JPH08100296A - メッキ装置 - Google Patents

メッキ装置

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JPH08100296A
JPH08100296A JP23795694A JP23795694A JPH08100296A JP H08100296 A JPH08100296 A JP H08100296A JP 23795694 A JP23795694 A JP 23795694A JP 23795694 A JP23795694 A JP 23795694A JP H08100296 A JPH08100296 A JP H08100296A
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JP
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plating
plated
holding
unit
support
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JP23795694A
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English (en)
Inventor
Toshiichi Tsugawa
歳一 都川
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Shibaura Mechatronics Corp
Original Assignee
Shibaura Engineering Works Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 装置全体の小型・簡略化が可能で、高速・高
性能のメッキ処理が可能な、信頼性・実用性の高いメッ
キ装置を提供する。 【構成】 搬送機構AによってリードフレームRをリン
グ状の軌道で搬送する。リング状の軌道に沿ってリード
フレーム供給部B、前処理部C、メッキ処理部D、後処
理部E、リードフレーム回収部Fを配置する。搬送機構
Aは、フレーム保持部130によってリードフレームR
を保持し、フレーム搬送部110によってフレーム保持
部130を単位距離LX ずつ移動させて、各処理部に対
する昇降動作・受け渡し位置に順次停止させ、各位置で
保持部駆動シリンダ120の駆動力によってフレーム保
持部130を動作させ、リードフレームRの昇降・受け
渡しを行う。メッキ処理部Dは、一対のメッキブロック
420a,420bの間にリードフレームRを挟んでそ
の両面にメッキ液を吹き付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メッキ処理を行うメッ
キ装置に係り、特に、ICの製造時にそのリードフレー
ムにメッキを施すためのメッキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、ICの製造は、次のようにし
て行われる。まず、脚部に当たる部分を予め打ち抜いて
多数のスリットが形成された一枚のリードフレームに、
複数個のICをモールドして固定する。次に、ICをモ
ールドしたリードフレームの、スリットに挟まれた細い
部分にメッキを施す。そして、このメッキ処理後に、リ
ードフレームの細い部分を個々のIC毎にカットするこ
とにより、各ICが単体のICとして分離し、カットさ
れた細い部分はメッキの施された1本ずつのリードにな
る。
【0003】そして、このように、ICをモールドした
リードフレームにメッキを行うためのメッキ装置として
は、従来、図35に示すようなメッキ装置が使用されて
いる。図35に示すように、このメッキ装置は、メッキ
のための前処理を行う前処理槽910、被メッキ物に対
してメッキ処理を行うメッキ処理槽920、メッキ処理
後の後処理を行う後処理槽930を備えており、これら
の処理槽910,920,930に対して、搬送機構9
40によってリードフレームRを順次移動させ、各処理
を行う装置である。
【0004】より詳細には、前処理槽910は、リード
フレームRの表面の異物を除去して活性化液の密着性を
向上させるための洗浄水が満たされた第1水洗槽91
1、リードフレームRの表面加工を行うための強酸など
の活性化液が満たされた活性化槽912、および余分な
活性化液を洗浄するための洗浄水の満たされた第2水洗
槽913から構成されている。また、メッキ処理槽92
0にはメッキ液が満たされ、後処理槽930には余分な
メッキ液を除去するための洗浄水が満たされている。そ
して、これらの5つの処理槽、すなわち、前処理槽91
0を構成する第1水洗槽911、活性化槽912、第2
水洗槽913と、メッキ処理槽920、および後処理槽
930がこの順で直線状に配置されている。
【0005】一方、搬送機構940は、5つの処理槽9
11,912,913,920,930の上方に直線状
に配置された移動部材941と、この移動部材941の
複数箇所に処理槽間の中心間寸法に合わせて配置された
1組のラック942を備えている。そして、この各組の
各ラック942に、リードフレームRが吊り下げられる
ようになっている。また、直線状に配置された移動部材
941はその配置方向に水平移動可能でかつ昇降可能に
設けられている。
【0006】以上のような図35のメッキ装置によって
メッキ処理を行う場合には、まず、移動部材941の水
平移動によって、各組のラック942と各処理槽の位置
を合わせ、この状態で移動部材941を下降させて、各
組のラック942に吊り下げられたリードフレームRを
各処理槽に挿入して、各処理槽における処理を行う。次
に、移動部材941を上昇させて、各組のラック942
に吊り下げられたリードフレームRを各処理槽から引上
げた後、移動部材941を搬送方向に水平移動させ、各
組のラック942を1つ後の処理槽に進める形で再び各
組のラック942と各処理槽の位置を合わせる。そし
て、このような位置合わせ、昇降動作を繰り返すことに
より、リードフレームRを、前処理槽910を構成する
第1水洗槽911、活性化槽912、第2水洗槽913
と、メッキ処理槽920、および後処理槽930に順に
送り、各処理を順番に行うことができる。
【0007】すなわち、前処理槽910の第1水洗槽9
11では、リードフレームRに付着した埃などの異物が
洗浄水によって除去され、活性化槽912では、強酸な
どの活性化液によりリードフレームRが表面処理され
る。そして、リードフレームRに残った余分な活性化液
は、第2水洗槽913において洗浄水によって除去され
る。このようにして前処理槽910で前処理されたリー
ドフレームRは、メッキ槽920においてメッキ液に浸
漬されて、その表面がメッキ処理される。このようにメ
ッキ処理されたリードフレームRに残存する余分なメッ
キ液は、後処理槽930において洗浄水によって除去さ
れる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような構成を有する従来のメッキ装置には、次のような
問題点がある。すなわち、複数の処理槽911,91
2,913,920,930を直線状に配置し、この上
方に直線状に配置した移動部材941を直線状に移動さ
せる構成であるため、メッキ装置全体が搬送方向に長尺
・大型化してしまう。また、移動部材941aは、搬送
距離と同じ距離だけの復帰動作を必要とするため、動作
の無駄が大きく、その分だけ搬送効率が低くなる。そし
てまた、移動部材941全体を水平移動可能でかつ昇降
可能に構成した場合には、大きな駆動力を必要とし、駆
動手段を大型化させるため、結果としてメッキ装置全体
の大型化につながる。さらに、操作ミスなどにより、水
平移動時に各組のラック942が処理槽間にある位置で
移動部材941が停止してそのまま下降してしまった場
合や、操作ミスなどにより移動部材941の水平移動と
昇降が同時に行われた場合などには、リードフレームR
やラック942が各処理槽の側面と衝突して損傷する可
能性があり、動作信頼性に問題がある。
【0009】そしてまた、実際には、前処理槽910の
搬送方向後方には、搬送機構940の各ラック942に
リードフレームRを吊り下げるための設備が必要であ
り、また、後処理槽930の搬送方向前方には、後処理
槽930で後処理したリードフレームRを乾燥し、回収
するための設備が必要である。したがって、メッキ装置
全体がさらに長尺・大型化してしまう。さらに、メッキ
処理を、メッキ槽920内に浸漬する方法によって行っ
ていることから、メッキ厚さが不均一となる上、メッキ
処理の高速化ができないなどの問題点もある。
【0010】本発明は、以上のような従来技術の問題点
を解決するために提案されたものであり、その目的は、
装置全体の小型・簡略化が可能で、高速・高性能のメッ
キ処理が可能な、信頼性・実用性の高いメッキ装置を提
供することである。
【0011】より具体的に、まず、請求項1記載の発明
の目的は、搬送機構の動作の無駄をなくして搬送効率を
向上するとともに、メッキ装置全体を小型・簡略化する
ことである。次に、請求項2〜12記載の発明の目的
は、搬送機構を小型・簡略化するとともに、搬送能力を
向上し、信頼性・実用性を向上することである。個別に
説明すれば、請求項2記載の発明の目的は、搬送機構全
体を小型・簡略化することである。請求項3記載の発明
の目的は、搬送機構の保持部の動作信頼性を向上すると
ともに、搬送用駆動手段を小型化することである。請求
項4記載の発明の目的は、搬送機構を小型・簡略化する
とともにその実用性を向上することである。請求項5記
載の発明の目的は、搬送機構の保持部を小型・簡略化す
ることである。請求項6記載の発明の目的は、搬送機構
の保持部の動作信頼性を向上するとともに、保持部駆動
手段を小型化することである。請求項7記載の発明の目
的は、搬送機構の保持部における駆動力伝達構成を小型
・簡略化するとともにその実用性を向上することであ
る。請求項8記載の発明の目的は、搬送機構の保持部に
おける昇降部材の動作信頼性を向上することである。請
求項9記載の発明の目的は、搬送機構の保持部の支持機
構を小型・簡略化するとともにその実用性を向上するこ
とである。請求項10記載の発明の目的は、搬送機構の
保持部とその支持機構の動作信頼性を向上するととも
に、搬送用駆動手段を小型化することである。請求項1
1記載の発明の目的は、複数の処理部の搬送方向の寸法
を短縮することである。請求項12記載の発明の目的
は、搬送機構の搬送方向の寸法を増大することなしに被
メッキ物の搬送能力を向上することである。
【0012】続いて、請求項13〜19記載の発明の目
的は、被メッキ物を供給する供給部と被メッキ物を回収
する回収部を備えたメッキ装置において、供給部および
回収部を小型・簡略化するとともに、その信頼性・実用
性を向上することである。個別に説明すれば、請求項1
3記載の発明の目的は、供給部および回収部をも含めた
メッキ装置全体を小型・簡略化することである。請求項
14記載の発明の目的は、供給部を小型・簡略化するこ
とである。請求項15記載の発明の目的は、供給部の寸
法を増大することなしに被メッキ物の供給能力を向上す
ることである。請求項16記載の発明の目的は、回収部
を小型・簡略化することである。請求項17記載の発明
の目的は、回収部の寸法を増大することなしに被メッキ
物の回収能力を向上することである。請求項18記載の
発明の目的は、回収部の動作信頼性・実用性を向上する
ことである。請求項19記載の発明の目的は、回収部を
さらに小型・簡略化するとともに、その実用性をさらに
向上することである。
【0013】一方、請求項20〜30記載の発明の目的
は、メッキ処理部を小型・簡略化するとともに、高速・
高性能なメッキ処理を可能にし、その信頼性・実用性を
向上することである。個別に説明すれば、請求項20記
載の発明の目的は、メッキ処理部を小型・簡略化するこ
とである。請求項21記載の発明の目的は、メッキ処理
部における高速・高性能なメッキ処理を可能にし、その
実用性を向上することである。請求項22記載の発明の
目的は、メッキ処理部におけるメッキ処理の信頼性を向
上することである。請求項23記載の発明の目的は、メ
ッキ処理部の実用性を向上することである。請求項24
記載の発明の目的は、メッキ処理部の寸法を増大するこ
となしにメッキ処理能力を向上し、それによってメッキ
処理部における高速・高性能なメッキ処理を可能にし、
その実用性を向上することである。請求項25記載の発
明の目的は、メッキ処理部におけるメッキ処理の信頼性
を向上することである。請求項26記載の発明の目的
は、メッキ処理部の位置決め手段を小型・簡略化するこ
とである。請求項27〜30記載の発明の目的は、メッ
キ処理部の位置決め手段の動作信頼性・実用性を向上す
るとともに、位置決め手段をできる限り小型・簡略化す
ることである。
【0014】また、請求項31〜38記載の発明の目的
は、後処理部を小型・簡略化するとともに、高速・高性
能な後処理を可能にし、その信頼性・実用性を向上する
ことである。個別に説明すれば、請求項31記載の発明
の目的は、後処理部の移載機を小型・簡略化するととも
に、その動作信頼性・実用性を向上することである。請
求項32記載の発明の目的は、後処理部の移載機の寸法
を増大することなしに被メッキ物の移載能力を向上し、
その実用性を向上することである。請求項33記載の発
明の目的は、後処理部の送り機構を小型・簡略化すると
ともに、その動作信頼性・実用性を向上することであ
る。請求項34記載の発明の目的は、後処理部の送り機
構の動作信頼性・実用性をさらに向上することである。
請求項35記載の発明の目的は、後処理部の送り機構
を、異なる寸法を有する被メッキ物に対応可能として、
実用性をさらに向上することである。請求項36記載の
発明の目的は、後処理部に熱風乾燥手段を組み込むこと
により、独立した乾燥手段を不要として、メッキ装置全
体を小型・簡略化するとともに、実用性を向上すること
である。請求項37記載の発明の目的は、後処理部のシ
ャワー洗浄手段および熱風乾燥手段による高速・高性能
な後処理を可能にし、実用性を向上することである。請
求項38記載の発明の目的は、後処理部の熱風乾燥手段
による乾燥能力をさらに向上して、より高速・高性能な
後処理を可能にし、実用性をさらに向上することであ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明によるメッキ装置
は、被メッキ物に対してメッキのための前処理を行う前
処理部、前処理部で前処理を施された被メッキ物に対し
てメッキ処理を行うメッキ処理部、およびメッキ処理部
でメッキ処理を施された被メッキ物に対して後処理を行
う後処理部を含む複数の処理部と、この複数の処理部の
間で被メッキ物を搬送する搬送機構とを備えたメッキ装
置において、装置全体の配置構成を改良するか、また
は、各構成要素を改良したことを特徴としている。
【0016】[1]請求項1記載の発明…装置全体の改
良 請求項1記載の発明は、搬送機構の構成と複数の処理部
の配置を改良したものである。すなわち、請求項1記載
の発明において、搬送機構は、被メッキ物をリング状の
軌道で搬送するように構成され、複数の処理部は、搬送
機構のリング状の軌道に沿って配置される。
【0017】[2]請求項2〜12記載の発明…搬送機
構の改良 請求項2〜12記載の発明は、請求項1記載のメッキ装
置において、搬送機構の構成を改良したものである。請
求項2記載の発明において、搬送機構は、リング状回転
部、搬送用駆動手段、保持部、および保持部駆動手段を
有する。すなわち、リング状回転部は、リング状の軌道
に合わせたリング状に形成され、軌道に沿って回転する
ように構成される。また、保持部は、リング状回転部の
複数箇所に取り付けられ、被メッキ物を着脱可能に保持
するように構成される。さらに、搬送用駆動手段は、リ
ング状回転部を駆動する手段であり、保持部駆動手段
は、保持部を駆動する手段である。
【0018】請求項3〜5記載の発明は、請求項2記載
のメッキ装置において、さらにその搬送機構が次のよう
に構成されたことを特徴としている。請求項3記載の発
明において、保持部駆動手段は、搬送機構のリング状の
軌道における複数箇所に固定的に配置され、各配置箇所
に達した保持部と係合してこの保持部を駆動するように
構成される。また、請求項4記載の発明において、搬送
機構とリング状回転部は次のように構成される。すなわ
ち、搬送機構は、上下にスプロケットを備えた2本の搬
送用シャフトを有する。そして、リング状回転部は、2
本の搬送用シャフトの上部スプロケット間および下部ス
プロケット間にそれぞれ掛けられた上下のチェーンであ
る。さらに、請求項5記載の発明において、保持部は、
リング状回転部に固定された取付部材と、取付部材に対
して昇降可能に取り付けられた昇降部材と、昇降部材に
設けられて被メッキ物を着脱可能に保持するチャック手
段とを有する。
【0019】請求項6〜8記載の発明は、請求項5記載
のメッキ装置において、さらにその搬送機構が次のよう
に構成されたことを特徴としている。請求項6記載の発
明において、保持部は、保持部駆動手段の駆動力を昇降
部材とチャック手段に対して選択的に伝達する駆動力伝
達手段を有し、この駆動力伝達手段は、保持部駆動手段
の駆動力によって昇降部材を所定の下降位置まで下降さ
せた状態でチャック手段を開閉させるように構成され
る。
【0020】請求項7記載の発明は、請求項6記載のメ
ッキ装置において、その取付部材に、昇降部材を所定の
下降位置に位置規制する位置規制手段が設けられるとと
もに、駆動力伝達手段が次のように構成されたことを特
徴としている。すなわち、この請求項7記載の発明にお
いて、駆動力伝達手段は、駆動力伝達部材、昇降用弾性
部材、開閉用部材、および閉塞用弾性部材を有する。駆
動力伝達部材は、保持部駆動手段の駆動力によって駆動
され、昇降部材を上昇位置に保持する第1動作位置と、
昇降部材を所定の下降位置に保持する第2動作位置、お
よびチャック手段を開放する第3動作位置の間を移動す
るように構成される。昇降用弾性部材は、駆動力伝達部
材と昇降部材との間に設けられ、駆動力伝達部材が第1
動作位置と第2動作位置との間を移動する場合に昇降部
材を昇降させるように構成される。開閉用部材は、チャ
ック手段を開放させる開放位置とチャック手段を閉塞さ
せる閉塞位置との間を移動可能に設けられ、駆動力伝達
部材が第2動作位置から第3動作位置に移動する場合に
は、この駆動力伝達部材に係合して開放位置へ移動して
チャック手段を開放させ、駆動力伝達部材が第3動作位
置から第2動作位置に移動する場合には、この駆動力伝
達部材から解放されて閉塞位置へ移動可能となるように
構成される。閉塞用弾性部材は、開閉用部材と昇降部材
との間に設けられ、開閉用部材の閉塞位置から開放位置
への移動時に蓄勢され、開閉用部材が駆動力伝達部材か
ら解放された時点でその蓄勢力により開閉用部材を閉塞
位置へ駆動するように構成される。
【0021】請求項8記載の発明は、請求項5記載のメ
ッキ装置において、保持部が、昇降部材を所定の上昇位
置に支持する支持機構を有し、この支持機構が次のよう
に構成されたことを特徴としている。すなわち、この請
求項8記載の発明において、支持機構は、取付部材と昇
降部材との間に配置され、昇降部材を取付部材と連結す
る形で前記所定の上昇位置に支持する支持位置と、昇降
部材を取付部材から解放してその昇降動作を可能にする
解放位置との間を移動する支持部材を有する。
【0022】請求項9記載の発明は、請求項8記載のメ
ッキ装置において、支持機構が次のように構成されたこ
とを特徴としている。すなわち、請求項9記載の発明に
おいて、支持機構は、取付部材に固定された固定側軸支
部材とこの固定側軸支部材の上方に配置された可動側軸
支部材、固定側軸支部材に対して可動側軸支部材を水平
移動可能に連結する4点支持リンクを有し、可動側軸支
部材に、支持部材としてローラが設けられる。
【0023】請求項10記載の発明は、請求項8記載の
メッキ装置において、保持部駆動手段が次のように構成
されたことを特徴としている。すなわち、請求項10記
載の発明において、保持部駆動手段は、昇降部材とチャ
ック手段を駆動する第1の駆動手段と、支持機構の支持
部材を駆動する第2の駆動手段を有する。そして、第1
と第2の駆動手段は、搬送機構のリング状の軌道におけ
る複数箇所に1組ずつ固定的に配置され、各配置箇所に
達した保持部とそれぞれ係合して、第1の駆動手段によ
って昇降部材とチャック手段を駆動するとともに、第2
の駆動手段によって支持部材を駆動するように構成され
る。
【0024】請求項11、12記載の発明は、請求項5
記載のメッキ装置において、チャック手段が次のように
構成されたことを特徴としている。請求項11記載の発
明において、チャック手段は、被メッキ物をそのメッキ
面が搬送方向と直交する垂直状態で保持するように構成
される。請求項12記載の発明において、チャック手段
は、請求項11記載の構成に加えて、さらに、昇降部材
における搬送方向と直交する方向に複数並べて設けられ
ることを特徴としている。
【0025】[3]請求項13〜19記載の発明…供給
部と回収部の改良 請求項13〜19記載の発明は、搬送機構に被メッキ物
を供給する供給部と後処理部から被メッキ物を回収する
回収部を有するメッキ装置において、供給部または回収
部の構成を改良したものである。請求項13記載の発明
において、供給部、前処理部、メッキ処理部、後処理
部、および回収部は、搬送機構のリング状の軌道に沿っ
てこの順でリング状に配置される。
【0026】請求項14、15記載の発明は、請求項1
3記載のメッキ装置において、搬送機構が、被メッキ物
を垂直状態で着脱可能に保持する保持部を有するととも
に、供給部が次のように構成されたことを特徴としてい
る。請求項14記載の発明において、供給部は、供給用
収納部、供給用保持手段、および方向変換手段を有す
る。供給用収納部は、搬送機構の保持部の下方に配置さ
れ、被メッキ物を水平状態で収納するように構成され
る。供給用保持手段は、供給用収納部と搬送機構の保持
部との間に配置され、供給用収納部側の受け取り位置と
保持部側の渡し位置との間で垂直方向に回転可能に設け
られ、被メッキ物を着脱可能に保持するように構成され
る。方向変換手段は、供給用保持手段を回転させてそれ
に保持された被メッキ物の方向を水平方向から垂直方向
に変換するように構成される。
【0027】請求項15記載の発明は、請求項14記載
のメッキ装置において、搬送機構の保持部が、複数の被
メッキ物を搬送方向と直交する方向に並べた状態で保持
するように構成されるとともに、供給用収納部と供給用
保持手段が次のように構成されたことを特徴としてい
る。すなわち、請求項15記載の発明において、供給用
収納部は、複数の被メッキ物を垂直方向に積層収納する
ように構成される。そして、供給用保持手段は、供給用
収納部に対して水平方向に移動可能に設けられるととも
に、この水平移動方向に沿って配置されて被メッキ物を
着脱可能に保持する複数のハンド手段を有する。
【0028】請求項16〜19記載の発明は、請求項1
3記載のメッキ装置において、後処理部が、被メッキ物
を水平状態で搬送する送り機構を有するとともに、回収
部が次のように構成されたことを特徴としている。請求
項16記載の発明において、回収部は、回収用収納部お
よび回収用保持手段を有する。回収用収納部は、後処理
部の送り機構の搬送方向における前方に配置され、被メ
ッキ物を水平状態で収納するように構成される。回収用
保持手段は、後処理部の送り機構と回収用収納部との間
に配置され、後処理部の送り機構側の受け取り位置と回
収用収納部側の渡し位置との間で水平方向に移動可能に
設けられるとともに、送り機構上の被メッキ物を保持可
能な下降位置と送り機構上の被メッキ物に接触しない上
昇位置との間で昇降可能に設けられ、被メッキ物を着脱
可能に保持するように構成される。
【0029】請求項17記載の発明は、請求項16記載
のメッキ装置において、回収用収納部が次のように構成
されたことを特徴としている。すなわち、請求項17記
載の発明において、回収用収納部は、複数の被メッキ物
を垂直方向に積層収納するように構成される。
【0030】請求項18記載の発明は、請求項16記載
のメッキ装置において、回収用保持手段が次のように構
成されたことを特徴としている。すなわち、請求項18
記載の発明において、回収用保持手段は、まず、支持部
材と、この支持部材に取り付けられ、搬送方向に向かっ
て対向配置されて互いに接離方向に水平移動可能に構成
され、その間に被メッキ物を挟む第1と第2のハンドを
有する。そして、第1ハンドは、第2ハンドから最も離
れる初期位置とこの初期位置から所定の第1距離だけ第
2ハンドに接近する固定側保持位置との間を水平移動す
るように構成される。また、第2ハンドは、第1ハンド
から最も離れる初期位置と、この初期位置から所定の第
1距離だけ第1ハンドに接近する保持領域起点位置と、
さらにこの保持領域起点位置から所定の第1距離よりも
長い所定の第2距離だけ第1ハンドに接近する保持領域
終点位置との間を水平移動するように構成される。さら
に、第1と第2のハンドは、閉塞動作の開始時には、初
期位置から固定側保持位置または保持領域起点位置に向
かって同期して水平移動し、第1ハンドが固定側保持位
置に停止した後は第2ハンドのみが保持領域終点位置に
向かって移動して被メッキ物と接触した時点でこの位置
を可変側保持位置として停止するように構成される。ま
た、第1と第2のハンドは、開放動作の開始時には、固
定側保持位置または可変側保持位置から初期位置に向か
って同期して水平移動し、第1ハンドが初期位置に復帰
した後は第2ハンドのみが初期位置に向かって水平移動
して最終的に初期位置に復帰するように構成される。
【0031】請求項19記載の発明は、請求項18記載
の構成に加えて、回収用保持手段がさらに次のように構
成されたことを特徴としている。すなわち、請求項18
記載の発明において、回収用保持手段は、ハンド用駆動
手段、ロック手段、出力ギア、および第1と第2のラッ
クを有する。ハンド用駆動手段は、支持部材にスライド
可能に取り付けられ、第1と第2のハンドを駆動する手
段である。ロック手段は、ハンド用駆動手段のスライド
移動を阻止するロック動作とハンド用駆動手段を解放す
る解除動作を行う手段である。出力ギアは、ハンド用駆
動手段に固定的に連結され、ハンド用駆動手段と一体的
にスライド可能に設けられるとともに、ハンド用駆動手
段の駆動力を回転力として出力するように構成される。
第1と第2のラックは、出力ギアの両側に互いに対向し
て配置され、出力ギアの回転によって互いに逆方向に移
動して、第1と第2のハンドを互いに逆方向に移動させ
るように構成される。この第1と第2のラックは、その
動作ストロークの比が第1と第2のハンドの動作ストロ
ークの比と一致するように構成される。また、ロック手
段は、第1と第2のラックによる第1と第2のハンドの
開閉動作の開始時にハンド用駆動手段をロックしてその
スライド移動を阻止し、第1ラックが停止した時点でハ
ンド用駆動手段を解放してそのスライド移動を可能にす
るように構成される。
【0032】[4]請求項20〜30記載の発明…メッ
キ処理部の改良 請求項20〜30記載の発明は、メッキ処理部の構成を
改良したものである。請求項20記載の発明において、
メッキ処理部は、メッキ処理槽、一対のメッキブロッ
ク、および駆動手段を有する。メッキ処理槽は、被メッ
キ物を挿入してメッキ処理を行うように構成される。一
対のメッキブロックは、メッキ処理槽内に対向配置され
て互いに接離方向に移動可能に構成され、その間に被メ
ッキ物を挟み、この状態で被メッキ物にメッキ液を吹き
付けてメッキ処理を行うように構成される。駆動手段
は、メッキブロックを駆動する手段である。
【0033】請求項21〜24記載の発明は、請求項2
0記載のメッキ装置において、メッキブロックが次のよ
うに構成されたことを特徴としている。請求項21記載
の発明において、メッキブロックは、被メッキ物を挟ん
だ状態でこの被メッキ物のメッキ必要部分と対向する部
分に設けられたメッキ用キャビティと、メッキ用キャビ
ティにメッキ液を供給する供給手段とを有する。
【0034】請求項22記載の発明は、請求項21記載
の構成に加えて、メッキブロックがさらに次のように構
成されたことを特徴としている。すなわち、請求項22
記載の発明において、メッキブロックは、被メッキ物を
挟んだ状態でこの被メッキ物のメッキ不要部分と密着す
るように設けられたマスキング手段と、被メッキ物に吹
き付けたメッキ液をメッキ用キャビティを介して外部に
排出する排出手段とを有する。
【0035】請求項23記載の発明は、請求項21記載
の構成に加えて、メッキブロックがさらに次のように構
成されたことを特徴としている。すなわち、請求項23
記載の発明において、メッキブロックは、長尺な被メッ
キ物を対象とし、この被メッキ物に対して複数のメッキ
用キャビティを並べてなるメッキ用キャビティ列を有す
る。
【0036】請求項24記載の発明は、請求項21また
は23記載の構成に加えて、メッキブロックがさらに次
のように構成されたことを特徴としている。すなわち、
請求項24記載の発明において、メッキブロックは、複
数の被メッキ物を対象とし、この複数の被メッキ物を並
列に並べた状態で挟むように構成され、各被メッキ物に
対して複数のメッキ用キャビティまたはメッキ用キャビ
ティ列を有する。
【0037】請求項25〜30記載の発明は、請求項2
0記載の構成に加えて、メッキ処理部がさらに位置決め
手段を有することを特徴としている。請求項25記載の
発明において、メッキ処理部は、被メッキ物を前記一対
のメッキブロック間の所定の位置に位置決めする位置決
め手段を有する。
【0038】請求項26〜30記載の発明は、請求項2
5記載のメッキ処理部の位置決め手段が次のように構成
されたことを特徴としている。請求項26記載の発明に
おいて、位置決め手段は、一対のメッキブロック間の下
方に配置されて被メッキ物をその上に支持する形でこの
被メッキ物の水平方向の位置決めを行うガイドブロック
を有する。
【0039】請求項27記載の発明は、請求項26記載
のガイドブロックがさらに次のように構成されたことを
特徴としている。すなわち、請求項27記載の発明にお
いて、ガイドブロックは、被メッキ物のメッキ面方向の
中央部を保持してそのメッキ面と直交する方向における
被メッキ物の位置決めを行うV字形ガイドと、V字形ガ
イドの両側に配置されて被メッキ物のメッキ面方向の両
端部を保持してそのメッキ面方向における被メッキ物の
位置決めを行う一対のガイド板とを有する。
【0040】請求項28記載の発明は、請求項27記載
の構成に加えて、メッキ処理部の位置決め手段がさらに
次のように構成されたことを特徴としている。すなわ
ち、請求項28記載の発明において、位置決め手段は、
ガイドブロックの上方に水平方向に配置されて被メッキ
物の下端部の両側を支持してその上下方向の位置決めを
行う一対の支持用シャフトを有する。そして、ガイドブ
ロックは、V字形ガイドと両側のガイド板との間に一対
の支持用シャフトを挿入する挿入用空間をそれぞれ有す
るとともに昇降可能に構成され、上昇位置においては、
挿入用空間内に一対の支持用シャフトが挿入される形で
この支持用シャフト上に支持された被メッキ物の水平方
向の位置決めを行うように構成される。
【0041】請求項29記載の発明において、位置決め
手段は、複数対の押え用シャフトと、この押さえ用シャ
フトを駆動する駆動手段を有する。複数対の押え用シャ
フトは、一対のメッキブロックをそれぞれ貫通する形で
対向配置されて互いに接離方向に移動可能に構成され、
一対のメッキブロック間に挿入された被メッキ物をその
両面から支持するように構成される。
【0042】請求項30記載の発明において、位置決め
手段は、一対のメッキブロックの一方における被メッキ
物の配置部分の両側に配置された第1係合部と、一対の
メッキブロックの他方における第1係合部と対向する箇
所に配置されて第1係合部と係合する第2係合部とを有
する。
【0043】[5]請求項31〜38記載の発明…後処
理部の改良 請求項31〜38記載の発明は、後処理部の構成を改良
したものである。請求項31記載の発明は、搬送機構
が、被メッキ物をそのメッキ面方向が搬送方向と直交す
る方向となる垂直状態で保持して搬送する保持部を有す
るとともに、後処理部が次のように構成されたことを特
徴としている。すなわち、請求項31記載の発明におい
て、後処理部は、送り機構、後処理手段、および移載機
を有する。送り機構は、被メッキ物をそのメッキ面方向
が搬送方向と平行な方向となる水平状態で搬送するよう
に構成される。後処理手段は、送り機構上の被メッキ物
の後処理を行うように構成される。移載機は、搬送機構
の保持部から被メッキ物を受け取り、その方向を変換し
て送り機構に供給するように構成される。そして、この
移載機は、被メッキ物の保持手段とこの保持手段の方向
を変換する方向変換手段を有する。保持手段は、支持部
材と、この支持部材に設けられて被メッキ物を着脱可能
に保持するフィンガ手段とを有する。方向変換手段は、
固定部材と、この固定部材に回動可能に支持された直軸
と支軸からなるT字形シャフトと、このT字形シャフト
の直軸を貫通させる形で配置されて固定部材に一体的に
固定された固定側ベベルギアと、T字形シャフトの支軸
に回転可能に支持されて固定側ベベルギアと噛み合わさ
れ、かつ、保持手段の支持部材に一体的に固定された可
動側ベベルギアとを有する。
【0044】請求項32記載の発明は、請求項31記載
のメッキ装置において、搬送機構の保持部が、複数の被
メッキ物を搬送方向と直交する方向に並べた状態で保持
するように構成されるとともに、移載機がさらに次のよ
うに構成されたことを特徴としている。すなわち、請求
項32記載の発明において、移載機のフィンガ手段は、
支持部材上に複数並べて設けられる。そして、移載機
は、搬送機構の保持部からその複数のフィンガ手段によ
って複数の被メッキ物を受け取り、その方向を同時に変
換して搬送方向と平行な方向に並べた状態で送り機構に
供給するように構成される。
【0045】請求項33記載の発明は、後処理部が、被
メッキ面をそのメッキ面方向が搬送方向と平行な方向と
なる水平状態で搬送する送り機構を有し、この送り機構
