上記接着剤
はウレタン系接着剤が好ましい。
Description
タ、テレビ等の各種ディスプレイ、液晶表示装置に用い
る偏光板の表面、透明プラスチック類サングラスレン
ズ、度付メガネレンズ、カメラ用ファインダーレンズ等
の光学レンズ、各種計器のカバー、自動車、電車等の窓
ガラス等の表面の反射防止に優れた反射防止シート及び
その製造方法に関する。
ル、窓ガラス、パソコン・ワープロ等のディスプレイ、
その他種々の商業ディスプレイ等には、ガラスやプラス
チック等の透明基板が用いられており、これらの透明基
板を通して物体や文字、図形の視覚情報を或いはミラー
では透明基板を通して反射層からの像を観察する場合
に、これらの透明基板の表面が光で反射して内部の視覚
情報が見えにくいという問題があった。
のような技術があった。すなわち、ガラスやプラスチッ
ク表面に反射防止塗料を塗布する方法、ガラス等の透明
基板の表面に膜厚0.1μm程度のMgF2 等の極薄膜
や金属蒸着膜を設ける方法、プラスチックレンズ等のプ
ラスチック表面に電離放射線硬化型樹脂を塗工し、その
上に蒸着によりSiO2 やMgF2 の膜を形成する方
法、電離放射線硬化型樹脂の硬化膜上に低屈折率の塗膜
を形成する方法があった。
定の波長をλ0 とし、この波長に対する反射防止膜の屈
折率をn0 、反射防止膜の厚みをh、および基板の屈折
率をng とすると、反射防止膜が光の反射を100%防
止し、光を100%透過するための条件は、次の式
(1)および式(2)の関係を満たすことが必要である
ことは既に知られている(サイエンスライブラリ 物理
学=9「光学」70〜72頁、昭和55年,株式会社サ
イエンス社発行)。
折率n0 =1.38、入射光の波長λ0 =5500Å
(基準)と既に知られているので、これらの値を前記式
(2)に代入すると、反射防止膜の厚みhは約0.1μ
mが最適であると計算される。
%防止するためには、上層塗膜の屈折率がその下層塗膜
の屈折率の約平方根の値になるような材料を選択すれば
よいことが分かり、このような原理を利用して、上層塗
膜の屈折率をその下層塗膜の屈折率よりも若干低い値と
なるようにして、光の反射防止を行うことが従来行われ
ていた。
層を形成した従来の反射防止シートは、低屈折率層の厚
みが約0.1μm前後と薄いため、形成された反射防止
シートはハード性能に劣り、傷付きやすいとう問題があ
った。反射防止シートにハード性能を付与するために、
従来、透明基材フィルム上に熱硬化型樹脂や電離放射線
硬化型樹脂の塗膜を形成し、硬化させた後、その上に低
屈折率層を形成して得ていた。
来のハードコート層を形成する硬化性の樹脂層は、架橋
密度が大きく、塗膜の内部凝集力が高いために、透明基
材フィルムであるプラスチックフィルムやシートとの密
着性に乏しく、表面保護を兼ね備えた反射防止シートと
して耐久性に優れているとは言いがたかった。例えば、
長期間経過後の反射防止シートにおいては、ハードコー
ト層にクラックが発生したり、或いはハードコート層の
塗膜が脱落するといった問題が生じることがあった。ま
た、密着生に乏しいが故に塗膜が剥離しやすく、耐擦傷
性に劣るという欠点があった。
ト層や、高屈折率層や、低屈折率等の各層を順次形成し
たものは、最終製品となる反射防止フィルムの1層であ
る透明基材フィルムが各工程間でダメージを受けやす
く、最終製品の完成に影響が及んでいた。
1層である透明基材フィルム上に電離放射線硬化型樹脂
からなる層を未硬化状態で積層し、紫外線又は電子線照
射にて硬化させてハードコート層とした場合、透明基材
フィルムが紫外線又は電子線の照射のため着色されてし
まう欠点があった。
を長期間使用しても、クラックや塗膜の脱離がなく耐久
性があり、耐擦傷性があり、また反射防止フィルムの製
造工程中に透明基材フィルムにダメージが与えられたり
また着色することがない、反射防止シート自体及びその
製造方法を提供することを目的とする。
るために本発明の反射防止シートの製造方法は、(1)
離型フィルム上に、後記するハードコート層の屈折率よ
り高い屈折率の高屈折率層を少なくとも1層以上形成す
るか或いは形成せずに、(2)次いで、ハードコート層
を形成し、(3)該ハードコート層を接着剤を介して透
明基材フィルムとラミネートし、(4)得られたラミネ
ート物から前記離型フィルムを剥離し、(5)前記高屈
折率層上又はハードコート層上に、該ハードコート層の
