JPH07216783A - ビニル壁紙裏打ち用難燃紙の製造方法 - Google Patents

ビニル壁紙裏打ち用難燃紙の製造方法

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JPH07216783A
JPH07216783A JP1240094A JP1240094A JPH07216783A JP H07216783 A JPH07216783 A JP H07216783A JP 1240094 A JP1240094 A JP 1240094A JP 1240094 A JP1240094 A JP 1240094A JP H07216783 A JPH07216783 A JP H07216783A
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inorganic
vinyl chloride
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polymer compound
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JP1240094A
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Mina Yoshida
美奈 吉田
Isao Morikawa
勳 森川
Yoshiaki Kabayama
桂明 椛山
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New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】塩化ビニル表面に極めて優れた印刷適性を付与
し、塩化ビニルペーストを塗布する際の加工適性に優れ
たビニル壁紙用裏打ち難燃紙の製造方法を提供する。 【構成】一枚ワイヤーの長網抄紙機を用いて繊維と無機
物質を主成分として製造され、無機物質を全重量当り5
0〜90重量%含有する無機質紙からなるビニル壁紙裏
打ち用難燃紙の製造方法であって、無機物質のスラリー
にカチオン性高分子化合物のラテックス或いはエマルジ
ョンを絶乾で無機物質重量当り0.1〜1.0重量%添
加した後に繊維スラリーと混合し、次いでアニオン性高
分子化合物を添加して得られる紙料を用いて抄紙し、且
つ紙力剤からなる表面塗布剤を無機質紙当り4〜10g
/m2塗布して、乾燥する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビニル壁紙裏打ち用難
燃紙の製造方法に関する。更に詳しく述べるならば、本
発明は、ビニル壁紙の製造のための塩化ビニルペースト
加工適性と印刷適性に優れ、無機物質を全重量当り50
〜90重量%含有することからなるビニル壁紙裏打ち用
難燃紙の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】難燃紙は各種壁紙の基紙として広く用い
られており、ビニル壁紙裏打ち紙としても多用されてい
る。難燃紙としては、紙に難燃性物質を塗布或いは含浸
させたもの、或いはセルロースパルプと難燃性の有機物
質や無機物質(以下無機粉体という)とを湿式で抄紙し
て無機粉体を50〜90重量%含有させたものが一般に
使用されている。
【0003】このような、高含有率で無機粉体を含有
し、難燃性に優れる無機質紙は、塩化ビニルペーストと
の接着性と表面性を改善するため、無機質紙の表面にデ
ンプン、ポリビニルアルコール等の表面処理剤を塗布し
て、ビニル壁紙の裏打ち紙として用いられている。
【0004】しかしながら、有機物質や無機物質をパル
プ繊維と一緒に湿式長網抄紙機において抄紙して得られ
る前記の難燃紙は、ワイヤー面(ワイヤーと接触した面
で裏という)に比べてフェルト面(ワイヤー面の反対面
で表という)は無機粉体の含有量が多く、前記のような
表面処理を施しても、表面強度が弱いため、フェルト面
から無機粉体が脱落し易いという問題点を有している。
【0005】とりわけ、塩化ビニルペーストを塗布する
際にワイヤー面に塩化ビニルペーストを塗布すると必然
的にフェルト面がキャリヤーロールのような搬送面と接
触するため擦られてフェルト面からより一層無機粉体が
脱落し易くなり、脱落した無機粉体が加工機の周囲に飛
