JPS6362599B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は鍍金等の表面処理設備に於て、処理工
程が並列する場合、この並列する工程間の移動を
円滑に行なわしめるようになした表面処理に於け
る被処理物の移送装置に関するものである。

〔従来の技術とその問題点〕

各種物品を鍍金、その他の表面処理をする場
合、これらの被処理物をバレル内に所要量投入
し、脱脂・水洗・酸洗の前処理工程と鍍金工程と
中和・水洗等の後処理工程を順次移送して所望の
処理を行なつている。しかし処理工場の建屋の制
限から、あるいは処理工程や種別によつて各工程
を一連に配設することは困難なときがある。かか
る場合、各工程を２又は３列以上に並行して配設
し、この工程間をトラバーサにて移行させるよう
にしている。しかしこのトラバーサによる移行
時、被処理物を投入したバレルを一旦液中より引
き揚げて行なうのが一般的で、処理に於ては被処
理物を液中に浸した状態であるいは液に浸す必要
はないが液とともに移送することが望まれる場合
がある。

〔問題点の解決手段〕

本発明はこれに鑑みて表面処理設備に於て、並
列される各処理工程間にトラバーサを介して被処
理物を移送するようになすと共に被処理物を液中
に浸した状態で工程間を移送することが望まれる
位置にあるいは液中に浸されなくとも液とともに
移送することが望まれる工程間の位置に、この各
工程間を移動するようして処理液槽を配設すると
共にこの処理液槽の下部に工程間を移動する車輪
及び駆動装置を備え、かつ該槽にバレルを載架せ
しめる手段を備えてなることを特徴とし、これに
より被処理物の移動を並設される工程間に於ても
円滑に、しかも簡単な構造で行なえるようにす
る。

〔実施例〕

以下本発明を図面に示した実施例にもとづいて
説明する。

第１図は本発明の概略を説明する平面図、第２
図は要部の正面図、第３図はその側面図である。

第１図の実施例では前処理工程Ａと第１の鍍金
工程B₁とを一列に配置し、この前処理鍍金ライ
ンと第２の鍍金工程B₁、後処理工程Ｃとを一
列に配置した鍍金後処理ラインと脱水乾燥工程
Ｄの脱水乾燥ラインとを並列配置し、このライ
ンとの端部間にはトラバーサ、E₁，E₂を配
設し、かつラインととの間には本発明の移動
式処理液槽装置が配設されるものである。そして
この処理ラインに於てラインの始端側投入位置
Iaでバレル内に被処理物を所要量投入し、このバ
レルを移送手段（図示省略したがキヤリヤ等）に
てラインの前処理工程Ａ、第１の鍍金工程B₁
（例えば銅鍍金）を経るようにする。そしてライ
ンの終端に達した時トラバーサE₁にてライン
へ移送され、このラインにて第２の鍍金工程
B₂（例えばニツケル鍍金）、後処理工程Ｃを経て、
移動式処理液槽装置Ｆへ移して次の脱水乾燥ライ
ンへ移動せしめる。そして処理完了後空になつ
たバレルはトラバーサE₂を介してラインへ返
送されるものである。

