JPH08100394A - ビニル壁紙裏打ち用難燃紙 - Google Patents
ビニル壁紙裏打ち用難燃紙Info
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- JPH08100394A JPH08100394A JP23530694A JP23530694A JPH08100394A JP H08100394 A JPH08100394 A JP H08100394A JP 23530694 A JP23530694 A JP 23530694A JP 23530694 A JP23530694 A JP 23530694A JP H08100394 A JPH08100394 A JP H08100394A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】防炎性能に優れ強度の高いビニル壁紙裏打ち用
難燃紙を提供する。 【構成】繊維と無機粉体と難燃性樹脂からなるビニル壁
紙裏打ち用難燃紙において、該難燃紙が(1)ガラス繊
維を0.8〜7重量%、(2)難燃性樹脂を全繊維原料
当たり0.1〜6重量%、(3)無機粉体および無機繊
維を50〜70重量%含有することを特徴とするビニル
壁紙裏打ち用難燃紙である。
難燃紙を提供する。 【構成】繊維と無機粉体と難燃性樹脂からなるビニル壁
紙裏打ち用難燃紙において、該難燃紙が(1)ガラス繊
維を0.8〜7重量%、(2)難燃性樹脂を全繊維原料
当たり0.1〜6重量%、(3)無機粉体および無機繊
維を50〜70重量%含有することを特徴とするビニル
壁紙裏打ち用難燃紙である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はビニル壁紙裏打ち用難燃
紙に関する。更に詳しくは、本発明は難燃性に優れ、シ
ート強度が強く、従って製品の風合いもよく、加工適性
のある無機粉体を主成分とするビニル壁紙裏打ち用難燃
紙に関する。
紙に関する。更に詳しくは、本発明は難燃性に優れ、シ
ート強度が強く、従って製品の風合いもよく、加工適性
のある無機粉体を主成分とするビニル壁紙裏打ち用難燃
紙に関する。
【0002】
【従来の技術】難燃紙は各種壁紙の基紙として広く用い
られており、ビニル壁紙裏打ち紙としても多用されてい
る。難燃紙としては、紙に難燃性物質を塗布あるいは含
浸させたもの、あるいはセルロースパルプと難燃性の無
機繊維や無機粉体とを湿式抄紙して無機物質を50〜9
0重量%含有させたものが一般に使用されている。特に
難燃性を重視する場合、無機物質は70〜90重量%含
有されている。
られており、ビニル壁紙裏打ち紙としても多用されてい
る。難燃紙としては、紙に難燃性物質を塗布あるいは含
浸させたもの、あるいはセルロースパルプと難燃性の無
機繊維や無機粉体とを湿式抄紙して無機物質を50〜9
0重量%含有させたものが一般に使用されている。特に
難燃性を重視する場合、無機物質は70〜90重量%含
有されている。
【0003】このような、高含有率で無機物質を含有
し、難燃性に優れる難燃紙は、塩化ビニルペーストとの
接着性と表面性を改善するため、難燃紙の表面にデンプ
ン、ポリビニルアルコール等の表面処理剤を塗布して、
ビニル壁紙の裏打ち紙として用いられている。
し、難燃性に優れる難燃紙は、塩化ビニルペーストとの
接着性と表面性を改善するため、難燃紙の表面にデンプ
ン、ポリビニルアルコール等の表面処理剤を塗布して、
ビニル壁紙の裏打ち紙として用いられている。
【0004】壁紙には防火性能が付与されることが必要
条件であり、原紙にも防炎性能が求められている。原紙
の防炎性能が優れていれば、化粧層の塩化ビニルペース
トの難燃剤や難燃性フィラーの量を減らすことができ、
それにより壁紙の意匠性を上げることが可能で壁紙のデ
ザイン面でも有利になる。このため防炎性能を上げた壁
紙裏打紙が求められている。
条件であり、原紙にも防炎性能が求められている。原紙
の防炎性能が優れていれば、化粧層の塩化ビニルペース
トの難燃剤や難燃性フィラーの量を減らすことができ、
それにより壁紙の意匠性を上げることが可能で壁紙のデ
ザイン面でも有利になる。このため防炎性能を上げた壁
紙裏打紙が求められている。
【0005】しかし上記のごとく無機粉体を70〜90
重量%含有することにより防炎性能を付与する場合には
当然のことではあるが、かかる基紙のシート強度は低
く、生産工程の高速化等に対応できない欠点がある。
重量%含有することにより防炎性能を付与する場合には
当然のことではあるが、かかる基紙のシート強度は低
く、生産工程の高速化等に対応できない欠点がある。
【0006】特開昭61−28081公報には、繊維と
無機質粉体と難燃性バインダーとからなる難燃性複合シ
ートが開示されており、無機質粉体としては水酸化アル
ミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウ
ムとバインダーとして塩素含量が30〜65重量%であ
り、かつ対定着度定数が20〜100%に調成されたア
ニオン性合成樹脂ラテックスの使用が記載されている。
バインダーの具体例としては塩化ビニリデン系、塩化ビ
ニル・エチレン系、塩化ビニル・エチレン・酢酸ビニル
系、クロロプレン系、塩化ゴム系等の合成樹脂ラテック
スが挙げられている。係るバインダーを使用した難燃性
複合シートの難燃性は向上し、シート強度もそれなりに
向上する。また該公報には繊維として天然パルプや合
成、半合成、再生繊維およびガラス繊維を使用できる旨
の記載はあるが、ガラス繊維を使用した具体例はなく、
難燃性複合シートの難燃性等のシート特性に関する記載
はない。ましてや難燃性バインダーとガラス繊維との相
乗効果については記述されていない。
無機質粉体と難燃性バインダーとからなる難燃性複合シ
ートが開示されており、無機質粉体としては水酸化アル
ミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウ
ムとバインダーとして塩素含量が30〜65重量%であ
り、かつ対定着度定数が20〜100%に調成されたア
ニオン性合成樹脂ラテックスの使用が記載されている。
バインダーの具体例としては塩化ビニリデン系、塩化ビ
ニル・エチレン系、塩化ビニル・エチレン・酢酸ビニル
系、クロロプレン系、塩化ゴム系等の合成樹脂ラテック
スが挙げられている。係るバインダーを使用した難燃性
複合シートの難燃性は向上し、シート強度もそれなりに
向上する。また該公報には繊維として天然パルプや合
成、半合成、再生繊維およびガラス繊維を使用できる旨
の記載はあるが、ガラス繊維を使用した具体例はなく、
難燃性複合シートの難燃性等のシート特性に関する記載
はない。ましてや難燃性バインダーとガラス繊維との相
乗効果については記述されていない。
【0007】また、該公報に記載されている難燃性樹脂
バインダーの樹脂固形分は対繊維原料で請求項では7.
