JP2010501698A - 優れたゲル完全性、吸収能力、および透過性を有する超吸収性ポリマー - Google Patents
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Abstract
優れたゲル完全性、吸収能力、および透過性を有する超吸収性ポリマー粒子が開示される。また、超吸収性ポリマー粒子にポリアミンコーティングを塗布することによって、前記粒子を製造する方法も開示される。
Description
本発明は、改善されたゲル完全性、吸収能力、および透過性を有する超吸収性ポリマー粒子に関する。本発明はまた、表面架橋された超吸収性ポリマー粒子、ポリアミン、水、ヒドロキシ基を有する任意の共溶媒、および任意の架橋剤から超吸収性ポリマー粒子を製造する方法にも関する。前記ポリアミンコーティングされた粒子は、本質的に吸収性に悪影響を及ぼすことなく、優れたゲルベッド透過性およびゲル完全性を示す。いくつかの実施形態において、超吸収性ポリマー粒子はまた、減少した凝集傾向も有する。また、本発明は、おむつ、生理用品および創傷被覆材などの用品におけるポリアミンコーティングされた超吸収性ポリマー粒子の使用にも関する。
吸水性樹脂は、生理用品、衛生用品、ワイピングクロス、保水剤、脱水剤、スラッジ凝固剤、使い捨てタオルおよびバスマット、使い捨てドアマット、増粘剤、ペット用使い捨てトイレマット、凝縮防止剤、ならびに種々の化学薬品用の放出制御剤に広く使用されている。吸水性樹脂は、デンプンアクリロニトリルグラフトポリマー、カルボキシメチルセルロース、架橋ポリアクリレート、スルホン化ポリスチレン、加水分解ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、およびポリアクリロニトリルの加水分解生成物などの置換または未置換の天然および合成ポリマーを含めた、種々の化学形態で利用できる。尿などの電解質含有水溶液の吸収に最も一般的に使用されているSAPは、中和ポリアクリル酸、すなわち、中和カルボキシル基を約50%〜100%含有するポリアクリル酸である。
このような吸水性樹脂は、「超吸収性ポリマー」、すなわちSAPと呼ばれ、通常は軽度に架橋された親水性ポリマーである。SAPは、それぞれ参考として本明細書で援用される、米国特許第5669894号および第5599335号(Goldman et al.)で概説されている。SAPは、化学的同一性が異なることがあるが、いずれも、中程度の圧力下でさえSAPそのものの質量の何倍にも相当する量の水溶液を吸収および保持することができる。例えば、SAPは、SAPそのものの質量の100倍以上の蒸留水を吸収することができる。封圧下で水溶液を吸収する能力は、おむつなどの衛生用品で使用されるSAPにとって重要な要件である。
本明細書で使用される「ベースポリマー粒子」、「表面架橋SAP粒子」、および「SAP粒子」という用語は、乾燥状態にある超吸収性ポリマー粒子、すなわち、水を全く含有しないものから、粒子そのものの質量よりも少ない量の水を含有するものまでの粒子を指す。「ベースポリマー粒子」は、表面架橋プロセス前のSAP粒子である。「表面架橋SAP粒子」とは、以下でより詳細に説明する通り、表面架橋プロセスに供したベースポリマー粒子である。「粒子」という用語は、果粒、繊維、フレーク、球体、粉末、血小板、ならびに超吸収性ポリマーの当業者に既知のその他の形状および形態を指す。「SAPゲル」および「SAPヒドロゲル」という用語は、水和状態にある超吸収性ポリマー、すなわち、水中で少なくとも粒子そのものの質量、典型的には粒子そのものの質量の数倍を吸収した粒子を指す。「コーティングされたSAP粒子」および「コーティングされた表面架橋ポリマー粒子」という用語は、本発明の粒子、すなわち、ポリアミンと任意の架橋剤とを含むポリアミンコーティングを有するSAP粒子を指す。
「表面処理(された)」および「表面架橋(された)」という用語は、SAP、すなわち、粒子表面に塗布される化合物により架橋される粒子表面付近に分子鎖が存在する粒子である、ベースポリマーを指す。「表面架橋」という用語は、ベースポリマー粒子の表面付近の官能性架橋レベルが、一般的にベースポリマー粒子内部の官能性架橋レベルよりも高いことを意味する。本明細書で使用される「表面」とは、粒子の外側に面した境界を表す。多孔質SAP粒子の場合は、露出した内部表面も表面の定義に含まれる。
「ポリアミンコーティング」という用語は、SAP粒子表面のコーティングであって、(a)少なくとも2つ、典型的には複数の第一級および/または第二級および/または第三級および/または第四級窒素原子を含有するポリマーと、(b)水と、(c)任意の共溶媒と、(d)任意の架橋剤とを含む、コーティングを指す。典型的には、水および任意の共溶媒の少なくとも一部が、SAP粒子にコーティングを塗布するステップ中にコーティングから蒸発する。この共溶媒は、ポリアミンコーティングされたSAPの表面を親水性から疎水性に変換することができる。
SAP粒子は、製造の容易性および費用、化学的同一性、物理的特性、吸水率、ならびに吸水度および保水度が異なるため、理想的な吸水性樹脂が設計の難しい化合物となる可能性がある。例えば、デンプンアクリロニトリルグラフトポリマーの加水分解生成物は、比較的高い吸水能力を有するが、製造には厄介なプロセスが必要となり、低い耐熱性、およびデンプンの存在による崩壊または分解という欠点を有する。逆に、その他の吸水性ポリマーは、容易にかつ安価で製造され、分解されないが、流体およびデンプンアクリロニトリルグラフトポリマーを吸収しない。
したがって、製造が困難な粒子の優れた流体吸収性に匹敵するように、安定し、製造が容易なSAP粒子の流体吸収性を向上させる方法を提供することが、広範な研究開発で対象とされてきた。同様に、既に優れているSAP粒子の流体吸収性をさらに向上させることも有利であると思われる。
SAP粒子の1つの望ましい特性を改善すると、SAP粒子の別の望ましい特性に悪影響が及ぶことが多いことから、これは達成が困難な目標である。例えば、吸収性とゲル透過性は相反する特性である。したがって、おむつにSAP粒子を使用する場合に十分な流体吸収、液体輸送、ならびにおむつおよび皮膚の乾燥を提供するためには、吸収性とゲル透過性と間の均衡のとれた関係が望まれる。
この点では、その後の圧力下で流体を保持するSAP粒子の能力が重要な特性であるだけでなく、同時に作用する圧力に対する流体の吸収度、すなわち流体吸収時の能力もまた重要である。これは実際には、小児または成人が衛生用品に座るか横になる場合、またはせん断力(例えば、脚の動作)が衛生用品に作用する場合が当てはまる。この吸収性は、荷重吸収度と呼ばれる。
衛生用品の分野(例えば、おむつ設計の分野)における現在の傾向は、セルロースファイバーの含有量が減少し、SAPの含有量が増加した、より一層薄型のコア構造へと向かっている。これは、乳児用おむつおよび成人用失禁製品では特に重要な傾向である。おむつのコア材がより薄型になるほど、SAP粒子は、これまでフラッフパルプによって提供されてきた特性を有することが求められる。例えば、おむつのコア材の液体吸収量は、SAPに対するフラッフの比率を高めることによって増強される。また、コア材の完全性は、SAPに対する繊維フラッフのより高い比率を使用する場合により高くなる。
この傾向により、SAPに必要とされる性能プロファイルが大きく変化した。当初、SAPの開発は、きわめて高い吸収性および膨潤性に焦点が置かれていたものの、その後になって、流体を粒子内部に、およびSAP粒子のベッドに透過し分散させるSAP粒子の能力もきわめて重要であると判断された。従来のSAPは、流体に湿潤すると表面が著しく膨潤し、その結果、粒子内部への流体輸送が大幅に損なわれるか、または完全に妨害される。これまでおむつのコア材には大量のセルロースファイバーが含まれており、流体を素早く吸収して、最終的にはSAP粒子に分散させ、かつ流体輸送の妨害を防ぐためにSAP粒子を物理的に分離させていた。
衛生用品の単位面積当たりに含まれるSAP粒子の量を増やしても、膨潤したポリマー粒子がその後の汚水の吸収に対するバリア層を形成することがあってはならない。したがって、優れた透過性を有するSAPによって、衛生用品全体の最適な利用が保証されている。これによって、極端な場合には衛生用品の漏れをも生じるゲルブロッキング現象が防止される。したがって、流体の透過および分散は、最初の体液吸収の点で最も重要である。
しかし、SAP粒子の吸収性と透過性は相反するものであることから、他方の特性に悪影響を及ぼすことなく一方の特性を改善するのは困難である。研究者等は、特に荷重下におけるSAP粒子の流体吸収量および保持量、ならびに流体吸収速度を改善する種々の方法を研究してきた。SAP粒子の吸収性および保持特性を改善する1つの好適な方法は、SAP粒子を表面処理することである。
SAP粒子を含むポリマー上でペンダントカルボン酸基と反応することができる複数の官能基を有する架橋剤を用いたSAP粒子の表面処理は、数多くの特許で開示されている。表面処理により、吸収性およびゲル剛性が改善され、流体流動性が向上し、SAP粒子の凝集が防止され、ゲル強度が改善される。
一般的に、表面架橋SAP粒子は、同程度の内部架橋を有するものの表面架橋は有さないSAP粒子よりも、高い流体吸収値および流体保持値を示す。内部架橋は、SAP粒子を含むモノマーの重合により生じ、ポリマーの骨格に存在する。表面架橋により、SAP粒子の変形に対する抵抗性が向上することから、得られたヒドロゲルが外圧下で変形した場合に、隣接するSAP粒子の表面間の接触度が低下するという仮説が立てられている。吸収値および保持値が表面架橋により向上する度合いは、内部架橋および表面架橋の相対量および相対分布、ならびに特定の表面架橋剤および表面架橋方法に関連する。
本発明は、ポリアミン、水、任意の共溶媒、および任意の架橋剤でコーティングされた表面架橋SAP粒子を対象とする。コーティングされたSAP粒子は、SAP粒子の流体吸収性(例えば、遠心力保持能力(CRC))に実質的な悪影響を及ぼすことなく、改善されたゲルベッド透過性(GBP)およびゲル完全性(GI)を示す。
本発明は、優れたゲル完全性、吸収能力、および透過性を有する表面架橋されたSAP粒子を対象とする。より具体的には、本発明は、ポリアミン、水、任意の共溶媒、および任意の架橋剤を含むコーティング(以下「ポリアミンコーティング」と呼ぶ)を有する表面架橋SAP粒子を対象とする。表面架橋されたSAP粒子上のポリアミンコーティングを硬化させる条件下では、少なくとも水の一部と多くの場合は任意の共溶媒の一部が、典型的にはこのコーティングから蒸発する。本発明はまた、ポリアミンコーティングされたSAP粒子を製造する方法も対象とする。ポリアミン表面コーディングは親水性であってもよければ、疎水性であってもよい。
本発明の一態様は、優れたゲルベッド透過性、高い荷重吸収度、優れたゲル完全性、および高い遠心力保持能力を有する表面架橋されたSAP粒子であって、生理食塩水、血液、尿および月経分泌物などの電解質含有流体を吸収および保持する改善された能力を示すSAP粒子を提供することである。
本発明の別の態様は、上に列挙した特性および減少した凝集傾向を有するポリアミンコーティングされた表面架橋SAP粒子を提供することである。ポリアミンコーティングは、SAP粒子の表面架橋が完了した後に塗布される。
本発明のさらに別の態様は、約25℃〜100℃の温度でポリアミン水溶液、任意の共溶媒、および任意の架橋剤を個別にまたは組み合わせて表面架橋SAP粒子の表面に塗布し、約5分〜約60分間混合することによって、本発明のコーティングされたSAP粒子を製造することである。
本発明の尚別の態様は、疎水性表面を有するポリアミンコーティングされた表面架橋SAP粒子を提供することである。このようなSAP粒子は減少した凝集傾向を有する。ポリアミンコーティングされた表面は、ポリアミンコーティングプロセスに共溶媒を含めることによって、疎水性化される。前記粒子は、共溶媒の非存在下でポリアミンをコーティングした同一のSAP粒子に比べて、減少した凝集傾向を有する。
