JPH07325202A - 反射防止フィルム、偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents
反射防止フィルム、偏光板及び液晶表示装置Info
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- JPH07325202A JPH07325202A JP6141167A JP14116794A JPH07325202A JP H07325202 A JPH07325202 A JP H07325202A JP 6141167 A JP6141167 A JP 6141167A JP 14116794 A JP14116794 A JP 14116794A JP H07325202 A JPH07325202 A JP H07325202A
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- layer
- film
- low refractive
- antireflection film
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 反射防止性と同時にハード性能を付与し、か
つ内部の各層間の界面における光の反射を低減すること
ができ、更に低屈折率層とハードコート層の層間密着性
に優れた、反射防止効果の高い反射防止フィルム、及び
前記反射防止フィルムを用いた偏光板及び液晶表示装置
を提供することを目的とする。 【構成】 透明基材フィルム1上に、バインダー樹脂を
主体とするハードコート層2が形成され、このハードコ
ート層2上に、ハードコート2層よりも低い屈折率を有
する低屈折率層3が形成されてなる。この低屈折率層3
は異なる2種類の第1低屈折率層4、及び第2低屈折率
層5がこの順に積層されて形成されている。ハードコー
ト層2の屈折率は、該ハードコート層の、該低屈折率層
3が接している面とは反対側の面に接している層(例え
ば透明基材フィルム、プライマー層、接着剤層、第2ハ
ードコート層等)の屈折率よりも高い。この反射防止フ
ィルムは、偏光板、液晶表示装置にラミネートして使用
される。
つ内部の各層間の界面における光の反射を低減すること
ができ、更に低屈折率層とハードコート層の層間密着性
に優れた、反射防止効果の高い反射防止フィルム、及び
前記反射防止フィルムを用いた偏光板及び液晶表示装置
を提供することを目的とする。 【構成】 透明基材フィルム1上に、バインダー樹脂を
主体とするハードコート層2が形成され、このハードコ
ート層2上に、ハードコート2層よりも低い屈折率を有
する低屈折率層3が形成されてなる。この低屈折率層3
は異なる2種類の第1低屈折率層4、及び第2低屈折率
層5がこの順に積層されて形成されている。ハードコー
ト層2の屈折率は、該ハードコート層の、該低屈折率層
3が接している面とは反対側の面に接している層(例え
ば透明基材フィルム、プライマー層、接着剤層、第2ハ
ードコート層等)の屈折率よりも高い。この反射防止フ
ィルムは、偏光板、液晶表示装置にラミネートして使用
される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ワープロ・コンピュー
タ・テレビ等の各種ディスプレイ、液晶表示装置に用い
る偏光板の表面、透明プラスチック類サングラスレンズ
・度付き眼鏡レンズ・カメラ用ファインダーレンズ等の
光学レンズ、各種計器のカバー、自動車・電車等の窓ガ
ラス等の表面の反射防止に優れた反射防止フィルムに関
する。
タ・テレビ等の各種ディスプレイ、液晶表示装置に用い
る偏光板の表面、透明プラスチック類サングラスレンズ
・度付き眼鏡レンズ・カメラ用ファインダーレンズ等の
光学レンズ、各種計器のカバー、自動車・電車等の窓ガ
ラス等の表面の反射防止に優れた反射防止フィルムに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、カーブミラー、バックミラー、ゴ
ーグル、窓ガラスやパソコン・ワープロ等のディスプレ
イ、その他種々の商業ディスプレイ等には、ガラスやプ
ラスチック等の透明基板が用いられており、これらの透
明基板を通して物体や文字、図形の視覚情報を、あるい
はミラーでは透明基板を通して反射層からの像を観察す
る場合に、これらの透明基板の表面が光で反射して内部
の視覚情報が見えにくいという問題があった。
ーグル、窓ガラスやパソコン・ワープロ等のディスプレ
イ、その他種々の商業ディスプレイ等には、ガラスやプ
ラスチック等の透明基板が用いられており、これらの透
明基板を通して物体や文字、図形の視覚情報を、あるい
はミラーでは透明基板を通して反射層からの像を観察す
る場合に、これらの透明基板の表面が光で反射して内部
の視覚情報が見えにくいという問題があった。
【0003】このような透明基板の反射を防止する方法
としては、従来、ガラスやプラスチックの表面に反射防
止塗料を塗布する方法、ガラス・プラスチック基材等の
透明基板の表面に膜厚0.1μmの程度のMgF2 やS
iO2 等の薄膜を蒸着やスパッタリング等により形成す
る方法、プラスチックレンズ等のプラスチック表面に電
離放射線硬化型樹脂を塗工し得られたハードコート層上
にMgF2 やSiO2等の薄膜を形成する方法、電離放
射線硬化型樹脂等によるハードコート層上に低屈折率の
塗膜を形成する方法があった。
としては、従来、ガラスやプラスチックの表面に反射防
止塗料を塗布する方法、ガラス・プラスチック基材等の
透明基板の表面に膜厚0.1μmの程度のMgF2 やS
iO2 等の薄膜を蒸着やスパッタリング等により形成す
る方法、プラスチックレンズ等のプラスチック表面に電
離放射線硬化型樹脂を塗工し得られたハードコート層上
にMgF2 やSiO2等の薄膜を形成する方法、電離放
射線硬化型樹脂等によるハードコート層上に低屈折率の
塗膜を形成する方法があった。
【0004】前記ガラス上に形成された膜厚0.1μm
程度のMgF2 の薄膜を更に説明する。入射光が薄膜に
垂直に入射する場合に、特定の波長をλo とし、この波
長に対する反射防止膜の屈折率をno 、反射防止膜の厚
みをh、及び基板の屈折率をng とすると、反射防止膜
が光の反射を100%防止し、光を100%透過するた
めの条件は、次の式(1)及び(2)の関係を満たすこ
とが必要であることは既に知られている(サイエンスラ
イブラリ 物理学=9「光学」70〜72頁、昭和55
年、株式会社サイエンス社発行)。
程度のMgF2 の薄膜を更に説明する。入射光が薄膜に
垂直に入射する場合に、特定の波長をλo とし、この波
長に対する反射防止膜の屈折率をno 、反射防止膜の厚
みをh、及び基板の屈折率をng とすると、反射防止膜
が光の反射を100%防止し、光を100%透過するた
めの条件は、次の式(1)及び(2)の関係を満たすこ
とが必要であることは既に知られている(サイエンスラ
イブラリ 物理学=9「光学」70〜72頁、昭和55
年、株式会社サイエンス社発行)。
【0005】
【数1】no =√ng 式(1)
【0006】
【数2】no h=λo /4 式(2)
【0007】ガラスの屈折率ng =約1.5であり、M
gF2 膜の屈折率no =1.38、入射光の波長λo =
5500Å(基準)と既に知られているので、これらの
値を前記式(2)に代入すると、反射防止膜の厚みhは
約0.1μmが最適であると計算される。
gF2 膜の屈折率no =1.38、入射光の波長λo =
5500Å(基準)と既に知られているので、これらの
値を前記式(2)に代入すると、反射防止膜の厚みhは
約0.1μmが最適であると計算される。
【0008】前記式(1)によれば、光の反射を100
%防止するためには、上層塗膜の屈折率がその下層塗膜
の屈折率の約平方根の値になるような材料を選択すれば
よいことが分かり、このような原理を利用して、上層塗
膜の屈折率を、その下層塗膜の屈折率よりも若干低い値
として光の反射防止を行なうことが従来行なわれてい
た。
%防止するためには、上層塗膜の屈折率がその下層塗膜
の屈折率の約平方根の値になるような材料を選択すれば
よいことが分かり、このような原理を利用して、上層塗
膜の屈折率を、その下層塗膜の屈折率よりも若干低い値
として光の反射防止を行なうことが従来行なわれてい
た。
【0009】一方、従来、液晶表示装置には、液晶素子
に光のシャッターの役目をするフィルム状の偏光素子が
設けられているが、この偏光素子自体の保護のために、
ガラス、透明プラスチック板、又は透明プラスチックフ
ィルムなどの透明保護基板が偏光素子に貼合されて偏光
板が形成されている。この偏光板においても、偏光素子
に貼合される透明保護基板自体も傷がつきやすので、前
記従来の反射防止フィルムと同様にこのようなハード性
能を持たせた透明保護基板が公開されている。
に光のシャッターの役目をするフィルム状の偏光素子が
設けられているが、この偏光素子自体の保護のために、
ガラス、透明プラスチック板、又は透明プラスチックフ
ィルムなどの透明保護基板が偏光素子に貼合されて偏光
板が形成されている。この偏光板においても、偏光素子
に貼合される透明保護基板自体も傷がつきやすので、前
記従来の反射防止フィルムと同様にこのようなハード性
能を持たせた透明保護基板が公開されている。
【0010】このような技術として、例えば、特開平1