5〜285%、実施例では38〜79%と極めて高く、
該添加率で実際にシートを抄造しようとすると樹脂多添
加により抄紙系内の汚れ発生を誘発しやすく安定操業性
に欠けまたコストも上昇し実用性に欠けると言う問題が
ある。
バインダーの樹脂固形分は対繊維原料で請求項では7.
5〜285%、実施例では38〜79%と極めて高く、
該添加率で実際にシートを抄造しようとすると樹脂多添
加により抄紙系内の汚れ発生を誘発しやすく安定操業性
に欠けまたコストも上昇し実用性に欠けると言う問題が
ある。
【0008】特開平3−897号公報には、セルロース
繊維、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸
化カルシウム等の無機粉体および直径4μm以下のガラ
ス繊維からなる難燃紙の製造方法について記載されてい
る。本発明の趣旨はセルロース繊維に直径4μm以下の
ガラス繊維を0.05〜80重量%添加することによ
り、両繊維間に物理的、化学的相互作用が生じ、更には
両繊維と含水無機化合物との物理的、化学的相互作用に
より含水無機化合物の歩留りが顕著に向上する点にあ
る。特にガラス繊維をごく微量含有せしめるだけで上記
の様な効果が発現される結果、難燃性に悪影響を及ぼす
有機系歩留り向上剤等を使用しなくても含水無機化合物
の紙への歩留りを飛躍的に向上せしめることができ、そ
の結果極めて容易かつ経済的に所望の難燃性を有する難
燃紙が製造できると述べている。従って、明細書には歩
留り向上剤、或いはSBR、NBR、アクリル系のラテ
ックス等の配合もできるとの記載はあるが、本発明の趣
旨に反するためかかる有機系バインダー等の使用例はな
い。ましてや、難燃性樹脂の効果についての記述はな
い。
繊維、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸
化カルシウム等の無機粉体および直径4μm以下のガラ
ス繊維からなる難燃紙の製造方法について記載されてい
る。本発明の趣旨はセルロース繊維に直径4μm以下の
ガラス繊維を0.05〜80重量%添加することによ
り、両繊維間に物理的、化学的相互作用が生じ、更には
両繊維と含水無機化合物との物理的、化学的相互作用に
より含水無機化合物の歩留りが顕著に向上する点にあ
る。特にガラス繊維をごく微量含有せしめるだけで上記
の様な効果が発現される結果、難燃性に悪影響を及ぼす
有機系歩留り向上剤等を使用しなくても含水無機化合物
の紙への歩留りを飛躍的に向上せしめることができ、そ
の結果極めて容易かつ経済的に所望の難燃性を有する難
燃紙が製造できると述べている。従って、明細書には歩
留り向上剤、或いはSBR、NBR、アクリル系のラテ
ックス等の配合もできるとの記載はあるが、本発明の趣
旨に反するためかかる有機系バインダー等の使用例はな
い。ましてや、難燃性樹脂の効果についての記述はな
い。
【0009】また、原紙の防炎性能を上げる方法とし
て、水酸化アルミニウムの様な自己消火性の無機粉体を
10〜80重量%含有するシートに難燃剤を塗布し、あ
るいは難燃剤を塗布することなく前記シートの片面又は
両面に自己消火性の無機粉体とバインダーを主剤とする
塗工層を設けて全体に難燃性を付与した壁紙用基紙も提
案されている(特開平3−161598号公報)。しか
しながらこの壁紙用基紙を製造する方法は、極めて複雑
な工程を経て無機粉体含有シートに無機粉体を追加して
担持させることにより難燃性を付与するものであり、無
機粉体の含有量が多いとシートの強度が弱くなり、一
方、無機粉体の含有量が少ないとシートの強度は向上す
るがシート全体に均一に難燃性を付与することができな
いという欠点がある。
て、水酸化アルミニウムの様な自己消火性の無機粉体を
10〜80重量%含有するシートに難燃剤を塗布し、あ
るいは難燃剤を塗布することなく前記シートの片面又は
両面に自己消火性の無機粉体とバインダーを主剤とする
塗工層を設けて全体に難燃性を付与した壁紙用基紙も提
案されている(特開平3−161598号公報)。しか
しながらこの壁紙用基紙を製造する方法は、極めて複雑
な工程を経て無機粉体含有シートに無機粉体を追加して
担持させることにより難燃性を付与するものであり、無
機粉体の含有量が多いとシートの強度が弱くなり、一
方、無機粉体の含有量が少ないとシートの強度は向上す
るがシート全体に均一に難燃性を付与することができな
いという欠点がある。
【0010】また、填料として平均粒子系0.5〜10
μmの水酸化アルミニウム粉末が、紙匹全体に8〜30
重量%含有され、紙匹を厚さ方向に2分割した場合の一
方の面の填料含有率が15重量%以上であり、pH3〜
6である紙匹に難燃性組成物が付与されているビニル壁
紙裏打ち用難燃紙及びビニル壁紙が提案されている(特
開平1−266298号公報)。しかしながらこの方法
ではスルファミン酸グアニジン、リン酸グアニジン、ス
