JPH0799974B2 - 移動収穫機における伝動装置 - Google Patents

移動収穫機における伝動装置

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JPH0799974B2
JPH0799974B2 JP10856488A JP10856488A JPH0799974B2 JP H0799974 B2 JPH0799974 B2 JP H0799974B2 JP 10856488 A JP10856488 A JP 10856488A JP 10856488 A JP10856488 A JP 10856488A JP H0799974 B2 JPH0799974 B2 JP H0799974B2
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秀雄 実重
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MITSUBISHI NOUKI KABUSHIKI KAISHA
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明は、コンバイン等の移動収穫機における伝動装置
に係り、詳しくは前処理部を備え、かつカウンタケース
に設置した駆動側割プーリとミッションケースに設置し
た被動側割プーリの間に変速無端ベルトを巻掛けてなる
無段変速装置を備えた移動収穫機における伝動装置に関
する。
(ロ)従来の技術 従来、移動収穫機例えばコンバインは、走行機体の前方
に前処理部が設置され、かつ該前処理部の後方下部に、
被動側割プーリを備えたミッションケースが搭載されて
おり、更に該ミッションケースの上方には該ケースと別
体に構成したカウンタケースが設置されている。また、
該カウンタケースには駆動側割プーリが設置され、かつ
該駆動側割プーリと前記被動側割プーリとの間には無端
ベルトが巻掛けられて無段変速装置が構成されており、
オペレータの操作に連動して駆動側割プーリの幅を適宜
変更し、これにより無端ベルトの位置を前記両割プーリ
間で移動することに基づき伝動比を適時変更し得るよう
に構成されている。
(ハ)発明が解決しようとする課題 しかし、上述した従来のコンバインにおいては、カウン
タケースが適宜部材を介してミッションケースとは別個
に配設されており、更にミッションケースに設けた前処
理伝動プーリからは前処理部への距離の関係上、長い無
端ベルトが巻掛けられており、従ってカウンタケース、
ミッションケース等にて構成される伝動機構はかなり大
掛かりなものとなってしまい、大型のコンバインには搭
載できるものの、比較的小型のコンバインにあっては該
伝動機構を搭載することが困難になってしまう。
そこで、本考案は、カウンタケースをミッションケース
に一体に設けると共に前処理部への動力伝動を該カウン
タケースを介して行うようにして、該カウンタケースを
無段変速装置と前処理伝動装置とで共用し得るように構
成し、もって上述課題を解消した伝動装置を提供するこ
とを目的とするものである。
(ニ)課題を解決するための手段 本発明は、上述事情に鑑みなされたものであって、例え
ば第1図を参照して示すと、前処理部(7)(第7図参
照)を備え、かつカウンタケース(59)に設置した駆動
側割プーリ(75)とミッションケース(19)に設置した
被動側割プーリ(26)の間に変速無端ベルト(92)を巻
掛けてなる無段変速装置(25)を備えた移動収穫機
(1)において、前記ミッションケース(19)の上方に
前記カウンタケース(59)を一体に設置し、更に該ミッ
ションケース(19)に、前記被動側割プーリ(26)に連
動する前処理取出しプーリ(27)を設置すると共に、前
記カウンタケース(59)に2つの回転軸を設け、一方の
回転軸(66)にカウンタ入力プーリ(71)を設置して前
記前処理取出しプーリ(27)との間に無端ベルト(93)
を巻掛け、他方の回転軸(61)にはカウンタ出力プーリ
(67)を設置し、かつこれらの回転軸間に動力伝達手段
(73、80、83、69、70)を配置して、エンジン(4)に
基づく駆動力を、前記無段変速装置(25)から前記前処
理理取出しプーリ(27)、カウンタ入力プーリ(71)及