本発明の別の態様は、優れた荷重吸収度(AUL)を保持しながら、少なくとも約25g/g(グラム/グラム)の遠心力保持能力(CRC)、少なくとも2のゲル完全性(GI)、少なくとも200ダルシーの自由膨潤ゲルベッド透過性、好ましくは少なくとも3ダルシーのゲルベッド透過性(GBP)(0.3psi)を有する、ポリアミンコーティングされた表面架橋SAP粒子を提供することである。驚くべきことに、これらの吸収性、透過性、およびゲル完全性は、ポリアミンコーティングされたSAP粒子の流体吸上指数から本質的に独立している。
本発明のさらに別の態様は、本発明のポリアミンコーティングされたSAP粒子を含むコア材を有する吸収性衛生用品(例えば、おむつ)を提供することである。おむつのコア材は、典型的には、50質量%を超える本ポリアミンコーティングSAP粒子を含有する。
本発明の別の態様は、比較的高濃度のポリアミンコーティングされたSAP粒子を含有するコア材を有する吸収性衛生用品であって、本質的に吸収材の特性を減少させることなくゲル透過性およびゲル完全性の改善をもたらし、好ましくは減少した凝集傾向を有する吸収性衛生用品を提供することである。
本発明のこれらおよびその他の態様および利点は、以下に記載する好適な実施形態の詳細な説明により明らかになるであろう。
本発明は、ポリアミン、水、任意の共溶媒、および任意の架橋剤でコーティングされた表面架橋SAP粒子を対象とする。体液を吸収するパーソナルケア製品で使用されるSAPは周知である。SAP粒子は、典型的には、不飽和カルボン酸のポリマーまたはその誘導体である。これらのポリマーは、二官能性または多官能性内部架橋剤でポリマーを架橋することによって、不水溶性にされるが、水膨潤性にはされない。これらの内部架橋ポリマーは、少なくとも部分的に中和されており、ポリマーによる体液などの水溶液の吸収を可能にするペンダントアニオンカルボキシル基をポリマー骨格に含有する。これらのSAP粒子は、粒子表面でペンダントアニオンカルボキシ基を架橋する後処理に供される。
SAPは、既知の重合法によって、好ましくはゲル重合による水溶液中での重合によって製造される。この重合プロセスの生成物は、機械力によってサイズを小粒子に縮小した後、当該技術分野で既知の乾燥手順および乾燥装置を使用して乾燥させた水性ポリマーゲル(すなわち、SAPヒドロゲル)である。乾燥プロセスの後、得られたSAP粒子を所望の粒径に粉砕する。
流体吸収プロファイルを改善するためには、吸収能力、吸収速度、吸収時間、ゲル強度および/または透過性の1つ以上についてSAP粒子を最適化する。最適化によって、衛生用品におけるセルロース系ファイバーの量が減少し、より薄型の用品の提供が可能となる。しかし、これらの吸収プロファイル特性をすべて同時に最大化することは困難であるか、不可能である。
SAP粒子の流体吸収プロファイルを最適化する1つの方法は、所定の粒度分布のSAP粒子を提供することである。特に、粒度が小さすぎる粒子は、流体の吸収後に膨潤し、さらなる流体の吸収をブロックすることができる。粒度の大きすぎる粒子は、表面積が小さくなり、吸収速度が低下する。
したがって、SAP粒子の粒度分布は、SAP粒子による流体の透過性、吸収および保持が最大化される程度のものである。SAP粒子を凝集させて過大な粒子を得るその後のプロセスは、いずれも回避しなければならない。特に、SAP粒子の凝集は、見た目の粒度を増加させ、SAP粒子の表面積を縮小し、ひいてはSAP粒子による液体の吸収に悪影響を及ぼす。
本発明は、表面架橋されたSAP粒子の吸収プロファイルを改善する際に生じる問題の克服を対象とする。というのも、1つの特性を改善すると、2つ目の特性に悪影響を及ぼすことが多いためである。本発明のポリアミンコーティングされたSAP粒子は、高い遠心力保持能力(CRC)と優れたゲルベッド透過性(GBP)と良好なゲル完全性(GI)という相反する特性を維持する。これらの問題は、ポリアミンコーティングによって、またいくつかの実施形態においては本発明のポリアミンコーティングされたSAP粒子が凝集する傾向の減少によって、克服される。
パーソナルケア製品で増量したSAP粒子と減量したセルロースを使用するためには、高い流体透過性を維持することが重要である。特に、体液の存在下で膨潤させることによって形成されるSAP粒子のヒドロゲル層の透過性は、生成物からの漏出の問題を克服するのにきわめて重要である。透過性が不足すると、体液を吸収して分散させるSAP粒子のヒドロゲル層の能力に直接影響が及ぶ。
ポリアミンは、セルロース(すなわち、フラッフ)に付着することが知られており、ポリアミンコーティングされたSAPは、より能力の低いSAPほど、一括測定した場合の透過性がいくらか改善される。非架橋ポリアミンでSAP粒子をコーティングすると、ポリアミン分子の柔軟性が高いために、セルロースファイバーへの付着が改善される。好ましくは、SAP粒子へのポリアミンの共有結合が回避される。というのも、SAP粒子の架橋度が高くなり、粒子の吸収能力が低下するためである。さらに、SAP粒子表面へのポリアミンの共有結合は、典型的には150℃を超える温度で生じ、このことはSAP粒子の色のほか、最終的には衛生用品の顧客受容性にまで悪影響を及ぼす。
SAP粒子の透過性を改善するためのカチオン化合物(例えば、ポリアミン)の塗布は、すでに開示されている。国際特許公開第03/043670号では、ポリアミン分子が共有結合により互いに架橋している、SAP粒子のポリアミンコーティングが開示されている。国際特許公開第95/22356号および米国特許第5849405号では、尿に含まれる少なくとも1つの成分(例えば、リン酸イオン、硫酸イオン、または炭酸イオン)との反応性を有する、SAPと吸収性修飾ポリマーとの混合物(例えば、カチオンポリマー)を含む吸収材が開示されている。また、国際特許公開第97/12575号では、さらなる架橋を行わないポリカチオン化合物の塗布が開示されている。
線維性マトリックスへのポリアミンコーティングされた超吸収性物質の組込みを開示するその他の特許(例えば、米国特許第5641561号、米国特許第5382610号、欧州特許第0493011号、および国際特許公開第97/39780号)は、乾燥状態および湿潤状態での構造安定性が改善された吸収材に関する。前記吸収剤は、ヒドロゲルを形成するSAP粒子、その表面の吸収粒子に結合したポリカチオンポリマー、およびSAP粒子と担体層との間の接着剤として作用する接着マイクロファイバーを含む。担体層は織布であってもよければ不織布であってもよく、ポリカチオンポリマーはポリアミンであってもよければ、ポリイミンであっても、またはこれらの混合物であってもよい。米国特許第5324561号では、アミンエピクロロヒドリン付加物(例えば、KYMENE(登録商標)製品)に直接架橋したSAPが開示されている。
本発明に基づき、ポリアミン溶液および任意の共溶媒でコーティングされた表面架橋SAP粒子が開示されている。本発明のSAP粒子は、ベースポリマーを含む。ベースポリマーは、ホモポリマーであってもよければ、コポリマーであってもよい。ベースポリマーの同一性は、このポリマーがアニオンポリマーであり(すなわち、ペンダント酸部分を含有し)、中和形態の場合に水中で膨潤して、ポリマーそのものの質量の少なくとも10倍を吸収することができる限り、限定されない。好適なベースポリマーは、少なくとも一部が塩の形態(一般的には、アルカリ金属またはアンモニウム塩の形態)である酸性基を有する架橋ポリマーである。
ベースポリマーは、中和形態で存在するペンダント酸部分(すなわち、カルボン酸部分)の少なくとも約25%を有する。好ましくは、ベースポリマーは、中和形態で存在するペンダント酸部分の約50mol%〜約100mol%、より好ましくは約65mol%〜約80mol%を有する。本発明によれば、ベースポリマーは、約25〜約100の中和度(DN)を有する。
SAP粒子のベースポリマーは、ポリマーそのものの質量の数倍を水中および/または生理食塩水中で吸収することができる、軽度に架橋されたポリマーである。SAP粒子は、超吸収性ポリマーを製造する従来のいずれのプロセスによっても製造することができ、当業者に周知である。
SAP粒子を製造する1つのプロセスは、それぞれ参考として本明細書で援用される、米国特許第4076663号、第4286082号、第4654039号、および第5145906号に記載される溶液重合法である。別のプロセスは、それぞれ参考として本明細書で援用される、米国特許第4340706号、第4497930号、第4666975号、第4507438号、および第4683274号に記載される逆相懸濁重合法である。
本発明で有用なSAP粒子は、カルボキシル、カルボン酸無水物、カルボン酸塩、スルホン酸、スルホネート、硫酸、硫酸塩、リン酸、リン酸塩、ホスホン酸、またはホスホン酸塩などの少なくとも1つの酸部分を有する1つ以上のモノエチレン性不飽和化合物から製造される。本発明で有用なSAP粒子は、好ましくは、カルボキシルまたはカルボン酸無水物を含有する1つ以上のモノエチレン性不飽和、水溶性モノマー、ならびにそのアルカリ金属およびアンモニウム塩から製造され、これらのモノマーは、好ましくはベースポリマーの50〜99.9mol%を含む。
SAP粒子のベースポリマーは、好ましくは、軽度に架橋されたアクリル樹脂(例えば、軽度に架橋されたポリアクリル酸)である。典型的には、軽度に架橋されたベースポリマーは、アシル部分(例えば、アクリル酸)、または酸性基を提供することができる部分(すなわち、アクリロニトリル)を含有する酸性モノマーを、内部架橋剤(すなわち、多官能性有機化合物)の存在下で重合することによって製造される。ベースポリマーは、実質的に(すなわち、少なくとも10%、好ましくは少なくとも25%)酸性モノマー単位(例えば、アクリル酸(メタクリル酸)である限り、当該技術分野で周知の他の共重合単位(すなわち、他のモノエチレン性不飽和コモノマー)を含有することができる。本発明のすべての利点を達成するには、ベースポリマーは、少なくとも50%、より好ましくは少なくとも75%、最高100%の酸性モノマー単位を含有する。例えば、他の共重合単位は、ポリマーの親水性の改善を促進することができる。
ベースポリマーで有用なエチレン性不飽和カルボン酸モノマーおよびカルボン酸無水物モノマーには、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリン酸、α−クロロアクリル酸、α−シアノアクリル酸、β−メチルアクリル酸(クロトン酸)、α−フェニルアクリル酸、β−アクリルオキシプロピオン酸、ソルビン酸、α−クロロソルビン酸、アンゲリカ酸、桂皮酸、p−クロロ桂皮酸、β−ステアリルアクリル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、アコニット酸、マレイン酸、フマル酸、トリカルボキシエチレン、および無水マレイン酸が含まれる。
エチレン性不飽和スルホン酸およびホスホン酸モノマーには、脂肪族または芳香族ビニルスルホン酸(例えば、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニルトルエンスルホン酸、スチレンスルホン酸)、アクリルおよびメタクリルスルホン酸(例えば、アクリル酸スルホエチル、メタクリル酸スルホエチル、アクリル酸スルホプロピル、メタクリル酸スルホプロピル、2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルホスホン酸、アリルホスホン酸)、およびこれらの混合物が含まれる。
好適な非限定的モノマーには、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、ならびにこれらのナトリウム塩、カリウム塩およびアンモニウム塩が含まれる。特に好適なモノマーは、アクリル酸である。