が次のように構成されたことを特徴としている。すなわ
ち、請求項33記載の発明において、送り機構は、一対
の支持部材、押圧部材、および押圧爪を有する。一対の
支持部材は、被メッキ物の搬送方向に伸びるように配置
されて被メッキ物の両端部を支持するように構成され
る。押圧部材は、一対の支持部材と平行に伸びるように
配置され、かつ、この一対の支持部材に対して搬送方向
における第1位置と第2位置との間を水平移動可能でか
つ上方位置と下方位置の間を昇降可能に設けられ、第1
下方位置、第1上方位置、第2上方位置、第2下方位
置、および第1下方位置の順に移動するように構成され
る。押圧爪は、押圧部材の複数箇所に上方に突出する形
で設けられ、押圧部材の第1上方位置から第2上方位置
への水平移動によって一対の支持部材上に支持された被
メッキ物を押圧し、押圧部材の第2下方位置から第1下
方位置への水平移動時には一対の支持部材上に支持され
た被メッキ物と接触しないように構成される。
【0046】請求項34記載の発明は、請求項33記載
の構成に加えて、送り機構が、さらに次のように構成さ
れたことを特徴としている。すなわち、請求項34記載
の発明において、送り機構は、押圧部材を駆動する駆動
手段と、駆動側往復部材、従動側往復部材、第1リン
ク、および第2リンクを有する。駆動側往復部材は、押
圧部材と平行に伸びるように配置され、駆動手段の駆動
力によって水平方向に往復動するように構成される。従
動側往復部材は、駆動側往復部材と平行に伸びるように
配置され、かつ、駆動側往復部材と切り離し可能に連結
され、駆動側往復部材との連結時には駆動側往復部材と
一体的に移動するように構成される。第1リンクは、従
動側往復部材に設けられた軸を中心として回動可能に設
けられ、その回動自由端にて駆動側往復部材に取り付け
られる。そして、この第1リンクは、駆動側往復部材の
動作開始時にはこの駆動側往復部材の移動に伴って回動
することにより駆動側往復部材を従動側往復部材から切
り離して移動させ、回動範囲の端部に達した時点で駆動
側往復部材と従動側往復部材を連結するように構成され
る。第2リンクは、従動側往復部材に設けられた軸を中
心として回動可能に設けられ、その回動自由端の一部で
駆動側往復部材に取り付けられるとともに、その回動自
由端の別の部分で押圧部材に取り付けられる。そして、
この第2リンクは、駆動側往復部材の動作開始時にはこ
の駆動側往復部材の移動に伴って回動することにより押
圧部材を上昇または下降させ、回動範囲の端部に達した
時点で駆動側往復部材と押圧部材および従動側往復部材
を一体的に連結することにより押圧部材を水平移動させ
るように構成される。
【0047】請求項35記載の発明は、後処理部が、被
メッキ面をそのメッキ面方向が搬送方向と平行な方向と
なる水平状態で搬送する送り機構を有し、この送り機構
がその幅寸法を調整可能に構成されたことを特徴として
いる。すなわち、請求項35記載の発明において、送り
機構は、一対の支持部材、固定側ベース、可動側ベー
ス、およびスライド手段を有する。一対の支持部材は、
被メッキ物の搬送方向に伸びるように配置されて被メッ
キ物の両端部を支持するように構成される。固定側ベー
スは、床面に対して固定され、一対の支持部材の一方を
支持するように構成される。可動側ベースは、固定側ベ
ースに対して可動に設けられ、一対の支持部材の他方を
支持するように構成される。スライド手段は、固定側ベ
ースに対して可動側ベースを、一対の支持部材の配置方
向と直交方向にスライド可能に接続する。
【0048】請求項36記載の発明は、後処理部に、熱
風乾燥手段を組み込んだことを特徴としている。すなわ
ち、請求項36記載の発明において、後処理部は、被メ
ッキ物をそのメッキ面方向が搬送方向と平行な方向とな
る水平状態で搬送する送り機構と、送り機構上の被メッ
キ物に対して超音波と洗浄液を吹き付けるシャワー洗浄
手段と、送り機構上の被メッキ物に対して熱風を吹き付
けてこの被メッキ物を乾燥させる熱風乾燥手段とを有す
る。
【0049】請求項37記載の発明は、請求項36記載
の構成に加えて、後処理部がさらに次のように構成され
たことを特徴としている。すなわち、請求項37記載の
発明において、後処理部は、送り機構に対してその搬送
方向に往復動可能な支持部材を有する。そして、この支
持部材に対してシャワー洗浄手段と熱風乾燥手段が一体
的に支持され、この支持部材の移動によってシャワー洗
浄手段と熱風乾燥手段が送り機構上の被メッキ物に対し
て移動可能であるように構成される。
【0050】請求項38記載の発明は、請求項37記載
の構成に加えて、後処理部がさらに次のように構成され
たことを特徴としている。すなわち、請求項38記載の
発明において、後処理部は、シャワー洗浄手段による被
メッキ物の洗浄領域と熱風乾燥手段による被メッキ物の
乾燥領域を有する。さらに、後処理部は、この洗浄領域
と乾燥領域の間のほぼ境界全体に亘って配置され、清浄
な空気を上下方向に吹き付けるエアブロー手段を有す
る。
【0051】
【作用】以上のような構成を有する本発明のメッキ装置
によれば、装置全体の配置構成を改良するか、または、
各構成要素を改良したことにより、被メッキ物を効率良
く搬送し、各処理部において効率良く処理を行うことが
できる。
【0052】[1]請求項1記載の発明の作用 請求項1記載の発明によれば、搬送機構によって被メッ
キ物をリング状の軌道で搬送することにより、このリン
グ状の軌道に沿って配置した複数の処理部間において、
被メッキ物を効率良く移動させることができる。また、
搬送機構を直線状の軌道で動作させる場合に比べて、搬
送動作と同じ距離の復帰動作を行う必要がないため、動
作に無駄がない。さらに、このように複数の処理部をリ
ング状の軌道に沿って配置しているため、複数の処理部
を直線状に配置した場合に比べて、メッキ装置全体を小
型・簡略化することができる。
【0053】[2]請求項2〜12記載の発明の作用 請求項2〜12記載の発明によれば、搬送機構における
昇降部分を必要最小限に小型・簡略化するとともに、こ
の昇降部分を含む水平移動部分を必要最小限に小型・簡
略化することができるため、搬送機構の駆動に必要な駆
動力を必要最小限に抑えることができ、搬送機構全体を
小型・簡略化できる。また、水平移動時には昇降部分で
ある昇降部材を上昇位置に支持してその下降動作を阻止
することができるため、動作信頼性を向上することがで
きる。さらに、搬送方向と直交方向に複数の被メッキ物
を並べた状態でこれらを搬送することにより、搬送機構
の搬送方向寸法を増大することなしに搬送能力を向上す
ることができ、実用性に優れている。
【0054】請求項2記載の発明によれば、保持部駆動
手段によって保持部を駆動して被メッキ物を保持し、こ
の状態で搬送用駆動手段によってリング状回転部を駆動
することにより、リング状回転部の回転量に応じた距離
だけ保持部を水平移動させ、この保持部に保持された被
メッキ物を水平方向に搬送することができる。また、少
なくともリング状回転部については、水平方向に回転さ
せるだけでよいため、リング状回転部の支持ガイド構成
を小型・簡略化できるとともに、搬送用駆動手段の駆動
力をできる限り低減でき、搬送用駆動手段をできる限り
小型化できる。したがって、搬送機構全体を小型・簡略
化できる。
【0055】請求項3記載の発明によれば、搬送機構の
保持部は、リング状回転部の回転時に水平移動し、保持
部駆動手段の配置箇所に達した際にのみ、この保持部駆
動手段と係合して駆動されることになる。そのため、保
持部を、動作の必要な位置においてのみ駆動し、水平移
動途中の動作不要な位置において保持部が誤って動作す
ることを確実に防止することができる。したがって、搬
送機構の保持部の動作信頼性を向上できる。また、この
場合、保持部駆動手段は固定的に配置されるため、保持
部駆動手段を保持部とともにリング状回転部によって移
動させた場合に比べて、リング状回転部の搬送用駆動手
段の駆動力を低減することができ、搬送用駆動手段をで
きる限り小型化できる。
【0056】請求項4記載の発明によれば、2本の搬送
用シャフトを回転させることにより、その上下のスプロ
ケットを介して上下のチェーンを容易かつ確実に回転さ
せることができる。したがって、搬送用シャフトの回転
量に応じた距離だけ、チェーンに取り付けられた保持部
を容易かつ確実に水平移動させることができ、この保持
部に保持された被メッキ物を水平方向に搬送することが
できる。また、このように、シャフトとスプロケット、
およびチェーンを使用した駆動力伝達機構は、構成が簡
略な既存の機構であるため、実用性に優れている。さら
に、このような簡略な機構を使用することにより、搬送
機構全体を小型・簡略化できる。
【0057】請求項5記載の発明によれば、保持部が各
処理部上の所定の位置に達した時点で、昇降部材を下降
させて被メッキ物を処理することができる。そして、必
要な場合にはチャック手段を開閉して被メッキ物の受け
渡しを行うことができる。また、このように、チャック
手段を設けた昇降部材を取付部材に対して昇降させると
いう構成は簡略であるため、保持部を小型・簡略化でき
る。
【0058】請求項6記載の発明によれば、保持部が各
処理部上の所定の位置に達した時点で、保持部駆動手段
の駆動力により駆動力伝達手段を介して昇降部材を下降
させて被メッキ物を処理することができる。そして、こ
のように昇降部材を下降させた状態で、必要な場合には
保持部駆動手段の駆動力により駆動力伝達手段を介して
チャック手段を開閉して被メッキ物の受け渡しを行うこ
とができる。このように構成した場合には、昇降部材を
下降させた状態以外ではチャック手段に駆動力が伝達さ
れないため、昇降途中、あるいは水平移動途中などにお
いて、チャック手段が誤って動作することを確実に防止
することができる。したがって、保持部の動作信頼性を
向上できる。また、保持部駆動手段の駆動力を駆動力伝
達手段によって昇降部材とチャック手段に選択的に伝達
する構成であるため、個別に駆動する場合に比べて、保
持部駆動手段の駆動力を低減することができ、保持部駆
動手段をできる限り小型化できる。
【0059】請求項7記載の発明によれば、保持部が各
処理部上の所定の位置に達した時点で、保持部駆動手段
の駆動力によって駆動力伝達部材を第1動作位置から第
2動作位置に移動させ、昇降用弾性部材を介して昇降部
材を下降させて被メッキ物を処理することができる。そ
して、このように昇降部材を下降させた状態で、必要な
場合には、保持部駆動手段の駆動力によって駆動力伝達
部材をさらに第2動作位置から第3動作位置に移動さ
せ、それによって開閉用部材を閉塞位置から開放位置に
移動させてチャック手段を開放し、被メッキ物の受け渡
しを行うことができる。さらに、このような被メッキ物
の受け渡しの後は、保持部駆動手段の駆動力によって駆
動力伝達部材を第3動作位置から第2動作位置に移動さ
せ、それによって開閉用部材を解放する。その結果、開
閉用部材は、閉塞用弾性部材によって閉塞位置へ駆動さ
れ、チャック手段が閉塞し、被メッキ物を確実に保持す
るかまたは初期状態に復帰することができる。また、こ
のような伝達部材、開閉用部材、および弾性部材を使用
した駆動力伝達機構は、単純な部品を組み合わせて構成
できるため、小型・簡略であり、実用性に優れている。
【0060】請求項8記載の発明によれば、リング状回
転部の水平移動時には、支持機構の支持部材を支持位置
に維持して、この支持部材により保持部の昇降部材を上
昇位置に確実に保持することができる。そして、保持部
が各処理部上の所定の位置に達した時点で、支持部材を
解放位置に移動させて昇降部材を解放し、昇降部材の昇
降動作を可能とすることができる。すなわち、リング状
回転部の水平移動時には、昇降部材が誤って動作するこ
とを確実に防止することができる。したがって、昇降部
材の動作信頼性を向上することができる。
【0061】請求項9記載の発明によれば、4点支持リ
ンクによって、固定側軸支部材に対して可動側軸支部材
を水平移動させることにより、容易かつ確実に支持部材
であるローラを動作させることができる。このように、
4点支持リンクを使用した支持機構は、単純な部品を組
み合わせて構成できるため、小型・簡略であり、実用性
に優れている。
【0062】請求項10記載の発明によれば、保持部
は、リング状回転部の回転時には支持機構によってその
昇降部材が上昇位置に保持された状態で水平移動し、保
持部駆動手段の配置箇所に達した際にのみ、この保持部
駆動手段と係合して動作可能となる。そして、第2の駆
動手段によって支持部材を移動させ、昇降部材を動作可
能とし、第1の駆動手段によって昇降部材とチャック手
段を動作させることができる。したがって、リング状回
転部の水平移動時に、昇降部材およびチャック手段が誤
って動作することを確実に防止することができ、昇降部
材およびチャック手段の動作信頼性を向上することがで
きる。また、この場合、第1と第2の駆動手段は固定的
に配置されるため、第1と第2の駆動手段を保持部とと
もにリング状回転部によって移動させた場合に比べて、
リング状回転部の搬送用駆動手段の駆動力を低減するこ
とができ、搬送用駆動手段をできる限り小型化すること
ができる。
【0063】請求項11記載の発明によれば、チャック
手段によって、被メッキ物をそのメッキ面が搬送方向と
直交する垂直状態で保持し、搬送することができる。し
たがって、被メッキ物のメッキ面を搬送方向に向けて保
持した場合に比べて、複数の処理部の搬送方向の寸法を
短縮することができる。
【0064】請求項12記載の発明によれば、リング状
回転部の回転時に、複数のチャック手段により、被メッ
キ物を搬送方向と直交する方向に複数並べた状態で保持
し、搬送することができる。したがって、被メッキ物を
搬送方向に並べて保持するように構成した場合に比べ
て、搬送機構の搬送方向の寸法を増大することなしに被
メッキ物の搬送能力を向上することができ、実用性に優
れている。
【0065】[3]請求項13〜19記載の発明の作用 請求項13〜19記載の発明によれば、搬送機構および
後処理部の構成に合わせて供給部および回収部を合理的
に構成することができるため、供給部および回収部を小
型・簡略化することができる。まず、被メッキ物の供給
時には、搬送機構と供給用収納部との間に配置された供
給用保持手段の必要最小限の水平移動および回転によ
り、複数の被メッキ物を効率よく搬送機構に供給するこ
とができる。また、供給用収納部内に水平状態の被メッ
キ物を垂直方向に積層収納することにより、水平方向の
面積を増大させることなく、一度に多数の被メッキ物を
供給することができる。したがって、供給部を小型・簡
略化しながらしかもその供給能力を向上することがで
き、実用性に優れている。一方、被メッキ物の回収時に
は、後処理部の送り機構と回収用収納部との間に配置さ
れた回収用保持手段の必要最小限の水平移動により、後
処理を終えた被メッキ物を1枚ずつ回収用収納部内に良
好に収納することができる。また、回収用収納部内に水
平状態の被メッキ物を垂直方向に積層収納することによ
り、水平方向の面積を増大させることなく、一度に多数
の被メッキ物を回収することができる。したがって、回
収部を小型・簡略化しながらしかもその回収能力を向上
することができ、実用性に優れている。
【0066】請求項13記載の発明によれば、搬送機構
のリング状の軌道に沿って、供給部、前処理部、メッキ
処理部、後処理部、および回収部をこの順でリング状に
配置しているため、供給部から搬送機構に対して効率よ
く被メッキ物を供給し、この被メッキ物を搬送機構によ
って、前処理部、メッキ処理部、および後処理部にこの
順でリング状の軌道に沿って効率よく移動させた後、回
収部によって後処理部から被メッキ物を効率よく回収す
ることができる。また、このように、搬送機構のリング
状の軌道に沿って、供給部、前処理部、メッキ処理部、
後処理部、および回収部をこの順でリング状に配置して
いるため、これらの処理部を直線状に配置した場合に比
べて、メッキ装置全体を小型・簡略化することができ
る。
【0067】請求項14記載の発明によれば、供給用収
納部に収納された被メッキ物を供給用保持手段によって
水平状態で保持した後、方向変換手段によってこの供給
用保持手段を回転させることにより、被メッキ物を垂直
状態に変換して搬送機構の保持部に供給することができ
る。また、この場合、供給用収納部を搬送機構の保持部
の下方に配置することができるため、供給用保持手段に
よって保持した被メッキ物を移動させる距離をできる限
り短くすることができ、その結果、供給部をできる限り
小型・簡略化することができる。
【0068】請求項15記載の発明によれば、供給用収
納部内に水平状態の被メッキ物を垂直方向に積層収納す
ることにより、水平方向の面積を増大させることなく、
一度に多数の被メッキ物を供給することができる。ま
た、供給用保持手段を水平移動させることにより、この
供給用保持手段に配置された複数のハンド手段によっ
て、供給用収納部に収納された被メッキ物を1つずつ順
次保持することができるため、搬送機構に対して、複数
の被メッキ物を一度に供給することができる。さらに、
この場合、供給用保持手段は、複数のハンド手段の中心
間寸法の合計だけ水平移動できればよいため、複数のハ
ンド手段を近接配置することにより、供給用保持手段の
寸法をできる限り縮小することができる。したがって、
供給部の寸法を増大することなしに供給能力を向上する
ことができ、実用性に優れている。
【0069】請求項16記載の発明によれば、被メッキ
物の回収時にはまず、回収用保持手段を上昇位置に保持
し、かつ、後処理部の送り機構の搬送方向における前方
の端部に達した被メッキ物に対して水平方向に位置合わ
せした状態で、回収用保持手段を下降位置まで下降さ
せ、この回収用保持手段によって被メッキ物を水平状態
で保持する。続いて、この回収用保持手段を再び上昇位
置まで上昇させた後、水平移動させる。そして、回収用
保持手段が回収用収納部の上方に達した時点で再びこの
回収用保持手段を下降させ、被メッキ物を解放すること
により、回収用収納部によって被メッキ物を回収するこ
とができる。この場合、回収用保持手段の動作は、被メ
ッキ物の方向を変換することなしに単順に水平移動させ
て回収するだけであるため、回収部をできる限り小型・
簡略化できる。
【0070】請求項17記載の発明によれば、回収用収
納部内に水平状態の被メッキ物を垂直方向に積層収納す
ることにより、水平方向の面積を増大させることなく、
一度に多数の被メッキ物を回収することができる。した
がって、回収部を小型・簡略化しながらしかもその回収
能力を向上することができ、実用性に優れている。
【0071】請求項18記載の発明によれば、被メッキ
物の回収時にはまず、回収用保持手段を上昇位置に保持
し、かつ、その第1ハンドと第2ハンドを、後処理部の
送り機構の搬送方向における前方の端部に達した被メッ
キ物に対して水平方向に位置合わせする。次にこの状態
で、回収用保持手段を下降位置まで下降させ、第1ハン
ドと第2ハンドを初期位置から固定側保持位置または保
持領域起点位置に向かって同期して水平移動させる。続
いて、第1ハンドが固定側保持位置で停止し、第2ハン
ドが保持領域起点位置に達した後は、第2ハンドのみを
さらに保持領域終点位置に向かって水平移動させること
により、第2ハンドと被メッキ物の一方の縁部が接触
し、この後は、被メッキ物を第1ハンド側に押圧する形
で移動させる。そして、被メッキ物の他方の縁部が第1
ハンドと接触して停止した時点で、第2ハンドはこの位
置を可変側保持位置として停止する。すなわち、この時
点で、第1ハンドと第2ハンドによって被メッキ物が保
持される。続いて、この状態で、回収用保持手段を再び
上昇位置まで上昇させた後、水平移動させる。そして、
回収用保持手段が回収用収納部の上方に達した時点で再
びこの回収用保持手段を下降させ、第1ハンドと第2ハ
ンドを互いに離れる方向に向かって同期して水平移動さ
せることにより、被メッキ物が解放され、回収用収納部
内に回収される。
【0072】また、このように動作ストロークを固定し
た第1ハンドと動作ストロークが可変の第2ハンドとを
組み合わせることにより、メッキ面方向の幅寸法が一定
の範囲内にある各種の被メッキ物を確実に保持すること
ができるとともに、第1ハンドの位置を基準として、回
収用収納部との位置合わせを確実に行うことができる。
したがって、実用性と動作信頼性に優れている。さら
に、回収用収納部の上方で、第1ハンドと第2ハンドを
同期して開放することができるため、被メッキ物に偏力
が加わることはなく、被メッキ物の水平状態を維持した
まま、この被メッキ物を良好に回収用収納部内に回収す
ることができる。したがって、回収部の動作信頼性を向
上することができる。
【0073】請求項19記載の発明によれば、被メッキ
物の保持動作時には、まず、ロック手段によってハンド
用駆動手段をロックした状態で、このハンド用駆動手段
の駆動力によって出力ギアを一方に回転させることによ
り、第1と第2のラックを互いに逆方向に移動させ、そ
れによって第1と第2のハンドを互いに接近する方向に
移動させる。そして、第1ハンドが停止した時点でロッ
ク手段によるハンド用駆動手段のロックを解除し、この
後は、ハンド用駆動手段の駆動力により、このハンド用
駆動手段自体をスライド部材に対してスライド移動させ
る形で、その駆動力により、第2ハンドのみをそれ以前
の動作の2倍の速度で移動させる。続いて、第2ハンド
が被メッキ物の一方の縁部に接触し、この後は、被メッ
キ物を第1ハンド側に押圧する形で移動させる。そし
て、被メッキ物の他方の縁部がさらに第1ハンドと接触
して停止し、第2ハンドが停止した時点で、ハンド用駆
動手段を停止する。また、被メッキ物の解放動作時に
は、まず、ロック手段によってハンド用駆動手段をロッ
クした状態で、このハンド用駆動手段の駆動力によって
出力ギアを保持動作時と逆方向に回転させることによ
り、第1と第2のラックを、保持動作時とは逆方向にそ
れぞれ移動させ、それによって第1と第2のハンドを互
いに離れる方向に移動させる。そして、第1ハンドが初
期位置に復帰して停止した時点でロック手段によるハン
ド用駆動手段のロックを解除し、この後は、ハンド用駆
動手段自体をスライド部材に対してスライド移動させる
形で、その駆動力により、第2ハンドのみをそれ以前の
動作の2倍の速度で移動させ、第2ハンドが初期位置に
復帰して停止した時点でハンド用駆動手段を停止する。
【0074】また、このように、第1ハンドの停止後
に、単順に第2ハンドのみを動作させるのではなく、ハ
ンド用駆動手段自体をスライド移動させて、第2ハンド
を2倍の速度で移動させることができる。そのため、第
1ハンドを停止させた後も、両側のハンドを移動させる
場合と同様の動作速度が得られることになる。したがっ
て、ハンド用駆動手段を大型化することなしに、その駆
動力を有効に活用して高速の開閉動作を行うことができ
る。そしてまた、ハンド用駆動手段からの駆動力伝達構
成は、ギアとラックを使用した簡略な構成である。した
がって、回収部をさらに小型・簡略化することができる
とともに、実用性にも優れている。
【0075】[4]請求項20〜30記載の発明の作用 請求項20〜30記載の発明によれば、一対のメッキブ
ロックの間に被メッキ物を挟み、この状態で被メッキ物
のメッキ面に集中的にメッキ液を吹き付けることによ
り、高速・高性能のメッキ処理を行うことができる。こ
の場合、メッキ処理部の主要な構成要素である一対のメ
ッキブロックは、被メッキ物の寸法をカバーできれば十
分であるため、メッキ処理部をできる限り小型・簡略化
することができる。また、メッキ不要部分をマスキング
した状態でメッキ用キャビティを介してメッキ必要部分
のみにメッキ液を供給することにより、信頼性の高いメ
ッキ処理を行うことができる。特に、ICのリードフレ
ームなどの長尺な被メッキ物を対象とする場合には、複
数のメッキ用キャビティを並べてメッキ用キャビティ列
を形成することにより、長尺な被メッキ物を均一にメッ
キ処理することができ、実用性に優れている。さらに、
位置決め手段によってメッキブロックに対する被メッキ
物の位置決めを行うことにより、メッキ処理の信頼性を
向上することができる。
【0076】請求項20記載の発明によれば、メッキ処
理時には、一対のメッキブロックの間を開いた状態で、
このメッキブロック間の所定の位置に被メッキ物を挿入
した後、駆動手段によってメッキブロックを互いに接近
する方向に駆動して、一対のメッキブロック間に被メッ
キ物を挟む形で保持する。そして、この状態で両側のメ
ッキブロックから被メッキ物の両面にメッキ液を吹き付
けることにより、良好なメッキ処理を行うことができ
る。この場合、一対のメッキブロックは、被メッキ物の
寸法をカバーできれば十分である。したがって、被メッ
キ物の寸法に応じて一対のメッキブロックをできる限り
小型・簡略化することにより、メッキ処理部全体をでき
る限り小型・簡略化することができる。
【0077】請求項21記載の発明によれば、一対のメ
ッキブロック間に被メッキ物を挟む形で保持した状態
で、供給手段から、メッキブロックのメッキ用キャビテ
ィを介して被メッキ物のメッキ必要部分にメッキ液を集
中的に供給することができる。したがって、高速・高性
能なメッキ処理を行うことができ、実用性に優れてい
る。
【0078】請求項22記載の発明によれば、メッキ不
要部分をマスキングした状態でメッキ用キャビティを介
してメッキ必要部分のみにメッキ液を供給することがで
きる。また、被メッキ物に吹き付けたメッキ液を再びメ
ッキ用キャビティを介して排出手段によって外部に排出
することができるため、メッキ液がメッキ用キャビティ
の外部に漏出して被メッキ物のメッキ不要部分やその他
の不都合な部分に付着する恐れはない。したがって、メ
ッキ処理の信頼性を向上することができる。
【0079】請求項23記載の発明によれば、複数のメ
ッキ用キャビティを並べてメッキ用キャビティ列を形成
しているため、ICのリードフレームなどの長尺な被メ
ッキ物を均一にメッキ処理することができ、実用性に優
れている。
【0080】請求項24記載の発明によれば、複数の被
メッキ物を並列に並べた状態でメッキブロックの間に挟
み、この状態で、供給手段から、メッキ用キャビティま
たはメッキ用キャビティ列を介して複数の被メッキ物の
メッキ必要部分にメッキ液を集中的に供給することがで
きる。したがって、複数の被メッキ物に対して高速・高
性能なメッキ処理を一括的に行うことができ、メッキ処
理能力を向上することができ、メッキ処理部の実用性を
向上することができる。この場合、被メッキ物を近接し
て並べるように構成すれば、メッキブロックのメッキ面
方向の寸法をできる限り小さくすることができ、また、
メッキブロックの移動方向寸法を増大させる必要はない
ため、メッキブロック部分の寸法をそれほど増大するこ
となしにメッキ処理能力を向上することができる。
【0081】請求項25記載の発明によれば、一対のメ
ッキブロックの間に挿入した被メッキ物をメッキブロッ
クによって挟む前に、この被メッキ物を位置決め手段に
よってメッキブロックに対して所定の位置に位置決めす
ることができる。したがって、メッキブロックの所定の
位置に被メッキ物を確実に保持することができるため、
信頼性の高いメッキ処理を行うことができる。
【0082】請求項26記載の発明によれば、一対のメ
ッキブロックの間に挿入した被メッキ物をガイドブロッ
クの上に支持することにより、容易に被メッキ物の水平
方向の位置決めを行うことができる。この場合、ガイド
ブロックは、被メッキ物の下部を支持できれば十分であ
る。したがって、被メッキ物の寸法に応じてガイドブロ
ックを十分に小型・簡略化することができる。
【0083】請求項27記載の発明によれば、一対のメ
ッキブロックの間に挿入した被メッキ物をガイドブロッ
クの上に支持し、このガイドブロックのV字形ガイドに
よって被メッキ物のメッキ面方向の中央部を保持すると
ともに、一対のガイド板によって被メッキ物のメッキ面
方向の両端部を保持することにより、メッキ面方向と直
交する方向、およびメッキ面方向における被メッキ物の
位置決めを容易かつ確実に行うことができる。したがっ
て、位置決め手段の動作信頼性を向上することができる
とともに、実用性にも優れている。この場合、V字形ガ
イドおよび一対のガイド板は、被メッキ物の下部の一部
を局部的に支持できれば十分である。したがって、被メ
ッキ物の寸法に応じてガイドブロックをできる限り小型
・簡略化することができる。
【0084】請求項28記載の発明によれば、まず、ガ
イドブロックを上昇させた状態で、このガイドブロック
上に被メッキ物を載せることにより、ガイドブロックに
よって被メッキ物の水平方向の位置決めを行うことがで
きる。この状態から、ガイドブロックを下降させること
により、被メッキ物が一対の支持用シャフト上に係合す
る形で載るため、この一対の支持用シャフトによって被
メッキ物の上下方向の位置決めを行うことができる。し
たがって、位置決め手段の動作信頼性・実用性をさらに
向上することができる。また、この場合、一対の支持用
シャフトは、被メッキ物の下端部の一部を局部的に支持
できれば十分であり、小径のものを使用することができ
る。したがって、この支持用シャフトを設けたことによ
って位置決め手段の構成が大型・複雑化することはな
く、位置決め手段をできる限り小型・簡略化することが
できる。
【0085】請求項29記載の発明によれば、一対のメ
ッキブロックの間に挿入した被メッキ物を複数対の押え
用シャフトによってその両面から支持することができる
ため、メッキ面方向と直交する方向における被メッキ物
の位置決めを容易かつ確実に行うことができる。したが
って、位置決め手段の動作信頼性を向上することができ
るとともに、実用性にも優れている。また、この場合、
押え用シャフトは、被メッキ物の一部を局部的に支持で
きれば十分であり、小径のものを使用することができ
る。したがって、この押え用シャフトを設けたことによ
って位置決め手段の構成が大型・複雑化することはな
く、位置決め手段をできる限り小型・簡略化することが
できる。
【0086】請求項30記載の発明によれば、一対のメ
ッキブロックの間における一方のメッキブロックの両側
の第1係合部間、あるいは他方のメッキブロックの両側
の第2係合部間に被メッキ物を位置合わせした状態で、
この被メッキ物をメッキブロックによって挟むことによ
り、一対のメッキブロックの各々に設けた第1、第2の
係合部が互いに係合して、被メッキ物の位置決めを行
う。すなわち、このようにして互いに係合した第1、第
2の係合部は、被メッキ物のメッキ面方向における両側
をそれぞれ支持する形で被メッキ物のメッキ面方向にお
ける位置決めを行う。したがって、位置決め手段の動作
信頼性を向上することができるとともに、実用性にも優
れている。また、この場合、第1、第2の係合部は、被
メッキ物の一部を局部的に支持できれば十分であり、小
径の孔や突起を組み合わせて容易に構成することができ
る。したがって、この第1、第2の係合部を設けたこと
によって位置決め手段の構成が大型・複雑化することは
なく、位置決め手段をできる限り小型・簡略化すること
ができる。
【0087】[5]請求項31〜38記載の発明の作用 請求項31〜38記載の発明によれば、搬送機構の構成
と後処理部の送り機構の構成に合わせて移載機を合理的
に構成するか、後処理部の送り機構を合理的に構成する
ことにより、後処理部をできる限り小型・簡略化するこ
とができるとともに、高速・高性能な後処理を可能に
し、その信頼性・実用性を向上することができる。ま
た、後処理部に熱風乾燥手段を組み込むことにより、独
立した乾燥手段を不要として、メッキ装置全体を小型・
簡略化することができるとともに、実用性を向上するこ
とができる。
【0088】請求項31記載の発明によれば、搬送機構
の保持部によってそのメッキ面方向が搬送方向と直交す
る垂直状態で保持された被メッキ物を、移載機の保持手
段によって搬送方向と直交する垂直状態で保持した後、
方向変換手段によってこの保持手段の方向を変換するこ
とにより、被メッキ物をそのメッキ面方向が搬送方向と
平行となる水平状態に変換して、この状態で被メッキ物
を後処理部の送り機構に供給することができる。すなわ
ち、具体的には、固定部材に対して、T字形シャフトの
直軸を回転させ、T字形シャフトの支軸を垂直方向に回
転させるとともに、この支軸に支持された可動側ベベル
ギアを固定側ベベルギアに対して回転させることによ
り、T字形シャフトの2つの軸に対して保持手段を回転
させ、その結果、被メッキ物をこの2つの軸に対して容
易かつ確実に回転させることができる。したがって、移
載機の動作信頼性を向上することができる。また、この
場合、移載機の方向変換手段は、T字形シャフトとベベ
ルギアを使用した簡略な構成であるため、移載機をでき
る限り小型・簡略化することができ、実用性にも優れて
いる。
【0089】請求項32記載の発明によれば、複数のフ
ィンガ手段により、複数の被メッキ物を並べた状態で保
持し、その方向を一括して変換した後、送り機構に供給
することができる。この場合、フィンガ手段を複数設け
ても、移載機の保持手段の寸法をさほど大きくする必要
はないため、方向変換される被駆動部分はさほど大型化
することはなく、駆動力を増大することもない。したが
って、移載機の寸法をさほど増大することなしに被メッ
キ物の移載能力を向上し、その実用性を向上することが
できる。
【0090】請求項33記載の発明によれば、後処理部
において後処理を行う際に、送り機構の一対の支持部材
上に被メッキ物を支持した状態で、押圧部材を第1下方
位置から第1上方位置に上昇させ、この第1上方位置か
ら第2上方位置に水平移動させることにより、この押圧
部材に設けられた押圧爪により、一対の支持部材上の被
メッキ物を押圧して搬送方向に水平移動させ、所定の処
理位置に送ることができる。また、このように被メッキ
物を搬送した後は、押圧部材を第2上方位置から第2下
方位置に下降させ、さらに、この第2下方位置から第1
下方位置に水平移動させるが、この場合には、押圧爪が
被メッキ物に接触しないため、被メッキ物を逆方向に戻
してしまうことはない。そして、押圧部材が、第1下方
位置に復帰した時点で、送り機構は初期状態となる。こ
のように、送り機構によって被メッキ物を搬送方向に水
平移動させることができ、また、送り機構の復帰時に被
メッキ物を逆方向に戻す恐れもないため、確実に被メッ