屈折率よりも低い屈折率の低屈折率層を形成することを
特徴とする。
方法は、(1)離型フィルム上に、後記するハードコー
ト層の屈折率よりも低い屈折率の低屈折率層を形成し、
(2)得られた低屈折率層上に、後記するハードコート
層の屈折率より高い屈折率の高屈折率層を少なくとも1
層以上形成するか或いは形成せずに、(3)次いで、ハ
ードコート層を形成し、(4)前記離型フィルム上の層
を接着剤を介して透明基材フィルムとラミネートし、
(5)得られたラミネート物から前記離型フィルムを剥
離することを特徴とする。
いて使用する接着剤は、ウレタン系接着剤を使用するこ
とが、後記する理由により好ましい。
コート層と、該ハードコート層上に設けられた該ハード
コート層の屈折率より低い屈折率の低屈折率層とからな
る積層体が、ウレタン系接着剤からなる接着剤層を介し
て、前記ハードコート層側を内側にして透明基材フィル
ムにラミネートされていることを特徴とする。
コート層と、該ハードコート層上に設けられた該ハード
コート層の屈折率より高い屈折率の高屈折率層と、該高
屈折率層上に設けられた前記ハードコート層の屈折率よ
り低い屈折率の低屈折率層とからなる積層体が、ウレタ
ン系接着剤からなる接着剤層を介して、前記ハードコー
ト層側を内側にして透明基材フィルムにラミネートされ
ていることを特徴とする。
ートの各製造方法により得られた反射防止シート自体を
特徴とする。
には、高屈折率層がないタイプIと高屈折率層を有する
タイプIIがある。図1は本発明のタイプIの反射防止シ
ートを示し、1は透明基材フィルムであり、この透明基
材フィルム1上に接着剤層2を介して、ハードコート層
3及び低屈折率層4が形成されている。図2は本発明の
タイプIIの反射防止シートを示し、前記タイプ1の反射
防止シートにおいて、ハードコート層3と低屈折率層4
との間に、さらに高屈折率層5が設けられている。
のタイプIの反射防止シートの一番目の製造方法の一例
を示すプロセス図である。図3(a)は、離型フィルム
6上に、ハードコート層3を形成した状態を示す。ハー
ドコート層3は、必要に応じてエージング、電離放射線
硬化等の処理を行ってもよい。(b)は、前記ハードコ
ート層3を接着剤からなる接着剤層2を介して透明基材
フィルム1とラミネートしようとする状態を示す。この
接着剤層2の形成は接着剤を透明基材フィルム1側或い
はハードコート層3側に塗布により形成することができ
る。接着剤はそのまま或いは溶媒に溶解、分散させて使
用する。(c)は、ラミネート物から離型フィルム6を
剥離して、離型フィルム6上の塗膜を透明基材フィルム
1側に転写している状態を示す。(d)は、露出された
ハードコート層3上に、さらに低屈折率層4を形成した
状態を示す。
型フィルム6上に、最初に高屈折率層を形成し、次いで
ハードコート層3を形成して、同様に行うことにより、
本発明のタイプIIの反射防止シートを製造することがで
きる。
の二番目の製造方法の一例を示すプロセス図である。図
4(a)は、離型フィルム6上に、低屈折率層4を形成
し、さらに低屈折率層4上にハードコート層3を形成し
た状態を示す。(b)は、離型フィルム6上に前記工程
で形成された各層を接着剤からなる接着剤層2を介して
透明基材フィルム1とラミネートしようとする状態を示
す。この接着剤層2の形成は接着剤を透明基材フィルム
1側或いはハードコート層3側に塗布して形成すること
ができる。接着剤はそのまま或いは溶媒に溶解、分散さ
せて使用する。(c)は、ラミネート物から離型フィル
ム6を剥離して離型フィルム6上の塗膜を透明基材フィ
ルム1側に転写している状態を示す。
型フィルム6上の低屈折率層4とハードコート層3との
間に高屈折率層を形成して、以下同様に行うことによ
り、本発明のタイプIIの反射防止シートを製造すること
ができる。
ウレタン系の接着剤を用いた場合、ウレタン系接着剤
は、溶液で塗工し、溶媒を除去した後、ラミネーション
を行う時点では粘着性を示しているためラミネート直後
でもある程度の接着強度を有するが、ラミネーションを
行うロールを40〜80℃に加温することによってラミ
ネート直後の接着強度をより向上させることができるの
で好ましい。また、反射防止シートの透明基材フィルム
とハードコート層間を十分な接着強度とするには、接着
剤層は乾燥厚みで0.5〜20μm、好ましくは1〜1