びカウンタ出力プーリ(67)を介して前記前処理部
(7)に伝達するように構成したことを特徴とするもの
である。
(ホ)作用 上述構成に基づき、移動収穫機(1)により例えば刈取
り作業を行っている際、走行系及び前処理部(7)には
エンジン(4)に基づく駆動力が伝達されている。
そして、カウンタケース(59)に設けた駆動側割プーリ
(75)がオペレータの操作に連動してそのプーリ幅を変
化すると、これにより該割プーリ(75)と被動側割プー
リ(26)との間で変速無端ベルト(92)が適宜移動され
て伝動比が変更され、これによる駆動力が走行系に伝達
されるため、走行機体(5)はオプレータの操作に対応
した速度で走行し得る。また、前処理部(7)へは、前
記被動側割プーリ(26)に連動する前処理取出しプーリ
(27)から、カウンタケース(59)に設置したカウンタ
入力プーリ(71)に回転が伝えられ、そして該回転は動
力伝達手段(73、80、83、69、70)、カウンタ出力プー
リ(67)を経て前処理部(7)に伝達されており、従っ
てカウンタケース(59)は無段変速装置(25)と前処理
部(7)への伝動装置にて共用されている。
なお、カッコ内に付す符号は、何等構成を限定するもの
ではない。
(ヘ)実施例 以下、図面に沿って、本発明による実施例について説明
する。
コンバイン1は、第7図に示すように、スプロケット53
(第1図参照)により駆動されるクローラ2にて支持さ
れている走行機体3を有しており、該走行機体3の一側
には後方にエンジン4が搭載されていると共に前方に運
転席5が配置されており、また走行機体3の他側には自
動脱穀装置が設置されている。更に、該走行機体3の前
方には前処理部7が昇降自在に配設されており、その後
方における走行機体3の下方にはミッションケース19
(第1図参照)が搭載されている。そして、運転席5は
機体フレーム上に運転席フレーム10が固定されてなり、
かつ該フレーム10上における前方部にはステップ面11が
固定されており、更に運転席フレーム10の後方部には、
シートフレームを介してシート13が設置されている。ま
た、該運転席フレーム10の前部上方には操作台15が立設
され、該操作台15の上面は操作パネル16になっており、
かつ該操作パネル16にはモノレバー17が立設されてい
る。
一方、前記ミッションケース19は、第1図に示すよう
に、副変速部20、前後進切換え部21サイドクラッチ・ブ
レーキ装置22、及び走行駆動部23からなるトランスミッ
ション24を収納している。そして、ミッションケース19
の最上部に位置する前記副変速部20には、メインシャフ
ト29がケース19を横方向に貫通して設置されており、更
に該シャフト29の一端には無段変速装置25を構成する被
動側割プーリ26が設置されていると共に他端には前処理
部7に回転を伝達する前処理取出しプーリ27が設置され
ている。更にメインシャフト29のケース内方両端には、
それぞれ内歯を形成した大径ギヤ30及び小径ギヤ31が回
転自在に設置され、かつこれら大径ギヤ30と小径ギヤ31
の中間にはシフタ32が摺動のみ自在に嵌合されている。
また、前記前後進切換え部21は、ケース19に回転自在に
配置したシャフト33を有し、かつ該シャフト33の両端に
は大径ギヤ35及び小径ギヤ36がそれぞれスプライン結合
されており、更にこれら大径ギヤ35及び小径ギヤ36には
内歯を形成したギヤ37,39がそれぞれ設置されており、
またこれらギヤ37,39の中間部にはシフタ40が摺動のみ
自在に嵌合されている。そして、前記大径ギヤ30と小径
ギヤ36、及び小径ギヤ31と大径ギヤ35とはそれぞれ常時
噛合されており、また前記ギヤ37は、シャフト33に隣接
して配置したシャフト41に固定したギヤ42に常時噛合し
ている。更に、該シャフト41に隣接してカウンタシャフ
ト43が回転自在に設置され、かつ該シャフト43には大径
ギヤ45及び小径ギヤ46がスプライン結合されており、該
大径ギヤ45は、前記シャフト41に固設したギヤ47に噛合
していると共にギヤ39と噛合している。
また、前記サイドクラッチ・ブレーキ装置22は、センタ
シャフト49の中央部に設けたセンタギヤ50と、その両端
に回転自在に嵌合したドックギヤ51,51からなるサイド