キ物を所定の処理位置に送ることができる。したがっ
て、送り機構の動作信頼性を向上することができる。ま
た、この場合、送り機構は、支持部材と押圧部材、およ
び押圧爪を使用した簡略な構成であるため、できる限り
小型・簡略化することができ、実用性にも優れている。
【0091】請求項34記載の発明によれば、後処理部
において後処理を行う際に、まず、駆動手段の駆動力に
よって駆動側往復部材を搬送方向に水平移動させること
により、第1リンクおよび第2リンクが従動側往復部材
に対して回動する。この第2リンクの回動により、押圧
部材が第1下方位置から第1上方位置に上昇する。そし
て、第1リンクが回動範囲の端部に達すると、駆動側往
復部材と従動側往復部材が連結されるため、この後は、
駆動手段の駆動力によって駆動側往復部材と押圧部材お
よび従動側往復部材が一体的に水平移動し、押圧部材が
第1上方位置から第2上方位置に水平移動して、被メッ
キ物を搬送方向に移動させる。また、このように被メッ
キ物を搬送した後は、駆動手段の駆動力によって駆動側
押圧部材を搬送方向と逆方向に水平移動させることによ
り、第1リンクおよび第2リンクが搬送時と逆方向に回
動する。この第2リンクの回動により、押圧部材が第2
上方位置から第2下方位置に下降し、駆動側往復部材と
従動側往復部材が連結されるため、この後は、駆動手段
の駆動力によって駆動側往復部材と押圧部材および従動
側往復部材が一体的に連結される形で水平移動し、押圧
部材が第2下方位置から第1下方位置に水平移動して、
初期状態となる。このように、駆動側と従動側の往復部
材、および第1と第2のリンクを使用した簡略な駆動構
成によって、押圧部材を確実に駆動することができ、誤
動作を生じることもない。したがって、送り機構の動作
信頼性をさらに向上することができ、実用性にも優れて
いる。
【0092】請求項35記載の発明によれば、後処理部
の送り機構によって被メッキ物を搬送する際には、スラ
イド手段により、固定側ベースに対して可動側ベースを
スライド移動させることによって、一対の支持部材の幅
寸法を被メッキ物の寸法に合わせて調整することができ
る。したがって、後処理部の送り機構を、その調整可能
な範囲に対応する一定の範囲内の寸法を有する各種の被
メッキ物に対応させることができ、実用性に優れてい
る。
【0093】請求項36記載の発明によれば、後処理部
において、送り機構によって被メッキ物を搬送方向に送
りながら、この送り機構上の被メッキ物に対して、シャ
ワー洗浄手段によって超音波と洗浄液を吹き付けてシャ
ワー洗浄を行うとともに、熱風乾燥手段によって熱風を
吹き付けてこの被メッキ物を乾燥させることができる。
そして、このように、後処理部に熱風乾燥手段を組み込
むことにより、独立した乾燥手段が不要となるため、メ
ッキ装置全体を小型・簡略化し、実用性を向上すること
ができる。
【0094】請求項37記載の発明によれば、後処理部
において、まず、送り機構によって被メッキ物を所定の
洗浄位置に搬送した後、支持部材を搬送方向と逆方向に
移動させ、シャワー洗浄手段を搬送方向と逆方向に移動
させて送り機構上の被メッキ物のシャワー洗浄を行うこ
とができる。次に、送り機構によって被メッキ物を所定
の乾燥位置に搬送するとともに支持部材を搬送方向に移
動させた後、この支持部材を再び搬送方向と逆方向に移
動させ、熱風乾燥手段を搬送方向と逆方向に移動させて
送り機構上の被メッキ物を乾燥させることができる。こ
のように、シャワー洗浄手段と熱風乾燥手段を被メッキ
物に対して移動させることにより、送り機構上を移動す
る被メッキ物の表面全体のシャワー洗浄と熱風乾燥を確
実にしかも高速で効率よく行うことができる。したがっ
て、後処理部のシャワー洗浄手段および熱風乾燥手段の
処理能力を向上して、被メッキ物に対する高速・高性能
な後処理を可能にし、実用性を向上することができる。
【0095】請求項38記載の発明によれば、エアブロ
ー手段により、被メッキ物の洗浄領域と被メッキ物の乾
燥領域のほぼ境界全体に亘って、清浄な空気を上下方向
から吹き付けることで、被メッキ物を予備的に水切りす
ることができる。また、このエアブロー手段によって形
成されるエアーカーテンにより、洗浄領域の洗浄液が乾
燥領域に飛散することを防止することができるため、乾
燥領域において乾燥した被メッキ物に洗浄液が再び付着
することはない。したがって、後処理部の熱風乾燥手段
による乾燥能力をさらに向上して、被メッキ物に対する
より高速・高性能な後処理を可能にし、実用性をさらに
向上することができる。
【0096】
【実施例】以下には、本発明によるメッキ装置をICの
リードフレーム用のメッキ装置として適用した一実施例
について、図面を参照して説明する。
【0097】[1]実施例の構成 [1−1]メッキ装置全体の概略構成…図1〜図3 図1は、本実施例のメッキ装置全体の概略を示す分解斜
視図である。この図1のメッキ装置は、複数個のICが
モールド固定された長尺な板状のリードフレームRにメ
ッキを施すための装置であり、特に、一定の範囲内の長
さと一定の範囲内の幅を有する各種のリードフレームR
を処理できるように構成されている。そして、この図1
に示すように、本実施例のメッキ装置本体は、搬送機構
Aと、この搬送機構Aの下方の外周部に図中時計方向に
向かって順次配置されたリードフレーム供給部B、前処
理部C、メッキ処理部D、後処理部E、およびリードフ
レーム回収部Fから構成されており、このようなメッキ
装置本体が、本体ケースG内に収納されている。図2
は、これらの各構成部分の水平方向の配置関係を示して
おり、図3は、垂直方向の配置関係を示している。
【0098】[1−2]メッキ装置の各構成部分A〜G
の概略構成…図1〜図3 搬送機構Aは、リードフレームRをリング状の軌道で搬
送する機構であり、リードフレーム供給部Bから供給さ
れたリードフレームRを受け取って保持し、前処理部
C、メッキ処理部D、および後処理部Eに順次移動さ
せ、前処理部Cとメッキ処理部DでリードフレームRを
昇降させて各処理を行わせるとともに、最終的に後処理
部EにリードフレームRを渡す機能を有する。この搬送
機構Aは、図1に示すように、フレーム搬送部110
と、8個の保持部駆動シリンダ120、および10個の
フレーム保持部130から構成されている。このうち、
フレーム搬送部110は、リードフレームRをリング状
の軌道で水平方向に搬送するための機能部である。8個
の保持部駆動シリンダ120は、フレーム搬送部110
におけるリードフレームRの昇降動作または受け渡しの
必要な8箇所の昇降動作・受け渡し位置にそれぞれ設け
られており、フレーム保持部130を駆動する手段(保
持部駆動手段の第1の駆動手段)である。10個のフレ
ーム保持部130は、リードフレームRを保持し、8箇
所の昇降動作・受け渡し位置において保持部駆動シリン
ダ120の駆動力によってリードフレームRの昇降動作
・受け渡しを行うための機能部である。この10個のフ
レーム保持部130は、フレーム搬送部110のリング
状の軌道に沿って隣接するフレーム保持部130の中心
間寸法がいずれもLX となるように等間隔で設けられて
おり、フレーム搬送部110は、この寸法LX を搬送動
作の単位距離として動作するようになっている。なお、
以下に述べる前処理部C、メッキ処理部D、および後処
理部Eの構成の説明においては、説明の便宜上、水平面
上における方向として、搬送機構Aの搬送方向をX1
向、その逆方向をX2 方向、搬送方向と平行な方向をX
方向、このX方向に直交する方向をY方向と定義する。
【0099】リードフレーム供給部Bは、本体ケースG
内に搬入されたリードフレームRを方向変換して搬送機
構Aに供給する装置である。このリードフレーム供給部
Bは、図1に示すように、水平状態のリードフレームR
を垂直方向に積層収納した供給用カセット100aを収
納し、供給用カセット100a内のリードフレームRを
所定の高さまで押上げる供給用カセット装着部210
と、供給用カセット装着部210内の供給用カセット1
00aから押上げられたリードフレームRを垂直方向に
方向変換して搬送機構Aに供給するローダー220とか
ら構成されている。なお、ローダー220は、搬送機構
Aのフレーム保持部130が後処理部E(の後述する移
載機520)との受け渡し位置から単位距離LX の3倍
の距離だけX1 方向に進んだ位置をローダー220との
受け渡し位置として、ローダー220との受け渡しを行
うことができるように配置されている。
【0100】前処理部Cは、メッキのためのリードフレ
ームRの前処理を行う部分であり、図1および図2に示
すように、X方向(前処理部Cにおける搬送機構Aの搬
送方向と平行な方向)に沿って順次配置された純水ディ
ップ槽310、活性化槽320、第1水洗槽330、お
よび第2水洗槽340という4つの処理槽から構成され
ている。この前処理部Cにおいて、リードフレームR
は、図1に示すように、搬送機構Aにより垂直状態のま
ま搬送され、図中矢印で示すような経路で4つの槽31
0〜340内に順次挿入されるようになっている。
【0101】なお、図2に示すように、4つの処理槽3
10,320,330,340は、隣接する処理槽の中
心間寸法が、搬送機構Aの搬送動作の単位距離LX と一
致するようにして配置されている。また、純水ディップ
槽310は、搬送機構Aのフレーム保持部130がロー
ダー220との受け渡し位置から単位距離LX だけX1
方向に進んだ位置とその中心位置とが一致するようにし
て配置されている。すなわち、各処理槽310,32
0,330,340は、搬送機構Aのフレーム保持部1
30の各処理槽に対する昇降動作位置が、各処理槽の中
心位置と一致するようにして配置されている。
【0102】メッキ処理部Dは、前処理部Cで前処理を
施されたリードフレームRのメッキ処理を行う装置であ
り、図2に示すように、搬送機構Aによる搬送経路にお
ける前処理部Cの前方の折り返し位置に配置されてい
る。このメッキ処理部Dは、図1に示すように、メッキ
処理槽410と、このメッキ処理槽410内におけるX
方向(メッキ処理部Dにおける搬送機構Aの搬送方向と
平行な方向)両側に対向配置された一対のメッキブロッ
ク420a,420bを備えている。そして、搬送機構
Aにより一対のメッキブロック420a,420bの間
に垂直状態で挿入されたリードフレームRを、この一対
のメッキブロック420a,420bによって挟み、こ
の状態で各メッキブロック420a,420bからリー
ドフレームRのX方向両面にメッキ液を吹き付けてメッ
キ処理を行うように構成されている。
【0103】なお、図2に示すように、このメッキ処理
部Dのメッキ処理槽410は、搬送機構Aのフレーム保
持部130が前処理部Cの第2水洗槽340上の昇降動
作位置(第2水洗槽340の中心位置)から単位距離L
X だけX1 方向に進んだ位置とその中心位置とが一致す
るようにして配置されている。すなわち、メッキ処理槽
410は、搬送機構Aのフレーム保持部130のメッキ
処理槽410との受け渡し位置が、メッキ処理槽410
の中心位置と一致するようにして配置されている。
【0104】後処理部Eは、メッキ処理部Dでメッキ処
理を施されたリードフレームRの後処理を行う装置であ
り、図2に示すように、搬送機構Aを挟んで前処理部C
と対向する位置に配設されている。この後処理部Eは、
水洗槽510と、この水洗槽510で処理され、搬送機
構Aにより垂直状態で保持されているリードフレームR
を水平状態に変換する移載機520、および移載機52
0から水平状態で供給されたリードフレームRに超音波
シャワー洗浄を施す超音波洗浄装置610から構成され
ている。この超音波洗浄装置610は、図1に示すよう
に、移載機520から水平状態で順次供給されるリード
フレームRを水平状態でX方向(後処理部Eにおける搬
送機構Aの搬送方向と平行な方向)に連続的に送りなが
らメガヘルツ洗浄を施す装置である。
【0105】なお、図2に示すように、この後処理部E
の水洗槽510は、搬送機構Aのフレーム保持部130
がメッキ処理部Dのメッキ処理槽410との受け渡し位
置(メッキ処理槽410の中心位置)から単位距離LX
だけX1 方向に進んだ位置とその中心位置とが一致する
ようにして配置されている。すなわち、水洗槽510
は、搬送機構Aのフレーム保持部130の水洗槽510
に対する昇降動作位置が、水洗槽510の中心位置と一
致するようにして配置されている。また、移載機520
は、搬送機構Aのフレーム保持部130が水洗槽510
に対する昇降動作位置(水洗槽510の中心位置)から
単位距離LX だけX1 方向に進んだ位置を移載機520
との受け渡し位置として、移載機520との受け渡しを
行うことができるように配置されている。
【0106】リードフレーム回収部Fは、後処理部Eの
超音波洗浄装置610で後処理を施されたリードフレー
ムRを回収する装置である。このリードフレーム回収部
Fは、図1に示すように、後処理部Eの超音波洗浄装置
610の搬送方向先端部に到達したリードフレームRを
水平状態のまま回収するアンローダー710と、回収用
カセット100bを収納し、この回収用カセット100
b内にアンローダー710で回収したリードフレームF
を収納する回収用カセット装着部740とから構成され
ている。
【0107】本体ケースGは、図2および図3に示すよ
うに、メッキ装置本体を密封する単純形状の箱である
が、その垂直壁部のリードフレーム供給部Bおよびリー
ドフレーム回収部Fに対向する位置には、リードフレー
ムRを収納した供給用カセット100aまたは回収用カ
セット100bの搬入用と搬出用の開閉部810がそれ
ぞれ設けられている。
【0108】[1−3]搬送機構Aの構成…図1、図
2、図4〜図9 [1−3−1]フレーム搬送部110の構成…図4、図
5 搬送機構Aのフレーム搬送部110は、図4に示すよう
に、駆動側および従動側の2本の搬送用シャフト11
1,112、この搬送用シャフト111,112の上下
にそれぞれ設けられた上下のスプロケット113,11
4、および上部のスプロケット113間および下部のス
プロケット114間にそれぞれ掛けられた上下のチェー
ン115,116を備えている。そして、この上下のチ
ェーン115,116間を接続する形で、10個のフレ
ーム保持部130がそれぞれ取り付けられている。
【0109】また、このフレーム搬送部110の駆動力
は、図4に示すように、搬送用モータ(搬送用駆動手
段)117によって得られる。すなわち、図4に示すよ
うに、駆動側の搬送用シャフト111には、変速機11
8を介して搬送用モータ117が接続されており、この
搬送用モータ117によって駆動側および従動側の搬送
用シャフト111,112を回転させ、上下のチェーン
115,116をX1 方向に単位距離LX ずつ回転させ
るように構成されている。また、フレーム搬送部110
の上部には、図5に示すように、上部のスプロケット1
13およびチェーン115を覆うカバー119が設けら
れている。
【0110】[1−3−2]保持部駆動シリンダ120
の構成…図1、図5 搬送機構Aの保持部駆動シリンダ(保持部駆動手段の第
1の駆動手段)120は、図1に示すように、フレーム
搬送部110における8箇所の昇降動作・受け渡し位
置、すなわち、ローダー220とのリードフレームRの
受け渡し位置、前処理部Cの4つの処理槽310,32
0,330,340の中心位置にリードフレームRを挿
入するための4つの昇降動作位置、メッキ処理部Dのメ
ッキ処理槽410とのリードフレームRの受け渡し位
置、後処理部Eの水洗槽510の中心位置にリードフレ
ームRを挿入するための昇降動作位置、後処理部Eの移
載機520とのリードフレームRの受け渡し位置にそれ
ぞれ設けられている。これらの保持部駆動シリンダ12
0は、いずれも、図5に示すように、フレーム搬送部1
10のカバー119の上部に垂直配置されている。この
保持部駆動シリンダ120の下部には、カバー119の
下方に突出するようにして駆動ロッド121が配置さ
れ、この駆動ロッド121の先端部にはブラケット12
2が固定されている。このブラケット122は、この昇
降動作・受け渡し位置に到達したフレーム保持部130
と水平方向にスライド係合し、保持部駆動シリンダ12
0の上下方向の駆動力をフレーム保持部130に伝達す
るように構成されている。
【0111】さらに、この保持部駆動シリンダ120の
近傍におけるカバー119の上部には、フレーム保持部
130の後述するケース支持機構180を駆動するため
のサブシリンダ(保持部駆動手段の第2の駆動手段)1
23が、Y方向(各昇降動作・受け渡し位置における搬
送機構Aの搬送方向と直交する方向)に水平配置されて
いる。このサブシリンダ123の外側端部には駆動ロッ
ド124が配置され、この駆動ロッド124の先端部に
はブラケット125が固定されている。このブラケット
125は、各昇降動作・受け渡し位置に到達したフレー
ム保持部130のケース支持機構180と水平方向にス
ライド係合し、サブシリンダ123の水平方向の駆動力
をケース支持機構180に伝達するように構成されてい
る。
【0112】[1−3−3]フレーム保持部130の構
成…図2、図4〜図9 [1−3−3−1]フレーム保持部130の基本的な構
成…図2、図4、図5 10個のフレーム保持部130は、図2および図4に示
すように、上下のチェーン115,116の周囲に、上
下のチェーン115,116の長手方向に中心間寸法L
X となるようにして等間隔で取り付けられている。この
場合、各フレーム保持部130は、各位置において、X
方向(搬送機構Aの搬送方向と平行な方向)に配置され
ている。このフレーム保持部130は、図5に示すよう
に、上下のチェーン115,116に固定された取付板
(取付部材)140と、この取付板140に対して所定
の上昇位置と所定の下降位置との間を昇降可能に設けら
れた昇降ケース(昇降部材)150、およびこの昇降ケ
ース150に設けられてリードフレームRを着脱可能に
保持するチャック機構(チャック手段)160を備えて
いる。
【0113】そして、このフレーム保持部130は、各
昇降動作・受け渡し位置において、保持部駆動シリンダ
120と係合してその駆動力により駆動され、取付板1
40に対して昇降ケース150を昇降させるとともに、
必要な場合にはチャック機構160を開閉させるように
構成されている。すなわち、フレーム保持部130は、
各昇降動作位置では昇降ケース150を昇降させ、各受
け渡し位置では昇降ケース150を昇降させるととも
に、チャック機構160の開閉を行うように構成されて
いる。さらに、このフレーム保持部130は、昇降ケー
ス150とチャック機構160に保持部駆動シリンダ1
20からの駆動力を伝達する駆動力伝達機構170、お
よびフレーム搬送部110による水平搬送時に昇降ケー
ス150を所定の上昇位置に支持するケース支持機構1
80を備えている。
【0114】[1−3−3−2]取付板140の構成…
図5、図6 フレーム保持部130の取付板140は、図5に示すよ
うに、上下のチェーン115,116に沿って平行に設
けられ、その上下端部において固定部材141により、
上下のチェーン115,116に固定されている。すな
わち、取付板140は、上下のチェーン115,116
の回転に伴い、これと一体的に搬送方向(図4のX1
向)に移動するように構成されている。図6に示すよう
に、この取付板140の外面のX方向中央部には、一対
の昇降レール142が、一定の間隔を挟んで垂直方向に
平行に配置されている。また、昇降レール142の下部
には、昇降ケース150を所定の下降位置に位置規制す
るストッパ(位置規制手段)143が設けられている。
【0115】[1−3−3−3]昇降ケース150の構
成…図5、図6 昇降ケース150は、図5に示すように、取付板140
の外面にこの取付板140と直交方向のY方向に突出す
る形で配置されている。この昇降ケース150の取付板
140側の端部には取付板140と平行な面を有するブ
ラケット151が設けられ、このブラケット151の取
付板140側の表面にスライド板152が設けられてい
る。
【0116】このうち、ブラケット151は、図6に示
すように、一対のL字形側板151aを備えており、こ
のL字形側板151aは、その上部の水平突起部151
bがX方向に互いに対向するようにして配置されてい
る。そして、この水平突起部151bにおいて、後述す
るケース支持機構180の支持ローラ184に支持され
るようになっている。また、スライド板152は、昇降
レール142にスライド可能に係合しており、それによ
って、昇降ケース150全体が昇降可能となっている。
このスライド板152は、昇降レール142の下部に設
けられたストッパ143と係合するように構成されてお
り、それによって、昇降ケース150が所定の下降位置
に位置規制されるようになっている。
【0117】[1−3−3−4]チャック機構160の
構成…図5〜図7 チャック機構160は、図5に示すように、昇降ケース
150の下部に設けられた2個のチャック(チャック手
段)161,162によって、各1枚のリードフレーム
Rを挟み、保持する機構である。この2個のチャック1
61,162は、昇降ケース150のブラケット151
の外側に、このブラケット151と直交するY方向、す
なわち、搬送方向と直交する方向に向かって並べられて
いる。また、この2個のチャック161,162の中心
間寸法は、後述するリードフレーム供給部Bのローダー
220の供給用ハンド232,233の中心間寸法L1
とほぼ同一とされており、これらの供給用ハンド23
2,233から、2枚のリードフレームRを、その中心
間寸法L1 を維持したまま受け取るようになっている。
【0118】この2個のチャック161,162は、図
6に示すように、それぞれ、一対のチャック部材163
a,163bによって構成されている。この各一対のチ
ャック部材163a,163bは、各一対の支持アーム
164a,164bの下端部にそれぞれ支持されてい
る。さらに、2個のチャック161,162の同じ側の
支持アーム164a,164bの上端部は、図7に示す
ように、2本の支軸165a,165bに対してボルト
などによりそれぞれ固定され、この支軸165a,16
5bを介して互いに連結されている。この2本の支軸1
65a,165bは、その両端部によって昇降ケース1
50に回転可能に取り付けられ、駆動力伝達部160か
らの駆動力により同期して逆方向に回転し、2個のチャ
ック161,162を同期して開閉させるように構成さ
れている。
【0119】さらに、図7に示すように、2本の支軸1
65a,165bの一方のチャック162側には、一対
の駆動アーム166a,166bの一端がそれぞれ固定
されている。この一対の駆動アーム166a,166b
の他端にはU字溝166cが設けられている。そして、
この一対の駆動アーム166a,166bは、各U字溝
166cによって駆動力伝達機構170に係合してお
り、駆動力伝達機構170の動作によって同期して回転
し、支軸165a,165bを同方向に回転させるよう
に構成されている。
【0120】[1−3−3−5]駆動力伝達機構170
の構成…図5〜図7 駆動力伝達機構170は、図5に示すように、昇降ケー
ス150における一方のチャック機構162の上部に設
けられ、保持部駆動シリンダ120の駆動力を昇降ケー
ス150およびチャック機構160に選択的に伝達する
機構である。この駆動力伝達機構170は、保持部駆動
シリンダ120の駆動力によって昇降ケース150を所
定の下降位置まで下降させた状態でチャック機構160
を動作させるように構成されている。
【0121】すなわち、この駆動力伝達機構170は、
まず、図7に示すように、保持部駆動シリンダ120の
駆動力を伝達する駆動力伝達ロッド(駆動力伝達部材)
171、この駆動力伝達ロッド171の上端部に設けら
れ、保持部駆動シリンダ120のブラケット122と係
合する係合板172、駆動力伝達ロッド171からの駆
動力を昇降ケース150に伝達するフランジ173と昇
降用バネ(昇降用弾性部材)174、駆動力伝達ロッド
171からの駆動力をチャック機構160に伝達する開
閉用ロッド(開閉用部材)175を備えている。駆動力
伝達機構170はまた、図6に示すように、チャック機
構160に閉塞方向の力を与える2つの閉塞用バネ(閉
塞用弾性部材)176a,176b、および2つの閉塞
用バネ176a,176bの下部を支持する下部バネプ
レート177a,177b、3つのバネ174,176
a,176bの上部を支持する上部バネプレート178
を備えている。以下には、この駆動用伝達機構170の
構成の詳細について説明する。
【0122】すなわち、まず、図6に示すように、昇降
ケース150の両側の側板の外面には、この昇降ケース
150の底板150aよりも高い水平部を有する一対の
下部バネプレート178が固定されている。そして、図
7に示すように、この一対の下部バネプレート178の
間における底板150a上には昇降用バネ174が垂直
方向に配置されており、この昇降用バネ174の下端部
は底板150aによって支持されている。また、図6に
示すように、両側の下部バネプレート177a,177
b上には閉塞用バネ176a,176bが垂直方向にそ
れぞれ配置されており、これらの閉塞用バネ176a,
176bの下端部は下部バネプレート177a,177
bによって支持されている。この場合、3つのバネ17
4,176a,176bは、X方向(各フレーム保持部
130における搬送機構Aの搬送方向と平行な方向)に
向かって一列に並ぶようにして配置されており、これら
のバネ174,176a,176bの上部には、上部バ
ネプレート178が水平方向に配置されている。すなわ
ち、この上部バネプレート178と底板150aおよび
下部バネプレート177a,177bとの間に3つのバ
ネ174,176a,176bが支持されている。
【0123】より詳細には、両側の閉塞用バネ176
a,176bの上下端部は、図7に示すように、上部バ
ネプレート178と下部バネプレート177a,177
bによって直接的に支持されている。この閉塞用バネ1
76a,176bの中央部には、それぞれ支持ロッド1
76cが設けられており、この支持ロッド176cの下
端部は下部バネプレート177a,177bに固定され
ている。また、支持ロッド176cの上端部は上部バネ
プレート178を貫通して上部に突出し、この突出端部
に抜け防止用の大径部176dが設けられており、支持
ロッド176cから上部バネプレート178が外れない
ようになっている。これに対して、昇降用バネ174
は、図7に示すように、その下端部で昇降ケース150
の底板150aに直接的に支持される一方、その上端部
は、上部バネプレート178との間に可動に設けられた
フランジ173によって支持されている。
【0124】一方、開閉用ロッド175は、昇降用バネ
174の中央部に挿入されている。この開閉用ロッド1
75の上端部は、上部バネプレート178を貫通して上
部に突出し、この突出端部に抜け防止用の大径部175
aが設けられており、支開閉用ロッド175が上部バネ
プレート178から外れないようになっている。また、
この開閉用ロッド175の上部には、ロッド挿入部17
5bが設けられ、ここに、駆動力伝達ロッド171の下
端部が挿入されており、これにより、開閉用ロッド17
5に対して、駆動力伝達ロッド171が相対移動可能に
構成されている。
【0125】さらに、駆動力伝達ロッド171における
上部バネプレート178とフランジ173との間には、
水平方向に伸びる係合ピン171aが設けられており、
駆動力伝達ロッド171の下方への移動時に、この係合
ピン171aによってフランジ173および昇降用バネ
174を介して昇降ケース150の底板150aを押圧
し、下方へ駆動するようになっている。また、開閉用ロ
ッド175における上部バネプレート178の下部に
は、下方に向かって伸びる一対の長孔175cが形成さ
れており、この一対の長孔175cに駆動力伝達ロッド
171の係合ピン171aが挿入されている。そして、
この係合ピン171aと長孔175cによって、駆動力
伝達ロッド171と開閉用ロッド175との相対移動距
離が決定されている。一方、この開閉用ロッド175の
下端部は、昇降ケース150の底板150aを貫通して
下方に突出し、チャック機構160に連結されている。
すなわち、開閉用ロッド175の下端部には、駆動ピン
175dが設けられ、チャック機構160の駆動アーム
166a,166bの各U字溝166cに係合してお
り、開閉用ロッド175の昇降動作によって、駆動アー
ム166a,166bをチャック閉塞方向またはチャッ
ク開放方向に回転させるように構成されている。
【0126】なお、駆動力伝達ロッド171は、初期状
態においては、図5に示すように、最も上方の第1動作
位置にあり、この第1動作位置と、下方の第2動作位
置、および最も下方の第3動作位置との間を移動するよ
うに構成されている。そして、この駆動力伝達ロッド1
71は、第1動作位置においては、昇降用バネ174を
介して昇降ケース150を所定の上昇位置に保持し、第
2動作位置においては、昇降用バネ174を介して昇降
ケース150を所定の下降位置に保持するように構成さ
れている。さらに、この駆動力伝達ロッド171は、第
2動作位置から第3動作位置への下降途中に開閉用ロッ
ド175と係合してチャック機構160の開放動作を開
始させ、第3動作位置においてチャック機構160を全
開状態とするように構成されている。
【0127】[1−3−3−6]ケース支持機構180
の構成…図5、図8、図9 ケース支持機構180は、図5に示すように、取付板1
40の外面における昇降レール142の上方に設けられ
ており、昇降ケース150を所定の上昇位置に支持する
ように構成されている。このケース支持機構180は、
図8および図9に示すように、取付板140の外面に配
置された固定側軸支部材181と可動側軸支部材18
2、固定側軸支部材181に対して可動側軸支部材18
2を可動に連結する一対の4点支持リンク183、およ
び昇降ケース150のブラケット151の水平突起部1
51bを支持する一対の支持ローラ184を備えてい
る。以下には、このケース支持機構180の構成の詳細
について説明する。
【0128】すなわち、まず、図9に示すように、フレ
ーム保持部130の取付板140の外面には、この取付
板140に対して直交方向に突出する形で固定側軸支部
材181が固定されている。この固定側軸支部材181
の上方には可動側軸支部材182が配置されている。可
動側軸支部材182は、一対の4点支持リンク183に
よって、固定側軸支部材181に対して可動に連結され
ており、取付板140に対して直交方向に移動するよう
に構成されている。
【0129】また、図8に示すように、この可動側軸支
部材182の上部には、サブシリンダ123のブラケッ
ト125と係合する係合シャフト182aが設けられて
いる。さらに、この可動側軸支部材182の両側には、
一対の支持ローラ184が配置されている。この一対の
支持ローラ184は、図9に示すように、可動側軸支部
材182の移動に伴い、昇降ケース150のブラケット
151の水平突起部151bを支持して昇降ケース15
0を所定の上昇位置に支持する支持位置(図9中実線で
示す位置)と水平突起部151bを解放して昇降ケース
150の昇降動作を可能にする解放位置(図9中2点鎖
線で示す位置)との間を移動するようになっている。
【0130】[1−4]リードフレーム供給部Bの構成
…図1、図10〜図12 [1−4−1]供給用カセット装着部210の構成…図
1 リードフレーム供給部Bの供給用カセット装着部210
は、図1に示すように、その下端部を軸として回動し、
本体ケースG内に収納される収納位置と、その上端開口
部を本体ケースGの外部方向に突出させて外部からの供
給用カセット100aの着脱操作を可能とする着脱位置
との間を移動するように構成されている。そして、この
供給用カセット装着部210には、この供給用カセット
装着部210を収納位置に付勢する弾性部材211と、
外部の着脱位置に引き出すためのハンドル212が設け
られている。また、この供給用カセット装着部210に
は、図示していないが、供給用カセット100a内のリ
ードフレームRをその下方から押し上げてその最上部の
リードフレームRを常に所定の高さに保つための押し上
げ手段が設けられている。なお、この供給用カセット装
着部210の寸法は、本実施例のメッキ装置が対象とす
る最長・最大幅のリードフレームRを収納した供給用カ
セット100aを収納できるように設定されている。
【0131】[1−4−2]ローダー220の構成…図
10〜図12 [1−4−2−1]ローダー220の基本的な構成…図
10 リードフレーム供給部Bのローダー220は、図10に
示すように、リードフレームRを保持するフレーム保持
機構(供給用保持手段)230と、このフレーム保持機
構230を回転させ、フレーム保持部230に保持され
たリードフレームRの方向を水平方向から垂直方向に変
換する方向変換機構(方向変換手段)240と、フレー
ム保持機構230および方向変換機構240を水平移動
可能でかつ昇降可能に支持する支持機構250から構成
されている。
【0132】[1−4−2−2]フレーム保持機構23
0の構成…図11、図12 フレーム保持機構230は、図11に示すように、水平
方向に伸びる長尺な支持部材231の一方の面に並べて
設けられた2個の供給用ハンド232,233によって
リードフレームRを挟み、保持する機構である。この2
個の供給用ハンド232,233は、図12に示すよう
に、支持部材231の他方の面に設けられた開閉手段2
34,235によってそれぞれ開閉するように構成され
ている。また、図11に示すように、この2個の供給用
ハンド232,233の中心間寸法はL1 とされてお
り、2枚のリードフレームRの中心間寸法が同じ寸法L
1 となるようにしてこの2枚のリードフレームRを保持
し、この寸法L1 を維持したまま搬送機構Aのフレーム
保持部130に2枚のリードフレームRを渡すようにな
っている。
【0133】[1−4−2−3]方向変換機構240の
構成…図10〜図12 方向変換機構240は、図11に示すように、水平に配
置されたスライド板241とこのスライド板241の上
に垂直に配置された支持プレート242を備えている。
そして、図12に示すように、支持プレート242の一
方の面には、回転モータ243が配置され、支持プレー
