JPH0796280B2 - 吸水性シートおよびその製造方法 - Google Patents

吸水性シートおよびその製造方法

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JPH0796280B2
JPH0796280B2 JP2263508A JP26350890A JPH0796280B2 JP H0796280 B2 JPH0796280 B2 JP H0796280B2 JP 2263508 A JP2263508 A JP 2263508A JP 26350890 A JP26350890 A JP 26350890A JP H0796280 B2 JPH0796280 B2 JP H0796280B2
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absorbent
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浩司 三宅
信幸 原田
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、吸水性シートおよびその製造方法に関す
る。更に詳しくは多量の水や水蒸気の発生しやすい箇所
に容易に貼付でき、しかも多量の水や水蒸気を吸収でき
る、たとえば結露防止材等に有用な新規な吸水性シート
およびその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
近年結露防止等、吸水または吸湿を目的として吸水性ポ
リマーを使用した結露防止塗料が知られている。(特開
昭57−27176号公報)。しかしながら結露防止塗料は湿
式であるため施工に手間がかかり、水系塗料を用いると
吸水性ポリマーが膨潤し、扱い難いものであった。そう
した問題を解決するために、結露防止塗料を通気性のシ
ート上基材に付着した吸水性シートが提案されている
(特開昭61−43193号公報、特開昭62−21140号公報)
が、これらは吸水性ポリマーの微粉末を分散または溶解
させた塗料を繊維ウェブに含浸付着させる方法により作
られるため、ポリマーが繊維ウェブから脱落し易く結露
防止材としては耐久性が十分なものではなかった。この
様な欠点はバインダー等を用いることによりある程度改
善できるが、吸水性ポリマーがバインダー等により覆わ
れていると、吸水性ポリマー本来の性能を発揮すること
ができず、結露防止効果は低下する。又、吸水・吸湿に
より膨潤した時、他の物体との接触によって吸水性ポリ
マーが脱落したり移動するなどの問題があった。
一方、吸水性シートからなる表面層と紙とを、耐水性樹
脂バリア層を挟んで積層した結露防止壁材が提案されて
いる(特開平1−198943号公報)。この吸水性シート
は、吸水性ポリマーを形成し得る水溶性エチレン性不飽
和モノマーを繊維ウェブ上で重合することにより得られ
る。しかし、この結露防止壁材に用いる吸水性シートは
繊維ウェブにモノマーを含浸した後重合して得られたも
のであるため、吸水性ポリマーが結露防止壁材の表面に
露出したものとなり、高湿度雰囲気下で長期間使用する
と表面がぬるぬるするといった問題があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
従って本発明の目的は、多量の水や水蒸気の発生しやす
い箇所に容易に貼付することができるとともに、多量の
水や水蒸気を吸収した際に剥離しにくく、吸水性シート
を形成する吸水性ポリマーの吸水・吸湿後の脱落・移動
・剥離等がなく結露防止効果が長期間持続し、しかも、
表面の風合いの良好な吸水性シートおよびその製造方法
を提供することにある。
〔課題を解決するための手段および作用〕
本発明者らは上記状況のもと鋭意検討を重ねた結果、吸
水性ポリマーが特定の状態で固定された繊維ウェブに粘
着剤層を設けることにより、上記課題を解決することが
できることを見いだし本発明に到達した。
すなわち、この発明は、重合により吸水性ポリマーに転
換し得る水溶性エチレン性不飽和モノマーを繊維ウェブ
の片面に付着させたのち重合することにより吸水性ポリ
マーをその片面に付着させた繊維ウェブと、この繊維ウ
ェブの吸水性ポリマーの付着した側に設けられた粘着剤
層とを備えた吸水性シートを提供する。
また、この発明は、重合により吸水性ポリマーを形成し