ベースポリマーは、ペンダント酸性基を有さないが、酸性基を有するモノマーと共重合することができる、さらなるモノエチレン性不飽和モノマーを含んでもよい。このような化合物には、例えば、モノエチレン性不飽和カルボン酸のアミドおよびニトリル(例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、およびメタクリロニトリル)が含まれる。その他の適切なコモノマーの例には、飽和C1-4カルボン酸のビニルエステル(例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、およびプロピオン酸ビニル)、アルキル基に少なくとも2つの炭素原子を有するアルキルビニルエーテル(例えば、エチルビニルエーテルおよびブチルビニルエーテル)、モノエチレン性不飽和C3-18アルコール、およびアクリル酸、メタクリル酸またはマレイン酸のエステル、マレイン酸のモノエステル(例えば、マレイン酸メチル水素);アルコキシル化一価飽和アルコールのアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル(例えば、アルコール1モル当たり2〜200モルのエチレンオキシドおよび/または酸化プロピレンと反応させた10〜25個の炭素原子を有するアルコール)、ならびにポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコールのモノアクリル酸エステルおよびモノメタクリル酸エステル(例えば、前記ポリアルキレングリコールのモル質量(Mn)は、最高約2,000である)が含まれるが、これらに限定されない。さらなる適切なコモノマーには、スチレンおよびアルキル置換スチレン(例えば、エチルスチレンおよびtert−ブチルスチレン)、ならびに2−ヒドロキシ−アクリル酸エチルが含まれるが、これらに限定されない。
酸性モノマーおよびいずれかの共重合モノマーの重合は、最も一般的には、多官能性有機化合物の存在下におけるフリーラジカルプロセスによって行われる。ベースポリマーは、不水溶性になるほど十分に内部架橋されている。内部架橋によって、ベースポリマーは実質的に不水溶性となり、ベースポリマーの吸収能力を決定するのにある程度役立つ。吸収用途での使用のため、ベースポリマーは、軽度に架橋されており、すなわち、約20%未満、好ましくは約10%未満、最も好ましくは約0.01%〜約7%の架橋密度を有する。
架橋剤は、最も好ましくは、モノマーの総質量を基準として約7質量%未満、典型的には約0.1質量%〜約5質量%の量で使用される。架橋ポリビニルモノマーの例には、以下の式(I)で表わされるポリアクリル(またはポリメタクリル)酸エステル、および以下の式(II)で表されるビスアクリルアミドが含まれるが、これらに限定されない:
[式中、
Xは、エチレン、プロピレン、トリメチレン、シクロヘキシル、ヘキサメチレン、2−ヒドロキシプロピレン、−(CH2CH2O)nCH2CH2−、または
であり、
nおよびmはそれぞれ整数5〜40であり、
kは1または2である]、
[式中、
lは2または3である]。
Xは、エチレン、プロピレン、トリメチレン、シクロヘキシル、ヘキサメチレン、2−ヒドロキシプロピレン、−(CH2CH2O)nCH2CH2−、または
nおよびmはそれぞれ整数5〜40であり、
kは1または2である]、
lは2または3である]。
式(I)の化合物は、ポリオール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、1,6−ヘキサン−ジオール、グリセリン、ペンタエリトリトール、ポリエチレングリコール、またはポリプロピレングリコール)をアクリル酸またはメタクリル酸と反応させることによって製造される。式(II)の化合物は、ポリアルキレンポリアミン(例えば、ジエチレントリアミンおよびトリエチレンテトラミン)をアクリル酸と反応させることによって得られる。
特定の内部架橋剤には、ジアクル酸1,4−ブタンジオール、ジメタクリル酸1,4−ブタンジオール、ジアクル酸1,3−ブチレングリコール、ジメタクリル酸1,3ブチレングリコール、ジアクル酸ジエチレングリコール、ジメタクリル酸ジエチレングリコール、エトキシ化ジアクル酸ビスフェノールA、エトキシ化ジメタクリル酸ビスフェノールA、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジアクル酸1,6−ヘキサンジオール、ジメタクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジメタクリル酸ネオペンチルグリコール、ジアクル酸ポリエチレングリコール、ジメタクリル酸ポリエチレングリコール、ジアクル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジアクル酸トリプロピレングリコール、ジアクル酸テトラエチレングリコール、ジメタクリル酸テトラエチレングリコール、ペンタアクリル酸ジペンタエリトリトール、テトラアクリル酸ペンタエリトリトール、トリアクリル酸ペンタエリトリトール、トリアクリル酸トリメチロールプロパン、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン、トリアクリル酸トリス(2−ヒドロキシエチル)−イソシアヌレート、エトキシ化トリアクリル酸トリメチロールプロパン(ETMPTA)(例えば、平均15モルのエチレンオキシド(EO)でエトキシ化されたETMPTA)、トリメチルアクリル酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ポリカルボン酸のジビニルエステル、ポリカルボン酸のジアリルエステル、テレフタル酸トリアリル、マレイン酸ジアリル、フマル酸ジアリル、ヘキサメチレンビスマレイミド、トリメリット酸トリビニル、アジピン酸ジビニル、コハク酸ジアリル、エチレングリコールのジビニルエーテル、ジアクリル酸シクロペンタジエン、ハロゲン化テトラアリルアンモニウム、ジビニルベンゼン、ジビニルエーテル、フタル酸ジアリル、またはこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。特に好適な部架橋剤は、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−メチレンビスメタクリルアミド、ジメタクリル酸エチレングリコール、およびトリアクリル酸トリメチロールプロパンである。
ベースポリマーは、中和形態でSAPの役割を果たす、ペンダント酸部分を有するいずれの内部架橋ポリマーでもあってもよい。ベースポリマーの例には、ポリアクリル酸、加水分解デンプン−アクリロニトリルグラフトコポリマー、デンプン−アクリル酸グラフトコポリマー、鹸化酢酸ビニル−アクリル酸エステルコポリマー、加水分解アクリロニトリルコポリマー、加水分解アクリルアミドコポリマー、エチレン−無水マレイン酸コポリマー、イソブチレン−無水マレイン酸コポリマー、ポリ(ビニルスルホン酸)、ポリ(ビニルホスホン酸)、ポリ(ビニルリン酸)、ポリ(ビニル硫酸)、スルホン化ポリスチレン、ポリ(アスパラギン酸)、ポリ(乳酸)、およびこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。好適なベースポリマーは、アクリル酸またはメタクリル酸のホモポリマーまたはコポリマーである。
フリーラジカル重合は、開始剤によるか、または重合性水性混合物に作用する電子線によって開始される。重合はまた、このような開始剤がなくても、光開始剤の存在下での高エネルギー放射線作用により開始することができる。
有用な重合開始剤には、重合条件下でフリーラジカルに分解する化合物(例えば、過酸化物、ヒドロペルオキシド、過硫酸塩、アゾ化合物、およびレドックス触媒が含まれるが、これらに限定されない。水溶性開始剤が好ましい。場合によっては、異なる重合開始剤の混合物(例えば、過酸化水素とペルオキソ二硫酸ナトリウムまたは過硫酸カリウムとの混合物)が使用される。過酸化水素とペルオキソ二硫酸ナトリウムとの混合物は、いずれの割合でもあってもよい。
適切な有機過酸化物の例には、過酸化アセチルアセトン、過酸化メチルエチルケトン、tert−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ペルピバル酸tert−アミル、ペルピバル酸tert−ブチル、ペルネオヘキサン酸tert−ブチル、ペルイソブチル酸tert−ブチル、ペル−2−エチルヘキサン酸tert−ブチル、ペルイソノナン酸tert−ブチル、ペルマレイン酸tert−ブチル、ペル安息香酸tert−ブチル、ペルオキシジカルボン酸ジ(2−エチルヘキシル)、ペルオキシジカルボン酸ジシクロヘキシル、ペルオキシジカルボン酸ジ(4−tert−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシ、ペルオキシジカルボン酸ジミリスチル、ペルオキシジカルボン酸ジ−アセチル、アリルペルエステル、ペルオキシネオデカン酸クミル、ペル−3,5,5−トリメチルヘキサン酸tert−ブチル、アセチルシクロヘキシルスルホニルペルオキシド、ジラウリルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、およびペルネオデカン酸tert−アミルが含まれるが、これらに限定されない。特に適切な重合開始剤は、水溶性アゾ開始剤(例えば、二塩酸2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)、二塩酸2,2’−アゾビス(N、N’−ジメチレン)イソブチルアミジン、2−(カルバモイルアゾ−イソブチロニトリル)、2、2’−アゾビス[(2−(2’−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、および4,4’−アゾビス(4−シアノバレリアン酸))である。重合開始剤は、例えば、重合するモノマーを基準として0.01質量%〜5質量%、好ましくは0.05質量%〜2.0質量%の量で使用される。
重合開始剤にはレドックス触媒も含まれる。レドックス触媒では、酸化化合物が、上で指定したペル化合物の少なくとも1つを含み、還元成分が、例えば、アスコルビン酸、グルコース、ソルボース、重亜硫酸アンモニウムまたは重亜硫酸アルカリ金属、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、次亜硫酸塩、ピロ亜硫酸塩、もしくは硫化物、または金属塩(例えば、鉄(II)イオンもしくはヒドロキシメチルスルホキシル酸ナトリウム)を含む。レドックス触媒の還元成分は、好ましくはアスコルビン酸または亜硫酸ナトリウムである。例えば、重合で使用するモノマーの量を基準として、約3×10-6〜約1mol%のレドックス触媒系の還元成分を使用することができ、約0.001〜約5.0mol%のレドックス触媒の酸化成分を使用することができる。
高エネルギー放射線を使用して重合を開始した場合、開始剤は、典型的には光開始剤を含む。光開始剤には、例えば、αスプリッター、水素引抜系、およびアジ化物が含まれる。このような開始剤の例には、ベンゾフェノン誘導体(例えば、ミヒラーケトン)、フェナントレン誘導体、フルオレン誘導体、アントラキノン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ベンゾインエーテルおよびその誘導体、アゾ化合物(例えば、上述のフリーラジカル形成剤、置換ヘキサアリールビスイミダゾール、アシルホスフィンオキシド)、またはこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