ト242の他方の面には、駆動側プーリ244と従動側
プーリ245、およびこれらを連結するベルト246が
配置されている。この場合、駆動側プーリ244は、回
転モータ243の駆動軸に直結されており、従動側プー
リ245は、連結シャフト247を介してフレーム保持
機構230の支持部材231の一端に直結されている。
【0134】すなわち、この方向変換機構240は、回
転モータ243の駆動力を、駆動側プーリ244、ベル
ト246、および従動側プーリ245を介して連結シャ
フト247に伝達し、この連結シャフト247の回転に
よってフレーム保持機構230を回転させるように構成
されている。また、図12に示すように、連結シャフト
247およびこれに直結されたフレーム保持機構230
は、支持プレート242およびこの支持プレート242
の回転モータ243側に設けられたシャフト支持部24
8によって回転可能に支持されている。なお、スライド
板241の下面には、図10に示すように、断面コ字形
のスライド部241aが設けられており、支持機構25
0に対してY方向にスライド可能に構成されている。
【0135】[1−4−2−4]支持機構250の構成
…図10〜図12 支持機構250は、図10に示すように、床面に固定さ
れた底板251aと垂直板251bからなる基台251
を備えている。この基台251の垂直板251bの片面
には、一対の昇降レール252が設けられている。ま
た、基台251の垂直板251bの昇降レール252側
には、フレーム保持機構230と方向変換機構240を
Y方向に水平移動可能に支持し、かつ、基台251に対
して昇降する昇降部材253が配置されている。
【0136】すなわち、この昇降部材253の上部に
は、水平支持板254が設けられ、この水平支持板25
4の上には水平レール255が設けられている。そし
て、この水平レール255に、方向変換機構240のス
ライド板241のスライド部241aがスライド可能に
係合しており、それによって、方向変換機構240とこ
れに支持されたフレーム保持機構230とが、昇降部材
253に対して一体的に水平移動可能となっている。ま
た、昇降部材253の昇降レール252に対向する位置
には、スライド板256が設けられている。そして、こ
のスライド板256は、基台251に設けられた昇降レ
ール252にスライド可能に係合しており、それによっ
て、この昇降部材253とその上に支持された方向変換
機構240およびフレーム保持機構230が、基台25
1に対して一体的に昇降可能となっている。
【0137】この場合、方向変換機構240およびフレ
ーム保持機構230は、フレーム昇降部材253の昇降
によって、供給用カセット装着部210内に収納された
リードフレームRと接触しない所定の上昇位置と、供給
用カセット装着部210の最上部のリードフレームRを
保持可能な所定の下降位置との間を移動するように構成
されている。さらに、図11および図12に示すよう
に、水平支持板254のフレーム保持機構230と反対
側の端部には、方向変換機構240を水平方向に駆動す
るローダー用シリンダ257が設けられている。また、
昇降部材253の昇降は、図示していないシリンダなど
の駆動手段の駆動力によって行われるようになってい
る。
【0138】[1−5]前処理部Cの構成…図1、図2 図1において、前処理部Cの純水ディップ槽310、活
性化槽320、第1水洗槽330、および第2水洗槽3
40は、それぞれ次のように構成されている。すなわ
ち、純水ディップ槽310には、リードフレームR表面
の異物を除去してこのリードフレームR表面に対する活
性化液の密着性を向上させるための純水が満たされてお
り、活性化槽320には、リードフレームRの表面加工
を行うための強酸などの活性化液が満たされている。ま
た、第1水洗槽330は、洗浄水によってリードフレー
ムRのシャワー洗浄を行い、余分な活性化液を除去する
ように構成されており、第2水洗槽340には、リード
フレームRを水中に浸漬して洗浄するための洗浄水が満
たされている。
【0139】さらに、これら4つの処理槽310,32
0,330,340は、ほぼ同一形状に形成されてい
る。すなわち、これら4つの処理槽は、各処理槽31
0,320,330,340の中央部に本実施例のメッ
キ装置が対象とする最長のリードフレームRを余裕を持
って垂直に挿入できるように、垂直方向に十分な高さを
有している。また、これら4つの処理槽の水平方向の形
状は、図2に示すように、Y方向(前処理部Cにおける
搬送機構Aの搬送方向と直交する方向)に長尺な長方形
とされており、搬送機構Aのフレーム保持部130によ
ってそのY方向に保持された2枚のリードフレームR
を、余裕を持って挿入できるようになっている。
【0140】[1−6]メッキ処理部Dの構成…図1、
図13〜図17 [1−6−1]メッキ処理部Dの基本的な構成…図13 メッキ処理部Dは、図13に示すように、メッキ処理槽
410と一対のメッキブロック420a,420bに加
えて、一対のメッキブロック420a,420bを駆動
する駆動機構(駆動手段)430、一対のメッキブロッ
ク420a,420bの間に挿入されたリードフレーム
Rの上端部を支持して位置決めの補助を行う位置決め補
助機構440、リードフレームRを一対のメッキブロッ
ク420a,420bに対して水平方向および上下方向
に位置決めする第1位置決め機構450、および一対の
メッキブロック420a,420bに設けられてリード
フレームRの最終的な位置決めを行う第2位置決め機構
470を備えている。
【0141】[1−6−2]メッキ処理槽410の構成
…図1、図13 メッキ処理槽410は、図1に示すように、このメッキ
処理槽410の中央部に本実施例のメッキ装置が対象と
する最長のリードフレームRを余裕を持って垂直に挿入
できるように、垂直方向に十分な高さを有している。ま
た、このメッキ処理槽410の水平方向の形状は、図1
3に示すように、X方向(メッキ処理部Dにおける搬送
機構Aの搬送方向と平行な方向)に長尺な形状とされて
おり、搬送機構Aのフレーム保持部130によってその
Y方向に並べて保持された2枚のリードフレームRを余
裕を持って挿入できるようになっている。なお、図13
中410a,410bは、メッキ処理槽410のX方向
両側の2つの端面を示している。
【0142】[1−6−3]駆動機構430の構成…図
13、図14 駆動機構430は、図13および図14に示すように、
一対のメッキブロック420a,420bを個別に駆動
する一対のブロック用シリンダ431、各ブロック用シ
リンダ431と各メッキブロック420a,420bを
接続する駆動ロッド432、および、メッキブロック4
20a,420bを水平移動可能にガイドする4本のブ
ロックガイドシャフト433を備えている。このうち、
一対のブロック用シリンダ431は、図13および図1
4に示すように、メッキ処理槽410のX方向両側の端
面410a,410bのほぼ中央部における互いに対向
する位置にそれぞれ設けられている。そして、図14に
示すように、この一対のブロック用シリンダ431の駆
動ロッド432の先端には、各メッキブロック420
a,420bの片面のほぼ中央部が接続されており、各
ブロック用シリンダ431によって、各メッキブロック
420a,420bがそれぞれX方向に駆動されるよう
になっている。また、4本のブロックガイドシャフト4
33は、図13に示すように、メッキ処理槽410のX
方向における一方の端面410aの上下両側の4箇所
と、他方の端面410bの対向する4箇所とをそれぞれ
接続し、かつ、X方向に直線状に伸びるようにして配置
されている。
【0143】[1−6−4]メッキブロック420a,
420bの構成…図13〜図17 一対のメッキブロック420a,420bは、図13お
よび図14に示すように、メッキ処理槽410の内部に
X方向に対向して配置され、各ブロック用シリンダ43
1によって個別に駆動され、それぞれX方向に移動する
ようになっている。この場合、一対のメッキブロック4
20a,420bは、互いに接近する方向、および互い
に離れる方向にそれぞれ同期して駆動されるように構成
されている。また、図15に示すように、各メッキブロ
ック420a,420bの高さ寸法は、本実施例のメッ
キ装置が対象とする最長のリードフレームRの長さより
も若干大きくされている。そしてまた、各メッキブロッ
ク420a,420bのY方向寸法は、リードフレーム
供給部Bのローダー220の供給用ハンド232,23
3間の中心間寸法L1 を中心間寸法として並べられた2
枚のリードフレームRの全体の幅寸法よりもある程度大
きい寸法とされており、2枚のリードフレームRの両側
に十分な遊び部分が形成されるようになっている。
【0144】そして、この一対のブロック420a,4
20bの互いに対向する側の面には、図16に示すよう
に、それぞれ、リードフレームRにモールドされている
複数のICを個別に収納し、各ICの周囲のリード部分
をメッキするための複数のメッキ用キャビティ421a
が、本実施例のメッキ装置が対象とする最長のリードフ
レームRの長さに合わせて上下方向に並べて設けられて
おり、メッキ用キャビティ列421が形成されている。
そして、このような複数のメッキ用キャビティ421a
からなるメッキ用キャビティ列421は、搬送機構Aに
よってリードフレームRが2枚並べて搬送されるのに合
わせて、図13に示すように、Y方向に2列並べて設け
られている。この場合、2列のメッキ用キャビティ列4
21の中心間寸法は、リードフレーム供給部Bのローダ
ー220の供給用ハンド232,233間の中心間寸法
と同一の寸法L1 とされている。また、図13に示すよ
うに、各メッキ用キャビティ列421の周囲とその隣接
するメッキ用キャビティ421a間には、リードフレー
ムRのメッキを必要としない部分に密着してメッキ液が
かかることを防止するために、シール材422が設けら
れている。なお、図16に示すように、メッキ用キャビ
ティ列421を構成する各メッキ用キャビティ421a
の中央部には、ICを保持するIC支持突起421bが
配置されている。
【0145】さらに、一対のメッキブロック420a,
420b内には、図16に示すように、各メッキ用キャ
ビティ421aへのメッキ液の供給・排出構造が設けら
れている。すなわち、図16に示すように、一対のブロ
ック420a,420bのメッキ用キャビティ421a
と逆側に、メッキ液貯蔵室423が設けられており、こ
のメッキ液貯蔵室423は、メッキブロック420a,
420bの下部に設けられた供給管424を介して、図
示していないメッキ液供給タンクと接続されている。ま
た、メッキ液貯蔵室423と2列のメッキ用キャビティ
列421との間には、複数の圧力室425が設けられて
いる。この複数の圧力室425と2列のメッキ用キャビ
ティ列421との間には、この複数の圧力室425から
メッキ用キャビティ421aの各々に対してメッキ液を
供給する噴出孔426が設けられている。
【0146】また、複数の圧力室425と2列のメッキ
用キャビティ列421との間の別の部分には、使用済み
のメッキ液を排出する排出路427が形成されており、
この排出路427と各メッキ用キャビティ421aと
は、排出孔428によって接続されている。さらに、排
出路427は、メッキブロック420a,420bの下
部に設けられた排出管429を介して、図示していない
メッキ液回収タンクと接続されている。
【0147】なお、図17は、メッキ用キャビティ42
1a周辺の拡大図である。この図17に示すように、噴
出孔426は、メッキ用キャビティ421aの中央部に
配置されたIC支持突起421bの側面に沿って設けら
れており、また、排出孔428は、メッキ用キャビティ
421aの側壁に沿って設けられている。そして、この
ような噴出孔426と排出孔428の配置により、図中
矢印に示すように、メッキ用キャビティ421a内に一
定方向のメッキ液の流れが形成されるようになってい
る。
【0148】[1−6−5]位置決め補助機構440…
図13〜図15 位置決め補助機構440は、図13および図14に示す
ように、一対のメッキブロック420a,420b間に
挿入された2枚のリードフレームRの上部の左右両側の
縁部をその両面から支持する4対の押え用シャフト44
1と、各2本の押え用シャフト441を個別に駆動する
2対のシャフト用シリンダ442を備えている。このう
ち、4対の押え用シャフト441は、各リードフレーム
Rに対して2対1組としてそれぞれ設けられている。こ
の場合、各一対の押え用シャフト441は、メッキ処理
槽410の各端面410a,410bの互いに対向する
位置および各メッキブロック420a,420bの互い
に対向する位置をそれぞれ貫通し、X方向に一直線を描
くようにして、互いに対向配置されている。そして、こ
の4対の押え用シャフト441は、メッキ処理槽410
の各端面410a,410bおよび各メッキブロック4
20a,420bに対してX方向に可動に構成されてい
る。また、2対のシャフト用シリンダ442は、メッキ
処理槽410の両側の端面410a,410bの外部に
それぞれ設けられており、1つのリードフレームRを支
持する1つの組の同じ側の各2本の押え用シャフト44
1を、各1個のシャフト用シリンダ442によって一括
して駆動するようになっている。
【0149】[1−6−6]第1位置決め機構450の
構成…図13〜図15 [1−6−6−1]第1位置決め機構450の基本的な
構成…図14 第1位置決め機構450は、図14に示すように、メッ
キ処理槽410内に固定的に設けられてリードフレーム
Rの上下方向の位置決めを行う2対のフレーム支持用シ
ャフト451と、一対のメッキブロック420a,42
0b間の下方に配置されてリードフレームRをその上に
支持する形でこのリードフレームRの水平方向の位置決
めを行うガイドブロック機構460とから構成されてい
る。
【0150】[1−6−6−2]フレーム支持用シャフ
ト451の構成…図13、図14 2対のフレーム支持用シャフト451は、図13に示す
ように、メッキ処理槽410内に水平方向に配置され、
メッキ処理槽410に固定的に取り付けられており、一
対のメッキブロック420a,420b間に挿入された
2枚のリードフレームRの下端部における左右両側の角
部をそれぞれ支持し、リードフレームRを上下方向に位
置決めするように構成されている。この場合、4本のフ
レーム支持用シャフト451は、それぞれ、4対の押え
用シャフト441のほぼ下方に位置する形で、メッキ処
理槽410の各端面410a,410bの互いに対向す
る箇所をそれぞれ接続し、かつ、各メッキブロック42
0a,420bを貫通するようにして配置されている。
より詳細には、図14に示すように、各フレーム支持用
シャフト451における所定のフレーム支持位置には、
リードフレームRを支持するための溝部451aが設け
られている。
【0151】[1−6−6−3]ガイドブロック機構4
60の構成…図13〜図15 ガイドブロック機構460は、図13に示すように、メ
ッキブロック420a,420b間の下方に昇降可能に
設けられた2個のガイドブロック461,462によっ
て各1枚のリードフレームRを支持し、その水平方向の
位置決めを行う機構である。この2個のガイドブロック
461,462は、その中心間寸法が2列のメッキ用キ
ャビティ列421の中心間寸法と同一の寸法L1 となる
ようにして、Y方向に並べて設けられている。そして、
これにより、搬送機構Aのフレーム保持部130によっ
て中心間寸法L1 で保持された2枚のリードフレームR
を、その中心間寸法L1 を維持したまま受け取って保持
するようになっている。
【0152】より詳細には、この2個のガイドブロック
461,462は、図15に示すように、リードフレー
ムRの幅方向の中央部を保持してその厚さ方向における
位置決めを行うV字形ガイド463と、このV字形ガイ
ド463の両側に配置され、リードフレームRの幅方向
の両端部を保持してその幅方向における位置決めを行う
一対のガイド板464a,464bとによってそれぞれ
構成されている。この場合、ガイド板464a,464
bの上部の対向面には、それぞれテーパ部が設けられ、
それにより、挿入側である上端部から下方に向かって、
ガイド板464a,464bの間隔が狭められている。
また、図15に示すように、V字形ガイド463と両側
のガイド板464a,464bとの間には、ガイドブロ
ック461,462の上昇時に一対のフレーム支持用シ
ャフト451をそれぞれ挿入する挿入用空間464cが
設けられている。
【0153】そして、この2個のガイドブロック46
1,462は、図15に示すように、水平方向に伸びる
ガイドプレート465上に一体的に形成されている。こ
のガイドプレート465は、昇降プレート466上に支
持されており、この昇降プレート466は、昇降用シリ
ンダ467および昇降ガイド468によって昇降するよ
うに構成されている。すなわち、2個のガイドブロック
461,462は、昇降用シリンダ467による昇降プ
レート466の昇降によって一体的に昇降するように構
成されている。
【0154】[1−6−7]第2位置決め機構470の
構成…図13、図14 第2位置決め機構470の位置決め孔(第1係合部)4
71と位置決めピン(第2係合部)472は、図14に
示すように、メッキブロック420a,420bの対向
する位置にそれぞれ配置されている。すなわち、図13
に示すように、一方のメッキブロック420aの2列の
メッキ用キャビティ421のうち、一方のメッキ用キャ
ビティ列の上部両側には、一対の位置決め孔471が設
けられている。この一対の位置決め孔471は、図14
に示すように、同じ列の下部両側にも設けられている。
そして、他方のメッキブロック420bにおける、これ
らの位置決め孔471に対向する位置には、図14に示
すように、各位置決め孔471に係合する位置決めピン
472がそれぞれ設けられている。さらに、図13に示
すように、メッキブロック420aの他方のメッキ用キ
ャビティ列の上部両側には、一対の位置決めピン472
が設けられている。この一対の位置決めピン472は、
図示していないが、同じ列の下部両側にも設けられてお
り、さらに、他方のメッキブロック420bの対向する
位置には、各位置決めピン472に係合する位置決め孔
471がそれぞれ設けられている。このようにして、各
メッキ用キャビティ列の複数箇所に位置決め孔471と
位置決めピン472からなる位置決め手段が構成されて
いる。なお、各位置決め孔471は円錐状の凹形状とさ
れ、各位置決めピン472は、位置決め孔471とほぼ
同形の円錐状の凸形状とされている。
【0155】[1−7]後処理部Eの構成…図18〜図
31 [1−7−1]水洗槽510の構成…図1、図2 水洗槽510は、図1に示すように、この水洗槽510
の中央部に本実施例のメッキ装置が対象とする最長のリ
ードフレームRを余裕を持って垂直に挿入できるよう
に、垂直方向に十分な高さを有している。また、この水
洗槽510の水平方向の形状は、図2に示すように、Y
方向(後処理部Eにおける搬送機構Aの搬送方向と直交
方向)に長尺な長方形とされており、搬送機構Aのフレ
ーム保持部130によってそのY方向に保持された2枚
のリードフレームRを、余裕を持って挿入できるように
なっている。なお、図示していないが、この水洗槽51
0には、その内部に挿入されるリードフレームRの両面
に洗浄水を吹き付けるシャワー部が設けられている。
【0156】[1−7−2]移載機520の構成…図1
8〜図23 [1−7−2−1]移載機520の基本的な構成…図1
8、図19 移載機520は、図19に示すように、リードフレーム
Rを保持するフレーム保持機構530と、このフレーム
保持機構(保持手段)530に保持されたリードフレー
ムRの軸方向を垂直方向から水平方向に変換するととも
にその幅方向(メッキ面方向)をY方向からX方向に変
換する方向変換機構(方向変換手段)550と、フレー
ム保持機構530および方向変換機構550を昇降可能
に支持する支持機構560から構成されている。なお、
図18は、移載機520のフレーム保持機構530と方
向変換機構550の原理を示す原理図でありる。
【0157】[1−7−2−2]フレーム保持機構53
0の構成…図18〜図23 フレーム保持機構530は、図18および図19に示す
ように、その先端に支持ベース532を有する長尺な支
持部材531と、この支持部材531の支持ベース53
2に重ねて配置された第1、第2の可動板533,53
4と、これらの可動板533,534上に設けられた第
1フレーム用と第2フレーム用の第1、第2のフィンガ
(フィンガ手段)535〜538を備えている。そし
て、第1、第2の可動板533,534の移動により、
複数のフィンガ535〜538を動作させ、これらのフ
ィンガ535〜538によってリードフレームRを挟
み、保持するように構成されている。なお、支持部材5
31の支持ベース532と逆側の端部には、方向変換機
構550の可動側ベベルギア554に接続される接続部
531aが設けられている。
【0158】すなわち、まず、支持部材531の先端の
支持ベース532は、図23に示すように、断面がコ字
形に構成されており、この支持ベース532の内側部分
に、この支持ベース532より幅の狭い逆向きのコ字形
断面を有する第1の可動板533が挿入されている。そ
して、支持ベース532と第1の可動板533の間に、
この第1の可動板533より幅の狭い平板状の第2の可
動板534が挿入されている。この場合、支持ベース5
32、および第1、第2の可動板533,534は、図
20に示すように、支持部材531の軸方向と直交する
方向を軸方向として配置されている。また、第1、第2
の可動板533,534は、支持ベース532に対して
軸方向に移動可能でかつ互いに移動可能に設けられてい
る。
【0159】そして、図21および図22に示すよう
に、第1の可動板533の軸方向における一方(図中左
側)の端部には、第2の可動板534を幅方向に挟んで
対向する一対の第1フレーム用第1フィンガ535が、
支持ベース532側に突出する形で設けられている。ま
た、第1の可動板533の軸方向における他方(図中右
側)の中央部には、第2の可動板534を幅方向に挟ん
で対向する一対の第2フレーム用第1フィンガ536
が、支持ベース532側に突出する形で設けられてい
る。一方、図21に示すように、第2の可動板534の
軸方向における一方(図中左側)の中央部には、その幅
方向中央部に第1フレーム用第2フィンガ537が、支
持ベース532側に突出する形で設けられている。ま
た、第2の可動板534の軸方向における他方(図中右
側)の幅は幅方向中央部のみを残される形で狭くされて
おり、その先端部に、第2フレーム用第2フィンガ53
8が、支持ベース532側に突出する形で設けられてい
る。さらに、図21に示すように、これらのフィンガ5
35〜538のうち、第2フレーム用第1フィンガ53
6と第1フレーム用第2フィンガ537の動作ストロー
クは、支持ベース532と重なるため、支持ベース53
2のこれらのフィンガ536,537の動作ストローク
の範囲に対応する部分には、それぞれ、軸方向に伸びる
長孔532a,532bが形成されている。
【0160】このような第1、第2の可動板533,5
34と複数のフィンガ535〜538により、図21に
示すようにして、2枚のリードフレームRが保持される
ようになっている。すなわち、第1、第2の可動板53
3,534を互いに重なる方向に相対移動させることに
より、第1フレーム用第1フィンガ535と第1フレー
ム用第2フィンガ537を接近させてこれらの間に1枚
のリードフレームRを挟むと同時に、第2フレーム用第
1フィンガ536と第2フレーム用第2フィンガ538
を接近させてこれらの間に別の1枚のリードフレームR
を挟むようになっている。また、この場合、2箇所の第
1フィンガ535,536の軸方向における中心間寸法
と、2箇所の第2フィンガ537,538の軸方向にお
ける中心間寸法は、リードフレーム供給部Bのローダー
220の供給用ハンド232,233間の中心間寸法と
同一の寸法L1 とされている。そして、これにより、搬
送機構Aのフレーム保持部130によって中心間寸法L
1 で保持された2枚のリードフレームRを、その中心間
寸法L1 を維持したまま受け取って保持するようになっ
ている。
【0161】さらに、図23に示すように、支持ベース
532には、第1、第2の可動板533,534を覆う
ようにしてコ字形のハウジング539が取り付けられて
おり、このハウジング539には、第1、第2の可動板
533,534を駆動するための可動板用シリンダ54
0が取り付けられている。この可動板用シリンダ540
には、ハウジング539内に配置されたピニオン541
が連結されており、このピニオン541は、可動板用シ
リンダ540の駆動力によって回転するように構成され
ている。また、図23に示すように、ハウジング539
内には、ピニオン541を挟む下方と上方に、第1、第
2のラック542,543が対向配置されている。この
場合、第1ラック542は第1可動板533の背面に取
り付けられ、第2ラック543は第2可動板534の背
面に取り付けられている。したがって、可動板用シリン
ダ540の駆動力によるピニオン541の回転時には、
第1と第2のラック542,543が逆方向に移動し、
それによって、第1可動板533と第2可動板534を
互いに反対方向に駆動するようになっている。
【0162】[1−7−2−3]方向変換機構550の
構成…図18〜図20 方向変換機構550は、図18に示すように、ブラケッ
ト(固定部材)551と、このブラケット551に回動
可能に支持されたT字形シャフト552と、このT字形
シャフト552に取り付けられた固定側と可動側のベベ
ルギア553,554を備えている。そして、T字形シ
ャフト552の回転とそれによる固定側と可動側のベベ
ルギア553,554の動作を介してフレーム保持機構
530に保持されたリードフレームRの軸方向を垂直方
向(上方向)から水平方向に変換するとともにその幅方
向(メッキ面方向)をY方向からX方向に変換するよう
に構成されている。
【0163】すなわち、まず、ブラケット551は、図
19および図20に示すように、X方向(後処理部Eに
おける搬送機構Aの搬送方向と平行な方向)に対向配置
された垂直ベース部551aと2枚の垂直板551b,
551c、およびこれらの間を接続する水平板551d
から構成されている。そして、図19に示すように、こ
のブラケット551の垂直ベース部551aと垂直板5
51cとの間には、直軸552aと支軸552bからな
るT字形シャフト552が設けられており、ブラケット
551に配置された軸受551eを介して回転可能に支
持されている。また、T字形シャフト552の直軸55
2aの一端には、このT字形シャフト552の回転量を
規制するストッパ552cが設けられている。
【0164】さらに、このT字形シャフト552の直軸
552aの垂直板551b部分の外周には、軸受551
dを介して固定側ベベルギア553が配置されている。
この固定側ベベルギア553は、ブラケット551の垂
直板551bに一体的に固定されている。すなわち、直
軸552aの側から見れば、この直軸552aは、固定
側ベベルギア553の内部を貫通する形でこの固定側ベ
ベルギア553により回転可能に支持されている。ま
た、T字形シャフト552の支軸552bの先端部の外
周には、軸受554aを介して可動側ベベルギア554
が配置されている。この可動側ベベルギア554は、固
定側ベベルギア553と噛み合わされ、かつ、フレーム
保持機構530の支持部材531の接続部531aに一
体的に固定されている。したがって、この可動側ベベル
ギア554の支軸552bおよび直軸552aを軸とす
る回転に伴いフレーム保持機構530を一体的に回転さ
せるように構成されている。
【0165】すなわち、図18に示すように、フレーム
保持機構530の支持部材531およびそれに支持され
たリードフレームRは、T字形シャフト552の直軸5
52a回転により、その軸方向が垂直方向(上方向)か
ら水平方向に変換されるようになっている。また、この
T字形シャフト552の回転により、その支軸552b
に配置された可動側ベベルギア554が、固定側ベベル
ギア553に対して回転することにより、支持部材53
1およびそれに支持されたリードフレームRの幅方向
(メッキ面方向)がY方向からX方向に変換されるよう
になっている。
【0166】さらに、図19および図20に示すよう
に、ブラケット551の垂直板551cの垂直板551
b側には、T字形シャフト552を駆動するためのシャ
フト用シリンダ555が配置され、垂直板551cの反
対側には、駆動側タイミングプーリ556と従動側タイ
ミングプーリ557、およびこれらを連結するタイミン
グベルト558が配置されている。この場合、駆動側タ
イミングプーリ556は、シャフト用シリンダ555の
駆動力によって回転するように構成され、従動側タイミ
ングプーリ557は、T字形シャフト552と一体的に
固定されている。すなわち、この方向変換機構550
は、シャフト用シリンダ555の駆動力を、駆動側タイ
ミングプーリ556、タイミングベルト558、および
従動側タイミングプーリ557を介してT字形シャフト
552に伝達し、このT字形シャフト552の回転によ
ってフレーム保持機構530の方向を変換するように構
成されている。なお、ブラケット551の垂直ベース部
551aの背面には、図19に示すように、スライド板
559が設けられており、支持機構560に対して上下
方向にスライド可能に構成されている。
【0167】[1−7−2−4]支持機構560の構成
…図19、図20 支持機構560は、図19に示すように、床面に固定さ
れた底板561aと垂直板561bからなる基台561
を備えている。この基台561の垂直板561bの片面
には、昇降レール562が設けられている。そして、こ
の昇降レール562に、方向変換機構550のブラケッ
ト551のスライド板559がスライド可能に係合して
おり、それによって、方向変換機構550とこれに支持
されたフレーム保持機構530とが、基台561に対し
て一体的に昇降可能となっている。なお、方向変換機構
550のブラケット551の昇降は、図示していないシ
リンダなどの駆動手段の駆動力によって行われるように
なっている。
【0168】[1−7−3]超音波洗浄装置610の構
成…図24〜図31 [1−7−3−1]超音波洗浄装置610の基本的な構
成…図24、図25 超音波洗浄装置610は、図24に示すように、まず、
洗浄液を回収する回収用水槽620と、この回収用水槽
620上においてリードフレームRをX方向(後処理部
Eにおける搬送機構Aの搬送方向)に搬送する送り機構
630と、回収用水槽620上に可動に設けられ、送り
機構630上のリードフレームRの超音波シャワー洗浄
および乾燥を行う洗浄・乾燥ユニット670から構成さ
れている。
【0169】この場合、送り機構630は、図24に示
すように、リードフレームRを押圧して移動させる支持
・移送機構640と、この支持・移送機構640の下部
に設けられてこの支持・移送機構640を駆動する駆動
機構(駆動手段)650を備えている。さらに、この送
り機構630は、図25に2点鎖線で示すように、その
X方向における複数箇所に配置された幅寸法調整機構6
60によってその幅寸法を変更可能に構成されており、
それによって本実施例のメッキ装置が対象とする一定の
範囲内の長さを有する各種のリードフレームRに対応で
きるようになっている。そして、回収用水槽620は、
この送り機構630の最大幅よりも十分に大きい幅とさ
れている。また、洗浄・乾燥ユニット670は、支持フ
レーム671にシャワー部(シャワー洗浄手段)680
と熱風ノズル(熱風乾燥手段)690を固定して構成さ
れている。
【0170】なお、図24および図25に示すように、
ここでは、便宜上、この超音波洗浄装置610を、その
X方向における各部の動作の差異に基づいて、供給領域
1、洗浄領域S2 、乾燥領域S3 、および回収領域S
4 に区分している。このうち、供給領域S1 は、図24
に示すように、回収用水槽620の外部に送り機構63
0が突出する形で配置され、この突出部分の上方に移載
機520が配置された領域であり、この移載機520か
ら送り機構630上にリードフレームRの供給を受ける
ように構成されている。また、洗浄領域S2 は、回収用
水槽620の上方に洗浄・乾燥ユニット670のシャワ
ー部680が配置された領域であり、このシャワー部6
80から送り機構630上のリードフレームRを超音波
と洗浄液でシャワー洗浄するように構成されている。一
方、乾燥領域S3 は、回収用水槽620の上方に洗浄・
乾燥ユニット670の熱風ノズル690が配置された領
域であり、この熱風ノズル690から送り機構630上
のリードフレームRに熱風を吹き付けてリードフレーム
Rを乾燥させるように構成されている。また、回収用水
槽620における洗浄領域S2 と乾燥領域S3 の間に
は、仕切板621が設けられている。さらに、回収領域
4 は、回収用水槽620の外部に送り機構630が突
出する形で配置された領域であり、この突出部分上のリ
ードフレームRを後述するリードフレーム回収部Fによ
って回収するように構成されている。
【0171】[1−7−3−2]送り機構630の構成
…図24〜図29 [1−7−3−2−1]送り機構630の基本的な構成
…図24、図25 送り機構630は、図24に示すように、供給領域S1
において、移載機520からその支持・移送機構640
上にリードフレームRの供給を受け、この支持・移送機
構640を駆動機構650の駆動力によって駆動して、
リードフレームRを、洗浄領域S2 、乾燥領域S3 、お
よび回収領域S4 に順次搬送する機構である。また、送
り機構630の起動時には、図25に示す複数の幅寸法
調整機構660により、対象となるリードフレームRの
長さに合わせて支持・移送機構640の幅寸法が調整さ
れる。
【0172】なお、図25に示すように、この送り機構
630の洗浄領域S2 、乾燥領域S3 、および回収領域
4 における支持・移送機構640の下方には、超音波
と洗浄液を反射する反射プレート631、水切りを行う
ための複数のスノコ状パイプ632、およびリードフレ
ームRの落下を防止するための保護板633がそれぞれ
設けられている。このうち、反射プレート631は、Y