この移動式処理液槽装置Ｆは処理液槽を備えた
トラバーサでその構成は第２図、第３図に示すも
のである。次に第２図、第３図について説明す
る。

図に於て１は架台で、処理液槽２が一体に設け
られこの槽２の上部は開口されて、内部に所要量
の水、洗浄液、その他処理液が充填される。そし
てこの架台１の上部にはラインを終了したバレ
ルＢを載架するが、この時バレルは槽内の液面位
置あるいはそれより少し上方位置にバレルシリン
ダがあつて液中に没しないようにすると共にこの
バレルは必要によつて回転させるよう架台にはバ
レル回転装置３が設けられる。また架台上部には
レール４が配設され、このレールにそつて移動可
能なようにしてしかもバレル開口面が下向となつ
たとき、このバレル内に向つて噴射するノズルＮ
を設けたホツパー５が設けられる。このホツパー
５は架台上に載架されたバレルのシリンダが少な
くとも挿入されるようにして槽２内に配設される
と共に前記レールに駆動装置６にて移動可能なよ
うに吊垂されている。また槽２の内底部にはバス
ケツト７を支持するバスケツト受台１１が配設さ
れるが、このバスケツト受台は固定式あるいは昇
降式いずれでもよく、この受台１１上に載置され
たバスケツト７の上方を前記ホツパーが横行でき
るようになす。バスケツト７はキヤリヤ（図示省
略）にて吊り上げられ、次のラインへ移送され
るものである。

また架台１の下部には車輪８が設けられ、ライ
ンとの端部間に敷設されたレール９上を転動
して移動可能とし、この移動は架台に設けた走行
駆動装置１０にて車輪８を駆動せしめて行なうも
のである。

従つてラインを終了したバレルがキヤリヤ等
にて移動式処理液槽装置の架台に載架されると、
このバレルシリンダを回転させ、その開口面を下
向きにして停止させ、この状態でノズルＮより水
又は液を噴射することによりバレルシリンダ内壁
面に附着していた被処理物はすべて完全に排出さ
れると共にバレル内の洗浄も同時に行なわれる。
このバレルが架台に載架されると上述の被処理物
の排出動作と同調してあるいは単独で、この架台
に設けた走行駆動装置１０が駆動され、移動式処
理液槽装置Ｆはレール９上を走行し、ラインよ
りラインへ移動し、ラインの定位置で停止す
る。この装置Ｆの走行と同時あるいはその後に於
て、しかも被処理物が完全に排出された後、バレ
ルはキヤリヤ等にてラインのトラバーサE₂へ
移され、さらにラインへ戻る。そしてホツパー
５が横行し、バスケツトがキヤリヤ等にて吊り上
げられラインへ移動されるとこの装置Ｆは走行
駆動装置にてラインよりラインへ走行して元
の位置に戻され一工程を終了するものである。

〔発明の効果〕

而して本発明による時は並列された処理ライン
間に処理液槽を備えた架台を移動自在に設けてい
るため、従来両ライン間を結ぶ大きな槽を必要と
していたが、小さな槽でよく、しかも駆動部分が
すべて液槽外に設けられるため、液中を駆動する
方式に比べ駆動部分の部品が特殊な材質を用いる
ことなくしかもその寿命を長くすることが可能と
なり、製作費並びにランニングコストを低減で
き、しかも液槽とともに移送する箇所に於て使用
するのに適し、処理効率を向上せしめられる利点
を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は概略を示す一実施例の平面図、第２図
は正面図、第３図は側面図である。 Ａは前処理工程、B₁，B₂は鍍金工程、Ｃは後
処理工程、Ｄは脱水乾燥工程、E₁，E₂はトラバ
ーサ、Ｆは移動式洗浄液槽装置、，，は処
理ライン、１は架台、２は処理液槽、３はバレル
回転装置、４はレール、５はホツパー、６は駆動
装置、７はバスケツト、８は車輪、９はレール、
１０は走行駆動装置、１１はバスケツト受台、Ｂ
はバレル、Ｎはノズル。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 並列して各処理ラインが配置される表面処理
   設備に於て、ラインの端部間に敷設したレール上
   を走行自在にした処理液槽を備えた移動式処理液
   槽装置を配設すると共に該処理液槽装置を処理液
   槽を備えた架台と、この架台をライン間のレール
   上を往復走行せしめる車輪及び走行駆動装置と、
   上部に載架されたバレル内の被処理物を受ける横
   行自在なホツパーと、このホツパー下部でバスケ
   ツトを支持するバスケツト受けとを備えライン間
   の被処理物の移送を液槽とともに行なえるように
   なしたことを特徴とする表面処理に於ける被処理
   物の移送装置。