JPH07983Y2 - 机等の側脚部の構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、机やテーブル等の少な
くとも一側部に配設され、天板を支持する机等の側脚部
の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の机等の側脚部は、金属か木材かの
いずれか一方のみにより製造されるものが多いが、中に
は、強度の維持と美的外観との両方を達成するため、例
えば金属製の枠材に木製又は合成樹脂製の化粧板等を貼
設したものがある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかし、従来の異材質
の構成部材を用いたものは、接着剤による接着、溶接そ
の他の分離が困難な固着手段により互いに固着されてい
たので、机等の廃棄時に、構成部材を材質別に分離する
ことが困難で、近年の資源の有効利用を図るためのリサ
イクル化に寄与できないという問題点がある。

【０００４】本考案は、従来の技術が有する上記のよう
な問題点に鑑み、化粧板と脚枠とを簡単に組付けること
ができるとともに、容易に分離できるようにすることに
より、それらを異材質の材料により形成した場合の資源
のリサイクル化に寄与できるようにした机等の側脚部の
構造を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案は、机等の少なくとも一側部に配設され、天
板を支持する机等の側脚部の構造であって、前後方向を
向く下方の水平脚杆の後部と、前後方向を向く水平な上
方のアームの後部とを、その間に、前後１対の中間支柱
を挾んでボルト締めすることにより、方形の脚枠を形
成、該脚枠の内面に形成した嵌合溝内に、化粧板の縁部
を嵌設したことを特徴としている。

【０００６】

【作用】化粧板の縁部が嵌合溝に嵌合するようにして、
化粧板の前後を１対の中間支柱により挾み、かつ化粧板
の上下をアームと水平脚杆とにより挾むようにして、ア
ームと水平脚杆とをボルト締めすることにより、机等の
側脚部を簡単に組立てることができるとともに、ボルト
を外すことにより、化粧板と他の構成部材とを容易に分
離することができ、資源のリサイクル化に寄与すること
ができる。

【０００７】

【実施例】図面は本考案の一実施例を示すもので、図２
に示すように、机は本考案の互いに平行をなす左右１対
の側脚部(Ａ)の上端間に天板(１)を載設し、後端間に幕
板(２)を張設して形成されている。

【０００８】側脚部(Ａ)の下端における前後方向を向く
アルミニウム軽合金製の水平脚杆(３)の上面後部には、
上端に差し込み突起(4a)を有する前後１対の短寸の立上
部(４)が連設されて、扁平なＵ字形部(５)が形成され、
その内面には左右２条の第１嵌合溝(６)が形成されてい
る。

【０００９】天板(１)を支持する前後方向を向く左右１
対のアルミニウム軽合金製のアーム(７)の下面後部に
は、下端に差し込み突起(8a)を有する前後１対の短寸の
垂下部(８)が連設されて、Ｕ字形部(５)と同形等寸の下
向Ｕ字形部(９)が上下対称に形成され、その内面にも第
１嵌合溝(６)と同形等寸の嵌合溝(図示省略)が形成され
ている。

【００１０】同側の水平脚杆(３)とアーム(７)とは、上
下対向する前後の立上部(４)と垂下部(８)との間に、ア
ルミニウム軽合金製の前後１対の中間支柱(10)(11)を、
その上下端に差し込み突起(4a)(8a)が嵌合するようにし
て挾み込んで、立上部(４)と両中間支柱(10)(11)と垂下
部(８)とを貫通する長寸のボルト(12)にナット(13)を締
着することにより互いに連結され、そのようにして連結
されたＵ字形部(５)と下向Ｕ字形部(９)と前後両中間支
柱(10)(11)とにより、方形の脚枠(14)が形成されてい
る。

【００１１】両中間支柱(10)(11)の対向面にも、第１嵌
合溝(６)と断面形が等しい２条の第２嵌合溝(15)が形成
されて、上下の第１嵌合溝(６)と連続し、脚枠(14)の内
周面には２条の方形環状溝(16)が形成されている。

【００１２】左右に対向する後方の中間支柱(11)の対向
面には、上下方向を向く係止溝(17)が形成されている。

【００１３】両脚枠(14)は、組立時に外側方の環状溝(1
6)に木製の化粧板(18)が組込まれて閉塞され、内側方の
環状溝(16)には、外側板(18)より上下長が短寸の木製の
化粧板(19)が組込まれ、内側の化粧板(19)の下端中央に
は、下方より弧状切欠(20)が切設されている。