0μmであることが必要である。
ン、フッ素、アクリル−メラミンなど離型処理を施した
もの、または、未処理のものが使用される。その表面は
凹凸を有していてもよく、この場合、最終製品の表面に
凹凸が形成されるので、得られる透明機能性フィルム
に、反射防止効果又は防眩効果を付与することができ
る。
性フィルムに適した透明プラスチック基材フィルムに
は、透明性のあるフィルムであればよく、例えば、トリ
アセチルセルロースフィルム、ジアセチルセルロースフ
ィルム、アセテートブチレートセルロースフィルム、ポ
リエーテルサルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィ
ルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィ
ルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィル
ム、ポリエーテルフィルム、トリメチルペンテンフィル
ム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリロニ
トリルフィルム等が使用できるが、特に、トリアセチル
セルロースフィルム、及び一軸延伸ポリエステルが透明
性に優れ、光学的に異方性が無い点で好適に用いられ
る。その厚みは、通常は8μm〜1000μm程度のも
のが好適に用いられる。
ドコート層」或いは「ハード性を有する」とは、JIS
K5400で示される鉛筆硬度試験で、H以上の硬度
を示すものをいう。
料、有機材料問わず何でも用いることができる。無機材
料をハードコート層材料とする場合には、例えば、金属
酸化物を真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリ
ング、(プラズマ)CVD等の公知の方法で形成するこ
とができる。或いはゾル−ゲル法によって複合酸化物の
膜を形成してもよい。ハードコート層材料が有機材料の
場合には、バインダー樹脂には、透明性のあるものであ
ればどのような樹脂(例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化型
樹脂、電離放射線硬化型樹脂等)でも使用することがで
きる。ハード性能を付与するためには、ハードコート層
の厚みは0.5μm以上、好ましくは、3μm以上とす
ることにより、硬度を維持することができ、反射防止シ
ートにハード性能を付与することができる。
せるために、ハードコート層に使用するバインダー樹脂
には、反応硬化型樹脂、即ち、熱硬化型樹脂及び/又は
電離放射線硬化型樹脂を使用することが好ましい。生産
性、エネルギー効率、離型フィルムの熱ダメージ等を考
慮すると、電離放射線硬化型樹脂をハードコート層のバ
インダー樹脂に用いることが最適である。
尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グ
アナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン
樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン
−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が
使用され、これらの樹脂に必要に応じて、架橋剤、重合
開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤等を
加えて使用する。
は、アクリレート系の官能基を有するもの、例えば、比
較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、
アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッ
ド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、
ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能
化合物の(メタ)アクリレート等のオリゴマーまたはプ
レポリマーおよび反応性希釈剤としてエチル(メタ)ア
クリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ス
チレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単
官能モノマー並びに多官能モノマー、例えば、トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジ
オール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)
アクリレート等を比較的多量に含有するものが使用でき
る。
とポリウレタンアクリレートの混合物が用いられる。そ
の理由は、ポリエステルアクリレートは塗膜が非常に硬
くてハードコートを得るのに適しているが、ポリエステ
ルアクリレート単独ではその塗膜は衝撃性が低く、脆く
なるので、塗膜に耐衝撃性及び柔軟性を与えるためにポ
リウレタンアクリレートを併用する。ポリエステルアク
リレート100重量部に対するポリウレタンアクリレー
トの配合割合は30重量部以下とする。この値を越える
と塗膜が柔らかすぎてハード性がなくなってしまうから
である。
物を紫外線硬化型樹脂組成物とするには、この中に光重
合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン
類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシ
ムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、
チオキサントン類や、光増感剤としてn−ブチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリーn−ブチルホスフィン等
を混合して用いることができる。特に本発明では、オリ
ゴマーとしてウレタンアクリレート、モノマーとしてジ
ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を
混合するのが好ましい。
るためには、電離放射線硬化型樹脂100重量部に対し
溶剤乾燥型樹脂を10重量部以上100重量部以下含ま
せてもよい。前記溶剤乾燥型樹脂には、主として熱可塑
性樹脂が用いられる。電離放射線硬化型樹脂に添加する
溶剤乾燥型熱可塑性樹脂の種類は通常用いられるものが
使用されるが、特に、電離放射線硬化型樹脂にポリエス
テルアクリレートとポリウレタンアクリレートの混合物
を使用した場合には、使用する溶剤乾燥型樹脂にはポリ
メタクリル酸メチルアクリレート又はポリメタクリル酸
ブチルアクリレートが塗膜の硬度を高く保つことができ
る。しかも、この場合、主たる電離放射線硬化型樹脂と
の屈折率が近いので塗膜の透明性を損なわず、透明性、
特に、低ヘイズ値、高透過率、また相溶性の点において
有利である。
離放射線硬化型樹脂が使用される場合には、その硬化方
法は通常の電離放射線硬化型樹脂の硬化方法、即ち、電
子線または紫外線の照射によって硬化することができ
る。例えば、電子線硬化の場合にはコックロフトワルト
ン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器
型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子
線加速器から放出される50〜1000KeV、好まし
くは100〜300KeVのエネルギーを有する電子線
等が使用され、紫外線硬化の場合には超高圧水銀灯、高
圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアー
ク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等
が利用できる。
よりもハードコート層の屈折率が高いことが好ましい。
ハードコート層が無機材料の場合には、所望の屈折率を
有する透明な金属、金属酸化物を用いることで高屈折率
とすることが容易に達成されるが、ハードコート層が有
機材料である場合には、次に挙げる方法により高屈折率
とすることができる。
の高い微粒子を分散させたものを用いる。ハードコー
ト層用樹脂を構成する分子或いは原子として、屈折率の
高い成分を多く導入した原子を含んだ屈折率の高い樹脂
を用いる。
ば、ZnO(屈折率1.90)、TiO2 (屈折率2.
3〜2.7)、CeO2 (屈折率1.95)、Sb2 O
5 (屈折率1.71)、SnO2 、ITO(屈折率1.