アジ化物の例には、4−アジド桂皮酸2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル4−アジドナフチルケトン、4−アジド安息香酸2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、5−アジド−1−ナフチル2’−(N,N−ジメチルアミノ)エチルスルホン、N(4−スルホニルアジドフェニル)−マレイミド、N−アセチル−4−スルホニルアジドアニリン、4−スルホニル−アジドアニリン、4−アジドアニリン、4−臭化アジドフェナシル、p−アジド安息香酸、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサノン、および2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノンが含まれるが、これらに限定されない。光開始剤は、仮に使用されるとしても、重合するモノマーの約0.01質量%〜約5質量%の量で使用されるのが慣例的である。
前述の通り、ベースポリマーは、部分的に中和される。中和度は、酸性基を含有するモノマーを基準として、約25mol%〜約100mol%、好ましくは約50mol%〜90mol%である。重合度は、酸性基を含有するモノマーを基準として、より好ましくは約60mol%超、さらにより好ましくは約65質量%〜約90質量%、最も好ましくは約65mol%〜約80mol%である。
ベースポリマーに有用な中和剤には、アルカリ金属ベース、アンモニア、および/またはアミンが含まれる。好ましくは、中和剤には、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、または水酸化リチウムが含まれる。しかし、中和はまた、固体または溶液として、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、もしくは炭酸水素カリウム、またはその他の炭酸塩もしくは重炭酸塩を使用して達成することができる。ベースポリマーを中和するのに、第一級、第二級および/または第三級アミンを使用することができる。
ベースポリマーの中和は、この目的に適切な装置での重合前、重合中または重合後に行うことができる。例えば、中和は、モノマーの重合に使用されるニーダー内で直接行われる。
本発明によれば、モノマー水溶液の重合、すなわちゲル重合が好ましい。この方法では、フリーラジカル開始剤の存在下において、内部架橋剤を含めた10質量%〜70質量%のモノマー水溶液が中和される。溶液重合は、0℃〜150℃にて、好ましくは10℃〜100℃にて、かつ大気圧、超大気圧、または減圧下で行われる。重合はまた、保護ガス雰囲気下、好ましくは窒素下でも行うことができる。
重合後、得られたベースポリマーのヒドロゲルを乾燥させ、乾燥させたベースポリマー粒子を粉砕して、最適な流体吸収プロファイルの所定のサイズに分類する。次いで、本発明によれば、ベースポリマー粒子を表面架橋する。ポリアミンコーティングプロセスステップと表面架橋プロセスステップは異なるものであり、ベースポリマー粒子の表面に異なる特性を付与するものであることを理解しなければならない。ベースポリマー粒子は、ポリアミンコーティングの塗布前に表面架橋される。
表面架橋されたポリマー粒子にポリアミンコーティングを塗布する一実施形態においては、ベースポリマー粒子の表面に表面架橋剤が塗布される。次いで、得られたポリマー粒子が、十分な時間にわたり、かつ十分な温度にて加熱され、ベースポリマー粒子を表面架橋する。次に、水に溶解したポリアミンと任意の共溶媒を含有し、さらに任意の架橋剤も含有するコーティング溶液が、表面架橋SAP粒子の表面に塗布される。ポリアミンコーティングは、約25℃〜100℃、好ましくは約50℃〜100℃の温度を有する表面架橋SAP粒子に塗布される。ポリアミンコーティングは、表面架橋ステップ後に、表面架橋されたSAP粒子に塗布され、この段階で、表面架橋されたSAP粒子は冷え始めているが、依然として温かい。したがって、ポリアミンコーティングは、表面架橋されたSAP粒子の潜熱を使用して塗布される。必要に応じて、外部熱源を使用して、最高約100℃のポリアミンコーティングされたSAP粒子の所望の温度を達成することもできる。
ポリアミンコーティングを表面架橋SAP粒子に塗布した後、コーティングしたSAP粒子を約5〜約60分間混合して、表面架橋したポリマー粒子上に均一のポリアミンコーティングを形成し、本発明のSAP粒子を提供する。ポリアミンコーティングは、任意の共溶媒の非存在下において親水性であり、任意の共溶媒の存在下においては疎水性である。
ポリアミンコーティング溶液の成分は、1つ、2つまたは3つの溶液からいずれの順序でSAP粒子に塗布することもできる。特に、共溶媒および任意の架橋剤は、ポリアミンとは別に、および互いに別々に表面架橋SAP粒子に塗布することができる。あるいは、ポリアミン、任意の共溶媒、および任意の架橋剤は、単一の溶液から投与し塗布することもできる。
表面架橋プロセスでは、ベースポリマーの官能基と反応することができる多官能化合物が、好ましくは水溶液を使用して、ベースポリマー粒子の表面に塗布される。水溶液はまた、アルコール(例えば、メタノール、エタノールもしくはi−プロパノール)、多価アルコール(例えば、エチレングリコールもしくはプロピレングリコール)、またはアセトンのような水混和性有機溶媒を含有してもよい。
表面架橋剤溶液は、ポリアミンの塗布前または塗布後のいずれかに、ベースポリマー粒子の外面のみを主に湿潤させる量でベースポリマー粒子に塗布される。好ましくは、少なくともベースポリマー粒子の湿潤させた表面を加熱することによって、ベースポリマー粒子の表面架橋および乾燥が行われる。
ベースポリマー粒子は、適切な溶媒中に典型的には約0.01質量%〜約4質量%の表面架橋剤、好ましくは約0.4質量%〜約2質量%の表面架橋剤を含有する表面架橋剤溶液で表面処理される。前記溶液は、転動自在なベースポリマー粒子表面に微細なスプレーとして、約1:0.01〜1:0.5のベースポリマー粒子と表面架橋剤溶液の質量部比率で塗布することができる。表面架橋剤は、ベースポリマー粒子の0.001質量%〜約5質量%、好ましくは約0.001質量%〜約0.5質量%の量で存在する。本発明のすべての利点を達成するには、表面架橋剤は、ベースポリマー粒子の約0.001質量%〜約0.2質量%の量で存在する。
ベースポリマー粒子の表面架橋と乾燥は、表面処理したベースポリマー粒子を適切な温度(例えば、約70℃〜約200℃、好ましくは105℃〜180℃)で加熱することによって達成される。適切な表面架橋剤は、ベースポリマー粒子の表面で酸部分と架橋ポリマーと反応することができる。
適切な表面架橋剤の非限定例には、炭酸アルキレン(例えば、炭酸エチレンまたは炭酸プロピレン)、ポリアジリジン(例えば、2,2−ビスヒドロキシメチルブタノールトリス[3−(1−プロピオン酸アジリジン)]またはビス−N−アジリジノメタン)、ハロエポキシ(例えば、エピクロロヒドリン)、ポリイソシアネート(例えば、2,4−ジイソイアン酸トルエン)、ジグリシジルまたはポリグリシジル化合物(例えば、ホスホン酸ジグリシジル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、またはポリアルキルエンエチレングリコールのビスクロロヒドリンエーテル)、アルコキシシリル化合物、多価アルコール(例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、グリセリン、メチルトリグリコール、200〜10,000の平均分子量Mwを有するポリエチレングリコール、ジグリセロールおよびポリグリセロール、ペンタエリトリトール、ソルビトール、これらの多価アルコールのエトキシレート、およびカルボン酸または炭酸(例えば、炭酸エチレンまたは炭酸プロピレン)を有するこれらのエステル)、炭酸誘導体(例えば、尿素、チオ尿素、グアニジン、ジシアンジアミド、2−オキサゾリジノンおよびその誘導体、ビスオキサゾリン、ポリオキサゾリン、ジイソシアネートおよびポリイソシアネート)、ジ−N−メチロールおよびポリ−N−メチロール化合物(例えば、メチレンビス(N−メチロールメタクリルアミド)またはメラミンホルムアルデヒド樹脂)、複数のブロックイソシアネート基を有する化合物(例えば、2,2,3,6−テトラメチルピペリジン−4−オンでブロックされたジイソシアン酸トリメチルヘキサメチレン)、2−ヒドロキシエチルオキサゾリジノン、参考として本明細書で援用される米国特許第6239230号に開示されるヒドロキシアルキルアミド、ならびに当業者に既知のその他の表面架橋剤が含まれるが、これらに限定されない。
ポリアミンは、表面架橋ステップが完了した後に、ポリマー粒子に塗布される。ポリアミン含有溶液は、適切な溶媒中で約5質量%〜約50質量%のポリアミンを含む。典型的には、ポリアミンを容易かつ均質にベースポリマー粒子の表面に塗布するのに十分な量の溶媒が存在する。ポリアミン溶液の溶媒は、典型的には水を含む。
表面架橋ポリマー粒子の表面に塗布されるポリアミンの量は、表面架橋ポリマー粒子をコーティングするのに十分な量である。したがって、表面架橋ポリマー粒子の表面に塗布されるポリアミンの量は、表面架橋ポリマー粒子の質量の約0.1%〜約2%、好ましくは約0.2%〜約1%である。本発明のすべての利点を達成するには、ポリアミンは、表面架橋ポリマー粒子の約0.2質量%〜約0.5質量%の量で、表面架橋ポリマー粒子の表面に存在する。
ポリアミンは、ベースポリマーまたは表面架橋ポリマーとイオン結合を形成することができ、表面架橋ポリマーが流体を吸収し膨潤した後にも表面架橋粒子への接着力を保持する。好ましくは、ポリアミンと表面架橋ポリマー粒子との間に過度な量の共有結合が形成されず、ポリアミンと表面架橋ポリマー粒子の相互作用は、静電結合、水素結合、およびファンデルワールス相互作用などの分子間相互作用である。したがって、表面架橋ポリマー粒子上にポリアミンが存在しても、表面架橋ポリマー粒子の吸収プロファイルに悪影響が及ぶことはない。
本発明で有用なポリアミンは、1分子当たり少なくとも2つ、好ましくは複数の窒素原子を有する。ポリアミンは、典型的には約5,000〜約1,000,000、好ましくは20,000〜約600,000の質量平均分子量(Mw)を有する。本発明のすべての利点を達成するには、ポリアミンは、約100,000〜約400,000のMwを有する。
一般的に、有用なポリアミンポリマーは、(a)第一級アミン基、(b)第二級アミン基、(c)第三級アミン基、(d)第四級アンモニウム基、または(e)これらの混合物を有する。ポリアミンの例には、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン、ポリアルキレンアミン、ポリアゼチジン、ポリビニルグアニジン、ポリ(DADMAC)(すなわち、ポリ(塩化ジアリルジメチルアンモニウム))、カチオン性ポリアクリルアミド、ポリアミン官能性ポリアクリレート、およびこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
例えば、ビニルアミンコポリマーに変換されたビニルホルムアミドのコポリマーおよびコモノマーなどの、ビニルアミンのホモポリマーおよびコポリマーを使用することができる。コモノマーは、ビニルホルムアミドと共重合することができるいずれのモノマーであってもよい。このようなモノマーの非限定例には、アクリルアミド、メタクリルアミド、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、エチレン、プロピレン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルイミダゾール、スルホネート基またはホスホネート基を含有するモノマー、ビニルグリコール、アクリルアミド(メタクリルアミド)アルキレントリアルキルアンモニウム塩、ジアリルジアルキルアンモニウム塩、C1-4アルキルビニルエーテル(例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル)、C1-4アルキル基で置換されるN置換アルキルアクリルアミド(メタクリルアミド)(例えば、N−メチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、およびN,N−ジメチルアクリルアミド)、C1-20アクリル酸アルキルエステル(メタクリル酸アルキルエステル)(例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸ヒドロキシブチル、アクリル酸2−メチルブチル、アクリル酸3−メチルブチル、アクリル酸3−ペンチル、アクリル酸ネオペンチル、アクリル酸2−メチルペンチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸トリル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−オクチル、アクリル酸ノニル、およびメタクリル酸オクチル)が含まれるが、これらに限定されない。