ルファミン酸アンモニウム、縮合リン酸アルキルエステ
ル誘導体、硫酸グアニジン、硫酸アンモニウム等の難燃
剤を使用するため、難燃紙が加工工程で加熱された場合
に変色が起こる可能性があり、さらに紙のpHが低いた
め耐久性に劣り、製品として好ましくなく、またコスト
も上がる傾向にあるという欠点を有する。平均粒子径の
異なる水酸化アルミニウムの少なくとも2種以上を混合
して湿式抄紙した水酸化アルミニウム含有率40〜60
重量%の原紙に、難燃性組成物を原紙当たり5〜10重
量%塗布したことを特徴とするビニル壁紙裏打ち用難燃
紙も提案されている(特開平4−50400号公報)
が、同様にスルファミン酸グアニジンメチロール化物、
スルファミン酸アンモニウムなどを難燃剤として使用す
るため加熱による変色の可能性がある。
μmの水酸化アルミニウム粉末が、紙匹全体に8〜30
重量%含有され、紙匹を厚さ方向に2分割した場合の一
方の面の填料含有率が15重量%以上であり、pH3〜
6である紙匹に難燃性組成物が付与されているビニル壁
紙裏打ち用難燃紙及びビニル壁紙が提案されている(特
開平1−266298号公報)。しかしながらこの方法
ではスルファミン酸グアニジン、リン酸グアニジン、ス
ルファミン酸アンモニウム、縮合リン酸アルキルエステ
ル誘導体、硫酸グアニジン、硫酸アンモニウム等の難燃
剤を使用するため、難燃紙が加工工程で加熱された場合
に変色が起こる可能性があり、さらに紙のpHが低いた
め耐久性に劣り、製品として好ましくなく、またコスト
も上がる傾向にあるという欠点を有する。平均粒子径の
異なる水酸化アルミニウムの少なくとも2種以上を混合
して湿式抄紙した水酸化アルミニウム含有率40〜60
重量%の原紙に、難燃性組成物を原紙当たり5〜10重
量%塗布したことを特徴とするビニル壁紙裏打ち用難燃
紙も提案されている(特開平4−50400号公報)
が、同様にスルファミン酸グアニジンメチロール化物、
スルファミン酸アンモニウムなどを難燃剤として使用す
るため加熱による変色の可能性がある。
【0011】更に水酸化アルミニウム、水酸化マグネシ
ウム、塩基性炭酸マグネシウム等を40〜90重量%含
有させた上に塩素含量が30〜65重量%あるアニオン
性ラテックスを3〜20重量%併用した難燃性複合シー
トも提案されている(特開昭61−28081号公
報)。しかしながらこの方法ではラテックス多添加によ
り抄紙系内の汚れ発生を誘発しやすく安定操業性に欠け
またコストも上昇し実用性に欠けると言う問題がある。
ウム、塩基性炭酸マグネシウム等を40〜90重量%含
有させた上に塩素含量が30〜65重量%あるアニオン
性ラテックスを3〜20重量%併用した難燃性複合シー
トも提案されている(特開昭61−28081号公
報)。しかしながらこの方法ではラテックス多添加によ
り抄紙系内の汚れ発生を誘発しやすく安定操業性に欠け
またコストも上昇し実用性に欠けると言う問題がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、かかる
現状に鑑み、繊維と無機粉体と難燃性樹脂からなるビニ
ル壁紙裏打ち用難燃紙について、前記従来技術の有する
問題点を解決すべく鋭意検討した結果、難燃紙の強度を
保持し尚且つ防炎性能を上げるためには単に無機粉体の
含有率を上げるだけでは効果がなく、少量の無機繊維や
難燃性樹脂と組み合わせて使用することにより優れた防
炎性能と強度の高い難燃紙が得られると言う結論を得る
に至った。
現状に鑑み、繊維と無機粉体と難燃性樹脂からなるビニ
ル壁紙裏打ち用難燃紙について、前記従来技術の有する
問題点を解決すべく鋭意検討した結果、難燃紙の強度を
保持し尚且つ防炎性能を上げるためには単に無機粉体の
含有率を上げるだけでは効果がなく、少量の無機繊維や
難燃性樹脂と組み合わせて使用することにより優れた防
炎性能と強度の高い難燃紙が得られると言う結論を得る
に至った。
【0013】本発明は少量のガラス繊維と少量の難燃性
樹脂の添加によって難燃性を保持して無機粉体の含有量
を減少せしめ、難燃性樹脂のバインダーとしての効果お
よび有機繊維被覆による難燃性効果によって、難燃紙の
シート強度を高くし、壁紙加工適性の高いビニル壁紙裏
打ち用難燃紙を提供するものである。
樹脂の添加によって難燃性を保持して無機粉体の含有量
を減少せしめ、難燃性樹脂のバインダーとしての効果お
よび有機繊維被覆による難燃性効果によって、難燃紙の
シート強度を高くし、壁紙加工適性の高いビニル壁紙裏
打ち用難燃紙を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、繊維と無
機粉体と難燃性樹脂からなるビニル壁紙裏打ち用難燃紙
において、該難燃紙が(1)ガラス繊維を0.8〜7重
量%、(2)難燃性樹脂を全繊維原料当たり0.1〜6
重量%、(3)無機粉体および無機繊維を50〜70重
量%含有することを特徴とするビニル壁紙裏打ち用難燃