95)、Y2 O3 (屈折率1.87)、La2 O3 (屈
折率1.95)、ZrO2 (屈折率2.05)、Al2
O3 (屈折率1.63)等が挙げられる。
及び原子としては、芳香族環、F以外のハロゲン原
子、S、N、Pの原子等が挙げられる。
ードコート層の屈折率よりも低いことが必要であり、無
機材料、有機材料を問わず用いることができる。低屈折
率層の厚みは約0.1μm前後の薄膜で形成する必要が
ある。低屈折率層の屈折率は前記式(1)又は式(2)
に示した関係を有することが反射防止効果を高める上で
望ましい。低屈折率層の形成に使用される低屈折率材料
は前記式(1)又は式(2)の条件を満足するものであ
ればどのような材料でもよく、無機材料、有機材料が使
用できる。
F(屈折率1.4)、MgF2 (屈折率1.4)、3N
aF・AlF3 (屈折率1.4)、AlF3 (屈折率
1.4)、Na3 AlF6 (氷晶石、屈折率1.3
3)、SiOX (x:1.50≦x≦2.00)(屈折
率1.35〜1.48)等の無機材料が使用される。低
屈折率無機材料で形成される膜は、硬度が高く、特にプ
ラズマCVD法で、SiOX(xは1.50≦x≦4.
00、望ましくは1.70≦x≦2.20)の膜を形成
したものは硬度が良好であり、且つハードコート層との
密着性に優れ、透明プラスチック基材フィルムの熱ダメ
ージを他の気相法に比べて軽減できるので好ましい。低
屈折率の無機質材料を用いた低屈折率層の形成方法は、
該無機材料を蒸着、スパッタリング、イオンプレーティ
ング、プラズマCVD等の気相法により皮膜を単層又は
多層形成するか、或いは、低屈折率の無機質材料を含有
させた低屈折率樹脂組成物又は低屈折率有機材料を塗布
し単層又は多層の塗膜を形成して行うことができる。
iOx 膜は、通常の真空蒸着膜と比べて密度が高く、ガ
スバリヤー性が高い。そのため、防湿性に優れ、本発明
の反射防止シートを偏光素子にラミネートして使用する
場合に、湿気に弱いとされている偏光素子の防湿機能を
果たす利点がある。
導入されたポリマー等の有機物がその屈折率が1.45
以下と低い点から好ましい。溶剤が使用できる樹脂とし
てその取扱いが容易であることからポリフッ化ビニリデ
ン(屈折率n=1.40)が挙げられる。低屈折率の有
機材料としてこのポリフッ化ビニリデンを用いた場合に
は、低屈折率層の屈折率はほぼ1.40程度となるが、
さらに低屈折率層の屈折率を低くするためにはトリフル
オロエチルアクリレート(屈折率n=1.32)のよう
な低屈折率アクリレートを10重量部から300重量
部、好ましくは100重量部から200重量部添加して
もよい。
トは単官能型であり、そのため低屈折率層の膜強度が十
分ではないので、さらに多官能アクリレート、例えば、
電離放射線硬化型樹脂であるジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレート(略号:DPHA,4官能型)を添加
することが望ましい。このDPHAによる膜強度は添加
量が多いほど高いが、低屈折率層の屈折率を低くする観
点からはその添加量は少ない方がよく、1〜50重量
部、好ましくは5〜20重量部添加することが推奨され
る。
せるため、及び各層間の界面の反射を防止するために
は、低屈折率層とハードコート層の間に、ハードコート
層の屈折率よりも高い屈折率の高屈折率層を形成するこ
とが好ましい。高屈折率層の厚みは約0.1μm前後の
薄膜で形成する必要がある。例えば、高屈折率の金属や
金属酸化物をハードコート層と同様の方法で薄膜で形成
してもよい。或いは、バインダー樹脂中に、前記ハード
コート層の説明中に具体的に列挙した屈折率の高い微粒
子を分散して用いてもよい。或いは、前記ハードコート