−105738号公報に記載されるものがある。この公
報には、偏光素子に貼合されて偏光板を構成するための
光制御用トリアセテートフィルムが開示されている。こ
のフィルムは、未ケン化のトリアセテートフィルムの一
方の面に、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂か
らなる硬化塗膜を設けることにより耐擦傷性に優れたト
リアセテートフィルムとしている。
−105738号公報に記載されるものがある。この公
報には、偏光素子に貼合されて偏光板を構成するための
光制御用トリアセテートフィルムが開示されている。こ
のフィルムは、未ケン化のトリアセテートフィルムの一
方の面に、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂か
らなる硬化塗膜を設けることにより耐擦傷性に優れたト
リアセテートフィルムとしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ガラス
・プラスチック基材等の透明基板の表面に膜厚0.1μ
mの程度のMgF2 やSiO2 等の薄膜を蒸着やスパッ
タリング等により形成する方法、プラスチックレンズ等
のプラスチック表面に電離放射線硬化型樹脂を塗工し得
られたハードコート層上にMgF2 やSiO2 等の薄膜
を形成する方法、電離放射線硬化型樹脂等によるハード
コート層上に上に低屈折率の塗膜を形成する方法等によ
って得られる前記従来の反射防止フィルムにおいては、
MgF2 膜単独の場合は充分に低い屈折率を有している
ものの、プラスチック基材又はハードコート層との密着
性、ハード性能等に乏しく、SiO2 膜単独では、プラ
スチック基材又はハードコート層との密着性、ハード性
能性等には優れているが、充分に低い屈折率を有してい
ないため、光学的反射防止効果に乏しいという問題があ
った。
・プラスチック基材等の透明基板の表面に膜厚0.1μ
mの程度のMgF2 やSiO2 等の薄膜を蒸着やスパッ
タリング等により形成する方法、プラスチックレンズ等
のプラスチック表面に電離放射線硬化型樹脂を塗工し得
られたハードコート層上にMgF2 やSiO2 等の薄膜
を形成する方法、電離放射線硬化型樹脂等によるハード
コート層上に上に低屈折率の塗膜を形成する方法等によ
って得られる前記従来の反射防止フィルムにおいては、
MgF2 膜単独の場合は充分に低い屈折率を有している
ものの、プラスチック基材又はハードコート層との密着
性、ハード性能等に乏しく、SiO2 膜単独では、プラ
スチック基材又はハードコート層との密着性、ハード性
能性等には優れているが、充分に低い屈折率を有してい
ないため、光学的反射防止効果に乏しいという問題があ
った。
【0012】又、前記従来の透明プラスチックフィルム
及び透明プラスチック板等の透明保護基板のハード性能
を改善するために形成された塗膜は通常数μmと厚いた
め、外部から入射した光がこの塗膜と他の層との界面に
おいて反射されるため、反射防止効果を低減させる原因
となっていた。
及び透明プラスチック板等の透明保護基板のハード性能
を改善するために形成された塗膜は通常数μmと厚いた
め、外部から入射した光がこの塗膜と他の層との界面に
おいて反射されるため、反射防止効果を低減させる原因
となっていた。
【0013】一方、透明プラスチックフィルム上の最表
面に反射防止層を形成した前記従来の反射防止フィルム
は、低屈折率層の厚みが約0.1μm前後と薄いため、
形成された反射防止フィルムはハード性能に劣り、傷付
きやすいという問題があった。
面に反射防止層を形成した前記従来の反射防止フィルム
は、低屈折率層の厚みが約0.1μm前後と薄いため、
形成された反射防止フィルムはハード性能に劣り、傷付
きやすいという問題があった。
【0014】そこで本発明の目的は、反射防止性と同時
にハード性能を付与し、かつ内部の各層間の界面におけ
る光の反射を低減することができ、更に低屈折率層とハ
ードコート層の層間密着性に優れた、反射防止効果の高
い反射防止フィルム、及び前記反射防止フィルムを用い
た偏光板及び液晶表示装置を提供することを目的とす
る。
にハード性能を付与し、かつ内部の各層間の界面におけ
る光の反射を低減することができ、更に低屈折率層とハ
ードコート層の層間密着性に優れた、反射防止効果の高
い反射防止フィルム、及び前記反射防止フィルムを用い
た偏光板及び液晶表示装置を提供することを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記した問題点を解決す
るために、本発明の反射防止フィルムは、透明基材フィ
ルムの表裏面の少なくとも一方の面にバインダー樹脂を
主体とするハードコート層が形成され、前記ハードコー
ト層上に、前記ハードコート層よりも低い屈折率を有す
る低屈折率層が形成されてなる反射防止フィルムにおい
て、前記低屈折率層は異なる2種類の第1低屈折率層、
第2低屈折率層がこの順に積層されて形成されており、
かつ前記ハードコート層の屈折率が、前記ハードコート
層の、前記低屈折率層が接している面とは反対側の面に
接している層(例えば透明基材フィルム、プライマー
層、接着剤層、第2ハードコート層等)の屈折率よりも
高いことを特徴とする。
るために、本発明の反射防止フィルムは、透明基材フィ
ルムの表裏面の少なくとも一方の面にバインダー樹脂を
主体とするハードコート層が形成され、前記ハードコー
ト層上に、前記ハードコート層よりも低い屈折率を有す
る低屈折率層が形成されてなる反射防止フィルムにおい
て、前記低屈折率層は異なる2種類の第1低屈折率層、
第2低屈折率層がこの順に積層されて形成されており、
かつ前記ハードコート層の屈折率が、前記ハードコート
層の、前記低屈折率層が接している面とは反対側の面に
接している層(例えば透明基材フィルム、プライマー
層、接着剤層、第2ハードコート層等)の屈折率よりも
高いことを特徴とする。
【0016】図1は本発明の基本的な層構成を示すもの
であり、1は透明基材フィルム、2はハードコート層、
3は低屈折率層、4は第1低屈折率層、5は第2低屈折
率層である。
であり、1は透明基材フィルム、2はハードコート層、
3は低屈折率層、4は第1低屈折率層、5は第2低屈折
率層である。
【0017】前記本発明の反射防止フィルムは、前記第
1層又は第2層のいずれか一方がSiOx からなること
が望ましく、前記第1低屈折率層及び第2低屈折率層の
組合せとしては例えば、第1低屈折率層:MgF2 、
第2低屈折率層:SiOx 、第1低屈折率層:SiO
x 、第2低屈折率層:MgF2 、が考えられる。又、前
記第1屈折率層及び第2低屈折率層の膜厚がそれぞれ1
0〜100nmであることが望ましく、更にその合計の
膜厚が50〜200nmであることが望ましい。
1層又は第2層のいずれか一方がSiOx からなること
が望ましく、前記第1低屈折率層及び第2低屈折率層の
組合せとしては例えば、第1低屈折率層:MgF2 、
第2低屈折率層:SiOx 、第1低屈折率層:SiO
x 、第2低屈折率層:MgF2 、が考えられる。又、前
記第1屈折率層及び第2低屈折率層の膜厚がそれぞれ1
0〜100nmであることが望ましく、更にその合計の
膜厚が50〜200nmであることが望ましい。
【0018】又、前記第1低屈折率層及び第2低屈折率
層は気相法により形成することができ、前記気相法とし
て望ましくはプラズマCVD法を用いることができる。
層は気相法により形成することができ、前記気相法とし
て望ましくはプラズマCVD法を用いることができる。
【0019】又、前記バインダー樹脂の光性分子又は原
子として、(1)芳香族環、(2)F以外のハロゲン原
子、(3)S、N、Pの原子、から選ばれた1種あるい
は2種類以上の分子及び/又は原子を含むものを用いる
ことができ、更に熱硬化型樹脂及び/又は電離放射線硬
化型樹脂を用いることもできる。
子として、(1)芳香族環、(2)F以外のハロゲン原
子、(3)S、N、Pの原子、から選ばれた1種あるい
は2種類以上の分子及び/又は原子を含むものを用いる
ことができ、更に熱硬化型樹脂及び/又は電離放射線硬
化型樹脂を用いることもできる。
【0020】又、前記ハードコート層の膜厚は0.5μ
m以上でよく、前記バインダー樹脂の屈折率よりも高い
屈折率1.5以上の高屈折率超微粒子(例えば、Zn
O、TiO2 、Ce2 O3 、Sb2 O5 、SnO2 、I
TO、CeO2 等)を含んでいてもよい。
m以上でよく、前記バインダー樹脂の屈折率よりも高い
屈折率1.5以上の高屈折率超微粒子(例えば、Zn
O、TiO2 、Ce2 O3 、Sb2 O5 、SnO2 、I
TO、CeO2 等)を含んでいてもよい。
【0021】又、本発明の偏光板は、前記本発明の反射
防止フィルムが偏光素子にラミネートされていることを
特徴とする。
防止フィルムが偏光素子にラミネートされていることを
特徴とする。
【0022】又、本発明の液晶表示装置は、前記本発明
の偏光板が液晶表示装置の構成要素として用いられてい
ることを特徴とする。以下に、本発明の各構成につい
て、更に具体的な詳細な説明をする。
の偏光板が液晶表示装置の構成要素として用いられてい
ることを特徴とする。以下に、本発明の各構成につい
て、更に具体的な詳細な説明をする。
【0023】透明基材フィルム 透明基材フィルムとしては、トリアセチルセルロースフ