【００１４】上述構成の本考案の側脚部(Ａ)は、上端同
士が連結杆(21)により連結されて天板(１)が載設され、
後方の中間支柱(11)の係止溝(17)間に幕板(２)が係止さ
れて、机が形成されている。

【００１５】上述の実施例においては、脚枠(14)をアル
ミニウム軽合金製としたが、脚枠(14)は、他の金属、合
成樹脂又は木材製とすることができ、化粧板(18)(19)
は、木製以外に合成樹脂製あるいは金属製等とすること
もできる。

【００１６】内側の化粧板(19)は短寸で昇降させうるの
で、上下の間隔を利用して、天板(１)上の電子機器や照
明器具等のコード類を、内外の化粧板(19)(18)間を通過
させて体裁よく配線することができ、余長のコード類を
収納することもでき、コード類に大型のコネクタ等が付
属する場合は、内側の化粧板(19)の弧状切欠(20)を利用
して配線することができる。

【００１７】また本考案は場合により、環状溝(16)を１
本として外側板(18)のみを組込んでもよい。

【００１８】

【考案の効果】本考案によると、次のような効果を奏す
ることができる。(ａ) 化粧板を中央にして、その前後
を中間支柱により挾み、かつ上下をアームと水平脚杆と
により挾んで、上下のアームと水平脚杆とをボルト締め
することにより、簡単に組立てることができるととも
に、ボルトを外すだけで各構成部材を容易に分離するこ
とができる。

【００１９】(ｂ) したがって、化粧板と脚枠を構成す
る部材とが異材質で形成されていても、机等の廃棄処分
時に、ボルトを外すだけで各構成部材を互いに簡単に分
離して、材質別に仕分けすることができるので、リサイ
クル化に寄与することができ、資源の有効利用を図るこ
とができる。

【００２０】(ｃ) また、化粧板が破損したり汚れた場
合には、新しいものと簡単に交換することができる。

【００２１】(ｄ) 脚枠内に、左右に離間する１対の化
粧板を配設すると、その中に電気機器のコード類を収容
することができる(請求項２記載の考案)。

【００２２】(ｅ) 上記(ｄ)の場合に、内側の化粧板を
脚枠に対して上下に摺動しうるようにすると、コードの
出し入れがさらに楽に行なえる(請求項３記載の考案)。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を備える机の分解側面図であ
る。

【図２】同じく一部切欠正面図である。

【図３】図２のＸ−Ｘ線断面図である。

【図４】図３のＹ−Ｙ線断面図である。

【符号の説明】

(Ａ)側脚部 (１)天板 (２)幕板 (３)水平脚杆 (４)立上部 (4a)差し込み
突起 (５)Ｕ字形部 (６)第１嵌合
溝 (７)アーム (８)垂下部 (8a)差し込み突起 (９)下向Ｕ字
形部 (10)(11)中間支柱 (12)ボルト (13)ナット (14)脚枠 (15)第２嵌合溝 (16)環状溝 (17)係止溝 (18)(19)化粧
板 (20)弧状切欠 (21)連結杆

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 机等の少なくとも一側部に配設され、天
   板を支持する机等の側脚部の構造であって、 前後方向を向く下方の水平脚杆の後部と、前後方向を向
   く水平な上方のアームの後部とを、その間に、前後１対
   の中間支柱を挾んでボルト締めすることにより、方形の
   脚枠を形成、該脚枠の内面に形成した嵌合溝内に、化粧
   板の縁部を嵌設したことを特徴とする机等の側脚部の構
   造。
2. 【請求項２】 脚枠の内面に２条の嵌合溝を形成し、該
   嵌合溝に左右方向に離間する１対の化粧板をそれぞれ嵌
   設してなる請求項１記載の机等の側脚部の構造。
3. 【請求項３】 内側の化粧板の上下方向の寸法を水平脚
   杆とアームとの間隔より小とし、該化粧板を、脚枠内に
   上下方向に摺動自在に嵌設してなる請求項２記載の机等
   の側脚部の構造。