層の説明中の屈折率を向上させる成分の分子や原子を含
んだ樹脂を用いてもよい。
基材の間に強固な着強を形成し、かつ、反射防止シート
の十分な硬度や耐久性を付与するためには、ウレタン系
接着剤を用いることが必須である。ウレタン系接着剤と
して、例えば、湿気硬化型(1液型)、熱硬化型(2液
型)等の反応硬化型ウレタン系接着剤を用いることが好
ましい。即ち、湿気硬化型では、ポリイソシアネート化
合物のオリゴマー、プレポリマー、熱硬化型では、ポリ
イソシアネート化合物のモノマー、オリゴマー、プレポ
リマーと、ポリオール化合物のオリゴマー、プレポリマ
ーを混合して用いることができる。これらの反応硬化型
ウレタン系接着剤を用いる場合、ラミネートの後に、室
温から80℃程度の温度下でエージング処理を施すこと
が、反射防止シートに熱的影響を与えないために望まし
い。
場合、例えば、アルカリ処理されたトリアセチルセルロ
ースフィルム等の場合、ウレタン系接着剤中のイソシア
ネート基が透明基材フィルム等とのOH基と反応し、強
固な接着となる。
止フィルムの下面には、粘着剤が塗布されていてもよ
く、この反射防止フィルムは反射防止すべき対象物、例
えば、偏光素子に貼着して偏光板とすることができる。
染色し、延伸してなるポリビニルアルコールフィルム、
ポリビニルホルマールフィルム、ポリビニルアセタール
フィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体系ケン化フィ
ルム等を用いることができる。このラミネート処理にあ
たって接着性を増すため及び静電防止のために、反射防
止フィルムの基材フィルムが例えば、トリアセチルセル
ロースフィルムである場合には、トリアセチルセルロー
スフィルムにケン化処理を行う。このケン化処理はトリ
アセチルセルロースフィルムにハードコートを施す前ま
たは後のどちらでもよい。
れた偏光板の一例を示す。図中11は反射防止性を有す
る本発明の反射防止フィルムであり、該反射防止フィル
ム11が偏光素子8上にラミネートされており、一方、
偏光素子8の他面にはトリアセチルセルロースフィルム
(略:TACフィルム)9がラミネートされている。ま
た偏光素子8の両面に本発明の反射防止フィルム11が
ラミネートされてもよい。
れた液晶表示装置の一例を示す。液晶表示素子10上
に、図5に示した偏光板、即ち、TACフィルム/偏光
素子/反射防止フィルムからなる層構成の偏光板がラミ
ネートされており、また液晶表示素子10の他方の面に
は、TACフィルム/偏光素子/TACフィルムからな
る層構成の偏光板がラミネートされている。なお、ST
N型の液晶表示装置には、液晶表示素子と偏光板との間
に、位相差板が挿入される。
ンテレフタレートフィルム(ルミラーT60:商品名、
東レ(株)製)上に、アクリル酸エステルモノマー(カ
ヤラットDPHA:商品名、日本化薬(株)製)の30
wt%メチルエチルケトン溶液をロールコート法にて約
5μm/dryとなるように塗工し、100℃のオーブ
ンを用いてメチルエチルケトンを除去し、塗膜とした。
この塗膜に対し、電子線照射装置(キュアトロン:商品
名、日清ハイボルテージ(株)製)を用いて、175K
V、5Mradの電子線を照射し硬化させ、ハードコー
ト塗膜とした。このハードコート塗膜上に、下記の組成
のウレタン系接着剤を、グラビアリバース法によって約
3μm/dryになるように塗工し、溶媒である酢酸エ
チルを除去した後、40℃のラミネーションロールを用
いて、ケン化処理を施したトリアセチルフルロースフィ
ルム(屈折率1.49)とラミネーションを行った。得
られたラミネーションフィルムを40℃のオーブン中で
48時間エージング処理を行った後、ポリエチレンテレ