紙である。
機粉体と難燃性樹脂からなるビニル壁紙裏打ち用難燃紙
において、該難燃紙が(1)ガラス繊維を0.8〜7重
量%、(2)難燃性樹脂を全繊維原料当たり0.1〜6
重量%、(3)無機粉体および無機繊維を50〜70重
量%含有することを特徴とするビニル壁紙裏打ち用難燃
紙である。
【0015】本発明に用いられる無機粉体および無機繊
維としてはガラス繊維の他に水酸化アルミニウム、水酸
化マグネシウム等の無機粉体を挙げることができ、これ
らの無機粉体は、加熱により結晶水を放出し、吸熱分解
するために自己消火性を紙に付与できるものである。こ
の無機粉体および無機繊維の含有率は、絶乾全重量当た
り50〜70重量%の範囲であり、この範囲内で他の炭
酸カルシウム、二酸化チタン等の無機物質を併用するこ
ともできる。この無機物質の含有率を70重量%を超え
て多くしても防炎性能はそれ以上上がらず、原紙の強度
の低下が起こるので無機物質の含有率を70重量%を超
えて多くする必要はない。また含有率が50%未満では
所望の難燃性が得られないので適さない。
維としてはガラス繊維の他に水酸化アルミニウム、水酸
化マグネシウム等の無機粉体を挙げることができ、これ
らの無機粉体は、加熱により結晶水を放出し、吸熱分解
するために自己消火性を紙に付与できるものである。こ
の無機粉体および無機繊維の含有率は、絶乾全重量当た
り50〜70重量%の範囲であり、この範囲内で他の炭
酸カルシウム、二酸化チタン等の無機物質を併用するこ
ともできる。この無機物質の含有率を70重量%を超え
て多くしても防炎性能はそれ以上上がらず、原紙の強度
の低下が起こるので無機物質の含有率を70重量%を超
えて多くする必要はない。また含有率が50%未満では
所望の難燃性が得られないので適さない。
【0016】本発明のビニル壁紙裏打ち用難燃紙を構成
する有機繊維としては針葉樹クラフトパルプ、広葉樹ク
ラフトパルプおよびその他の木材パルプの単独パルプあ
るいは二種類以上を配合した混合パルプまたはリンター
パルプ、更にはポリエチレン、ポリエステル等の合成繊
維を挙げることができこれらの中から適宜必要に応じて
選択して用いられる。製造コストの面から有機繊維とし
ては針葉樹クラフトパルプを主成分としこれに必要に応
じて少量の合成繊維が併用される。
する有機繊維としては針葉樹クラフトパルプ、広葉樹ク
ラフトパルプおよびその他の木材パルプの単独パルプあ
るいは二種類以上を配合した混合パルプまたはリンター
パルプ、更にはポリエチレン、ポリエステル等の合成繊
維を挙げることができこれらの中から適宜必要に応じて
選択して用いられる。製造コストの面から有機繊維とし
ては針葉樹クラフトパルプを主成分としこれに必要に応
じて少量の合成繊維が併用される。
【0017】本発明では防炎性を高めるためにガラス繊
維を配合する。ガラス繊維の難燃紙中の含有率は難燃紙
の絶乾全重量に対して0.8〜7重量%、好ましくは1
〜4重量%である。ガラス繊維が0.8重量%より少な
いと着火後の炎の延焼を止めることができず、7重量%
より多くすると地合の崩れが起こり抄紙上好ましくな
い。
維を配合する。ガラス繊維の難燃紙中の含有率は難燃紙
の絶乾全重量に対して0.8〜7重量%、好ましくは1
〜4重量%である。ガラス繊維が0.8重量%より少な
いと着火後の炎の延焼を止めることができず、7重量%
より多くすると地合の崩れが起こり抄紙上好ましくな
い。
【0018】本発明で用いられる繊維原料は水中でマイ
ナス電荷を有する。ここに有機繊維の防炎性を高める目
的で難燃性樹脂をエマルジョンとして添加する。難燃性
樹脂の添加方法としては、あらかじめ繊維原料にカチオ
ン性高分子化合物を添加し、次いで難燃性樹脂を添加し
混合する。難燃性樹脂のエマルジョンとしては、塩化ビ
ニル−エチレン−酢酸ビニルエマルジョン、塩化ビニル
−エチレンエマルジョン、塩化ビニリデンエマルジョン
などがある。また、カチオン性高分子化合物としてはカ
チオン化デンプン、カチオン性ポリアクリルアミド、ポ
リエチレンイミン、ポリアミドポリアミンポリエピクロ
ルヒドリン、カチオン変性グアーガム、カチオン変性ポ
リビニルアルコール、その他のカチオン性高分子化合物
等を挙げることができ、特に限定されない。難燃性樹脂
の難燃紙中の含有率は、難燃紙の絶乾繊維原料重量当た
り0.1〜6重量%の範囲である。難燃性樹脂の含有率
が0.1重量%未満では難燃紙の難燃性の向上効果が小
さく、また、含有率が6重量%を超えて多くなっても防
炎性能の向上効果は頭打ちとなるので過添加する必要は
なく、製造時に抄紙系内の汚れも発生するので適さな
い。
ナス電荷を有する。ここに有機繊維の防炎性を高める目
的で難燃性樹脂をエマルジョンとして添加する。難燃性
樹脂の添加方法としては、あらかじめ繊維原料にカチオ
ン性高分子化合物を添加し、次いで難燃性樹脂を添加し
混合する。難燃性樹脂のエマルジョンとしては、塩化ビ