方向の両側に配置された固定側と可動側の2枚のプレー
トを重ねるようにして構成されており、後述する幅寸法
調整機構660による支持・移送機構640の幅寸法の
変更に合わせて可動側のプレートをスライドし、幅寸法
を変更できるようになっている。同様に、スノコ状パイ
プ632についても、Y方向の両側に配置された固定側
と可動側の各複数のパイプから構成されており、後述す
る幅寸法調整機構660による支持・移送機構640の
幅寸法の変更に合わせて可動側のパイプが移動するよう
になっている。さらに、保護板633についても、Y方
向の両側に配置された固定側と可動側の板から構成され
ており、後述する幅寸法調整機構660による支持・移
送機構640の幅寸法の変更に合わせて可動側の板が移
動するようになっている。なお、この保護板633に
は、後述するリードフレーム回収部Fのアンローダー7
10の第1ハンド722と第2ハンド723を挿入する
ためのコ字形切欠き633aとU字形切欠き633bが
設けられている。
【0173】[1−7−3−2−2]支持・移送機構6
40の構成…図25〜図29 支持・移送機構640は、図25に示すように、一対の
長尺なフレーム支持部材641上にリードフレームRを
支持し、このフレーム支持部材641上に支持されたリ
ードフレームRを一対の長尺な押圧部材642の押圧爪
642aによって押圧して移動させる機構である。この
場合、押圧部材642は、復帰方向であるX2 方向側の
第1位置とリードフレームRの押圧方向(搬送方向)で
あるX1方向側の第2位置との間を水平移動可能に設け
られるとともに、フレーム支持部材641上のリードフ
レームRと押圧爪642aが係合する上方位置とフレー
ム支持部材641上のリードフレームRと押圧爪642
aとが接触しない下方位置の間を昇降可能に設けられて
いる。そして、図28に示すような第1下方位置からそ
の上方の第1上方位置に上昇し、この第1上方位置から
第2上方位置に移動してその押圧爪642aによってリ
ードフレームRを搬送し、この後は、第2上方位置から
第2下方位置に下降して、その押圧爪642aをリード
フレームRに接触することなしに、この第2下方位置か
ら第1下方位置に復帰するように構成されている。な
お、一対のフレーム支持部材641および一対の押圧部
材642の間隔は、後述する幅寸法調整機構660によ
り、リードフレームRの寸法に合わせて適宜変更される
ようになっている。
【0174】まず、一対のフレーム支持部材641は、
図26に示すように、水平部分と上方突出部分からなる
断面L字形とされており、そのL字形の垂直方向の内面
を互いに対向させるようにして配置されている。そし
て、この一対のフレーム支持部材641の互いに対向す
る内面間に、リードフレームRが支持されるようになっ
ている。このフレーム支持部材641は、後述する幅寸
法調整機構660によって支持されている。
【0175】また、一対の押圧部材642は、図25に
示すように、一対のフレーム支持部材641の内側に配
置されており、その4箇所には、上方に突出する押圧爪
642aがそれぞれ設けられている。図27および図2
8に示すように、この一対の押圧部材642のさらに内
側には、上部の一対の駆動側往復部材643および下部
の一対の従動側往復部材644が配置されている。ま
た、押圧部材642と駆動側往復部材643および従動
側往復部材644は、第1リンク645と第2リンク6
46によって機械的に連結されている。そして、一対の
押圧部材642は、図28に示すように、これらの往復
部材643,644とリンク645,646の動作によ
って、第1下方位置から第1上方位置に上昇し、第1上
方位置から第2上方位置に水平移動した後、第2上方位
置から第2下方位置に下降し、第2下方位置から第1下
方位置に水平移動するようになっている。また、図中6
47は、一対の駆動側往復部材643の供給領域S1
の端部間を連結する連結シャフトであり、後述する駆動
機構650の駆動力伝達部材657に連結されている。
さらに、図中648は、従動側往復部材644をX方向
に往復移動可能に支持するガイドレールであり、このガ
イドレール648は、図26に示すように、従動側往復
部材644の幅方向と上下方向の位置を規制している。
このガイドレール648の側面には、押圧部材642を
下降位置に支持する側板648aが設けられている。
【0176】すなわち、図28に示すように、上部の駆
動側往復部材643と下部の従動側往復部材644の供
給領域S1 側の端部間は、第1リンク645によって連
結されている。この第1リンク645は、下部の従動側
往復部材644に設けられた軸644aを中心として回
動するようになっており、その回動自由端には長孔64
5aが設けられている。そして、この長孔645a内に
連結シャフト647の端部が挿入されることにより、こ
の連結シャフト647および第1リンク645を介して
駆動側往復部材643と従動側往復部材644が機械的
に連結されている。この場合、駆動側往復部材643と
従動側往復部材644の上下関係が逆転することはない
ため、第1リンク645の回動範囲は、一定の角度θに
制限され、それによって、往復部材643,644の相
対移動範囲も制限されることになる。そして、従動側往
復部材644における第1リンク645の軸644aの
1 方向側には、第1リンク645の回動範囲の端部に
おいてその回動自由端と係合するストッパピン644b
が設けられている。
【0177】したがって、駆動側往復部材644は、第
1リンク645がその回動範囲内で回動途中にある場合
には、従動側往復部材644から独立して移動し、第1
リンク645が回動範囲の端部に達した時点で、従動側
往復部材644と係合し、この従動側往復部材644と
一体的に移動するようになっている。特に、X1 方向に
おいては、第1リンク645とストッパピン644bと
を係合させて、従動側往復部材644に対してより効率
よく駆動力を伝達するようになっている。
【0178】また、図28に示すように、支持・移送機
構640のX方向における2箇所には、押圧部材642
と上部の駆動側往復部材643および下部の従動側往復
部材644の間を連結する第2リンク646が設けられ
ている。この第2リンク646は、下部の従動側往復部
材644に設けられた軸644cを中心として回動する
ようになっており、その回動自由端は若干扇状に広がっ
ている。そして、第2リンク646の扇状の回動自由端
のX1 方向側の部分は連結軸643aによって駆動側往
復部材643に連結されており、また、回動自由端のX
2 方向側の部分は連結軸642bによって押圧部材64
2に連結されている。この場合、駆動側往復部材643
と従動側往復部材644の上下関係が逆転することはな
いため、第2リンク646は、これらの往復部材64
3,644のX方向における相対移動に応じて軸644
cを中心として回動し、それによって押圧部材642を
昇降させるようになっている。また、両方の往復部材6
43,644が係合してX1方向またはX2 方向に一体
的に移動する際には、第2リンク646の位置が固定さ
れるため、押圧部材642は、この第2リンク646を
介して往復部材643,644と同方向に駆動される。
【0179】[1−7−3−2−3]駆動機構650の
構成…図24、図29 駆動機構650は、図24に示すように、供給領域S1
における支持・移送機構640の下方に配置されてい
る。この駆動機構650は、図24に示すように、床面
に固定された基台651上に支持された移送用シリンダ
652の駆動力により、第1ラック653と小径ギア6
54を介し、さらに図25に示す大径ギア655と第2
ラック656を介してこの第2ラック656に固定され
た駆動力伝達部材657に駆動力を伝達し、支持・移送
機構640を駆動する機構である。
【0180】すなわち、図24に示すように、基台65
1はまず、Y方向に配置された第1垂直板651aとこ
の第1垂直板651aとL字形をなすようにしてX方向
に向かって配置された第2垂直板651bを備えてい
る。また、図29に示すように、基台651は、第2垂
直板651bと対向する第3垂直板651cを備えてい
る。そして、図24に示すように、第1垂直板651a
のL字の外側の面には、移送用シリンダ652がX方向
に配置されており、第1垂直板651aのL字の内側の
面には、移送用シリンダ652の駆動力によってX方向
に動作する第1ラック653がX方向に配置されてい
る。この第1ラック653の上方にはこの第1ラック6
53に噛み合う小径ギア654がY方向を軸として配置
されている。
【0181】この小径ギア654は、図29に示すよう
に、第2垂直板651bの反対側の面に配置された大径
ギア655と連結軸654aを介して一体的に固定され
ている。さらに、この大径ギア655の上方にはこの大
径ギア655に噛み合う第2ラック656がX方向に配
置されており、この第2ラック656の側面には、同様
にしてX方向に伸びる駆動力伝達部材657が固定され
ている。この駆動力伝達部材657の第3垂直板651
cとの対向面には、X方向に伸びる断面コ字形のスライ
ド板658が設けられており、このスライド板658
は、第3垂直板651cに設けられたX方向に伸びるス
ライド部材659と係合している。すなわち、駆動力伝
達部材657は、移送用シリンダ652の駆動力によっ
て駆動され、そのスライド板658がスライド部材65
9に沿って移動することによってX方向に移動するよう
に構成されている。また、この駆動力伝達部材657
は、前述した支持・移送機構640の連結シャフト64
7に連結されており、移送用シリンダ652の駆動力に
よってX方向に移動することにより、支持・移送機構6
40の連結シャフト647を移動させるようになってい
る。
【0182】[1−7−3−2−4]幅寸法調整機構6
60の構成…図26 幅寸法調整機構660は、図26に示すように、Y方向
に対向配置された固定側ベース661と可動側ベース6
62、および固定側ベース661に対して可動側ベース
661をY方向にスライド可能に接続するスライドシャ
フト663を備えており、固定側ベース661に、一方
のフレーム支持部材641および一方のガイドレール6
48を支持するとともに、可動側ベース662に、他方
のフレーム支持部材641および他方のガイドレール6
48を支持した状態で、可動側ベース662をスライド
させることにより、支持・移送機構640の幅寸法を調
整する機構である。
【0183】すなわち、図26において、固定側ベース
661は、図に示す垂直板と図示していない底板を備え
ており、この底板によって床面に固定されている。ま
た、可動側ベース662も、図に示す垂直板と図示して
いない底板を備えており、この底板が、固定側ベース6
61の底板上にスライド可能に配置されている。さら
に、固定側ベース661の垂直板の一部には、スライド
シャフト663の一端が貫通する形で接続されており、
スライドシャフト663の他端は可動側ベース662の
垂直板を貫通して配置されている。可動側ベース662
は、このスライドシャフト663にガイドされて、Y方
向に移動するようになっている。また、固定側ベース6
61と可動側ベース662のスライドシャフト663の
貫通部近傍には互いに対向方向に突出する固定側取付部
材664と可動側取付部材665が設けられている。
【0184】そして、固定側ベース661の垂直板の上
端部には、一方のフレーム支持部材641が取り付けら
れ、かつ、固定側取付部材664の上には、一方のガイ
ドレール648が取り付けられている。また、可動側ベ
ース662の垂直板の上端部には、他方のフレーム支持
部材641が取り付けられ、かつ、可動側取付部材66
5の上には、他方のガイドレール648が取り付けられ
ている。したがって、固定側ベース661に対して可動
側ベース662をスライドシャフト663に沿ってスラ
イドさせることにより、支持・移送機構640における
一方のフレーム支持部材641およびガイドレール64
8と、他方のフレーム支持部材641およびガイドレー
ル648との間の寸法を変更することができるようにな
っている。
【0185】[1−7−3−3]洗浄・乾燥ユニット6
70の構成…図24、図30、図31 [1−7−3−3−1]洗浄・乾燥ユニット670の基
本的な構成…図24、図30、図31 洗浄・乾燥ユニット670は、図24および図30に示
すように、シャワー部(シャワー洗浄手段)680と熱
風ノズル(熱風乾燥手段)690を固定してなる支持フ
レーム(支持部材)671を、支持・移送機構640の
洗浄領域S2 および乾燥領域S3 上の所定の洗浄位置お
よび乾燥位置にあるリードフレームRに対して移動させ
る装置である。そして、このような支持フレーム671
の移動により、洗浄領域S2 においては、復帰方向X2
にシャワー部680を移動させながら、このシャワー部
680によって所定の洗浄位置にあるリードフレームR
に超音波と洗浄液を吹き付けて、シャワー洗浄を行い、
乾燥領域S3 においては、復帰方向X2 に熱風ノズル6
90を移動させながら、この熱風ノズル690によって
リードフレームRに熱風を吹き付け、リードフレームR
の乾燥を行うように構成されている。さらに、図24お
よび図31に示すように、洗浄領域S2 と乾燥領域S3
の境界部分には、支持・移送機構640の上下にエアブ
ローノズル(エアブロー手段)672が設けられ、回収
用水槽620に固定されており、このエアブローノズル
672によって、支持・移送機構640のスノコ状パイ
プ632に対し、その上下方向から清浄な空気を常時吹
き付けるように構成されている。
【0186】[1−7−3−3−2]支持フレーム67
1の構成…図30、図31 支持フレーム671は、図31に示すように、水平な天
板671aとこの天板671aの両端から下方に伸びる
両側の垂直板671b,671cとによって、断面コ字
形に形成されている。この支持フレーム671は、回収
用水槽620の一方の側板620aの外側に設けられた
支持板611と、回収用水槽620の他方の側板620
bに対して、スライド可能に取り付けられている。な
お、支持板611は、前述した幅寸法調整機構660の
固定側ベース661と同様に、床面に固定されている。
【0187】すなわち、図31に示すように、支持フレ
ーム671の一方の垂直板671bの外面には、断面コ
字状のスライド部材673が固定されており、このスラ
イド部材673は、支持板611のスライド部材673
と対向する内面に固定されたガイドレール674に対し
て、スライド可能に係合している。また、支持フレーム
671の他方の垂直板671cの内面には、ガイドロー
ラ675が取り付けられており、このガイドローラ67
5は、回収用水槽620の側板620bの上端部に固定
されたガイドレール676に対して、このガイドレール
676上を直線移動可能に係合している。
【0188】さらに、この支持フレーム671は、図3
0に示すように、支持板611の外面に設けられたユニ
ット用モータ677によって駆動されるようになってい
る。すなわち、支持板611の内面には、図31に示す
ように、ユニット用モータ677によって回転するギア
678が配置されており、このギア678の上方に、支
持フレーム671の垂直板671bに固定されたラック
679が噛み合わされている。したがって、ユニット用
モータ677の駆動力により、ギア678とラック67
9を介して支持フレーム671が移動するようになって
いる。
【0189】[1−7−3−3−3]シャワー部680
および熱風ノズル690の構成…図24、図30、図3
1 シャワー部680は、図24に示すように、断面逆V字
形とされており、このV字形の先端部となる下端部に設
けられた図示していない噴出口から、超音波と洗浄水を
ウォーターカーテン状に吹き出すように構成されてい
る。この場合、このシャワー部680の下端部(噴出
口)の高さは、図31に示すように、リードフレームR
の表面に極めて近接する位置となるように構成されてい
る。また、このシャワー部680は、図30に示すよう
に、支持フレーム671の垂直板671b,671c間
にY方向に伸びる形で配置されており、その両端部にお
いて、各垂直板671b,671cにそれぞれ支持され
ている。そして、このシャワー部680は、リードフレ
ームRが洗浄領域S2 の所定の洗浄位置に搬送された際
には、支持フレーム671の移動により、復帰方向X2
に移動すると同時に、超音波と洗浄水をリードフレーム
Rに吹き付けるようになっている。
【0190】熱風ノズル690は、図24に示すよう
に、支持・移送機構640の上下に設けられており、そ
の対向する端部に設けられた図示していない噴出口か
ら、熱風を吹き出すように構成されている。この熱風ノ
ズル690は、図30に示すように、支持フレーム67
1の垂直板671b,671c間にY方向に伸びる形で
配置されており、その両端部において、各垂直板671
b,671cにそれぞれ支持されている。また、この上
下の熱風ノズル690は、図示していない熱風供給源か
らの配管を分岐して設けられており、Y方向に複数の噴
出口が設けられている。そして、この熱風ノズル690
は、リードフレームRが乾燥領域S3 の所定の乾燥位置
に搬送された際には、支持フレーム671の移動によ
り、復帰方向X2 に移動すると同時に、その複数の噴出
口から、リードフレームRの上下両面に向かって熱風を
吹き付けるようになっている。
【0191】[1−8]リードフレーム回収部Fの構成
…図30、図32〜図34 [1−8−1]アンローダー710の構成…図30、図
32 アンローダー(回収用保持手段)710は、図30に示
すような、後処理部Eの回収領域S4 に達したリードフ
レームRを保持し、このリードフレームRをY方向(リ
ードフレームRの搬送方向と直交方向)配置の水平状態
でX方向に移動させてカセット収納部740に渡す装置
である。このアンローダー710は、図32に示すよう
に、リードフレームRを保持するフレーム保持機構72
0と、前述した支持板611に対してX方向(リードフ
レームRの搬送方向と平行な方向)にスライド可能に取
り付けられ、かつ、フレーム保持機構720を昇降可能
に支持する支持・スライド機構730から構成されてい
る。
【0192】[1−8−1−1]フレーム保持機構72
0の構成…図30、図32〜図34 フレーム保持機構720は、図32に示すように、アン
ローダーケース(支持部材)721の下部にX方向(リ
ードフレームRの搬送方向と平行な方向)に対向して設
けられた第1ハンド722と第2ハンド723によって
リードフレームRを挟み、保持する機構である。このう
ち、第1ハンド722は、下方に開口するコ字形板状に
形成されており、第2ハンド723は、直線形の板状に
形成されており、第1ハンド722の中央部の空間と対
向する位置に配置されている。なお、このフレーム保持
機構720は、支持・スライド機構730により、図3
4に示すように、後処理部Eの支持・移送機構640上
のリードフレームRを保持可能な下降位置と、支持・移
送機構640上のリードフレームRに接触しない上昇位
置との間を昇降可能に設けられている。
【0193】まず、この第1ハンド722と第2ハンド
723の駆動は、図32および図33に示すように、開
閉用シリンダ(ハンド用駆動手段)724、ロック手段
725、出力ギア726、第1ラック727、第2ラッ
ク728、およびストッパ729a〜729cによって
行われるように構成されている。すなわち、図32に示
すように、アンローダーケース721の上面には、シリ
ンダガイド部721aが形成され、このシリンダガイド
部721aの上方に開閉用シリンダ724が配置されて
おり、この開閉用シリンダ724の下部にはスライド部
724aが設けられている。そして、このスライド部7
24はアンローダーケース721のシリンダガイド部7
21aに係合しており、それによって、開閉用シリンダ
724がアンローダーケース721に対してX方向に移
動可能に構成されている。なお、アンローダーケース7
21の開口部の縁部には、開閉用シリンダ724を電気
的に固定してその移動を抑止するためのロック手段72
5が設けられている。このロック手段725は、第1ラ
ック727と第2ラック728の開閉動作の開始時には
開閉用シリンダ724をロックしてそのスライド移動を
阻止し、第1ラック727が停止した時点で開閉用シリ
ンダ724を開放してそのスライド移動を可能にするよ
うに構成されている。
【0194】さらに、図32に示すように、アンローダ
ーケース721内には、この開閉用シリンダ724の下
方に突出する駆動ロッドの先端部に固定された出力ギア
726が配置されている。そして、図33に示すよう
に、アンローダーケース721内における出力ギア72
6のY方向両側には、第1ラック727と第2ラック7
28がそれぞれX方向に伸びるようにして配置され、出
力ギア726にそれぞれ噛み合わされている。この第1
ラック727と第2ラック728は、アンローダーケー
ス721の上部にX方向に設けられた第1ガイド溝72
1bと第2ガイド溝721cにそれぞれ係合しており、
出力ギア726の回転によって、各ガイド溝721b,
721cに沿って互いに逆方向に移動するようになって
いる。また、図32に示すように、第1ラック727の
下部には、接続部722aを介して第1ハンド722が
一体的に固定され、また、第2ラック728の下部に
は、接続部723aを介して第2ハンド723が一体的
に固定されており、第1、第2ラック727,728の
動作に伴い、第1、第2ハンド722,723が開閉す
るようになっている。
【0195】この場合、図33に示すように、第1ガイ
ド溝721bの両端部には、閉塞側ストッパ729aと
開放側ストッパ729bがそれぞれ設けられており、第
1ラック727の長さは、このストッパ729a,72
9b間の長さよりも10mmだけ短くなっている。その
ため、第1ラック727の動作ストロークは10mmと
なっている。また、この第1ラック727は、初期状態
(開放状態)においては、図33に示すように、開放側
ストッパ729b側の初期位置にあり、この開放側スト
ッパ729bに接触している。したがって、この第1ラ
ック727と一体的に固定された第1ハンド722は、
第2ハンド723から最も離れる初期位置とこの初期位
置から10mmだけ第2ハンド723に接近する固定側
保持位置との間で水平移動可能となっている。
【0196】一方、第2ガイド溝721cには、その閉
塞側(第1ガイド溝721bの開放側)にのみ、ストッ
パ729cが設けられており、反対側の端部には設けら
れていない。そして、この第2ラック728の長さは、
第2ガイド溝721cのストッパ729cとその反対側
の端部との間の長さの半分程度とされており、そのた
め、この第2ラック728の動作ストロークは、第1ラ
ック727よりも格段に長くなっている。また、この第
2ラック728は、初期状態(開放状態)においては、
図33に示すように、第2ガイド溝721cのストッパ
729cと反対側の端部に最も接近する初期位置にあ
る。したがって、この第2ラック728と一体的に固定
された第2ハンド723は、第1ハンド722から最も
離れる初期位置とこの初期位置から10mmだけ第1ハ
ンド722に接近する保持領域起点位置と、さらに、第
2ラック728がストッパ729cに接触する保持領域
終点位置との間で水平移動可能となっている。
【0197】以上のような動作ストロークの設定によ
り、第1、第2ハンド722,723の開閉動作の開始
時には、第1ラック727と第1ハンド722、および
第2ラック728と第2ハンド723は、同期して動作
を開始し、10mm動作して第1ラック727と第1ハ
ンド722が停止した後は、第2ラック728と第2ハ
ンド723のみが移動することになる。
【0198】[1−8−1−2]支持・スライド機構7
30の構成…図30、図32〜図34 支持・スライド機構730は、図32に示すように、本
体部である支持ブラケット731を備え、支持板611
上に固定したスライド用シリンダ732の駆動力によっ
て、スライド部材733を介し、この支持ブラケット7
31を支持板611に対してX方向にスライド移動させ
るとともに、この支持ブラケット731上に固定した昇
降用シリンダ734の駆動力によって、支持部材735
を介し、フレーム保持機構720を支持ブラケット73
1に対して昇降可能に支持する機構である。
【0199】すなわち、支持ブラケット731は、図3
2に示すように、床面に固定された支持板611上に配
置されており、断面T字形に形成されている。この支持
ブラケット731は、図33に示すように、支持板61
1上に固定されたスライド用シリンダ732によりX方
向に駆動されて、図30に示すように、後処理部Eの回
収領域S4 と回収用カセット装着部740との間を移動
するように構成されている。また、支持ブラケット73
1をスライドさせるスライド部材733は、図32に示
すように、支持ブラケット731のフレーム保持機構7
20と反対側の外面に固定されており、断面コ字形に形
成されている。このスライド部材733は、図30に示
すように、前述した後処理部Eの洗浄・乾燥ユニット6
70の支持フレーム671に設けられたスライド部材6
73と同様に、床面に固定された支持板611のガイド
レール674に対して、スライド可能に係合している。
【0200】また、図32に示すように、この支持ブラ
ケット731の上部には、昇降用シリンダ734が配置
されている。そして、この昇降用シリンダ734の支持
ブラケット731を挟んで対向する下方には、フレーム
保持機構720と一体的に固定された支持部材735が
配置され、昇降用シリンダ734によって駆動されるよ
うに構成されている。また、図33および図34に示す
ように、支持ブラケット731の上部における昇降用シ
リンダ734の両側には、一対のガイド用筒状部材73
6が垂直配置されており、各ガイド用筒状部材736内
には、ガイドロッド737がそれぞれ昇降可能に挿入さ
れ、このガイドロッド737の下端部は、ともに、支持
部材735に固定されている。したがって、この支持・
スライド機構730においては、昇降用シリンダ734
の駆動力により、ガイド用筒状部材736とガイドロッ
ド737によってフレーム保持機構720をガイドしな
がらこのフレーム保持機構720を昇降させるようにな
っている。また、ガイド用筒状部材736に対するガイ
ドロッド737の移動範囲は、フレーム保持機構720
が、前述したような昇降範囲で、すなわち、リードフレ
ームRを保持可能な下降位置とリードフレームRに接触
しない上昇位置との間を昇降するように設定されてい
る。
【0201】[1−8−2]回収用カセット装着部74
0の構成…図1 回収用カセット装着部(回収用収納部)740は、図1
に示すように、その下端部を軸として回動し、本体ケー
スG内に収納される収納位置と、その上端開口部を本体
ケースGの外部方向に突出させて外部からの回収用カセ
ット100bの着脱操作を可能とする着脱位置との間を
移動するように構成されている。そして、この回収用カ
セット装着部740には、この回収用カセット装着部7
40を収納位置に付勢する弾性部材741と、外部の着
脱位置に引き出すためのハンドル742が設けられてい
る。また、この回収用カセット装着部740には、図示
していないが、回収用カセット100b内に収納された
最上部のリードフレームRを常に所定の高さに保つため
のレベル調整手段が設けられている。なお、この回収用
カセット装着部740の寸法は、本実施例のメッキ装置
が対象とする最長・最大幅のリードフレームRを収納可
能な回収用カセット100bを収納できるように設定さ
れている。
【0202】[2]実施例の作用と効果 [2−1]メッキ装置全体の概略的な作用…図1〜図3 以上のような構成を有する本実施例のメッキ装置におい
て、ICのリードフレームRのメッキ処理を行う場合に
は、リードフレーム供給部Bから搬送機構Aに対して効
率よくリードフレームRを供給し、このリードフレーム
Rを、搬送機構Aによって、前処理部C、メッキ処理部
D、および後処理部Eにこの順でリング状の軌道に沿っ
て効率よく移動させた後、リードフレーム回収部Fによ
って、後処理部EからリードフレームRを効率よく回収
することができる。
【0203】すなわち、リードフレーム供給部Bでは、
まず、供給用カセット装着部210に、水平状態のリー
ドフレームRを垂直方向に積層収納した供給用カセット
100aを収納する。そして、この供給用カセット10
0aからローダー220によってリードフレームRを2
枚ずつ水平状態で保持し、垂直状態に変換して搬送機構
Aのフレーム保持部130に渡す。
【0204】次に、搬送機構Aは、ローダー220との
受け渡し位置において、保持部駆動シリンダ120の駆
動力により、フレーム保持部130によって、2枚のリ
ードフレームRを搬送方向と直交方向に並べた垂直状態
でかつ所定の上昇位置に保持する。そして、フレーム搬
送部110による単位距離LX の搬送動作の繰り返しに
よって、この2枚のリードフレームRを前処理部Cの各
処理槽310,320,330,340に順次水平移動
させて各処理槽に対する各昇降動作位置で停止させる。
そして、搬送機構Aは、各昇降動作位置に達した2枚の
リードフレームRを、保持部駆動シリンダ120の駆動
力により、フレーム保持部130の動作によって所定の
下降位置まで下降させて各処理槽に挿入し、フレーム保
持部130によって垂直状態に保持したまま各処理を行
う。各処理の後は、2枚のリードフレームRを再び所定
の上昇位置まで上昇させる。
【0205】続いて、搬送機構Aは、前処理部Cによっ
て前処理を終えた2枚のリードフレームRを、フレーム
搬送部110の単位距離LX の搬送動作によってメッキ
処理部D上に水平移動させてこのメッキ処理部Dのメッ
キ処理槽410との受け渡し位置で停止させる。そし
て、搬送機構Aは、この受け渡し位置に達した2枚のリ
ードフレームRを、保持部駆動シリンダ120の駆動力
により、フレーム保持部130の動作によって所定の下
降位置まで下降させてメッキブロック420a,420
b間に挿入し、この状態で2枚のリードフレームRを解
放してメッキ処理部Dに渡す。この後、メッキ処理部D
は、この2枚のリードフレームRを一対のメッキブロッ
ク420a,420bによって挟み、この状態で、各メ
ッキブロック420a,420bからリードフレームR
の両面にメッキ液を吹き付けてメッキ処理を行う。この
メッキ処理の後に、搬送機構Aは、フレーム保持部13
0によって再び2枚のリードフレームRを保持し、この
2枚のリードフレームRを再び所定の上昇位置まで上昇
させる。
【0206】さらに、搬送機構Aは、メッキ処理部Dに
よってメッキ処理を終えた2枚のリードフレームRを、
フレーム搬送部110の単位距離LX の搬送動作によっ
て水平移動させて後処理部Eの水洗槽510に対する昇
降動作位置で停止させる。そして、搬送機構Aは、この
昇降動作位置に達した2枚のリードフレームRを、保持
部駆動シリンダ120の駆動力により、フレーム保持部
130の動作によって所定の下降位置まで下降させて水
洗槽510に挿入し、フレーム保持部130によって垂
直状態に保持したまま水洗処理を行う。搬送機構Aは、
この水洗処理の後に、2枚のリードフレームRを再び所
定の上昇位置まで上昇させた後、フレーム搬送部110
の単位距離LX の搬送動作によって水平移動させて後処
理部Eの移載機520に対する受け渡し位置で停止させ
る。そして、搬送機構Aは、この受け渡し位置に達した
2枚のリードフレームRを、保持部駆動シリンダ120
の駆動力により、フレーム保持部130の動作によって
所定の下降位置まで下降させ、この状態で移載機520
によって2枚のリードフレームRが保持された時点でこ
れらのリードフレームRを解放して移載機520に渡
す。
【0207】後処理部Eの移載機520は、2枚のリー
ドフレームRを垂直状態で受け取り、水平状態に変換し
て超音波洗浄装置610に供給する。超音波洗浄装置6
10は、後処理部Eの移載機520から順次供給される
リードフレームRを水平状態で連続的に送りながら超音
波シャワー洗浄と温風乾燥を順次行う。
【0208】リードフレーム回収部Fのアンローダー7
10は、後処理部Eの超音波洗浄装置610による後処
理を終えたリードフレームRを1枚ずつ水平状態のまま
保持して水平移動し、回収用カセット装着部740上で
停止して、この回収用カセット装着部740に装着した
回収用カセット110b内にリードフレームRを1枚ず
つ収納する。
【0209】[2−2]メッキ装置全体の概略的な効果 以上のように、本実施例のメッキ装置においては、搬送
機構AによってリードフレームRをリング状の軌道で搬
送する構成であるため、直線状の軌道で往復動作させる
場合のように搬送距離と同じ距離の復帰動作を行う必要
がなく、動作に無駄がない。したがって、搬送機構Aの
搬送効率を向上することができる。また、このリング状
の軌道に沿って複数の処理部B〜Fを配置しているた
め、複数の処理部を直線状に配置していた従来技術に比
べて、メッキ装置全体を小型・簡略化することができ
る。さらに、搬送機構A、リードフレーム供給部B、前
処理部C、メッキ処理部D、後処理部E、およびリード
フレーム回収部Fをそれぞれ改良したことにより、各部
分をそれぞれ小型・簡略化するとともに、その能力を向
上し、信頼性・実用性を向上することができる。そして
また、一定の範囲内の長さと一定の範囲内の幅を有する
各種のリードフレームRを処理することができるため、
この点でも実用性を向上することができる。
【0210】搬送機構Aにおいては、昇降部分を必要最
小限に小型・簡略化するとともに、この昇降部分を含む
水平移動部分を必要最小限に小型・簡略化することがで
きるため、搬送機構Aの駆動に必要な駆動力を必要最小
限に抑えることができ、搬送機構A全体を小型・簡略化
できる。また、フレーム搬送部110によるフレーム搬
送部110の搬送動作時に保持部駆動シリンダ120の
駆動力がフレーム保持部130に作用することはないた
め、水平移動時におけるフレーム保持部130の誤動作
を確実に防止することができ、動作信頼性を向上するこ
とができる。さらに、搬送方向と直交方向に2枚のリー
ドフレームRを並べた状態でこれらを搬送することがで
きるため、搬送機構Aの搬送方向寸法を増大することな
しに搬送能力を向上することができ、実用性に優れてい
る。
【0211】リードフレーム供給部Bにおいては、搬送