得る水溶性エチレン性不飽和モノマーと水溶性高分子化
合物とを含み粘度200cps以上に調整された水溶液を繊維
ウェブの片側に付着せしめた後、前記モノマーの重合を
行って吸水性ポリマーを繊維ウェブの片面に付着させ、
ついで吸水性ポリマーが片面に付着した繊維ウェブの吸
水性ポリマーの付着した側に粘着剤層を設ける吸水性シ
ートの製造方法を提供する。
本発明の吸水性シートは、例えば次のような工程により
得ることができる。ただし、この発明の吸水性シート
は、そのような工程により得られたものに限定されな
い。
重合により吸水性ポリマーを形成する水溶性エチレ
ン性不飽和モノマー(以下、このようなモノマーをモノ
マー(a)と言う)の水溶液に所定量の水溶性高分子を
添加し、粘度が200cps以上のモノマー水溶液を調製す
る。
このモノマー水溶液を繊維ウェブの片面に付着せし
める。ここで片面にモノマーを付着せしめるとはウェブ
の反対側にモノマーが露出しないようにモノマーを付着
せしめることを意味する。
繊維ウェブの片面に付着したモノマー(a)を公知
の重合方法により吸水性ポリマーに転換し、吸水性ポリ
マーが片面に付着した繊維ウェブを得る。
次いで、粘着剤または粘着剤を含浸した両面テープ
を繊維ウェブの吸水性ポリマーが付着した面に塗布また
は貼合わせて目的とする吸水性シートを得る。
本発明では、前記モノマー(a)を繊維ウェブの反対側
に露出しないようにウェブの片面側に含浸付着せしめた
後重合することにより吸水ポリマーを繊維ウェブに付着
させているので、吸水性ポリマーが繊維ウェブ中に均一
に分布している。このため、吸水・吸湿特性が阻害され
ることがなく、また吸水・吸湿時にシートに凹凸が生じ
難くなる。これに対し、従来のように、吸水性ポリマー
の微粉末を不織布などに含浸付着した場合にはポリマー
の分布に偏りが生じ易く、そのため吸水・吸湿特性が低
下したり、吸水・吸湿時にシートに凹凸が生じ易くなっ
たりしていた。
本発明に用いられる繊維ウェブとしては、通気性のウェ
ブであれば特に制限なく、吸水性シートを用いる場所・
条件・目的に応じて適宜選択して用いることができ、例
えば、ナイロン・ポリエステル・ポリオレフィン・レー
ヨン・パルプ・セルロース等の繊維からなる紙・不織布
・織布等の繊維ウェブが挙げられる。繊維ウェブの厚み
は特に制限はないが、平面上に上面開放の状態で静置し
たときに、たとえば、0.1〜50mm程度である。
前記モノマー(a)としては、カルボキシル基・スルホ
ン酸基・アミド基・ヒドロキシル基・ポリオキシアルキ
レン基・アミノ基等の親水基を有する水溶性エチレン性
不飽和モノマーが挙げられ、具体的には、アクリル酸、
メタクリル酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホ
ン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸、
2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン
酸、ならびに、それらのリチウム、ナトリウム、カリウ
ム等のアルカリ金属塩やアンモニウム塩、(メタ)アク
リルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリ
エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキ
シポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート
等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を用
いることができる。中でも好ましくは(メタ)アクリル
酸およびその塩、2−(メタ)アクリロイルエタンスル
ホン酸およびその塩、2−(メタ)アクリルアミド−2
−メチルプロパンスルホン酸およびその塩並びに(メ
タ)アクリルアミドからなる群より選ばれる少なくとも
1種のモノマーである。得られる吸水性シートの吸水特
性の観点から、特に好ましくは、アクリル酸およびその
アルカリ金属塩であり、アクリル酸及びそのアルカリ金
属塩を50モル%以上含むことが好ましい。
本発明では、吸水性シートの使用条件に応じて架橋剤
(以下、このような架橋剤を架橋剤(A)と言う)を使
用することができる。架橋剤(A)の使用は、吸水性ポ
