JPH0797503A - ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents
ポリアミド樹脂組成物Info
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- JPH0797503A JPH0797503A JP18345394A JP18345394A JPH0797503A JP H0797503 A JPH0797503 A JP H0797503A JP 18345394 A JP18345394 A JP 18345394A JP 18345394 A JP18345394 A JP 18345394A JP H0797503 A JPH0797503 A JP H0797503A
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Abstract
ド樹脂100重量部と、不飽和カルボン酸またはその誘
導体のグラフト量が0.01〜10重量%のグラフト変
性エチレン・1-ブテンランダム共重合体5〜200重量
部とからなる。このグラフト変性エチレン・1-ブテンラ
ンダム共重合体は、1-ブテン含量が15〜25モル%、
極限粘度[η]が0.5〜3.5dl/g、ガラス転移
温度が−60℃以下、結晶化度が10%未満であり、か
つ、13C−NMR法により求めた、共重合モノマー連鎖
分布のランダム性を示すパラメータ(B値)が1.0〜
1.4であるエチレン・1-ブテンランダム共重合体のグ
ラフト変性物である。 【効果】 上記ポリアミド樹脂組成物は、溶融流動性に
優れ、すなわち成形性に優れており、柔軟性、耐低温衝
撃性、耐吸水性および耐塩素水性に優れた成形体を提供
することができる。
Description
関し、さらに詳しくは、柔軟性、耐低温衝撃性、耐吸水
性および耐塩水性に優れた成形体を提供することがで
き、しかも成形性に優れるようなポリアミド樹脂組成物
に関する。
性によりエンジニアリングプラスチックとして大きな需
要が期待されている。しかしながら、ポリアミド樹脂
は、柔軟性、耐低温衝撃性、耐吸水性、耐塩水性などの
性能が十分とはいえず、これらの性能の改良が種々検討
されている。ポリアミド樹脂は、その柔軟性、耐低温衝
撃性を改良することができれば、スキー靴、運動靴等の
スポーツ用品から自動車部品、オイルチューブ、フレキ
シブルチューブ、エアーホース等の産業部品に至るまで
広い用途があり、その需要は大きい。
水性あるいは耐塩水性を向上させる方法として、エチレ
ン・α,β- 不飽和モノカルボン酸共重合体中和物(ア
イオノマー樹脂)をポリアミド樹脂に配合する方法が、
特開昭53−80014号公報、特開昭56−1677
51号公報、特開昭56−109247号公報、特開昭
56−157451号公報において提案されている。
いるポリアミド樹脂組成物は、耐吸水性、耐塩水性など
の耐水性を改善することはできても、アイゾット衝撃強
度などの耐衝撃性、特に低温での耐衝撃性の改良効果が
劣るという問題がある。
度などの耐衝撃性を改良する方法として、たとえば特公
昭42−12546号公報、特公昭55−44108号
公報、特開昭55−9662号公報には、α,β- 不飽
和カルボン酸をグラフトしたエチレン・α- オレフィン
共重合体をポリアミド樹脂に配合する方法が提案されて
いる。
いるポリアミド樹脂組成物は、柔軟性が不十分であり、
また低温での耐衝撃性が不十分であるという問題があ
る。さらに、これらのポリアミド樹脂組成物は、成形法
によっては成形性が低下するという問題もある。
良する方法として、たとえば特公昭62−13379号
公報には、ポリアミド樹脂に、α,β- 不飽和カルボン
酸をグラフトした、エチレン・プロピレン共重合体また
はエチレン・1-ブテン共重合体を、ポリアミド樹脂の使
用量の2/3を超え、かつ、6重量倍以下の割合で配合
する方法が提案されている。
ポリアミド樹脂組成物は、柔軟性は十分であるが、未だ
低温での耐衝撃性が不十分であり、また成形性が低下す
るという重大な問題がある。
および耐塩水性に優れた成形体を提供することができ、