ィルム、ジアセチルセルロースフィルム、アセテートブ
チレートセルロースフィルム、ポリエーテルサルホンフ
ィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系
樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネー
トフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィ
ルム、トリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケト
ンフィルム、(メタ)アクリロニトリルフィルム等が使
用できるが、特に、トリアセチルセルロースフィルム、
及び一軸延伸ポリエステルが透明性に優れ、光学的に異
方性がない点で好適に用いられる。その厚みは通常8μ
m〜1000μm程度のものが好適に用いられる。
ィルム、ジアセチルセルロースフィルム、アセテートブ
チレートセルロースフィルム、ポリエーテルサルホンフ
ィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系
樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネー
トフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィ
ルム、トリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケト
ンフィルム、(メタ)アクリロニトリルフィルム等が使
用できるが、特に、トリアセチルセルロースフィルム、
及び一軸延伸ポリエステルが透明性に優れ、光学的に異
方性がない点で好適に用いられる。その厚みは通常8μ
m〜1000μm程度のものが好適に用いられる。
【0024】ハードコート層 ハードコート層に用いることのできるバインダー樹脂に
は、透明性のあるものであればどのような樹脂(例え
ば、熱可塑性樹脂、熱硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹
脂等)でも使用することができる。ハード性能を付与す
るためには、ハードコート層の厚みは0.5μm以上、
好ましくは、3μm以上とすることにより硬度を維持す
ることができ、反射防止フィルムにハード性能を付与す
ることができる。
は、透明性のあるものであればどのような樹脂(例え
ば、熱可塑性樹脂、熱硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹
脂等)でも使用することができる。ハード性能を付与す
るためには、ハードコート層の厚みは0.5μm以上、
好ましくは、3μm以上とすることにより硬度を維持す
ることができ、反射防止フィルムにハード性能を付与す
ることができる。
【0025】尚、本発明において、「ハード性能を付与
する」あるいは「ハードコート」とは、JISK540
0に示される鉛筆硬度試験で、H以上の硬度を示すもの
をいう。
する」あるいは「ハードコート」とは、JISK540
0に示される鉛筆硬度試験で、H以上の硬度を示すもの
をいう。
【0026】又、ハードコート層の硬度をより向上させ
るためには、ハードコート層に使用するバインダー樹脂
には、反応硬化型樹脂、即ち、熱硬化型樹脂及び/又は
電離放射線硬化型樹脂を用いることが望ましい。前記熱
硬化型樹脂には、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリル
フタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹
脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹
脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が使用され、これ
らの樹脂に必要に応じて、架橋剤、重合開始剤等の硬化
剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤等を加えて使用す
る。
るためには、ハードコート層に使用するバインダー樹脂
には、反応硬化型樹脂、即ち、熱硬化型樹脂及び/又は
電離放射線硬化型樹脂を用いることが望ましい。前記熱
硬化型樹脂には、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリル
フタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹
脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹
脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が使用され、これ
らの樹脂に必要に応じて、架橋剤、重合開始剤等の硬化
剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤等を加えて使用す
る。
【0027】又、前記電離放射線硬化型樹脂としては、
好ましくは、アクリレート系の官能基を有するもの、例
えば、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテ
ル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、
アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエ
ン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等
の多官能化合物の(メタ)アクリレート等のオリゴマー
又はプレポリマー及び反応性希釈剤としてエチル(メ
タ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン
等の単官能モノマー並びに多官能モノマー、例えば、ト
リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキ
サンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキ
サ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート等を比較的多量に含有するものが使用
できる。
好ましくは、アクリレート系の官能基を有するもの、例
えば、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテ
ル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、
アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエ
ン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等
の多官能化合物の(メタ)アクリレート等のオリゴマー
又はプレポリマー及び反応性希釈剤としてエチル(メ
タ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン
等の単官能モノマー並びに多官能モノマー、例えば、ト
リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキ
サンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキ
サ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート等を比較的多量に含有するものが使用
できる。
【0028】特に好適には、ポリエステルアクリレート
とポリウレタンアクリレートの混合物が用いられる。そ
の理由は、ポリエステルアクリレートは塗膜が非常に硬
くてハードコートを得るのに適しているが、ポリエステ
ルアクリレート単独ではその塗膜は衝撃性が低く、脆く
なるので、塗膜に耐衝撃性及び柔軟性を与えるためにポ
リウレタンアクリレートを併用する。ポリエステルアク
リレート100重量部に対するポリウレタンアクリレー
トの配合割合は30重量部以下とする。この値を越える
と塗膜が柔らかすぎてハード性がなくなってしまうから
である。
とポリウレタンアクリレートの混合物が用いられる。そ
の理由は、ポリエステルアクリレートは塗膜が非常に硬
くてハードコートを得るのに適しているが、ポリエステ
ルアクリレート単独ではその塗膜は衝撃性が低く、脆く
なるので、塗膜に耐衝撃性及び柔軟性を与えるためにポ
リウレタンアクリレートを併用する。ポリエステルアク
リレート100重量部に対するポリウレタンアクリレー
トの配合割合は30重量部以下とする。この値を越える
と塗膜が柔らかすぎてハード性がなくなってしまうから
である。
【0029】更に、上記の電離放射線硬化型樹脂を紫外
線硬化型樹脂とするには、この中に光重合開始剤とし
て、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベ
ンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テ
トラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン
類や、光増感剤として、n−ブチルアミン、トリエチル
アミン、トリ−n−ブチルホスフィン等を混合して用い
ることができる。特に本発明では、オリゴマーとしてウ
レタンアクリレート、モノマーとしてジペンタエリスリ
トールヘキサアクリレート等を混合するのが望ましい。
線硬化型樹脂とするには、この中に光重合開始剤とし
て、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベ
ンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テ
トラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン
類や、光増感剤として、n−ブチルアミン、トリエチル
アミン、トリ−n−ブチルホスフィン等を混合して用い
ることができる。特に本発明では、オリゴマーとしてウ
レタンアクリレート、モノマーとしてジペンタエリスリ
トールヘキサアクリレート等を混合するのが望ましい。
【0030】特に、電離放射線硬化型樹脂100重量部
に対し、溶剤乾燥型樹脂を10重量部以上100重量部
以下含ませるのが好ましい。前記溶剤乾燥型樹脂には、
主として熱可塑性樹脂が用いられる。電離放射線硬化型
樹脂に添加する溶剤乾燥型樹脂の種類は通常用いられる
ものが使用されるが、特に、電離放射線硬化型樹脂にポ
リエステルアクリレートとポリウレタンアクリレートの
混合物を使用した場合には、使用する溶剤乾燥型樹脂に
はポリメタクリル酸メチルアクリレート又はポリメタク
リル酸ブチルアクリレートが塗膜の硬度を高く保つこと
ができる。しかも、この場合、主たる電離放射線硬化型
樹脂との屈折率が近いので塗膜の透明性を損なわず、透
明性、特に、低ヘイズ値、高透過率、又、相溶性の点に
おいて有利である。
に対し、溶剤乾燥型樹脂を10重量部以上100重量部
以下含ませるのが好ましい。前記溶剤乾燥型樹脂には、
主として熱可塑性樹脂が用いられる。電離放射線硬化型
樹脂に添加する溶剤乾燥型樹脂の種類は通常用いられる
ものが使用されるが、特に、電離放射線硬化型樹脂にポ
リエステルアクリレートとポリウレタンアクリレートの
混合物を使用した場合には、使用する溶剤乾燥型樹脂に
はポリメタクリル酸メチルアクリレート又はポリメタク
リル酸ブチルアクリレートが塗膜の硬度を高く保つこと
ができる。しかも、この場合、主たる電離放射線硬化型
樹脂との屈折率が近いので塗膜の透明性を損なわず、透
明性、特に、低ヘイズ値、高透過率、又、相溶性の点に
おいて有利である。
【0031】又、透明基材フィルムとして、特にトリア
セチルセルロース等のセルロース系樹脂を用いる時に
は、電離放射線硬化型樹脂に含ませる溶剤乾燥型樹脂に
は、ニトロセルロース、アセチルセルロース、セルロー
スアセテートプロピオネート、エチルヒドロキシエチル
セルロース等のセルロース系樹脂が塗膜の密着性及び透
明性の点で有利である。
セチルセルロース等のセルロース系樹脂を用いる時に
は、電離放射線硬化型樹脂に含ませる溶剤乾燥型樹脂に
は、ニトロセルロース、アセチルセルロース、セルロー
スアセテートプロピオネート、エチルヒドロキシエチル
セルロース等のセルロース系樹脂が塗膜の密着性及び透
明性の点で有利である。
【0032】その理由は、上記のセルロース系樹脂に溶
媒としてトルエンを使用した場合、透明基材フィルムで
あるトリアセチルセルロースの非溶解性の溶剤であるト
ルエンを用いるにもかかわらず、透明基材フィルム上に
この溶剤乾燥型樹脂を含む塗料の塗布を行なっても、透
明基材フィルム上と塗膜樹脂との密着性を良好にするこ
とができ、しかもこのトルエンは、透明基材フィルムで
あるトリアセチルセルロースフィルムを溶解しないの
で、透明基材フィルムの表面は白化せず、透明性が保た
れる利点があるからである。
媒としてトルエンを使用した場合、透明基材フィルムで
あるトリアセチルセルロースの非溶解性の溶剤であるト
ルエンを用いるにもかかわらず、透明基材フィルム上に
この溶剤乾燥型樹脂を含む塗料の塗布を行なっても、透
明基材フィルム上と塗膜樹脂との密着性を良好にするこ
とができ、しかもこのトルエンは、透明基材フィルムで
あるトリアセチルセルロースフィルムを溶解しないの
で、透明基材フィルムの表面は白化せず、透明性が保た
れる利点があるからである。
【0033】ハードコート層の形成には透明基材フィル
ム上への塗布による方法又は転写により透明基材フィル
ム上に転写する方法が利用できる。
ム上への塗布による方法又は転写により透明基材フィル
ム上に転写する方法が利用できる。
【0034】前者の塗布による方法には、透明基材フィ
ルム上に直接又は他の層を介して、例えばグラビアリバ
ースコート法等により前記ハードコート用の樹脂組成物
を塗布し、次いで加熱処理及び/又は電離放射線照射処
理を行なって、該塗膜を硬化させて形成することができ
る。又、この上記ハードコート層の硬化の際に、更に平
滑な透明賦型フィルムを積層し、硬化後にこの透明賦型
フィルムを剥離して形成してもよい。
ルム上に直接又は他の層を介して、例えばグラビアリバ
ースコート法等により前記ハードコート用の樹脂組成物
を塗布し、次いで加熱処理及び/又は電離放射線照射処
理を行なって、該塗膜を硬化させて形成することができ
る。又、この上記ハードコート層の硬化の際に、更に平
滑な透明賦型フィルムを積層し、硬化後にこの透明賦型
フィルムを剥離して形成してもよい。
【0035】又、後者の転写による方法には、表面が平
滑な転写フィルム上に、前記ハードコート層用の樹脂組
成物、例えばグラビアリバースコート法等により塗工し
て塗膜を形成し、一方、透明基材フィルムの表裏面の少
なくとも一面に、直接又は他の層を介して、前記工程の
塗膜が形成された転写フィルムを、その塗膜を内側にし
てラミネートし、このラミネート物に対して加熱処理及
び/又は電離放射線照射処理を行なって、該塗膜を硬化
させ、その後、塗膜の硬化したラミネート物から前記転
写フィルムを剥離して形成することができる。尚、上記
転写法による方法は、該塗膜の硬化をラミネート前に行
なってもよい。
滑な転写フィルム上に、前記ハードコート層用の樹脂組
成物、例えばグラビアリバースコート法等により塗工し
て塗膜を形成し、一方、透明基材フィルムの表裏面の少
なくとも一面に、直接又は他の層を介して、前記工程の
塗膜が形成された転写フィルムを、その塗膜を内側にし
てラミネートし、このラミネート物に対して加熱処理及
び/又は電離放射線照射処理を行なって、該塗膜を硬化
させ、その後、塗膜の硬化したラミネート物から前記転
写フィルムを剥離して形成することができる。尚、上記
転写法による方法は、該塗膜の硬化をラミネート前に行
なってもよい。
【0036】本発明によるハードコート層は、塗布によ
る塗膜であるので、その膜厚は上記したように0.5μ
m以上であり、気相法(例えば、真空蒸着、スパッタリ
ング、イオンプレーティング、プラズマCVD法等)に
よる膜厚に比べて厚い。よって得られた反射防止フィル
ムにはハード性能が付与される。
る塗膜であるので、その膜厚は上記したように0.5μ
m以上であり、気相法(例えば、真空蒸着、スパッタリ
ング、イオンプレーティング、プラズマCVD法等)に
よる膜厚に比べて厚い。よって得られた反射防止フィル
ムにはハード性能が付与される。
【0037】ハードコート層の屈折率を高くするために
は、高屈折率を持つバインダー樹脂を使用するか、ハー
ドコート層に用いられるバインダー樹脂の屈折率よりも
高い屈折率を有する高屈折率微粒子をバインダー樹脂に
添加することによって行なうか、あるいはこれらを併用
することによって行なう。
は、高屈折率を持つバインダー樹脂を使用するか、ハー
ドコート層に用いられるバインダー樹脂の屈折率よりも
高い屈折率を有する高屈折率微粒子をバインダー樹脂に
添加することによって行なうか、あるいはこれらを併用
することによって行なう。
【0038】前記高屈折率を持つバインダー樹脂には、
芳香環を含む樹脂、F以外のハロゲン化元素、例え
ば、Br、I、Cl等を含む樹脂、S、N、P等の原
子を含む樹脂等が挙げられ、これらの少なくとも一つの
条件を満足する樹脂が高屈折率となるために望ましい。
芳香環を含む樹脂、F以外のハロゲン化元素、例え
ば、Br、I、Cl等を含む樹脂、S、N、P等の原
子を含む樹脂等が挙げられ、これらの少なくとも一つの
条件を満足する樹脂が高屈折率となるために望ましい。
【0039】前記の樹脂の例には、ポリスチレン等の
スチロール系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ビニルカルバゾール、ビスフェノールAのポリカーボネ
ート等が挙げられる。
スチロール系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ビニルカルバゾール、ビスフェノールAのポリカーボネ
ート等が挙げられる。
【0040】前記の樹脂の例には、ポリ塩化ビニル、
ポリテトラブロモビスフェノールAグリシジルエーテル
等が挙げられる。
ポリテトラブロモビスフェノールAグリシジルエーテル
等が挙げられる。
【0041】前記高屈折率微粒子には、例えば、ZnO
(屈折率1.90)、TiO2 (屈折率2.3〜2.
