JPH08100394A - ビニル壁紙裏打ち用難燃紙 - Google Patents

ビニル壁紙裏打ち用難燃紙

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JPH08100394A
JPH08100394A JP23530694A JP23530694A JPH08100394A JP H08100394 A JPH08100394 A JP H08100394A JP 23530694 A JP23530694 A JP 23530694A JP 23530694 A JP23530694 A JP 23530694A JP H08100394 A JPH08100394 A JP H08100394A
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JP
Japan
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flame
retardant
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weight
retardant paper
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JP23530694A
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Mina Yoshida
美奈 吉田
Yoshiaki Kabayama
佳明 椛山
Takuya Nomura
拓也 野村
Isao Morikawa
勲 森川
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New Oji Paper Co Ltd
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New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】防炎性能に優れ強度の高いビニル壁紙裏打ち用
難燃紙を提供する。 【構成】繊維と無機粉体と難燃性樹脂からなるビニル壁
紙裏打ち用難燃紙において、該難燃紙が(1)ガラス繊
維を0.8〜7重量%、(2)難燃性樹脂を全繊維原料
当たり0.1〜6重量%、(3)無機粉体および無機繊
維を50〜70重量%含有することを特徴とするビニル
壁紙裏打ち用難燃紙である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はビニル壁紙裏打ち用難燃
紙に関する。更に詳しくは、本発明は難燃性に優れ、シ
ート強度が強く、従って製品の風合いもよく、加工適性
のある無機粉体を主成分とするビニル壁紙裏打ち用難燃
紙に関する。
【0002】
【従来の技術】難燃紙は各種壁紙の基紙として広く用い
られており、ビニル壁紙裏打ち紙としても多用されてい
る。難燃紙としては、紙に難燃性物質を塗布あるいは含
浸させたもの、あるいはセルロースパルプと難燃性の無
機繊維や無機粉体とを湿式抄紙して無機物質を50〜9
0重量%含有させたものが一般に使用されている。特に
難燃性を重視する場合、無機物質は70〜90重量%含
有されている。
【0003】このような、高含有率で無機物質を含有
し、難燃性に優れる難燃紙は、塩化ビニルペーストとの
接着性と表面性を改善するため、難燃紙の表面にデンプ
ン、ポリビニルアルコール等の表面処理剤を塗布して、
ビニル壁紙の裏打ち紙として用いられている。
【0004】壁紙には防火性能が付与されることが必要
条件であり、原紙にも防炎性能が求められている。原紙
の防炎性能が優れていれば、化粧層の塩化ビニルペース
トの難燃剤や難燃性フィラーの量を減らすことができ、
それにより壁紙の意匠性を上げることが可能で壁紙のデ
ザイン面でも有利になる。このため防炎性能を上げた壁
紙裏打紙が求められている。
【0005】しかし上記のごとく無機粉体を70〜90
重量%含有することにより防炎性能を付与する場合には
当然のことではあるが、かかる基紙のシート強度は低
く、生産工程の高速化等に対応できない欠点がある。
【0006】特開昭61−28081公報には、繊維と
無機質粉体と難燃性バインダーとからなる難燃性複合シ
ートが開示されており、無機質粉体としては水酸化アル
ミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウ
ムとバインダーとして塩素含量が30〜65重量%であ
り、かつ対定着度定数が20〜100%に調成されたア
ニオン性合成樹脂ラテックスの使用が記載されている。
バインダーの具体例としては塩化ビニリデン系、塩化ビ
ニル・エチレン系、塩化ビニル・エチレン・酢酸ビニル
系、クロロプレン系、塩化ゴム系等の合成樹脂ラテック
スが挙げられている。係るバインダーを使用した難燃性
複合シートの難燃性は向上し、シート強度もそれなりに
向上する。また該公報には繊維として天然パルプや合
成、半合成、再生繊維およびガラス繊維を使用できる旨
の記載はあるが、ガラス繊維を使用した具体例はなく、
難燃性複合シートの難燃性等のシート特性に関する記載
はない。ましてや難燃性バインダーとガラス繊維との相
乗効果については記述されていない。
【0007】また、該公報に記載されている難燃性樹脂
バインダーの樹脂固形分は対繊維原料で請求項では7.