しかも成形性に優れたポリアミド樹脂組成物の出現が従
来より望まれている。
問題点を解決しようとするものであって、柔軟性、耐低
温衝撃性、耐吸水性および耐塩水性に優れた成形体を付
与することができ、しかも成形性に優れたポリアミド樹
脂組成物を提供することにある。
ポリアミド樹脂(A)100重量部と、不飽和カルボン
酸またはその誘導体のグラフト量が0.01〜10重量
%のグラフト変性エチレン・1-ブテンランダム共重合体
(B)5〜200重量部とからなり、該グラフト変性エ
チレン・1-ブテンランダム共重合体(B)は、(a)1-
ブテン含量が15〜25モル%であり、(b)135℃
デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜3.5
dl/gであり、(c)ガラス転移温度(Tg)が−6
0℃以下であり、(d)X線回折法により測定した結晶
化度が10%未満であり、かつ、(e)13C−NMR法
により求めた、共重合モノマー連鎖分布のランダム性を
示すパラメータ(B値)が1.0〜1.4であるエチレ
ン・1-ブテンランダム共重合体のグラフト変性物である
ことを特徴としている。
脂組成物について具体的に説明する。本発明に係るポリ
アミド樹脂組成物は、ポリアミド樹脂(A)と特定のグ
ラフト変性エチレン・1-ブテンランダム共重合体(B)
とを特定の割合で含有してなる。
はなく、アミノ酸ラクタム、あるいはジアミンとカルボ
ン酸とから構成される溶融重合および溶融成形可能なポ
リマー全般を意味する。
としては、具体的には、以下のような樹脂が挙げられ
る。(1)炭素原子数4〜12の有機ジカルボン酸と炭
素原子数2〜13の有する有機ジアミンとの重縮合物、
たとえばヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との重縮
合物であるポリヘキサメチレンアジパミド[6,6ナイ
ロン]、ヘキサメチレンジアミンとアゼライン酸との重
縮合物であるポリヘキサメチレンアゼラミド[6,9ナ
イロン]、ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸との重
縮合物であるポリヘキサメチレンセバカミド[6,10
ナイロン]、ヘキサメチレンジアミンとドデカンジオン
酸との重縮合物であるポリヘキサメチレンドデカノアミ
ド[6,12ナイロン]、ビス-p- アミノシクロヘキシ
ルメタンとドデカンジオン酸との重縮合物であるポリビ
ス(4-アミノシクロヘキシル)メタンドデカン、(2)
ω- アミノ酸の重縮合物、たとえばω- アミノウンデカ
ン酸の重縮合物であるポリウンデカンアミド[11ナイ
ロン]、(3)ラクタムの開環重合物、たとえばε- ア
ミノカプロラクタムの開環重合物であるポリカプラミド
[6ナイロン]、ε- アミノラウロラクタムの開環重合
物ポリラウリックラクタム[12ナイロン]などが挙げ
られる。中でも、ポリヘキサメチレンアジパミド(6,
6ナイロン)、ポリヘキサメチレンアゼラミド(6,9
ナイロン)、ポリカプロラミド(6ナイロン)が好まし
く用いられる。
イソフタル酸とヘキサメチレンジアミンとから製造され
るポリアミド樹脂なども使用することもできるし、さら
に、6ナイロンと6,6ナイロンとの混合物のように2
種以上のポリアミド樹脂を配合したブレンド物を用いる
こともできる。
炭素原子数4〜12の有機ジカルボン酸と炭素原子数2
〜13の有する有機ジアミンとを等モル量重縮合させる
ことによって調製することができる。また、必要に応じ
て、ポリアミド樹脂中のカルボキシ基がアミノ基より過
剰となるように有機ジカルボン酸を有機ジアミンよりも
多量に使用することもできるし、逆に、ポリアミド樹脂
中のアミノ基がカルボキシ基よりも過剰となるように有
機ジカルボン酸を有機ジアミンよりも少量で使用するこ
ともできる。
は、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン
酸、ドデカン二酸などが挙げられる。上記有機ジアミン
としては、具体的には、ヘキサメチレンジアミン、オク
タメチレンジアミンなどが挙げられる。