ニル−エチレン−酢酸ビニルエマルジョン、塩化ビニル
−エチレンエマルジョン、塩化ビニリデンエマルジョン
などがある。また、カチオン性高分子化合物としてはカ
チオン化デンプン、カチオン性ポリアクリルアミド、ポ
リエチレンイミン、ポリアミドポリアミンポリエピクロ
ルヒドリン、カチオン変性グアーガム、カチオン変性ポ
リビニルアルコール、その他のカチオン性高分子化合物
等を挙げることができ、特に限定されない。難燃性樹脂
の難燃紙中の含有率は、難燃紙の絶乾繊維原料重量当た
り0.1〜6重量%の範囲である。難燃性樹脂の含有率
が0.1重量%未満では難燃紙の難燃性の向上効果が小
さく、また、含有率が6重量%を超えて多くなっても防
炎性能の向上効果は頭打ちとなるので過添加する必要は
なく、製造時に抄紙系内の汚れも発生するので適さな
い。
【0019】本発明の難燃紙は、難燃性樹脂を添加した
繊維スラリーと無機粉体のスラリーを混合した後、更に
アニオン性高分子化合物からなる歩留向上助剤、ベント
ナイトクレーの様な無機化合物からなる歩留向上助剤、
サイズ剤、繊維状熱溶融型ビニロンの様なバインダーお
よびその他の抄紙薬品が適宜選択して用いられ抄造され
る。前記アニオン性高分子化合物としては、ポリアクリ
ルアミド、ポリメタクリルアミド、酸化デンプン、その
他のアニオン性高分子化合物等を挙げることができ、ど
れを用いてもよい。前記アニオン性高分子化合物は、絶
乾で全重量当たり0.005〜0.050重量%の範囲
で添加される。
繊維スラリーと無機粉体のスラリーを混合した後、更に
アニオン性高分子化合物からなる歩留向上助剤、ベント
ナイトクレーの様な無機化合物からなる歩留向上助剤、
サイズ剤、繊維状熱溶融型ビニロンの様なバインダーお
よびその他の抄紙薬品が適宜選択して用いられ抄造され
る。前記アニオン性高分子化合物としては、ポリアクリ
ルアミド、ポリメタクリルアミド、酸化デンプン、その
他のアニオン性高分子化合物等を挙げることができ、ど
れを用いてもよい。前記アニオン性高分子化合物は、絶
乾で全重量当たり0.005〜0.050重量%の範囲
で添加される。
【0020】このようにして得られる難燃紙は、更に表
面塗布剤が塗布されるが、その際に塗布剤が原紙の中に
過剰に浸透しないようにするため、前記のように、アル
キルケテンダイマー、スチレンアクリル系エマルジョ
ン、スチレンアミド系エマルジョン等のような内添サイ
ズ剤を添加して抄造される。表面塗布剤が原紙の中に過
剰にしみこむと、難燃紙の層間剥離強度が上がり、壁紙
に加工し、施工した場合に、壁紙の再剥離性が悪くな
る。また、紙表面に塗布剤が留まらないため、表面強度
の向上に寄与する程度が軽減され、そうすると無機粉体
の脱落の防止効果が減少する上、塩化ビニルペーストと
難燃紙表面との密着性も悪化する。また、表面塗布剤の
塗布量が増えてコスト高にもつながる。
面塗布剤が塗布されるが、その際に塗布剤が原紙の中に
過剰に浸透しないようにするため、前記のように、アル
キルケテンダイマー、スチレンアクリル系エマルジョ
ン、スチレンアミド系エマルジョン等のような内添サイ
ズ剤を添加して抄造される。表面塗布剤が原紙の中に過
剰にしみこむと、難燃紙の層間剥離強度が上がり、壁紙
に加工し、施工した場合に、壁紙の再剥離性が悪くな
る。また、紙表面に塗布剤が留まらないため、表面強度
の向上に寄与する程度が軽減され、そうすると無機粉体
の脱落の防止効果が減少する上、塩化ビニルペーストと
難燃紙表面との密着性も悪化する。また、表面塗布剤の
塗布量が増えてコスト高にもつながる。
【0021】本発明においては前記のように、製造され
た難燃紙に表面塗布剤を用いて表面塗布を行うが、その
目的は、難燃紙の表面から無機粉体の脱落を防ぎ、同時
に塩化ビニル加工をする際の塩化ビニルとの密着性をよ
くするためである。本発明に用いる表面塗布剤として
は、デンプン、ポリビニルアルコール、スチレン−ブタ
ジエンゴム系ラテックス、ポリアクリル酸エステルエマ
ルジョン、スチレン−アクリル酸エステルエマルジョ
ン、塩化ビニル−アクリル酸エステルエマルジョン、塩
化ビニル−エチレン−酢酸ビニルエマルジョン、塩化ビ
ニル−エチレンエマルジョン等を挙げることができる。
た難燃紙に表面塗布剤を用いて表面塗布を行うが、その
目的は、難燃紙の表面から無機粉体の脱落を防ぎ、同時
に塩化ビニル加工をする際の塩化ビニルとの密着性をよ
くするためである。本発明に用いる表面塗布剤として
は、デンプン、ポリビニルアルコール、スチレン−ブタ
ジエンゴム系ラテックス、ポリアクリル酸エステルエマ
ルジョン、スチレン−アクリル酸エステルエマルジョ
ン、塩化ビニル−アクリル酸エステルエマルジョン、塩
化ビニル−エチレン−酢酸ビニルエマルジョン、塩化ビ
ニル−エチレンエマルジョン等を挙げることができる。
【0022】これらの表面塗布剤は、前記の化合物を適
宜選択して増粘剤と併用し、表面塗布剤の濃度を10〜