5〜285%、実施例では38〜79%と極めて高く、
該添加率で実際にシートを抄造しようとすると樹脂多添
加により抄紙系内の汚れ発生を誘発しやすく安定操業性
に欠けまたコストも上昇し実用性に欠けると言う問題が
ある。
【0008】特開平3−897号公報には、セルロース
繊維、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸
化カルシウム等の無機粉体および直径4μm以下のガラ
ス繊維からなる難燃紙の製造方法について記載されてい
る。本発明の趣旨はセルロース繊維に直径4μm以下の
ガラス繊維を0.05〜80重量%添加することによ
り、両繊維間に物理的、化学的相互作用が生じ、更には
両繊維と含水無機化合物との物理的、化学的相互作用に
より含水無機化合物の歩留りが顕著に向上する点にあ
る。特にガラス繊維をごく微量含有せしめるだけで上記
の様な効果が発現される結果、難燃性に悪影響を及ぼす
有機系歩留り向上剤等を使用しなくても含水無機化合物
の紙への歩留りを飛躍的に向上せしめることができ、そ
の結果極めて容易かつ経済的に所望の難燃性を有する難
燃紙が製造できると述べている。従って、明細書には歩
留り向上剤、或いはSBR、NBR、アクリル系のラテ
ックス等の配合もできるとの記載はあるが、本発明の趣
旨に反するためかかる有機系バインダー等の使用例はな
い。ましてや、難燃性樹脂の効果についての記述はな
い。
【0009】また、原紙の防炎性能を上げる方法とし
て、水酸化アルミニウムの様な自己消火性の無機粉体を
10〜80重量%含有するシートに難燃剤を塗布し、あ
るいは難燃剤を塗布することなく前記シートの片面又は
両面に自己消火性の無機粉体とバインダーを主剤とする
塗工層を設けて全体に難燃性を付与した壁紙用基紙も提
案されている(特開平3−161598号公報)。しか
しながらこの壁紙用基紙を製造する方法は、極めて複雑
な工程を経て無機粉体含有シートに無機粉体を追加して
担持させることにより難燃性を付与するものであり、無
機粉体の含有量が多いとシートの強度が弱くなり、一
方、無機粉体の含有量が少ないとシートの強度は向上す
るがシート全体に均一に難燃性を付与することができな
いという欠点がある。
【0010】また、填料として平均粒子系0.5〜10
μmの水酸化アルミニウム粉末が、紙匹全体に8〜30
重量%含有され、紙匹を厚さ方向に2分割した場合の一
方の面の填料含有率が15重量%以上であり、pH3〜
6である紙匹に難燃性組成物が付与されているビニル壁
紙裏打ち用難燃紙及びビニル壁紙が提案されている(特
開平1−266298号公報)。しかしながらこの方法
ではスルファミン酸グアニジン、リン酸グアニジン、ス
ルファミン酸アンモニウム、縮合リン酸アルキルエステ
ル誘導体、硫酸グアニジン、硫酸アンモニウム等の難燃
剤を使用するため、難燃紙が加工工程で加熱された場合
に変色が起こる可能性があり、さらに紙のpHが低いた
め耐久性に劣り、製品として好ましくなく、またコスト
も上がる傾向にあるという欠点を有する。平均粒子径の
異なる水酸化アルミニウムの少なくとも2種以上を混合
して湿式抄紙した水酸化アルミニウム含有率40〜60
重量%の原紙に、難燃性組成物を原紙当たり5〜10重
量%塗布したことを特徴とするビニル壁紙裏打ち用難燃
紙も提案されている(特開平4−50400号公報)
が、同様にスルファミン酸グアニジンメチロール化物、
スルファミン酸アンモニウムなどを難燃剤として使用す
るため加熱による変色の可能性がある。
【0011】更に水酸化アルミニウム、水酸化マグネシ
ウム、塩基性炭酸マグネシウム等を40〜90重量%含
有させた上に塩素含量が30〜65重量%あるアニオン
性ラテックスを3〜20重量%併用した難燃性複合シー
トも提案されている(特開昭61−28081号公
報)。しかしながらこの方法ではラテックス多添加によ
り抄紙系内の汚れ発生を誘発しやすく安定操業性に欠け
またコストも上昇し実用性に欠けると言う問題がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、かかる
現状に鑑み、繊維と無機粉体と難燃性樹脂からなるビニ
ル壁紙裏打ち用難燃紙について、前記従来技術の有する