記方法と同様にして、エステル、酸塩化物等のカルボン
酸を生成しうる誘導体と、アミン塩等のアミンを生成し
うる誘導体とから調製することもできる。
ω- アミノ酸を少量の水の存在下に加熱して重縮合させ
ることによって調製することができる。多くの場合、酢
酸などの粘度安定剤を少量加える。
ラクタムを少量の水の存在下に加熱して開環重合させる
ことによって調製することができる。多くの場合、酢酸
などの粘度安定剤を少量加える。
共重合体(B) 本発明で用いられるグラフト変性エチレン・1-ブテンラ
ンダム共重合体(B)は、特定のエチレン・1-ブテンラ
ンダム共重合体(以下、未変性エチレン・1-ブテンラン
ダム共重合体と称する場合がある)に、特定量の不飽和
カルボン酸またはその誘導体がグラフトされてなる。
重合体は、1-ブテン含量が15〜25モル%、好ましく
は18〜22モル%である。1-ブテン含量が上記のよう
な範囲にある未変性エチレン・1-ブテンランダム共重合
体を用いると、柔軟性が良好で取扱いが容易なグラフト
変性エチレン・1-ブテンランダム共重合体(B)を得る
ことができる。しかも、このグラフト変性エチレン・1-
ブテンランダム共重合体(B)を用いると、耐低温衝撃
性および柔軟性に優れた成形体を提供し得るポリアミド
樹脂組成物を得ることができる。
ダム共重合体は、135℃デカリン中で測定した極限粘
度[η]が、0.5〜3.5dl/g、好ましくは1.
5〜3.0dl/gである。極限粘度が上記のような範
囲にある未変性エチレン・1-ブテンランダム共重合体か
ら得られるグラフト変性エチレン・1-ブテンランダム共
重合体(B)は、ポリアミド樹脂(A)とのブレンド性
が良好である。しかも、このグラフト変性エチレン・1-
ブテンランダム共重合体(B)を用いると、成形性に優
れたポリアミド樹脂組成物を得ることができる。
ンダム共重合体は、DSC(示差走査熱量計)で求めた
ガラス転移点(Tg)が−60℃以下である。ガラス転
移点(Tg)が−60℃以下の未変性エチレン・1-ブテ
ンランダム共重合体から得られるグラフト変性エチレン
・1-ブテンランダム共重合体(B)を用いると、耐低温
衝撃性および低温柔軟性に優れた成形体を提供し得るポ
リアミド樹脂組成物を得ることができる。また、この未
変性エチレン・1-ブテンランダム共重合体の融点は、6
0℃以下である。
ンランダム共重合体は、X線回折法により測定された結
晶化度が10%未満、好ましくは5%以下である。結晶
化度が10%未満の未変性エチレン・1-ブテンランダム
共重合体から得られるグラフト変性エチレン・1-ブテン
ランダム共重合体(B)を用いると、成形性に優れたポ
リアミド樹脂組成物を得ることができる。
ダム共重合体は、13C−NMR法により求めた、共重合
モノマー連鎖分布のランダム性を示すパラメータ(B
値)が1.0〜1.4である。
ダム共重合体におけるB値は、共重合連鎖中における各
モノマーから誘導される構成単位の組成分布状態を表わ
す指標であり、下式により算出することができる。
1-ブテンランダム共重合体中に含有される、エチレン成
分のモル分率および1-ブテン成分のモル分率であり、P
BEは、全ダイアド(dyad)連鎖数に対するエチレン
・1-ブテン交互連鎖数の割合である。)このようなP
E 、PB およびPBE値は、具体的には、下記のようにし
て求められる。
変性エチレン・1-ブテンランダム共重合体を1mlのヘ
キサクロロブタジエンに均一に溶解させて試料を調製
し、この試料の13C−NMRスペクトルを下記の測定条
件下に測定する。
る13C−NMRスペクトルから、G.J.Ray (Macromole
cules, 10,773(1977))、J.C.Randall(Macro-molecule
s, 15,353(1982))、K.Kimura (Polymer,25,44181984))
らの報告に基づいて求めることができる。
性エチレン・1-ブテン共重合体が両モノマーが交互に分
布している場合には2となり、両モノマーが完全に分離
して重合している完全ブロック共重合体の場合には0と
なる。
ブテンランダム共重合体から得られるグラフト変性エチ