散したり、塗布された塩化ビニルペーストの表面に付着
して表面性を損なうという重大なトラブルを発生する。
そこで塩化ビニル加工時の無機粉体の脱落トラブルを避
けるため、塩化ビニルペーストを塗布する面を選択し、
無機粉体の脱落が発生し易い無機質紙のフェルト面に塩
化ビニルを塗布加工し、ワイヤー面がキャリヤーロール
のような搬送面と接触するようにして加工が施されて使
用されているのが現状である。
【0006】しかしながら、フェルト面に塩化ビニルペ
ーストを塗布加工すると、今度は塩化ビニルペーストの
塗布後、半ゲル化した塩化ビニル面に突起物が発生する
という別のトラブルが新たに発生する。このような突起
物が塩化ビニル塗布面に発生すると、その後の印刷工程
での印刷適性が悪くなり、製品の商品価値をなくすると
いう重大な欠点となる。特に、近年、塩化ビニルペース
トの塗布速度が高速化してきて、塩化ビニルペーストに
塗布適性を付与するため低い粘性を有する塩化ビニルペ
ーストが用いられているので、突起物の発生頻度が一層
多くなっている。
【0007】紙の表面に塗布剤を設ける他に、無機粉体
を含有する紙を製造する際に、紙の表面強度を向上させ
る抄紙方法としては、抄紙工程において予め、填料に水
溶性或いは水分散性のカチオン性ポリマーを填料に対し
て1.0〜10.0重量%加えて分散させ、これを紙力
増強剤として、アニオン性ポリマーを0.1〜0.7重
量%加えたパルプスラリーに添加して抄紙するという、
填料の前処理による方法(特開昭55−163298号
公報)が開示されている。しかしながら、この方法は、
填料の種類として白土、タルク、二酸化チタン等をパル
プに対して5〜17%含有させ、紙の不透明度、平滑
度、印刷適性等を改善し、紙の伸縮を減らし柔軟性を付
与させながら表面強度を向上させることを目的としたも
ので、多量の無機粉体を含有する無機質紙(無機粉体含
有率が50重量%以上)の製造のためには適用できない
ものである。
【0008】更に、特開平3−174094号公報に
は、填料を含有するパルプスラリーにアルカリ土類金属
を含まない硫酸バンドのような水溶性の多価金属化合
物、カチオンデンプンのようなカチオン性の水溶性高分
子及び/又は両性の水溶性高分子化合物、更にはコロイ
ダルシリカを添加して抄紙する紙の製造方法が開示され
ているが、この技術は填料の配合割合が50重量%未満
の場合に適用されるものであって、填料を50重量%以
上高配合する場合には適用できない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、かかる
現状に鑑み、無機物質を全重量当り50〜90重量%含
有する無機質紙に表面塗布剤を塗布したビニル壁紙裏打
ち用難燃紙について、前記従来技術の有する問題点を解
決すべく鋭意検討した結果、突起物の発生原因が紙表面
に存在するパルプ繊維のケバ立ちにあることを見い出し
た。即ちパルプ繊維のケバ立ちがあると、ケバを中心に
して低粘度化した塩化ビニルペーストが凝集し、突起物
となるという結論を得るに至った。
【0010】更に、本発明者等は、無機質紙の表面のフ
ェルト面(表)とワイヤー面(裏)を観察した結果、フ
ェルト面よりワイヤー面のケバ立ちが格段に少ないこと
を見い出した。即ち、一枚ワイヤーの長網抄紙機で無機
粉体を含有する紙を抄紙する場合、ワイヤー面側はフェ
ルト面側と比べて填料と微細繊維の含有量が少なく、そ
の結果、フェルト面側はワイヤー面側と比べて表面強度
が低くなっているので、表面性の優れたビニル壁紙を製
造するためには、ワイヤー面側に塩化ビニルペーストを
塗布し、フェルト面側の表面強度を機械的な擦れに耐え
る程度に強化すれば、従来技術の有する欠点を解決でき
るとの結論に至った。
【0011】即ち、本発明者等は、無機粉体を含有する
紙を抄造する際に無機粉体スラリーにカチオン性樹脂を
ラテックス或いはエマルジョンの形で添加混合し、その
後、前記無機粉体スラリーとパルプ繊維スラリーを混合
した後、アニオン性樹脂を添加し凝集させて抄紙し、表
面塗布剤で処理すると、フェルト面側の表面強度を無機
粉体の脱落が顕著に減少する程度まで改善できること、
従ってワイヤー面に塩化ビニルペーストを塗布して表面
性の優れたビニル壁紙が得られることを見出だし、本発
明を完成するに至った。
【0012】本発明の目的は、無機質紙のフェルト面が
摩擦抵抗に強く、無機粉体の脱落が顕著に減少し、従っ