7)、CeO2 (屈折率1.95)、Sb2 O5 (屈折
率、1.71)SnO2 、ITO(屈折率1.95)、
Y2 O3 (屈折率1.87)、La2 O3 (屈折率1.
95)、ZrO2 (屈折率2.05)、Al2 O3 (屈
折率1.63)等が挙げられる。これらの高屈折率微粒
子のうち、望ましくはZnO、TiO2 、CeO2 等を
用いることにより、本発明の反射防止フィルムにUV遮
蔽効果が更に付与されるので好ましい。又、アンチモン
がドープされたSnO2 あるいはITOを用いることに
より、電子伝導性が向上し、帯電防止効果によるほこり
の付着防止、或いは本発明の反射防止フィルムをCRT
に用いた場合の電磁波シールド効果が得られるので好ま
しい。高屈折微粒子の粒径は、ハードコート層を透明と
するためには400nm以下であることが好ましい。
(屈折率1.90)、TiO2 (屈折率2.3〜2.
7)、CeO2 (屈折率1.95)、Sb2 O5 (屈折
率、1.71)SnO2 、ITO(屈折率1.95)、
Y2 O3 (屈折率1.87)、La2 O3 (屈折率1.
95)、ZrO2 (屈折率2.05)、Al2 O3 (屈
折率1.63)等が挙げられる。これらの高屈折率微粒
子のうち、望ましくはZnO、TiO2 、CeO2 等を
用いることにより、本発明の反射防止フィルムにUV遮
蔽効果が更に付与されるので好ましい。又、アンチモン
がドープされたSnO2 あるいはITOを用いることに
より、電子伝導性が向上し、帯電防止効果によるほこり
の付着防止、或いは本発明の反射防止フィルムをCRT
に用いた場合の電磁波シールド効果が得られるので好ま
しい。高屈折微粒子の粒径は、ハードコート層を透明と
するためには400nm以下であることが好ましい。
【0042】ハードコート層にバインダー樹脂として電
離放射線硬化型樹脂が使用される場合には、その硬化方
法、即ち、電子線、又は紫外線の照射によって硬化する
ことができる。例えば、電子線硬化の場合にはコックロ
フトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コ
ア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の
各種電子線加速器から放出される50〜1000Ke
V、好ましくは100〜300KeVのエネルギーを有
する電子線等が使用され、紫外線硬化の場合には超高圧
水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアー
ク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等
が使用できる。
離放射線硬化型樹脂が使用される場合には、その硬化方
法、即ち、電子線、又は紫外線の照射によって硬化する
ことができる。例えば、電子線硬化の場合にはコックロ
フトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コ
ア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の
各種電子線加速器から放出される50〜1000Ke
V、好ましくは100〜300KeVのエネルギーを有
する電子線等が使用され、紫外線硬化の場合には超高圧
水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアー
ク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等
が使用できる。
【0043】低屈折率層 前記したハードコート層上に接して低屈折率層が形成さ
れている。この低屈折率層の屈折率nL は、ハードコー
ト層の屈折率nH に比べて低い範囲のものであることは
勿論であるが、前記式(1)及び式(2)から明らかな
ように、低屈折率層の厚みをhL とすると、下記の式
(3)下記の式(4)
れている。この低屈折率層の屈折率nL は、ハードコー
ト層の屈折率nH に比べて低い範囲のものであることは
勿論であるが、前記式(1)及び式(2)から明らかな
ように、低屈折率層の厚みをhL とすると、下記の式
(3)下記の式(4)
【0044】
【数3】nL =√nH 式(3)
【0045】
【数4】nL hL =λO /4 式(4)の関係を満
たすように近づく程、反射防止効果は向上する。
たすように近づく程、反射防止効果は向上する。
【0046】低屈折率層の合計の膜厚は、上記式(3)
及び(4)を満たすように選択されることが望ましい
が、膜強度の確保等を考慮すると、50〜200nm、
好ましくは80〜150nm程度にすることが望まし
い。50nm未満だと上記式(4)による、反射を防止
すべき中心波長が可視光領域よりも短波長にずれるた
め、反射防止効果が著しく低下してしまい、200nm
を越えると上記式(4)による、反射を防止すべき中心
波長が可視光領域よりも長波長にずれるため、反射防止
効果が著しく低下してしまう。
及び(4)を満たすように選択されることが望ましい
が、膜強度の確保等を考慮すると、50〜200nm、
好ましくは80〜150nm程度にすることが望まし
い。50nm未満だと上記式(4)による、反射を防止
すべき中心波長が可視光領域よりも短波長にずれるた
め、反射防止効果が著しく低下してしまい、200nm
を越えると上記式(4)による、反射を防止すべき中心
波長が可視光領域よりも長波長にずれるため、反射防止
効果が著しく低下してしまう。
【0047】低屈折率層の形成に使用される低屈折率材
料は、上記条件を満たすものであれば何でもよく、無機
材料は、硬度が高く、気相法により膜を形成できるの
で、好適に使用される。
料は、上記条件を満たすものであれば何でもよく、無機
材料は、硬度が高く、気相法により膜を形成できるの
で、好適に使用される。
【0048】上記低屈折率無機材料としては、例えば、
LiF(屈折率1.4)、MgF2(屈折率1.4)、
3NaF・AlF3 (屈折率1.4)AlF3 (屈折率
1.4)、NaMgF3 (屈折率1.36)、Na3 A
lF6 (氷晶石、屈折率1.33)、SiOx (x:
1.8<x<2.2、屈折率1.40〜1.46)等が
挙げられる。
LiF(屈折率1.4)、MgF2(屈折率1.4)、
3NaF・AlF3 (屈折率1.4)AlF3 (屈折率
1.4)、NaMgF3 (屈折率1.36)、Na3 A
lF6 (氷晶石、屈折率1.33)、SiOx (x:
1.8<x<2.2、屈折率1.40〜1.46)等が
挙げられる。
【0049】低屈折率層の形成方法としては、気相法が
好ましく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イ
オンプレーティング法、プラズマCVD法等により形成
することが望ましい。特にSiOx により形成した膜、
更に望ましくはプラズマCVD法で形成した膜は、膜の
硬度が良好であり、耐擦傷性の膜となり、更に他の樹脂
層との密着性に優れ、透明基材フィルムへの熱ダメージ
を他の気相法に比べて低減できるので好ましい。
好ましく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イ
オンプレーティング法、プラズマCVD法等により形成
することが望ましい。特にSiOx により形成した膜、
更に望ましくはプラズマCVD法で形成した膜は、膜の
硬度が良好であり、耐擦傷性の膜となり、更に他の樹脂
層との密着性に優れ、透明基材フィルムへの熱ダメージ
を他の気相法に比べて低減できるので好ましい。
【0050】本発明の反射防止フィルムにおいて、図1
に示すように、低屈折率層3は異なる2種類の第1低屈
折率層4、及び第2低屈折率層5がこの順に積層されて
構成されている。この第1低屈折率層4及び第2低屈折
率層5は上記したような低屈折率無機材料のうちから異
なる2種類を用いて形成すればよいが、膜強度、密着
性、耐擦傷性等を考慮すると、前記2層の低屈折率層の
うち、どちらか一方の層がSiOx 膜であることが望ま
しい。
に示すように、低屈折率層3は異なる2種類の第1低屈
折率層4、及び第2低屈折率層5がこの順に積層されて
構成されている。この第1低屈折率層4及び第2低屈折
率層5は上記したような低屈折率無機材料のうちから異
なる2種類を用いて形成すればよいが、膜強度、密着
性、耐擦傷性等を考慮すると、前記2層の低屈折率層の
うち、どちらか一方の層がSiOx 膜であることが望ま
しい。
【0051】第1低屈折率層4にSiOx を用いた場合
は、反射防止フィルムの強度が増すとともに、ハードコ
ート層2との密着性に優れた低屈折率層を形成すること
ができる。
は、反射防止フィルムの強度が増すとともに、ハードコ
ート層2との密着性に優れた低屈折率層を形成すること
ができる。
【0052】又、第2低屈折率層5にSiOx を用いた
場合には、反射防止フィルムの強度が増し、下層の第1
低屈折率層との密着性もよく、更に表面の耐擦傷性に優