レン・1-ブテンランダム共重合体(B)を用いると、耐
低温衝撃性に優れた成形体を提供し得るポリアミド樹脂
組成物を得ることができる。
・1-ブテンランダム共重合体は、可溶性バナジウム化合
物とアルキルアルミニウムハライド化合物とからなるバ
ナジウム系触媒、またはジルコニウムのメタロセン化合
物と有機アルミニウムオキシ化合物とからなるジルコニ
ウム系触媒の存在下に、エチレンと1-ブテンとをランダ
ムに共重合させることによって調製することができる。
ジウム化合物としては、具体的には、四塩化バナジウ
ム、オキシ三塩化バナジウム、モノエトキシ二塩化バナ
ジウム、バナジウムトリアセチルアセトネート、オキシ
バナジウムトリアセチルアセトネートなどが挙げられ
る。
キルアルミニウムハライド化合物としては、具体的に
は、エチルアルミニウムジクロリド、ジエチルアルミニ
ウムモノクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリ
ド、ジエチルアルミニウムモノブロミド、ジイソブチル
アルミニウムモノクロリド、イソブチルアルミニウムジ
クロリド、イソブチルアルミニウムセスキクロリドなど
が挙げられる。
ウムのメタロセン化合物としては、具体的には、エチレ
ンビス(インデニル)ジルコニウムジブロミド、ジメチ
ルシリレンビス(2-メチルインデニル)ジルコニウムジ
クロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジブロミド、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
機アルミニウムオキシ化合物としては、アルミノオキサ
ンまたはベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合
物がある。
タロセン化合物および有機アルミニウムオキシ化合物と
ともに、有機アルミニウム化合物を含有していてもよ
い。このような有機アルミニウム化合物としては、具体
的には、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミ
ニウムクロリド、メチルアルミニウムセスキクロリドな
どが挙げられる。
この中間領域で行うことができ、いずれの場合にも不活
性溶剤を反応媒体として用いるのが好ましい。
フト変性エチレン・1-ブテンランダム共重合体(B)
は、上記のような未変性エチレン・1-ブテンランダム共
重合体が特定量の不飽和カルボン酸またはその誘導体で
グラフト変性されてなる。
ダム共重合体(B)における不飽和カルボン酸またはそ
の誘導体のグラフト量は、未変性エチレン・1-ブテンラ
ンダム共重合体100重量%に対して、0.01〜10
重量%、好ましくは0.1〜5重量%である。
変性エチレン・1-ブテンランダム共重合体(B)は、ポ
リアミド樹脂組成物中において分散性に優れるととも
に、熱安定性に優れ、溶融時に樹脂が着色することもな
い。しかも、このようなグラフト変性エチレン・1-ブテ
ンランダム共重合体(B)を用いると、機械的強度に優
れた成形体を提供し得るポリアミド樹脂組成物を得るこ
とができる。
しては、アクリル酸、マレイン酸、フマール酸、テトラ
ヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン
酸、イソクロトン酸およびナジック酸TM(エンドシス-
ビシクロ[2,2,1]ヘプト-5-エン-2,3- ジカルボン酸)な
どが挙げられる。
は、たとえば上記不飽和カルボン酸の酸ハライド化合
物、アミド化合物、イミド化合物、酸無水物およびエス
テル化合物などを挙げることができる。具体的には、塩
化マレニル、マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラ
コン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、
グリシジルマレエートなどが挙げられる。これらの中で
は、不飽和ジカルボン酸またはその酸無水物が好適であ
り、特にマレイン酸、ナジック酸TMまたはこれらの酸無
水物が好適である。