リマーの吸水倍率を調節し吸水性シート表面の凹凸や吸
水性ポリマーと粘着剤の剥離を防止したり、吸水性ポリ
マーの耐久性を高める等の点で好ましい。使用する架橋
剤(A)としては、例えば、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、N,N′−メチレンビス(メタ)アクリル
アミド、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート等の多官能エチレン性不飽和モノマーやエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、エチ
レングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレング
リコールジグリシジルエーテル等のカルボキシル基やス
ルホン酸基と反応する官能基を2個以上有する化合物が
挙げられる。
モノマー(a)と、架橋剤(A)との使用割合は、たと
えば、モノマー全体100重量部に対して架橋剤(A)0.0
05〜5重量部とされる。この範囲を外れると、得られる
吸水性シートの吸水特性が低下するおそれがある。
モノマー(a)および架橋剤(A)は好ましくは水溶液
の状態で使用される。この水溶液の固形分濃度は一般に
たとえば30重量%〜飽和濃度とするのがよい。この範囲
を外れるとモノマーの重合性が低下したり、得られる吸
水性シートの吸水・吸湿特性が低下したりする場合があ
る。
本発明において、前記モノマー(a)ならびに必要に応
じて架橋剤(A)を含む水溶液(以下、モノマー水溶液
と略すことがある)を繊維ウェブの片面に反対側の面に
露出しないように付着せしめる手段としては、たとえ
ば、 密度の大きい(たとえば、密度0.01g/cm3以上)繊維ウ
ェブや厚手の(たとえば、厚み1mm以上)ウェブ等特定
のウェブを用いたり; 非常に細かい液滴(たとえば、大きさ500μm以下)と
なるようモノマー水溶液を噴霧する等特定の手段で塗布
したり; ウェブへのモノマー溶液の付着量を少なくする(たとえ
ば、ウェブ1重量部に対し1重量部以下)等付着量をコ
ントロールしたり; モノマー溶液の粘度をコントロールしたり(たとえば、
粘度200〜50000cps); すること等が挙げられ、これらの手段を単独で用いた
り、あるいは、2以上組み合わせて用いたりすることに
より成される。これら手段の中では、得られる吸水性シ
ートの吸水・吸湿特性や製造のしやすさなどを考慮する
とモノマー溶液の粘度をコントロールする手段が好まし
い。
モノマー溶液の粘度をコントロールする場合、モノマー
水溶液の粘度を200cps以上にして繊維ウェブの片側に付
着せしめることが重要である。これは、粘度を200cps以
上にすることにより次のような効果が得られるからであ
る。すなわち、吸水性ポリマーを形成するモノマーが繊
維ウェブに過度に浸透するのが防がれるため、モノマー
塗工時や重合時に反対側に露出したり偏ったりすること
や繊維ウェブから脱落したりすることを防ぐことができ
る。また粘度を200cps以上にすることにより、繊維ウェ
ブへの浸透の程度を適宜調節することができるため、重
合後吸水性ポリマーが繊維ウェブ中に一定の厚みの範囲
内で均一に分布し、吸水性シートの吸水・吸湿特性を向
上させる。
上記の如くモノマー水溶液の粘度を200cpsとするには、
たとえば、水溶性高分子化合物をモノマー水溶液の添加
することにより達成される。
本発明に使用される水溶性高分子化合物としては、モノ
マー水溶液の粘度を200cps以上に増粘するもので有れば
特に制限なく、例えばポリアクリル酸又はその塩、ポリ
ビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリ
ルアミド、ヒドロキシエチルセルロース等が挙げられ、
中でも増粘効果や得られる吸水性シートの吸水・吸湿特
性の面からヒドロキシエチルセルロースが好ましい。
水溶性高分子化合物の添加量としてはモノマー水溶液の
粘度を200cps以上に増粘させるに十分な量で有ればよ
く、水溶性高分子化合物の種類により適宜決定される。
しかしながらモノマー水溶液の粘度が50000cpsを超える
ような高濃度では、繊維ウェブへのモノマー水溶液の浸
透性が低下し吸水性シートの吸水・吸湿特性を損なうこ
とがある。このため、水溶性高分子化合物の添加量は、
モノマー水溶液の粘度が50000cps以下になるようにする