れ、下層の第1低屈折率層へ蒸着粒子が衝突することに
より、第1低屈折率層の膜強度が増加した反射防止フィ
ルムを得ることができる。
場合には、反射防止フィルムの強度が増し、下層の第1
低屈折率層との密着性もよく、更に表面の耐擦傷性に優
れ、下層の第1低屈折率層へ蒸着粒子が衝突することに
より、第1低屈折率層の膜強度が増加した反射防止フィ
ルムを得ることができる。
【0053】又、SiOx 膜は第1低屈折率層として用
いるよりも第2低屈折率層として用いた方が若干反射防
止効果が高い。
いるよりも第2低屈折率層として用いた方が若干反射防
止効果が高い。
【0054】上記したSiOx 膜だけでは屈折率があま
り低くないため、光学的反射防止効果に乏しいため、S
iOx よりも低い屈折率を有する低屈折率無機材料で、
もう一方の低屈折率層を形成する。この場合、特にMg
F2 を用いると、耐水性が付与される上に、低電力で蒸
着することができるため、透明基材フィルムへの熱ダメ
ージが少ない点で好ましい。
り低くないため、光学的反射防止効果に乏しいため、S
iOx よりも低い屈折率を有する低屈折率無機材料で、
もう一方の低屈折率層を形成する。この場合、特にMg
F2 を用いると、耐水性が付与される上に、低電力で蒸
着することができるため、透明基材フィルムへの熱ダメ
ージが少ない点で好ましい。
【0055】上記第1低屈折率層及び第2低屈折率層の
膜厚はそれぞれ、光学的特性機能及び機械的強度発現の
点等から10〜100nmが望ましい。又、上記2層の
合計の理想的な膜厚は上述したが、上記2層各々の膜の
特性をバランスよく発現させるためには、上記2層の膜
厚は互いに等しいことが望ましい。
膜厚はそれぞれ、光学的特性機能及び機械的強度発現の
点等から10〜100nmが望ましい。又、上記2層の
合計の理想的な膜厚は上述したが、上記2層各々の膜の
特性をバランスよく発現させるためには、上記2層の膜
厚は互いに等しいことが望ましい。
【0056】他の層 本発明の反射防止フィルムには、上記した各層の他に、
各機能性を付与するための層を更に設けることができ
る。例えば、透明基材フィルム〜ハードコート層間の密
着性を接着性を向上させる等の理由で、透明基材フィル
ム上にプライマー層や、あるいは接着剤層を設けたり、
又、ハード性能向上のためにハードコート層を複数層設
けてもよい。上記のように透明基材フィルム〜ハードコ
ート層間にに形成される他の層の屈折率は、透明基材フ
ィルムの屈折率とハードコート層の屈折率との中間の値
とすることが好ましい。
各機能性を付与するための層を更に設けることができ
る。例えば、透明基材フィルム〜ハードコート層間の密
着性を接着性を向上させる等の理由で、透明基材フィル
ム上にプライマー層や、あるいは接着剤層を設けたり、
又、ハード性能向上のためにハードコート層を複数層設
けてもよい。上記のように透明基材フィルム〜ハードコ
ート層間にに形成される他の層の屈折率は、透明基材フ
ィルムの屈折率とハードコート層の屈折率との中間の値
とすることが好ましい。
【0057】他の層の形成方法は、上記のように透明基
材フィルム上直接又は間接的に塗布して形成してもよ
く、又、透明基材フィルム上にハードコートを転写によ
り形成する場合には、あらかじめ転写フィルム上に形成
したハードコート層上に他の層を塗布して形成し、その
後、透明基材フィルムと転写フィルムとを前記塗布面を
内側にしてラミネートし、次いで転写フィルムを剥離す
ることにより、透明基材フィルムに他の層を転写しても
よい。
材フィルム上直接又は間接的に塗布して形成してもよ
く、又、透明基材フィルム上にハードコートを転写によ
り形成する場合には、あらかじめ転写フィルム上に形成
したハードコート層上に他の層を塗布して形成し、その
後、透明基材フィルムと転写フィルムとを前記塗布面を
内側にしてラミネートし、次いで転写フィルムを剥離す
ることにより、透明基材フィルムに他の層を転写しても
よい。
【0058】本発明の反射防止フィルムの下面には、粘
着剤が塗布されていてもよく、この場合、反射防止フィ
ルムは反射防止すべき対象物、例えば、偏光素子に貼着
して用いることができる。
着剤が塗布されていてもよく、この場合、反射防止フィ
ルムは反射防止すべき対象物、例えば、偏光素子に貼着
して用いることができる。
【0059】偏光板及び液晶表示装置 偏光素子に本発明の反射防止フィルムをラミネートする
ことによって、反射防止性の改善された偏光板とするこ
とができる。この偏光素子には、よう素又は染料により
染色し、延伸してなるポリビニルアルコールフィルム、
ポリビニルホルマーフィルム、ポリビニルアセタールフ
ィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体系ケン化フィル
ム等を用いることができる。このラミネート処理にあた
って接着性を増すため及び静電防止のために、前記反射
防止フィルムの透明基材フィルムが、例えば、トリアセ
チルセルロースフィルムである場合には、トリアセチル
セルロースフィルムにケン化処理を行なう。このケン化
処理は、トリアセチルセルロースフィルムにハードコー
ト層を施す前又は後のどちらでもよい。
ことによって、反射防止性の改善された偏光板とするこ
とができる。この偏光素子には、よう素又は染料により
染色し、延伸してなるポリビニルアルコールフィルム、
ポリビニルホルマーフィルム、ポリビニルアセタールフ
ィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体系ケン化フィル
ム等を用いることができる。このラミネート処理にあた
って接着性を増すため及び静電防止のために、前記反射
防止フィルムの透明基材フィルムが、例えば、トリアセ
チルセルロースフィルムである場合には、トリアセチル
セルロースフィルムにケン化処理を行なう。このケン化
処理は、トリアセチルセルロースフィルムにハードコー
ト層を施す前又は後のどちらでもよい。
【0060】図2に本発明の反射防止フィルムが使用さ
れた偏光板の一例を示す。図中、6は本発明の反射防止
フィルムであり、前記で説明したように透明基材フィル
ムとしてのTACフィルム(トリアセチルセルロースフ
ィルムの略)7、ハードコート層8、第1低屈折率層1
0及び第2低屈折率層11からなる低屈折率層9から形
成されている。該反射防止フィルム6が偏光素子12上
にラミネートされており、一方、偏光素子12の他面に
はTACフィルム13がラミネートされている。この偏
光板の各層間には必要に応じて接着剤層が設けられる。
特にハードコート層8とTACフィルム7との間に、接
着剤層を設けるのが望ましい。この図2に示した偏光板
の層構成は、TACフィルム/偏光素子/反射防止フィ
ルムと簡略に表示することができる。又、本発明の反射
防止フィルムが使用された偏光板の別の例には、偏光素
子12の両面に本発明の反射防止フィルムがラミネート
されたものでもよい。
れた偏光板の一例を示す。図中、6は本発明の反射防止
フィルムであり、前記で説明したように透明基材フィル
ムとしてのTACフィルム(トリアセチルセルロースフ
ィルムの略)7、ハードコート層8、第1低屈折率層1
0及び第2低屈折率層11からなる低屈折率層9から形
成されている。該反射防止フィルム6が偏光素子12上
にラミネートされており、一方、偏光素子12の他面に
はTACフィルム13がラミネートされている。この偏
光板の各層間には必要に応じて接着剤層が設けられる。
特にハードコート層8とTACフィルム7との間に、接
着剤層を設けるのが望ましい。この図2に示した偏光板
の層構成は、TACフィルム/偏光素子/反射防止フィ
ルムと簡略に表示することができる。又、本発明の反射
防止フィルムが使用された偏光板の別の例には、偏光素
子12の両面に本発明の反射防止フィルムがラミネート
されたものでもよい。
【0061】図3に本発明の反射防止フィルムが使用さ
れた液晶表示装置の一例を示す。液晶表示素子14上
に、図2に示した偏光板、即ち、TACフィルム/偏光
素子/反射防止フィルムからなる層構成の偏光板がラミ
ネートされており、また液晶表示素子14の他方の面に
は、TACフィルム/偏光素子/TACフィルムからな
る層構成の偏光板がラミネートされている。又、バック
ライトは図3に示すように、図3の下側から照射され
る。本発明の反射防止フィルムは通常バックライトの出
射側に配置されるが、最下面のTACフィルム13の代
わりに本発明の反射防止フィルムを更に用いてもよい。
尚、STN型の液晶表示装置には、液晶表示素子と偏光
板との間に、位相差板が挿入される。また、この液晶表
示装置の各層間には必要に応じて接着剤層が設けられ
る。
れた液晶表示装置の一例を示す。液晶表示素子14上
に、図2に示した偏光板、即ち、TACフィルム/偏光
素子/反射防止フィルムからなる層構成の偏光板がラミ
ネートされており、また液晶表示素子14の他方の面に
は、TACフィルム/偏光素子/TACフィルムからな