ダム共重合体にグラフトされる不飽和カルボン酸または
その誘導体のグラフト位置に特に限定はなく、このグラ
フト変性エチレン・1-ブテンランダム共重合体(B)を
構成するエチレン・1-ブテンランダム共重合体の任意の
炭素原子に、不飽和カルボン酸またはその誘導体が結合
していればよい。
テンランダム共重合体(B)は、従来公知の種々の方
法、たとえば次のような方法を用いて調製することがで
きる。 (1)上記未変性エチレン・1-ブテンランダム共重合体
を溶融させて不飽和カルボン酸等を添加してグラフト共
重合させる方法。 (2)上記未変性エチレン・1-ブテンランダム共重合体
を溶媒に溶解させて不飽和カルボン酸等を添加してグラ
フト共重合させる方法。
のグラフトモノマーを効率よくグラフト共重合させるた
めには、ラジカル開始剤の存在下にグラフト反応を行な
うのが好ましい。
キシド、アゾ化合物などが使用される。このようなラジ
カル開始剤としては、具体的には、ベンゾイルペルオキ
シド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジクミルペル
オキシド、ジーtertーブチルペルオキシド、2,5ージメチル
ー2,5ー ジ(ペルオキシドベンゾエート)ヘキシンー3、1,
4ービス(tertー ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼ
ン、ラウロイルペルオキシド、tertー ブチルペルアセテ
ート、2,5ージメチルー2,5ー ジー(tertー ブチルペルオキシ
ド)ヘキシンー3、2,5ージメチルー2,5- ジ(tertー ブチル
ペルオキシド)ヘキサン、tertー ブチルペルベンゾエー
ト、tertー ブチルペルフェニルアセテート、tertー ブチ
ルペルイソブチレート、tertー ブチルペルーsecー オクト
エート、tertー ブチルペルピバレート、クミルペルピバ
レート、tertー ブチルペルジエチルアセテート等の有機
ペルオキシド;アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル
アゾイソブチレート等のアゾ化合物などが挙げられる。
これらの中では、ジクミルペルオキシド、ジーtertーブチ
ルペルオキシド、2,5ージメチルー2,5ー ジ(tert- ブチル
ペルオキシ)ヘキシン-3、2,5ージメチルー2,5ー ジ(tert
- ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,4ービス(tertー ブチ
ルペルオキシイソプロピル)ベンゼンなどのジアルキル
ペルオキシドが好ましく用いられる。
ン・1-ブテンランダム共重合体100量部に対して、通
常は0.001〜1重量部、好ましくは0.005〜
0.5重量部、さらに好ましくは0.01〜0.3重量
部の量で用いられる。
ラフト反応、あるいはラジカル開始剤を使用せずに行な
うグラフト反応における反応温度は、通常60〜350
℃、好ましくは150〜300℃の範囲内に設定され
る。
レン・1-ブテンランダム共重合体(B)は、上記ポリア
ミド樹脂(A)100重量部に対して5〜200重量
部、好ましくは10〜100重量部、さらに好ましくは
10〜60重量部の量で用いられる。上記グラフト変性
エチレン・1-ブテンランダム共重合体(B)が上記のよ
うな量で用いられると、柔軟性、耐低温衝撃性、耐吸水
性および耐塩水性に優れた成形体を提供することがで
き、しかも成形性に優れたポリアミド樹脂組成物を得る
ことができる。
ミド樹脂(A)およびグラフト変性エチレン・1-ブテン
ランダム共重合体(B)の他に、必要に応じて、酸化防
止剤、紫外線吸収剤、光保護剤、亜燐酸塩系熱安定剤、
過酸化物分解剤、塩基性補助安定剤、増核剤、可塑剤、
潤滑剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料、染料、充填剤など
の添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合する
ことができる。また、本発明に係るポリアミド樹脂組成
物には、他の重合体を、本発明の目的を損なわない範囲
