JP3436791B2 - 吸水性複合体の製造方法 - Google Patents

吸水性複合体の製造方法

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JP3436791B2 JP07330594A JP7330594A JP3436791B2 JP 3436791 B2 JP3436791 B2 JP 3436791B2 JP 07330594 A JP07330594 A JP 07330594A JP 7330594 A JP7330594 A JP 7330594A JP 3436791 B2 JP3436791 B2 JP 3436791B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は吸水性複合体の製造方法
に関するものであり、更に詳しくは経時的な寸法・風合
い・色目等の変化が少なく、柔軟でかつ残存モノマーが
少ない高品質の吸水性複合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高吸水能を有する吸水性ポリマー
は、衛生用品の紙オムツや生理用ナプキン、食品用の肉
・魚介類ドリップ吸収体、農園芸分野における保水剤等
でさまざま使用されており、土木材料または建築材料と
しても利用されるようになってきた。しかしながら、こ
れらの従来用いられている吸水性ポリマーは、高吸水性
を有しているものの形状が粉体状であるため取り扱い性
に課題があり吸収体内部でポリマーが移動あるいは脱落
し吸水性能を低下させるという課題があった。
【0003】これらの課題を解決するためにこれまで吸
水性ポリマーと不織布等の基材とが一体となったさまざ
まな吸水性複合体の製造方法が提案されている。例え
ば、特開昭62−22810号公報ではアクリル酸また
はアクリル酸塩のモノマー水溶液を繊維質基体に施した
後、ラジカル重合開始剤を用いて熱重合する吸水性複合
体の製造方法が開示されている。又、特開昭63−10
5044号公報では重合により吸水性ポリマーに転換す
るアクリル酸とアクリル酸塩の混合水溶液を可撓性シー
トに付与した後、電子線照射により重合硬化させる吸水
性複合体の製造方法が開示されている。
【0004】しかしながら、特にモノマー水溶液を基材
に施した後該モノマーを重合して得られる吸水性複合体
においては、得られた吸水性複合体が経時的に黄変して
色目が変わったり、寸法も収縮し、当初の柔軟な風合い
が堅く脆くなり、品質を著しく低下させるという課題が
あった。例えば、上記特開昭63−105044号公報
の実施例では、アクリル酸モノマーとアクリル酸ナトリ
ウムモノマーの混合比がモル比で20:80の混合水溶
液(中和率80モル%;モノマー水溶液のpH値5.
6)をポリウレタンスポンジに含浸後、電子線を照射し
て該重合硬化させた吸水性複合体が示されているが、こ
の方法により得られた吸水性複合体は経時的に上記の様
な劣化が起こり品質が著しく低下し、種々の用途への適
応に際して好ましくないものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記課題を解
決をするものである。従って、本発明の目的は、経時的
な寸法・風合い・色目等の変化が少なく、柔軟でかつ残
存モノマーが少ない高品質の吸水性複合体の製造方法を
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するための方法について鋭意検討した結果、酸基含
有モノマーを必須とするモノマ−成分の水溶液を、特定
のpH値となる様に調整し、これを発泡体に施した後、
該モノマー成分を重合して得られる吸水性複合体が、前
記問題点を解決できることを見出し、本発明に到達し
た。即ち本発明は、酸基含有モノマーを必須とするモノ
マ−成分の水溶液を、pH値が6〜8となる様に調整
し、これを発泡体に施した後、該モノマー成分を重合す
ることを特徴とする吸水性複合体の製造方法を提供する
ものである。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。
【0008】本発明の吸水性複合体の製造方法は、酸基