てワイヤー面側に塩化ビニルペーストを塗布加工するこ
とによって表面性の優れたビニル壁紙が得られるビニル
壁紙裏打ち紙用難燃紙の製造方法を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、一枚ワイヤー
の長網抄紙機を用いて繊維と無機物質を主成分として製
造され、無機物質を全重量当り50〜90重量%含有す
る無機質紙からなるビニル壁紙裏打ち用難燃紙の製造方
法において、無機物質のスラリーにカチオン性高分子化
合物のラテックス或いはエマルジョンを絶乾で無機物質
重量当り0.1〜1.0重量%添加した後に繊維スラリ
ーと混合し、次いでアニオン性高分子化合物を添加して
得られる紙料を用いて抄紙し、且つ表面塗布剤を絶乾で
無機質紙重量当り4〜10g/m2塗布して、乾燥する
ことを特徴とするビニル壁紙裏打ち用難燃紙の製造方法
である。
【0014】本発明に用いられる無機粉体としては水酸
化アルミニウム、水酸化マグネシウム等を挙げることが
でき、これらは、加熱により結晶水を放出し、吸熱分解
するために自己消火性を紙に付与できるものである。こ
の無機粉体の含有率は、絶乾全重量当り50〜90重量
%の範囲であり、この範囲内で他の炭酸カルシウム、二
酸化チタン等の無機物質を併用することもできる。無機
粉体の含有率を90重量%を超えて多くすると、無機物
質の歩留の低下や原紙の強度の低下が起こり適さない。
又含有率が50%未満では所望の難燃性が得られないの
で適さない。
【0015】本発明で用いられる無機粉体は水中でマイ
ナス電荷を有し、この無機粉体を紙中に抄きこむ方法
は、無機粉体のスラリーを調成後、予めカチオン性高分
子化合物のラテックス或いはエマルジョンを添加して、
次いでパルプスラリーと混合される。前記カチオン性高
分子化合物としては、カチオン変性スチレン−ブタジエ
ンゴム系ラテックス、カチオン変性酢酸ビニル系エマル
ジョン、カチオン変性アクリル系エマルジョン等を挙げ
ることができる。このようなカチオン性高分子化合物の
無機粉体のスラリーへの添加率は、絶乾無機粉体重量当
り0.1〜1.0重量の範囲である。カチオン性高分子
化合物の添加率が0.1重量%未満では無機質紙の表面
強度の向上効果が小さく、又、添加率が1%を超えて多
くなっても表面強度の向上効果は頭打ちとなり、製造時
に抄紙機系内の汚れも発生するので適さない。
【0016】本発明のビニル壁紙裏打ち用難燃紙を構成
する繊維としては針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフ
トパルプ、リンターパルプ等の単独パルプ或いは二種類
以上を配合した混合パルプ、更にはポリエチレン、ポリ
エステル等の合成繊維とガラス繊維のような無機繊維を
挙げることができ、これらの中から適宜必要に応じて選
択して用いられる。製造コストの面から繊維としては針
葉樹クラフトパルプを主成分としこれに必要に応じて少
量の合成繊維や無機繊維が併用される。このようなパル
プ繊維は、スラリーとされるが、この時歩留向上剤を添
加して用いても、用いなくても良い。歩留向上剤を併用
する場合は、このスラリーに歩留り向上助剤としてカチ
オン性高分子化合物が繊維重量当り0.05〜0.5重
量%の範囲で添加される。この場合の前記カチオン性高
分子化合物としてはカチオン化でんぷん、カチオン性ポ
リアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリアミドポ
リアミンエピクロルヒドリン、カチオン変性グアーガ
ム、カチオン変性ポリビニルアルコール、その他のカチ
オン性高分子化合物等挙げることができ、特に限定され
ない。
【0017】本発明の無機質紙は、前記カチオン性高分
子化合物のラテックス或いはエマルジョンが添加された
無機粉体のスラリーと別のカチオン性高分子化合物が添
加された或いは添加されていないパルプ繊維スラリーを
混合した後、更にアニオン性高分子化合物からなる歩留
り向上助剤、ベントナイトクレーのような無機化合物か
らなる歩留り向上助剤、サイズ剤、繊維状熱溶融型ビニ
ロンのようなバインダー及びその他の抄紙薬品が適宜選
択して用いられ、公知の一枚ワイヤーを有する湿式長網
抄紙機において抄造される。前記アニオン性高分子化合
物としては、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミ
ド、酸化でんぷん、その他のアニオン性高分子化合物等
を挙げることができ、どれを用いても良い。前記アニオ
ン性高分子化合物は、絶乾で全重量当り0.005〜
0.050重量%の範囲で添加される。
【0018】このようにして得られる無機質紙は、更に
表面塗布剤が塗布されるが、その際に塗布剤が原紙の中
に過剰に浸透しないようにするため、前記のように、ア
ルキルケテンダイマー、スチレンアクリル系エマルジョ
ン、スチレンアミド系エマルジョン等のような内添サイ
ズ剤を添加して抄造される。表面塗布剤が原紙の中に過
剰にしみこむと、無機質紙の層間剥離強度が上がり、壁
紙に加工し、施工した場合に、壁紙の再剥離性が悪くな
る。又、紙表面に塗布剤が留まらないため、表面強度の
向上に寄与する程度が軽減され、そうすると無機粉体の
脱落の防止効果が減少する上、塩化ビニルペーストと無
機質紙表面との密着性も悪化する。又、表面塗布剤の塗
布量が増えてコスト高にもつながる。
【0019】本発明においては前記のように、製造され
た無機質紙に、表面塗布剤を用いて表面塗布を行うが、
その目的は、無機質紙の表面から無機粉体の脱落を防
ぎ、同時に塩化ビニル加工をする際の塩化ビニルとの密
着性を良くするためである。本発明に用いる表面塗布剤
としては、でんぷん、ポリビニルアルコール、スチレン
−ブタジエンゴム系ラテックス、ポリアクリル酸エステ
ルエマルジョン、スチレン−アクリル酸エステルエマル
ジョン、塩化ビニル−アクリル酸エステルエマルジョ
ン、塩化ビニル−エチレン−酢酸ビニルエマルジョン、
塩化ビニル−エチレンエマルジョン等を挙げることがで
きる。
【0020】これらの表面塗布剤は、前記の化合物を適
宜選択して増粘剤と併用し、表面塗布剤の濃度を10〜
50重量%の水溶液として公知のゲートロールコータ
ー、サイズプレス等によるオンマシン塗布や公知のオフ
マシンコーターによる塗布で前記無機質紙に塗布され
る。表面塗布剤を塗布する方法は、無機質紙の表面に均
一に塗布できれば特に限定されない。この時の塗布量
は、無機質紙の片面又は両面当り固形分として4〜10
g/m2である。塗布量が4g/m2未満のように少ない
と無機粉体の脱落を防ぐことができず、塗布量を10g
/m2を超えて多くしても無機粉体の脱落防止の効果は
頭打ちとなり、コスト高を招くため適さない。
【0021】以上詳細に説明した如く、本発明によれば
無機粉体のスラリーにカチオン性高分子化合物を添加
し、パルプスラリーと混合した後、アニオン性高分子化
合物を添加することによって、無機粉体とパルプ繊維を
アニオン性高分子化合物で最終的に凝集結合させ、その
際に、無機粉体がカチオン性高分子化合物を介して強固
に結合するので、微細繊維と無機粉体が多く含有される
フェルト面側においても無機粉体の脱落を顕著に減少さ
せることができる。しかしながら、このように無機質紙
のフェルト面における無機粉体の脱落は防止できるが、
依然としてフェルト面における微細繊維の毛羽立ちに対
する防止効果は未だ十分とはいえない。従って、塩化ビ
ニルペーストの塗布を微細繊維の毛羽立ちが本質的に少
ないワイヤー面に施すことによって、表面に突起物がな
く、しかも無機粉体の脱落が顕著に減少したビニル壁紙
が得られる。
【0022】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、勿論本発明は、これによって限定されるも
のではない。尚、以下において%及び部とあるのはそれ
ぞれ重量%及び重量部を示す。
【0023】実施例1〜5 パイン、スプルース木材を主原料とした針葉樹晒クラフ
トパルプ(NBKP)を離解後、実験室用ビーターでフ
リーネス300mlCSFまで叩解してパルプ原料を調
成し、これに合成繊維としてポリエステル繊維(繊度
1.4デニール、繊維長5mm、ユニチカ製)をパルプ
重量当り2%、カチオン性高分子化合物としてポリアミ
ドポリアミンエピクロルヒドリン(エピノックス、日本
PMC製)を0.1%添加してパルプスラリーを用意し
た。次に、無機粉体として1μmと17μmの粒子径比
率が1μm:17μm=28:72の水酸化アルミニウ
ム(“ハイジライト”、昭和電工製)を用い、カチオン
性高分子化合物としてカチオン性スチレンブタジエンゴ
ムラテックス(アコスターC−122、三井サイアナミ
ッド製)を絶乾換算で水酸化アルミニウム重量当り0.