で配合することもできる。
ク、アスベスト、タルク、シリカ、シリカアルミナなど
が挙げられる。ポリアミド樹脂組成物の調製 本発明に係るポリアミド樹脂組成物は、上記のポリアミ
ド樹脂(A)と、グラフト変性エチレン・1-ブテンラン
ダム共重合体(B)と、必要に応じて配合される添加剤
とを、種々の従来公知の方法で溶融混合することにより
調製される。すなわち、本発明に係るポリアミド樹脂組
成物は、上記各成分を同時に、または逐次的に、たとえ
ばヘンシェルミキサー、V型ブレンダー、タンブラーミ
キサー、リボンブレンダー等に装入して混合した後、単
軸押出機、多軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー
等で溶融混練することによって得られる。
バンンバリーミキサー等の混練性能に優れた装置を使用
すると、各成分がより均一に分散された高品質のポリア
ミド樹脂組成物が得られる。
前記添加剤、たとえば酸化防止剤などを添加することも
できる。上記のようにして得られる本発明に係るポリア
ミド樹脂組成物は、従来公知の種々の溶融成形法、たと
えば射出成形、押出成形、圧縮成形、発泡成形などの方
法により、種々の形状に成形することができる。
ポリアミド樹脂(A)と、不飽和カルボン酸またはその
誘導体のグラフト量が0.01〜10重量%のグラフト
変性エチレン・1-ブテンランダム共重合体(B)とを特
定の割合で含有してなり、このグラフト変性エチレン・
1-ブテンランダム共重合体(B)が、1-ブテン含量、極
限粘度、ガラス転移温度、結晶化度およびB値が特定の
範囲にあるエチレン・1-ブテンランダム共重合体のグラ
フト変性物であるので、溶融流動性に優れ、すなわち成
形性に優れており、柔軟性、耐低温衝撃性、耐吸水性お
よび耐塩水性に優れた成形体を提供することができる。
るが、本発明は、これら実施例によって限定されるもの
ではない。
中で、オキシ三塩化バナジウムとエチルアルミニウムセ
スキクロリドを重合触媒とし、重合溶媒ヘキサン中にエ
チレンと1-ブテンの混合ガスおよび水素ガスを供給し、
40℃、5kg/cm2、滞留時間1時間の条件下で連
続的にエチレンと1-ブテンとを重合した。次いで、得ら
れた反応溶液から、溶媒を分離し、目的とするエチレン
・1-ブテンランダム共重合体を得た。
テン含量が19モル%であり、135℃デカリン中で測
定した極限粘度[η]が2.2dl/gであり、ガラス
転移温度が−65℃であり、X線回折法により測定した
結晶化度が2%であり、13C−NMR法により求めた、
共重合モノマー連鎖分布のランダム性を示すパラメータ
(B値)が1.1であった。 [無水マレイン酸グラフト変性エチレン・1-ブテンラン
ダム共重合体の調製]上記のエチレン・1-ブテンランダ
ム共重合体10kgと、無水マレイン酸50gおよびジ
-tert-ブチルペルオキシド3gを50gのアセトンに溶
解させた溶液とをヘンシェルミキサー中でブレンドし
た。
ド物をスクリュー径40mm、L/D=26の1軸押出
機のホッパーより投入し、樹脂温度260℃、押出量6
kg/時間でストランド状に押し出して水冷した後、ペ
レタイズして無水マレイン酸グラフト変性エチレン・1-
ブテンランダム共重合体を得た。
ランダム共重合体から未反応の無水マレイン酸をアセト
ンで抽出後、このグラフト変性エチレン・1-ブテンラン
ダム共重合体中における無水マレイン酸グラフト量を測
定したところ、このグラフト量は0.43重量%であっ
た。 [ポリアミド樹脂組成物の調製]6ナイロン[東レ
(株)製、アミランCM1017、MFR(235℃、
2.16kg荷重):33g/10分]100重量部
と、上記ペレット状の無水マレイン酸グラフト変性変性
エチレン・1-ブテンランダム共重合体25重量部とを、
ヘンシェルミキサーを用いて混合してドライブレンド物
を調製した。
に設定した2軸押出機(L/D=40、30mmφ)に供
給し、ポリアミド樹脂組成物のペレットを調製した。得
られたポリアミド樹脂組成物のペレットを80℃で1昼
夜乾燥した後、下記条件で射出成形を行ない、物性試験
用試験片を作製した。また、スパイラルフローは、3.