含有モノマーを必須とするモノマ−成分の水溶液のpH
値を6〜8の範囲にすることを必要とする。pH値が6
〜8の範囲に制御された酸基含有モノマーを必須とする
モノマ−成分の水溶液を発泡体に施した後、該モノマー
を重合することで、経時的に寸法・風合い・色目の変化
が少ない柔軟な吸水性複合体が得られるのである。又、
モノマー成分の水溶液中に予め重合開始剤を含ませてお
くことが好ましく、特に酸化性重合開始剤とアゾ系重合
開始剤を併用して酸基含有モノマーを必須とするモノマ
−成分を重合することで未重合の残存モノマーを著しく
低減させることができる。
【0009】本発明に用いられる酸基含有モノマーとし
ては、重合により吸水性ポリマーに転換し得るものであ
れば特に制限されない。例えば、アクリル酸、メタクリ
ル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル
酸、シトラコン酸および、それらのアルカリ金属塩やア
ンモニウム塩;2−(メタ)アクリロイルエタンスルホ
ン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸、
2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン
酸、および、それらのアルカリ金属塩やアンモニウム塩
等を挙げることができ、これらの1種または2種以上を
用いることができる。好ましくはアクリル酸(塩)であ
る。
【0010】また、モノマ−成分の水溶液のpH値が6
〜8の範囲にある限り、アクリルアミド等の酸基を有し
ないモノマ−を全モノマ−成分に対して50モル%以下
の量使用することも可能である。
【0011】上記モノマ−中には、架橋剤として、メチ
レンビスアクリルアミド、ポリエチレングリコ−ルジア
クリレ−ト、トリメチロールプロパントリアクリレート
等に代表される1分子中にエチレン性不飽和基を2個以
上有する化合物を加えておくことができる。架橋剤の併
用は、得られる吸水性複合体の耐久性や保形性を向上で
きるため好ましい。架橋剤の使用量は、上記モノマーの
種類や重合条件により適宜選択することができるが、一
般に0.001〜10モル%(対酸基含有モノマー)の
範囲であり、好ましくは0.01〜5モル%(対酸基含
有モノマー)の範囲である。
【0012】必要に応じて、上記したモノマーの水溶液
中に重合開始剤や増粘剤、その他の添加剤が加えられて
もよい。その他の添加剤としては紫外線吸収剤、防かび
剤、難燃剤、吸湿剤等の添加剤が挙げられ、新たな機能
を付与することも可能である。
【0013】本発明において、上記の酸基含有モノマー
を必須とするモノマ−成分の水溶液のpH値を6〜8の
範囲に調整することが、得られる吸水性複合体の品質を
高めるために極めて重要である。
【0014】モノマー成分の水溶液のpH値が6〜8の
範囲を離れると、重合時または製品の保存・使用時にス
ポンジ基材またはポリマーの劣化を促進し、製品の寸法
が収縮し、風合いが堅く脆くなり、色目も黄変してしま
うので好ましくない。例えばモノマー成分の水溶液のp
H値が9を越える場合においては、得られる吸水性複合
体は寸法変化が大きく、風合い、色目において、その品
質が大きく低下してしまうという問題を有する。本発明
の吸水性複合体の製造方法における別の利点としては、
使用するモノマー成分の水溶液のpH値が6〜8の範囲
であるために、吸水性複合体製造時の酸またはアルカリ
による薬傷の危険性をも低下でき、更に得られる吸水性
複合体中の残存モノマー量をも低減できるので好まし
い。本発明において、酸基含有モノマ−の濃度は、前記
酸基含有モノマーを必須とするモノマ−成分の水溶液に
対して、通常10重量%〜飽和濃度の範囲が好ましく用
いられるが、得られる吸水性複合体の生産性の観点か
ら、より好ましくは30重量%〜飽和水溶液濃度の範囲
である。
【0015】本発明において、たとえばモノマー成分と
して、37重量%のアクリル酸(ナトリウム)水溶液を
用いる場合、モノマー水溶液のpH値を6〜8にするた
めにはモノマーの中和率を約85モル%から99.5モ
ル%までの極めて狭い範囲に調製する必要がある。pH
値がこの範囲を離れることは上記理由により好ましくな