特定のポリビニルアミンコポリマーには、N−ビニルホルムアミドおよび酢酸ビニルのコポリマー、プロピオン酸ビニル、C1-4アルキルビニルエーテル、アクリル酸(メタクリル酸)エステル、アクリロニトリル、アクリルアミド、ならびにビニルピロリドンが含まれるが、これらに限定されない。
ポリアミンコーティングは、表面架橋ポリマー粒子に塗布される場合、親水性である。ポリアミンコーティングは、ポリアミンコーティングプロセスに共溶媒を含めることによって、疎水性にすることができる。任意の共溶媒は、少なくとも1つ、多くの場合は2つまたは3つのヒドロキシ基を含有する。有用な共溶媒には、アルコール、ジオール、トリオール、およびこれらの混合物(例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールオリゴマー、プロピレングリコールオリゴマー、グリセリン、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、および類似のヒドロキシ含有溶媒)が含まれるが、これらに限定されない。エチレングリコールまたはプロピレングリコールのオリゴマーは、2〜4個の酸化エチレンモノマー単位または酸化プロピレンモノマー単位を含有する。
本発明によれば、ポリアミンと表面架橋SAP粒子との間に形成される共有結合の数は、仮に存在するとしても少ない。ポリアミンコーティングは、ベースSAP粒子の表面に粘着性を付与する場合があり、これによって、特にポリアミンコーティングが親水性である場合に、コーティングされたベースポリマー粒子の凝塊または凝集が生じる。この潜在的な問題を克服するために、ポリアミンコーティングの架橋剤を使用することができる。
ポリアミンコーティングの架橋は、表面架橋とは異なる。ポリアミンコーティングの架橋剤は、ポリアミンの窒素原子間に架橋を形成する。表面架橋剤は、ベースポリマーのカルボキシル基と架橋を形成する。さらに、表面架橋剤は、ポリアミンコーティングを塗布する前にベースポリマーに塗布され、反応させられる。但し、いくつかの実施形態において、ポリアミンコーティングの架橋剤は、ポリアミンの窒素原子とベースポリマーの少数のカルボキシル基と反応する場合があることと理解しなければならない。
ポリアミンコーティングの架橋剤は、本質的に有機架橋剤であってもよければ、無機架橋剤であってもよい。有機架橋剤は、ポリアミンの窒素原子と反応して、ポリアミン窒素原子と共有結合を形成する。無機架橋剤は、ポリアミンコーティングの窒素原子を介してイオン架橋を形成する。架橋剤は個別に使用することもできれば、混合物(例えば、無機架橋剤の混合物、有機架橋剤の混合物、または無機架橋剤と有機架橋剤との混合物)で使用することもできる。
一実施形態において、架橋剤は、(a)多価金属カチオン(すなわち、2、3または4の原子価を有する金属カチオン)、(b)多価アニオン(すなわち、2以上の原子価を有するアニオン)、または(c)多価カチオンと多価アニオンの両方、を有する塩を含有する溶液であり、表面架橋ポリマー粒子の表面に塗布される。本実施形態において、前記塩は、時期尚早の架橋反応を回避するために、ポリアミンとは別々に表面架橋ポリマー粒子に塗布される。塩は、ポリアミンが表面架橋ポリマー粒子の表面に添加される前に表面架橋ポリマー粒子に塗布することもできれば、添加後に塗布することもできる。
多価金属カチオンおよび多価アニオンは、ポリアミンの窒素原子と相互作用する(例えば、イオン架橋を形成する)ことができる。その結果、非粘着性ポリアミンコーティングがベースポリマー粒子の表面に形成され、本発明のコーティングされたSAP粒子を生じる。
本発明によれば、ベースポリマー粒子の表面に塗布される塩は、ポリアミンの窒素原子と相互作用する多価金属カチオンおよび/または多価アニオンが得られるように、十分な水溶性を有する。したがって、有用な塩は、水100mL当たり少なくとも0.01gの塩、好ましくは水100mL当たり少なくとも0.02gの塩の水溶性を有する。
前記塩の多価金属カチオンは、+2、+3または+4の原子価を有し、Mg2+、Ca2+、Al3+、Sc3+、Ti4+、Mn2+、Fe2+/3+、Co2+、Ni2+、Cu+/2+、Zn2+、Y3+、Zr4+、La3+、Ce4+、Hf4+、Au3+、およびこれらの混合物であってもよいが、これらに限定されない。好適なカチオンは、Mg2+、Ca2+、Al3+、Ti4+、Zr4+、La3+、およびこれらの混合物であり、特に好適なカチオンは、Al3+、Ti4+、Zr4+、およびこれらの混合物である。多価カチオンを有する塩のアニオンは、前記塩が十分な水溶性を有する限り、限定されない。アニオンの例には、塩化物、臭化物および硝酸塩が含まれるが、これらに限定されない。
前記塩の多価アニオンは、−2、−3または−4の原子価を有する。多価アニオンは、化学構造が無機体であってもよければ、有機体であってもよい。多価アニオンの同一性は、アニオンがポリアミンの窒素原子と相互作用する能力を有する限り、限定されない。
多価無機アニオンの例には、硫酸塩、リン酸塩、二リン酸水素、およびホウ酸塩が含まれるが、これらに限定されない。多価有機アニオンの例には、ポリカルボン酸の水溶性アニオンが含まれるが、これらに限定されない。特に、前記アニオンは、シュウ酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、アスパラギン酸、マロン酸、および場合によりヒドロキシ基および/またはアミノ基を含有する類似の水溶性ポリカルボン酸などのジカルボン酸またはトリカルボン酸のアニオンであってもよい。さらなる有用な多価アニオンには、ポリカルボキシルアミノ化合物(例えば、ポリアクリル酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンビス(オキシエチレンニトリル)四酢酸(EGTA)、ジエチレントリアミノペンタ酢酸(DTPA)、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、およびこれらの混合物)が含まれる。
さらに、多価金属カチオンおよび多価アニオンを含有する塩は、前記塩が、溶媒に溶解させて表面架橋SAP粒子に均質に塗布するのに十分な水溶性を有する限り、使用することができる。
前記塩は、任意の有機架橋剤とともにコーティング溶液中に存在してもよい。例えば、前記塩は、典型的には約0.5質量%〜20質量%の量でコーティング溶液中に存在する。コーティング溶液中に存在する塩の量、および表面架橋ポリマー粒子に塗布する量は、塩の同一性、コーティング溶液の溶媒への可溶性、表面架橋ポリマー粒子に塗布するポリアミンの同一性、および表面架橋ポリマー粒子に塗布するポリアミンの量に関連する。一般的に、表面架橋ポリマー粒子に塗布する塩の量は、非粘着性モノリシックポリアミンコーティングを形成して、本発明のコーティングされたSAP粒子を提供するのに十分である。
別の実施形態において、有機架橋剤は、ポリアミンとともに使用することができる。さらに別の実施形態においては、有機架橋剤が表面架橋ポリマー粒子に塗布された後に、ポリアミン溶液が塗布される。任意の共溶媒は、有機架橋剤またはポリアミンの塗布前または塗布後に、有機架橋剤とともに、ポリアミンとともに、これらの両方とともに、または単独で表面架橋ポリマー粒子に塗布することができる。いずれの場合も、その後SAP粒子は、ポリアミンと架橋剤との間に架橋を形成するのに十分な時間にわたり、十分な温度に維持される。
有機架橋プロセスでは、ポリアミンのアミノ基と反応することができる多官能化合物が、表面架橋ポリマー粒子の表面に塗布される。有機架橋剤は、表面架橋剤と同じであっても異なっていてもよい。但し、上で考察した通り、表面架橋剤とポリアミンの架橋剤は、異なるプロセスステップ中にベースポリマー粒子に塗布され、SAP粒子は異なる温度で維持され、すなわち、表面架橋プロセスは、より高温を使用してベースポリマーのカルボキシ基との反応を起こし、ポリアミン架橋プロセスは、より低温を使用してポリアミンの窒素原子を介した架橋を起こす。
有機架橋プロセスでは、典型的には架橋剤水溶液が使用される。前記水溶液はまた、アルコール(例えば、メタノール、エタノールもしくはi−プロパノール)、多価アルコール(例えば、エチレングリコールもしくはプロピレングリコール)、またはアセトンのような水混和性有機溶媒を含有してもよい。
有機架橋剤溶液は、ポリアミンの塗布中または塗布後に、表面架橋ポリマー粒子の外面のみを主に湿潤させる量で表面架橋ポリマー粒子に塗布される。次いで、架橋剤をポリアミンの窒素原子と反応させるのに適切な温度(例えば、約25℃〜100℃、好ましくは約50℃〜約100℃、より好ましくは約60℃〜約90℃)に、少なくとも表面架橋ポリマー粒子の湿潤した表面を約5分〜約60分間維持することによって、表面架橋ポリマー粒子の架橋および乾燥が達成される。
表面架橋ポリマー粒子は、適切な溶媒中に典型的には約0.5質量%〜約20質量%の架橋剤、好ましくは約3質量%〜約15質量%の架橋剤を含有する有機架橋剤溶液で処理される。有機架橋剤は、仮に存在するとしても、表面架橋ポリマー粒子の0.001質量%〜約0.5質量%、好ましくは約0.001質量%〜約0.3質量%の量で存在する。本発明のすべての利点を達成するには、有機架橋剤は、表面架橋ポリマー粒子の約0.001質量%〜約0.1質量%の量で存在する。
適切な有機架橋剤の非限定例には、炭酸アルキレン(例えば、エチレンカーボネートまたはプロピレンカーボネート)、ポリアジリジン(例えば、2,2−ビスヒドロキシメチルブタノールトリス[3−(1−プロピオン酸アジリジン)]またはビス−N−アジリジノメタン)、ハロエポキシ(例えば、エピクロロヒドリン)、ポリイソシアネート(例えば、2,4−ジイソイアン酸トルエン)、ジグリシジルまたはポリグリシジル化合物(例えば、ホスホン酸ジグリシジル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、またはポリアルキルエンエチレングリコールのビスクロロヒドリンエーテル)、アルコキシシリル化合物、炭酸誘導体(例えば、尿素、チオ尿素、グアニジン、ジシアンジアミド、2−オキサゾリジノンおよびその誘導体、ビスオキサゾリン、ポリオキサゾリン、ジイソシアネートおよびポリイソシアネート)、ジ−N−メチロールおよびポリ−N−メチロール化合物(例えば、メチレンビス(N−メチロールメタクリルアミド)またはメラミンホルムアルデヒド樹脂)、複数のブロックイソシアネート基を有する化合物(例えば、2,2,3,6−テトラメチルピペリジン−4−オンでブロックされたジイソシアン酸トリメチルヘキサメチレン)、多官能性アルデヒド、多官能性ケトン、多官能性アセタール、多官能性ケタール、ならびに当業者に既知のその他の有機架橋剤が含まれるが、これらに限定されない。有機架橋剤は単独で使用することもできれば、組み合わせて使用することもできる。
有機架橋剤溶液は、ポリアミン含有溶液が表面架橋ポリマー粒子の表面に塗布されるのと同時に、またはその前後に、表面架橋ポリマー粒子の表面に塗布される。ポリアミンは、表面架橋ステップが完了した後に、粒子に塗布される。