50重量%の水溶液として公知のゲートロールコータ
ー、サイズプレス等によるオンマシン塗布や公知のオフ
マシンコーターによる塗布で前記難燃紙に塗布される。
表面塗布剤を塗布する方法は、難燃紙の表面に均一に塗
布できれば特に限定されない。この時の塗布量は、難燃
紙の片面または両面当たり固形分として4〜10g/m2で
ある。塗布量が4g/m2未満のように少ないと無機粉体の
脱落を防ぐことができず、塗布量を10g/m2を超えて多
くしても無機粉体の脱落防止の効果は頭打ちとなり、ま
たコスト高を招くため適さない。
宜選択して増粘剤と併用し、表面塗布剤の濃度を10〜
50重量%の水溶液として公知のゲートロールコータ
ー、サイズプレス等によるオンマシン塗布や公知のオフ
マシンコーターによる塗布で前記難燃紙に塗布される。
表面塗布剤を塗布する方法は、難燃紙の表面に均一に塗
布できれば特に限定されない。この時の塗布量は、難燃
紙の片面または両面当たり固形分として4〜10g/m2で
ある。塗布量が4g/m2未満のように少ないと無機粉体の
脱落を防ぐことができず、塗布量を10g/m2を超えて多
くしても無機粉体の脱落防止の効果は頭打ちとなり、ま
たコスト高を招くため適さない。
【0023】以上詳細に説明した如く、本発明によれば
繊維原料中にガラス繊維を配合し、難燃性樹脂エマルジ
ョンを添加することによって有機物質の難燃性を上げ、
着火後の炎の延焼を防ぐことができ、防炎性能の向上し
たビニル壁紙裏打ち用難燃紙が得られる。
繊維原料中にガラス繊維を配合し、難燃性樹脂エマルジ
ョンを添加することによって有機物質の難燃性を上げ、
着火後の炎の延焼を防ぐことができ、防炎性能の向上し
たビニル壁紙裏打ち用難燃紙が得られる。
【0024】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、勿論本発明はこれによって限定されるもの
ではない。尚、以下において%および部とあるのはそれ
ぞれ重量%および重量部を示す。
説明するが、勿論本発明はこれによって限定されるもの
ではない。尚、以下において%および部とあるのはそれ
ぞれ重量%および重量部を示す。
【0025】
【実施例1〜2】パイン、スプルース木材を主原料とし
た針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)を離解後、実験
室用ビーターでフリーネス300mlcsfまで叩解して
パルプ原料を調成し、これにガラス繊維を絶乾全重量当
たり1%および3%添加し、カチオン性高分子化合物と
してポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン(エピノ
ックス、日本PMC製)を繊維重量当たり0.1%、添
加してパルプスラリーを用意した。この中に難燃性樹脂
エマルジョンとして塩化ビニル−エチレンエマルジョン
(SE−1310、住友化学工業製)を対繊維重量当た
り0.5%添加し混合して繊維スラリーを準備した。
た針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)を離解後、実験
室用ビーターでフリーネス300mlcsfまで叩解して
パルプ原料を調成し、これにガラス繊維を絶乾全重量当
たり1%および3%添加し、カチオン性高分子化合物と
してポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン(エピノ
ックス、日本PMC製)を繊維重量当たり0.1%、添
加してパルプスラリーを用意した。この中に難燃性樹脂
エマルジョンとして塩化ビニル−エチレンエマルジョン
(SE−1310、住友化学工業製)を対繊維重量当た
り0.5%添加し混合して繊維スラリーを準備した。
【0026】次に、無機粉体として1μmと17μmの粒
子径比率が1μm:17μm=28:72の水酸化アルミ
ニウム(ハイジライト、昭和電工製)を、無機粉体とガ
ラス繊維を合わせた無機物質の含有率が難燃紙の全重量
当たり60%となるように前記繊維スラリーに添加し
た。更に中性サイズ剤としてアルキルケテンダイマー
(CS−280、荒川化学工業製)を全重量当たり0.
25%、アニオン性高分子化合物としてポリアクリルア
ミド(パーコール173、アライドコロイド製)を0.
01%添加、混合し、紙料を調成した後、実験室用手抄
マシンで坪量114g/の難燃紙を作成した。
子径比率が1μm:17μm=28:72の水酸化アルミ
ニウム(ハイジライト、昭和電工製)を、無機粉体とガ
ラス繊維を合わせた無機物質の含有率が難燃紙の全重量
当たり60%となるように前記繊維スラリーに添加し
た。更に中性サイズ剤としてアルキルケテンダイマー
(CS−280、荒川化学工業製)を全重量当たり0.
25%、アニオン性高分子化合物としてポリアクリルア
ミド(パーコール173、アライドコロイド製)を0.