フタレートフィルムを剥離することにより、トリアセチ
ルセルロースフィルム上へハードコート塗膜を転写し
た。
上に真空蒸着法をもちいてSiO2膜(屈折率1.4
6)を約90nmの厚さで形成し、反射防止シートを得
た。
リル酸エステルの代わりに、下記に示すハードコート剤
組成物を用いた以外は前記実施例1と同様にして反射防
止シートを得た。
理を施した50μmのポリエステルフィルム(MC−1
9:商品名、麗光(株)製)上に、真空蒸着法を用いて
SiO2 膜(屈折率1.46)を約90nmの厚さで形
成した。その上に、前記実施例2のハードコート剤組成
物を塗工し、前記実施例1と同様の方法で硬化させてハ
ードコート塗膜を得た。さらに前記実施例1中のウレタ
ン系接着剤組成物を用いて、前記実施例1と同様の方法
でラミネートフィルムを得た。その後、離型フィルムを
剥離して反射防止シートを得た。
=メラミン処理を施した50μmのポリエステルフィル
ム(MC−19:商品名、麗光(株)製)上に、下記の
高屈折率層組成物を、スライドコート法を用いて厚さ約
100nm/dryで形成し、その塗膜に対し電子線照
射装置(キュアトロン:商品名、日新ハイボルテージ
(株)製)を用いて、175KV、2Mradの電子線
を照射し硬化させた。次にその上に電離放射線硬化型樹
脂組成物(EXG40−9:商品名、大日精化(株)
製、固形分30wt%)を、ロールコート法を用いて厚
み約5μm/dryで塗工し、100℃のオーブンで溶
媒を除去した。再びその塗膜に対し175KV、5Mr
adの電子線を照射し、ハードコート層を形成した。更
に前記実施例1中のウレタン系接着剤組成物を用いて、
前記実施例1と同様の方法でラミネートフィルムを得
た。その後、離型フィルムを剥離することにより、トリ
アセチルセルロースフィルム上へ高屈折率層とハードコ
ート層塗膜を転写した。高屈折率層上に、スライドコー
ト法を用いて、下記の低屈折率樹脂組成物を厚さ約10
0nm/dryで塗工し、100℃のオーブンで溶媒を
除去した。その塗膜に対し、300mJの紫外線を照射
し、低屈折率樹脂組成物を硬化させ、反射防止シートを
得た。
のトリアセチルセルロースフィルム上に真空蒸着法にて
SiO2 (屈折率1.46)を約90nmの厚さで形成
し、反射防止シートを得た。
さ約80μmのケン化処理を施したトリアセチルセルロ
ースフィルム上にアクリル酸エステルモノマー(カヤラ
ッドDPHA:商品名、日本化薬(株)製)の30wt
%メチルエチルケトン溶液をロールコート法にて約5μ
m/dryとなるように塗工し,100℃のオーブンを
用いてメチルエチルケトンを除去した。この塗膜に対
し、電子線照射装置(キュアトロン:商品名、日新ハイ
ボルテージ(株)製)を用いて、175KV、5Mra
dの電子線を照射し硬化させ、ハードコート層塗膜とし
た。このハードコート層塗膜上に真空蒸着法にてSiO
2 膜(屈折率1.46)を約90nmの厚さで形成し、
反射防止シートを得た。
剤を用いた以外は、全て前記実施例1と同じにして、反
射防止シートを製造した。得られた反射防止シートは、
ハードコート層とトリアセチルセルロースフィルム間の
接着強度に乏しく、初期及び放置後の定着性が不十分で
あった。また鉛筆高度も低下していた。
物性を測定して比較した。 反射率 分光光度計にて測定された、550nmに
おける反射防止シート表面の反射率 鉛筆硬度 JIS K5400に示された試験結果 密着性 初期及び80℃、湿度90%で1000h
r放置後の基盤目試験結果 得られた結果を下記の表1に示す。
防止効果が高く、耐擦傷性に優れ、しかも長期の保存に
おいても塗膜の密着性に優れていることがわかる。
用においても、クラックや塗膜の脱離がなく耐久性があ
り、耐擦傷性を有する。