問題点を解決すべく鋭意検討した結果、難燃紙の強度を
保持し尚且つ防炎性能を上げるためには単に無機粉体の
含有率を上げるだけでは効果がなく、少量の無機繊維や
難燃性樹脂と組み合わせて使用することにより優れた防
炎性能と強度の高い難燃紙が得られると言う結論を得る
に至った。
【0013】本発明は少量のガラス繊維と少量の難燃性
樹脂の添加によって難燃性を保持して無機粉体の含有量
を減少せしめ、難燃性樹脂のバインダーとしての効果お
よび有機繊維被覆による難燃性効果によって、難燃紙の
シート強度を高くし、壁紙加工適性の高いビニル壁紙裏
打ち用難燃紙を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、繊維と無
機粉体と難燃性樹脂からなるビニル壁紙裏打ち用難燃紙
において、該難燃紙が(1)ガラス繊維を0.8〜7重
量%、(2)難燃性樹脂を全繊維原料当たり0.1〜6
重量%、(3)無機粉体および無機繊維を50〜70重
量%含有することを特徴とするビニル壁紙裏打ち用難燃
紙である。
【0015】本発明に用いられる無機粉体および無機繊
維としてはガラス繊維の他に水酸化アルミニウム、水酸
化マグネシウム等の無機粉体を挙げることができ、これ
らの無機粉体は、加熱により結晶水を放出し、吸熱分解
するために自己消火性を紙に付与できるものである。こ
の無機粉体および無機繊維の含有率は、絶乾全重量当た
り50〜70重量%の範囲であり、この範囲内で他の炭
酸カルシウム、二酸化チタン等の無機物質を併用するこ
ともできる。この無機物質の含有率を70重量%を超え
て多くしても防炎性能はそれ以上上がらず、原紙の強度
の低下が起こるので無機物質の含有率を70重量%を超
えて多くする必要はない。また含有率が50%未満では
所望の難燃性が得られないので適さない。
【0016】本発明のビニル壁紙裏打ち用難燃紙を構成
する有機繊維としては針葉樹クラフトパルプ、広葉樹ク
ラフトパルプおよびその他の木材パルプの単独パルプあ
るいは二種類以上を配合した混合パルプまたはリンター
パルプ、更にはポリエチレン、ポリエステル等の合成繊
維を挙げることができこれらの中から適宜必要に応じて
選択して用いられる。製造コストの面から有機繊維とし
ては針葉樹クラフトパルプを主成分としこれに必要に応
じて少量の合成繊維が併用される。
【0017】本発明では防炎性を高めるためにガラス繊
維を配合する。ガラス繊維の難燃紙中の含有率は難燃紙
の絶乾全重量に対して0.8〜7重量%、好ましくは1
〜4重量%である。ガラス繊維が0.8重量%より少な
いと着火後の炎の延焼を止めることができず、7重量%
より多くすると地合の崩れが起こり抄紙上好ましくな
い。
【0018】本発明で用いられる繊維原料は水中でマイ
ナス電荷を有する。ここに有機繊維の防炎性を高める目
的で難燃性樹脂をエマルジョンとして添加する。難燃性
樹脂の添加方法としては、あらかじめ繊維原料にカチオ
ン性高分子化合物を添加し、次いで難燃性樹脂を添加し
混合する。難燃性樹脂のエマルジョンとしては、塩化ビ
ニル−エチレン−酢酸ビニルエマルジョン、塩化ビニル
−エチレンエマルジョン、塩化ビニリデンエマルジョン
などがある。また、カチオン性高分子化合物としてはカ
チオン化デンプン、カチオン性ポリアクリルアミド、ポ
リエチレンイミン、ポリアミドポリアミンポリエピクロ
ルヒドリン、カチオン変性グアーガム、カチオン変性ポ
リビニルアルコール、その他のカチオン性高分子化合物
等を挙げることができ、特に限定されない。難燃性樹脂
の難燃紙中の含有率は、難燃紙の絶乾繊維原料重量当た
り0.1〜6重量%の範囲である。難燃性樹脂の含有率
が0.1重量%未満では難燃紙の難燃性の向上効果が小
さく、また、含有率が6重量%を超えて多くなっても防
炎性能の向上効果は頭打ちとなるので過添加する必要は
なく、製造時に抄紙系内の汚れも発生するので適さな
い。
【0019】本発明の難燃紙は、難燃性樹脂を添加した
繊維スラリーと無機粉体のスラリーを混合した後、更に
アニオン性高分子化合物からなる歩留向上助剤、ベント
ナイトクレーの様な無機化合物からなる歩留向上助剤、
サイズ剤、繊維状熱溶融型ビニロンの様なバインダーお
よびその他の抄紙薬品が適宜選択して用いられ抄造され