い。尚、本発明においてpH値がこの範囲となるのであ
れば、くえん酸、燐酸その他のpH調製剤をモノマー水
溶液中に添加しておくことも可能である。
【0016】本発明のモノマー成分の水溶液を施す発泡
体としては、該モノマー成分の水溶液が付着可能な基材
であれば特に制限はされず、軽石等の骨材、発泡スチロ
−ルや発泡フェノ−ル等の発泡体、各種スポンジ状基材
などが挙げられる。中でも好ましくは、高いクッション
性及び広い表面積を持つ連続気泡構造を有するスポンジ
状基材である。本発明のスポンジ状基材を構成する素材
としては親水性、疎水性の何れも使用できる。例えば、
ポリウレタンスポンジ、ポリエチレンフォーム、ポリプ
ロピレンフォーム、ゴムスポンジ、ポリビニルアセター
ル系スポンジ、ビスコーススポンジが挙げられ、これら
の2種以上の複合体も用いることができる。又、着色ま
たは難燃化された上記スポンジ状基材も用いることがで
きる。
【0017】本発明の発泡体にモノマー成分の水溶液を
施す方法としては特に限定はされないが、例えば水溶液
の状態で、発泡体にモノマー成分の水溶液を塗布・印刷
したり、噴霧、含浸する方法等によりモノマーを基材に
付着できる。又、必要に応じて噴霧・含浸後にローラー
等で搾り取り、モノマー付着量をコントロールすること
ができる。また発泡体に対するモノマー成分の水溶液の
付着量としては、固形分換算で発泡体100重量部に対
し、モノマー成分1〜1000重量部の範囲が好まし
い。
【0018】このようにして発泡体に施されたモノマー
成分の水溶液は、公知の手段により重合し、発泡体に吸
水性ポリマーが直接固着した本発明の吸水性複合体とす
ることができる。重合させる方法としては、例えば、
熱、光、放射線、紫外線、マイクロ波等を用いる方法を
採用できる。中でも重合開始剤を用いた熱重合が、得ら
れる吸水性複合体の特性から好ましく、この場合予めモ
ノマー成分の水溶液に重合開始剤を含ませておくと重合
性を更に向上させることができる。重合後、必要によ
り、加熱、常温または減圧乾燥、高湿乾燥、再含水乾
燥、電子線、ガンマー線等の放射線照射、酸化性または
還元性物質の添加処理等の後処理を行い残存モノマー等
をより低減させ更に品質を向上させてもよい。
【0019】本発明のモノマー成分の水溶液に含ませる
重合開始剤としては、水溶性または水と混合・分散可能
な酸化性またはアゾ系のラジカル性重合開始剤が好適で
ある。例えば、酸化性重合開始剤としては、過硫酸ナト
リウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫
酸塩;過酸化水素;ジ第3ブチルペルオキシド、アセチ
ルペルオキシド等の有機過酸化物等が挙げられ、アゾ系
重合開始剤としては、2,2’−アゾビス(2−アミジ
ノプロパン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス(N,N’
ジメチレンイソブチルアミジン)2塩酸塩、4,4’−
アゾビス(4−シアノ吉草酸)等のアゾ化合物を挙げる
ことができる。
【0020】特に、重合開始剤として酸化性重合開始剤
とアゾ系重合開始剤とを併用することが、得られた吸水
性複合体の残存モノマーを格段に少なくすることができ
好ましい。アゾ系重合開始剤と酸化性重合開始剤とを併
用することで、重合初期における重合を迅速に開始でき
ると共に重合後期の重合率を著しく高めることができ
る。
【0021】酸化性重合開始剤およびアゾ系重合開始剤
の使用量は各々モノマーに対して0.001〜10g/
モルであり、重合性、安全性の観点から各々0.01〜
5g/モルが好ましい。重合開始剤量が各々0.001
g/モル未満であるとモノマーの重合性が低下し、各々
10g/モルを越えると重合後に重合開始剤が残存し安
全性に問題が生じる。又、酸化性重合開始剤およびアゾ
系重合開始剤を併用する場合の混合比は酸化性重合開始
剤量100重量部に対してアゾ系重合開始剤量は100
重量部〜1重量部の範囲が好ましく、これよりもアゾ系
重合開始剤の割合が多くなると得られる吸水性複合体は
吸水時にぬめりが生じ好ましくない。
【0022】又、必要によりこれらの酸化性重合開始剤
とアゾ系重合開始剤の併用に加え、更に上記重合開始剤