る層構成の偏光板がラミネートされている。又、バック
ライトは図3に示すように、図3の下側から照射され
る。本発明の反射防止フィルムは通常バックライトの出
射側に配置されるが、最下面のTACフィルム13の代
わりに本発明の反射防止フィルムを更に用いてもよい。
尚、STN型の液晶表示装置には、液晶表示素子と偏光
板との間に、位相差板が挿入される。また、この液晶表
示装置の各層間には必要に応じて接着剤層が設けられ
る。
【0062】
〔実施例1〕透明基材フィルムとして厚さ100μmの
PETフィルム(Tタイプ:商品名、東レ製、屈折率
1.62)を用意した。一方、ZnO超微粒子(ZS−
300:商品名、住友セメント製、屈折率1.9)と電
離放射線硬化型樹脂(HN−2:商品名、三菱油化製、
屈折率1.54)を重量比で2:1に混合して得られた
樹脂組成物を、前記PETフィルム上に、7μm/dr
yとなるようにグラビアリバースコートにより塗工し、
電子線を150kVで3Mrad照射し、塗膜を硬化し
て高屈折率のハードコート層を形成した。
PETフィルム(Tタイプ:商品名、東レ製、屈折率
1.62)を用意した。一方、ZnO超微粒子(ZS−
300:商品名、住友セメント製、屈折率1.9)と電
離放射線硬化型樹脂(HN−2:商品名、三菱油化製、
屈折率1.54)を重量比で2:1に混合して得られた
樹脂組成物を、前記PETフィルム上に、7μm/dr
yとなるようにグラビアリバースコートにより塗工し、
電子線を150kVで3Mrad照射し、塗膜を硬化し
て高屈折率のハードコート層を形成した。
【0063】次いで前記ハードコート層上に、下記表1
に示す膜厚にて、SiOx 膜及びMgF2 膜をこの順に
真空蒸着法にて順次形成して低屈折率層を形成し、各々
の反射防止フィルムを得た。
に示す膜厚にて、SiOx 膜及びMgF2 膜をこの順に
真空蒸着法にて順次形成して低屈折率層を形成し、各々
の反射防止フィルムを得た。
【0064】実施例1に対し、比較例として、上記低屈
折率層の代わりに真空蒸着法にてSiOx 膜を1000
Åの厚みに形成した反射防止フィルム、及びMgF2 を
1000Åの厚みに形成した反射防止フィルムを作成
し、全光線透過率(T)、拡散透過率(D)直線透過率
(PT)、ヘイズ値(H=D/T)、及び硬度につい
て、実施例1と比較した。その結果を下記表1に示す。
折率層の代わりに真空蒸着法にてSiOx 膜を1000
Åの厚みに形成した反射防止フィルム、及びMgF2 を
1000Åの厚みに形成した反射防止フィルムを作成
し、全光線透過率(T)、拡散透過率(D)直線透過率
(PT)、ヘイズ値(H=D/T)、及び硬度につい
て、実施例1と比較した。その結果を下記表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】〔実施例2〕厚さ80μmのトリアセチル
セルロースフィルム(F−T−UV−80:商品名、富
士写真フィルム製、屈折率1.49)を透明基材フィル
ムとして用意した。一方、表面が平滑な厚さ50μmの
PETフィルム(T−600:商品名、ダイヤホイル
製)上に、ZnO超微粒子(ZS−300:商品名、住
友セメント製、屈折率1.9)と電離放射線硬化型樹脂
(HN−2:商品名、三菱油化製、屈折率1.54)を
重量比で2:1に混合して得られた樹脂組成物を、7μ
m/dryとなるようにグラビアリバースコートにより
塗工し、電子線を175kVで4Mrad照射し、塗膜
を硬化して高屈折率のハードコート層を形成した。得ら
れたハードコート層上に、接着剤(タケラック:商品
名、武田薬品工業製)を、厚さ4μm/dryとなるよ
うにグラビアリバースコートにより塗工して接着剤層を
形成し、次いでこの接着剤層を介して、前記透明基材フ
ィルム上にラミネートし、40℃で3日間エージングし
た後、前記PETフィルムを剥離して、高屈折率ハード
コート層を得た。
セルロースフィルム(F−T−UV−80:商品名、富
士写真フィルム製、屈折率1.49)を透明基材フィル
ムとして用意した。一方、表面が平滑な厚さ50μmの
PETフィルム(T−600:商品名、ダイヤホイル
製)上に、ZnO超微粒子(ZS−300:商品名、住
友セメント製、屈折率1.9)と電離放射線硬化型樹脂
(HN−2:商品名、三菱油化製、屈折率1.54)を
重量比で2:1に混合して得られた樹脂組成物を、7μ
m/dryとなるようにグラビアリバースコートにより
塗工し、電子線を175kVで4Mrad照射し、塗膜
を硬化して高屈折率のハードコート層を形成した。得ら
れたハードコート層上に、接着剤(タケラック:商品
名、武田薬品工業製)を、厚さ4μm/dryとなるよ
うにグラビアリバースコートにより塗工して接着剤層を
形成し、次いでこの接着剤層を介して、前記透明基材フ
ィルム上にラミネートし、40℃で3日間エージングし
た後、前記PETフィルムを剥離して、高屈折率ハード
コート層を得た。
【0067】次いで前記ハードコート層上に、下記表2
に示す膜厚にて、MgF2 膜を真空蒸着法にてにて形成
し、次いで更にSiOx 膜をプラズマCVD法にて形成
し、各々の反射防止フィルムを得た。
に示す膜厚にて、MgF2 膜を真空蒸着法にてにて形成
し、次いで更にSiOx 膜をプラズマCVD法にて形成
し、各々の反射防止フィルムを得た。
【0068】実施例2に対し、比較例として、上記低屈
折率層の代わりにプラズマCVD法にてSiOx 膜を1
000Åの厚みに形成した反射防止フィルム、及び真空
蒸着法にてMgF2 を1000Åの厚みに形成した反射
防止フィルムを作成し、全光線透過率(T)、拡散透過
率(D)、直線透過率(PT)、ヘイズ値(H=D/
T)、及び硬度について、実施例2と比較した。その結
果を下記表2に示す。
折率層の代わりにプラズマCVD法にてSiOx 膜を1
000Åの厚みに形成した反射防止フィルム、及び真空
蒸着法にてMgF2 を1000Åの厚みに形成した反射
防止フィルムを作成し、全光線透過率(T)、拡散透過
率(D)、直線透過率(PT)、ヘイズ値(H=D/
T)、及び硬度について、実施例2と比較した。その結
果を下記表2に示す。
【0069】
【表2】
【0070】
【発明の効果】本発明の反射防止フィルムによれば、透
明基材フィルム上に形成されたハードコート層上に前記
ハードコート層よりも低い屈折率を有する低屈折率層が
形成されており、かつ、前記低屈折率層は異なる2種類
の層からなり、かつ前記ハードコート層の屈折率が、前
記ハードコート層の、前記低屈折率層が接している面と
は反対側の面に接している層の屈折率よりも高いので、
反射防止性と同時にハード性能を有し、かつそのハード
コート層は接している層の界面における光の反射を低減
することができる。
明基材フィルム上に形成されたハードコート層上に前記
ハードコート層よりも低い屈折率を有する低屈折率層が
形成されており、かつ、前記低屈折率層は異なる2種類
の層からなり、かつ前記ハードコート層の屈折率が、前
記ハードコート層の、前記低屈折率層が接している面と
は反対側の面に接している層の屈折率よりも高いので、
反射防止性と同時にハード性能を有し、かつそのハード
コート層は接している層の界面における光の反射を低減
することができる。
【0071】又、前記したように、低屈折率層を2層構
成とすることにより、低屈折率材料の各々の欠点を相互
に解消することができる。例えば、前記第1低屈折率層
をMgF2 膜、第2低屈折率層をSiOx 膜とした場合
は、反射防止フィルムの強度が増し、更に表面の耐擦傷
性に優れた光学的反射防止効果の高い反射防止フィルム
を得ることができる。
成とすることにより、低屈折率材料の各々の欠点を相互
に解消することができる。例えば、前記第1低屈折率層
をMgF2 膜、第2低屈折率層をSiOx 膜とした場合
は、反射防止フィルムの強度が増し、更に表面の耐擦傷
性に優れた光学的反射防止効果の高い反射防止フィルム
を得ることができる。
【0072】又、第1低屈折率層5をSiOx 膜、第2
低屈折率層をMgF2 膜とした場合には、反射防止フィ
ルムの強度が増すとともに、ハードコート層との密着性
に優れ、更に光学的反射防止効果の高い反射防止フィル
ムを得ることができる。従って、本発明の反射防止フィ
ルムをラミネート、貼着等により積層したもの、例え
ば、偏光板、液晶表示装置は、上記の反射防止効果が付
与される。
低屈折率層をMgF2 膜とした場合には、反射防止フィ
ルムの強度が増すとともに、ハードコート層との密着性
に優れ、更に光学的反射防止効果の高い反射防止フィル
ムを得ることができる。従って、本発明の反射防止フィ
ルムをラミネート、貼着等により積層したもの、例え
ば、偏光板、液晶表示装置は、上記の反射防止効果が付
与される。
【図1】本発明の反射防止フィルムの層構成を示す断面
図である。
図である。
【図2】本発明の反射防止フィルムがラミネートされた
偏光板の層構成を示す断面図である。
偏光板の層構成を示す断面図である。
【図3】本発明の反射防止フィルムがラミネートされた