8mmφ、半円のスパイラル状の溝を持った金型を用
い、下記条件で射出し、その流動距離を測定した。
性評価を行なった。 (1) 曲げ試験:厚み1/8”の試験片を用い、ASTM
D 790に従って、曲げ弾性率(FM;kg/cm2)を測
定した。なお、試験片の状態調製は、乾燥状態で23℃
の温度で2日行なった。 (2) アイゾット衝撃試験:厚み1/8”の試験片を用
い、ASTM D 256に従って、−40℃でノッチ付
きアイゾット衝撃強度を測定した。なお、試験片の状態
調製は、乾燥状態で23℃の温度で2日行なった。 (3) 吸水試験:ASTM D 570に従って、直径2イ
ンチ、厚み1/8”の試験片を100℃で24時間乾燥
した後、50℃の温水中で48時間吸水試験を行ない、
試験前後の試験片の重量変化量から吸水率を求めた。
レイン酸グラフト変性エチレン・1-ブテンランダム共重
合体の配合量をそれぞれ40重量部、100重量部とし
た以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド樹脂組成
物を調製し、そのスパイラルフロー、曲げ弾性率、−4
0℃におけるノッチ付き衝撃強度、および吸水率を測定
した。
gを用いた以外は、実施例1と同様にして、無水マレイ
ン酸グラフト変性エチレン・1-ブテンランダム共重合体
を得た。得られた無水マレイン酸グラフト変性エチレン
・1-ブテンランダム共重合体の無水マレイン酸のグラフ
ト量は、0.91重量%であった。以下、この無水マレ
イン酸グラフト変性エチレン・1-ブテンランダム共重合
体を用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド
樹脂組成物を調製し、そのスパイラルフロー、曲げ弾性
率、−40℃におけるノッチ付き衝撃強度、および吸水
率を測定した。
ン酸グラフト変性エチレン・1-ブテンランダム共重合体
の配合量を40重量部とした以外は、実施例4と同様に
して、ポリアミド樹脂組成物を調製し、そのスパイラル
フロー、曲げ弾性率、−40℃におけるノッチ付き衝撃
強度、および吸水率を測定した。
6,6ナイロン[東レ(株)製、アミランCM3001
N、MFR(280℃、2.16kg荷重)5g/10
分]を用い、かつ、6,6ナイロンと実施例4の無水マ
レイン酸グラフト変性エチレン・1-ブテンランダム共重
合体とからポリアミド樹脂組成物を調製するに際して2
軸押出機の設定温度を280℃にした以外は、実施例4
と同様にして、ポリアミド樹脂組成物を調製し、そのス
パイラルフロー、曲げ弾性率、−40℃におけるノッチ
付き衝撃強度、および吸水率を測定した。
レイン酸グラフト変性エチレン・1-ブテンランダム共重
合体の配合量をそれぞれ40重量部、100重量部とし
た以外は、実施例6と同様にして、ポリアミド樹脂組成
物を調製し、そのスパイラルフロー、曲げ弾性率、−4
0℃におけるノッチ付き衝撃強度、および吸水率を測定
した。
ロー、曲げ弾性率、−40℃におけるノッチ付き衝撃強
度、および吸水率を実施例1と同様にして測定した。
ト変性エチレン・1-ブテンランダム共重合体の代わりに
実施例1の未変性エチレン・1-ブテンランダム共重合体
を用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド樹
脂組成物を調製し、そのスパイラルフロー、曲げ弾性
率、−40℃におけるノッチ付き衝撃強度、および吸水
率を測定した。
レン・1-ブテンランダム共重合体の代わりに、1-ブテン
含量が10モル%であり、135℃デカリン中で測定し
た極限粘度[η]が2.1dl/gであり、ガラス転移
温度が−50℃であり、X線回折法によって測定した結
晶化度が15%であり、13C−NMR法により求めた、
共重合モノマー連鎖分布のランダム性を示すパラメータ
(B値)が1.1であるエチレン・1-ブテンランダム共
重合体を用いた以外は、実施例1と同様にして、無水マ
レイン酸グラフト変性エチレン・1-ブテンランダム共重
合体を得た。得られた無水マレイン酸グラフト変性エチ
レン・1-ブテンランダム共重合体の無水マレイン酸のグ
ラフト量は、0.43重量%であった。以下、この無水
マレイン酸グラフト変性エチレン・1-ブテンランダム共
重合体を用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリア
ミド樹脂組成物を調製し、そのスパイラルフロー、曲げ