01%添加、混合し、紙料を調成した後、実験室用手抄
マシンで坪量114g/の難燃紙を作成した。
【0027】次いで、スチレンブタジエンゴムラテック
ス(T−2418C、日本合成ゴム製)とポリアクリル
アミド(PC−305、荒川化学工業製)とを絶乾重量
比で4:1で混合し、固形分濃度15%の表面塗布剤の
水溶液を調整した。この表面塗布液をそれぞれ実験室サ
イズプレスにより難燃紙の両面に全体で6g/m2塗布し、
120℃に設定したドラム型乾燥機で乾燥した。
ス(T−2418C、日本合成ゴム製)とポリアクリル
アミド(PC−305、荒川化学工業製)とを絶乾重量
比で4:1で混合し、固形分濃度15%の表面塗布剤の
水溶液を調整した。この表面塗布液をそれぞれ実験室サ
イズプレスにより難燃紙の両面に全体で6g/m2塗布し、
120℃に設定したドラム型乾燥機で乾燥した。
【0028】このようにして得られた難燃紙からなる難
燃紙の防炎性能をJIS A 1322に従って評価
し、引張強度をJIS P 8113に従って測定し
た。
燃紙の防炎性能をJIS A 1322に従って評価
し、引張強度をJIS P 8113に従って測定し
た。
【0029】
【実施例3〜4】SE−1310の添加率を3.0%に
した以外は実施例1〜2と同様にして難燃紙を作成し、
防炎性能及び引張強度を測定した。
した以外は実施例1〜2と同様にして難燃紙を作成し、
防炎性能及び引張強度を測定した。
【0030】
【実施例5〜6】SE−1310の添加率を5.5%に
した以外は実施例1〜2と同様にして難燃紙を作成し、
防炎性能及び引張強度を測定した。
した以外は実施例1〜2と同様にして難燃紙を作成し、
防炎性能及び引張強度を測定した。
【0031】
【比較例1〜4】ガラス繊維の添加率を0%、SE−1
310の添加率を0.5%、3.0%、5.5%、1
0.0%にした以外は実施例1〜2と同様にして難燃紙
を作成し、防炎性能及び引張強度を測定した。
310の添加率を0.5%、3.0%、5.5%、1
0.0%にした以外は実施例1〜2と同様にして難燃紙
を作成し、防炎性能及び引張強度を測定した。
【0032】
【比較例5〜6】ガラス繊維の添加率を0.3、8.0
%、SE−1310の添加率を3.0%にした以外は実
施例1〜2と同様にして難燃紙を作成し、防炎性能及び
引張強度を測定した。
%、SE−1310の添加率を3.0%にした以外は実
施例1〜2と同様にして難燃紙を作成し、防炎性能及び
引張強度を測定した。
【0033】
【比較例7〜10】ガラス繊維の添加率を0.05%、
1.0%、3.0%、10.0%、SE−1310をの
添加率を0%にした以外は実施例1〜2と同様にして難
燃紙を作成し、防炎性能及び引張強度を測定した。
1.0%、3.0%、10.0%、SE−1310をの
添加率を0%にした以外は実施例1〜2と同様にして難
燃紙を作成し、防炎性能及び引張強度を測定した。
【0034】
【比較例11〜12】ガラス繊維の添加率を3.0%、
SE−1310をの添加率を0.05%、7.0%にし
た以外は実施例1〜2と同様にして難燃紙を作成し、防
炎性能及び引張強度を測定した。
SE−1310をの添加率を0.05%、7.0%にし
た以外は実施例1〜2と同様にして難燃紙を作成し、防
炎性能及び引張強度を測定した。
【0035】
【比較例13】ガラス繊維およびSE−1310をの添
加率を0%にした以外は実施例1〜2と同様にして難燃
紙を作成し、防炎性能及び引張強度を測定した。
加率を0%にした以外は実施例1〜2と同様にして難燃
紙を作成し、防炎性能及び引張強度を測定した。
【0036】
【比較例14〜15】ガラス繊維の添加率を1.0%、
SE−1310をの添加率を3.0%、無機物質の含有
率を80%、40%にした以外は実施例1〜2と同様に
して難燃紙を作成し、防炎性能及び引張強度を測定し
た。
SE−1310をの添加率を3.0%、無機物質の含有
率を80%、40%にした以外は実施例1〜2と同様に
して難燃紙を作成し、防炎性能及び引張強度を測定し
た。
【0037】実施例および比較例の測定結果を表1に示
す。
す。
【表1】
【0038】難燃紙の性能評価 表1に示す通りセルロース繊維等の有機繊維と無機粉体
からなる系にガラス繊維と難燃性樹脂を共に少量ずつ添
加したところ、難燃性が著しく向上し、無機粉体の含有
量を50〜70重量%に低下せしめる余裕を生じた(実
施例1〜6)。その結果、防炎性に優れた強度の強い裏
打ち用難燃紙が得られる。
からなる系にガラス繊維と難燃性樹脂を共に少量ずつ添
加したところ、難燃性が著しく向上し、無機粉体の含有
量を50〜70重量%に低下せしめる余裕を生じた(実
施例1〜6)。その結果、防炎性に優れた強度の強い裏
打ち用難燃紙が得られる。
【0039】これに対し、難燃紙を製造する際に難燃性
樹脂だけを添加して抄造すると引張強度は向上するが残
炎をカットすることができず、炭化長が防炎2級の基準
をオーバーする(比較例1〜3)。所望の防炎性能を保
つには難燃性樹脂を6%を越えて多添加しなければなら
ず、引張強度も飽和し、抄紙系内汚れを誘発する(比較
例4)。また難燃性樹脂とともにガラス繊維を添加する
場合でもガラス繊維を0.8%より少なく添加すると、
残炎をカットできず、炭化長が防炎2級の基準をオーバ
ーする(比較例5)。またガラス繊維が7%より多いと
防炎性には優れるが、原紙の地合が悪化するので実用に
は適さない(比較例6)。
樹脂だけを添加して抄造すると引張強度は向上するが残
炎をカットすることができず、炭化長が防炎2級の基準
をオーバーする(比較例1〜3)。所望の防炎性能を保
つには難燃性樹脂を6%を越えて多添加しなければなら
ず、引張強度も飽和し、抄紙系内汚れを誘発する(比較
例4)。また難燃性樹脂とともにガラス繊維を添加する
場合でもガラス繊維を0.8%より少なく添加すると、
残炎をカットできず、炭化長が防炎2級の基準をオーバ
ーする(比較例5)。またガラス繊維が7%より多いと
防炎性には優れるが、原紙の地合が悪化するので実用に
は適さない(比較例6)。
【0040】また、ガラス繊維のみを添加すると0.8
%より少ない場合は引張強度が上がるが(比較例7)、
ガラス繊維増添に従って引張強度が下がる(比較例8〜