機構Aと供給用カセット装着部210との間に配置され
たローダー220の必要最小限の水平移動および回転に
より、2枚のリードフレームRを効率よく搬送機構Aに
供給することができる。また、水平状態のリードフレー
ムRを垂直方向に積層収納した供給用カセット100a
を供給用カセット装着部210に収納することにより、
水平方向の面積を増大させることなく、一度に多数のリ
ードフレームRを供給することができる。したがって、
リードフレーム供給部Bを小型・簡略化しながらしかも
その供給能力を向上することができ、実用性に優れてい
る。
【0212】前処理部Cにおいては、各処理槽310,
320,330,340を搬送機構Aの搬送動作の単位
距離LX と一致するようにして各処理槽を配置している
ため、2枚のリードフレームRを搬送機構Aのフレーム
保持部130に保持した状態で、搬送機構Aの動作によ
って、2枚のリードフレームRの各処理を自動的に確実
に行うことができる。また、各処理槽には、搬送機構A
のフレーム保持部130に搬送方向と直交方向に保持さ
れた2枚のリードフレームRを挿入できればよいため、
各処理槽の搬送方向寸法をできる限り縮小することがで
きる。したがって、前処理部C全体を小型化できる。
【0213】メッキ処理部Dにおいては、一対のメッキ
ブロック420a,420bの間にリードフレームRを
挟み、この状態でリードフレームRのメッキ面に集中的
にメッキ液を吹き付けることにより、高速・高性能のメ
ッキ処理を行うことができる。この場合、一対のメッキ
ブロック420a,420bの寸法は、リードフレーム
Rの寸法をカバーできれば十分であるため、メッキ処理
部Dをできる限り小型・簡略化することができる。その
一方で、2枚のリードフレームRを並べて挟み、同時に
メッキ処理することができる。したがって、メッキ処理
部Dをできる限り小型・簡略化しながらしかもメッキ処
理能力を向上することができ、実用性に優れている。
【0214】後処理部Eにおいては、搬送機構Aの構成
と後処理部Eの超音波洗浄装置610の構成に合わせて
移載機520を合理的に構成するとともに、超音波洗浄
装置610を合理的に構成しているため、後処理部Eを
できる限り小型・簡略化することができるとともに、高
速・高性能な後処理を可能にし、その信頼性・実用性を
向上することができる。また、超音波洗浄装置610に
よって超音波シャワー洗浄と温風乾燥の両方を行うこと
ができるため、独立した乾燥手段が不要となる分だけ、
メッキ装置全体を小型・簡略化することができるととも
に、実用性を向上することができる。
【0215】リードフレーム回収部Fにおいては、後処
理部Eの超音波洗浄装置610と回収用カセット装着部
740との間に配置されたアンローダー710の必要最
小限の水平移動により、後処理を終えたリードフレーム
Rを1枚ずつ回収用カセット110b内に良好に収納す
ることができる。また、回収用カセット100b内に水
平状態のリードフレームRを垂直方向に積層収納する構
成であるため、水平方向の面積を増大させることなく、
一度に多数のリードフレームRを回収することができ
る。したがって、リードフレーム回収部Fを小型・簡略
化しながらしかもその回収能力を向上することができ、
実用性に優れている。
【0216】[2−3]搬送機構Aの作用と効果…図
2、図4〜図9 [2−3−1]搬送機構Aの作用…図2、図4〜図9 [2−3−1−1]フレーム搬送部110の搬送動作…
図2、図4、図9 図4に示すように、本実施例のメッキ装置において、I
CのリードフレームRのメッキ処理を行う場合には、フ
レーム搬送部110の搬送用モータ117の駆動力によ
り変速機118を介して駆動側の搬送用シャフト111
を所定量だけ回転させ、それによって、上下のスプロケ
ット113,114を介し、上下のチェーン115,1
16を単位距離LX だけ回転させる。そして、この単位
距離LXの動作を繰り返すことにより、この上下のチェ
ーン115,116に取り付けられたフレーム保持部1
30が、図2に示すように、単位距離LX ずつ順次搬送
され、8箇所の昇降動作・受け渡し位置に順次搬送され
る。なお、このような水平移動時には、図9中実線で示
すように、フレーム保持部130のケース支持機構18
0の支持ローラ184が支持位置にあり、昇降ケース1
50のブラケット151の水平突起部151bを支持し
ているため、昇降ケース150は所定の上昇位置に支持
されている。また、チャック機構160は、駆動力伝達
機構170の閉塞用バネ176a,176bによって閉
塞状態にある。
【0217】[2−3−1−2]ケース支持機構180
の解放動作…図5、図9 以上のようなフレーム搬送部110による搬送動作の結
果、フレーム保持部130が各昇降動作・受け渡し位置
に達すると、図5に示すように、このフレーム保持部1
30のケース支持機構180の係合シャフト182a
が、カバー119上に固定されたサブシリンダ123の
ブラケット125と係合する。この時点で、サブシリン
ダ123が起動し、このサブシリンダ123の駆動力に
より、ケース支持機構180の支持ローラ184は、4
点支持リンク183を介して可動側軸支部材182とと
もに、図9中実線で示す支持位置から2点鎖線で示す解
放位置に移動し、昇降ケース150を解放する。この結
果、昇降ケース150が昇降動作可能になる。
【0218】[2−3−1−3]昇降ケース150の下
降動作…図5〜図7 フレーム保持部130が各昇降動作・受け渡し位置に達
すると、図5に示すように、このフレーム保持部130
の駆動力伝達機構170の係合板172が、カバー11
9上に固定された保持部駆動シリンダ120のブラケッ
ト122と係合する。この時点で、前述したケース支持
機構180の解放動作が行われるとともに、保持部駆動
シリンダ120が起動し、この保持部駆動シリンダ12
0の駆動力が、駆動力伝達機構170を介して昇降ケー
ス150に伝達され、昇降ケース150が下降動作を開
始する。
【0219】まず、図7に示すように、保持部駆動シリ
ンダ120の駆動力によって、駆動力伝達機構170の
駆動力伝達ロッド171が初期位置である最も上方の第
1動作位置から下降する。この駆動力伝達ロッド171
の下降に伴い、この駆動力伝達ロッド171に設けられ
た係合ピン171aによってフランジ173および昇降
用バネ174を介して昇降ケース150の底板150a
が押圧され、昇降ケース150が下方に駆動される。す
なわち、図5および図6に示すように、昇降ケース15
0は、そのスライド板152が取付板140の昇降レー
ル142に沿って下方に移動することにより下降動作す
る。なお、この下降動作時には、係合ピン171aは、
昇降用バネ174により、開閉用ロッド175の長孔1
75c内の上端部に保持され、上部バネプレート178
の下面に接触している。
【0220】そして、駆動力伝達ロッド171が第2動
作位置に達した時点では、昇降ケース150は、そのス
ライド板152がストッパ143と係合することによ
り、所定の下降位置に停止する。なお、このように昇降
ケース150が所定の下降位置に停止した後、さらに駆
動力伝達ロッド171を若干下降させることにより、開
閉用ロッド175の長孔175c内の上端部に位置して
いた係合ピン171aが、フランジ173を介して昇降
用バネ174を圧縮しながら開閉用ロッド175の長孔
175c内を下降する。この場合、圧縮された昇降用バ
ネ174の蓄勢力が昇降ケース150の底板150aを
介してこの昇降ケース150を下方に押圧するように作
用するため、昇降レース150を所定の下降位置に確実
に保持することができる。なお、駆動力伝達ロッド17
1は、その係合ピン171aが、開閉用ロッド175の
長孔175cの中央部に達した時点で停止する。
【0221】[2−3−1−4]チャック機構160の
開閉動作…図5〜図7 3箇所の受け渡し位置、すなわち、リードフレーム供給
部Bのローダー220との受け渡し位置、メッキ処理部
Dのメッキ処理槽410との受け渡し位置、および後処
理部Eの移載機520との受け渡し位置においては、前
述した昇降ケース150の下降に続いて、図5〜図7に
示すチャック機構160の開閉動作が行われる。すなわ
ち、図7に示す駆動力伝達機構170の駆動力伝達ロッ
ド171が第2動作位置から若干下降して停止した後、
さらに、保持部駆動シリンダ120の駆動力によって、
駆動力伝達ロッド171を第3動作位置に向かって下降
させる。この時点では、昇降ケース150がストッパ1
43によって所定の下降位置に位置規制されているた
め、駆動力伝達ロッド171の下降によって、その係合
ピン171aは、フランジ173を介して昇降用バネ1
74を圧縮しながら開閉用ロッド175の長孔175c
内をさらに下降する。
【0222】そして、係合ピン171aが長孔175c
内の下端部に係合した後は、駆動力伝達ロッド171と
開閉用ロッド175が一体的に下降を開始する。この開
閉用ロッド175の下降に伴い、その駆動ピン175d
によって、チャック機構160の両側の駆動アーム16
6a,166bおよび支軸165a,165bが同期し
て開放方向に回動し、図5に示す2個のチャック16
1,162が同期して開放する。最終的に、駆動力伝達
ロッド171が最も下方の第3動作位置に達した時点
で、2個のチャック161,162は、全開状態とな
り、駆動力伝達ロッド171は停止する。同時に、開閉
用ロッド175の下降により、その上端部の大径部17
5aおよび上部バネプレート178を介して両側の閉塞
用バネ176a,176bが押圧されるため、この両側
の閉塞用バネ176a,176bが下部バネプレート1
77a,177bに対して圧縮され、蓄勢される。
【0223】さらに、この開放動作によって受け渡しを
行った後は、保持部駆動シリンダ120の駆動力と圧縮
状態にある昇降用バネ174の蓄勢力によって駆動力伝
達ロッド171を第3動作位置から上方の第2動作位置
に向かって上昇させる。この駆動力伝達ロッド171の
上昇に伴い、その係合ピン171aが開閉用ロッド17
5の長孔175c内を上昇するため、開閉用ロッド17
5が解放される。この開閉用ロッド175は、圧縮状態
にある閉塞用バネ176a,176bの蓄勢力によっ
て、上部バネプレート178およびその大径部175a
を介して上方に駆動され、上昇する。この開閉用ロッド
175の上昇に伴い、その駆動ピン175dによって、
チャック機構160の両側の駆動アーム166a,16
6bおよび支軸165a,165bが同期して開放方向
に回動し、図5に示す2個のチャック161,162が
同期して閉塞する。
【0224】なお、昇降ケース150は、駆動力伝達ロ
ッド171の係合ピン171aが開閉用ロッド175の
長孔175c内を上昇する間は、昇降用バネ174の蓄
勢力によってその底板150aが下方に押圧されている
ため、所定の下降位置に保持されている。
【0225】[2−3−1−5]昇降ケース150の上
昇動作…図5〜図7 3箇所の受け渡し位置、すなわち、リードフレーム供給
部Bのローダー220との受け渡し位置、メッキ処理部
Dのメッキ処理槽410との受け渡し位置、および後処
理部Eの移載機520との受け渡し位置においては、前
述したチャック機構160の閉塞動作に続いて、図5〜
図7に示す昇降ケース150の上昇動作が連続的に行わ
れる。
【0226】また、5箇所の上昇位置、すなわち、前処
理部Cの各処理槽310,320,330,340に対
する4箇所の昇降動作位置と、後処理部Eの水洗槽51
0に対する1箇所の昇降動作位置においては、前述した
チャック機構160の開閉動作は行われない。すなわ
ち、これらの昇降動作位置においては、前述した昇降ケ
ース150の下降動作によって、そのチャック機構16
0によって保持されたリードフレームRが、各処理槽に
挿入され、各処理が行われた後、そのまま、昇降ケース
150の上昇動作が行われる。
【0227】そして、いずれの場合においても、昇降ケ
ース150の上昇動作は、同様に行われる。すなわち、
保持部駆動シリンダ120の駆動力と昇降用バネ174
の蓄勢力によって駆動力伝達ロッド171を上昇させ
る。この駆動力伝達ロッド171の上昇に伴い、その係
合ピン171aが開閉用ロッド175の長孔175c内
の中央部から上端部に向かって上昇する。この後、駆動
力伝達ロッド171が第2の動作位置に達した時点で、
係合ピン171aが長孔175c内の上端部に達して上
部バネプレート178の下面に係合し、この後は、保持
部駆動シリンダ120の駆動力のみによって、駆動力伝
達ロッド171が上昇し、それに伴い、係合ピン171
aと上部バネプレート178が上昇し、昇降ケース15
0が上昇する。そして、駆動力伝達ロッド171が第1
動作位置に達した時点では、昇降ケース150は、所定
の上昇位置に達し、この位置に停止する。
【0228】[2−3−1−6]ケース支持機構180
の支持動作…図5、図8、図9 以上のような昇降ケース150の上昇動作の結果、昇降
ケース150が所定の上昇位置に達すると、図5に示す
ように、ケース支持機構180の係合シャフト182a
が、カバー119上に固定されたサブシリンダ123の
ブラケット125と係合する。この時点で、サブシリン
ダ123が起動し、このサブシリンダ123の駆動力に
より、ケース支持機構180の支持ローラ184は、4
点支持リンク183を介して可動側軸支部材182とと
もに、図9中2点鎖線で示す解放位置から図9中実線で
示す支持位置に移動し、昇降ケース150を支持する。
すなわち、図8に示すように、昇降ケース150のブラ
ケット151に設けられた一対のL字形側板151aの
水平突起部151bが一対の支持ローラ184によって
それぞれ支持される。そして、このように昇降ケース1
50がケース支持機構180によって支持された後は、
再び、フレーム搬送部110によって、前述したような
フレーム保持部130の単位距離LX の搬送動作が行わ
れる。
【0229】[2−3−2]搬送機構Aの効果 以上のように、本実施例の搬送機構Aにおいては、リー
ドフレームRを保持したフレーム保持部130を、フレ
ーム搬送部110によって、単位距離LX ずつ搬送し、
容易かつ確実に、各昇降動作・受け渡し位置に移動させ
ることができる。そして、各昇降動作・受け渡し位置に
おいては、この位置に配置した保持部駆動シリンダ12
0によってフレーム保持部130の昇降ケース150の
昇降動作とチャック機構160の開閉動作を行い、リー
ドフレームRの昇降動作または受け渡しを容易かつ確実
に行うことができる。
【0230】また、本実施例においては、フレーム保持
部130を駆動する保持部駆動シリンダ120を、カバ
ー119上の各昇降動作・受け渡し位置に固定的に配置
しているため、フレーム保持部130を、各昇降動作・
受け渡し位置においてのみ駆動することができ、水平移
動途中の動作不要な位置におけるフレーム保持部130
の誤動作を確実に防止することができる。加えて、昇降
ケース150を所定の上昇位置に支持するケース支持機
構180を駆動するサブシリンダ123を、保持部駆動
シリンダ120とともに、カバー119上の各昇降動作
・受け渡し位置に固定的に配置しているため、昇降ケー
ス150を、各昇降動作・受け渡し位置においてのみ昇
降可能とすることができ、水平移動途中の昇降動作不要
な位置における昇降ケース150の誤動作を確実に防止
することができる。したがって、フレーム保持部130
の動作信頼性が高くなっている。また、本実施例のケー
ス支持機構180は、4点支持リンク183を使用した
小型・簡略な機構であり、実用性にも優れている。
【0231】一方、本実施例においては、保持部駆動シ
リンダ120およびサブシリンダ123をフレーム保持
部130とともに水平移動させずに、カバー119上に
固定的に配置しているため、水平移動部分の重量をでき
る限り低減してフレーム搬送部110の駆動力を低減す
ることができ、その搬送用モータ117をできる限り小
型化できる。また、本実施例のフレーム搬送部110
は、搬送用シャフト111,112と上下のスプロケッ
ト113,114、およびチェーン115,116を使
用した簡略な機構であるため、実用性に優れており、こ
のような簡略な機構を使用することにより、搬送機構A
全体を小型・簡略化できる。
【0232】そしてまた、本実施例において、昇降動作
を行う部分は、リードフレームRの保持部であるフレー
ム保持部130の昇降ケース150とチャック機構16
0および駆動力伝達機構170のみであるため、昇降動
作のための駆動力を低減することができ、保持部駆動シ
リンダ120を小型化できる。加えて、本実施例におい
ては、保持部駆動シリンダ120の駆動力を、駆動力伝
達機構170によって昇降ケース150とチャック機構
160に選択的に伝達するように構成しているため、昇
降ケース150とチャック機構160を個別に駆動する
場合に比べて、保持部駆動シリンダ120の駆動力を効
率よく利用でき、保持部駆動シリンダ120をできる限
り小型化できる。また、駆動力伝達機構170は、単純
な部品を組み合わせて構成されているため、小型・簡略
であり、実用性に優れている。さらに、本実施例におい
ては、2枚のリードフレームRをそのメッキ面が搬送方
向と直交する方向に2枚並べて垂直状態で保持し、搬送
することができるため、搬送機構Aの搬送方向寸法を増
大することなしに搬送能力を向上することができ、この
点でも実用性に優れている。
【0233】[2−4]リードフレーム供給部Bの作用
と効果…図1、図10〜図12 [2−4−1]リードフレーム供給部Bの作用…図1、
図10〜図12 図1に示すように、本実施例のメッキ装置において、I
CのリードフレームRのメッキ処理を行う場合には、ま
ず、供給用カセット装着部210をそのハンドル212
によって外部の着脱位置に引き出す。そして、リードフ
レームRを収納した供給用カセット100aをこの供給
用カセット装着部210に収納した後、供給用カセット
装着部210を収納位置に戻す。
【0234】また、図11に示すように、ローダー22
0の方向変換機構240とフレーム保持機構230は、
初期状態においては、供給用ハンド232,233が供
給用カセット装着部210内に収納されたリードフレー
ムRと接触しない所定の上昇位置にある。そして、供給
用カセット装着部210に供給用カセット100aが収
納された時点で、ローダー用シリンダ257の駆動力に
より、方向変換機構240とフレーム保持機構230が
所定の上昇位置で水平移動する。すなわち、方向変換機
構240のスライド部241aが支持機構250上の水
平レール255上を移動することにより、この方向変換
機構240とこれに支持されたフレーム保持機構230
が一体的に水平移動する。そして、この水平移動によ
り、フレーム保持機構230の一方の供給用ハンド23
2が供給用カセット装着部210の上方に位置合わせさ
れる。この時点で、昇降部材253が、そのスライド板
256が昇降レール252に沿って移動することにより
下降動作し、方向変換機構240とフレーム保持機構2
30は、供給用カセット装着部210の最上部のリード
フレームRを保持可能な所定の下降位置まで移動する。
この状態で、開閉手段234によって供給用ハンド23
2が閉塞して、リードフレームRを水平状態で保持す
る。
【0235】このようにして供給用ハンド232がリー
ドフレームRを保持した後は、昇降部材253が上昇動
作し、所定の上昇位置まで移動した時点で再びフレーム
保持機構230が供給用ハンド232,233の中心間
寸法L1 だけ水平移動して、フレーム保持機構230の
他方の供給用ハンド233が供給用カセット装着部21
0の上方に位置合わせされる。図11および図12は、
このように供給用ハンド233を供給用カセット装着部
210に位置合わせした状態を示している。この時点
で、昇降部材253が所定の下降位置まで下降し、この
状態で、開閉手段235によって供給用ハンド233が
閉塞して、リードフレームRを水平状態で保持する。こ
の結果、2個の供給用ハンド232,233によって2
枚のリードフレームRが水平方向に並べて保持される。
【0236】以上のような操作により、2個の供給用ハ
ンド232,233によって、2枚のリードフレームR
を保持した後は、方向変換機構240の回転モータ24
3の駆動力により、駆動側プーリ244、ベルト24
6、および従動側プーリ245を介して連結シャフト2
47に伝達する。この連結シャフト247の回転によっ
てフレーム保持機構230が垂直方向に回転し、図10
の実線に示す位置から、図10の2点鎖線に示す位置に
移動する。その結果、2個の供給用ハンド232,23
3によって保持された2枚のリードフレームRが垂直状
態に変換される。
【0237】この状態で、このローダー220との受け
渡し位置にある搬送機構Aのフレーム保持部130の昇
降ケース150の下降およびチャック機構160の開閉
がなされ、2枚のリードフレームRがフレーム保持部1
30のチャック機構160によって保持される。この時
点で、フレーム保持機構230の2個の開閉手段23
4,235によって2個の供給用ハンド232,233
が開放され、2枚のリードフレームRがローダー220
からフレーム保持部130に引き渡される。この受け渡
しの後、方向変換機構240によって、フレーム保持機
構230が図10の実線に示す初期位置に復帰し、一連
の供給動作を完了する。
【0238】[2−4−2]リードフレーム供給部Bの
効果 以上のように、本実施例のリードフレーム供給部Bにお
いては、供給用カセット装着部210をローダー220
のフレーム保持機構230の下方に配置しており、ロー
ダー220のフレーム保持機構230によって保持した
リードフレームRの移動距離は、その方向を水平方向か
ら垂直方向に変換するのに必要な必要最小限の距離であ
る。そのため、リードフレームRを効率よく搬送機構A
に供給することができ、また、リードフレーム供給部B
全体を小型・簡略化することができる。
【0239】特に、本実施例においては、フレーム保持
機構230を2個の供給用ハンド232,233の中心
間距離L1 だけ水平移動させることにより、これらの供
給用ハンド232,233によって2枚のリードフレー
ムRを1枚ずつ順次保持することができるため、搬送機
構Aのフレーム保持部130に対して、2枚のリードフ
レームRを一度に供給することができる。この場合、2
枚のリードフレームRをその幅方向に近接して並べて保
持しているため、フレーム保持部230の寸法をそれほ
ど増大させることなしにその供給能力を向上することが
できる。また、水平状態のリードフレームRを垂直方向
に積層収納した供給用カセット100aを供給用カセッ
ト装着部210に収納しているため、供給用カセット装
着部210の水平方向の面積を増大することなく、一度
に多数のリードフレームRを供給することができる。し
たがって、本実施例によれば、リードフレーム供給部B
を小型・簡略化しながらしかもその供給能力を向上する
ことができ、実用性に優れている。
【0240】[2−5]前処理部Cの作用と効果…図
1、図2 [2−5−1]前処理部Cの作用…図1、図2 図1および図2に示すように、2枚のリードフレームR
を保持した搬送機構Aのフレーム保持部130がローダ
ー220との受け渡し位置から単位距離LX だけ移動し
て前処理部Cの純水ディップ槽310に対する昇降動作
位置に達すると、その昇降ケース150が所定の下降位
置まで下降して、2枚のリードフレームRが純水ディッ
プ槽310内に挿入され、純水に浸漬される。この純水
ディップ槽310内の純水によって、2枚のリードフレ
ームRの表面の異物が除去され、リードフレームR表面
に対する活性化液の密着性が向上する。処理を終えた後
は、昇降ケース150が再び所定の上昇位置まで上昇
し、2枚のリードフレームRが純水ディップ槽310か
ら取り出される。
【0241】次に、フレーム保持部130が、純水ディ
ップ槽310に対する昇降動作位置から単位距離LX
け移動して活性化槽320に対する昇降動作位置に達す
ると、その昇降ケース150が所定の下降位置まで下降
して、2枚のリードフレームRが活性化槽320内に挿
入され、強酸などの活性化液に浸漬される。この活性化
槽320内の活性化液によって、2枚のリードフレーム
Rの表面が加工される。処理を終えた後は、昇降ケース
150が再び所定の上昇位置まで上昇し、2枚のリード
フレームRが活性化槽320から取り出される。
【0242】続いて、フレーム保持部130が、活性化
槽320に対する昇降動作位置空単位距離LX だけ移動
して第1水洗槽330に対する昇降動作位置に達する
と、その昇降ケース150が所定の下降位置まで下降し
て、2枚のリードフレームRが第1水洗槽330内に挿
入され、洗浄水によってシャワー洗浄され、余分な活性
化液が除去される。処理を終えた後は、昇降ケース15
0が再び所定の上昇位置まで上昇し、2枚のリードフレ
ームRが第1水洗槽330から取り出される。
【0243】この後、フレーム保持部130が、第1水
洗槽330に対する昇降動作位置空単位距離LX だけ移
動して第2水洗槽340に対する昇降動作位置に達する
と、その昇降ケース150が所定の下降位置まで下降し
て、2枚のリードフレームRが第2水洗槽340内に挿
入され、洗浄水内に浸漬される。この第2水洗槽340
内の洗浄水によって、2枚のリードフレームR表面の活
性化液が完全に除去され、次のメッキ処理のために良好
な状態となる。
【0244】[2−5−2]前処理部Cの効果 以上のように、本実施例の前処理部Cにおいては、その
4つの処理槽310,320,330,340によっ
て、リードフレームRの前処理を効率よく行うことがで
きる。特に、本実施例においては、各処理槽の中心間距
離を、搬送機構Aの搬送動作の単位距離LX と一致する
ようにして各処理槽を搬送方向に並べて配置しているた
め、2枚のリードフレームRを搬送機構Aのフレーム保
持部130に保持した状態で、この搬送機構Aのフレー
ム保持部130の搬送方向における単位距離LX の水平
動作と各昇降動作位置における昇降動作を単純に繰り返
すことにより、各処理槽への2枚のリードフレームRの
搬入、取り出しを繰り返しながら、各処理を自動的に確
実に行うことができる。
【0245】また、搬送機構Aのフレーム保持部130
によって垂直状態で保持したリードフレームRを各処理
槽にその垂直状態のままで挿入する構成であるため、各
処理槽の水平面積を縮小することができる。特に、本実
施例では、フレーム保持部130によって搬送方向と直
交方向に保持された2枚のリードフレームRを挿入でき
れば十分であるため、各処理槽の搬送方向寸法をできる
限り縮小することができる。したがって、前処理部C全
体を小型化できる。
【0246】[2−6]メッキ処理部Dの作用と効果…
図1、図2、図13〜図17 [2−6−1]メッキ処理部Dの作用…図1、図2、図
13〜図17 [2−6−1−1]リードフレームRの挿入…図1、図
2、図13 図13に示すように、メッキ処理槽410内の一対のメ
ッキブロック420a,420bは、初期状態において
は、互いに最も離れた位置にあり、その間に、リードフ
レーム挿入用の十分な空間が形成されている。この状態
で、図1および図2に示すように、2枚のリードフレー
ムRを保持した搬送機構Aのフレーム保持部130が前
処理部Cの第2水洗槽340に対する昇降動作位置から
単位距離LX だけ移動してメッキ処理槽410との受け
渡し位置に達すると、その昇降ケース150が所定の下
降位置まで下降する。この昇降ケース150の下降によ
って、図13に示すように、2枚のリードフレームRが
メッキ処理槽410内の一対のメッキブロック420
a,420bの間の空間内に挿入される。
【0247】[2−6−1−2]第1位置決め機構45
0の位置決め動作…図13〜図15 図13に示すように、2枚のリードフレームRがメッキ
処理槽410内の一対のメッキブロック420a,42
0bの間に挿入される際には、ほぼ同時に、図15に示
すように、第1位置決め機構450のガイドブロック機
構460の昇降用シリンダ467が起動し、この昇降用
シリンダ467の駆動力によって、昇降プレート466
が上昇する。この昇降プレート466の上昇に伴い、こ
の昇降プレート466上に支持されたガイドプレート4
65とこのガイドプレート465上に形成された2個の
ガイドブロック461,462が上昇し、2枚のリード
フレームRの下端部を支持する形でその位置決めを行
う。
【0248】すなわち、図15に示すように、各ガイド
ブロック461,462は、各一対のガイド板464
a,464bの上部に設けられたテーパ部によって、各
リードフレームRの幅方向の両端部を幅方向(Y方向)
にガイドしてY方向における所定の位置に位置決めする
と同時に、図14に示すように、各V字形ガイド463
によって、各リードフレームRの下端部をその厚さ方向
(X方向)にガイドしてX方向における所定の位置に位
置決めする。
【0249】このようなガイドブロック機構460によ
るリードフレームRの下端部の水平方向の位置決めを終
了した時点で、昇降用シリンダ467が停止するととも
に、図14に示すように、位置決め補助機構440のシ
ャフト用シリンダ442が起動する。そして、このシャ
フト用シリンダ442の駆動力によって、4対の押え用
シャフト441が互いに接近する方向にそれぞれ移動す
る。4対の押え用シャフト441が2枚のリードフレー
ムRの上部をその両面から支持する所定の支持位置に達
した時点で、シャフト用シリンダ442が停止し、4対
の押え用シャフト441はこの支持位置に固定される。
【0250】この場合、押え用シャフト441の支持位
置は、各対の押え用シャフト441によってリードフレ
ームRの両面を挟み込むのではなく、図13に示すよう
に、押え用シャフト441とリードフレームRとの間に
若干の間隙を有する位置である。したがって、支持位置
において、各対の押え用シャフト441は、リードフレ
ームRの昇降動作を妨げることなしにこのリードフレー
ムRを倒れない程度に支持する。なお、このように押え
用シャフト441によってリードフレームRを支持した
時点で、搬送機構Aのフレーム保持部130のチャック
機構160が開放され、2枚のリードフレームRがメッ
キ処理槽410内に完全に移される。
【0251】この受け渡しの後、ガイドブロック機構4
70の昇降用シリンダ467によって昇降プレート46
6を下降させ、各ガイドブロック461,462を一対
のメッキブロック420a,420bの動作と干渉しな
い下方の位置まで移動させる。このようなガイドブロッ
ク461,462の下降に伴い、図13に示すように、
2枚のリードフレームRが各一対の支持用シャフト45
1上の溝部451a上に係合する形でこの支持用シャフ
ト451によって上下方向に位置決めされる。
【0252】[2−6−1−3]メッキブロック420
a,420bの閉塞動作…図14、図15 以上のような第1位置決め機構450による位置決め動
作によって、2枚のリードフレームRが水平方向および
上下方向に位置決めされた時点で、図14に示す駆動機
構430のブロック用シリンダ431が起動する。そし
て、このブロック用シリンダ431の駆動力によって、
一対のメッキブロック420a,420bが、ブロック
ガイドシャフト433に沿って互いに接近する方向にそ
れぞれ移動して、このメッキブロック420a,420
bの間に2枚のリードフレームRを挟む。
【0253】この一対のメッキブロック420a,42
0bの動作に伴い、このメッキブロック420a,42
0bに第2位置決め機構470として設けられた位置決
め孔471と位置決めピン472が互いに係合する。そ
して、図15に示すように、位置決め孔471と位置決
めピン472のこのような係合によって、2枚のリード
フレームRの上下における幅方向の両側をそれぞれ支持
する形でこの2枚のリードフレームRの幅方向における
最終的な位置決めを行う。なお、2枚のリードフレーム
Rを挟んで保持した時点で、ブロック用シリンダ431
が停止し、メッキブロック420a,420bの閉塞状
態が保たれる。
【0254】[2−6−1−4]メッキブロック420
a,420bのメッキ処理動作…図16、図17 以上のようなメッキブロック420a,420bの閉塞
動作によって、一対のメッキブロック420a,420
b間に2枚のリードフレームRを保持した後は、この状
態でリードフレームRの両面にメッキ液を吹き付けるこ
とにより、メッキ処理を行う。すなわち、図示していな
いメッキ液供給タンクから、まず、図16に示すよう
に、メッキブロック420a,420b下部の供給管4
24を介して、メッキブロック420a,420b内の
メッキ液貯蔵室423にメッキ液を供給する。このよう
にメッキ液貯蔵室423に供給されたメッキ液は、複数
の圧力室425で高圧化された後、噴出孔426を介し
てメッキ用キャビティ列421の各メッキ用キャビティ
421a内に均一に噴出する。
【0255】この場合、各リードフレームRの両面は、
それぞれ、各メッキブロック420a,420bの対応
する各メッキ用キャビティ列421と対向しており、図
17に示すように、複数のICが、IC支持突起421
bに支持されるとともに、このICの周囲のメッキ必要
部分が、各メッキ用キャビティ421aにそれぞれ対向
している。そのため、噴出孔426から噴出したメッキ
液は、IC支持突起421bの側面に沿って各メッキ用
キャビティ421a内を流れ、各メッキ用キャビティ4
21aにそれぞれ対向するリードフレームRのメッキ必
要部分に集中的に吹き付けられる。
【0256】このようなメッキ液の吹き付け時におい
て、リードフレームRのメッキ不要部分は、メッキ用キ
ャビティ列421の周囲とその隣接するメッキ用キャビ
ティ421a間に設けられたシール材422によってマ
スキングされている。また、メッキ用キャビティ421
a内を流れてリードフレームRのメッキ必要部分に吹き
付けられたメッキ液は、リードフレームRに衝突した
後、このメッキ用キャビティ421a内を循環して、メ
ッキ用キャビティ421aの側壁に沿って戻る形で排出
孔428を介して排出路427から排出される。したが
って、メッキ液がメッキ用キャビティ421aの外部に
漏出してリードフレームRのメッキ不要部分やその他の
不都合な部分に付着することはない。なお、排出路42
7に流入したメッキ液は、メッキブロック420a,4
20b下部の排出管429を介して、図示していないメ
ッキ液回収タンクに回収される。