弾性率、−40℃におけるノッチ付き衝撃強度、および
吸水率を測定した。
レン・1-ブテンランダム共重合体の代わりに、1-ブテン
含量が35モル%であり、135℃デカリン中で測定し
た極限粘度[η]が2.0dl/gであり、ガラス転移
温度が−70℃であり、X線回折法によって測定した結
晶化度が0%であり、13C−NMR法により求めた、共
重合モノマー連鎖分布のランダム性を示すパラメータ
(B値)が1.4であるエチレン・1-ブテンランダム共
重合体を用いた以外は、実施例1と同様にして、無水マ
レイン酸グラフト変性エチレン・1-ブテンランダム共重
合体を得た。得られた無水マレイン酸グラフト変性エチ
レン・1-ブテンランダム共重合体の無水マレイン酸のグ
ラフト量は、0.38重量%であった。以下、この無水
マレイン酸グラフト変性エチレン・1-ブテンランダム共
重合体を用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリア
ミド樹脂組成物を調製し、そのスパイラルフロー、曲げ
弾性率、−40℃におけるノッチ付き衝撃強度、および
吸水率を測定した。
して得られた無水マレイン酸グラフト変性エチレン・1-
ブテンランダム共重合体は、そのペレット形状を保持す
ることができず、取扱が困難であった。
Claims (1)
- 【請求項1】ポリアミド樹脂(A)100重量部と、 不飽和カルボン酸またはその誘導体のグラフト量が0.
01〜10重量%のグラフト変性エチレン・1-ブテンラ
ンダム共重合体(B)5〜200重量部とからなり、 該グラフト変性エチレン・1-ブテンランダム共重合体
(B)は、(a)1-ブテン含量が15〜25モル%であ
り、(b)135℃デカリン中で測定した極限粘度
[η]が0.5〜3.5dl/gであり、(c)ガラス
転移温度(Tg)が−60℃以下であり、(d)X線回
折法により測定した結晶化度が10%未満であり、か
つ、(e)13C−NMR法により求めた、共重合モノマ
ー連鎖分布のランダム性を示すパラメータ(B値)が
1.0〜1.4であるエチレン・1-ブテンランダム共重
合体のグラフト変性物であることを特徴とするポリアミ
ド樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18345394A JP3476551B2 (ja) | 1993-08-05 | 1994-08-04 | ポリアミド樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19480593 | 1993-08-05 | ||
JP5-194805 | 1993-08-05 | ||
JP18345394A JP3476551B2 (ja) | 1993-08-05 | 1994-08-04 | ポリアミド樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0797503A true JPH0797503A (ja) | 1995-04-11 |
JP3476551B2 JP3476551B2 (ja) | 2003-12-10 |
Family
ID=26501878
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18345394A Expired - Lifetime JP3476551B2 (ja) | 1993-08-05 | 1994-08-04 | ポリアミド樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3476551B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004210853A (ja) * | 2002-12-27 | 2004-07-29 | Mitsui Chemicals Inc | ポリアミド樹脂組成物 |
-
1994
- 1994-08-04 JP JP18345394A patent/JP3476551B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004210853A (ja) * | 2002-12-27 | 2004-07-29 | Mitsui Chemicals Inc | ポリアミド樹脂組成物 |
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