る。前記アニオン性高分子化合物としては、ポリアクリ
ルアミド、ポリメタクリルアミド、酸化デンプン、その
他のアニオン性高分子化合物等を挙げることができ、ど
れを用いてもよい。前記アニオン性高分子化合物は、絶
乾で全重量当たり0.005〜0.050重量%の範囲
で添加される。
【0020】このようにして得られる難燃紙は、更に表
面塗布剤が塗布されるが、その際に塗布剤が原紙の中に
過剰に浸透しないようにするため、前記のように、アル
キルケテンダイマー、スチレンアクリル系エマルジョ
ン、スチレンアミド系エマルジョン等のような内添サイ
ズ剤を添加して抄造される。表面塗布剤が原紙の中に過
剰にしみこむと、難燃紙の層間剥離強度が上がり、壁紙
に加工し、施工した場合に、壁紙の再剥離性が悪くな
る。また、紙表面に塗布剤が留まらないため、表面強度
の向上に寄与する程度が軽減され、そうすると無機粉体
の脱落の防止効果が減少する上、塩化ビニルペーストと
難燃紙表面との密着性も悪化する。また、表面塗布剤の
塗布量が増えてコスト高にもつながる。
【0021】本発明においては前記のように、製造され
た難燃紙に表面塗布剤を用いて表面塗布を行うが、その
目的は、難燃紙の表面から無機粉体の脱落を防ぎ、同時
に塩化ビニル加工をする際の塩化ビニルとの密着性をよ
くするためである。本発明に用いる表面塗布剤として
は、デンプン、ポリビニルアルコール、スチレン−ブタ
ジエンゴム系ラテックス、ポリアクリル酸エステルエマ
ルジョン、スチレン−アクリル酸エステルエマルジョ
ン、塩化ビニル−アクリル酸エステルエマルジョン、塩
化ビニル−エチレン−酢酸ビニルエマルジョン、塩化ビ
ニル−エチレンエマルジョン等を挙げることができる。
【0022】これらの表面塗布剤は、前記の化合物を適
宜選択して増粘剤と併用し、表面塗布剤の濃度を10〜
50重量%の水溶液として公知のゲートロールコータ
ー、サイズプレス等によるオンマシン塗布や公知のオフ
マシンコーターによる塗布で前記難燃紙に塗布される。
表面塗布剤を塗布する方法は、難燃紙の表面に均一に塗
布できれば特に限定されない。この時の塗布量は、難燃
紙の片面または両面当たり固形分として4〜10g/m2
ある。塗布量が4g/m2未満のように少ないと無機粉体の
脱落を防ぐことができず、塗布量を10g/m2を超えて多
くしても無機粉体の脱落防止の効果は頭打ちとなり、ま
たコスト高を招くため適さない。
【0023】以上詳細に説明した如く、本発明によれば
繊維原料中にガラス繊維を配合し、難燃性樹脂エマルジ
ョンを添加することによって有機物質の難燃性を上げ、
着火後の炎の延焼を防ぐことができ、防炎性能の向上し
たビニル壁紙裏打ち用難燃紙が得られる。
【0024】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、勿論本発明はこれによって限定されるもの
ではない。尚、以下において%および部とあるのはそれ
ぞれ重量%および重量部を示す。
【0025】
【実施例1〜2】パイン、スプルース木材を主原料とし
た針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)を離解後、実験
室用ビーターでフリーネス300mlcsfまで叩解して
パルプ原料を調成し、これにガラス繊維を絶乾全重量当
たり1%および3%添加し、カチオン性高分子化合物と
してポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン(エピノ
ックス、日本PMC製)を繊維重量当たり0.1%、添
加してパルプスラリーを用意した。この中に難燃性樹脂
エマルジョンとして塩化ビニル−エチレンエマルジョン
(SE−1310、住友化学工業製)を対繊維重量当た
り0.5%添加し混合して繊維スラリーを準備した。
【0026】次に、無機粉体として1μmと17μmの粒
子径比率が1μm:17μm=28:72の水酸化アルミ
ニウム(ハイジライト、昭和電工製)を、無機粉体とガ
ラス繊維を合わせた無機物質の含有率が難燃紙の全重量
当たり60%となるように前記繊維スラリーに添加し
た。更に中性サイズ剤としてアルキルケテンダイマー
(CS−280、荒川化学工業製)を全重量当たり0.