のが好ましい。
前記水溶性不飽和モノマー及び架橋剤を含む水溶液を繊
維ウェブの片面に付着させる方法としては、公知の印刷
印捺方法を用いることができ、バーコーター・キスコー
ター・グラビアコーター・スプレー・刷毛塗り等が挙げ
られる。
繊維ウェブへのモノマー水溶液の付着量は特に制限ない
が、得られる吸水性シートの吸水・吸湿特性を考慮すれ
ば、重合後吸水性ポリマーが繊維ウェブ1重量部に対し
0.1〜10重量部付着するようモノマー水溶液を付着させ
ることが好ましく、より好ましくは0.2〜5重量部であ
る。ポリマー量が0.1重量部未満では吸水量・吸湿量が
少なく、またポリマー量が10重量部を超えても単位面積
当りの吸水・吸湿量は増えず、かえって吸水・吸湿速度
が低下したりすることがあり好ましくない。
繊維ウェブの片面に付着した前記モノマー(a)を重合
せしめる方法としては、従来公知の方法を用いることが
できる。例えば、 モノマーを付着せしめた繊維ウェブに電子線を照射する
ことによりモノマーの重合を行う方法; 過硫酸塩や過酸化水素や2,2′−アゾビス(2−アミジ
ノプロパン)2塩酸塩等の水溶性ラジカル重合開始剤の
作用により、重合不活性な面の間に挟みつけたりあるい
は窒素ガスや水蒸気等の重合不活性な雰囲気下オーブン
中などで熱重合する方法; 酸化性開始剤と還元剤との作用により重合を行う方法; 光重合開始剤の作用により紫外線照射等により光重合す
る方法; 等が挙げられる。
本発明で用いられる粘着剤としては、たとえば、吸水性
シート中の吸水性ポリマーが吸水・吸湿した状態で剥が
れない程度に耐水性があれば従来公知のものいずれもが
使用することができ、吸水性シートを使用する場所・条
件・用途に応じて各種粘着剤の中から選択し用いること
ができる。具体的にはアクリル酸ブチルやアクリル酸2
エチルヘキシル等を主成分とするアクリル系粘着剤、天
然ゴムや各種合成ゴム等を主成分とするゴム系粘着剤、
シリコーン系粘着剤等が挙げられ、これらの一種または
二種以上をそのまま、あるいは必要に応じて架橋剤・可
塑剤・粘着付与剤・酸化防止剤その他の添加剤を添加し
た形で使用することができる。これら粘着剤の中では耐
候性や耐久性等の性能の点でアクリル系粘着剤の使用が
好ましく、耐水性などの点で特に好ましくはアクリル系
溶剤型粘着剤である。
粘着剤層を吸水性ポリマーが重合により片面に付着した
繊維ウェブに設ける方法としては、例えば粘着剤を吸水
性ポリマー付着面に直接塗布したのち乾燥する方法、粘
着剤を塗布し乾燥した離型紙から転着する方法、離型紙
の上に粘着剤を含浸した両面テープをラミネートし、更
に吸水性ポリマーが重合により付着した繊維ウェブをラ
ミネートする方法などが挙げられる。
本発明において、必要に応じ防カビ剤を用いることがで
き、防カビ剤として、たとえば、ベンズイミダゾール系
化合物、フェノール系化合物、チアゾール系化合物等が
挙げられる。これら防カビ剤の1種又は2種以上を用い
ることができる。これら防カビ剤は繊維ウェブ・吸水性
ポリマー・粘着剤の何れの部分にでも添加することがで
きる。
また、4級アンモニウム基を有する(メタ)アクリル酸
アルキルエステルまたはN−置換(メタ)アクリルアミ
ドを吸水性ポリマーを形成するモノマーまたは粘着剤を
形成するモノマーと共重合させることによりカビの発生
を防止することもできる。
〔実 施 例〕
以下実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明が以
下の実施例にのみ限定されるものではない。
−実施例1− 75%が水酸化ナトリウムによって中和された部分中和ア
クリル酸水溶液(モノマー濃度37重量%)100重量部に
N,N′−メチレンビスアクリルアミド1.3重量部、過硫酸
ナトリウム0.2重量部、ヒドロキシエチルセルロース
(ダイセル化学工業(株)製EP−850)0.7重量部を溶解
し、次いで窒素ガスでモノマー水溶液中の溶存酸素を除
去した。このモノマー水溶液の粘度を20℃においてブル
ックフィールド粘度計(ローター回転数3rpm)で測定し
たところ(以下の実施例においても同様)、6900cpsで
あった。
このモノマー水溶液を坪量95g/m2レーヨン−ポリエステ
ル混紡製不織布に片側に、不織布の反対側に露出しない
ようキスコーティングしモノマー水溶液の付着量を100g
/m2とした。