クラッチC,Cを有していると共に、多数のディスクプレ
ートからなるサイドブレーキB,Bを有している。更に、
前記走行駆動部23は、ケース19の両側に向けて突出する
車軸52,52を有しており、該車軸52はその一端にスプロ
ケット53を設置していると共に他端に駆動ギヤ55が設置
されている。また、ミッションケース19の上方にはシフ
トレール56が配設され、かつ該レール56にはクリックス
トップを介してシフトフォーク57が摺動自在に嵌挿され
ており、該フォーク57が操作されることによりシフタ32
が摺動して大径ギヤ30又は小径ギヤ31の内歯に係合し、
これにより高速,低速を適時切換え得るように構成され
ている。
一方、第1図及び第6図に示すように、前記ミッション
ケース19の上方には該ケース19と一体にカウンタケース
59が設置されており、該カウンタケース59には、シャフ
ト60,61がケース19の一側方に突出して支持・設置され
ていると共にシャフト62が他側方に突出して支持・設置
されている。そして、前記シャフト60のケース19外方に
突出した一端にはエンジン4からの回転を入力する入力
プーリ63が設置されており、かつケース59における該入
力プーリ63と反対側には油圧ポンプ65が設置されてい
る。
また、前記シャフト61は同軸状に配置したスリーブシャ
フト66とで二重シャフトを構成しており、かつシャフト
61のケース19に突出した一端には前処理部7に駆動力を
伝えるカウンタ出力プーリ67が設置されており、またシ
ャフト61のケース59内方おける他端には、一体に構成し
た大径ギヤ69及び小径ギヤ70が固設されている。また、
前記スリーブシャフト66の、ケース59外方に突出した一
端にはカウンタ入力プーリ71が設置されていると共にケ
ース59内方の他端にはカラー72にて支持されるギヤ73が
固設されている。更に、シャフト61に隣接してシャフト
79が回転自在に支持・設置されており、かつ該シャフト
79には、前記ギヤ73と常時噛合している大径ギヤ80が固
設されていると共に小径ギヤ81及び大径ギヤ82からなる
前処理変速ギヤ83が摺動のみ自在に嵌合されており、更
にシャフト79には、シャフト60の他端に固設した小径ギ
ヤ85に常時噛合しているアイドルギヤ86が回転自在に支
持されて設置されている。そして、オペレータの操作に
より前記前処理変速ギヤ83を適宜摺動すると、小径ギヤ
81が前記大径ギヤ69に噛合し又は大径ギヤ82が前記小径
ギヤ70に噛合し、これにより前処理部7への回転速度が
適時変更される。更に、前記シャフト62のケース59内方
には、アイドルギヤ86に常時噛合している小径ギヤ87が
固設されており、またシャフト62の外方に突出している
一端には、無段変速装置25を構成している駆動側割プー
リ75が設置されている。
そして、該駆動側割プーリ75は可動シーブ76及び固定シ
ーブ77から構成されており、該可動シーブ76はそのボス
部76aを、シャフト62の端部に嵌合・固定した固定シー
ブ77のボス部77aに摺動自在に嵌合している。更に、シ
ャフト62における可動シーブ76とカウンタケース59との
間には、該可動シーブ76を適宜移動する可動カム74,固
定カム78からなる変速カム84が設置されている。また、
前記被動側割プーリ26は可動シーブ89及び固定シーブ90
から構成され、更に該可動シーブ89はそのボス部89aを
固定シーブ90のボス部90aに摺動自在に嵌合しており、
かつスプリング91により固定シーブ90側に付勢されて、
前記駆動側割プーリ75と被動側割プーリ26の間に巻掛け
られた無端ベルト92をシーブ90との間で圧接している。
また、メインシャフト29に設置したメインクラッチ94と
ミッションケース19の間には、固定カム及び可動カムか
らなるクラッチ操作用カム98が設置されている。
一方、第2図に示すように、前処理取出しプーリ27とカ
ウンタ入力プーリ71との間にはカウンタベルト93が巻掛
けられ、かつカウンタ出力プーリ67と前処理駆動力伝達
用プーリ95との間には前処理ベルト96が巻掛けられてお
り、これら前処理取出しプーリ27、カウンタベルト93、
カウンタ入力プーリ71、カウンタ出力プーリ67及び前処
理ベルト96にて前処理伝動装置104が構成されている。
更に、ミッションケース19の近傍に設置したリフトフレ