を複数併用したり亜硫酸塩やL−アスコルビン酸等の還
元性物質を添加してレドックス重合を行っても良い。
【0023】発泡体は、広い表面積を持つ連続気泡構造
内に被吸収液体を迅速に吸収する吸収能及び高断熱性等
を持っているが、この発泡体に吸水性ポリマーを重合に
より直接固着させる本発明の吸水性複合体は吸水性ポリ
マーの吸水・吸湿特性と共に上記発泡体の特性も合わせ
持ったものとなる。特に、発泡体としてスポンジ状基材
を用いると、更にクッション性に優れ、柔軟性,風合い
の優れた吸水性複合体とすることが可能である。従っ
て、血液等の吸水性ポリマーのみでは吸収し難い液体で
あっても迅速に多量に吸収でき、衛生材料や食品分野の
用途に好適である。その他にもクッション性と吸水性と
を要求される液漏れ防止材や包装材としても用いられ、
断熱性の観点から窓、押入、コンテナ等の結露防止材と
しても有効である。
【0024】以上の本発明の製造方法で得られた吸水性
複合体は接合剤や溶融接合等によって更に疎水性フィル
ムや断熱材との複合化や粘着剤層を設けることができ、
用途に応じた製品設計を行うことができる。
【0025】
【作用】本発明の製造方法によれば、酸基含有モノマー
を必須とするモノマ−成分の水溶液のpH値を6〜8の
範囲に調整することで、重合時または製品の保存・使用
時に酸またはアルカリによる発泡体またはポリマーの劣
化を防ぐことができ経時的に、製品の寸法変化がなく、
柔軟な風合を保持し、変色のない保存安定性に優れた高
品質の吸水性複合体を得ることができる。
【0026】又、モノマー水溶液を施してなる発泡体
は、高いクッション性及び広い表面積を持つ連続気泡構
造内に被吸収液体を迅速に吸収する吸収性能及び高断熱
性等の特性を持っており、この発泡体と吸水性ポリマー
が直接固着し一体となった本発明の吸水性複合体は、吸
水性ポリマーの吸水・吸湿特性と共に上記発泡体の特性
を合わせ持ったものとなる。特に、発泡体としてスポン
ジ状基材を用いると、更にクッション性に優れ、柔軟性
や風合いの優れた吸水性複合体とすることが可能であ
る。従って、その断熱性と吸収性の効果により、その吸
水性複合体は結露防止や血液等の吸水性ポリマーのみで
は吸収し難い液体であっても迅速に吸収できるものとな
る。
【0027】更に、モノマー水溶液に含ませる重合開始
剤として、酸化性重合開始剤とアゾ系重合開始剤とを併
用することで、得られた吸水性複合体の残存モノマーを
格段に少なくすることができるのみならす、優れた経時
安定性を有する吸水性複合体を提供できる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳しく説明
するが本発明がこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0029】尚、実施例記載の吸水量、残存モノマー
量、寸法変化率を下記の方法で測定した。
【0030】(吸水量)5*5cmに切り取った吸水性
複合体の乾燥試料をイオン交換水100mlが入った1
20mlビーカー内に入れ1時間浸漬した。その後、濾
紙上で20秒間吸引し余分な水を取り除き試料重量を測
定した。下記の式に従い吸水量を算出した。
【0031】吸水量(g/m2)=(吸水後の重量−初
期乾燥重量)/試料サイズ (残存モノマー量)乾燥ポリマー量が0.5gとなる吸
水性複合体の試料を細かく細断し1Lのイオン交換水中
に分散・攪拌せしめ2時間後分散液をワットマン濾紙で
濾過し濾液中の残存モノマー量をHPLCを用い測定し
た。その測定値により吸水性ポリマー中の残存モノマー
量を求めた。
【0032】(寸法変化率)100mm*100mmの
吸水性複合体の試料の4辺の寸法を正確に測定し室内で
2ヶ月放置した。その後、試料の4辺を測定し下記の式
に従って寸法変化を算出した。尚、記載した測定値は4
辺各々の寸法変化率を百分率で表した値の平均値であ
る。
【0033】寸法変化率=(初期の寸法−2ヶ月後の寸
法)/初期の寸法 (実施例1)99モル%が水酸化ナトリウムにより中和
された部分中和アクリル酸ナトリウム水溶液にN,N’
−メチレンビスアクリルアミド1.0モル%(対アクリ
ル酸ナトリウムモノマー)および過硫酸ナトリウム1.