次いで、このモノマー水溶液が付着した不織布を窒素雰
囲気下120℃で5分間保持しモノマーの重合を行い、吸
水性ポリマーが片側に付着した繊維ウェブを得た。
この吸水性ポリマーが片側に付着した繊維ウェブのポリ
マー付着面に、イソシアネート架橋可能な固形分45重量
%の市販のアクリル系溶剤型粘着剤に所定量の三官能イ
ソシアネート架橋剤を配合した混合物を乾燥後の厚みが
30μmとなるよう離型紙上に塗布し乾燥させ溶剤を発揮
させた後転着し、本発明の吸水性シート(1)を得た。
この吸水性シートをガラス製ビーカーの周りに貼り、温
度25℃、相対湿度60%の雰囲気下ビーカーの中に5℃の
氷水を入れたところ結露は全く生じず吸水性シートの表
面も乾いたままであった。またポリマーの脱落も全くな
かった。
−実施例2− 実施例1において繊維ウェブに坪量40g/m2の紙を用いた
他は実施例1と同様にして本発明の吸水性シート(2)
を得た。
この吸水性シートをガラス製ビーカーの周りに貼り、温
度25℃、相対湿度60%の雰囲気下ビーカーの中に5℃の
氷水を入れたところ結露は全く生じず吸水性シートの表
面も乾いたままであった。またポリマーの脱落も全くな
かった。
−実施例3− 実施例1において繊維ウェブに坪量60g/m2のポリプロピ
レン製スパンボンド不織布を用いた他は実施例1と同様
にして本発明の吸水性シート(3)を得た。
この吸水性シートをガラス製ビーカーの周りに貼り、温
度25℃、相対湿度60%の雰囲気下ビーカーの中に5℃の
氷水を入れたところ結露は全く生じず吸水性シートの表
面も乾いたままであった。またポリマーの脱落も全くな
かった。
−実施例4− 実施例1においてヒドロキシエチルセルロースの添加量
を0.35重量部としたモノマー水溶液を坪量50g/m2のパル
プマットの片側にキスコーティングした他は実施例1と
同様にして本発明の吸水性シート(4)を得た。なお、
モノマー水溶液の粘度は600pcsであった。
この吸水性シートをガラス製ビーカーの周りに貼り、温
度25℃、相対湿度60%の雰囲気下ビーカーの中に5℃の
氷水を入れたところ結露は全く生じず吸水性シートの表
面も乾いたままであった。またポリマーの脱落も全くな
かった。
−比較例1− 実施例1のモノマー水溶液に実施例1のレーヨン−ポリ
エステル混紡不織布を浸漬した後ローラーで絞り取りモ
ノマー水溶液の付着量を100g/m2とした。
このモノマー水溶液が全面に含浸付着した不織布を窒素
雰囲気下120℃で5分間保持しモノマーの重合を行い、
吸水性ポリマーが全面に付着した繊維ウェブを得た。
この吸水性ポリマーが全面に付着した繊維ウェブに実施
例1と同様にして粘着剤層を設け、比較吸水性シート
(1)を得た。
この比較吸水性シートをガラス製ビーカーの周りに貼
り、温度25℃、相対湿度60%の雰囲気下ビーカーの中に
5℃の氷水を入れたところ結露は全く生じなかったもの
の、吸水性シートの表面はややしっとりしていた。ポリ
マーの脱落は全くなかった。
−比較例2− 20重量%クロロプレンゴム−トルエン溶液に、メチルエ
チルケトン20重量部を混合した後、純水中の吸水倍率が
100倍の市販のポリアクリル酸ナトリウム系吸水性ポリ
マー16重量部を加え分散させた。
このポリマー分散液を実施例1の不織布の片側に反対側
に露出しないようにアプリケーターで塗布し、乾燥して
吸水性ポリマーの付着量を50g/m2とした。
この吸水性ポリマーがクロロプレンゴムをバインダーと
して付着した不織布のポリマー付着面に実施例1と同様
にして粘着剤層を設け、比較吸水性シート(2)を得
た。
この吸水性シートをガラス製ビーカーの周りに貼り、温
度25℃、相対湿度60%の雰囲気下ビーカーの中に5℃の
氷水を入れたところ、約30分後比較吸水性シート(2)
の表面に結露が発生し、端の部分からポリマーが一部脱
落していた。更に放置すると、吸水性ポリマーが比較吸
水性シート(2)から脱落し粘着剤層から不織布が一部
剥離した。
−比較例3− 比較例1で得た比較吸水性シート(1)の表面(粘着剤
層を設けた側の反対側)にウレタン系接着剤を筋状に塗
り、その上に坪量30g/m2のポリエステル製不織布を貼り
合わせて比較吸水性シート(3)を得た。
この比較吸水性シート(3)をガラス製ビーカーの周り
に貼り、温度25℃、相対湿度60%の雰囲気下ビーカーの
中に5℃の氷水を入れたところ、シートの接着剤を貼っ
た部分の表面に結露が生じていた。