ーム97には、支軸99が一側方に突出して設置されてお
り、該支軸99には、カウンタテンションアーム100及び
前処理テンションアーム101が、それぞれの一端に設け
たパイプ部材102,103を介して回動自在に支持されてい
る。そして、カウンタテンションアーム100の中央部に
設置されているブラケットには、機体フレーム側に一端
を引掛けたスプリング106の他端が引掛けられており、
これによりテンションアーム100の他端に設けたテンシ
ョンプーリ107がカウンタベルト93を第2図矢印A方向
に付勢して、前処理取出しプーリ27及びカウンタ入力プ
ーリ71の間で適正な摩擦力が得られるように緊張してい
る。更に、前処理テンションアーム101から延設したア
ーム109にはスプリング110が引掛けられて、テンション
アーム101の他端に設けたテンションプーリ111を第2図
矢印B方向に付勢しており、これにより前処理ベルト96
はカウンタ出力プーリ67と伝達用プーリ95の間で適正な
摩擦力が得られるように緊張されている。
また、第3図に示すように、カウンタケース59の上方に
設置されている入力プーリ63は、無端ベルト115を介し
てエンジン側のプーリ116から駆動力を伝達されてお
り、更に該無端ベルト115は、カウンタケース59に枢支
したテンションアーム117先端に設けたテンションプー
リ119により矢印C方向に付勢されて緊張されている。
そして、第4図及び第5図に示すように、カウンタケー
ス59はミッションケース19に連結部剤120を介して固定
されており、かつ該連結部材120の一端には、復動シリ
ンダからなる無段変速用油圧アクチュエータ121の一端
がピン123にて回動自在に支持されている。また、カウ
ンタケース59の上方にはブラケット125がボルト止めさ
れており、該ブラケット125にはパイプが貫通・溶着さ
れていると共に、該パイプにはパイプ軸が回動自在に嵌
合され、かつ該パイプ軸にはシャフト126が回動自在に
嵌合されている。また、前記パイプ軸の両端にはアーム
127及びアーム128が固設され、かつ該アーム127の先端
にはパイプロッド129がその一端をピン130により回動自
在に支持されている。そして、該パイプロッド129の内
方は中空に形成されており、該中空部には、一端をピン
131にて可動カムの突起部aにて回動自在に支持したロ
ッド132の他端が摺動自在に嵌合されている。また、前
記アーム128の先端には無段変速用油圧アクチュエータ1
21の他端がピン133にて枢支されている。更に、前記シ
ャフト126の一端にはアーム135が固設され、かつ該アー
ム135の先端には、ロッド134の両端に設けられたボール
ジョイント136,136の一方がナット137にて取付けられて
いると共に他方が前記変速カム84の可動カム74に取付け
られている。また、アーム135は、ブラケット125に一端
を取付けたスプリングSの他端が取付けられており、こ
れによりアーム135はシャフト126を中心に回動して、可
動カム74を回動し得るように付勢されている。更に、前
記ナット137はアーム127が、油圧アクチュエータ121の
伸長により上方に向けて回動される際、該アーム127に
て同方向に押圧されて、ロッド134を介して可動カム74
を回動し、該可動カム74を固定カム78から離間して無段
変速装置25を増速操作し、また油圧アクチュエータ121
に収縮によりアーム127が下方に向けて回動する際に
は、該油圧アクチュエータ121の収縮によりアーム127が
ナット137を解放し、該ナット137がスプリングSの付勢
力のみにて回動されるようになっている。なお、図中13
9,140はそれぞれサイドクラッチC,Cを作動するサイドク
ラッチ用油圧アクチュエータである。
本実施例は、以上のような構成よりなるので、エンジン
4に基づく駆動力を伝達される入力プーリ63は、油圧ポ
ンプ65を駆動すると共に小径ギヤ85を介して大径ギヤ86
に回転を伝達し、更に該大径ギヤ86から小径ギヤ87に回
転が伝達されることにより駆動側割プーリ75が回転し、
無端ベルト92を介して被動側割プーリ26を回転すること
により無段変速装置25が駆動される。
そして、オペレータにて、運転席5に隣接して設けたサ
イド操作パネルに設置されたF・R無段変速レバーを例