15%(実施例1)、0.30%(実施例2)、0.5
0%(実施例3)、0.70%(実施例4)、0.90
%(実施例5)添加して5種類の固形分濃度20%の無
機粉体スラリーを用意した。
【0024】これらのスラリーを水酸化アルミニウムの
含有率が無機質紙の全重量当り70%となるように混合
し、更に中性サイズ剤としてアルキルケテンダイマー
(CS−280、荒川化学工業製)を全重量当り0.2
5%、アニオン性高分子化合物としてポリアクリルアミ
ド(パーコール173、アライドコロイド製)を0.0
1%添加、混合し、紙料を調成した後、実験室用手抄マ
シーンで坪量114g/m2の無機質紙を作成した。次
いで、スチレンブタジエンゴムラテックス(T−241
8C、日本合成ゴム製)とポリアクリルアミド(PC−
305、荒川化学工業製)とを絶乾重量比で4:1で混
合し、固形分濃度15%の表面塗布剤の水溶液を調製し
た。この表面塗布液をそれぞれ実験室サイズプレスによ
り無機質紙の両面に全体で6g/m2塗布し、120℃
に設定したドラム型乾燥機で乾燥した。
【0025】このようにして得られた無機質紙からなる
難燃紙に次の試験によって塩化ビニルペーストを塗布し
た後、突起物の発生状況と無機粉体の脱落状況を評価し
た。試験方法 (1)突起物 一般的にビニル壁紙に用いられている下記に示す処方の
塩化ビニルペーストをアプリケーターを用いて25cm
×25cmの大きさの3枚の無機質紙の表面(ワイヤー
面或いはフェルト面)上に120μm厚さで塗布した
後、乾燥機に入れ、150℃で1分間加熱して塗布面の
塩化ビニルペーストをゲル化し、塗布面に発生した突起
物の数を目視で数え、個数を合計して一定面積(300
cm2)当りの個数(3枚の平均値、小数点以下四捨五
入)に換算した。個数が2個/300cm2未満を良好
○、2個/300cm2以上を不可×と評価した。
【0026】塩化ビニルペーストの処方 塩化ビニルペーストレジン(住友化学製)100部当り
下記の薬品を添加、混合し、粘度を2000cps(2
5℃)に調整した。 可塑剤(ジオクチルフタレート) 50部 難燃可塑剤(トリセチルフタレート) 10部 安定剤(FBOA8、共同薬品製) 3部 発泡剤(AZH、大塚化学製) 3部 充填剤(炭酸カルシウム) 50部 難燃剤(酸化アンチモン) 3部 顔料(酸化チタン) 20部
【0027】(2)表面強度 難燃紙の表面強度をJIS A−1451に準じて、荷
重を磨耗輪の自重のみとし、50回回転させて磨耗量を
求め、その多寡によって表面強度を評価した。3.7m
g未満を良好○、3.7mg以上を不可×とした。
【0028】比較例1〜2 カチオン性高分子化合物としてカチオン性スチレンブタ
ジエンゴムラテックス(アコスターC−122、三井サ
イアナミッド製)を添加しないこと以外は実施例(1〜
5)と同様にして無機質紙を作成した。この難燃紙のフ
ェルト面(比較例1)とワイヤー面(比較例2)に実施
例(1〜5)と同様にして塩化ビニルペーストを塗布、
ゲル化し、ゲル化後の突起物の発生個数を測定した。塩
化ビニルペーストを塗布しない無機質紙の表面強度を実
施例と同様にして試験し評価した。
【0029】比較例3 実施例3で得られた無機質紙のフェルト面に実施例(1
〜5)と同様にして塩化ビニルペーストを塗布、ゲル化
しゲル化後の突起物の発生個数を測定した。
【0030】比較例4〜5 カチオン性高分子化合物としてカチオン性スチレンブタ
ジエンゴムラテックス(アコスターC−122、三井サ
イアナミッド製)を絶乾換算で水酸化アルミニウム重量
当りそれぞれ0.05%(比較例4)、1.20%(比
較例5)添加した以外は実施例(1〜5)と同様にして
無機質紙を作成した。これらの難燃紙のワイヤー面に実
施例(1〜5)と同様にして塩化ビニルペーストを塗
布、ゲル化し、ゲル化後の突起物の発生個数を測定し
た。塩化ビニルペーストを塗布しない無機質紙の表面強