本発明によれば、ポリアミン、ならびに任意の無機および/または有機架橋剤は、それぞれがポリマー粒子の表面に均一に分散するように、表面架橋ポリマー粒子に塗布される。架橋剤に加えて、他の任意の成分も、ポリアミンとともに表面架橋SAP粒子に塗布することができる。このような任意の成分には、例えばポリアミンコーティングされたSAP粒子に凝結防止特性を付与する粘土およびシリカが含まれるが、これらに限定されない。粘土およびシリカはまた、ポリアミンコーティングを塗布し硬化させた後にも、ポリアミンコーティングされたSAP粒子に塗布することができる。
流体を固体に塗布するいずれの既知の方法も、好ましくは、例えば加圧ノズルまたは回転ディスクを使用してコーティング溶液を微細な液滴に分散させることによって、表面架橋ポリマー粒子へのポリアミンコーティングの塗布に使用することができる。表面架橋ポリマー粒子の均一なコーティングは、表面架橋ポリマー粒子をガス乱流に懸濁させる高強度の機械式ミキサーまたは流動式ミキサーで達成することができる。表面架橋ポリマー粒子の表面に流体を分散させる方法は、当該技術分野で既知である(参考として本明細書で援用される、米国特許第4734478号を参照)。
表面架橋ポリマー粒子をコーティングする方法には、ポリアミンと架橋剤を同時に塗布する方法が含まれる。無機塩を架橋剤として使用する場合、ポリアミンと塩は、表面架橋ポリマー粒子の表面に塗布する前の相互作用を回避するために、好ましくは2つの独立したノズルを介して塗布される。表面架橋ポリマー粒子をコーティングする好適な方法は、これらの成分を連続して塗布する方法である。より好適な方法は、最初にポリアミンを塗布した後に、架橋剤を塗布する方法である。
次いで、得られたコーティングされた表面架橋ポリマー粒子は、十分な時間(例えば、約5分〜約60分間)約25℃〜約100℃に維持される。特に、ポリアミンコーティングは、典型的には、表面架橋プロセス後に完全に冷却されていない表面架橋SAP粒子に塗布される。したがって、ポリアミンコーティングステップでは、表面架橋SAP粒子の潜熱が使用される。必要に応じて、最高100℃の所望の粒子温度を維持して、ポリアミンコーティングを硬化させるのに、外部熱を加えることもできる。ポリアミンコーティングされたSAP粒子の温度は、ポリアミンコーティングとベースポリマーのカルボキシル基との間の共有結合を形成する反応を回避するか、少なくとも最小限にするために、約100℃以下に維持される。
ポリアミンと水と任意の溶媒と任意の架橋剤とを表面架橋SAP粒子に塗布した後、コーティングされたSAP粒子は、約25℃〜約100℃(例えば、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100℃)にて、約5分〜約60分間、パドルミキサー(例えば、Ruberg−Mischtechnik AG(ドイツ ニーハイム)およびNara Machining Co.,Ltd.(ドイツ フレッヘン)から入手可能なもの)で混合される。その他の適切なミキサーには、Patterson−Kellyミキサー、DRAIS乱流ミキサー、Loedigeミキサー、Schugiミキサー、スクリューミキサー、およびパンミキサーが含まれる。混合後、本発明のポリアミンコーティングされたSAP(すなわち、場合により架橋されたポリアミンコーティングを有する表面架橋SAP粒子であって、ポリアミンとベースポリマーのカルボキシル基との間の共有結合が最小限に低減される、SAP粒子)が生じる。
本発明のポリアミンコーティングされたSAP粒子は、優れた吸収性、透過性、およびゲル完全性を有する。特に、本発明のSAP粒子は、少なくとも25g/gの遠心力保持能力を有する。本発明の粒子はまた、少なくとも2、好ましくは少なくとも2.5、さらに好ましくは少なくとも3、尚さらに好ましくは少なくとも3.5、最も好ましくは少なくとも4.0のゲル完全性も示す。本発明のSAP粒子はさらに、少なくとも200、好ましくは少なくとも210、220、230、240または250、より好ましくは、260、270、280、290または300ダルシーの自由膨潤ゲルベッド透過性、好ましくは少なくとも3、より好ましくは少なくとも4、5、6または7、最も好ましくは少なくとも8、9または10ダルシーのゲルベッド透過性(0.3psi)も示す。
したがって、本発明は、改善された吸収度、流体透過性およびゲル完全性を有する、ポリアミンコーティングされたSAP粒子を提供する。驚くべきことに、吸収度、流体透過性、およびゲル完全性は、吸上指数から独立しており、すなわち、吸上指数が減少するにつれて、吸収度と透過性の予想される減少が認められない。
本発明はまた、共溶媒がコーティング溶液の成分として塗布され、ポリアミンの粘り気のある粘着性の性質に起因するSAP粒子の凝塊を減少させる場合に、疎水性の表面を有するポリアミンコーティングされたSAP粒子も提供する。本発明はまた、無機または有機架橋剤がコーティング溶液の成分として塗布され、SAP粒子が比較的低温(すなわち、約25℃〜約100℃、好ましくは約50℃〜約100℃、最も好ましくは約60℃〜約80℃)にて約5分〜約60分間維持される場合に、親水性の表面を有するポリアミンコーティングされたSAP粒子も提供する。
本発明によれば、ポリアミンは、ポリアミンと任意の架橋剤が表面架橋SAP粒子の表面に均一に分散するように、表面架橋SAP粒子に塗布される。次いで、得られたコーティングされた表面架橋SAP粒子は、ポリアミンコーティングとベースポリマーのカルボキシル基との間の共有結合架橋を最小限にしながら、ポリアミンコーティングを架橋するために、例えば、約5〜約90分間、好ましくは約10〜約60分間にわたって、約25℃〜約100℃、好ましくは約50℃〜約100℃、より好ましくは約60℃〜約80℃に維持される。
本発明のコーティングされたSAP粒子によって提供される予想外の利点を実証するために、ポリアミンコーティングされたSAP粒子を製造して、遠心力保持能力(CRC(g/g))、荷重吸収度(AUL0.9psi(g/g))、自由膨潤ゲルベッド透過性(GBP、ダルシー)、ゲルベッド透過性(GBP0.3psi、ダルシー)、ゲル完全性(GI)(1〜4点)、および流体吸上指数(cm/分)について試験した。これらの試験は、以下の手順を使用して行った。
遠心力保持能力(CRC)
この試験により、ヒドロゲル形成ポリマーの自由膨潤能力が測定される。得られた保持能力は、試料1グラム重当たりに保持される液体グラム(g/g)として記載される。この方法では、粒群106〜850μmの乾燥SAP粒子0.2000±0.0050gをティーバッグに挿入する。例えば、(米国コネチカット州ウィンザーロックスに事務所を有する)Dexter Corporationから型式番号1234Tのヒートシール濾紙として入手可能なものなどのヒートシールティーバッグ材は、ほとんどの用途に良好に機能する。このバッグは、5インチ×3インチのバッグ材試料を半分に折り、開口端部の2つをヒートシールして、2.5インチ×3インチの長方形パウチを形成することによって形成される。ヒートシールは、材料の端部から約0.25インチ内側に位置しなければならない。試料をパウチに入れた後、パウチの残りの開口端部もヒートシールする。対照として空のバッグを作成することもできる。ティーバッグを30分間生理食塩水溶液(すなわち、0.9質量%の塩化ナトリウム水)に入れ(少なくともポリマー1g当たり0.831(リットル)の生理食塩水)、バッグが完全に湿潤するまで沈めておく。次いで、ティーバッグを250Gにて3分間遠心分離させる。このティーバッグの質量を測定することによって、生理食塩水の吸収量を測定する。このバッグ自体が保持する溶液を考慮して得た、超吸収性ポリマー試料の保持する溶液量が、超吸収性ポリマーの遠心力保持能力(CRC)であり、超吸収性ポリマー1グラム当たりの流体グラムとして表される。より具体的には、前記保持能力は、以下の式によって測定される。
この試験により、ヒドロゲル形成ポリマーの自由膨潤能力が測定される。得られた保持能力は、試料1グラム重当たりに保持される液体グラム(g/g)として記載される。この方法では、粒群106〜850μmの乾燥SAP粒子0.2000±0.0050gをティーバッグに挿入する。例えば、(米国コネチカット州ウィンザーロックスに事務所を有する)Dexter Corporationから型式番号1234Tのヒートシール濾紙として入手可能なものなどのヒートシールティーバッグ材は、ほとんどの用途に良好に機能する。このバッグは、5インチ×3インチのバッグ材試料を半分に折り、開口端部の2つをヒートシールして、2.5インチ×3インチの長方形パウチを形成することによって形成される。ヒートシールは、材料の端部から約0.25インチ内側に位置しなければならない。試料をパウチに入れた後、パウチの残りの開口端部もヒートシールする。対照として空のバッグを作成することもできる。ティーバッグを30分間生理食塩水溶液(すなわち、0.9質量%の塩化ナトリウム水)に入れ(少なくともポリマー1g当たり0.831(リットル)の生理食塩水)、バッグが完全に湿潤するまで沈めておく。次いで、ティーバッグを250Gにて3分間遠心分離させる。このティーバッグの質量を測定することによって、生理食塩水の吸収量を測定する。このバッグ自体が保持する溶液を考慮して得た、超吸収性ポリマー試料の保持する溶液量が、超吸収性ポリマーの遠心力保持能力(CRC)であり、超吸収性ポリマー1グラム当たりの流体グラムとして表される。より具体的には、前記保持能力は、以下の式によって測定される。
ゲルベッド透過性(GBP自由膨潤および0.3psi、ダルシー)
この手順は、参考として本明細書で援用される米国特許公開第2005/0256757号に開示されている手順と同じである。但し、100グラム重を使用して0.3psiを提供することにより、方法が改変されている。
この手順は、参考として本明細書で援用される米国特許公開第2005/0256757号に開示されている手順と同じである。但し、100グラム重を使用して0.3psiを提供することにより、方法が改変されている。
荷重吸収度(AUL)
この手順は、AUL(0.90psi)に317グラム重を使用して、参考として本明細書で援用される国際特許公開第00/62825号、第22〜23項に開示されている。
この手順は、AUL(0.90psi)に317グラム重を使用して、参考として本明細書で援用される国際特許公開第00/62825号、第22〜23項に開示されている。
ゲル完全性(GI)
小さなポリスチレン秤量皿(直径1インチのベース)にSAP試料1gを入れた。SAP粒子を皿底に均等に分散させた後、1gの0.9質量%生理食塩水をSAP粒子の中央に添加する。これらの粒子を1分間静置した後、以下の通り評価する。
小さなポリスチレン秤量皿(直径1インチのベース)にSAP試料1gを入れた。SAP粒子を皿底に均等に分散させた後、1gの0.9質量%生理食塩水をSAP粒子の中央に添加する。これらの粒子を1分間静置した後、以下の通り評価する。
流体吸上指数
この手順は、参考として本明細書で援用される欧州特許第0532002B1号に開示されている手順と同じである。
この手順は、参考として本明細書で援用される欧州特許第0532002B1号に開示されている手順と同じである。
粒度分布(PSD)
参考として本明細書で援用される米国特許第5061259号に記載の通り、粒度分布が測定する。要約すると、SAP粒子の試料を、一連の積層篩の上に添加する。これらの篩を、所定の時間にわたって機械的に振盪された後、それぞれの篩上のSAP粒子の量を計量する。SAP試料の最初の試料質量をもとに、それぞれの篩上のSAP粒子の割合を算出する。
参考として本明細書で援用される米国特許第5061259号に記載の通り、粒度分布が測定する。要約すると、SAP粒子の試料を、一連の積層篩の上に添加する。これらの篩を、所定の時間にわたって機械的に振盪された後、それぞれの篩上のSAP粒子の量を計量する。SAP試料の最初の試料質量をもとに、それぞれの篩上のSAP粒子の割合を算出する。