えば増速側操作すると、これに基づき変速カム84の可動
カム74がシャフト62の軸方向と直角に回動される。する
と、該可動カム74が固定カム78から離間する方向に可動
シーブ76と共に移動し、これにより駆動側割プーリ75は
その可動シーブ76と固定シーブ77との間隔を挟められ、
無端ベルト92がこれら両シーブ76,77間で圧接されて駆
動側割プーリ75の外周に向けて移動される。これに伴
い、被動側割プーリ26では無端ベルト92によりスプリン
グ91の付勢力に抗してその幅が広げられ、無端ベルト92
は被動側割プーリ26の内方へと移動される。従って、無
段変速装置25はその伝動比を変えられて増速する回転を
副変速部20、前後進切換え部21及びサイドクラッチ・ブ
レーキ装置22を介して走行駆動部23に伝達する。一方、
前記F・R無段変速レバーが減速操作されると、可動カ
ム74が増速時とは反対方向に回動され、これにより可動
シーブ76が該可動カム74と共にケース59側に移動されて
駆動側割プーリ75がその幅を広げられ、従って無段変速
装置25は減速制御される。
また、被動側割プーリ26の回転により、該割プーリ26と
同軸上に配置された前処理取出しプーリ27が同方向に回
転し、該回転をカウンタベルト93を介してカウンタ入力
プーリ71に伝える。すると、スリーブシャフト66を介し
て該入力プーリ71と共に回転するギヤ73が大径ギヤ80を
介してシャフト79に回転を伝達し、これにより前処理変
速ギヤ83が回転される。そして、該前処理変速ギヤ83が
オペレータのレバー操作等に連動してシャフト79上をい
ずれかの方向摺動すると、該前処理変速ギヤ83を構成す
る小径ギヤ81が大径ギヤ69に(又は大径ギヤ82が小径ギ
ヤ70に)噛合して低速回転(又は高速回転として)シャ
フト61に伝達する。これにより、該シャフト61の一端に
設置しているカウント出力プーリ67が回転し、無段変速
装置25による伝動速度即ち機体走行速度に連動した回転
が前処理ベルト96を介して前記処理部7に伝達されるた
め、前処理部7はオペレータの操作により変化する機体
走行速度に伴って例えば刈刃及び穀稈搬送装置の作動速
度が適切に変更され、従って前処理部7による作業性が
向上されている。一方、前記シャフト79はアイドルギヤ
86を回転自在に支持しているものであるが、前処理変速
ギヤ83及び大径ギヤ80を支持するシャフトを特別に設け
ることなく前記シャフト79を共用していることにより、
装置構成がコンパクトにされて経済性も向上されてい
る。
また、ミッションケース25の上方には連結部材120を介
してカウンタケース59が一体に設置されており、かつ被
動側割プーリ26の回転がメインシャフト29を介して前処
理取出しプーリ27に直接伝達され、該回転が該プーリ27
からカウンタ入力プーリ71へそしてカウンタ出力プーリ
67から前処理部7へ伝達されるようになっており、カウ
ンタケース59が、無段変速装置25と前処理伝動装置104
とによって共用されているためカウンタケースは1個あ
れば足り、従って無段変速装置25による速度変化、即ち
機体速度変化に連動した回転を被動側割プーリ26、メイ
ンシャフト29、前処理取出しプーリ27そして前処理伝動
装置104を介して前処理部7に伝達して該前処理部7の
作業性を向上することができると共に、装置全体をコン
パクトに構成することができる。
また、前処理取出しプーリ27からの回転を入力するカウ
ンタ入力プーリ71と、該回転を前処理部7へ出力するカ
ウンタ出力プーリ67とが同一のカウンタケース59に設置
されていると共に、これら両プーリ71,67をそれぞれ支
持するシャフト66と61が二重軸状に構成されているの
で、特別のカウンタケースを必要とすることなくカウン
タケース59が1個のみあればよく、これにより経済性が
向上され、かつ前処理取出しプーリ27から前処理部7に
駆動力を伝動する前処理伝動装置104がコンパクトに構
成される。更に、前処理取出しプーリ27はミッションケ
ース19における最も高い位置にあるメインシャフト29に
設置されているため、走行時等に圃場の泥がかかり難く
されており、カウンタベルト93のスリップ現象を防ぐこ
とができ、これにより該ベルト93の寿命を延ばすことが
できる。