【0257】[2−6−1−5]リードフレームRの排
出…図13、図14 以上のようなメッキブロック420a,420bによる
リードフレームRのメッキ処理を終了した時点で、図1
4に示す駆動機構430のブロック用シリンダ431が
再び起動する。そして、このブロック用シリンダ431
の駆動力によって、図14に示すように、一対のメッキ
ブロック420a,420bが、ブロックガイドシャフ
ト433に沿って互いに離れる方向にそれぞれ移動し
て、2枚のリードフレームRから離れる。この結果、図
13に示すように、2枚のリードフレームRの下端部は
各一対の支持用シャフト451の溝部451aによって
支持され、2枚のリードフレームRの上部は各一対の押
え用シャフト441によってその両面から支持されるこ
とになる。
【0258】この状態で、メッキ処理槽410との受け
渡し位置にある搬送機構Aのフレーム保持部130の昇
降ケース150の下降およびチャック機構160の開閉
が行われ、2枚のリードフレームRがフレーム保持部1
30のチャック機構160によって保持される。すなわ
ち、この時点で、2枚のリードフレームRがメッキ処理
槽410から搬送機構Aのフレーム保持部130に引き
渡される。
【0259】[2−6−2]メッキ処理部Dの効果 以上のように、本実施例のメッキ処理部Dにおいては、
一対のメッキブロック420a,420bの間に2枚の
リードフレームRを並べて挟んだ状態で、各リードフレ
ームRの両面からメッキ用キャビティ421aを介して
メッキ必要部分にメッキ液を集中的に吹き付けることが
できる。特に、長尺な1枚のリードフレームRの各部分
に対して、メッキ用キャビティ列421の個々のメッキ
用キャビティ421aによってそれぞれメッキ液を吹き
付けることができるため、リードフレームRを均一にメ
ッキ処理することができる。したがって、メッキ液にリ
ードフレームRを単に浸漬する場合に比べて、高速・高
性能のメッキ処理を行うことができる。そして、2枚の
リードフレームRに対して一括的にメッキ処理を行うこ
とができるため、高いメッキ処理能力が得られ、実用性
に優れている。
【0260】また、本実施例においては、リードフレー
ムRのメッキ不要部分をシール材422によってマスキ
ングするとともに、リードフレームRに吹き付けたメッ
キ液を再びメッキ用キャビティ421aを介して外部に
排出することにより、メッキ液がリードフレームRのメ
ッキ不要部分やその他の不都合な部分に付着することを
確実に防止することができる。したがって、メッキ液に
リードフレームRを単に浸漬する場合に比べて、メッキ
処理の信頼性を向上することができる。
【0261】さらに、本実施例においては、一対のメッ
キブロック420a,420bの間に垂直状態の2枚の
リードフレームRを近接位置で並べて挟むように構成し
ているため、メッキブロック420a,420bのメッ
キ面方向(Y方向)の寸法をできる限り小さくすること
ができる。また、メッキブロック420a,420bの
移動方向(X方向)の寸法を増大させる必要はない。し
たがって、メッキブロック420a,420bの寸法を
それほど増大することはなく、メッキ処理部Dをできる
限り小型・簡略化しながら、しかもメッキ処理能力を向
上することができるため、実用性に優れている。
【0262】加えて、本実施例においては、位置決め補
助機構440、第1位置決め機構450、および第2位
置決め機構470によって、2枚のリードフレームRを
メッキブロック420a,420bに対して容易かつ確
実に位置決めすることができるため、メッキ処理の信頼
性を向上することができる。この場合、位置決め補助機
構440は、押え用シャフト441を使用した小型・簡
略な構成であり、また、第1位置決め機構450につい
ても、支持用シャフト451とガイドブロック461,
462を使用した小型・簡略な構成であり、さらに、第
2位置決め機構470についても、位置決め孔471と
位置決めピン472を使用した小型・簡略な構成であ
る。すなわち、これらの位置決め機構440,450,
470は、いずれも小型・簡略な構成であり、メッキ処
理部Dの小型・簡略化に寄与するものである。
【0263】[2−7]後処理部Eの作用と効果…図
1、図2、図18〜図31 [2−7−1]後処理部Eの作用…図1、図2、図18
〜図31 [2−7−1−1]水洗槽510内の水洗処理…図1、
図2 図1および図2に示すように、2枚のリードフレームR
を保持した搬送機構Aのフレーム保持部130がメッキ
処理槽410との受け渡し位置から単位距離LX だけ移
動して水洗槽510に対する昇降動作位置に達すると、
その昇降ケース150が所定の下降位置まで下降して、
2枚のリードフレームRが水洗槽510内に挿入され
る。この状態で、水洗槽510のシャワー部によって2
枚のリードフレームRの両面のシャワー洗浄が行われ、
余分なメッキ液が除去される。
【0264】[2−7−1−2]移載機520の動作…
図1、図2、図18〜図23 図20に示すように、移載機520のフレーム保持機構
530および方向変換機構550は、初期状態において
は、上昇位置にあり、また、フレーム保持機構530の
第1、第2のフィンガ534〜537は、最大開放位置
にある。この状態で、図1および図2に示すように、2
枚のリードフレームRを保持した搬送機構Aのフレーム
保持部130が水洗槽510に対する昇降動作位置から
単位距離LX だけ移動して移載機520との受け渡し位
置に達すると、その昇降ケース150が所定の下降位置
まで下降する。この昇降ケース150の下降によって、
保持された2枚のリードフレームRの中央部分の高さ
が、移載機520のフレーム保持機構530の支持ベー
ス532と位置合わせされる。
【0265】この状態で、フレーム保持機構530の可
動板用シリンダ540が起動し、この可動板用シリンダ
540の駆動力によって、図23に示すように、ピニオ
ン541を介して第1と第2のラック542,543が
それぞれ互いに逆方向に移動する。それによって、図2
1および図22に示すように、第1と第2の可動板53
3,534が、互いに重なる方向に移動して、第1フレ
ーム用第1フィンガ535と第2フレーム用第1フィン
ガ536が図中右方向に移動するとともに、第1フレー
ム用第2フィンガ537と第2フレーム用第2フィンガ
538が図中左方向に移動する。
【0266】この結果、第1フレーム用の第1、第2フ
ィンガ535,537によって一方のリードフレームR
が保持されるとともに、第2フレーム用の第1、第2フ
ィンガ536,538によって他方のリードフレームR
が保持される。この時点で、可動板用シリンダ540が
停止するとともに、搬送機構Aのフレーム保持部130
のチャック機構160が開放され、2枚のリードフレー
ムRが移載機520に引き渡される。
【0267】この受け渡しの後、方向変換機構550の
シャフト用シリンダ555が起動し、このシャフト用シ
リンダ555の駆動力によって、図19および図20に
示すように、駆動側タイミングプーリ556、タイミン
グベルト558、および従動側タイミングプーリ557
を介してT字形シャフト552を回転させる。そして、
このT字形シャフト552の回転によって、図18に示
すように、フレーム保持機構530の支持部材531お
よびそれに支持された2枚のリードフレームRの軸方向
を垂直方向から水平方向に変換するとともに、その幅方
向をY方向からX方向に変換する。
【0268】すなわち、図19に示すように、T字形シ
ャフト552の直軸552aの回転により、その支軸5
52bが直軸552aを中心として垂直方向に回転する
とともに、この支軸552bに支持された可動側ベベル
ギア554が支軸552bを中心として固定側ベベルギ
ア552に対して回転する。その結果、可動側ベベルギ
ア554と一体的に固定されたフレーム保持機構530
の支持部材531およびそれに支持された2枚のリード
フレームRが、図18に示すように、直軸552aに対
して一括的に回転するとともに支軸552bに対しても
一括的に回転し、その方向が同時に変換されるのであ
る。なお、このように2枚のリードフレームRが水平状
態に方向変換された時点で、シャフト用シリンダ555
が停止する。
【0269】この後、支持機構560の図示していない
昇降用の駆動手段が起動して、この駆動手段の駆動力に
より、方向変換機構550とフレーム保持機構530が
基台561に対して下降する。すなわち、方向変換機構
550のスライド板559が昇降レール562に沿って
下降することにより、この方向変換機構550とこれに
支持されたフレーム保持機構530が一体的に下降す
る。そして、フレーム保持機構530は、超音波洗浄装
置610の支持・移送機構640の支持面にリードフレ
ームRが載置される高さまで下降した時点で停止する。
【0270】この状態で、フレーム保持機構530の可
動板用シリンダ540が起動し、この可動板用シリンダ
540の駆動力によって、図23に示すように、ピニオ
ン541を介して第1と第2のラック542,543が
閉塞動作時と逆方向に移動する。それによって、図21
および図22に示すように、第1と第2の可動板53
3,534が、互いに離れる方向に移動して、第1フレ
ーム用第1フィンガ535と第2フレーム用第1フィン
ガ536が図中左方向に移動するとともに、第1フレー
ム用第2フィンガ537と第2フレーム用第2フィンガ
538が図中右方向に移動する。
【0271】この結果、第1フレーム用の第1、第2フ
ィンガ535,537から一方のリードフレームRが解
放されて支持・移送機構640上に完全に引き渡される
とともに、第2フレーム用の第1、第2フィンガ53
6,538から他方のリードフレームRが解放され、こ
れらのリードフレームRは、支持・移送機構640上に
完全に移される。この時点で可動板用シリンダ540は
停止する。なお、この受け渡しの後、支持機構560に
よる方向変換機構550とフレーム保持機構530の上
昇、および方向変換機構550の逆方向への動作が順次
行われ、フレーム保持機構530が、図20に示す初期
位置に復帰し、一連の移載動作を完了する。
【0272】[2−7−1−3]超音波洗浄装置610
の動作…図24〜図31 [2−7−1−3−1]幅寸法調整機構660による調
整…図26 本実施例のメッキ装置において、ICのリードフレーム
Rのメッキ処理を行う場合には、幅寸法調整機構660
により、対象となるリードフレームRの長さに合わせ
て、支持・移送機構640の幅寸法を予め調整する。こ
の調整は、図26に示すように、固定側ベース661に
対して可動側ベース662をスライドシャフト663に
沿ってスライドさせることにより、容易に行うことがで
きる。すなわち、このように可動側ベース662をスラ
イドさせることにより、この可動側ベース662に支持
された支持・移送機構640の一方のフレーム支持部材
641およびガイドレール648が、固定側ベース66
1に支持された他方のフレーム支持部材641およびガ
イドレール648に対して移動する。
【0273】したがって、このような可動側ベース66
2のスライド操作により、支持・移送機構640の一対
のフレーム支持部材641間の寸法と一対のガイドレー
ル648間の寸法を、リードフレームRの長さに合わせ
て容易に変更することができる。なお、実際には、この
調整操作の後に、図示していない適当な固定手段によっ
て可動側ベース662を調整位置に保持し、支持・移送
機構640の動作安定性を確保する。
【0274】[2−7−1−3−2]支持・移送機構6
40の搬送動作…図24〜図29 図27および図28に示すように、支持・移送機構64
0の押圧部材642は、初期状態においては、復帰方向
2 側の第1下方位置にある。この場合、駆動側往復部
材643と従動側往復部材644は復帰方向X2 側の端
部にあり、第1、第2リンク645,646は復帰方向
2 側の端部にある。この状態で、移載機520の動作
により、図24に示す供給領域S1 に2枚のリードフレ
ームRの供給を受けると、この2枚のリードフレームR
は、図25に示すように、一対のフレーム支持部材64
1上にその軸方向がY方向となるようにして水平状態で
載置され、その両端部で各フレーム支持部材641によ
って支持される。
【0275】このように、2枚のリードフレームRが供
給された時点で、駆動機構650の移送用シリンダ65
2が起動し、この移送用シリンダ652の駆動力によっ
て、図24に示す第1ラック653が水平移動し、さら
に、図29に示すように、小径ギア654、大径ギア6
55を介して、第2ラック656が水平移動する。この
第2ラック656の水平移動によって、第2ラック65
6と一体的に固定された駆動力伝達部材657が、図2
7に示すように、搬送方向X1 に移動し、支持・移送機
構640の連結シャフト647を搬送方向X1 に移動さ
せる。
【0276】そして、この連結シャフト647の移動に
伴い、図28に示すように、駆動側往復部材643が搬
送方向X1 に水平移動し、第1リンク645および第2
リンク646が従動側往復部材644に対して搬送方向
1 に回動する。この場合、第2リンク646は、従動
側往復部材644に設けられた軸644cを中心として
その復帰方向X2 側の端部から搬送方向X1 側の端部に
向かって回動し、それによって押圧部材642が第1下
方位置から第1上方位置に上昇する。すなわち、この時
点で、押圧部材642の押圧爪642aは、リードフレ
ームRを押圧可能な高さまで上昇する。
【0277】また、第1リンク645が搬送方向X1
の端部に達すると、駆動側往復部材643と従動側往復
部材644が連結される。そのため、この後は、移送用
シリンダ652の駆動力によって、駆動側往復部材64
3と押圧部材642および従動側往復部材644が搬送
方向X1 に向かって一体的に水平移動する。すなわち、
この時点において、押圧部材642は、第1上方位置か
ら第2上方位置に水平移動して、その押圧爪642aに
よってリードフレームRを搬送方向X1 側に移動させ
る。
【0278】さらに、このように押圧部材642が搬送
方向X1 側の第2上方位置に達した後は、駆動機構65
0の移送用シリンダ652が反転して駆動側往復部材6
43の動作方向が逆転する。すなわち、駆動側往復部材
643が復帰方向X2 に水平移動し、第1リンク645
および第2リンク646が従動側往復部材644に対し
て復帰方向X2 に回動する。この場合、第2リンク64
6は、従動側往復部材644に設けられた軸644cを
中心としてその搬送方向X1 側の端部から復帰方向X2
側の端部に向かって回動し、それによって押圧部材64
2が第2上方位置から第2下方位置に下降する。すなわ
ち、この時点で、押圧部材642の押圧爪642aは、
リードフレームRと接触しない高さまで下降する。
【0279】また、第1リンク645が復帰方向X2
の端部に達すると、駆動側往復部材643と従動側往復
部材644が連結される。そのため、この後は、移送用
シリンダ652の駆動力によって、駆動側往復部材64
3と押圧部材642および従動側往復部材644が復帰
方向X2 に向かって一体的に水平移動する。この時点に
おいて、押圧部材642は、第2下方位置から第1下方
位置に水平移動するが、その押圧爪642aは、リード
フレームRと接触しないため、一旦搬送したリードフレ
ームRを逆方向に戻してしまうことはない。
【0280】なお、支持・移送機構640は、このよう
に押圧部材642が、第1下方位置から第1上方位置、
第2上方位置、および第2下方位置を経て再び第1下方
位置に復帰するまでの一連の動作を連続的に繰り返す。
そして、この一連の動作によって、押圧部材642がリ
ードフレームRを搬送する第1上方位置と第2上方位置
との間の距離を単位としてリードフレームRを搬送する
ことができる。したがって、この単位距離毎の連続的な
搬送動作により、リードフレームRを、フレーム支持部
材641上を、供給領域S1 から洗浄領域S2 、乾燥領
域S3 、および回収領域S4 に順次搬送することができ
る。
【0281】[2−7−1−3−3]洗浄・乾燥ユニッ
ト670の動作…図24、図25、図30、図31 図24および図30に示すように、洗浄・乾燥ユニット
670の支持フレーム671は、初期状態においては、
搬送方向X1 側の端部にあり、そのシャワー部680お
よび熱風ノズル690は、洗浄領域S2 および乾燥領域
3 の搬送方向X1 側の端部にある。この状態で、リー
ドフレームRが、支持・移送機構640によって搬送さ
れ、供給領域S1 から洗浄領域S2 の所定の洗浄位置に
達すると、洗浄・乾燥ユニット670のユニット用モー
タ677が起動する。そして、このユニット用モータ6
77の駆動力によってギア678とラック679を介し
て支持フレーム671が駆動される。すなわち、支持フ
レーム671のスライド部材673が支持板611のガ
イドレール674に沿って移動することにより、支持フ
レーム671が搬送方向X1 側の端部から復帰方向X2
側の端部に向かって移動する。この移動に伴い、この支
持フレーム671に支持されたシャワー部680が、復
帰方向X2 に移動するとともに、リードフレームRの上
面に超音波と洗浄液を吹き付けて、シャワー洗浄を行
う。
【0282】この場合、シャワー部680は、洗浄領域
2 の搬送方向X1 側の端部から復帰方向X2 側の端部
に向かって移動するため、リードフレームRの幅寸法に
関わらず、リードフレームRの幅方向の一端から他端ま
でに確実に超音波と洗浄液を吹き付けて、リードフレー
ムRの上面の全体を確実に洗浄することができる。ま
た、図25に示すように、この洗浄領域S2 において
は、支持・移送機構640の下方に反射プレート631
が設けられているため、リードフレームRの側方部分か
らその下方に供給された超音波と洗浄液は、この反射プ
レート631によって上方に反射し、リードフレームR
の下面を上面と同様にシャワー洗浄する。したがって、
リードフレームRの上面全体の洗浄と同期してその下面
全体を確実に洗浄することができる。
【0283】なお、このようなシャワー洗浄後、支持フ
レーム671が、復帰方向X2 側の端部に達した時点
で、シャワー部680が超音波と洗浄液の供給を停止す
るとともに、ユニット用モータ677が反転する。そし
て、リードフレームRが次の乾燥領域S3 に送られる間
に、ユニット用モータ677の駆動力によって、支持フ
レーム671が復帰方向X2 側の端部から搬送方向X1
に移動して、搬送方向X1 側端部の初期位置に復帰す
る。
【0284】また、図31に示すように、支持・移送機
構640の洗浄領域S2 と乾燥領域S3 との境界部分に
おいては、エアブローノズル672によって、その複数
のスノコ状パイプ632に対して、上下方向から清浄な
空気を常時吹き付けている。そのため、前述したような
動作により、洗浄領域S2 においてシャワー部680に
よって洗浄されたリードフレームRが、支持・移送機構
640によって搬送され、洗浄領域S2 と乾燥領域S3
との境界部分に達すると、このリードフレームRには、
エアブローノズル672によって上下方向から清浄な空
気が吹き付けられる。その結果、リードフレームRは、
続く熱風ノズル690による熱風乾燥の前に、予備的に
軽く水切りされる。さらに、この場合、エアブローノズ
ル672は、洗浄領域S2 と乾燥領域S3 との境界部分
に固定的に設けられているため、このエアブローノズル
672から常時吹き付けられる清浄な空気によって洗浄
領域S2 と乾燥領域S3 との境界部分にエアカーテンが
形成されることになる。そして、このエアカーテンによ
り、洗浄領域S2 の洗浄液が乾燥領域S3 に飛散するこ
とを防止することができる。
【0285】続いて、図24および図30に示す初期状
態において、リードフレームRが、支持・移送機構64
0によって搬送され、洗浄領域S2 から乾燥領域S3
所定の乾燥位置に達すると、洗浄・乾燥ユニット670
のユニット用モータ677が起動する。そして、このユ
ニット用モータ677の駆動力によって、支持フレーム
671が、シャワー洗浄時と同様に、搬送方向X1 側の
端部から復帰方向X2側の端部に向かって移動する。こ
の移動に伴い、この支持フレーム671に支持された熱
風ノズル690が、復帰方向X2 に移動するとともに、
リードフレームRの両面に熱風を吹き付けて、リードフ
レームRを乾燥させる。
【0286】この場合、熱風ノズル690は、乾燥領域
3 の搬送方向X1 側の端部から復帰方向X2 側の端部
に向かって移動するため、リードフレームRの幅寸法に
関わらず、リードフレームRの幅方向の一端から他端ま
でに確実に熱風を吹き付けて、リードフレームRの両面
の全体を確実に乾燥することができる。
【0287】なお、このような熱風乾燥後、支持フレー
ム671が、復帰方向X2 側の端部に達した時点で、熱
風ノズル690が熱風の供給を停止するとともに、ユニ
ット用モータ677が反転する。そして、リードフレー
ムRが次の回収領域S4 に送られる間に、ユニット用モ
ータ677の駆動力によって、支持フレーム671が復
帰方向X2 側の端部から搬送方向X1 に移動して、搬送
方向X1 側端部の初期位置に復帰する。
【0288】[2−7−2]後処理部Eの効果 以上のように、本実施例の後処理部Eにおいては、ま
ず、搬送機構Aの構成と後処理部Eの送り機構630の
構成に合わせて移載機520を合理的に構成しており、
移載機520が小型・簡略化されている。すなわち、本
実施例の移載機520によれば、リードフレームRの移
動距離は、その軸方向および幅方向を変換するのに必要
な必要最小限の距離であるため、リードフレームRを効
率よく支持・移送機構640に供給することができる。
また、このように、リードフレームRの移動距離が短い
上、方向変換機構550はT字形シャフト552、固定
側ベベルギア553、および可動側ベベルギア554を
使用した小型・簡略な機構であるため、移載機520の
構成をできる限り小型・簡略化することができる。
【0289】特に、本実施例においては、複数のフィン
ガ535〜538によって、2枚のリードフレームRを
並べた状態で保持し、その方向を一括して変換した後、
支持・移送機構640に供給することができる。この場
合、複数のフィンガ535〜538は、移載機520の
フレーム保持機構530の寸法をそれほど大きくするも
のではないため、方向変換用のシャフト用シリンダ55
5の駆動力を増大することなしに、2枚のリードフレー
ムRを移載することができる。したがって、本実施例に
よれば、移載機520を小型・簡略化しながらしかもそ
の移載能力を向上することができ、実用性に優れてい
る。
【0290】一方、本実施例においては、駆動側と従動
側の往復部材643,644、第1と第2のリンク64
5,646を使用して、押圧部材642を、第1下方位
置、第1上方位置、第2上方位置、第2下方位置、およ
び第1下方位置の順で移動させるという一連の動作によ
り、押圧部材642がリードフレームRを搬送する第1
上方位置と第2上方位置との間の距離を単位としてリー
ドフレームRを搬送することができる。また、押圧部材
642の復帰時には、リードフレームRと接触すること
がないため、誤動作を生じることもない。さらに、支持
・移送機構640は、押圧部材642を、駆動側と従動
側の往復部材643,644、および第1と第2のリン
ク645,646によって動作させるという小型・簡略
な機構である。したがって、支持・移送機構640の動
作信頼性を向上するとともに、その構成をできる限り小
型・簡略化することができ、実用性に優れている。そし
てまた、幅寸法調整機構660によって支持・移送機構
640の幅寸法を調整することにより、この調整可能な
範囲に対応する一定の範囲内の長さを有する各種のリー
ドフレームRを処理することができるため、この点でも
実用性に優れている。
【0291】加えて、本実施例においては、後処理部E
に熱風ノズル690を組み込んでいるため、独立した乾
燥手段が不要であり、その分だけ、メッキ装置全体を小
型・簡略化し、実用性を向上することができる。特に、
この熱風ノズル690をシャワー部680とともにユニ
ット化しているため、後処理部E自体の構成を小型・簡
略化することができる。そしてまた、シャワー部680
および熱風ノズル690を、洗浄領域S2 および乾燥領
域S3 の搬送方向X1 側の端部から復帰方向X2 側の端
部に向かってそれぞれ移動させることにより、リードフ
レームRの表面全体のシャワー洗浄と熱風乾燥を確実に
しかも高速で効率よく行うことができる。したがって、
シャワー部680および熱風ノズル690の処理能力を
向上して、リードフレームRに対する高速・高性能な後
処理を可能にし、実用性を向上することができる。
【0292】一方、洗浄領域S2 と乾燥領域S3 との境
界部分にエアブローノズル672を固定的に設けたこと
により、このエアブローノズル672によってリードフ
レームRを予備的に軽く水切りすることができる。ま
た、このエアブローノズル672によって形成されるエ
アカーテンにより、洗浄領域S2 の洗浄液が乾燥領域S
3 に飛散することを防止することができるため、乾燥領
域S3 において乾燥したリードフレームRに洗浄液が再
び付着することを防止できる。したがって、後処理部E
における熱風ノズル690による乾燥能力をさらに向上
して、リードフレームRの高速・高性能な後処理を可能
にし、実用性をさらに向上することができる。
【0293】[2−8]リードフレーム回収部Fの作用
と効果…図1、図30、図32〜図34 [2−8−1]リードフレーム回収部Fの作用…図1、
図30、図32〜図34 図1に示すように、本実施例のメッキ装置において、I
CのリードフレームRのメッキ処理を行う場合には、ま
ず、回収用カセット装着部740をそのハンドル742
によって外部の着脱位置に引き出す。そして、リードフ
レームRを回収するための空の回収用カセット100b
をこの回収用カセット装着部740に収納した後、回収
用カセット装着部740を収納位置に戻す。
【0294】また、図30に示すように、アンローダー
710は、初期状態においては、後処理部Eの回収領域
4 上にある。この初期状態において、アンローダー7
10のフレーム保持機構720は、図32に示すよう
に、第1、第2ハンド722,723が後処理部Eの支
持・移送機構640の回収領域S4 上のリードフレーム
Rに接触しない所定の上昇位置にあり、第1、第2ハン
ド722,723は、全開状態にある。そして、後処理
部Eの支持・移送機構640の回収領域S4 上にリード
フレームRが達した時点で、支持・スライド機構730
の昇降用シリンダ734が起動し、この昇降用シリンダ
734の駆動力によって、フレーム保持機構720が下
降する。すなわち、フレーム保持機構720は、ガイド
用筒状部材736とガイドロッド737によってガイド
される形で下降する。そして、この下降動作により、フ
レーム保持機構720は、図34に2点鎖線で示すよう
に、その第1、第2ハンド722,723が支持・移送
機構640上のリードフレームRを保持可能な所定の下
降位置まで下降し、この時点で、昇降用シリンダ734
が停止する。
【0295】このようにフレーム保持機構720が所定
の下降位置に達した時点で、開閉用シリンダ724が起
動すると同時に、ロック手段725が起動し、このロッ
ク手段725によって開閉用シリンダ724がロックさ
れ、開閉用シリンダ724は停止状態に保たれる。した
がって、この時点では、図33に示すように、開閉用シ
リンダ724の駆動力によって、出力ギア726を介し
て、第1ラック727と第2ラック728が各ガイド溝
721b,721cに沿って互いに逆方向に移動する。
これにより、第1、第2ハンド722,723が互いに
接近する方向に同期して水平移動し、10mm動作した
時点で第1ハンド722が停止する。この時点で、ロッ
ク手段725が停止して、開閉用シリンダ724が解放
される。したがって、この後は、開閉用シリンダ724
の駆動力によって、この開閉用シリンダ724自体がア
ンローダーケース721のシリンダガイド部721aに
沿ってスライド移動する形で、第2ハンド723のみが
それ以前の動作の2倍の速度で移動する。そして、第2
ハンド723がリードフレームRの幅方向の一端と接触
した後は、第2ハンド723は、リードフレームRを第
1ハンド722側に押圧する形で移動させる。最終的
に、リードフレームRの他端が第1ハンド722に接触
し、リードフレームRが停止した時点で、第1、第2ハ
ンド722,723によってリードフレームRが保持さ
れ、開閉用シリンダ724が停止する。
【0296】このようにして第1、第2ハンド722,
723がリードフレームRを保持した後は、図32に示
すように、昇降用シリンダ734の駆動力によってフレ
ーム保持機構720が所定の上昇位置まで上昇する。続
いて、図32および図33に示す支持・スライド機構7
30のスライド用シリンダ732が起動し、このスライ
ド用シリンダ732の駆動力によって支持ブラケット7
31が駆動される。すなわち、支持ブラケット731の
スライド部材733が支持板611のガイドレール67
4に沿って移動することにより、この支持ブラケット7
31とこれに支持されたフレーム保持機構720が、図
32に示すように、搬送方向X1 に向かって移動する。
この移動により、フレーム保持機構720が図30に示
す回収用カセット装着部740の上方に達した時点で、
スライド用シリンダ732が停止する。
【0297】続いて、昇降用シリンダ734の駆動力に
よって、フレーム保持機構720が所定の下降位置まで
下降し、開閉用シリンダ724が起動すると同時にこの
開閉用シリンダ724がロック手段725によってロッ
クされる。したがって、この時点では、図33に示すよ
うに、開閉用シリンダ724の駆動力によって、第1、
第2ハンド722,723が互いに離れる方向に同期し
て水平移動し、保持したリードフレームRを解放して、
回収用カセット装着部740の回収用カセット100b
内に収納する。なお、第1、第2ハンド722,723
が同期して10mm動作した時点で第1ハンド722が
停止すると同時に、開閉用シリンダ724がロック手段
725から解放される。したがって、この後は、開閉用
シリンダ724の駆動力によって、この開閉用シリンダ
724自体がアンローダーケース721のシリンダガイ
ド部721aに沿ってスライド移動する形で、第2ハン
ド723のみがそれ以前の動作の2倍の速度で移動し、
第1ハンド722と全開状態となる初期位置に復帰した
時点で停止する。
【0298】なお、このように第1、第2ハンド72
2,723が全開状態に復帰した後は、昇降用シリンダ
734の駆動力によって、フレーム保持機構720が所
定の上昇位置に復帰する。続いて、スライド用シリンダ
732の駆動力によって支持ブラケット731が復帰方
向X2 に移動して、図32に示すように、フレーム保持
機構720が支持・移送機構640の回収領域S4 上の
初期位置に復帰し、一連の回収動作を完了する。
【0299】また、以上のような回収動作の繰り返しに
より、回収用カセット100b内に所定の枚数のリード
フレームRが積層収納された時点で、回収用カセット装
着部740をそのハンドル742によって外部の着脱位
置に引き出し、回収用カセット100bを装置外部に回
収する。
【0300】[2−8−2]リードフレーム回収部Fの
効果 以上のように、本実施例のリードフレーム回収部Fにお
いては、後処理部Eの支持・移送機構640上の水平状
態のリードフレームRを、アンローダー710によって
そのまま保持し、方向を変換することなしに単順に水平
移動させて回収用カセット装着部740に回収すればよ
いため、アンローダー710の構成を極めて小型・簡略
化できる。また、後処理部Eの洗浄・乾燥ユニット67
0の移動に使用するガイドレール674をそのまま使用
して、アンローダー710の支持ブラケット731を移
動させているため、アンローダー710の構成をさらに
小型・簡略化することができる。加えて、本実施例にお
いては、回収用カセット装着部740に収納した回収用
カセット100b内に水平状態のリードフレームRを垂
直方向に積層収納する構成であるため、回収用カセット
装着部740の水平方向の面積を増大することなく、一
度に多数のリードフレームRを装置外に回収することが
できる。したがって、リードフレーム回収部F全体を小
型・簡略化することができる。
【0301】また、本実施例においては、動作ストロー
クを固定した第1ハンド722と動作ストロークが可変
の第2ハンド723とを組み合わせていることにより、
一定の範囲内の幅寸法を有する各種のリードフレームR
を確実に保持することができるとともに、第1ハンド7
22の位置を基準として、回収用カセット装着部740
との位置合わせを確実に行うことができる。したがっ
て、実用性と動作信頼性に優れている。さらに、回収用
カセット装着部740の上方で、第1、第2ハンド72
2,723を同期して移動するため、リードフレームR
は水平方向の偏力が加わることなく解放され、回収用カ
セット100b内に水平状態のまま良好に回収される。
【0302】さらに、第1ハンド722の停止後に、単
順に第2ハンド723のみを動作させた場合には、動作
速度が半減してしまうが、本実施例においては、第1ハ
ンド722の停止後に開閉用シリンダ724自体をスラ
イド移動させることによって第2ハンド723を2倍の
速度で移動させることができる。したがって、開閉用シ
リンダ724を大型化することなしに、その駆動力を有
効に活用して高速の開閉動作を行うことができる。ま
た、開閉用シリンダ724からの駆動力伝達構成は、出
力ギア726と、第1、第2のラック727,728を
使用した簡略な構成である。したがって、この点からも
アンローダー710の構成を小型・簡略化することがで
きるため、リードフレーム回収部F全体をさらに小型・
簡略化することができる。
【0303】[3]他の実施例 なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではな
く、他にも多種多様な変形例を実施可能であり、各構成
要素A〜Fの具体的な構成は適宜変更可能である。例え
ば、搬送機構Aのリング状回転部や保持部の具体的な構
成、より詳細に、保持部の取付部材、昇降部材、チャッ
ク手段や、その駆動力伝達手段の構成などは適宜変更可
能である。同様に、メッキ処理部Dのメッキブロックや