度を実施例と同様にして試験し評価した。
【0031】実施例及び比較例で得られた測定結果を表
1に示す。
【表1】
【0032】表1から明らかなとおり、本発明の無機質
紙からなる難燃紙のワイヤー面に塩化ビニルペーストを
塗布加工したビニル壁紙は、塩化ビニル塗布面に突起物
がほとんど発生せず、塩化ビニルを塗布加工しないフェ
ルト面の表面強度も優れているので、塩化ビニルの塗布
加工の前後での無機粉体の脱落トラブルが発生せず、し
かも極めて優れた塩化ビニル表面を得ることができる
(実施例1〜5)。これに対して無機質紙を製造する際
に、無機粉体のスラリーにカチオン性高分子化合物を使
用しないで製造した無機質紙は、フェルト面に塩化ビニ
ルを塗布加工すると、塗布面には突起物が多量に発生
し、塗布面の商品価値を損なうので実用に適さない(比
較例1)。又、得られた無機質紙のフェルト面の表面強
度は弱く、この面からの無機粉体の脱落発生が予想され
るのでこの面を搬送面と接触(即ち、ワイヤー面に塩化
ビニルを塗布加工)させることはできない(比較例
2)。
【0033】又、本発明により得られる無機質紙でもフ
ェルト面に塩化ビニルを塗布加工すると、塗布面に多量
の突起物の発生があるので実用に供することができない
(比較例3)。カチオン性高分子化合物を用いて無機質
紙を製造しても、その添加率が少な過ぎると、フェルト
面の表面強度が弱く、ワイヤー面に塩化ビニルを塗布加
工するとフェルト面からの無機粉体の脱落の発生がある
ので実用に供することができない(比較例4)。無機質
紙を製造する際にカチオン性高分子化合物の添加率が多
過ぎる場合、ワイヤー面に塩化ビニルを塗布加工すれ
ば、突起物と無機粉体の脱落の発生は防止できるが、そ
の効果の向上は限界にあり、高分子化合物の添加が無駄
となる上、抄紙機の系内で付着物の発生原因となるので
実用的でない(比較例5)。
【0034】
【発明の効果】以上詳細に説明した如く、本発明によれ
ば無機粉体のスラリーにカチオン性高分子化合物を添加
し、パルプ繊維スラリーと混合した後、アニオン性高分
子化合物を添加することによって、無機粉体とパルプ繊
維をアニオン性高分子化合物で最終的に凝集結合させ、
その際に、無機粉体がカチオン性高分子化合物を介して
強固に結合するので、微細繊維と無機粉体が多く含有さ
れるフェルト面側においても無機粉体の脱落を顕著に減
少させることができ、従って、無機質紙のワイヤー面に
塩化ビニルを塗布加工すれば、塗布面に突起物がほとん
ど発生せず、無機粉体の脱落が極めて減少するので、本
発明は、塩化ビニル表面に極めて優れた印刷適性を付与
し、塩化ビニルペーストを塗布する際の加工適性に優れ
たビニル壁紙用裏打ち難燃紙の製造方法を提供するとい
う効果を奏する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一枚ワイヤーの長網抄紙機を用いて繊維
    と無機物質を主成分として製造され、無機物質を全重量
    当り50〜90重量%含有する無機質紙からなるビニル
    壁紙裏打ち用難燃紙の製造方法において、無機物質のス
    ラリーにカチオン性高分子化合物のラテックス或いはエ
    マルジョンを絶乾で無機物質重量当り0.1〜1.0重
    量%添加した後に繊維スラリーと混合し、次いでアニオ
    ン性高分子化合物を添加して得られる紙料を用いて抄紙
    し、且つ表面塗布剤を絶乾で無機質紙重量当り4〜10
    g/m2塗布して、乾燥することを特徴とするビニル壁
    紙裏打ち用難燃紙の製造方法。
JP1240094A 1994-02-04 1994-02-04 ビニル壁紙裏打ち用難燃紙の製造方法 Pending JPH07216783A (ja)

Priority Applications (1)

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