実施例1
表面架橋されたポリマー粒子、およびBASF AG(ドイツ ルートウィヒスハーフェン)より入手可能なHySorb B−8700ADを、所定の温度に設定した実験用オーブンで予熱した。ポリマー粒子(1kg)が所定のコーティング温度に達したら、表面架橋されたポリマー粒子を、予熱した実験用Loedigeミキサーに移した。粒子は、コーティング手順全体を通して一定の所定温度に維持した。使い捨て注射器により449rpmのLoedige混合速度で5分間かけて滴下することにより、ポリビニルアミンコーティング溶液(すなわち、40グラムのLUPAMIN(登録商標)9095および15グラムの脱イオン水)を予熱したポリマー粒子に添加した。コーティング溶液の添加が完了した後、Loedige混合速度を79rpmに下げ、混合を30分間継続した。
表面架橋されたポリマー粒子、およびBASF AG(ドイツ ルートウィヒスハーフェン)より入手可能なHySorb B−8700ADを、所定の温度に設定した実験用オーブンで予熱した。ポリマー粒子(1kg)が所定のコーティング温度に達したら、表面架橋されたポリマー粒子を、予熱した実験用Loedigeミキサーに移した。粒子は、コーティング手順全体を通して一定の所定温度に維持した。使い捨て注射器により449rpmのLoedige混合速度で5分間かけて滴下することにより、ポリビニルアミンコーティング溶液(すなわち、40グラムのLUPAMIN(登録商標)9095および15グラムの脱イオン水)を予熱したポリマー粒子に添加した。コーティング溶液の添加が完了した後、Loedige混合速度を79rpmに下げ、混合を30分間継続した。
実施例2
表面架橋されたポリマー粒子、およびHySorb B−8700ADを、所定の温度に設定した実験用オーブンで予熱した。ポリマー粒子(1kg)が所定のコーティング温度に達したら、粒子を、予熱した実験用Loedigeミキサーに移した。ポリマー粒子は、コーティング手順全体を通して一定の所定温度に維持した。使い捨て注射器により449rpmのLoedige混合速度で5分間かけて滴下することにより、ポリビニルアミンコーティング溶液(40グラムのLUPAMIN(登録商標)9095、10グラムのプロピレングリコール、および15グラムの脱イオン(DI)水)を予熱したポリマー粒子に添加した。コーティング溶液の添加が完了した後、Loedige混合速度を79rpmに下げ、混合を30分間継続した。
表面架橋されたポリマー粒子、およびHySorb B−8700ADを、所定の温度に設定した実験用オーブンで予熱した。ポリマー粒子(1kg)が所定のコーティング温度に達したら、粒子を、予熱した実験用Loedigeミキサーに移した。ポリマー粒子は、コーティング手順全体を通して一定の所定温度に維持した。使い捨て注射器により449rpmのLoedige混合速度で5分間かけて滴下することにより、ポリビニルアミンコーティング溶液(40グラムのLUPAMIN(登録商標)9095、10グラムのプロピレングリコール、および15グラムの脱イオン(DI)水)を予熱したポリマー粒子に添加した。コーティング溶液の添加が完了した後、Loedige混合速度を79rpmに下げ、混合を30分間継続した。
実施例3
表面架橋されたポリマー粒子、およびHySorb B−8700ADを、所定の温度に設定した実験用オーブンで予熱した。ポリマー粒子(1kg)が所定の温度に達したら、粒子を、予熱した実験用Loedigeミキサーに移した。ポリマー粒子は、コーティング手順全体を通して一定の所定温度に維持した。溶液1(第1の使い捨て注射器に入れたミョウバン溶液(35.8グラム、28.1質量%の硫酸アルミニウム))、および溶液2(第2の使い捨て注射器に入れたポリビニルアミンコーティング溶液(40または20グラムのLUPAMIN(登録商標)9095、10グラムのPG))を製造した。最初に溶液1を、次いで溶液2を予熱したポリマー粒子に添加した。添加は、449rpmのLoedige混合速度で5分間かけて滴下することにより行った。コーティング溶液の添加が完了した後、Loedige混合速度を79rpmに下げ、混合を30分間継続した。
表面架橋されたポリマー粒子、およびHySorb B−8700ADを、所定の温度に設定した実験用オーブンで予熱した。ポリマー粒子(1kg)が所定の温度に達したら、粒子を、予熱した実験用Loedigeミキサーに移した。ポリマー粒子は、コーティング手順全体を通して一定の所定温度に維持した。溶液1(第1の使い捨て注射器に入れたミョウバン溶液(35.8グラム、28.1質量%の硫酸アルミニウム))、および溶液2(第2の使い捨て注射器に入れたポリビニルアミンコーティング溶液(40または20グラムのLUPAMIN(登録商標)9095、10グラムのPG))を製造した。最初に溶液1を、次いで溶液2を予熱したポリマー粒子に添加した。添加は、449rpmのLoedige混合速度で5分間かけて滴下することにより行った。コーティング溶液の添加が完了した後、Loedige混合速度を79rpmに下げ、混合を30分間継続した。
実施例4
表面架橋されたポリマー粒子、およびHySorb B−8700ADを、60℃に設定した実験用オーブンで予熱した。ポリマー粒子(1kg)が60℃に達したら、粒子を、予熱した(60℃)実験用Loedigeミキサーに移した。ポリマー粒子は、コーティング手順全体を通して60℃に維持した。溶液1(第1の使い捨て注射器に入れたイオン架橋剤溶液(35.8グラムのミョウバン水、または40グラムの25%硫酸ナトリウム水溶液、または37グラムの27%ケイ酸ナトリウム水溶液、または9.26グラムの25%リン酸三ナトリウム水溶液))、および溶液2(第2の使い捨て注射器に入れたポリビニルアミンコーティング溶液(20グラムのLUPAMIN(登録商標)9095、10グラムのPG))を製造した。最初に溶液1を、次いで溶液2を予熱したポリマー粒子に添加した。添加は、449rpmのLoedige混合速度で5分間かけて滴下することにより行った。コーティング溶液の添加が完了した後、Loedige混合速度を79rpmに下げ、混合を30分間継続した。
表面架橋されたポリマー粒子、およびHySorb B−8700ADを、60℃に設定した実験用オーブンで予熱した。ポリマー粒子(1kg)が60℃に達したら、粒子を、予熱した(60℃)実験用Loedigeミキサーに移した。ポリマー粒子は、コーティング手順全体を通して60℃に維持した。溶液1(第1の使い捨て注射器に入れたイオン架橋剤溶液(35.8グラムのミョウバン水、または40グラムの25%硫酸ナトリウム水溶液、または37グラムの27%ケイ酸ナトリウム水溶液、または9.26グラムの25%リン酸三ナトリウム水溶液))、および溶液2(第2の使い捨て注射器に入れたポリビニルアミンコーティング溶液(20グラムのLUPAMIN(登録商標)9095、10グラムのPG))を製造した。最初に溶液1を、次いで溶液2を予熱したポリマー粒子に添加した。添加は、449rpmのLoedige混合速度で5分間かけて滴下することにより行った。コーティング溶液の添加が完了した後、Loedige混合速度を79rpmに下げ、混合を30分間継続した。
実施例5
表面架橋されたポリマー粒子、およびHySorb B−8700ADを、60℃に設定した実験用オーブンで予熱した。ポリマー粒子(1kg)が60℃に達したら、粒子を、予熱した(60℃)実験用Loedigeミキサーに移した。ポリマー粒子は、コーティング手順全体を通して60℃に維持した。溶液1(第1の使い捨て注射器に入れたイオン架橋剤溶液(種々のグラムのミョウバン水))、および溶液2(第2の使い捨て注射器に入れたポリビニルアミンコーティング溶液(40または20グラムのLUPAMIN(登録商標)9095、10グラムのPG))を製造した。最初に溶液1を、次いで溶液2を予熱したポリマー粒子に添加した。添加は、449rpmのLoedige混合速度で5分間かけて滴下することにより行った。コーティング溶液の添加が完了した後、Loedige混合速度を79rpmに下げ、混合を30分間継続した。
表面架橋されたポリマー粒子、およびHySorb B−8700ADを、60℃に設定した実験用オーブンで予熱した。ポリマー粒子(1kg)が60℃に達したら、粒子を、予熱した(60℃)実験用Loedigeミキサーに移した。ポリマー粒子は、コーティング手順全体を通して60℃に維持した。溶液1(第1の使い捨て注射器に入れたイオン架橋剤溶液(種々のグラムのミョウバン水))、および溶液2(第2の使い捨て注射器に入れたポリビニルアミンコーティング溶液(40または20グラムのLUPAMIN(登録商標)9095、10グラムのPG))を製造した。最初に溶液1を、次いで溶液2を予熱したポリマー粒子に添加した。添加は、449rpmのLoedige混合速度で5分間かけて滴下することにより行った。コーティング溶液の添加が完了した後、Loedige混合速度を79rpmに下げ、混合を30分間継続した。
実施例6
実施例5の手順を再度繰り返して、LUPAMIN(登録商標)9095、プロピレングリコール、および硫酸アルミニウム溶液でコーティングしたHySorb B−8700AD粒子の吸収度、ゲル透過性、およびゲル完全性を示した。
実施例5の手順を再度繰り返して、LUPAMIN(登録商標)9095、プロピレングリコール、および硫酸アルミニウム溶液でコーティングしたHySorb B−8700AD粒子の吸収度、ゲル透過性、およびゲル完全性を示した。
実施例7
表面架橋されたポリマー粒子、およびHySorb B−8700ADを、80℃に設定した実験用オーブンで予熱した。ポリマー粒子(1kg)が80℃に達したら、粒子を、予熱した(80℃)実験用Loedigeミキサーに移した。ポリマー粒子は、コーティング手順全体を通して80℃に維持した。溶液1(第1の使い捨て注射器に入れた共有結合架橋剤溶液(1、2または3グラムのエチレングリコールジグリシジルエーテル(EGDGE)を含む15グラムのDI水))、および溶液2(第2の使い捨て注射器に入れたポリビニルアミンコーティング溶液(40グラムのLUPAMIN(登録商標)9095、10グラムのPG))を製造した。最初に溶液1を、次いで溶液2を予熱したポリマー粒子に添加した。添加は、449rpmのLoedige混合速度で5分間かけて滴下することにより行った。コーティング溶液の添加が完了した後、Loedige混合速度を79rpmに下げ、混合を30分間継続した。
表面架橋されたポリマー粒子、およびHySorb B−8700ADを、80℃に設定した実験用オーブンで予熱した。ポリマー粒子(1kg)が80℃に達したら、粒子を、予熱した(80℃)実験用Loedigeミキサーに移した。ポリマー粒子は、コーティング手順全体を通して80℃に維持した。溶液1(第1の使い捨て注射器に入れた共有結合架橋剤溶液(1、2または3グラムのエチレングリコールジグリシジルエーテル(EGDGE)を含む15グラムのDI水))、および溶液2(第2の使い捨て注射器に入れたポリビニルアミンコーティング溶液(40グラムのLUPAMIN(登録商標)9095、10グラムのPG))を製造した。最初に溶液1を、次いで溶液2を予熱したポリマー粒子に添加した。添加は、449rpmのLoedige混合速度で5分間かけて滴下することにより行った。コーティング溶液の添加が完了した後、Loedige混合速度を79rpmに下げ、混合を30分間継続した。
実施例8
表面架橋されたポリマー粒子、およびHySorb B−8700ADを、60℃に設定した実験用オーブンで予熱した。ポリマー粒子(1kg)が60℃に達したら、粒子を、予熱した(60℃)実験用Loedigeミキサーに移した。ポリマー粒子は、コーティング手順全体を通して60℃に維持した。使い捨て注射器を使用して、ポリビニルアミンコーティング溶液(40グラムのLUPAMIN(登録商標)9095、10グラムの共溶媒、および15グラムのDI水)を、予熱したポリマー粒子に添加した。添加は、449rpmのLoedige混合速度で5分間かけて滴下することにより行った。コーティング溶液の添加が完了した後、Loedige混合速度を79rpmに下げ、混合を30分間継続した。本実施例で使用される共溶媒は、プロピレングリコール(PG)、1,3−プロパンジオール(PDO)、イソプロピルアルコール(IPA)、メタノール(MeOH)、およびエチレングリコール(EG)であった。