−比較例4− 比較例1で得た、吸水性ポリマーが全面に付着した繊維
ウェブの片側に坪量30g/m2のポリエステル製不織布を重
ね、部分的にヒートシールした。更に、繊維ウェブのも
う片側に実施例1と同様にして粘着剤層を設けて比較吸
水性シート(4)得た。
この比較吸水性シート(4)をガラス製ビーカーの周り
に貼り、温度25℃、相対湿度60%の雰囲気下ビーカーの
中に5℃の氷水を入れたところ、シートのシートシール
を行った部分の表面に結露が生じていた。
〔発明の効果〕
本発明の吸水性シートは以下に示すような効果を奏す
る。
吸水性ポリマーが重合により繊維ウェブに結合してい
るので、多量の水性液体や水蒸気を吸湿した際にポリマ
ーの脱落や移動がない。
粘着剤により水や水蒸気の発生しやすい箇所に直接貼
ることができる。
吸水性ポリマーが表面に露出しないので風合いが良好
となり、またポリマーが直接手などに接することがな
い。
吸水性ポリマーが表面に露出していないので結露水を
吸収した際に表面がドライな状態に保たれ表面の風合い
が良好となる。また汚れやほこりがつきにくい。
吸水性ポリマーが表面に露出していないので表面層に
図柄を用意にプリントすることができる。またプリント
した図柄が落ちたり形が変わったりしない。
従って、本発明の吸水性シートは上記利点を有するの
で、室内や地下室や倉庫などの壁・天井・床・押入の内
部、コンテナの内壁、冷凍宅急便などで用いられる発泡
スチロール容器内、段ボール箱の内側、ビニール袋の内
側、玄関、浴室の入口、窓の下等の結露や液漏れの発生
しやすい箇所に直接適用し、結露防止や液漏れ防止に優
れた効果を示すものである。また、発泡スチロールや段
ボールなどの容器内に適用することにより、それら容器
内の生鮮食品の鮮度保持やドリップ吸収等にも好適に用
いることができる。ただし、この発明の吸水性シートの
用途は上記のものに限定されない。
この発明の吸水性シートの製造方法は、モノマー水溶液
の粘度を上記特定の範囲に設定して行われるので、モノ
マー水溶液を繊維ウェブの片面に付与しやすくなり、上
記のように優れた吸水性シートを容易に得ることができ
る。これに対し、従来公知のように、吸水性ポリマーを
溶剤に溶解または分散した場合、粘度が高いので繊維ウ
ェブへの片面含浸が容易であるが、上述のように吸水性
ポリマーの脱落などの問題が起こる。また、モノマー水
溶液は、粘度を調整しないと、一般に粘度が低いため、
繊維ウェブへ浸透しやすくなり、片面含浸が困難であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B01J 20/26 D 20/28 Z (72)発明者 下村 忠生 大阪府吹田市西御旅町5番8号 日本触媒 化学工業株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−105044(JP,A) 特開 平1−308224(JP,A) 実開 平1−177250(JP,U) 実開 昭63−195555(JP,U) 図解プラスチック用語辞典 牧 廣ら著 日刊工業新聞社 P.289「増粘剤」の 項 (昭和56年12月25日発行)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合により吸水性ポリマーに転換し得る水
    溶性エチレン性不飽和モノマーを繊維ウェブの片面に付
    着させたのち重合することにより吸水性ポリマーをその
    片面に付着させた繊維ウェブと、この繊維ウェブの吸水
    性ポリマーの付着した側に設けられた粘着剤層とを備え
    た吸水性シート。
  2. 【請求項2】重合により吸水性ポリマーを形成し得る水
    溶性エチレン性不飽和モノマーと水溶性高分子化合物と
    を含み粘度200cps以上に調整された水溶液を繊維ウェブ
    の片側に付着せしめた後、前記モノマーの重合を行って
    吸水性ポリマーを繊維ウェブの片面に付着させ、ついで
    吸水性ポリマーが片面に付着した繊維ウェブの吸水性ポ
    リマーの付着した側に粘着剤層を設ける吸水性シートの
    製造方法。
  3. 【請求項3】水溶性高分子化合物がヒドロキシエチルセ
    ルロースである請求項2記載の吸水性シートの製造方
    法。
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