また、前記前処理取出しプーリ27から前処理部7に回転
を伝達するに際しては、該プーリ27からカウンタ入力プ
ーリ71に第1のベルトであるカウンタベルト93を介し、
更にカウンタ出力プーリ67から前処理部7には第2のベ
ルトである前処理ベルト96を介して行うため、一本の長
い無端ベルトを使用する必要がなくなり、従ってベルト
の交換時には、カウンタベルト93又は前処理ベルト96の
内の痛んだ一方のみを交換すればよく、作業性が向上さ
れている。この場合、カウンタ入力プーリ71はカウンタ
出力プーリ67の内側に位置しており、かつカウンタベル
ト93が前処理ベルト96に比して下方に位置していること
により、カウンタベルト93の交換作業は前処理ベルト96
により行い難くなっているが、前処理取出しプーリ27か
らカウンタ入力プーリ71への伝動は減速されており、カ
ウンタ出力プーリ67から前処理部7への伝動に比して低
トルク伝動であるため、ベルト寿命が長くされており、
従ってその交換の頻度が少なくされている。
また、前処理部7を走行機体5から取外す場合は、伝達
用プーリ95とカウンタ出力プーリ67との間で無端ベルト
96を外すのであるが、これら両プーリ間の高低差は小さ
くされていると共に該ベルト96が短いものであるため、
作業は容易に行われる。
(ト)発明の効果 以上説明したように、本発明によれば、上方にカウンタ
ケース(59)を一体に設けたミッションケース(19)
に、被動側割プーリ(26)に連動する前処理取出しプー
リ(27)を設置し、かつカウンタケース(59)にカウン
タ入力プーリ(71)及びカウンタ出力プーリ(67)を設
置し、駆動力を、無段変速装置(25)から前処理取出し
プーリ(27)、カウンタ入力プーリ(71)及びカウンタ
出力プーリ(67)を介して前処理部(7)に伝達するよ
うに構成したので、前処理部(7)に機体速度に連動し
た駆動力を伝達することができるものでありながら、1
個のカウンタケース(59)を、無段変速装置(25)と前
処理伝動装置とで共用することができ、これにより装置
全体をコンパクトに構成することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るミッションケース及びカウンタケ
ースを示す全体断面図、第2図はその前処理取出しプー
リから前処理部に向かうベルト連動構造を示す側面図、
第3図は無段変速装置を示す側面図、第4図はカウンタ
ケース及びミッションケースの周辺に設置した各部材を
示す側面図、第5図はその走行機体前方から見た図、第
6図は概略駆動系統図である。そして、第7図はコンバ
イン全体を示す斜視図である。 1……移動収穫機(コンバイン)、4……エンジン、7
……前処理部、19……ミッションケース、25……無段変
速装置、26……被動側割プーリ、27……前処理取出しプ
ーリ、29……メインシャフト、67……カウンタ出力プー
リ、71……カウンタ入力プーリ、75……駆動側割プー
リ、92……変速無端ベルト(無端ベルト)、93……カウ
ンタベルト。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】前処理部を備え、かつカウンタケースに設
    置した駆動側割プーリとミッションケースに設置した被
    動側割プーリの間に変速無端ベルトを巻掛けてなる無段
    変速装置を備えた移動収穫機において、 前記ミッションケースの上方に前記カウンタケースを一
    体に設置し、更に該ミッションケースに、前記被動側割
    プーリに連動する前処理取出しプーリを設置すると共
    に、前記カウンタケースに2つの回転軸を設け、一方の
    回転軸にカウンタ入力プーリを設置して前記前処理取出
    しプーリとの間に無端ベルトを巻掛け、他方の回転軸に
    はカウンタ出力プーリを設置し、かつこれらの回転軸間
    に動力伝達手段を配置して、エンジンに基づく駆動力
    を、前記無段変速装置から前記前処理取出しプーリ、カ
    ウンタ入力プーリ及びカウンタ出力プーリを介して前記
    前処理部に伝達するように構成したことを特徴とする移
    動収穫機における伝動装置。
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