表面架橋されたポリマー粒子、およびHySorb B−8700ADを、60℃に設定した実験用オーブンで予熱した。ポリマー粒子(1kg)が60℃に達したら、粒子を、予熱した(60℃)実験用Loedigeミキサーに移した。ポリマー粒子は、コーティング手順全体を通して60℃に維持した。使い捨て注射器を使用して、ポリビニルアミンコーティング溶液(40グラムのLUPAMIN(登録商標)9095、10グラムの共溶媒、および15グラムのDI水)を、予熱したポリマー粒子に添加した。添加は、449rpmのLoedige混合速度で5分間かけて滴下することにより行った。コーティング溶液の添加が完了した後、Loedige混合速度を79rpmに下げ、混合を30分間継続した。本実施例で使用される共溶媒は、プロピレングリコール(PG)、1,3−プロパンジオール(PDO)、イソプロピルアルコール(IPA)、メタノール(MeOH)、およびエチレングリコール(EG)であった。
実施例1〜8は、本発明のポリアミンコーティングされたSAP粒子が、優れた透過性(0.3psi GBP)を示し、吸収力(CRC)を維持し、ゲル完全性(GI)を改善するだけでなく、共溶媒をコーティングプロセスに組み込むことによってSAP粒子表面を疎水性にした場合に、粒子の凝塊を減少させることを示している。
さらに、吸上指数においては、さらなる予想外の結果が観察されている。通常、SAP粒子の吸上指数が低下すると、SAP粒子の透過性も低下する。これは、吸上指数が低いためにゲルブロッキングが増加することに起因する。本発明のポリアミンコーティングされたSAP粒子は、ポリアミンコーティングされた粒子の吸上指数が対照ポリマーの吸上指数よりも低い場合であっても、透過性の減少を示さない。反対に、吸上指数の減少によって、典型的には透過性の増加がもたらされる。したがって、本発明のポリアミンコーティングされたSAP粒子の改善された吸収性、透過性およびゲル完全性は、前記粒子の示す吸上指数に依存していない。
本発明のポリアミンコーティングされたSAP粒子が示す吸収度と透過性とゲル完全性の均衡のとれた特性、そしてこれらの特性の吸上指数に対する本質的な非依存性は、表面架橋SAP粒子の表面にポリアミンを塗布した後にも表面架橋SAP粒子を維持する比較的低い温度によるものである。特に、硬化温度が低いため、高温でポリアミンコーティングを硬化すると悪影響を受けるゲル完全性が、優れたレベルに維持される。
本発明のポリアミンコーティングされたSAP粒子は、水およびその他の液体の吸収剤として有用であり、特に、おむつ、タンポンおよび生理用ナプキンなどの衛生用品の吸収性成分として使用することができる。本発明のポリアミンコーティングされたSAP粒子は、例えば以下の用途で使用することができる(保管、包装、水の影響を受けやすい用品の包装材料としての輸送(例えば、花の輸送)、および衝撃保護;食品部門における、魚および鮮肉の輸送、ならびに鮮魚および鮮肉パック内の水および血液の吸収;水処理、廃棄物処理、および水除去;清掃;ならびに農業業界における、灌水、融雪氷水および露の沈殿物の保持、ならびに堆肥化添加物としての利用)。
本発明のポリアミンコーティングされたSAP粒子用のさらなる用途には、医療用途(損傷用ギプス、火傷用被覆材またはその他の滲出性損傷用の吸水材、損傷用の救急用被覆材、後の分析および診断のための体液滲出物の迅速吸収)、化粧品、医薬品および薬物の担体材料、リューマチ用ギプス、超音波ゲル、冷却ゲル、油中水型乳剤または水中油型乳剤の増粘剤、繊維(グローブ、スポーツウェア、繊維の湿気調整、靴の中敷き、合成繊維)、疎水性表面の親水性化、化学プロセス業界の用途(有機反応用触媒、官能性大分子(酵素)の固定、蓄熱媒体、濾過助剤、ポリマーラミネートの親水性成分、分散剤、液化機)、ならびに建築構造物(シーリング材、湿気の存在下で自動密閉するシステムまたはフィルム、および焼結建築資材またはセラミックス中の細孔形成剤)が含まれる。
特に、本発明はまた、衛生用品の吸収コア材におけるポリアミンコーティングされたSAP粒子の使用も提供する。衛生用品には、成人用失禁パッドおよび失禁ブリーフ、乳児用おむつ、生理用品、包帯、および体液の吸収に有用な類似用品が含まれるが、これらに限定されない。
おむつなどの衛生用品は、(a)透液性表面シートと、(b)不透液性裏面シートと、(c)(a)と(b)の間に配置され、約50質量%〜約100質量%の本発明のポリアミンコーティングされたSAP粒子、および0質量%〜50質量%の親水性繊維材料(例えば、セルロース繊維)を含むコア材と、(d)場合により前記コア材(c)の真上および真下に配置される組織層と、(e)場合により(a)と(c)の間に配置される吸収層とを含む。
本明細書で上に記載したような本発明の多くの改変および変形が、本発明の趣旨および適用範囲から逸脱することなく可能であり、したがって、特許請求の範囲に記載のような制限を課す必要があるは明らかである。
Claims (29)
- 少なくとも約25g/gの遠心力保持能力(CRC)、少なくとも200ダルシーの自由膨潤ゲルベッド透過性、および少なくとも2のゲル完全性を有する、超吸収性ポリマー粒子。
- 少なくとも3ダルシーのゲルベッド透過性(0.3psi)もさらに有する、請求項1に記載の超吸収性ポリマー粒子。
- 少なくとも250ダルシーの自由膨潤ゲルベッド透過性を有する、請求項1に記載の超吸収性ポリマー粒子。
- 少なくとも2.5のゲル完全性を有する、請求項1に記載の超吸収性ポリマー粒子。
- 前記粒子の表面が疎水性である、請求項1に記載の超吸収性ポリマー粒子。
- 前記粒子の表面が親水性である、請求項1に記載の超吸収性ポリマー粒子。
- 表面架橋された超吸収性ポリマー粒子が、ポリアミン、任意の共溶媒、任意の架橋剤、および水を含むコーティング組成物でコーティングされ、
前記ポリアミンコーティングされたポリマー粒子が25℃〜100℃に約5〜約60分間維持される、
方法で製造される、請求項1に記載の超吸収性ポリマー粒子。 - 前記コーティング組成物が共溶媒を含み、前記超吸収性ポリマー粒子が疎水性表面を有する、請求項7に記載の超吸収性ポリマー粒子。
- 前記コーティング組成物が任意の共溶媒を含まず、前記超吸収性ポリマー粒子が親水性表面を有する、請求項7に記載の超吸収性ポリマー粒子。
- 前記ポリマーが、アクリル酸、メタクリル酸、またはこれらの混合物を含む、請求項7に記載の超吸収性ポリマー粒子。
- 前記ポリマーが約25〜約100の中和度を有する、請求項7に記載の超吸収性ポリマー粒子。
- 前記ポリアミンが、前記粒子の約0.1質量%〜約2質量%の量で前記表面架橋ポリマーの表面に存在する、請求項7に記載の超吸収性ポリマー粒子。
- 前記ポリアミンが、第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基、および第四級アンモニウム基の1つ以上を有する、請求項7に記載の超吸収性ポリマー粒子。
- 前記ポリアミンが、約5,000〜約1,000,000の質量平均分子量を有する、請求項7に記載の超吸収性ポリマー粒子。
- 前記ポリアミンが、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリアルキレンアミン、ポリアゼチジン、ポリビニルグアニジン、ポリ(DADMAC)、カチオン性ポリアクリルアミド、ポリアミン官能性ポリアクリレート、およびこれらの混合物からなる群から選択されるホモポリマーまたはコポリマーである、請求項7に記載の超吸収性ポリマー粒子。
- 前記架橋剤が、(a)原子価+2、+3もしくは+4の多価金属カチオン、(b)原子価−2、−3もしくは−4の多価アニオン、または(c)多価カチオンおよび多価アニオンを有する塩を含む、請求項7に記載の超吸収性ポリマー粒子。
- 前記多価金属カチオンが、Mg2+、Ca2+、Al3+、Sc3+、Ti4+、Mn2+、Fe2+/3+、Co2+、Ni2+、Cu+/2+、Zn2+、Y3+、Zr4+、La3+、Ce4+、Hf4+、Au3+、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項16に記載の超吸収性ポリマー粒子。
- 前記多価アニオンが、硫酸イオン、リン酸イオン、リン酸水素イオン、ホウ酸イオン、ポリカルボン酸のアニオン、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項16に記載の超吸収性ポリマー粒子。
- 前記架橋剤が、前記ポリアミンのアミノ基と反応することができる多官能性有機成分を含む、請求項7に記載の超吸収性ポリマー粒子。
- 前記架橋剤が、炭酸アルキレン、ポリアジリジン、ハロエポキシ、ポリイソシアネート、ジグリシジルまたはポリグリシジル化合物、アルコキシシリル化合物、尿素、チオ尿素、グアニジン、ジシアンジアミド、2−オキサゾリジノンまたはその誘導体、ビスオキサゾリン、ポリオキサゾリン、ジイソシアネートおよびポリイソシアネート、ジ−N−メチロールおよびポリ−N−メチロール化合物、または複数のブロックイソシアネート基を有する化合物、多官能性アルデヒド、多官能性ケトン、多官能性アセタール、多官能性ケタール、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項19に記載の超吸収性ポリマー粒子。
- 前記共溶媒が、アルコール、ジオール、トリオール、またはこれらの混合物を含む、請求項7に記載の超吸収性ポリマー粒子。
- 前記共溶媒が、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールオリゴマー、プロピレングリコールオリゴマー、グリセリン、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、およびこれらの混合物を含む、請求項21に記載の超吸収性ポリマー粒子。
- 前記表面架橋された超吸収性ポリマーが表面架橋ポリアクリル酸を含む、請求項7に記載の超吸収性ポリマー粒子。
- 前記ポリアミンが、ポリビニルアミンのホモポリマーまたはコポリマーを含む、請求項23に記載の超吸収性ポリマー粒子。
- 超吸収性ポリマー粒子を製造する方法であって、
(a)表面架橋された超吸収性ポリマー粒子を提供するステップと、
(b)ポリアミン、任意の共溶媒、および任意の架橋剤を含む組成物を、前記表面架橋されたポリマー粒子の表面に塗布するステップと、
(c)ステップ(b)のコーティングされた表面架橋ポリマー粒子を、前記表面架橋ポリマー粒子上に硬化したポリアミンコーティングを得るのに十分な時間にわたり、約25℃〜約100℃に維持するステップと
を含む、方法。 - 維持ステップ(c)が、約50℃〜約100℃にて約5〜約60分間行われる、請求項25に記載の方法。
- ステップ(b)およびステップ(c)が同時に行われる、請求項25に記載の方法。
- (a)透液性表面シートと、
(b)不透液性裏面シートと、
(c)(a)と(b)の間に配置され、約50%〜約100質量%の請求項1に記載の超吸収性ポリマー粒子、および0%〜約50質量%の親水性繊維素材を含むコア材と、
(d)場合により前記コア材(c)の真上および真下に配置される組織層と、
(e)場合により(a)と(c)の間に配置される吸収層と
を含む、衛生用品。 - おむつ、生理用品、失禁パッド、失禁ブリーフ、包帯、および火傷または創傷用被覆材からなる群から選択される、請求項28に記載の衛生用品。
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