25%、アニオン性高分子化合物としてポリアクリルア
ミド(パーコール173、アライドコロイド製)を0.
01%添加、混合し、紙料を調成した後、実験室用手抄
マシンで坪量114g/の難燃紙を作成した。
【0027】次いで、スチレンブタジエンゴムラテック
ス(T−2418C、日本合成ゴム製)とポリアクリル
アミド(PC−305、荒川化学工業製)とを絶乾重量
比で4:1で混合し、固形分濃度15%の表面塗布剤の
水溶液を調整した。この表面塗布液をそれぞれ実験室サ
イズプレスにより難燃紙の両面に全体で6g/m2塗布し、
120℃に設定したドラム型乾燥機で乾燥した。
【0028】このようにして得られた難燃紙からなる難
燃紙の防炎性能をJIS A 1322に従って評価
し、引張強度をJIS P 8113に従って測定し
た。
【0029】
【実施例3〜4】SE−1310の添加率を3.0%に
した以外は実施例1〜2と同様にして難燃紙を作成し、
防炎性能及び引張強度を測定した。
【0030】
【実施例5〜6】SE−1310の添加率を5.5%に
した以外は実施例1〜2と同様にして難燃紙を作成し、
防炎性能及び引張強度を測定した。
【0031】
【比較例1〜4】ガラス繊維の添加率を0%、SE−1
310の添加率を0.5%、3.0%、5.5%、1
0.0%にした以外は実施例1〜2と同様にして難燃紙
を作成し、防炎性能及び引張強度を測定した。
【0032】
【比較例5〜6】ガラス繊維の添加率を0.3、8.0
%、SE−1310の添加率を3.0%にした以外は実
施例1〜2と同様にして難燃紙を作成し、防炎性能及び
引張強度を測定した。
【0033】
【比較例7〜10】ガラス繊維の添加率を0.05%、
1.0%、3.0%、10.0%、SE−1310をの
添加率を0%にした以外は実施例1〜2と同様にして難
燃紙を作成し、防炎性能及び引張強度を測定した。
【0034】
【比較例11〜12】ガラス繊維の添加率を3.0%、
SE−1310をの添加率を0.05%、7.0%にし
た以外は実施例1〜2と同様にして難燃紙を作成し、防
炎性能及び引張強度を測定した。
【0035】
【比較例13】ガラス繊維およびSE−1310をの添
加率を0%にした以外は実施例1〜2と同様にして難燃
紙を作成し、防炎性能及び引張強度を測定した。
【0036】
【比較例14〜15】ガラス繊維の添加率を1.0%、
SE−1310をの添加率を3.0%、無機物質の含有
率を80%、40%にした以外は実施例1〜2と同様に
して難燃紙を作成し、防炎性能及び引張強度を測定し
た。
【0037】実施例および比較例の測定結果を表1に示
す。
【表1】
【0038】難燃紙の性能評価 表1に示す通りセルロース繊維等の有機繊維と無機粉体
からなる系にガラス繊維と難燃性樹脂を共に少量ずつ添
加したところ、難燃性が著しく向上し、無機粉体の含有
量を50〜70重量%に低下せしめる余裕を生じた(実
施例1〜6)。その結果、防炎性に優れた強度の強い裏
打ち用難燃紙が得られる。
【0039】これに対し、難燃紙を製造する際に難燃性
樹脂だけを添加して抄造すると引張強度は向上するが残
炎をカットすることができず、炭化長が防炎2級の基準
をオーバーする(比較例1〜3)。所望の防炎性能を保
つには難燃性樹脂を6%を越えて多添加しなければなら
ず、引張強度も飽和し、抄紙系内汚れを誘発する(比較
例4)。また難燃性樹脂とともにガラス繊維を添加する
場合でもガラス繊維を0.8%より少なく添加すると、
残炎をカットできず、炭化長が防炎2級の基準をオーバ
ーする(比較例5)。またガラス繊維が7%より多いと