位置決め手段の具体的な構成、あるいは、後処理部Eの
移載機や送り機構、シャワー洗浄手段や熱風乾燥手段の
具体的な構成は適宜変更可能である。なお、本発明は、
ICのリードフレームRに限らず、各種の被メッキ物に
メッキを施すためのメッキ装置一般に同様に適用可能で
あり、同様に優れた作用と効果が得られるものである。
【0304】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
搬送機構によって被メッキ物をリング状の軌道で搬送
し、このリング状の軌道に沿って複数の処理部を配置
し、また、搬送機構および複数の処理部の構成を改良し
たことにより、装置全体の小型・簡略化が可能で、高速
・高性能のメッキ処理が可能な、信頼性・実用性の高い
メッキ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるメッキ装置の一実施例を示す分解
斜視図。
【図2】図1のメッキ装置の平面図。
【図3】図1のメッキ装置の後処理部E側の側面図。
【図4】図1のメッキ装置の搬送機構Aを示す模式図。
【図5】図1のメッキ装置の搬送機構Aの保持部130
をその搬送方向から見た側面図。
【図6】図5の保持部130の正面図。
【図7】図6の保持部130の駆動力伝達機構170を
示す断面図。
【図8】図6の保持部130のケース支持機構180を
示す断面図。
【図9】図6のケース支持機構180を示す側面図。
【図10】図1のメッキ装置のリードフレーム供給部B
のローダー220を示す側面図。
【図11】図10のローダー220のフレーム保持機構
230と方向変換機構240を示す正面図。
【図12】図11の平面図。
【図13】図1のメッキ装置のメッキ処理部Dを示す斜
視図。
【図14】図13のメッキ処理部Dを模式的に示す正面
断面図。
【図15】図13のメッキ処理部Dを模式的に示す内部
側面図。
【図16】図13のメッキ処理部Dのメッキブロック4
20bを模式的に示す正面断面図。
【図17】図16のI部拡大図。
【図18】図1の後処理部Eの移載機520のフレーム
保持機構530と方向変換機構550の原理を示す原理
図。
【図19】図1の後処理部Eの移載機520を示す正面
図。
【図20】図19の側面図。
【図21】図20のフレーム保持機構530を示す拡大
正面図。
【図22】図21の平面断面図。
【図23】図21の側面断面図。
【図24】図1のメッキ装置の後処理部Eの超音波洗浄
装置610を示す側面図。
【図25】図24の平面図。
【図26】図24の超音波洗浄装置610の送り機構6
30を示すU矢視断面図。
【図27】図24の超音波洗浄装置610の支持・移送
機構640を示す平面図。
【図28】図27の側面図。
【図29】図24の超音波洗浄装置610の送り機構6
30を示すV矢視図。
【図30】図1のメッキ装置の後処理部Eの超音波洗浄
装置610の洗浄・乾燥ユニット670とリードフレー
ム回収部Fを模式的に示す平面図。
【図31】図24の超音波洗浄装置610の洗浄領域S
3 と乾燥領域S4 との境界部分を示す断面図。
【図32】図1のメッキ装置のアンローダー710を示
す側面断面図。
【図33】図32の平面図。
【図34】図32の正面断面図。
【図35】従来のメッキ装置の一例を示す模式図。
【符号の説明】
R…リードフレーム A…搬送機構 B…リードフレーム供給部 C…前処理部 D…メッキ処理部 E…後処理部 F…リードフレーム回収部 100a…供給用カセット 100b…回収用カセット [搬送機構] 110…フレーム搬送部 111,112…搬送用シ
ャフト 113,114…スプロケット 115,
116…チェーン 117…搬送用モータ 118…変速機 120…保持部駆動シリンダ 1
21,124…駆動ロッド 122,125…ブラケ
ット 123…サブシリンダ 130…フレーム保
持部 140…取付板 141…固定部材 14
2…昇降レール 143…ストッパ 150…昇降
ケース 150a…底板 151…ブラケット
151a…L字形側板 151b…水平突起部 1
52…スライド板 160…チャック機構 16
1,162…チャック 163a,163b…チャッ
ク部材 164a,164b…支持アーム 165
a,165b…支軸 166a,166b…駆動アー
ム 170…駆動力伝達機構 171…駆動力伝達
ロッド 171a…係合ピン 172…係合板 173…フランジ 174…昇降用バネ 175…
開閉用ロッド 175a…大径部 175b…ロッ
ド挿入部 175c…長孔 175d…駆動ピン
176a,176b…閉塞用バネ 177a,177
b,178…バネプレート 180…ケース支持機構
181…固定側軸支部材 182…可動側軸支部
材 182a…係合シャフト 183…4点支持リ
ンク 184…支持ローラ [リードフレーム供給部] 210…供給用カセット装着部 211…弾性部材
212…ハンドル 220…ローダー 230…フレーム保持機構 2
31…支持部材 232,233…供給用ハンド 234,235…開
閉手段 240…方向変換機構 241…スライド
板 241a…スライド部 242…支持プレート
243…回転モータ 244…駆動側プーリ
245…従動側プーリ 246…ベルト 247…
連結シャフト 248…シャフト支持部 250…支持機構 251…基台 252…昇降レ
ール 253…昇降部材 254…水平支持板
255…水平レール 256…スライド板 257…ローダー用シリンダ [前処理部] 310…純水ディップ槽 320…活性化槽 33
0…第1水洗槽 340…第2水洗槽 [メッキ処理部] 410…メッキ処理槽 420a,420b…メッキ
ブロック 421…メッキ用キャビティ列 421
a…メッキ用キャビティ 422…シール材 42
3…メッキ液貯蔵室 424…供給管 425…圧
力室 426…噴出孔 427…排出路 428
…排出孔 429…排出管 430…駆動機構
431…ブロック用シリンダ 432…駆動ロッド
433…ブロックガイドシャフト 440…位置決
め補助機構 441…押え用シャフト 442…シ
ャフト用シリンダ 450…第1位置決め機構 4
51…フレーム支持用シャフト 451a…溝部
460…ガイドブロック機構 461,462…ガイ
ドブロック 463…V字形ガイド 464a,4
64b…ガイド板 465…ガイドプレート 46
6…昇降プレート 467…昇降用シリンダ 468…昇降ガイド 4
70…第2位置決め機構 471…位置決め孔 4
72…位置決めピン [後処理部] 510…水洗槽 520…移載機 530…フレー
ム保持機構 531…支持部材 532…支持ベー
ス 533…第1可動板 534…第2可動板
535…第1フレーム用第1フィンガ 536…第2
フレーム用第1フィンガ 537…第1フレーム用第
2フィンガ 538…第2フレーム用第2フィンガ
539…ハウジング 540…可動板用シリンダ
541…ピニオン 542…第1ラック 543
…第2ラック 550…方向変換機構 551…ブ
ラケット 552…T字形シャフト 552a…直
軸 552b…支軸 553…固定側ベベルギア
554…可動側ベベルギア 555…シャフト用シ
リンダ 556…駆動側タイミングプーリ 557…従動側タイミングプーリ 558…タイミン
グベルト 559…スライド板 560…支持機構
561…基台 562…昇降レール 610…
超音波洗浄装置 620…回収用水槽 621…仕
切り板 630…送り機構 631…反射プレート
632…スノコ状パイプ 633…保護板 6
40…支持・移送機構 641…フレーム支持部材
642…押圧部材 642a…押圧爪 643…
駆動側往復部材 644…従動側往復部材 645
…第1リンク 646…第2リンク 647…連結
シャフト 648…ガイドレール 650…駆動機
構 651…基台 652…移送用シリンダ 6
53…第1ラック 654…小径ギア 655…大
径ギア 656…第2ラック 657…駆動力伝達
部材 658…スライド板 659…スライド部材
660…幅寸法調整機構 661…固定側ベース
662…可動側ベース 663…スライドシャフ
ト 664…固定側取付部材 665…可動側取付
部材 670…洗浄・乾燥ユニット 671…支持フレーム 672…エアブローノズル
673…スライド部材 674…ガイドレール
675…ガイドローラ 676…ガイドレール 6
77…ユニット用モータ 678…ギア 679…
ラック 680…シャワー部 690…熱風ノズル [リードフレーム回収部] 710…アンローダー 720…フレーム保持機構
721…アンローダーケース 721a…シリンダ
ガイド部 722…第1ハンド 723…第2ハン
ド 724…開閉用シリンダ 724a…スライド
部 725…ロック手段 726…出力ギア 7
27…第1ラック 728…第2ラック 729a
〜729c…ストッパ 730…支持・スライド機構
731…支持ブラケット 732…スライド用シ
リンダ 733…スライド部材 734…昇降用シ
リンダ 735…支持部材 736…ガイド用筒状
部材 737…ガイドロッド 740…回収用カセ
ット装着部 741…弾性部材 742…ハンドル [本体ケース] 810…開閉部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C25D 17/08 Q A 21/00 B 21/08 H01L 23/50 D

Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被メッキ物に対してメッキのための前処
    理を行う前処理部、前処理部で前処理を施された被メッ
    キ物に対してメッキ処理を行うメッキ処理部、およびメ
    ッキ処理部でメッキ処理を施された被メッキ物に対して
    後処理を行う後処理部を含む複数の処理部と、この複数
    の処理部の間で被メッキ物を搬送する搬送機構とを備え
    たメッキ装置において、 前記搬送機構は、被メッキ物をリング状の軌道で搬送す
    るように構成され、 前記複数の処理部は、前記搬送機構のリング状の軌道に
    沿って配置されたことを特徴とするメッキ装置。
  2. 【請求項2】 前記搬送機構は、リング状の軌道に合わ
    せたリング状に形成され、軌道に沿って回転するリング
    状回転部と、 前記リング状回転部を駆動する搬送用駆動手段と、 前記リング状回転部の複数箇所に取り付けられ、被メッ
    キ物を着脱可能に保持する保持部と、 前記保持部を駆動する保持部駆動手段とを有することを
    特徴とする請求項1記載のメッキ装置。
  3. 【請求項3】 前記保持部駆動手段は、前記搬送機構の
    リング状の軌道における複数箇所に固定的に配置され、
    各配置箇所に達した保持部と係合してこの保持部を駆動
    するように構成されたことを特徴とする請求項2記載の
    メッキ装置。
  4. 【請求項4】 前記搬送機構は、上下にスプロケットを
    備えた2本の搬送用シャフトを有し、 前記リング状回転部は、前記2本の搬送用シャフトの上
    部スプロケット間および下部スプロケット間にそれぞれ
    掛けられた上下のチェーンであることを特徴とする請求
    項2記載のメッキ装置。
  5. 【請求項5】 前記保持部は、 前記リング状回転部に固定された取付部材と、 前記取付部材に対して昇降可能に取り付けられた昇降部
    材と、 前記昇降部材に設けられて被メッキ物を着脱可能に保持
    するチャック手段とを有することを特徴とする請求項2
    記載のメッキ装置。
  6. 【請求項6】 前記保持部は、前記保持部駆動手段の駆
    動力を前記昇降部材とチャック手段に対して選択的に伝
    達する駆動力伝達手段を有し、 前記駆動力伝達手段は、前記保持部駆動手段の駆動力に
    よって前記昇降部材を所定の下降位置まで下降させた状
    態で前記チャック手段を開閉させるように構成されたこ
    とを特徴とする請求項5記載のメッキ装置。
  7. 【請求項7】 前記取付部材には、前記昇降部材を前記
    所定の下降位置に位置規制する位置規制手段が設けら
    れ、 前記駆動力伝達手段は、 前記保持部駆動手段の駆動力によって駆動され、前記昇
    降部材を上昇位置に保持する第1動作位置と、前記昇降
    部材を前記所定の下降位置に保持する第2動作位置、お
    よび前記チャック手段を開放する第3動作位置の間を移
    動する駆動力伝達部材と、 前記駆動力伝達部材と前記昇降部材との間に設けられ、
    前記駆動力伝達部材が前記第1動作位置と前記第2動作
    位置との間を移動する場合に昇降部材を昇降させる昇降
    用弾性部材と、 前記チャック手段を開放させる開放位置とチャック手段
    を閉塞させる閉塞位置との間を移動可能に設けられ、前
    記駆動力伝達部材が前記第2動作位置から前記第3動作
    位置に移動する場合には、この駆動力伝達部材に係合し
    て前記開放位置へ移動して前記チャック手段を開放さ
    せ、駆動力伝達部材が前記第3動作位置から前記第2動
    作位置に移動する場合には、この駆動力伝達部材から解
    放されて前記閉塞位置へ移動可能となる開閉用部材と、 前記開閉用部材と前記昇降部材との間に設けられ、前記
    開閉用部材の前記閉塞位置から前記開放位置への移動時
    に蓄勢され、開閉用部材が前記駆動力伝達部材から解放
    された時点でその蓄勢力により開閉用部材を閉塞位置へ
    駆動する閉塞用弾性部材とを有することを特徴とする請
    求項6記載のメッキ装置。
  8. 【請求項8】 前記保持部は、前記昇降部材を所定の上
    昇位置に支持する支持機構を有し、 前記支持機構は、前記取付部材と昇降部材との間に配置
    され、昇降部材を取付部材と連結する形で前記所定の上
    昇位置に支持する支持位置と、昇降部材を取付部材から
    解放してその昇降動作を可能にする解放位置との間を移
    動する支持部材を有することを特徴とする請求項5記載
    のメッキ装置。
  9. 【請求項9】 前記支持機構は、前記取付部材に固定さ
    れた固定側軸支部材とこの固定側軸支部材の上方に配置
    された可動側軸支部材、固定側軸支部材に対して可動側
    軸支部材を水平移動可能に連結する4点支持リンクを有
    し、前記可動側軸支部材に、前記支持部材としてローラ
    が設けられたことを特徴とする請求項8記載のメッキ装
    置。
  10. 【請求項10】 前記保持部駆動手段は、前記昇降部材
    と前記チャック手段を駆動する第1の駆動手段と、前記
    支持機構の支持部材を駆動する第2の駆動手段を有し、 前記第1と第2の駆動手段は、前記搬送機構のリング状
    の軌道における複数箇所に1組ずつ固定的に配置され、
    各配置箇所に達した保持部とそれぞれ係合して、第1の
    駆動手段によって前記昇降部材と前記チャック手段を駆
    動するとともに、第2の駆動手段によって前記支持部材
    を駆動するように構成されたことを特徴とする請求項8
    記載のメッキ装置。
  11. 【請求項11】 前記チャック手段は、被メッキ物をそ
    のメッキ面が搬送方向と直交する垂直状態で保持するよ
    うに構成されたことを特徴とする請求項5記載のメッキ
    装置。
  12. 【請求項12】 前記チャック手段は、前記昇降部材に
    おける搬送方向と直交する方向に複数並べて設けられた
    ことを特徴とする請求項11記載のメッキ装置。
  13. 【請求項13】 前記複数の処理部は、前記搬送機構に
    被メッキ物を供給する供給部と前記後処理部から被メッ
    キ物を回収する回収部を有し、 前記供給部、前処理部、メッキ処理部、後処理部、およ
    び回収部は、前記搬送機構のリング状の軌道に沿ってこ
    の順でリング状に配置されたことを特徴とする請求項1
    記載のメッキ装置。
  14. 【請求項14】 前記搬送機構は、被メッキ物を垂直状
    態で着脱可能に保持する保持部を有し、 前記供給部は、 前記搬送機構の保持部の下方に配置され、被メッキ物を
    水平状態で収納する供給用収納部と、 前記供給用収納部と前記搬送機構の保持部との間に配置
    され、供給用収納部側の受け取り位置と保持部側の渡し
    位置との間で垂直方向に回転可能に設けられ、被メッキ
    物を着脱可能に保持する供給用保持手段と、 前記供給用保持手段を回転させてそれに保持された被メ
    ッキ物の方向を水平方向から垂直方向に変換する方向変
    換手段とを有することを特徴とする請求項13記載のメ
    ッキ装置。
  15. 【請求項15】 前記搬送機構の保持部は、複数の被メ
    ッキ物を搬送方向と直交する方向に並べた状態で保持す
    るように構成され、 前記供給用収納部は、複数の被メッキ物を垂直方向に積
    層収納するように構成され、 前記供給用保持手段は、前記供給用収納部に対して水平
    方向に移動可能に設けられるとともに、この水平移動方
    向に沿って配置されて被メッキ物を着脱可能に保持する
    複数のハンド手段を有することを特徴とする請求項14
    記載のメッキ装置。
  16. 【請求項16】 前記後処理部は、被メッキ物を水平状
    態で搬送する送り機構を有し、 前記回収部は、 前記後処理部の送り機構の搬送方向における前方に配置
    され、被メッキ物を水平状態で収納する回収用収納部
    と、 前記後処理部の送り機構と前記回収用収納部との間に配
    置され、後処理部の送り機構側の受け取り位置と回収用
    収納部側の渡し位置との間で水平方向に移動可能に設け
    られるとともに、送り機構上の被メッキ物を保持可能な
    下降位置と送り機構上の被メッキ物に接触しない上昇位
    置との間を昇降可能に設けられ、被メッキ物を着脱可能
    に保持する回収用保持手段とを有することを特徴とする
    請求項13記載のメッキ装置。
  17. 【請求項17】 前記回収用収納部は、複数の被メッキ
    物を垂直方向に積層収納するように構成されたことを特
    徴とする請求項16記載のメッキ装置。
  18. 【請求項18】 前記回収用保持手段は、支持部材と、
    この支持部材に取り付けられ、搬送方向に向かって対向
    配置されて互いに接離方向に水平移動可能に構成され、
    その間に被メッキ物を挟む第1と第2のハンドを有し、 前記第1ハンドは、前記第2ハンドから最も離れる初期
    位置とこの初期位置から所定の第1距離だけ第2ハンド
    に接近する固定側保持位置との間を水平移動するように
    構成され、 前記第2ハンドは、前記第1ハンドから最も離れる初期
    位置と、この初期位置から前記所定の第1距離だけ第1
    ハンドに接近する保持領域起点位置と、さらにこの保持
    領域起点位置から前記所定の第1距離よりも長い所定の
    第2距離だけ第1ハンドに接近する保持領域終点位置と
    の間を水平移動するように構成され、 前記第1と第2のハンドは、閉塞動作の開始時には、前
    記初期位置から前記固定側保持位置または保持領域起点
    位置に向かって同期して水平移動し、第1ハンドが固定
    側保持位置に停止した後は第2ハンドのみが保持領域終
    点位置に向かって移動して被メッキ物と接触した時点で
    この位置を可変側保持位置として停止し、開放動作の開
    始時には、前記固定側保持位置または可変側保持位置か
    ら前記初期位置に向かって同期して水平移動し、第1ハ
    ンドが初期位置に復帰した後は第2ハンドのみが初期位
    置に向かって水平移動して最終的に初期位置に復帰する
    ように構成されたことを特徴とする請求項16記載のメ
    ッキ装置。
  19. 【請求項19】 前記回収用保持手段は、 前記支持部材にスライド可能に取り付けられ、前記第1
    と第2のハンドを駆動するハンド用駆動手段と、 前記ハンド用駆動手段のスライド移動を阻止するロック
    動作とハンド用駆動手段を解放する解除動作を行うロッ
    ク手段と、 前記ハンド用駆動手段に固定的に連結され、ハンド用駆
    動手段と一体的にスライド可能に設けられるとともに、
    ハンド用駆動手段の駆動力を回転力として出力する出力
    ギアと、 前記出力ギアの両側に互いに対向して配置され、出力ギ
    アの回転によって互いに逆方向に移動して、前記第1と
    第2のハンドを互いに逆方向に移動させる第1と第2の
    ラックを有し、 前記第1と第2のラックは、その動作ストロークの比が
    前記第1と第2のハンドの動作ストロークの比と一致す
    るように構成され、 前記ロック手段は、前記第1と第2のラックによる第1
    と第2のハンドの開閉動作の開始時に前記ハンド用駆動
    手段をロックしてそのスライド移動を阻止し、第1ラッ
    クが停止した時点でハンド用駆動手段を解放してそのス
    ライド移動を可能にするように構成されたことを特徴と
    する請求項18記載のメッキ装置。
  20. 【請求項20】 被メッキ物に対してメッキのための前
    処理を行う前処理部、前処理部で前処理を施された被メ
    ッキ物に対してメッキ処理を行うメッキ処理部、および
    メッキ処理部でメッキ処理を施された被メッキ物に対し
    て後処理を行う後処理部を含む複数の処理部と、この複
    数の処理部の間で被メッキ物を搬送する搬送機構とを備
    えたメッキ装置において、 前記メッキ処理部は、 被メッキ物を挿入してメッキ処理を行うメッキ処理槽
    と、 前記メッキ処理槽内に対向配置されて互いに接離方向に
    移動可能に構成され、その間に被メッキ物を挟み、この
    状態で被メッキ物にメッキ液を吹き付けてメッキ処理を
    行う一対のメッキブロックと、 前記メッキブロックを駆動する駆動手段とを有すること
    を特徴とするメッキ装置。
  21. 【請求項21】 前記メッキブロックは、 被メッキ物を挟んだ状態でこの被メッキ物のメッキ必要
    部分と対向する部分に設けられたメッキ用キャビティ
    と、 前記メッキ用キャビティにメッキ液を供給する供給手段
    とを有することを特徴とする請求項20記載のメッキ装
    置。
  22. 【請求項22】 前記メッキブロックは、 被メッキ物を挟んだ状態でこの被メッキ物のメッキ不要
    部分と密着するように設けられたマスキング手段と、 被メッキ物に吹き付けたメッキ液を前記メッキ用キャビ
    ティを介して外部に排出する排出手段とを有することを
    特徴とする請求項21記載のメッキ装置。
  23. 【請求項23】 前記メッキブロックは、長尺な被メッ
    キ物を対象とし、この被メッキ物に対して複数の前記メ
    ッキ用キャビティを並べてなるメッキ用キャビティ列を
    有することを特徴とする請求項21記載のメッキ装置。
  24. 【請求項24】 前記メッキブロックは、複数の被メッ
    キ物を対象とし、この複数の被メッキ物を並列に並べた
    状態で挟むように構成され、各被メッキ物に対して複数
    の前記メッキ用キャビティまたは前記メッキ用キャビテ
    ィ列を有することを特徴とする請求項21または23記
    載のメッキ装置。
  25. 【請求項25】 前記メッキ処理部は、被メッキ物を前
    記一対のメッキブロック間の所定の位置に位置決めする
    位置決め手段を有することを特徴とする請求項20記載
    のメッキ装置。
  26. 【請求項26】 前記位置決め手段は、前記一対のメッ
    キブロック間の下方に配置されて被メッキ物をその上に
    支持する形でこの被メッキ物の水平方向の位置決めを行
    うガイドブロックを有することを特徴とする請求項25
    記載のメッキ装置。
  27. 【請求項27】 前記ガイドブロックは、 被メッキ物のメッキ面方向の中央部を保持してそのメッ
    キ面と直交する方向における被メッキ物の位置決めを行
    うV字形ガイドと、 前記V字形ガイドの両側に配置されて被メッキ物のメッ
    キ面方向の両端部を保持してそのメッキ面方向における
    被メッキ物の位置決めを行う一対のガイド板とを有する
    ことを特徴とする請求項26記載のメッキ装置。
  28. 【請求項28】 前記位置決め手段は、前記ガイドブロ
    ックの上方に水平方向に配置されて被メッキ物の下端部
    の両側を支持してその上下方向の位置決めを行う一対の
    支持用シャフトを有し、 前記ガイドブロックは、前記V字形ガイドと両側のガイ
    ド板との間に前記一対の支持用シャフトを挿入する挿入
    用空間をそれぞれ有するとともに昇降可能に構成され、
    上昇位置においては、前記挿入用空間内に前記一対の支
    持用シャフトが挿入される形でこの支持用シャフト上に
    支持された被メッキ物の水平方向の位置決めを行うよう
    に構成されたことを特徴とする請求項27記載のメッキ
    装置。
  29. 【請求項29】 前記位置決め手段は、 前記一対のメッキブロックをそれぞれ貫通する形で対向
    配置されて互いに接離方向に移動可能に構成され、一対
    のメッキブロック間に挿入された被メッキ物をその両面
    から支持する複数対の押え用シャフトと、 前記押え用シャフトを駆動する駆動手段とを有すること
    を特徴とする請求項25記載のメッキ装置。
  30. 【請求項30】 前記位置決め手段は、 前記一対のメッキブロックの一方における被メッキ物の
    配置部分の両側に配置された第1係合部と、 前記一対のメッキブロックの他方における前記第1係合
    部と対向する箇所に配置されて第1係合部と係合する第
    2係合部とを有することを特徴とする請求項25記載の
    メッキ装置。
  31. 【請求項31】 被メッキ物に対してメッキのための前
    処理を行う前処理部、前処理部で前処理を施された被メ
    ッキ物に対してメッキ処理を行うメッキ処理部、および
    メッキ処理部でメッキ処理を施された被メッキ物に対し
    て後処理を行う後処理部を含む複数の処理部と、この複
    数の処理部の間で被メッキ物を搬送する搬送機構とを備
    えたメッキ装置において、 前記搬送機構は、被メッキ物をそのメッキ面方向が搬送
    方向と直交する方向となる垂直状態で保持して搬送する
    保持部を有し、 前記後処理部は、 被メッキ物をそのメッキ面方向が搬送方向と平行な方向
    となる水平状態で搬送する送り機構と、 前記送り機構上の被メッキ物の後処理を行う後処理手段
    と、 前記搬送機構の保持部から被メッキ物を受け取り、その
    方向を変換して前記送り機構に供給する移載機とを有
    し、 前記移載機は、被メッキ物の保持手段とこの保持手段の
    方向を変換する方向変換手段とを有し、 前記保持手段は、支持部材と、この支持部材に設けられ
    て被メッキ物を着脱可能に保持するフィンガ手段とを有
    し、 前記方向変換手段は、固定部材と、この固定部材に回動
    可能に支持された直軸と支軸からなるT字形シャフト
    と、このT字形シャフトの直軸を貫通させる形で配置さ
    れて前記固定部材に一体的に固定された固定側ベベルギ
    アと、前記T字形シャフトの支軸に回転可能に支持され
    て前記固定側ベベルギアと噛み合わされ、かつ、前記保
    持手段の前記支持部材に一体的に固定された可動側ベベ
    ルギアとを有することを特徴とするメッキ装置。
  32. 【請求項32】 前記搬送機構の前記保持部は、複数の
    被メッキ物を搬送方向と直交する方向に並べた状態で保
    持するように構成され、 前記移載機のフィンガ手段は、前記支持部材上に複数並
    べて設けられ、 前記移載機は、前記搬送機構の保持部からその前記複数
    のフィンガ手段によって複数の被メッキ物を受け取り、
    その方向を同時に変換して搬送方向と平行な方向に並べ
    た状態で前記送り機構に供給するように構成されたこと
    を特徴とする請求項31記載のメッキ装置。
  33. 【請求項33】 被メッキ物に対してメッキのための前
    処理を行う前処理部、前処理部で前処理を施された被メ
    ッキ物に対してメッキ処理を行うメッキ処理部、および
    メッキ処理部でメッキ処理を施された被メッキ物に対し
    て後処理を行う後処理部を含む複数の処理部と、この複
    数の処理部の間で被メッキ物を搬送する搬送機構とを備
    えたメッキ装置において、 前記後処理部は、 被メッキ物をそのメッキ面方向が搬送方向と平行な方向
    となる水平状態で搬送する送り機構を有し、 前記送り機構は、 被メッキ物の搬送方向に伸びるように配置されて被メッ
    キ物の両端部を支持する一対の支持部材と、 前記一対の支持部材の間にこの一対の支持部材と平行に
    伸びるように配置され、かつ、この一対の支持部材に対
    して搬送方向における第1位置と第2位置との間を水平
    移動可能でかつ上方位置と下方位置の間を昇降可能に設
    けられ、第1下方位置、第1上方位置、第2上方位置、
    第2下方位置、および前記第1下方位置の順に移動する
    押圧部材と、 前記押圧部材の複数箇所に上方に突出する形で設けら
    れ、押圧部材の第1上方位置から第2上方位置への水平
    移動によって前記一対の支持部材上に支持された被メッ
    キ物を押圧し、押圧部材の第2下方位置から第1下方位
    置への水平移動時には前記一対の支持部材上に支持され
    た被メッキ物と接触しないように構成された押圧爪とを
    有することを特徴とするメッキ装置。
  34. 【請求項34】 前記送り機構は、 前記押圧部材を駆動する駆動手段と、 前記押圧部材と平行に伸びるように配置され、前記駆動
    手段の駆動力によって水平方向に往復動する駆動側往復
    部材と、 前記駆動側往復部材と平行に伸びるように配置され、か
    つ、駆動側往復部材と切り離し可能に連結され、駆動側
    往復部材との連結時には駆動側往復部材と一体的に移動
    する従動側往復部材と、 前記従動側往復部材に設けられた軸を中心として回動可
    能に設けられ、その回動自由端にて前記駆動側往復部材
    に取り付けられ、駆動側往復部材の動作開始時にはこの
    駆動側往復部材の移動に伴って回動することにより駆動
    側往復部材を従動側往復部材から切り離して移動させ、
    回動範囲の端部に達した時点で駆動側往復部材と従動側
    往復部材を連結する第1リンクと、 前記従動側往復部材に設けられた軸を中心として回動可
    能に設けられ、その回動自由端の一部で前記駆動側往復
    部材に取り付けられるとともに、その回動自由端の別の
    部分で前記押圧部材に取り付けられ、駆動側往復部材の
    動作開始時にはこの駆動側往復部材の移動に伴って回動
    することにより押圧部材を上昇または下降させ、回動範
    囲の端部に達した時点で駆動側往復部材と押圧部材およ
    び従動側往復部材を一体的に連結することにより押圧部
    材を水平移動させる第2リンクとを有することを特徴と
    する請求項33記載のメッキ装置。
  35. 【請求項35】 被メッキ物に対してメッキのための前
    処理を行う前処理部、前処理部で前処理を施された被メ
    ッキ物に対してメッキ処理を行うメッキ処理部、および
    メッキ処理部でメッキ処理を施された被メッキ物に対し
    て後処理を行う後処理部を含む複数の処理部と、この複
    数の処理部の間で被メッキ物を搬送する搬送機構とを備
    えたメッキ装置において、 前記後処理部は、 被メッキ物をそのメッキ面方向が搬送方向と平行な方向
    となる水平状態で搬送する送り機構を有し、 前記送り機構は、 被メッキ物の搬送方向に伸びるように配置されて被メッ
    キ物の両端部を支持する一対の支持部材と、 床面に対して固定され、前記一対の支持部材の一方を支
    持する固定側ベースと、 前記固定側ベースに対して可動に設けられ、前記一対の
    支持部材の他方を支持する可動側ベースと、 前記固定側ベースに対して前記可動側ベースを、前記一
    対の支持部材の配置方向と直交方向にスライド可能に接
    続するスライド手段とを有することを特徴とするメッキ
    装置。
  36. 【請求項36】 被メッキ物に対してメッキのための前
    処理を行う前処理部、前処理部で前処理を施された被メ
    ッキ物に対してメッキ処理を行うメッキ処理部、および
    メッキ処理部でメッキ処理を施された被メッキ物に対し
    て後処理を行う後処理部を含む複数の処理部と、この複
    数の処理部の間で被メッキ物を搬送する搬送機構とを備
    えたメッキ装置において、 前記後処理部は、 被メッキ物をそのメッキ面方向が搬送方向と平行な方向
    となる水平状態で搬送する送り機構と、 前記送り機構上の被メッキ物に対して超音波と洗浄液を
    吹き付けるシャワー洗浄手段と、 前記送り機構上の被メッキ物に対して熱風を吹き付けて
    この被メッキ物を乾燥させる熱風乾燥手段とを有するこ
    とを特徴とするメッキ装置。
  37. 【請求項37】 前記後処理部は、前記送り機構に対し
    てその搬送方向に往復動可能な支持部材を有し、この支
    持部材に対して前記シャワー洗浄手段と前記熱風乾燥手
    段が一体的に支持され、この支持部材の移動によってシ
    ャワー洗浄手段と熱風乾燥手段が送り機構上の被メッキ
    物に対して移動可能であるように構成されたことを特徴
    とする請求項36記載のメッキ装置。
  38. 【請求項38】 前記後処理部は、前記シャワー洗浄手
    段による被メッキ物の洗浄領域と前記熱風乾燥手段によ
    る被メッキ物の乾燥領域を有し、さらに、この洗浄領域
    と乾燥領域の間のほぼ境界全体に亘って配置され、清浄
    な空気を上下方向に吹き付けるエアブロー手段を有する
    ことを特徴とする請求項36記載のメッキ装置。
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