10)。また、ガラス繊維のみでは有機繊維が難燃化で
きないため防炎性能はさほど向上しない(比較例7〜1
0)。また、ガラス繊維と難燃性樹脂を添加する場合で
も難燃性樹脂の添加率が0.1%より少ないと有機繊維
の難燃化ができず炭化長が防炎2級の規定をオーバーす
る(比較例11)。一方、難燃性樹脂の添加率が6%よ
り多い場合には防炎性能はそれ以上向上せず、また抄紙
系内の汚れにつながるおそれがあるので実用には適さな
い(比較例12)。難燃性樹脂、ガラス繊維のどちらも
添加しない場合は防炎性能が劣る(比較例13)。ま
た、無機物質の含有率を70%より多くしても防炎性能
は顕著には向上せず、引張強度が下がる(比較例1
4)。一方、無機物質の添加割合を50%より少なくす
ると防炎性能が下がり実用には適さない(比較例1
5)。
%より少ない場合は引張強度が上がるが(比較例7)、
ガラス繊維増添に従って引張強度が下がる(比較例8〜
10)。また、ガラス繊維のみでは有機繊維が難燃化で
きないため防炎性能はさほど向上しない(比較例7〜1
0)。また、ガラス繊維と難燃性樹脂を添加する場合で
も難燃性樹脂の添加率が0.1%より少ないと有機繊維
の難燃化ができず炭化長が防炎2級の規定をオーバーす
る(比較例11)。一方、難燃性樹脂の添加率が6%よ
り多い場合には防炎性能はそれ以上向上せず、また抄紙
系内の汚れにつながるおそれがあるので実用には適さな
い(比較例12)。難燃性樹脂、ガラス繊維のどちらも
添加しない場合は防炎性能が劣る(比較例13)。ま
た、無機物質の含有率を70%より多くしても防炎性能
は顕著には向上せず、引張強度が下がる(比較例1
4)。一方、無機物質の添加割合を50%より少なくす
ると防炎性能が下がり実用には適さない(比較例1
5)。
【0041】難燃性に関するガラス繊維と有機難燃性樹
脂との相乗効果については必ずしも明らかではないが、
両者少量添加の段階で著しい効果が得られていることか
ら、難燃性樹脂が有機繊維を被覆して難燃化し炭化長を
小さくすると共に、ガラス繊維のネットワークを強固に
接着し防炎試験の過程でもかなり高次の段階まで繊維ネ
ットワークを維持するため着火後の炎の伝搬が抑制さ
れ、結果として難燃性が著しく向上するものと推察され
る。
脂との相乗効果については必ずしも明らかではないが、
両者少量添加の段階で著しい効果が得られていることか
ら、難燃性樹脂が有機繊維を被覆して難燃化し炭化長を
小さくすると共に、ガラス繊維のネットワークを強固に
接着し防炎試験の過程でもかなり高次の段階まで繊維ネ
ットワークを維持するため着火後の炎の伝搬が抑制さ
れ、結果として難燃性が著しく向上するものと推察され
る。
【0042】
【発明の効果】以上詳細に説明した如く、本発明によれ
ば繊維原料中にガラス繊維および難燃性樹脂を添加する
ことによって、ガラス繊維で着火後の延焼を防ぎ、難燃
性樹脂で有機繊維の難燃性を上げることができ、防炎性
能に優れたビニル壁紙裏打ち用難燃紙を提供するという
効果を奏する。
ば繊維原料中にガラス繊維および難燃性樹脂を添加する
ことによって、ガラス繊維で着火後の延焼を防ぎ、難燃
性樹脂で有機繊維の難燃性を上げることができ、防炎性
能に優れたビニル壁紙裏打ち用難燃紙を提供するという
効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 27/20 D21H 3/42 (72)発明者 森川 勲 東京都江東区東雲1丁目10番6号 新王子 製紙株式会社東京商品研究所内
Claims (1)
- 【請求項1】繊維と無機粉体と難燃性樹脂からなるビニ
ル壁紙裏打ち用難燃紙において、該難燃紙が(1)ガラ
ス繊維を0.8〜7重量%、(2)難燃性樹脂を全繊維
原料当たり0.1〜6重量%、(3)無機粉体および無
機繊維を50〜70重量%含有することを特徴とするビ
ニル壁紙裏打ち用難燃紙。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23530694A JPH08100394A (ja) | 1994-09-29 | 1994-09-29 | ビニル壁紙裏打ち用難燃紙 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23530694A JPH08100394A (ja) | 1994-09-29 | 1994-09-29 | ビニル壁紙裏打ち用難燃紙 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08100394A true JPH08100394A (ja) | 1996-04-16 |
Family
ID=16984167
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23530694A Pending JPH08100394A (ja) | 1994-09-29 | 1994-09-29 | ビニル壁紙裏打ち用難燃紙 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08100394A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020152085A (ja) * | 2019-03-22 | 2020-09-24 | 凸版印刷株式会社 | ハウスラップ材 |
JP2022001677A (ja) * | 2020-06-22 | 2022-01-06 | 三菱製紙株式会社 | 壁紙裏打ち用耐火シート |
-
1994
- 1994-09-29 JP JP23530694A patent/JPH08100394A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020152085A (ja) * | 2019-03-22 | 2020-09-24 | 凸版印刷株式会社 | ハウスラップ材 |
JP2022001677A (ja) * | 2020-06-22 | 2022-01-06 | 三菱製紙株式会社 | 壁紙裏打ち用耐火シート |
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