5g/モル(対アクリル酸ナトリウムモノマー)を溶解
し36重量%のモノマー水溶液を調製した。このモノマ
ー水溶液のpH値は7.0であった。次にこのモノマー
水溶液に、坪量が80g/m2のポリウレタンスポンジ
を浸漬し、該水溶液を含浸させた後、余分なモノマー水
溶液をローラーで絞り取った。この含浸物を加熱しラジ
カル重合を行って、92g/m2の吸水性ポリマーが基
材に直接固着した吸水性複合体(1)を得た。 得られ
た吸水性複合体の吸水量は3900g/m2で残存モノ
マー量は900ppmであった。又、吸水性複合体
(1)は厚みのある連続気泡構造となっておりその断熱
性と吸収効果により結露防止効果に優れ、水溶液、体
液、血液等を迅速に吸収できうるものであった。
【0034】次にこの吸水性複合体(1)の寸法変化を
調べたところ寸法変化率は0%で全く収縮は起こらなか
った。又、風合いについては寸法変化試験前と同じく柔
軟な風合い及びクッション性を保持し、色目についても
ポリウレタンスポンジ基材自体の変色と同程度の僅かな
変色にとどまった。
【0035】(実施例2)実施例1の重合開始剤である
過硫酸ナトリウム1.5g/モルを過硫酸ナトリウム
1.0g/モル及び2,2’−アゾビス(N,N’ジメ
チレンイソブチルアミジン)2塩酸塩0.5g/モルに
変更して、酸化性重合開始剤とアゾ系重合開始剤とを併
用した他は実施例1と同じ条件でモノマー水溶液を調製
した(pH値7.0)。次にこのモノマー水溶液に、坪
量が80g/m2のポリウレタンスポンジを浸漬し、該
水溶液を含浸させた後、余分なモノマー水溶液をローラ
ーで絞り取った。この含浸物を加熱しラジカル重合を行
って、95g/m2の吸水性ポリマーが基材に直接固着
した吸水性複合体(2)を得た。
【0036】得られた吸水性複合体の吸水量は4000
g/m2で残存モノマー量は200ppmであった。重
合開始剤として酸化性重合開始剤のみを用いた場合、実
施例1と比べアゾ系重合開始剤を併用することにより残
存モノマー量の低減が見られた。又、吸水性複合体
(2)は厚みのある連続気泡構造となっておりその断熱
性と吸収効果により結露防止効果に優れ、水溶液、体
液、血液等を迅速に吸収できうるものであった。
【0037】次にこの吸水性複合体(2)の寸法変化を
調べたところ寸法変化率は0%で全く収縮は起こらなか
った。又、風合いについては寸法変化試験前と同じく柔
軟な風合い及びクッション性を保持し、色目についても
ポリウレタンスポンジ基材自体の変色と同程度の僅かな
変色にとどまった。
【0038】(比較例1)80モル%が水酸化ナトリウ
ムにより中和された部分中和アクリル酸ナトリウム水溶
液にN,N’−メチレンビスアクリルアミド1.0モル
%(対アクリル酸ナトリウムモノマー)及び過硫酸ナト
リウム1.5g/モル(対アクリル酸ナトリウムモノマ
ー)を溶解し37重量%のモノマー水溶液を調製した。
このモノマー水溶液のPH値は5.6であった。次にこ
のモノマー水溶液に、坪量が80g/m2のポリウレタ
ンスポンジを浸漬し、該水溶液を含浸させた後、余分な
モノマー水溶液をローラーで絞り取った。この含浸物を
加熱しラジカル重合を行って、85g/m2の吸水性ポ
リマーが基材に直接固着した比較吸水性複合体(1)を
得た。得られた比較吸水性複合体(1)の吸水量は34
00g/m2で残存モノマー量は1100ppmであっ
た。
【0039】次にこの比較吸水性複合体(1)の寸法変
化を調べたところ寸法変化率は3%でかなりの寸法収縮
が明らかに認められた。又、風合いについても寸法変化
試験前と比べてかなり脆堅くなっており、色目について
もポリウレタンスポンジ自体の変色と比べて黄変の度合
が著しかった。又、モノマー取り扱い時に鼻をつく酸臭
が認められた。
【0040】(比較例2)60モル%が水酸化ナトリウ
ムにより中和された部分中和アクリル酸ナトリウム水溶
液にN,N’−メチレンビスアクリルアミド1.0モル
%(対アクリル酸ナトリウムモノマー)及び過硫酸ナト
リウム1.5g/モル(対アクリル酸ナトリウムモノマ
ー)を溶解し46重量%のモノマー水溶液を調製した。
このモノマー水溶液のpH値は5.1であった。次にこ
のモノマー水溶液に、坪量が80g/m2のポリウレタ
ンスポンジを浸漬し、該水溶液を含浸させた後、余分な
モノマー水溶液をローラーで絞り取った。この含浸物を
加熱しラジカル重合を行って、110g/m2の吸水性
ポリマーが基材に直接固着した比較吸水性複合体(2)
を得た。得られた比較吸水性複合体(2)の吸水量は4
500g/m2で残存モノマー量は950ppmであっ
た。
【0041】次にこの比較吸水性複合体(2)の寸法変
化を調べたところ寸法変化率は4%でかなりの寸法収縮
が明らかに認められた。又、風合いについても寸法変化
試験前と比べてかなり脆堅くなっており、色目について