フィルム上にハードコート層、高屈折率層等の各層を形
成した後に、透明基材フィルムにこれらの各層を転写し
ているので、反射防止フィルムの製造工程中に、透明基
材フィルムは、加熱、電離放射線照射等によるダメージ
を受けたり、また着色されたりすることを防止できる。
製造方法の一例を示すプロセス図である。
製造方法の一例を示すプロセス図である。
の一例を示す。
示装置の一例を示す。
Claims (10)
- 【請求項1】 (1)離型フィルム上に、後記するハー
ドコート層の屈折率より高い屈折率の高屈折率層を少な
くとも1層以上形成するか或いは形成せずに、 (2)次いで、ハードコート層を形成し、 (3)該ハードコート層を接着剤を介して透明基材フィ
ルムとラミネートし、 (4)得られたラミネート物から前記離型フィルムを剥
離し、 (5)前記高屈折率層上又は前記ハードコート層上に、
該ハードコート層の屈折率よりも低い屈折率の低屈折率
層を形成することを特徴とする反射防止シートの製造方
法。 - 【請求項2】 (1)離型フィルム上に、後記するハー
ドコート層の屈折率よりも低い屈折率の低屈折率層を形
成し、 (2)得られた低屈折率層上に、後記するハードコート
層の屈折率より高い屈折率の高屈折率層を少なくとも1
層以上形成するか或いは形成せずに、 (3)次いで、ハードコート層を形成し、 (4)前記離型フィルム上の層を接着剤を介して透明基
材フィルムとラミネートし、 (5)得られたラミネート物から前記離型フィルムを剥
離することを特徴とする反射防止シートの製造方法。 - 【請求項3】 前記接着剤がウレタン系接着剤である請
求項1又は2記載の反射防止シートの製造方法。 - 【請求項4】 前記透明基材フィルムがアルカリ処理さ
れたトリアセチルセルロースフィルムであることを特徴
とする請求項1、2又は3記載の反射防止シートの製造
方法。 - 【請求項5】 ハードコート層と、該ハードコート層上
に設けられた該ハードコート層の屈折率より低い屈折率
の低屈折率層とからなる積層体が、ウレタン系接着剤か
らなる接着剤層を介して、前記ハードコート層側を内側
にして透明基材フィルムにラミネートされていることを
特徴とする反射防止シート。 - 【請求項6】 ハードコート層と、該ハードコート層上
に設けられた該ハードコート層の屈折率より高い屈折率
の高屈折率層と、該高屈折率層上に設けられた前記ハー
ドコート層の屈折率より低い屈折率の低屈折率層とから
なる積層体が、ウレタン系接着剤からなる接着剤層を介
して、前記ハードコート層側を内側にして透明基材フィ
ルムにラミネートされていることを特徴とする反射防止
シート。 - 【請求項7】 請求項5又は6の反射防止シートにおい
て、最表面層が微細な凹凸となっていることを特徴とす
る反射防止シート。 - 【請求項8】 前記ハードコート層は、電離放射線硬化
型バインダーを含んでいることを特徴とする請求項5、
6又は7記載の反射防止シート。 - 【請求項9】 前記ハードコート層の屈折率は、透明基
材フィルムの屈折率よりも高いことを特徴とする請求項
5、6、7又は8記載の反射防止シート。 - 【請求項10】 前記透明基材フィルムがアルカリ処理
されたトリアセチルセルロースフィルムであることを特
徴とする請求項5、6、7、8又は9記載の反射防止シ
ート。
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- 1994-09-30 JP JP26111994A patent/JP3738853B2/ja not_active Expired - Fee Related
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