防炎性には優れるが、原紙の地合が悪化するので実用に
は適さない(比較例6)。
【0040】また、ガラス繊維のみを添加すると0.8
%より少ない場合は引張強度が上がるが(比較例7)、
ガラス繊維増添に従って引張強度が下がる(比較例8〜
10)。また、ガラス繊維のみでは有機繊維が難燃化で
きないため防炎性能はさほど向上しない(比較例7〜1
0)。また、ガラス繊維と難燃性樹脂を添加する場合で
も難燃性樹脂の添加率が0.1%より少ないと有機繊維
の難燃化ができず炭化長が防炎2級の規定をオーバーす
る(比較例11)。一方、難燃性樹脂の添加率が6%よ
り多い場合には防炎性能はそれ以上向上せず、また抄紙
系内の汚れにつながるおそれがあるので実用には適さな
い(比較例12)。難燃性樹脂、ガラス繊維のどちらも
添加しない場合は防炎性能が劣る(比較例13)。ま
た、無機物質の含有率を70%より多くしても防炎性能
は顕著には向上せず、引張強度が下がる(比較例1
4)。一方、無機物質の添加割合を50%より少なくす
ると防炎性能が下がり実用には適さない(比較例1
5)。
【0041】難燃性に関するガラス繊維と有機難燃性樹
脂との相乗効果については必ずしも明らかではないが、
両者少量添加の段階で著しい効果が得られていることか
ら、難燃性樹脂が有機繊維を被覆して難燃化し炭化長を
小さくすると共に、ガラス繊維のネットワークを強固に
接着し防炎試験の過程でもかなり高次の段階まで繊維ネ
ットワークを維持するため着火後の炎の伝搬が抑制さ
れ、結果として難燃性が著しく向上するものと推察され
る。
【0042】
【発明の効果】以上詳細に説明した如く、本発明によれ
ば繊維原料中にガラス繊維および難燃性樹脂を添加する
ことによって、ガラス繊維で着火後の延焼を防ぎ、難燃
性樹脂で有機繊維の難燃性を上げることができ、防炎性
能に優れたビニル壁紙裏打ち用難燃紙を提供するという
効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 27/20 D21H 3/42 (72)発明者 森川 勲 東京都江東区東雲1丁目10番6号 新王子 製紙株式会社東京商品研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維と無機粉体と難燃性樹脂からなるビニ
    ル壁紙裏打ち用難燃紙において、該難燃紙が(1)ガラ
    ス繊維を0.8〜7重量%、(2)難燃性樹脂を全繊維
    原料当たり0.1〜6重量%、(3)無機粉体および無
    機繊維を50〜70重量%含有することを特徴とするビ
    ニル壁紙裏打ち用難燃紙。
JP23530694A 1994-09-29 1994-09-29 ビニル壁紙裏打ち用難燃紙 Pending JPH08100394A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020152085A (ja) * 2019-03-22 2020-09-24 凸版印刷株式会社 ハウスラップ材
JP2022001677A (ja) * 2020-06-22 2022-01-06 三菱製紙株式会社 壁紙裏打ち用耐火シート

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020152085A (ja) * 2019-03-22 2020-09-24 凸版印刷株式会社 ハウスラップ材
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