偏光板を使用した液晶表示装置の層構成を示す断面図で
ある。
偏光板を使用した液晶表示装置の層構成を示す断面図で
ある。
1 透明基材フィルム 2 ハードコート層 3 低屈折率層 4 第1低屈折率層 5 第2低屈折率層 6 反射防止フィルム 7 TAC基材フィルム 8 ハードコート層 9 低屈折率層 10 第1低屈折率層 11 第2低屈折率層 12 偏光素子 13 TACフィルム 14 液晶表示素子
Claims (16)
- 【請求項1】 透明基材フィルムの表裏面の少なくとも
一方の面にバインダー樹脂を主体とするハードコート層
が形成され、前記ハードコート層上に、前記ハードコー
ト層よりも低い屈折率を有する低屈折率層が形成されて
なる反射防止フィルムにおいて、前記低屈折率層は異な
る2種類の第1低屈折率層、第2低屈折率層がこの順に
積層されて形成されており、かつ前記ハードコート層の
屈折率が、前記ハードコート層の、前記低屈折率層が接
している面とは反対側の面に接している層の屈折率より
も高いことを特徴とする反射防止フィルム。 - 【請求項2】 請求項1記載の反射防止フィルムにおい
て、第1低屈折率層又は第2低屈折率層のいずれか一方
がSiOx (x:1.8<x<2.2)からなることを
特徴とする反射防止フィルム。 - 【請求項3】 請求項2記載の反射防止フィルムにおい
て、前記第1低屈折率層がMgF2 で、前記第2低屈折
率層がSiOx からなることを特徴とする反射防止フィ
ルム。 - 【請求項4】 請求項2又記載の反射防止フィルムにお
いて、前記第1低屈折率層がSiOx で、第2低屈折率
層がMgF2 からなることを特徴とする反射防止フィル
ム。 - 【請求項5】 請求項1、2、3、4又は5記載の反射
防止フィルムにおいて、第1低屈折率層及び第2低屈折
率層の膜厚がそれぞれ10〜100nmであることを特
徴とする反射防止フィルム。 - 【請求項6】 請求項1、2、3、4、5、又は6記載
の反射防止フィルムにおいて、前記低屈折率層の合計の
膜厚が50〜200nmであることを特徴とする反射防
止フィルム。 - 【請求項7】 請求項1、2、3、4、5、6、7又は
8記載の反射防止フィルムにおいて、前記低屈折率層が
気相法により形成されていることを特徴とする反射防止
フィルム。 - 【請求項8】 請求項7記載の反射防止フィルムにおい
て、前記気相法がプラズマCVD法であることを特徴と
する反射防止フィルム。 - 【請求項9】 請求項1、2、3、4、5、6、7、又
は8記載の反射防止フィルムにおいて、前記バインダー
樹脂の光性分子又は原子として、(1)芳香族環、
(2)F以外のハロゲン原子、(3)S、N、Pの原
子、から選ばれた1種あるいは2種類以上の分子及び/
又は原子を含むことを特徴とする反射防止フィルム。 - 【請求項10】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
8又は9記載の反射防止フィルムにおいて、前記バイン
ダー樹脂が熱硬化型樹脂及び/又は電離放射線硬化型樹
脂であることを特徴とする反射防止フィルム。 - 【請求項11】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
8、9又は10記載の反射防止フィルムにおいて、前記
ハードコート層の膜厚が0.5μm以上であることを特
徴とする反射防止フィルム。 - 【請求項12】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
8、9、10又は11記載の反射防止フィルムにおい
て、前記ハードコート層が前記バインダー樹脂の屈折率
よりも高い屈折率1.5以上の高屈折率超微粒子を含む
ことを特徴とする反射防止フィルム。 - 【請求項13】 請求項12記載の反射防止フィルムに
おいて、前記高屈折率微粒子はZnO、TiO2 、Ce
2 O3 、Sb2 O5 、SnO2 、ITO、CeO2 から
選ばれた一種以上の微粒子であることを特徴とする反射
防止フィルム。 - 【請求項14】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
8、9、10、11、12又は13記載の反射防止フィ
ルムにおいて、前記透明基材フィルムと前記ハードコー
ト層との間に接着剤層、プライマー層及び/又はハード
コート層が設けられていることを特徴とする反射防止フ
ィルム。 - 【請求項15】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
8、9、10、11、12、13又は14記載の反射防
止フィルムが偏光素子にラミネートされていることを特
徴とする偏光板。 - 【請求項16】 請求項15記載の偏光板が、液晶表示
装置の構成要素として用いられていることを特徴とする
液晶表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6141167A JPH07325202A (ja) | 1994-05-31 | 1994-05-31 | 反射防止フィルム、偏光板及び液晶表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6141167A JPH07325202A (ja) | 1994-05-31 | 1994-05-31 | 反射防止フィルム、偏光板及び液晶表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07325202A true JPH07325202A (ja) | 1995-12-12 |
Family
ID=15285699
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6141167A Pending JPH07325202A (ja) | 1994-05-31 | 1994-05-31 | 反射防止フィルム、偏光板及び液晶表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07325202A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10111411A (ja) * | 1996-10-04 | 1998-04-28 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | 偏光板 |
US7714328B2 (en) * | 2001-12-27 | 2010-05-11 | Seiko Epson Corporation | Apparatus and method for manufacturing electro-optical devices |
US10739502B2 (en) | 2016-12-05 | 2020-08-11 | Samsung Display Co., Ltd. | Photoluminescence device and display panel including the same |
-
1994
- 1994-05-31 JP JP6141167A patent/JPH07325202A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10111411A (ja) * | 1996-10-04 | 1998-04-28 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | 偏光板 |
US7714328B2 (en) * | 2001-12-27 | 2010-05-11 | Seiko Epson Corporation | Apparatus and method for manufacturing electro-optical devices |
US10739502B2 (en) | 2016-12-05 | 2020-08-11 | Samsung Display Co., Ltd. | Photoluminescence device and display panel including the same |
US11567248B2 (en) | 2016-12-05 | 2023-01-31 | Samsung Display Co., Ltd. | Photoluminescence device and display panel including the same |
US12044870B2 (en) | 2016-12-05 | 2024-07-23 | Samsung Display Co., Ltd. | Photoluminescence device and display panel including the same |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20031224 |