もポリウレタンスポンジ基材自体の変色と比べて黄変の
度合が著しかった。又、モノマー取り扱い時に鼻をつく
酸臭が認められた。
【0042】(比較例3)100モル%が水酸化ナトリ
ウムにより中和された部分中和アクリル酸ナトリウム水
溶液にN,N’−メチレンビスアクリルアミド1.0モ
ル%(対アクリル酸ナトリウムモノマー)及び過硫酸ナ
トリウム1.5g/モル(対アクリル酸ナトリウムモノ
マー)を溶解し36重量%のモノマー水溶液を調製し
た。このモノマー水溶液のpH値は9.1であった。次
にこのモノマー水溶液に、坪量が80g/m2のポリウ
レタンスポンジを浸漬し、該水溶液を含浸させた後、余
分なモノマー水溶液をローラーで絞り取った。この含浸
物を加熱しラジカル重合を行って、80g/m2の吸水
性ポリマーが基材に直接固着した比較吸水性複合体
(3)を得た。得られた比較吸水性複合体(3)の吸水
量は3200g/m2で残存モノマー量は960ppm
であった。
【0043】次にこの比較吸水性複合体(3)の寸法変
化を調べたところ寸法変化率は2%でかなりの寸法収縮
が明らかに認められた。又、風合いについても寸法変化
試験前と比べてかなり脆堅くなっており、色目について
もポリウレタンスポンジ基材自体の変色と比べて黄変の
度合が著しかった。
【0044】(実施例3)実施例1の重合開始剤である
過硫酸ナトリウム1.5g/モルをアゾ系重合開始剤で
ある2,2’−アゾビス(N,N’ジメチレンイソブチ
ルアミジン)2塩酸塩1.5g/モルに変更した他は実
施例1と同じ条件でモノマー水溶液を調製した。次にこ
のモノマー水溶液(pH値7.0)に、坪量が80g/
2のポリウレタンスポンジを浸漬し、該水溶液を含浸
させた後、余分なモノマー水溶液をローラーで絞り取っ
た。この含浸物を加熱しラジカル重合を行って、91g
/m2の吸水性ポリマーが基材に直接固着した吸水性複
合体(3)を得た。得られた吸水性複合体(3)の吸水
量は3800g/m2であり、残存モノマー量は850
ppmであった。吸水性複合体(3)の寸法変化率は0
%であり、風合いについても寸法変化試験前と同じく柔
軟な風合い及びクッション性を保持し、色目についても
ポリウレタンスポンジ基材自体の変色と同程度の僅かな
変色にとどまった。
【0045】
【発明の効果】本発明の吸水性複合体の製造方法によれ
ば、経時的な寸法・色目の変化が少なく、柔軟性を保持
した、残存モノマーも少ない吸水性複合体を得ることが
できる。
【0046】従って、極めて品質及び安全性の高い吸水
性複合体が得られることから本発明の吸水性複合体は衛
生用品の紙オムツ、生理用ナプキン等や食品用の肉・魚
介類のドリップ吸収体等の吸水剤として用いることがで
きる。その他にも液漏れ防止材や包装材としても好適で
あり、空調機、窓、押入、コンテナ、建材等の結露防止
材や油中水分除去材料、杭引き抜き用潤滑材、蒸発体と
しても使用できる。
【0047】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 信幸 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地 の1 株式会社日本触媒 高分子研究所 内 (56)参考文献 特開 昭63−105044(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 9/36,7/04,7/16

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸基含有モノマーを必須とするモノマ−
    成分の水溶液を、pH値が6〜8となる様に調整し、こ
    れを発泡体に施した後、該モノマー成分を重合すること
    を特徴とする吸水性複合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 酸基含有モノマーがアクリル酸である請
    求項1記載の吸水性複合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 酸基含有モノマーを必須とするモノマ−
    成分の水溶液に重合開始剤を含ませてなる請求項1また
    は2記載の吸水性複合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 重合開始剤として酸化性重合開始剤とア
    ゾ系重合開始剤とを併用する請求項3記載の吸水性複合
    体の製造方法。
  5. 【請求項5】 酸化性重合開始剤100重量部に対する
    アゾ系重合開始剤の量が1〜100重量部の範囲である
    請求項4記載の吸水性複合体の製造方法。
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